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【腕時計のF1】リシャール・ミルとは?歴史や魅力を徹底解説

「エクストリームウォッチ(過激な時計/極端な時計)」をポリシーにしている時計ブランド リシャール・ミルは非常に高額ながら高い人気をもつブランドです。今までの時計ブランドでは考えられないような機構や素材など、斬新で革新的な時計を次々に発表しています。 この記事ではリシャール・ミルの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、リシャールミルの時計を着けている有名人について解説をします。 1 腕時計のF1 リシャール・ミルの歴史 「エクストリームウォッチ(過激な時計/極端な時計)をポリシーとするリシャール・ミルはリシャール・ミルという人物が興したブランドです。例えばフランクミュラーやブレゲなど、時計師がブランドを興すことはよくあるのですがリシャール・ミルは時計師でもデザイナーでもありません。一風変わった経歴を持つリシャール・ミルの歴史を解説します。 1-1 ブランドを立ち上げる決意 リシャール・ミルはブランドの始まりも独特です。まずはリシャール・ミル氏の経歴から紹介していきます。 リシャール・ミルの時計との初めての接点は10歳の頃でした。父親からロンジンの時計を譲り受けたことが初めて機械式時計に触れたときだったとインタビューで語っています。しかしこの時計の寿命は一日でした。それは幼いリシャール・ミルがムーブメントの仕組みがどうなっているかに興味を持ち、バラバラにして戻せなくなってしまったとのこと。これをきっかけに機械仕掛けといったものに強く惹かれるようになったリシャールですが、同時に作り手にはなれないと感じたのかもしれません。 18歳になりフランス ブザンソン工科大学でマーケティングを学び、セールスでプロフェッショナルを目指しました。卒業後は小さな時計メーカーの営業に就き、会社の合併後には3ブランドを束ねるディレクターになるなどマーケティングの方面で才能を発揮しました。ちなみに後に会社はセイコーに吸収されており、リシャールはこの時に触れたセイコーの時計の精度の高さに感銘を受けたとのこと。 リシャールはマーケティングが主な仕事でしたが開発にも相当に口を出していた様子で、ある時に担当していたイエマというブランドの時計を開発することに。この時計のコンセプトは極地で使える時計で、表裏にそれぞれ北極用、南極用と文字盤を分け、軽いチタンケースに、マイナス40度でも動くクオーツ式を採用したものでした。これがジャン・ルイ・エティエンヌ博士の北極・南極探検に使用され、無事横断に成功しました。これがリシャール・ミルの初めての開発品です。 1-2 ルノー・エ・パピとの出会い 出典:REVOLUTION その後リシャール・ミルはフランスの老舗ジュエリーブランドのモーブッサンにヘッドハンティングされ入社。93年にはモーブッサンウォッチグループとジュエリーグループのCEOを務めました。ラグジュアリーブランドの経験値を積みつつ、後に彼の運命を変えることになるルノー・エ・パピを知ることになります。ルノー・エ・パピはスイスの複雑機構の設計や製造に特化したメーカーで、現在はオーデマ・ピゲの傘下となり、グランドコンプリケーションなどの複雑系の開発を行っています。リシャールはルノー・エ・パピのCEOファブリス・デシャネルと出会い、かつてない時計の開発への情熱を共鳴させました。 1-3 数々の困難を乗り越え、ブランドデビューへ ルノー・エ・パピのCEOファブリス・デシャネルと出会ったことで、思いを具現化することができました。RM001はリシャール・ミルの最初のモデルとしてつくりあげられました。ホワイトゴールド製のトノーケース、手巻き、トゥールビヨン、パワーリザーブとぜんまいのトルクを示すインジケーターを搭載したモデルです。1998年から3年間かけてようやく出来上がった初号機でした。 発表はバーゼルワールド2001で行われました。リシャールは知人や客見込みの人たちの前でわざとトゥールビヨンの時計を落とすパフォーマンスを行ったのです。しかしRM001はびくともしなかったのです。それまでトゥールビヨンはスポーツはもちろん、拍手などの衝撃ですら壊れてしまう非常に繊細な機構として知られていました。 これはリシャールがトゥールビヨンムーブメントの設計に既存の技術ではなく全く新しい取り組みを行ったことが理由です。例えばケースとムーブメントの設計を同時に行う手法は、当時非常にユニークだったといわれています。 また、リシャール・ミルは「私の時計にコストは関係ない」と語っています。例えばシンプルな自動巻きについても地板は加工が難しいチタン製のため、完成までに6割が廃棄されてしまうほどです。 リシャール・ミルの時計はスイス時計業界で伝統とされるマニュファクチュールとは真逆の取り組みをしています。製造はすべて外注で、ケースはケース専門業者、針は針の専門業者といったようにそれぞれの分野のプロフェッショナルに外注をするため、非常に高額なものの全てが高いスペックの時計が出来上がっています。 2 腕時計のF1 リシャール・ミルによる素材のイノベーション 出典:RICHARD MILLE リシャール・ミルは素材のイノベーションに力を入れており、F1のレーシングカー開発や航空宇宙産業で使われる新素材を時計に応用してきました。既存の時計製造にはない革新的なアイデアとチャレンジは見るものを惹きつけてます。ここではリシャール・ミルが取り扱う素材を一覧にし、紹介していきます。 2-1 チタン 出典:RICHARD MILLE チタンはチタン鉄鉱が主原料で、軽さ、引張強さ、耐食性、非磁性といった特徴があります。生体適合性がありアレルギーが起きにくいため、時計のケースに使われることが多くなってきている素材です。海水への耐性もあるので、ダイバーズウオッチに適しています。 リシャール・ミルでは高級時計に専ら使用されるグレード5を採用しています。ポリッシュ仕上げが可能で、よく見る暗めのグレーではなくステンレスに近い色合いに仕上げることが可能です。 また、エレクトロ・プラズマ酸化処理を施すことで耐傷性が改善されたタイタリットやF1や航空機の部品に使われるチタンアルミナイド、チタンカーバイドも採用しており、特殊チタンを使用しての様々な時計を発表しています。 2-2 ゴールド 出典:RICHARD MILLE ゴールドは高級時計でステンレスの次に多く使われている素材で、時計に使用する際は混ぜ物をして18Kにして使うことが多いです。アンティークウォッチなどには14Kなどもあります。混ぜ物の種類と比率でイエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールドが一般的に使われていますが、独自のブレンドを施すことで色合いや強度等を上げるブランドもあります。 リシャール・ミルではサイドもゴールドのものとサイドがチタンの2種類があり、後者はサンドウィッチと呼ばれています。ミドルケースにだけゴールドが使われているモデルもあり、単純な金無垢モデルではない楽しませる工夫がされています。 2-3 プラチナ 出典:RICHARD MILLE プラチナも高級時計に使われることの多い素材です。一見、ステンレスケースやホワイトゴールドと似ていますが、さらに高級感のある輝きをもつのがプラチナです。耐食性やアレルギーが起こりにくい点、希少性のために高級時計の中でも最上級モデルに使用され、高額なモデルが多いです。 リシャール・ミルではゴールドと同じようにミドルケースに使用されたり、メインのケースに使われています。他のモデルよりも高額な分、さらに高い品格や高級感を愉しむことができます。 2-4 カーボンTPT™ 出典:RICHARD MILLE カーボンTPT™はスイス・ローザンヌにあるNTPT社が開発した鍛造カーボン素材で、軽量さや耐久性からF1や航空産業で使われている素材です。分離したカーボンファイバーの繊維を積み重ね、各層に樹脂を浸透させつつ45度ズラして織り込む層を設けることでダマスカス鋼にみられる木目に似た独特な風合いが愉しめます。さらにこの樹脂に使うレジンを変えることで色を付けたクオーツTPT®も最先端素材としてF1や航空産業に使われています。 リシャール・ミルではカーボンTPT™、クオーツTPT®どちらも主にケースの素材に採用しており、独特な木目調がダイナミックでラグジュアリーな印象に仕上がっています。 2-5 サファイアクリスタル 出典:RICHARD MILLE サファイアクリスタルといえば時計の風防に使われている素材ですが、ここではケース素材のことを指します。風防についていえば、柔らかく加工しやすいミネラルガラスからサファイアクリスタルに変わったことで強度が上がった分加工しづらいため、フラットな形状がほとんどです。 サファイアクリスタルのケース自体は以前からあったものの、完全なサファイアクリスタルケースといえるのはリシャール・ミルが初めてと言われています。加工技術が向上した現代では大型の加工機を用いて複雑なケース形状に仕上げることが可能となりました。とはいえ手間やコストが非常にかかる上歩留まりも悪くとても量産できるものではないため、限られたブランドの限られたモデルでしか実現できていません。 リシャール・ミルはサファイアクリスタルケースを実用まで追求した初めてのブランドですが、現在ではルイヴィトンやウブロなどもサファイアクリスタルケースを採用するモデルが出てきています。リシャール・ミルの最先端素材への取り組みがビッグブランドにも影響したといえます。 2-6 カーボンナノファイバー 出典:RICHARD MILLE カーボンナノファイバーは人間の髪の毛よりも細いカーボンファイバーから成る素材です。カーボンナノファイバーは繊維方向においてはダイヤモンドよりも強く、航空産業や宇宙、電子工学の分野で研究・開発が行われています。レーシングカーにも使用されており、高い堅牢性や軽さ、温度への安定性に優れていることがわかります。 リシャール・ミルではムーブメントの地板にカーボンナノファイバーを採用することで、温度変化による精度への影響を排除しました。経年変化も少なく、スケルトン化されており、ムーブメントを見る愉しみも色褪せない素材です。 2-7 ALUSIC® 出典:RICHARD MILLE ALUSIC®はシリコンカーバイドにアルミニウムを高圧含浸させた新素材です。軽量で強度や熱伝導性に優れており、人工衛星や宇宙ステーションの建設素材に使われています。 リシャール・ミルではALUSIC®をケースの素材に使うことを考案し、工業的な素材の隠れた美しさを発見するに至りました。ポリッシュ仕上げやブラッシュができない素材のため、難しい素材ですが、圧倒的な素材の軽さは既存の価値観では測りきれない魅力があります。 2-8 アルミニウム・リチウム合金 出典:RICHARD MILLE アルミニウム・リチウム合金はリチウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、シリコン、クロム、亜鉛、マンガンから成る合金で、主に航空機などに使われるアルミニウムの合金です。特に軽さが特徴の素材で、アルミニウムよりも密度が低くなるため強度を上げつつ軽量化を狙うことができます。 リシャール・ミルではムーブメントの地板に使用することで機械加工の難しさと引き換えに軽さと堅牢さを得ることで史上最軽量かつ衝撃に非常に強いトゥールビヨンを完成させることができました。 2-9 アンチコロダル100 出典:RICHARD MILLE アンチコロダル100も特殊アルミ合金で航空機やレーシングカーのブレーキキャリパーなどで使われています。かなりマニアックな素材のようで調べることすら難しい素材のようです。リシャール・ミルでは既存の時計技術にはない素材として採用したようです。 2-10 グラフェン 出典:RICHARD MILLE グラフェンは結合炭素原子のシートのことで、熱伝導率と電気伝導率に優れ、鉄の200倍の引張強度をもつ素材です。太陽電池や蓄電のデバイスなどに使われている素材です。スポーツカーメーカーのマクラーレンも注目している素材です。 リシャール・ミルではレジンにグラフェンを混ぜて使うことで得られる剛性に着目し、ケースの素材として採用しました。しかしどこも商品化できていなかったため、実験を重ね1年をかけてグラフェンをレジンに混ぜることに成功しています。グラフTPT®としてマクラーレン・アプライド・テクノロジーズとの協力体制の上、ケースの製造までこぎつけました。 3 リシャール・ミルのメインモデル ここまで様々な点で魅力的なリシャール・ミルについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのメインモデルを深堀していきます。 3-1 RM07-01 出典:RICHARD MILLE RM07-01は自動巻き、レディースモデルのジェムセットも選択可能なラグジュアリーなモデルです。ケースの材質はゴールド、カーボンTPT、セラミックスから選択できます。ゴールドなら煌びやかさと着けたときの独特の柔らかさをもつ不変の美しさが特徴です。カーボンTPTはダマスカス鋼のような木目をもち、力強さと世界に同じ模様が存在しないことの喜びが味わえます。セラミックスは白、黒、ピンクなどを選ぶことができ、粒子の細かさはマットな仕上げとなり完成している印象と遊び心を感じさせます。 自社製キャリバー Cal.CRMA2は時・分表示、可変慣性モーメントローター搭載。風防はスケルトン化され、表からもムーブメントの動きを見ることができます。 3-2 RM010 出典:RICHARD MILLE RM010は自動巻き、日付表示を搭載したモデルです。地板とブリッジにはグレード5のチタンが使われており、チタン90%、アルミニウム6%、バナジウム4%で配合された合金です。主に航空宇宙産業やレーシングカーで使われている優れた剛性と耐腐食性をもった素材です。 リシャール・ミル初期のモデルRM 005のサイズは45.00mm x 37.8mm x 11.45mmですが、市場で好まれる時計の大型化を受け、48.00mm x 39.30mm x 13.84mmへサイズアップ。ムーブメントには可変慣性モーメントローターを搭載しているため、巻き上げ効率が最適化されています。 3-3 RM011(フェリペ・マッサ) 出典:RICHARD MILLE RM011(フェリペ・マッサ)はF1ドライバーのフェリペ・マッサと協力開発したモデルで、F1の過酷な環境でも使用できるモデルとして発表しています。フライバッククロノグラフ、アニュアルカレンダーの機能を備えています。レーシングカーにインスピレーションを多く得ているリシャール・ミルですが、RM011は特に色濃く反映されておりチタン製のムーブメント、滑り止めのリブが施されたプッシュボタンやスリックタイヤをイメージしたリューズなどレーシングカーを想起させるデザインが多く採用されています。 RM011はチタンだけではなくゴールド、セラミック、シリコンナイトライド (窒化ケイ素)、そしてカーボンTPTやクォーツTPTを展開しており、フィリップ・スタルク モデルや、ル・マン・クラシック モデル、ロータスF1 チーム モデルなどとしてそれぞれの素材の優れた特性を発揮しています。 3-4 RM11-03(マクラーレン) 出典:RICHARD MILLE RM11-03(マクラーレン)は、マクラーレン・オートモーティブと、ジュネーブモーターショー 2018で発表した500本限定のコラボモデルです。ケースの素材はカーボンTPTとオレンジのクオーツTPTを織り交ぜて制作されており、マクラーレンのシンボルカラーをモチーフとしています。チタン製のプッシュボタンはマクラーレン720Sの特徴的なヘッドライトのデザインを反映し、リューズはホイールをモチーフにし、専用のラバーストラップにはマクラーレンのロゴが刻まれています。 自社製ムーブメント Cal.RMAC3はフライバッククロノグラフ、月表示、12時位置の大きな窓で日付表示、可変慣性モーメントローターを備えています。 3-5 RM35-02(ラファエル・ナダル) 出典:RICHARD MILLE RM35-02(ラファエル・ナダル)は2010年に初代が出て以降、試行錯誤をしつつ耐衝撃製や軽量性をテーマに進み続けています。初代モデルRM 027ではカーボンナノチューブ製ケース、RM 27-01ではケーブルで吊るされたムーブメント、RM35-2ではカーボンTPT®製モノコック地板というように常に斬新で革新的なチャレンジを続けています。 カーボンTPT®モデルと、レッドクオーツTPT®にホワイトのアクセントが効いたモデルで展開されています。レッドクオーツTPTは生体適合性、安定性、耐久性に優れており、5000Gの加速に耐えることができる材質かつREACH(化学物質の登録、評価、認可および制限)規則に準拠している素材です。 3-6 RM51-01(ミシェル・ヨー) 出典:RICHARD MILLE RM51-01(ミシェル・ヨー)はハリウッドで活躍する女優ミシェル・ヨーと協力開発したモデルで、世界限定18本となっています。中国で皇后の象徴であるフェニックスをダイヤモンドで文字盤上に描いたモデルで、ケース表からベゼルとケースサイド、リューズにまでダイヤモンドがふんだんにセットされている華やかなデザインです。トゥールビヨン搭載なので、ダイヤモンドだけでなくムーブメントの動きにも目を奪われます。 ケースバックは打って変わってブラックオニキス製の地板がマットな静寂さを見せます。ダイヤモンドも裏にはあえて取り付けず、表の華やかさと裏の静けさのメリハリがついたデザインです。 3-7 RM50-01(ロマン・グロージャン) 出典:RICHARD MILLE RM50-01はレーシングドライバーのロマン・グロージャン氏と共同開発したモデルで、レースの極限状態での使用を想定した強度設計になっています。手巻き、トゥールビヨン、クロノグラフを搭載しており、リューズが巻き上げ、ニュートラル状態か時刻設定状態かを示すファンクションインジケーター、減速時にドライバーにかかる重力加速度のGを計測するGフォースセンサーが搭載されています。 ケースにはNTPT®カーボン、ミドルケースにはレッドゴールドかNTPTカーボンを選ぶことができます。レーシングカーなどに使われる素材で、発表の2014年当時、時計に使用されるのは初めてでした。ムーブメントはグレード5のチタンの地板なので、高い剛性によるムーブメントの安定感が得られます。 3-8 RM53-01(パブロ・マクドナウ) 出典:RICHARD MILLE RM53-01(パブロ・マクドナウ)はポロ・プレイヤー、パブロ・マクドナウとの共同開発モデル第2段となります。衝撃はトゥールビヨンの大敵となるため、リシャールミルはケーブルを使ってムーブメントを吊り下げて衝撃吸収するケーブルサスペンション構造を採用しています。歯車やムーブメントの本体を支える中央の地板は、蜘蛛の巣の中心部のように直径0.27mmのスチール製のケーブルで支えられています。10ケのプーリーと4ケの張力装置がケーブルの張力と方向を決めています。 さらに強度が必要なのはムーブメントだけではありません。風防にも斬新なアイデアを取り入れています。リシャール・ミルは通常のサファイアクリスタルでは衝撃に耐えられないため、自動車の分野で使われるラミネート加工を採用しました。薄いポリビニールのフィルムを2枚のサファイアクリスタルで挟みこむことで、強い衝撃がかかっても砕け散ることはなく、ひび程度で済むことができます。ケースサイドにもくぼみを入れることでケース全体の強度を上げており、カーボンTPTのダマスカス鋼のような質感がシャープでスポーティーな印象です。 3-9 RM53-02 出典:RICHARD MILLE RM53-02は2020年の新作で前述のRM53-01を進化させたモデルです。RM53-02はベゼル、ミドルケース、ケースバックをサファイアクリスタルで成型しています。ムーブメントがまるで浮いているように見えるのは、サファイアクリスタルの高い加工技術が不可欠です。1つのサファイアクリスタルのブロックから1000時間以上かけて多軸の加工機械によって削りだしますが、この複雑さを実現できるのは現時点ではリシャール・ミルだけです。ケーブルサスペンション構造は変わらず採用されています。 3-10 RM055(バッバ・ワトソン) 出典:RICHARD MILLE RM055(バッバ・ワトソン)はRM038からインスピレーションを得て制作されたモデルで、トゥールビヨンをカットしたもののベゼルに新素材を採用するなど、少しシンプルに生まれ変わらせたモデルです。RM038に比べると比較的安価で、美しい白ケースということもあり最も人気の高いモデルとなっています。 プロゴルファーのバッバ・ワトソン氏との協力開発によって生まれたモデルのため強度には特に力を入れており、グレード5のチタン製の地板とブリッジにPVD加工とタイタリット®処理を施すことで5000Gの加速に耐えることができます。 ベゼルはイットリウムで安定させたジルコニア(ZrO2)とアルミナ(AlO2)で造られたATZホワイトセラミックを採用しており、傷や汚れに強い素材です。ATZは色の安定性とサファイアクリスタルを超える強度が特徴の素材です。ミドルケース、ケースバックはチタン製でホワイトラバーで保護することで、ムーブメントの振動を抑えつつ着け心地の快適にも繋がりました。 3-11 RM57-01(ジャッキーチェン) 出典:RICHARD MILLE RM57-01(ジャッキーチェン)は辰年にちなみ制作されたモデルです。映画俳優ジャッキー・チェン氏との協力開発によって生まれたコラボモデルで、見事な龍が文字盤上に描かれています。ジャッキー・チェンとは中国語で竜になるものを意味するとのことで、リシャール・ミルはジャッキー・チェン氏とのコラボモデルを制作したいと考えていたようです。 ブラックオニキスの地板にエングレービングとゴールドの竜がトゥールビヨンのブリッジを鉤爪で掴む迫力のあるデザインです。ブラックオニキスの地板の裏面にはジャッキー・チェン氏のサインが刻印されています。 3-12 RM61-01(ヨハン・ブレイク) 出典:RICHARD MILLE RM61-01(ヨハン・ブレイク)はジャマイカの短距離走選手ヨハン・ブレイク氏との協力開発モデルです。RM59−01を原型にしブラッシュアップさせており、RM61-01は最新バージョンです。ベゼルとケースバックにはクオーツTPTとカーボンTPTを重ね合わせた新素材のTZPブラックセラミックスを採用しています。ミドルケースにはカーボンTPTを採用し、層が変わるたびに違う質感になるため、立体感を出すのにも一役買っています。 2時位置と5時位置の間が引き伸ばされたような形状のためアシンメトリーで、リューズが走者の手首に擦れることのないように設計されています。またスポーツでの使用を考慮して制作を行ったため、5000Gもの加速度に耐えうるよう設計されています。 3-13 RM67-01 出典:RICHARD MILLE RM67-01は薄型の自動巻きモデルです。リシャール・ミルの隠れたコンセプトにムーブメントの奥行き感を愉しむことがあるため、それらを両立させるのが難しかったモデルといわれています。リシャール・ミルのアイコン的存在ともいえるトノー型のケースですが、8もの機械工程に数週間、機械用の図面作成から作業前の段取りで1ヶ月など、非常に長い年月をかけて製作されます。 ムーブメントCal.CRMA6はリシャール・ミルでも最薄の3.6mm。薄型でありながら奥行き感を持たせるためにスケルトン加工を施しています。ローターは比重の重いプラチナ製を採用し回転効率を向上させるなどの工夫がされています。 3-14 RM70-01(アラン・プロスト) 出典:RICHARD MILLE RM70-01(アラン・プロスト)はレーシングドライバー アラン・プロスト氏との協力開発で生まれたモデルで、アラン氏とリシャール・ミルの両方が自転車への興味が強かったことから始まります。 アラン氏や他の自転車競技者との議論の結果、通算の走行距離を示す機能を付けることとなりました。機能としては現在の走行距離に当日の走行距離を足すもので、機能としては非常にシンプルです。ブリッジを固定するチタン製アレンスクリューや角穴車、ペダルをモチーフにしたリューズなどいろいろな意味で自転車の世界を意識したものとなっています。カーボンTPTケースの一見奇妙なR形状は自転車のハンドルを握ったときに美しく見える形状となっています。 3-15 RM72-01 出典:RICHARD MILLE RM72-01はブランド初の自社製フライバッククロノグラフ搭載モデルです。ダブルスイングピニオン機構が搭載されており、時分針表示とクロノグラフの巻き上げ動力を分離させることで、互いへの影響をなくす狙いです。クロノグラフ計測用の12時間と60分積算計、60分カウントダウンタイマー、スモールセコンドを文字盤いっぱいに3つインダイヤルとして備えています。 スケルトン化されたグレード5のチタン製の地板、ブリッジはケースバックからクロノグラフを搭載する複雑なムーブメントの奥行きを愉しむことができます。搭載している機能は時分針、日付表示、リューズの位置がわかるファンクションインジケーター、フライバッククロノグラフとなります。 4 リシャール・ミルを着けている芸能人・有名人5選 腕時計のF1といったキャッチーなコンセプトをもったリシャール・ミルは語りたくなる歴史、デザイン・機構が独特でユニークであることから、世界中の芸能人・有名人が好んで着けています。ここではリシャール・ミルの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。 4-1 アーティスト 郷ひろみ RM030 アーティスト 郷ひろみ氏が着けているのは RM030です。郷ひろみさんは他にもロレックスの時計を所有しており、TVなどで着けているのを見ることができます。 通常の自動巻は完全に巻き上げられた後は巻き上げトルクをスリップさせることで過度の巻き上げを防止していますが、リシャール・ミルはそれによって生じる微妙な精度の悪化に着目し、パワーリザーブが一定以上の場合はローターと香箱の連結を切り離し巻き上げを完全に停止、一定以下になると再び連結することで巻き上げを再開するデクラッチャブルローター機構を搭載しました。 過剰な巻き上げによるトルクによる精度への悪影響だけでなく、開放されるトルクが一定になることで全体の精度が向上する効果もあります。また、ユーザーの運動量に合わせて巻き上げ効率の設定を変えることができる可変慣性モーメントローターとの組み合わせによって、トルクコントロールに特化した時計となっています。 4-2 音楽プロデューサー 秋元康 RM023 音楽プロデューサー 秋元康氏が着けているのはRM023です。秋元さんは時計愛好家で知られており、ブレゲやヴァシュロン・コンスタンタンなどの雲上時計も所有しています。 RM023はチタンケースモデルで、ブラックPVDやタイタリットコーティングが施されており、優れた剛性が特徴です。可変慣性モーメントローターを採用しているため、動きに合わせて巻き上げ効率が調整されます。ケースの開発には丸一年、実際の製造には202の機械工程を経てるので、特別高額なのも頷けます。 4-3 プロテニス選手 ラファエル・ナダル RM027 プロテニス選手 ラファエル・ナダル氏が着けているのはRM027です。ナダル氏は時計を腕に着けたままプレイできるように設計されたリシャール・ミルとの歴代の共同開発モデルをずっと着けており、他のブランドの時計を着けているのを見ることはありません。 RM027はカーボンナノチューブ配合のカーボンコンポジットケースで、重量はなんと20g、当時最軽量の時計でした。しかも世界最高峰のテニスの試合でも時計の機能に一切の影響が出なかったことで、堅牢さが証明されました。ムーブメント地板に使われているのはチタンとLITAL®の合金で、堅牢さを落とさずに軽量化できるため、航空機やレーシングカーに使われている最新の素材を使用しています。 4-4 プロサッカー選手 カリム・ベンゼマ RM055 出典:Twitter プロサッカー選手 カリム・ベンゼマ氏が着けているのはRM055です。カリム氏は時計愛好家で知られており、パテック・フィリップの時計を着けているのが自身のインスタグラムで公開されています。 RM055はプロゴルファー バッバ・ワトソンとのコラボモデルでダイヤモンドの次に硬いATZという素材を使用したケースです。ミドルケースとケースバックはグレード5のチタンでホワイトラバーで保護されており、ムーブメントへの振動を和らげています。 4-5 アクション俳優 ジャッキーチェン RM057 出典:RICHARD MILLE アクション俳優 ジャッキーチェン氏が着けているのはRef.RM057です。ジャッキー・チェン氏は時計に縁があまりないのか、着けている情報が得られるのはRef.RM057だけでした。 RM057はジャッキー・チェン氏との共同開発モデルで、2012年の辰年にちなんで発表されました。ドラゴンは中国では成功と幸福を象徴しており、中国語で「龍になる者」を意味するジャッキー・チェンという名前にも繋がっています。マットなブラックオニキスの地板の上にエングレービングと着彩を施したドラゴンがトゥールビヨンのブリッジを掴もうとする迫力は他の時計では味わえません。 5 腕時計のF1 リシャールミル リシャールミルの歴史や魅力についてまとめました。リシャール・ミルは最先端の技術・素材や、リシャール・ミル氏のコンセプトを詰め込んだ独特の世界観が味わえるブランドです。 通常のブランドとは違い、伝統的なデザインには沿わずに自分たちの世界観を貫くスタイルは他のブランドでは味わえない愉しみです。 店頭でリシャールミルの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。

2022年3月30日
【複雑機構の父が興したブランド】ブレゲとは?歴史や魅力を徹底解説

時計の歴史を200年早めたと言われる時計師アブラアン・ルイ・ブレゲが興したブランド ブレゲはデザインとしても技術としても一流の時計で、フランスの貴族に寵愛されました。創業者であるアブラアン・ルイ・ブレゲは現代まで継承され続ける機構を数多く発明し、時計の歴史を200年早めた時計師として知られています。著名な貴族などの顧客がいながら時代の流れに翻弄され、店舗の没収やブランドの買収など何度も存続の危機を乗り越えてきました。 この記事ではブレゲの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、ブレゲの時計を着けている有名人、おすすめモデルについて解説をします。 1 時計の歴史を200年早めた時計師のブランド ブレゲの歴史 ブレゲは時計の歴史を200年早めた時計師が興したブランドとして知られています。しかしその歴史は時代に翻弄されながらも彼のDNAの継承に尽力した人達によって、現代でも手に取ることができています。歴史を深く知ることでブレゲの時計が手にあることの貴重さを深く感じることができるでしょう。ここではブレゲの歴史についてまとめます。 1-1 フランス貴族に愛されたブレゲの時計 出典:Breguet 天才時計師アブラアン・ルイ・ブレゲはスイスのニューシャテルで生まれました。15歳になりスイスを離れ、パリの時計職人となったブレゲは1775年にパリのシテ島に高級時計工房を開き独立しました。 自分の店舗を持って最初に注力したのが、自動巻き機構の開発でした。当時数人の時計師が自動巻き機構を開発していましたが、実用に耐えうるものではなく納得させられるだけの成果を得られずにいました。ブレゲはこれに改良を加えプラチナ製の分銅を搭載した自動巻き機構によって信頼性の高い巻き上げを実現しました。これを搭載した時計をペルペチュアルと名付け販売しました。技術的にも美観の点においても優れていたペルペチュアルは今もなおブレゲの歴史を語る上で天才的な発明の一つに数えられています。 時計ペルペチュアルはヴェルサイユに続き、ヨーロッパ中の貴族たちの間で大いに評判になりました。特にマリー・アントワネットはブレゲの時計を寵愛しており、数本所有するだけでなく、刑務所に幽閉されていたときですらシンプルなブレゲの時計を注文したほどです。 1783年にマリー・アントワネットから受けた注文は歴史的です。時間と費用が無制限であり、これまで知られたあらゆる高度な技術、複雑機構、機能をすべて組み込んだ時計を製作してほしいといったとんでもない注文でした。ブレゲはこれに応えたものの、納品時にはマリー・アントワネットは処刑された後でした。 1789年にバスティーユ監獄襲撃に端を発するフランス革命が勃発。王政は廃止され、王党派とみなされると次々に粛清が始まりました。アブラアン・ルイ・ブレゲもその一員とされてしまいパリの店舗は没収、スイスへの帰国を余儀なくされてしまいました。 1-2 現代に継承される数多くの複雑機構の開発・改良 出典:Breguet 1795年、スイス帰国から2年後にパリに戻ることになるアブラアン・ルイ・ブレゲはこの期間に複雑機構の開発・改良に注力しました。トゥールビヨン、永久カレンダー、レバー式シリンダー脱進機機構、引き撃ち機構などの開発を行いました。また、ブレゲの開発は機構に留まらず、針の先端に小さな穴のあいたブレゲ針やクラシックでいて独特のインデックスデザインのブレゲ数字など、デザインも手掛けました。 これらの開発・改良によって時計の歴史が200年早まったと言われるほどに、現代において非常に強い影響を与えています。このときブレゲが開発・改良した数多くの機構や意匠は現代の時計においても非常によく使われており、現代の時計に備わっている機構の70%はアブラアン・ルイ・ブレゲが開発したと言われています。 1795年パリで再び店舗を開く際にスイスで開発した機構を搭載した時計を販売したところ好評を博し、ブレゲの店は再び活気を取り戻しました。マリー・アントワネットから注文を受けた時計は19年の歳月をかけて完成。自動巻き、永久カレンダー、ミニッツリピーターなど技術の粋を集めた時計はまさに芸術作品そのものでした。完成させた時計は彼女の没後に忠誠の証として保管されました。 史上最高の時計師と言われたアブラアン・ルイ・ブレゲの1823年没後には息子が、その後には孫へと引き継がれていったブレゲですが、ブレゲ流の貴族向けの時計製造は時代に逆行していました。時計が一般に普及していったことでその勢いは続かず、三代目にあたるルイ-クレマンは、1870年に工房長のエドワード・ブラウンに時計部門を売却しました。ブレゲの功績と歴史における重要さを理解していたブラウン家がブランドを率いていくこととなりました。 1-3 宝石商ショーメによりブレゲのDNAが現代に蘇る 出典:Breguet 1970年、ブレゲは宝石商ショーメの手に渡ります。ショーメはブランドを復興させるべく、「もしブレゲが現代に生きていたらどんな腕時計をつくるか」といった難題に取り組むべく優秀な時計師を招集しました。その中には後にブルガリに自分の名を冠するブランドを設立したダニエル・ロート氏が居たことが知られています。かつてブレゲが創り上げた時計を一つ一つ分解し、10年をかけて再構築することで、ブレゲの時計は再び脚光を浴びることとなります。 その後1987年に投資会社インベストコープの手に渡った後、1999年には現在のスウォッチグループに加わることとなり、スウォッチグループ創設者のニコラス・G・ハイエックとその孫でありブレゲCEOのマーク・A・ハイエックのバックアップの元で輝きを取り戻すことができ、現在に至ります。 ブレゲがかつて貴族に愛された伝統的な時計に拘った結果ブランドの存続の危機に陥った歴史を考えると、現代的なエッセンスをしっかり組み込んでいる今のブレゲは時代に沿って生き残っていくブランドに生まれ変わったのではないでしょうか。 2 時計の歴史を200年早めた時計師のブランド ブレゲの魅力 ここでは時計の歴史を200年早めた時計師のブランド ブレゲの魅力について解説します。 2-1 貴族の寵愛を受けた時計のDNAを感じることができる ブレゲの魅力を語る上で歴史と紐付いているのが貴族の寵愛を受けていたことです。アブラアン・ルイ・ブレゲが発明・改良した自動巻き機構ペルペチュアルをきっかけに、フランス貴族達の間で評判の時計師となり、ナポレオン・ボナパルトやカロリーヌ・ミュラなどにお抱えの時計師として多数の作品を注文し、応えてきました。 特にマリー・アントワネットがオーダーしたあらゆる技術の粋を集めた時計は、時計愛好家の間では語り草になっており、歴史的にも技術の高さとしてもブレゲの魅力を語る上では欠かせません。 実際にはアブラアン・ルイ・ブレゲが生きていた時代には懐中時計や置き時計しか造られていないのですが、ダニエル・ロート氏他を中心にブランド ブレゲを復興する際のコンセプトとして掲げられた「ブレゲが現代に生きていたら」を体現しており、最新の時計たちはかつて貴族たちに寵愛されたブレゲのDNAを確かに感じさせる魅力があります。 2-2 ブレゲの技術力を継承する複雑機構の粋を愉しめる 出典:Breguet アブラアン・ルイ・ブレゲが開発・改良した機構の数々は現代の時計に備わっている70%に達すると言われています。トゥールビヨン、永久カレンダー、ミニッツリピーターなどの複雑機構はブレゲが開発したもので、現代の複雑系モデルの多くの機能は、ブレゲがかつて発明したものと言えます。 2-3 ブレゲによる技術・センスと現代のエッセンスの融合 出典:Breguet アブラアン・ルイ・ブレゲは前述の通り懐中時計を中心に製作していたため、現代の腕時計はブレゲが現代に生きていたら、をコンセプトに復興した際に生まれたものです。ブレゲの歴史的な時計を一度分解して、ブレゲの考えや哲学を分析し現代の時計に反映させているので、ブレゲのDNAと現代のエッセンスがしっかり組み込まれているのです。 例えばブレゲ針やギョーシェや時代やモデルに合わせて、形状や大きさを微調整しています。インダイヤルごとにギョーシェの彫り方を変えたり、スポーティーなシリーズには大きめの針や夜行処理に変更するなど、現代風にアレンジを効かせた時計が愉しめます。 3 ブレゲが開発した機構とデザイン ブレゲは時計の歴史を200年早めたと言われる天才時計技師です。そんなブレゲが開発した機構、デザインについて詳細をまとめます。 3-1 ブレゲが開発した12の機構 1,ペルペチュアル(自動巻き) 出典:Breguet ペルペチュアルは自動巻き機構で、使用者が歩いたりすることの振動を利用してぜんまいを巻き上げる機構です。それまでにも自動巻き機構は発明されていましたが実用性や信頼性に欠けるものでした。ブレゲはそれまでの自動巻き機構にプラチナ製の分銅を付けることで巻き上げ効率を格段に上げた時計をペルペチュアルと名付け発表したところ、王侯貴族を中心に評判が広まりました。 ブレゲが貴族たちに寵愛されるきっかけとなった機構で、ブレゲが開発した機構の中でも初めて大きな成功をおさめました。ペルペチュアルは当時技術的にも美観としてもユニークで、王に捧げる卓越した時計とされました。ブレゲの伝説はここから始まったと言っても過言ではありません。 2,ミニッツリピーター 出典:Breguet 17世紀末、暗闇でも時刻がわかる機構としてリピーターが開発されました。1680年に最初のリピーターウォッチが発表されてからは多くの時計師が改良にしのぎを削っていました。ブレゲもこれに取り組んでおり、それまで使われていた鐘の代わりに、ムーブメントを取り巻くように配置された板バネの上で音を鳴らす仕組みを採用しました。 板バネを採用したことによって、ムーブメントを薄くしつつも繊細でハーモニー豊かな音色が愉しめるようになり、多くの時計師がこれを採用しました。ブレゲはさらに30分、15分、分単位で音を鳴らす機構を開発しています。 3,ラチェット・キー 出典:Breguet ブレゲ・キーで知られるラチェットキーもブレゲが開発した機構です。懐中時計や置き時計のぜんまいを巻く際にキー(鍵)が一般的に使われていましたが、シャフトの部分にラチェットを用いることで常に正しい方向を維持して快適に巻き上げが完了するように考案されました。ラチェット側に巻き上げても引っかからずに力が逃げるようになっており、正しい方向でだけ巻き上げができるようになっています。 4,パラシュート機構 出典:Breguet パラシュート機構は現代の時計にもDNAがしっかり残されている機構の一つです。通常、時計を落としたり強い衝撃が加わると、振り子の役目をする時計の心臓部てんぷの軸部分にダメージが入ってしまいますが、てんぷの衝撃を吸収する機構として開発されたのがパラシュート機構です。 テンプの軸の先端を円錐形にカットし、形に合った受け皿状の部品で支えつつこれらの機構をバネを付けた台に乗せておくことで、衝撃を吸収するといったものでした。1792年以降のペルペチュアルにはすべて備わっている機構で、現代のインカブロック機構にもその思想が活かされています。ちなみにこの機構の衝撃吸収性を証明するために、貴族たちが集まったサロンでわざと床に時計を落としたという逸話が残っています。 5,ブレゲひげゼンマイ 出典:Breguet ひげぜんまいとは時計の心臓部にあたるてんぷを動かす筋肉のようなもので、ひげぜんまいがなければ時計は動きません。仮にひげぜんまいの動きが均等でなければ時計の時刻は大きく狂うでしょう。それだけナイーブな部品です。 ひげぜんまいは1675年にオランダの数学者ホイヘンスが発明しました。初期の平ひげぜんまいは銅か鉄でできており、振り子時計と同等の等時性を発揮することで懐中時計が生まれましたが、完全とは言い難い精度でした。ブレゲはこれにぜんまい巻の最後に小さなカーブをつけることで正確な同心円状に回転させることに成功しました。 時計の精度が上がるだけではなく、てん輪の中心軸の摩耗も緩やかになることが評価され、今ではほとんどの高級時計ブランドの時計にブレゲが考案した形状のひげぜんまいが使用されています。1880年から1910年には多くのマニュファクチュールで、時計の中蓋に”Spiral Breguet"または"Breguet overcoil”と刻み込むことで敬意を表しています。 6,一針時計 出典:Breguet 一針時計はその名の通り、針が一つしかない時計です。ブレゲはスースクリプションの名で一針時計を発表しており、エナメル製の文字盤を採用したことで非常にシンプルなデザインに仕上がっています。また、左右対称のムーブメントを搭載していることで知られており、文字盤・ムーブメント共に特別仕様の一本でした。 広告を出し注文を募る方法で販売され、頭金として4分の1を支払ってもらうこととしたところ、信頼性の高さと頭金の安さが人気を博し、累計で700ケもの販売点数となりました。 7,パーペチュアルカレンダー 出典:Breguet 1795年に開発されたパーペチュアルカレンダーは日付、曜日、月、年を表示しつつ閏年の2月29日を含むバラつきにも全て対応するカレンダー表示機構です。当時の多くの時計は各月の日数差を判別することはできませんでしたが、ブレゲの開発したパーペチュアルカレンダー表示は一歩先に進んでいたと言えます。 8,トゥールビヨン 出典:Breguet フランス語で「渦」を意味しており、文字通り渦のような回転運動を利用した機構です。時計を正確に動かす際に必ず壁となるのが姿勢差です。姿勢差とは時計の向きが変わるとてんぷに対する重力のかかる向きが変わるため、てんぷの回転運動に影響が出てしまう差のことを指します。 これを解決したのがトゥールビヨンです。具体的にはてんぷが取り付けてあるブリッジごと一周させることで姿勢差を均一化してしまう機構です。1801年に特許が取得されて200年が経ちますが未だに時計の技術・機構の最高峰であり、一流ブランドが技術や開発力を示すようにトゥールビヨンを発表する文化があるほどです。 それらの機構自体は他ブランドでも造られるようになり手に入りやすくなっていますが、いわゆる始祖にあたるブランドに魅力を感じるもの。例えば2021年新作のクラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365 Ref.5365BR/15/9WUはトゥールビヨン特許取得220年を記念して製作したモデルで、トゥールビヨンへの特別感は格別です。搭載される機構そのものは横並びになりつつある現代では、そうした逸話や歴史も含めて愉しむのがツウかもしれません。 9,腕時計(1810年) 出典:Instagram ブレゲの革新的な発明として世界初の腕時計も欠かせません。1810年にナポリ王妃からの依頼によって生まれた腕時計は髪の毛とゴールドを撚り合わせてつくられたもので、初めての腕時計ブレゲNo.2639を製作したことを証明する製造台帳が残っています。 しかし当時の人々には受け入れられなかったため、日の目を見ることはありませんでした。腕時計が多くの人々に使われるようになるのは第一次世界大戦のことでした。 10,マリンクロノメーター 出典:Breguet マリンクロノメーターは航海用精密時計と言われ、海の上で使用することを想定した時計です。航海時代において時刻の正確さは現在地を正確に知ることに繋がっており、高い価値となっていました。視認性やパワーリザーブ表示が重要視されシンプルなデザインが多いのもそういった用途に合わせたものとされています。 ブレゲが定期的にマリンクロノメーターの製作を開始したのは王国海軍の時計師の称号を得た1815年以降と言われています。ブレゲが制作したマリンクロノメーターはスペインで人気だったようです。例えばツインバレルのモデルは脱進機全体が交換可能な地板の上に取り付けられています。 11,スプリットセコンド・クロノグラフ 出典:Breguet スプリットセコンドクロノグラフは通常のクロノグラフとは別に2本目の針でも計測が可能な機能で、クロノ針に重なってスタートしますが、途中で独立して停止することも進行中のクロノ針に追いつくことも可能です。これを利用することで、ある区間の時間(スプリットタイム)を測りつつ、合計の時間も知ることができます。 ブレゲはスプリットタイムや同時に動く2者間の秒差を正確に測ることができる二重秒針付き、観測用クロノメーターを1820年に開発しました。これが現代のスプリットセコンドクロノグラフの起源にあたります。 12,均時差 出典:Breguet 均時差とは一年の長さを平均化し1日を24時間に区切った平均太陽時(通常の時計の計測方法)と真太陽時(地球が太陽の周りを回るの起動が楕円のため、時期によって一日の長さが違う)の差のことです。実際に時計の通りに平均された時刻とちょうど同じように時刻が進む(太陽が出て沈む)と言えるのは一年の間でたった4日間と言われています。夏至は一日が長く、冬至は一日が短いことがよく知られているため、日本に住んでいると実感しやすいでしょう。 ブレゲは前述のマリンクロノメーターにおいて当時最も精巧な均時差表示を搭載したモデルを製作していました。現代においてもそのDNAは受け継がれており、数少ない均時差表示機能を搭載したモデルを造っているブランドです。 3-2 ブレゲが開発した5つのデザイン 1,ギョーシェ彫り 今でも多くのブランドが利用する装飾技法のギョーシェ彫りを発明したのもアブラアン・ルイ・ブレゲでした。手動の旋盤によるギョーシェ彫りは一際目立つため、ブレゲ製の時計を見分ける重要なファクターになっていました。 ギョーシェ彫りは様々な点で職人技を要求される技法です。まずゴールドのプレートにノミを用いてギョーシェを彫り込む範囲の区分けをします。パワーリザーブ、スモールセコンド、ムーンフェイズなどそれぞれのギョーシェはよく使い分けられるため、機能が多いモデルほどギョーシェも複雑です。 ギョーシェには様々なモチーフが使われています。例えば鋲打ちのようなクル・ド・パリや放射状の太陽光線のようなソレイユ、炎のようなフラメなど時計や機能によって使い分けられ、文字盤の雰囲気を大きく左右します。彫り込みによる文字盤の凹凸で光が反射しにくくなることで視認性が上がるだけでなく、美観としても価値を持ったものになります。 今でも100年以上前のギョーシェ彫り機を使い、職人の手によって造り出されています。継承されてきた昔ながらの機械、技術によって10分の1mmといった繊細さが要求され、その全てに職人の手が不可欠です。現代においてはもちろん自動彫り込み機のような便利な機械もあるのですが、手作業によるギョーシェの美しさには程遠いため、手彫りの価値は非常に高いものとなっています。 2,ブレゲ針 ブレゲ針はブレゲが開発した機構やデザインの中で最も有名かもしれません。かつての時計は重厚感があり装飾が多かったため、針も同じように太く視認性が悪いものが多くありました。そんな中で開発されたブレゲ針はエレガントでスリム、かつ見やすいことで高い評判となり、現代においても多くの時計ブランドが採用しています。 ブレゲ針は先端部に円がついたデザインの針ですが、穴の空いたリンゴや三日月など様々なものに例えられます。針は中心部から先端に向かって細くなりますが、円と合流し対角に再度針先が出て、インデックスを指し示します。開発された当時の懐中時計はもちろん、現代においては針の重さは時計の設計において重要です。ムーブメントの生み出すトルクによって動かされる針は重さがネックとなるため、軽量な針は価値が高いと言えます。 3,ブレゲ文字 ブレゲ文字はアブラアン・ルイ・ブレゲが考案したインデックスの数字のことです。ブレゲは能書家ではないものの機能性とエレガンスに優れたデザインについての天賦の才を持っており、文字についても同様でした。 元々はエナメル文字盤に使われていた書体で、当時は小さな星や百合をモチーフにした分目盛とセットで使われていましたが、現代では様々な時計に採用されています。存在感があるのに主張しすぎない、伝統を感じさせるデザインです。 4,コインエッジ装飾 コインエッジ装飾はケースの側面をコインのように細かい溝を連続して施す装飾です。これはギョーシェと同じように手作業で施されており、ブレゲの時計全てに採用されています。現代の多くの時計にもクラシックな装飾技法として採用されています。 考案したアブラアン・ルイ・ブレゲは金貨の不正回収対策としてコインの側面にギザギザの装飾を入れていたのを見て、時計に応用できないかと考えたと言われています。 5,シークレットサイン ブレゲの時計が成功を収めるにつれて、偽造品も出回るようになりました。こうした偽造品への対策としてシークレットサインを用いるようになりました。鋭いノミで薄く刻まれたサインは光にかざしてようやく見える程度でしたが、ブレゲ独自のサインを入れることで識別が可能となりました。現行のブレゲの時計においてもほぼすべてのモデルにシークレットサインが入っています。 4 ブレゲの代表シリーズ ここまで様々な点で魅力的なブレゲについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのシリーズを深堀していきます。 4-1 トラディション 出典:Breguet トラディションはブレゲが発明した機構の一つ、スースクリプションをモチーフに創られたシリーズで、左右対称のムーブメント構造を現代に蘇らせつつ文字盤側で見せることで伝統への回帰と現代のエッセンスが効いたシリーズとなっています。 例えばRef.7097BB/G1/9WUはてんぷを含む輪列が左右対称になるようにムーブメントが設計されており、時計の心臓部を余すところなく見ることができ楽しむことができます。10時位置のレトログラード式の秒針や12時位置にオフセットされた時分針は伝統的なデザインです。裏側ではかつてブレゲがフランスの貴族に寵愛されるきっかけとなった発明ペルペチュアルに採用された錨型のローターが搭載されており、歴史に名を残す時計師の発明に思いを馳せるのも面白いかもしれません。 4-2 クラシック 出典:Breguet クラシックは1972年に発表されたシリーズで、ブレゲがかつて創り上げた洗練されたシンプルさを体現する時計がラインナップされています。視認性、高精度、無駄のないデザインといった特徴があり、エナメル文字盤やギョーシェ彫り、ブレゲ針など18世紀から受け継がれてきたデザインで構成されています。 例えばRef.5140BB/12/9W6はシンプルな2針+スモールセコンドのモデルですが、文字盤中央部とスモールセコンドのインダイヤル内のギョーシェは彫り方を変えることで光の反射の仕方が変わり、平面の文字盤に変化を感じさせることができます。ミニッツマーカーとインデックスを挟み込むように円形に彫られたギョーシェは均一で、端正な雰囲気を担っています。ブルースチールのブレゲ針はミニッツマーカーへぴったりの長さに設定されているなど、ディテールが極まっているモデルです。ブレゲのシンプルさを体現したシリーズですが、ディテールを見た時に最も深みがあり、楽しみを見つけていくシリーズです。 4-3 クラシックコンプリケーション 出典:Breguet 前述のクラシックをベースデザインに、現代の機構の70%を発明したとされるブレゲの技術・DNAが遺憾なく発揮されている複雑系シリーズがクラシックコンプリケーションです。中にはトゥールビヨン、ミニッツリピーター、パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンド・クロノグラフ、パワーリザーブ・インジケーター、レトログラード、ムーンフェイズ といった世界七大複雑機構を2つ以上搭載したグランドコンプリケーションもあり、スケルトン化されているモデルが多いため、ブレゲから継承されてきた技術の粋が楽しめます。 例えばRef.3797BR/1E/9WUはインダイアルの外・内など含め4種類のギョーシェを使い分けることで文字盤に深い立体感を生み出しています。12時位置にレトログラード式の日付表示、3時位置に月と閏年表示、6時位置にはトゥールビヨン機構とスモールセコンド、9時位置で曜日表示の永久カレンダーを搭載したグランドコンプリケーションモデルです。 4-4 マリーン 出典:Breguet マリーンは18世紀にブレゲがフランス海軍に納めていた航海用時計マリーンクロノメーターをモチーフに1990年に創り上げたシリーズです。大ぶりで無骨ささえ感じるシンプルさのあるマリーンクロノメーターを現代のトレンドに合わせスポーティーに仕上げています。ブレゲによるラグジュアリースポーツラインです。 例えばRef.5547TI/Y1/9ZUは3時位置のインダイアルでアラームの時刻設定、6時位置に日付表示、3時位置に24時間計を備えています。海のような深い青の文字盤とかつてのマリーンクロノメーターを想起させる植字のローマンインデックスが採用されています。 4-5 タイプトゥエンティー・タイプトゥエンティーワン 出典:Breguet タイプトゥエンティー・タイプトゥエンティーワンはパイロットウォッチシリーズで、1950年代にフランスの海軍航空部隊のパイロットのために開発された時計が始まりです。手巻きで製作されたオリジナルに対し、民間用として自動巻き化され1955年に発表されたモデルをシリーズ化したものです。 タイプトゥエンティー・タイプトゥエンティーワンにはアエロナバル(海軍航空隊の意)が時計愛好家の心を掴み人気だったことで、デイト表示付きのトランスアトランティックが展開されました。ケースサイズのアップとデイアンドナイトインジケーターを搭載したタイプトゥエンティーワン、さらにケースを大きくしつつ高速振動の脱針機を備えたムーブメントを搭載したタイプトゥエンティーツーが展開されています。 4-6 クイーン・オブ・ネイプルズ 出典:Breguet クイーン・オブ・ネイプルズはブレゲを代表するレディースウォッチラインで、クイーン・オブ・ネイプルズとはナポリの女王という意味です。ナポレオン・ボナパルトの妹でナポリ王妃になったカロリーヌ・ミュラはブレゲの懐中時計・置き時計を合わせて30点以上買い付けたと言われており、王妃のための時計を開発していました。それは腕に着けて使うように設計されたもので、まさに世界初の腕時計とされるものでした。細長いケースとギョーシェが特徴だった時計をモチーフにシリーズ化したものがクイーン・オブ・ネイプルズです。 クイーン・オブ・ネイプルズは細長い卵のようなケース形状が特徴で、文字盤にはギョーシェだけではなくラッカー仕上げやマザーオブパールなど現代の高い技術と組み合わせることでさらに美しさが際立っています。ベゼルにダイヤモンドがセットされたモデルもあり、どこか高貴さを感じさせる雰囲気はまさに貴族に寵愛された時計といえるでしょう。 4-7 ヘリテージ 出典:Breguet ユニークなシリーズが多いブレゲにおいて一際ユニークなシリーズがヘリテージです。特徴的なのは大型のトノーケースで、文字盤もケースも手首に沿うようにカーブしています。モデルによって何種類ものギョーシェやケースサイドへのコインエッジ、ブレゲ針などブレゲの時計によく用いられていた伝統的なデザインが採用されています。 例えばRef.5497BR/12/9V6は18Kローズゴールド製のトノーケースで、トゥールビヨンを搭載しています。オフセンターされた時分針は放射状の規則正しいギョーシェが使われていますが、それ以外はアトランダムな規則的ではないギョーシェが波のように彫られています。 5 ブレゲを着けている芸能人・有名人5選 ブレゲは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人や有名人が好んで着けています。ここではブレゲの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。 5-1 アーティスト TAKA 出典:Instagram アーティスト TAKA氏が着けているのは マリーンⅡクロノグラフ Ref.5817ST/92/5V8です。Taka氏はInstagramやTwitterで着用しているシーンを発見され、ブレゲを好んでいることがわかります。 Ref.5817ST/92/5V8は現行ブレゲの中でも人気が高いモデルです。海の波を想像させる波のようなデザインをブレゲの伝統的なギョーシェ彫りで表現されたブレゲのイメージに沿っているモデルとなっております。 5-2 政治家 麻生太郎 政治家 麻生太郎氏が着けているのはクラシック Ref.5930BA/12/986です。高級時計の愛好家で知られており、他にパテック・フィリップの時計を着けているのを見ることができます。 Ref.5930BA/12/986は18Kイエローゴールドケース、自動巻き、日付表示有りの中三針モデルです。香箱を2つ積んだツインバレル仕様のため、パワーリザーブは96時間と標準の倍ですが、スチールバックのためデザインからの判別はできないようになっています。ブレゲ針、ケースサイドのコインエッジ、ローマンインデックスといったクラシックなデザインにまとまっています。 5-3 アイドル 木村拓哉 アイドル 木村拓哉氏が着けているのはマリーンⅡラージデイト Ref. 5817ST/Y2/SV0です。木村氏は若者のファッションアイコンと同時に時計愛好家としても知られており、ロレックス、オメガ、ブレゲなどの高級ブランドはもちろん、G-SHOCKなどのファッションブランドまで幅広く時計を着用されております。 Ref.5817ST/Y2/SV0はステンレススチール、自動巻き、ビッグデイト搭載モデルです。文字盤中央のギョーシェは波のようで海を想起させます。 5-4 アイドル 櫻井翔 アイドル 櫻井翔氏が着けているのはタイプXX トランスアトランティック Ref.3820ST/H2/9W6です。櫻井氏は時計愛好家でジャガールクルトやロレックスを所有しており、度々それぞれを着けているのを見られています。 Ref.3820ST/H2/9W6はステンレスケース、自動巻き、フライバッククロノグラフ搭載モデルです。フランス空軍に納めていた時計が基になっているパイロットウォッチで、夜行処理された針とインデックスや5刻みにインデックスされた回転ベゼルなど実用的でパイロットウォッチの王道のデザインとなっています。ケースサイドのコインエッジや丸みのあるケースデザインなどで気品漂うパイロットウォッチに仕上がっています。 5-5 俳優 伊藤英明 俳優 伊藤英明氏が着けているのはマリーン ロイヤル Ref.5847BR/Z2/5ZVです。伊藤英明氏はブレゲの他にもIWCやジンなどスポーティーなデザインを中心に所有しています。Ref.5847BR/Z2/5ZVはTVの企画で購入したもののようで愛用しています。 Ref.5847BR/Z2/5ZVは18Kローズゴールドケース、自動巻き、アラーム機能搭載モデルです。12時位置の小窓はアラームのオンオフ表示となっており、ラグジュアリースポーツの雰囲気を崩さない配慮がされています。無骨でスポーティーなケースデザインは、ケースサイドのコインエッジやブレゲ針でクラシックなデザインとバランスが取られています。 6 ブレゲのおすすめモデル5選 ここまでブレゲの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。 6-1 マリーン Ref.5517BB/Y2/5ZU Ref.5517BB/Y2/5ZUは18Kホワイトゴールドケース、自動巻き、日付表示有りの中三針モデルで、2018年に第3世代として発表されています。文字盤中央の波模様のギョーシェが特徴的で、海を象徴するマリーンらしいデザインです。船のハンドルをイメージしたローターをシースルーバックの裏側から見ることができます。 文字盤の深い青は海を想起させ、ホワイトゴールドケースと相性のよいカラーです。夜行処理されたブレゲ針とインデックス、一体化されたラグの形状はスポーティーな印象が強く、マリンスポーツのような雰囲気をもったモデルです。 6-2 クラシック グランドコンプリケーション ミニッツリピーター 7637Ref.7637BB/12/9ZU Ref.7637BB/12/9ZUはグランドコンプリケーションモデルで、18Kホワイトゴールドケース、ミニッツリピーターと3時位置に24時間計、9時位置にレトログラード式の秒針表示を備えています。文字盤中央と24時間計、レトログラードの秒針はそれぞれ異なるギョーシェが施されているため、視認性が高く美しい文字盤です。 ブレゲ針、ローマンインデックス、バリエーション豊かなギョーシェといった王道のクラシックデザインをベースに、ブレゲの真髄である複雑機構が愉しめます。チャイムで時刻を分単位で知ることができるミニッツリピーターはチャイム系の最高峰の機構です。また、手巻きのため、シースルーバックの裏蓋からは見事なエングレービングが施された地板やてんぷの動きを愉しむことができます。 6-3  トラディション インディペンデント クロノグラフ 7077 Ref.7077BR/G1/9XV Ref.7077BR/G1/9XVは左右対称のムーブメントがモチーフとなったトラディションシリーズの複雑機構モデルです。18Kピンクゴールドケース、てんぷ1ケをクロノグラフ専用にした機構を搭載しています。2時位置のレトログラードは最大55時間のパワーリザーブ表示、10時位置のレトログラードは最大20分のクロノグラフ積算計です。 5時位置のてんぷは12時位置の時分針のために動き時刻を計測しています。7時位置のてんぷはクロノグラフ専用のてんぷのため、作動させたときだけ動きます。2つのてんぷが同時動くさまは時計愛好家の心を強く掴む魅力があるので、見かけた際にはぜひ見ていただきたい機構です。クロノグラフ針はこのモデル唯一の文字盤中央に設定されているため他の針よりも長いため、クロノグラフ動作時の針の動きもインパクトのあるデザインとなっています。 6-4 クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365Ref.5365BR/15/9WU(2021年新作) Ref.5365BR/15/9WUは18Kローズゴールドケース、トゥールビヨンを搭載した2021年新作です。ブレゲがトゥールビヨン機構の特許を取得して220年記念に製作されたモデルで、トゥールビヨンの上に描かれた「Brevet No 157」の文字は1801年に認可された特許第157号を示しています。 文字盤中央ではなく10時方向にわずかにオフセンターされた時分針と5時位置のトゥールビヨンが特徴です。トゥールビヨンのブリッジにブルースチールが採用されるのもクラシックモデルとしては珍しいデザインです。シースルーバックの裏蓋からは1801年の特許登録の際に用いた水彩による機構図の原画をエングレービングで再現しています。 6-5  タイプ XXI 3815 Ref.3815TI/HO/3ZU(2021年新作) Ref.3815TI/HO/3ZUはチタンケース、センター針と同時に作動するクロノグラフを搭載したモデルです。1950年代に初めてフランス海軍航空隊からの依頼でパイロットウォッチを製作したときから、デザインのベースは変わっていません。前のモデルのRef.3817よりも現代的でスポーティーな雰囲気に仕上がっています。 Ref.3815TI/HO/3ZUは世界限定250本で、オレンジ色のインデックスは今は使用できなくなった夜光塗料トリチウムを使用したインデックスをモチーフにしています。3時位置に24時間計、9時位置にスモールセコンド、センターの針はクロノ針と60分積算計となっています。 7 時計の歴史を200年早めた時計師のブランド ブレゲ ブレゲの歴史や魅力についてまとめました。ブレゲは時計の歴史を200年早めた時計師が創業したブランドで、伝統的なスイス時計の雰囲気と数々の複雑機構が愉しめます。かつて貴族に寵愛された時計のDNAを感じることができる歴史的にも貴重な時計です。店頭でブレゲの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。

2022年3月19日
【世界三大時計】ヴァシュロン・コンスタンタンとは?歴史や魅力を徹底解説

世界三大時計ブランドの一つ、ヴァシュロン・コンスタンタンは世界最古の時計ブランドと言われています。長い歴史の中で積み上げてきた技術と実績が世界で高い評価を得たことで、世界三大時計ブランドの一角となっています。 特にヴァシュロン・コンスタンタンは伝統や歴史を重んじており、彼らが生み出す時計の数々、特に複雑機構は現代に生きるキャビノチェの業を感じることができます。 この記事ではヴァシュロン・コンスタンタンの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計を着けている有名人、おすすめモデルについて解説をします。 1 世界三大時計ブランド ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史 出典:vacheron constantin 世界三大時計ブランドの一つヴァシュロン・コンスタンタンの歴史はスイス時計業界の歴史でもあります。スイス時計の歴史におけるキーとなるポイントでヴァシュロン・コンスタンタンがきっかけとなったこともあるほどです。 世界三大時計ブランドへ成長していくヴァシュロン・コンスタンタンの歩みをまとめます。 1-1 世界最古の時計ブランドの始まり ヴァシュロン・コンスタンタンはジャン=マルク・ヴァシュロンによって1755年にその歴史を始めます。時計師だったジャンが見習いの時計職人を雇い入れた際の雇用契約書が残されており、後に世界最古のブランドの始まりの証拠となりました。 屋根裏部屋(キャビネット)を工房とした時計職人たちをキャビノチェと呼び、卓越した技術とセンスで美しく複雑な時計を創り上げていました。ジャンはまさにキャビノチェであり、そのDNAは息子のアブラアン・ヴァシュロン、孫のジャック・バルテルミー・ヴァシュロンへ確かに受け継がれていったのです。 1-2 3名の英傑により世界最高峰の時計メゾンへ 野心的だったジャック・バルテルミー・ヴァシュロンがメゾンのトップになったことでブランドの進化は加速します。まず販路がスイスだけでなくフランス、イタリアへ輸出されることとなりました。 また、商人の息子であるフランソワ・コンスタンタンと出会い二人は意気投合し、二人の名前を組み合わせたヴァシュロン・コンスタンタンが誕生したのです。フランソワはフランスやイタリアだけでなく、アメリカ、メキシコ、キューバからアジアまでを行商し、ヴァシュロン・コンスタンタンを世界的なブランドへ成長させました。ヴァシュロンがこれまでに受け継いできた技術やセンスが世界的に評価されたのです。 さらに1839年に機械技師のジョルジュ=オーギュスト・レショーが経営に参加。様々な作品を手掛けただけでなく、パンタグラフの発明はスイスの時計業界全体にとっても大きな影響を与えたと言われています。パンタグラフとは時計の構成部品を機械的に複写できる初の工作機器で、量産性が高まることで時計産業の発達を加速させました。 1-3 リシュモングループ傘下となり更なる革新へ 出典:vacheron constantin 1880年にはヴァシュロン・コンスタンタンのアイコン的存在であるマルタ十字をエンブレムとしました。以降、現在に至るまでマルタ十字はブランドを代表する意匠の一つとなっています。 20世紀に入りルーマニアのマリア王妃、ヘンリー・ジェイムズとウィリアム・ジェイムズの兄弟、 ジェローム・ボナパルトの孫息子に当たるナポレオン公など、そうそうたる顧客からの受注が入るようになりました。1906年には制作した時計をディスプレイしておく店舗をオープンしました。これがブランドの最初のブティックとなり、メゾンは傑作を次々と排出しています。 代表例としては1920年代のクッションケースや1932年の時計師ルイ・コティエ氏とのコラボレーションによって生まれた文字盤外側の都市名と時刻が書かれているインナーリングを回転させることで31のタイムゾーンが人目で判別できるワールドタイムです。現代ではよく見られるデザインですが当時は画期的で、他メーカーにはなかった機構でした。 1955年には創業200年を記念して史上最薄のムーブメントを製作しました。その薄さはなんとスイスの20セントコインと同じわずか1.64 mmです。代表的なムーブメントとしてはCal.1002が挙げられ、しかもジュネーブ・シールを取っているので品質としても高い基準にあることがわかります。 1970年頃にクオーツショックを経て、1977年にメゾン設立222年を記念して制作された222は当時話題となっていたスポーツラグジュアリーウォッチとして発表しています。222の思想は後に現行のオーヴァーシーズシリーズへと受け継がれますが、ジェラルド・ジェンタ氏に強い影響を受けたデザインと言われています。   1992年にはこれまでの薄型ムーブメントを手掛けてきた歴史から、1940年のスタイルでミニッツ・リピーター用のムーブメントを復活させました。そうして発表されたCal.1755はケーシングされた状態で3.28mmと世界で最も薄型のミニッツ・リピーター搭載モデルとなりました。 1996年にはリシュモングループ傘下となり、それまで「バセロン・コンスタンチン」と呼ばれていましたが、「ヴァシュロン・コンスタンタン」の名前で広めていきました。 2 ヴァシュロン・コンスタンタンの魅力 ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計の中でも伝統と歴史を重んじると言われるブランドです。彼らの創り出す時計を見ると、伝統と歴史からなる魅力を感じさせるものばかりです。ここではヴァシュロン・コンスタンタンの魅力を解説します。 2-1 マルタ十字のエンブレムがもつ意味と歴史 マルタ十字はキリスト教の騎士修道会である聖ヨハネ騎士団の象徴です。イタリアの街「アマルフィ」の象徴でもあります。 8つの角は騎士道における美徳を表しています。 騎士道の美徳 忠誠心 敬虔さ 率直さ 勇敢さ 名誉 死を恐れないこと 弱者の庇護 教会への敬意   ヴァシュロン・コンスタンタンでは精度を追求する姿勢を象徴するアイテムとしてマルタ十字をエンブレムとしており1880年の制定以降、現代に至るまで受け継がれています。ぜんまいのトルクを一定に保つことで精度を高めるためにかつて香箱に取り付けられていたムーブメントの部品がマルタ十字に似ていたことがきっかけとされています。 2-2 伝統・歴史を主軸にするブランドコンセプト 出典:vacheron constantin ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計の中でも伝統と歴史を重んじるブランドです。現在のシリーズラインナップを見てみると顕著に現れています。 例えばパトリモニーは機械式時計の最盛期である1950〜1960年代の時計に着想を得ており、トラディショナルは伝統の名の通りで18世紀からなるヴァシュロン・コンスタンタンの歴史、生きるキャビノチェから受け継がれてきた技術が表現されたシリーズです。フィフティーシックスは1956年に発売されていたセクターダイヤルのモデルがモチーフなっていますし、ヒストリークはこれまでヴァシュロン・コンスタンタンが創り出してきた歴史的名作を現代に蘇らせることがコンセプトです。 以上のようにすべてのシリーズが過去の名作がモチーフとなっておりこれまで歩んできた歴史を楽しむことができることからも、ブランドが伝統と歴史を軸としていることがわかります。評価が高いモデルをベースにすることは、メーカーとしては売れないリスクが少なく、ユーザーとしても銘品の復活は嬉しい、といった点で優れた取り組みです。 2-3 キャビノチェのDNAが息づく複雑機構の数々 出典:vacheron constantin ヴァシュロン・コンスタンタンは歴史的背景においても実際の時計製作においてもキャビノチェのDNAを受け継いでいることが感じられます。 例えばRef.80172/000R-9300(画像左)に見られる永久カレンダーとトゥールビヨンの同居やあるいはRef.7500U/000R-B688(画像右)のような貴重なエナメル文字盤など、まるで工芸品や美術品のような時計造りはヴァシュロン・コンスタンタンならでは。熟練した職人たちによる作品は先代から受け継いできた技術と創造性の賜物です。 3針やクロノグラフなどのメジャーな機構は一般的な時計師による量産体制によって製造されますが、トラディショナルやメティエダールといった量産できない複雑系はブランドの時計師の中でもエキスパートだけが製造に携わるようになっています。特別なモデルではなく通常販売されているシリーズで複雑系を展開できるのは、ブランドにキャビノチェのDNAを受け継ぐ時計職人がいることの証明でもあります。 3 ヴァシュロン・コンスタンタンの代表シリーズ 出典:vacheron constantin ここまで様々な点で魅力的なヴァシュロン・コンスタンタンについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのシリーズを深堀していきます。 3-1 パトリモニー 出典:vacheron constantin パトリモニーはヴァシュロン・コンスタンタンを代表するシリーズの一つで、機械式時計の最盛期である1950年代の時計をオマージュするように生まれました。当時はシンプルでエレガントなドレスウォッチが主流で、余分な装飾を省いたミニマリズムが美徳とされました。例えばバウハウスデザインのように「機能がデザインを決める」や「Less is More」といった考え方が時計にも影響を与えたとされています。 緩やかなカーブがかかった文字盤へのシンプルなバーインデックスと細身のペンシル針はアイコン的なデザインで、すべてのパトリモニーに共通しています。2針や3針といった最小限に機能を抑えたモデルからミニッツ・リピーターや永久カレンダーを搭載した複雑系までをラインナップしており、シンプルで端正なデザインと複雑機構を同居させたモデルは、スイス時計の歴史を感じさせる技術とセンスです。 3-2 トラディショナル 出典:vacheron constantin トラディショナルは伝統を名を冠する通り、18世紀からなるヴァシュロン・コンスタンタンの伝統であるキャビノチェのDNAと技術の粋をつくしたシリーズです。例えば2019年に発表されたトラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーRef.3200T/002P-B578は振動数の異なるてんぷを2つ備えアクティブモードとスタンバイモードを切り替えることで、最大65日間のパワーリザーブを得ることができます。永久カレンダーはぜんまいが動く限りカレンダーの調整が不要な機能ですが、パワーリザーブが長くないとメリットがないとの考えから生まれた超複雑機構です。 トラディショナルはフラットなベゼルとラグ、バーインデックスを採用しているためコンサバなデザインですが文字盤外側にレイルウェイが描かれているモデルも多く、機械的で現代的なデザインとクラシックなデザインを上手く同居させています。 3-3 フィフティーシックス 出典:vacheron constantin フィフティーシックスは1956年発表のRef.6073をモチーフに2018年に発表されたシリーズです。Ref.6073は楔形インデックスでしたが、現行のフィフティーシックスはセクターダイヤルを採用し、現代的なデザインにアレンジされています。アイコン的存在のマルタ十字の4枝を組み合わせた形状のラグで、小さな違いですが他モデルにないデザインで所有者にしかわからない楽しみがあります。 例えばRef.4000E/000R-B438はピンクゴールドケース、ケースサイズ40mmのコンプリートカレンダー搭載モデルで12時位置の月と曜日、6時位置のムーンフェイズ、文字盤外側のポインターデイトは馴染みのあるデザインで、現代的な雰囲気と伝統的なニュアンスが上手く融合された一本です。 フィフティーシックスは一部ジュネーブ・シールを取得していないシリーズがあります。ヴァシュロン・コンスタンタンはジュネーブ・シールの取得に積極的なブランドですが、単価の高騰を避けられないデメリットがあるため、普及モデルにはあえて取得せず手に取りやすい価格に設定しています。しかし取得をしていないだけで品質が落ちるわけではなく、厳しい検査をパスしているのは変わりません。 3-4 オーヴァーシーズ 出典:vacheron constantin オーヴァーシーズは現在トレンドとなっているラグジュアリースポーツウォッチに位置するシリーズです。発表は1996年になってからですが、祖となるモデルは1977年に既に生まれていました。モデル名は「222」。ヴァシュロン・コンスタンタン創業222周年記念として製作されており、当時パテック・フィリップやオーデマ・ピゲといったビッグブランドがラグジュアリースポーツウォッチを打ち出してきたのとほぼ同時期です。 デザイナーにはヨルグ・イゼック氏を起用しており、パテック・フィリップのノーチラスやオーデマ・ピゲのロイヤルオークとは違うニュアンスを求めたのかもしれません。とはいえ222を見ると、ラグがなくケースからブレスレットへ流れるような形状はノーチラスやロイヤルオークのデザイナー ジェラルド・ジェンタ氏を彷彿とさせます。また、2ピースケースの採用もジェラルド・ジェンタらしさを感じさせ、影響を受けていた可能性が高いとされています。 ちなみにヨルグ・イゼック氏の代表作としてブレゲのマリーンやタグ・ホイヤーのキリウムが知られており、現在ではHysekというブランドを立ち上げています。 1996年にはラグジュアリースポーツラインがオーヴァーシーズとして、ラインナップに追加されました。マルタ十字を立体化したようなベゼルと222からケースデザインを受け継いでいます。9年後の2005年に二代目となるオーヴァーシーズが発表となり、現行モデルのベゼルとブレスレットのマルタ十字のデザインとなりました。さらに11年後の2016年に現行のオーヴァーシーズとなり、ラグジュアリーさがより感じられるデザインに仕上がっています。 3-5 ヒストリーク 出典:vacheron constantin ヒストリークは1755年からなるヴァシュロン・コンスタンタンの歴史を振り返るように、かつての銘品を現代的に蘇らせることをコンセプトとするシリーズです。どのモデルの名前にも最後に年代が入っており、モチーフにしたモデルが誕生した年を表しています。年代を代表する時計たちを見て、当時の歴史背景やトレンドなどを知るのも楽しみの一つです。 例えばヒストリークアメリカン1921 Ref.1100S/000G-B734は狂騒の20年代と言われるアメリカの1921年に生まれたモデルをオマージュして生まれました。斜めにした文字盤と1時と2時の間に取り付けられたリューズといった大胆な設定をそのままにブレゲ針、ブレゲインデックスとレイルウェイの組み合わせも引き継ぎ、王道のクラシックさを強調したデザインに仕上げています。 あるいはヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ 1955 Ref.5000H/000A-B582は1955年にメゾン初の防水性能を備えたクロノグラフとして発表されたRef.6087をモチーフにしています。「コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ」(corne de vache)とはフランス語で「雌牛の角」を意味しており、鋭く美しいラグの形状を指しています。立体的なアプライドインデックスやブルースチールのクロノ針と積算計の針などクラシックの王道的なデザインを踏襲しています。 3-6 メティエダール 出典:vacheron constantin メティエダールは主にエナメルやエングレービングといった装飾技術を駆使し、まるで美術品を創るように生み出されているシリーズです。トラディショナルとは異なる方向でキャビノチェのDNAを感じさせます。 例えばMÉTIERS D'ART THE LEGEND OF THE CHINESE ZODIAC - YEAR OF THE TIGER Ref.86073/000R-B901は2022年の干支の虎にあやかって創られたモデルで、エングレービングで浮き出すように彫られた虎と周りのエナメルで描かれた背景はまさに美術品です。ちなみに10時位置の小窓で時、2時位置で分、4時位置で日付、7時位置で曜日を表示しています。 3-7 マルタ 出典:vacheron constantin マルタは1912年から続くシリーズで、ラグを兼ねたトノー型が特徴です。直線と曲線のバランスが美しく、力強いトノーケースは現代では珍しいかもしれません。 現行では3針とムーンフェイズとトゥールビヨンに絞って展開されています。12時位置に大きなローマンインデックスと6時位置にはスモールセコンド、もしくはトゥールビヨンといったデザインにまとまっています。人とは違った時計が好みの方にはぴったりかもしれません。一見硬そうなデザインに見えがちですが、手首に沿うカーブがかかったケース形状でいて縦42mm☓横38mmのため大きすぎないため、手首に馴染みやすいデザインです。 4 ヴァシュロン・コンスタンタンを着けている芸能人・有名人5選 世界三大時計と名高いヴァシュロン・コンスタンタンは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人や有名人が好んで着けています。ここではヴァシュロン・コンスタンタンの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。 4-1 お笑い芸人 大竹一樹オーヴァーシーズ クロノRef.49150/B01A-9097 お笑い芸人 大竹一樹氏が着けているのはオーヴァーシーズ クロノ Ref.49150/B01A-9097です。大竹氏は時計愛好家で知られており、他にもパテック・フィリップやIWCの時計を着けているのを見ることができます。 横目のクロノグラフ搭載モデルで、12時位置にビッグデイトを備えつつインダイヤルで積算計を表示します。オーヴァーシーズは防水性は150mを備えており、裏蓋には海を駆ける帆船が刻印されています。 4-2 俳優 ディーン・フジオカヒストリーク アメリカン 1921Ref.82035/000R-9359 出典:モデルプレス 俳優 ディーン・フジオカ氏が着けているのはヒストリーク アメリカン 1921 Ref.82035/000R-9359です。ディーン・フジオカ氏も時計を複数持っていることがわかっていますが、オリスなどどちらかといえば珍しい時計を持っていることが多いようです。 Ref,82035/000R-9359は狂騒の20年代と言われた1921年に発表されたモデルを現代的に復刻させた時計です。リューズの位置、文字盤を斜めにした斬新なデザインは、腕に着けた時計を手首を回さずに見ることができるものです。ケースサイズや針・インデックスのデザインの細かな点は現代的にアレンジされており、クラシックな印象がより強調されています。 4-3 お笑い芸人 設楽統パトリモニーRef.81180/000J-9118 お笑い芸人 設楽統氏が着けているのはパトリモニー Ref.81180/000J-9118です。TV番組の企画がきっかけで購入した時計のようで、他にもパテック・フィリップの時計も購入されたようです。 Ref.81180/000J-9118は18kイエローゴールドケースの2針モデルで、ミニマルさが美しい時計です。文字盤の外側がカーブがかっていることでわずかに立体感を見せつつ、針は追うように先端を曲げることで視認性を維持しています。ミニッツカウンターにはゴールドのビーズがセットされており、細部まで手間暇がかけてある高級感を楽しむことができます。 4-4 お笑い芸人 ケンドー小林 オーヴァーシーズ 4500v/110a-b128 お笑い芸人ケンドー小林氏が着けているのはオーヴァーシーズ Ref.4500v/110a-b128です。ケンドー小林氏は時計好きとしてしられ、ヴァシュロンコンスタンタンを意外にもオーデマピゲ ロイヤルオーク15400STや、ハミルトン ベンチュラ、ロレックス サブマリーナ16800、オメガ スピードマスター、パテックフィリップ ワールドタイムなど沢山の時計を所有しております。 4500v/110a-b128はヴァシュロンコンスタンタンで最も人気のあるモデルで、正規店で定価購入することが難しいです。予約で数年待ちになるか、オーデマピゲやパテックフィリップのように購入実績を積まないと出てこないと聞きます。 中古市場ではプレ値が付いており、相場は右肩上がりで止まることを知りません。デザインの素晴らしさもさることながら人気の高さをうかがえます。 4-5 タレント 林修パトリモニーRef.81180/000P-9539 タレント 林修氏が着けているのはパトリモニー Ref.81180/000P-9539です。林氏は他の時計を着けているところが見られていないようで、Ref.81180/000P-9539だけを使い続けているのかもしれません。 Ref.81180/000P-9539は2針の非常にシンプルなモデルで、プラチナケースを採用することで無駄のない美しさがさらに際立つものとなっています。文字盤と針のわずかなカーブや12、3、6、9のみ楔形のインデックスになっており合わせるとマルタ十字になる仕掛けなど、デザイン自体はそのままです。まるでアンティーク時計、古き良き時代の時計のような一本です。 5 ヴァシュロン・コンスタンタンのおすすめモデル5選 出典:vacheron constantin ここまでヴァシュロン・コンスタンタンの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。 5-1 オーヴァーシーズ・オートマティック Ref.4500V/110A-B128 出典:vacheron constantin Ref.4500V/110A-B128はオーヴァーシーズ・オートマティックです。41mmステンレスケース、自動巻きの3針+デイト表示モデルです。ベゼル、ブレスレットのコマにマルタ十字が使われており、ヴァシュロン・コンスタンタンのアイコンを強調したデザインです。文字盤にはオーヴァーシーズの名の通り、大海を思わせる深いブルーを採用しており、ビジネス・プライベートの両方で使いやすいモデルです。 5-2 オーヴァーシーズ クロノグラフ Ref.5500V/110A-B075 出典:vacheron constantin Ref.5500V/110A-B075はオーヴァーシーズ クロノグラフです。42.5mmステンレスケース、クロノグラフ+デイト表示搭載モデルです。ベゼル、ブレスレットのマルタ十字を3針同様に採用し、横目のインダイヤルがスポーティーな印象です。22Kのゴールド製のローターが使われている自社製ムーブメントCal.5200にもマルタ十字がデザインされたピラーホイールが使われており、ブランドの強い拘りを感じさせる時計です。ブレスレット、ラバー、レザーのベルトが工具なしで交換できるインターチェンジャブルとなっています。 5-3  オーヴァーシーズ・オートマティック Ref.4500V/110R-B705 出典:vacheron constantin Ref.4500V/110R-B705はオーヴァーシーズ・オートマティックです。41mm18kピンクゴールドケース、自動巻きの3針+デイト表示モデルです。Ref.4500V/110A-B128とムーブメントは同じですが、あらゆるパーツのゴールド化が施されています。ベゼル、ケース、ブレスレットはもちろん、針やインデックスの縁、デイト表示の小窓の枠、マルタ十字のエンブレムまでがゴールドとなっています。海のような深いブルーの文字盤が採用され、ゴールドのエレガンスなデザインとマッチした贅沢な時計です。 500万円から600万円に上がっている点や中古相場が1年で600万円から1200万円に上がっているなど、供給を上回るほど人気が高まっている一本です。 5-4 ヒストリーク・アメリカン 1921 - コレクション・エクセレンス・プラチナRef.82035/000P-B748(2021年モデル) 出典:vacheron constantin Ref.82035/000P-B748はヒストリーク・アメリカン 1921 - コレクション・エクセレンス・プラチナです。1921年発表のリューズと文字盤をナナメにセットしたのが特徴で、手首を回転させずに時刻を読み取ることができるデザインです。Ref.1100S/000R-B430をベースにオリジナルモデルの誕生100周年を記念し創られた世界100本限定モデルです。プラチナケースとサンドブラスト加工されたプラチナ文字盤が特徴です。 5-5 レ・キャビノティエ・アストロノミカル・ストライキング・グランド・コンプリケーション - オード・トゥ・ミュージック Ref.6620C/000R-B656 出典:vacheron constantin Ref.6620C/000R-B656はレ・キャビノティエ・アストロノミカル・ストライキング・グランド・コンプリケーション - オード・トゥ・ミュージックです。ラ・ミュージック・デュ・タンシリーズの一つで、レ・キャビノティエ部門で創作され音楽芸術に捧げられた複雑系だけを集めたものとなっています。 長い名称なのは備えているものが多いからで、19もの複雑機構を搭載した時計です。ミニッツ・リピーター、永久カレンダー、高精度ムーンフェイズ、デイ&ナイト表示など、まさにキャビノチェによる美術工芸品の類といえる一本です。世界限定一本で、同じものが一つとして存在しません。 6 歴史と伝統を受け継いでゆくヴァシュロン・コンスタンタン ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史や魅力についてまとめました。ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計と言われる格式の高さやスイス時計の歴史の重厚感を味わえるブランドです。 伝統・継承を主とするブランドですが、複雑機構の数々は伝統を守りつつキャビノチェのDNAを感じさせる革新的なものばかりです。 店頭でヴァシュロン・コンスタンタンの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。

2022年3月13日
【世界三大時計】パテック・フィリップとは?歴史や魅力を徹底解説

世界三大時計の頂点といわれることもあるパテック・フィリップは、代々受け継いでいける一生物の時計といわれています。実際にどんなに古い時計であっても修理することができる永久修理を掲げており、過去の複雑機構でさえも代替えパーツを創り出して修理します。 ヴィクトリア女王、ローマ教皇、アインシュタイン、キュリー夫人などの偉人が顧客におり、他にはない格式の高さをもつブランドといえます。時流を変えるほどのインパクトをもつ時計を創り出すこともあり、技術の高さも世界トップクラスです。 この記事ではパテック・フィリップの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、パテック・フィリップの時計を着けている有名人、おすすめモデルについて解説をします。 1 世界三大時計ブランド パテック・フィリップの歴史 出典:PATEK PHILIPPE 高級腕時計ブランドの頂点とも言われるパテック・フィリップの歴史は積み上げてきた実績を語ることがほとんどです。巨大資本に頼らずに独立して安定した運営を続けているため、大きな方針転換を行わず世界観を崩すことをしないので、経営上語ることが少ないからです。そのため時流に影響されない普遍的で本質的な時計づくりを続ける彼らのスタンスをみて、彼らこそがまさしくスイス時計の看板を背負う高級腕時計の頂点だと感じることができるのです。 ここではパテック・フィリップの歴史についてまとめます。 1-1 前身にあたるパテック・チャペック社の設立 1839年、2人のポーランド人によってジュネーブに創設されたのが、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックと時計師フランソワ・チャペックによるパテック・チャペックでした。これこそがパテック・フィリップの前身にあたるブランドです。1844年にパリ産業博覧会で銅メダルを授与されたジャン・アドリアン・フィリップと意気投合し翌年には技術者として就任しましたが、チャペックは退社。1851年にパテック・フィリップに正式に名称変更し、今に至ります。 1-2 世界大恐慌を受けてスターン家による買収が決定 パテック・フィリップ社として再スタートしたのと同年、ロンドンの万国博覧会に出展しイギリスのヴィクトリア女王をはじめとする著名人に世界初の鍵なし時計を賞賛されました。1868年にはスイス初の腕時計を制作するなど、彼らの名がヨーロッパに知られるきっかけとなりました。以降もスプリット秒針クロノグラフ機構の技術特許の取得やコレクター向けに超複雑な天文表示懐中時計を制作するなど、技術の高さに磨きがかかっています。 しかし1930年代の世界恐慌の影響により業績が悪化し、文字盤製造会社を経営していたジャン・スターンとシャルル・スターンの兄弟が経営権を取得しました。同年発表したのがカラトラバRef.96で、のちにクンロクと呼ばれ今日に至るまで愛されており、現行モデルにおいてもそのDNAが受け継がれています。翌年には超複雑懐中時計グレーブス・ウォッチを製作しており、経営体制は変わったもののパテック・フィリップの信念は変わらないことを示すものといえます。 1-3 クオーツショックの暗雲を吹き飛ばしたCal.89 1970年代に入りスイス時計業界は逆風に見舞われます。日本の時計メーカー セイコーの発表したクオーツ時計によって、スイスの機械式時計が売れなくなってしまったためです。クオーツ時計は機械式時計に比べ精度が高く、しかも量産性が高いため安価だったことで世界中に普及していきました。代わりにスイス機械式時計は売れなくなり、スイス国内の時計企業の半数は倒産、時計産業の就業者数は 1970 年から 1984 年にかけて3分の1になってしまいました。 よく知られているビッグブランドですら、資金難に陥りグループへの参加や倒産、あるいは方針転換を余儀なくされました。 そんな中パテック・フィリップは1976年にはノーチラスを発表しました。ジェラルド・ジェンタ氏デザインの下開発されたノーチラスはスポーツラグジュアリーというそれまでにない価値を創り出しています。また1989年にはキャリバー89と呼ばれる当時最高の技術を集めた懐中時計を制作し、業界を驚かせました。 33ケの複雑機能をもつキャリバー89は1つの時計が備える複雑機能の数は史上最多。世界三大時計の一つがクオーツという時流に逆らうことにより、機械式時計の面白さや深みが再確認され、現代へ受け継がれていくことができたといえます。 2 永劫継承されていくパテック・フィリップの魅力 出典:Patek Philippe 高級時計の頂点ともいわれるパテック・フィリップの魅力は「継承」のキーワードで語られることが多いです。順番に解説していきます。 2-1 継承され続ける高級スイス時計の代名詞 パテック・フィリップの語られる魅力の中でも影響力が強いのが、パテック・フィリップの歴史がスイス時計の歴史と共にあったことです。 まず1839年創業と歴史が長く、影響を与えてきた期間が長いことが挙げられます。 1845年の竜頭巻上げ・時刻合わせ式時計の技術特許取得から現代に至るまでに非常に多くの技術を開発し、スイス時計の技術力発展に強い影響を与えてきました。 1932年にはカラトラバを発表し、現在でもCal.96 (クンロク)は機械式時計の究極のデザインとして歴史に名を残しています。 スイス時計の根幹を揺るがしたクオーツショックにおいては、当時注目されていなかったスポーツラグジュアリーウォッチの草分け的存在であるノーチラスの発表を行いました。精度や高価さで敬遠されていた機械式時計の認識を改革するように生まれたキャリバーCal.89も象徴的です。 パテック・フィリップはこれまでトレンドに沿った時計から時流に逆らうように生み出した時計など高い注目を浴びてきており、スイス時計の歴史を創り出してきたブランドの一つです。 2-2 業界最高の品質基準”パテック・フィリップシール”と永久保証 パテック・フィリップの時計は厳格な検査の元、最高品質の時計だけを出荷しています。2008年までは1886年に規定されたスイス;ジュネーブ州で製造される他、精度や生産地など12を超える厳しい基準をクリアした時計だけが許されるジュネーブ・シールを利用していました。実際にはパテック・フィリップはジュネーブ・シールの規定を上回る基準で製造していたと言われています。 2009年以降はジュネーブ・シールよりもさらに厳しい独自の基準パテック・フィリップシールをすべての時計に適用しています。他のブランドよりも厳しい基準をクリアしており、部品単体での仕上げから組立後の検査に至ります。ジュネーブ・シールとの大きな違いは精度の検査方法で、ジュネーブ・シールはCOSC(スイスクロノメーター検定)に則っているためムーブメント単体で検査を行いますが、パテック・フィリップシールは着用してシミュレーションするので、実際に使用する状況に近いテストが行われています。 もう一つ、パテック・フィリップが時計製造について掲げているのが、永久保証についてです。パテック・フィリップは自社の時計であればいかに年代が経ったものであっても修理やオーバーホールを受けるということです。 パテック・フィリップの広告に多く使われるのが仲睦まじい親子の写真です。合わせてこう書かれています。「気持ちを刻み込んで、その時計は受け継がれる。父から子へ、世代から世代へ」いつの時代の時計であっても修理をして継承できる、世代を超えて愛されるパテック・フィリップならではのキャッチコピーです。 2-3 完全なマニュファクチュールの高い技術から生まれる複雑機構 パテック・フィリップが複雑機構を得意とするところは前述のように数々の特許を取得していることからもわかります。 例えば世界七大複雑機  トゥールビヨン  ミニッツリピーター  永久カレンダー  スプリットセコンド・クロノグラフ  パワーリザーブ・インジケーター  レトログラード  ムーンフェイズ のうち1つが搭載されているだけで複雑で非常に高額になりますが、グランドコンプリケーションは2つ以上を搭載しているため、雲上時計と呼ばれる高価なものとなっています。 中でもパテック・フィリップは世界で初めて腕時計に永久カレンダーを搭載したことで知られており、現在でも永久カレンダー搭載モデルを多く発表しています。 ただ複雑なだけではなくカラトラバのデザインをベースに設計することで、文字盤は非常にシンプルで無駄のないデザインでありながら機能・機構は超複雑な時計を創り出しています。 3 世界を魅了するパテック・フィリップの代表シリーズ ここまで様々な点で魅力的なパテック・フィリップについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのシリーズを深堀していきます。 3-1 カラトラバ カラトラバはパテック・フィリップを、あるいは世界を代表するシンプルさの究極系ともいえるシリーズです。スタイルは1932年に初代Ref.96の発表で確立されていましたが、カラトラバと呼ばれるようになったのは1980年代から。カラトラバはリューズに描かれたカラトラバ十字のエンブレムからついたあだ名で、主にパテック・フィリップ社内で呼ばれていたものです。 特徴的なシンプルなデザインはバウハウスの影響を強く受けていると言われており、余分な装飾や機能に関係ないものは徹底的に排除されています。とはいえ世界有数の文字盤メーカーを傘下にもつパテック・フィリップによるデザインは一見シンプルに見えても、一つ一つが高い完成度を誇ります。 主なモデルでは初代のRef.96や現行のRe.5196に見られるドルフィン針にバーインデックス、6時位置のスモールセコンドのデザインが有名です。しかし、ローマインデックスやバーハンド、2針のモデルもまたカラトラバであり、カラトラバを明確に示す定義はなかなか難しいとされています。 3-2 ノーチラス ノーチラスは1976年に誕生したスポーツラグジュアリーウォッチです。ゆるやかな八角形のオクタゴンケース、ブレスレットと一体化したケースが特徴的です。発表当時はケースサイズが35mm前後が主流でした。そんな中発表されたノーチラスはケースサイズ39mm、しかもステンレススチール製と当時としてはかなり異端でした。ジャンボとあだ名がついているのもそのためです。 デザインを手掛けたのは世界的な時計デザイナー ジェラルド・ジェンタ氏です。「ウェットスーツにもタキシードにも完璧にマッチする時計を」のコンセプトでデザインされており、実用できる高い防水性を備えています。 初代はベゼルとケース本体の2ピース構造で、ケース両サイドに専用パーツを採用することで気密性を高め12気圧防水を実現しています。現在では3ピース構造ですが基本のデザインは変更されず、ケースサイドの形状もノーチラスのアイコンとして愛されています。また、水平エンボス文字盤の凹凸により立体感や高級感を高めています。 ちなみに4年ほど早くオーデマ・ピゲからロイヤルオークを発表しており、同様のスポーツラグジュアリーウォッチとして話題になっています。ロイヤルオークは戦艦、ノーチラスは潜水艦ノーチラス号をモチーフとしています。 3-3 アクアノート アクアノートは1997年に発表されたシリーズで、ノーチラスからインスピレーションを得て作られた丸みを帯びた八角形ケースと防水性、牽引耐性、紫外線耐性に優れたハイテク・コンポジット素材のトロピカルバンドの異素材の組み合わせが特徴です。 夜行処理されたインデックスと針、ケースから流れるような形状のリューズガードとラグ、大きめの網掛けになっているタペストリーのような文字盤などスポーティーにまとまったデザインです。ベゼルの平面部はヘアラインですがナナメ部分はポリッシュ磨きにすることで立体的に見せる工夫も。伝統的でいて現代的なエッセンスが随所に見られるデザインです。 発表当時ケースサイズは34mmと現在では小ぶりに感じるサイズですが、世代が変わる度にサイズアップしていき、現行品では40.8mmとなっています。 3-4 グランドコンプリケーション 前述のCal.89のように複雑機構の開発はパテック・フィリップの本領ともいえます。80を超える特許を有し、複雑機構をレギュラー生産できる技術と生産体制を構えているのも世界でも有数のコンプリケーションメーカーです。 パテック・フィリップがこれまで創り出してきたグランドコンプリケーションは様々です。いずれも永久カレンダーやクロノグラフ、トゥールビヨンやミニッツ・リピーター、天空の動きを再現する星座表の搭載などの機能を複数備えつつ、高いデザイン性を兼ね備えています。 3-5 ゴンドーロ ゴンドーロはレクタングラー、トノー、クッションなどラウンド型以外のシリーズです。ブラジルのパテックの販売店「ゴンドーロ&ラブリオ」にちなんだ名前で、第二次世界大戦でヨーロッパが不況で苦しんでいる時期には、ブランドの全生産量の3分の1を販売していたと言われています。ブラジルでは「パテック」が時計の代名詞となっており、パテック・フィリップ以外の時計を買うときもパテックを買う、と表現されるほどでした。 ゴンドーロはいずれもアールデコを範とする幾何学的なケースデザインで、パテック・フィリップの中では異色なシリーズです。文字盤はシンプルでクラシックなことが多く2針・3針のものがほとんどです。現在ではジュネーブにあるパテック・フィリップミュージアムに所蔵している過去の傑作からインスピレーションを得て生み出されています。 3-6 Twenty~4 Twenty~4はパテック・フィリップのレディースラインとなります。カラトラバやアクアノート、ノーチラスなどそれぞれにおいてもレディースモデルは発表されていますが、レディースモデルのみのシリーズはTwenty~4だけです。 Twenty~4はシンプル・エレガンスなドレスウォッチラインで、女性がシーンを選ばずに使用できるデザインとなっています。現行ではグラデーションのきいた文字盤、広めのラグ、そして一気にラグジュアリー感を高めるダイヤモンドがふんだんに使われており、カラトラバやノーチラスといった傑作にも引けをとらない品格の高さが感じられます。 4 パテック・フィリップを着けている芸能人・有名人5選 世界三大時計と名高いパテック・フィリップは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人や有名人が好んで着けています。ここではパテック・フィリップの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。 4-1 ヴラジーミル・プーチン  5039G-001 ロシア大統領 ヴラジーミル・プーチン氏が着けているのはグランドコンプリケーション 永久カレンダームーンフェイズ ホワイトゴールドケース Ref.5039G-001です。プーチン氏は時計愛好家で知られており、パテックの他にもブレゲやブランパンのモデルを着けているのがよく見られます。 既に生産終了しているモデルで、3時位置に月と年、6時位置にムーンフェイズと日付、9時位置に曜日と24時間計となっているフルカレンダーモデルです。ベゼルに細かく彫られているクルドパリが高級感のあるモデルです。 4-2 エリック・クラプトン 2499 アーティスト エリック・クラプトン氏が着けているのはグランドコンプリケーション 永久カレンダークロノグラフ プラチナケース Ref.2499です。永久カレンダー、クロノグラフ、ムーンフェイズを備えた多機能モデルです。 実はRef.2499のプラチナケースは世界に2本だけでその内1本は名誉会長のフィリップ・スターン氏、残り1本をエリック・クラプトン氏が所有しています。元々イエローゴールドケースでしか製造されていなかったRef.2499のムーブメントの残りをプラチナケースで造ろうと決めたのもスターン氏で、パテック専門のオークションに出品したものがエリック・クラプトン氏の元へたどり着いたようです。2021年時点では手放してしまっているようで、約2億8,500万円で落札されたとのこと。 4-3 櫻井翔 5116G 嵐の櫻井翔氏が着けているのはカラトラバ  ホワイトゴールドケース Ref.5116Gです。一見変化のないシンプルな3針ですが、最大の違いは文字盤にエナメルが使用されていることです。液体感のあるつるんとした独特の美しさが楽しめますが、生産数が非常に少ないため希少価値の高い一本です。 4-4 福山雅治 5066/1A-001 アーティスト 福山雅治氏が着けているのはアクアノート ミディアム ステンレスケース Ref.5066/1A-001です。緩やかな八角形ケースが特徴で、ケースサイズ34mmと初代と同じサイズで、現行品よりも小ぶりのモデルです。 自身のラジオで憧れていたパテックの時計をようやく購入したといったことを報告しており、その後カラトラバのトロピカルを着けている写真がSNSへ投稿されていることから、パテックの時計にハマってしまったことが伺えます。 4-5 石田純一 5980/1A 俳優 石田純一氏が着けているのはノーチラス クロノグラフ ステンレスケース Ref.5980/1Aです。過去に海外で奪われたり空き巣に入られたり被害に会っている石田氏ですが、またもやパテックの時計を購入しているようです。時計愛好家のため、様々なブランドの時計を所有していることでも知られています。 Ref.5980/1Aはクロノグラフ機能を搭載しており6時位置のインダイアルは60分計と12時間計の両方が同軸で表示する機能となっています。また、シースルーバックになっておりムーブメントの動きをハッキリ見るのも楽しめます。 5 パテック・フィリップのおすすめモデル5選 ここまでパテック・フィリップの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。 5-1 ノーチラスRef.5711/1A-010 Ref.5711/1A-010はステンレスケース、防水性12気圧、自動巻き3針、デイト表示有りのシンプルな機能のノーチラスです。Ref.5711は2006年に登場し現行に至るまで続いているロングセラーなモデルです。当時業界を騒がせたケースサイズ39mmは現行では40mmにサイズアップしました。とはいえ当時34〜36mm前後がメインだった時流が今では40〜42mmがメインになっているため、ノーチラスはむしろ小ぶりなほうになっています。 通常は人気の文字盤カラーは白か黒がほとんどですが、ノーチラスはRef.5711/1A-010のようなブラックブルーに人気が集中しています。文字盤の美しさもさることながら、前述の通りノーチラスが潜水艦ノーチラス号にちなんだ名前のため、深海を想起させる暗い青が選ばれているのかもしれません。 5-2 ノーチラスRef.5711/1A-014 Ref.5711/1A-014は現行まで続いているノーチラスRef.5711の2021年最新カラー オリーブグリーン文字盤モデルです。デザインコードは統一されており、ノーチラスのDNAが確実に継承されているのを感じることができる最新作です。2021年のトレンドカラーのオリーブグリーン文字盤は多くのメーカーがこぞって選んだ文字盤カラーですが、パテック・フィリップの新作は正確にはオリーブグリーン・ソレイユ文字盤です。フランス語で太陽のソレイユが意味するところは文字盤に施されたエンボスと放射状に広がる美しいグラデーションを表しており、他のブランドの文字盤とは一線を画しています。 しかしRef.5711は生産終了となることが2021年1月に宣言されました。Ref.5711/1A-014がRef.5711としての最後のモデルとなります。人気だったブラックブルーやホワイト文字盤が次々とディスコンになっているため、現行のステンレスケースでは最新作のオリーブグリーンが唯一の現行品です。 ※5711/1A-014もディスコンとなりました。 5-3 ノーチラスRef.5990/1R-001 Ref.5990/1R-001はノーチラス トラベルタイム クロノグラフ ローズゴールドケースです。 トラベルタイムとは2カ国の時刻を同時表示する機能で、基本の長針・短針をホームタイムとし、中央が抜けている針はいわゆるGMT針で、設定したい国(ローカルタイム)の時差分をズラして設定しておくと短針と同じように進むので、時差分がズレて表示できます。 3時位置(ホームタイム)と9時位置(ローカルタイム)の窓は白か黒に変わるようになっており、昼(AM)を表示している場合は白、夜(PM)を表示する場合は黒を表示します。 12時位置では日付、6時位置ではクロノグラフの積算計を表示します。さらにフライバッククロノグラフになっているため、スタートからリセットを直で行うスピード感が高い機能です。 デザインは通常のノーチラスがベースになっており、水平エンボス模様による立体的な文字盤は健在です。夜行処理されたローズゴールドのバーインデックスとバーハンドはスポーティーかつエレガント。グラデーションのようなブルーソレイユ文字盤の美しさを引き立ててくれます。 5-4 アクアノートRef.5168G-010 Ref.5168G-010はアクアノート オートマチック ホワイトゴールドケースです。2019年発表モデルのRef.5168G-010は、スポーティーなカーキグリーン文字盤が特徴です。 2021年のトレンドとなったカーキグリーンを先取っており、2021年にはクロノグラフモデルを発表しています。ちなみに前述したノーチラスRef.5711/1A-014はオリーブグリーンのため、文字盤の色は使い分けていると思われます。 Ref.5168G-010はシンプルな中3針モデルで、ケースサイズは42.2mmとトレンドにのったサイズとなっています。 この現代的なエッセンスに対しジャンボの愛称がついています。丸みを帯びた八角形のベゼルやヘアライン仕上げとポリッシュが交互に施されることで生まれる立体感はアクアノートがアイデンティティーともするアイコン的な意匠で、確実に受け継がれていっていることがわかります。 5-5 パーペチュアルカレンダークロノRef.5971P-001 Ref.5971P-001はパーペチュアルカレンダークロノ プラチナケースです。カレンダーの修正が一切必要ない永久カレンダーとクロノグラフ、ムーンフェイズを搭載したグランドコンプリケーションの一本です。12時位置の窓で曜日と月、3時位置のインダイヤルで積算計と年、6時位置で日付とムーンフェイズ、9時位置で24時関係と積算計と多くの表示を備えています。 Ref.5970とは機能は同じですが、Ref.5971はインデックスとベゼルにバゲットダイヤモンドが敷き詰められており、華やかなデザインとなっています。多機能表示とパヴェダイヤを備えつつも奥ゆかしいシンプルさを感じさせるデザインはパテック・フィリップならではです。 6 世代を超えて愛され続けるパテック・フィリップ パテック・フィリップの歴史や魅力についてまとめました。パテック・フィリップは世界三大時計と言われる格式の高さやスイス時計の歴史の重厚感を味わえるブランドです。 伝統・継承を主とするブランドですが、複雑系の新作は伝統を守りつつ革新的なモデルが見られるので、伝統を守るモデルと革新的なモデルがそれぞれ欲しくなってしまうブランドです。 店頭でパテック・フィリップの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。

2022年2月3日
【世界三大時計】オーデマ・ピゲとは?歴史や魅力を徹底解説

  世界三大時計ブランドの一つとして知られるオーデマ・ピゲは、1875年創業と世界的にも長い歴史を誇るブランドです。ムーブメントからの製造を自社で一貫して行うマニュファクチュールとして高い技術力を持ち、複雑機構を搭載したモデルを次々と発表。世界中を魅了し続けています。買収や合併がしばしば起こる腕時計業界において、巨大な資本に属さず独立して経営し続けている数少ないブランドの一つでもあります。 この記事ではオーデマ・ピゲの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、オーデマ・ピゲの時計を着けている有名人について解説をします。 世界三大時計ブランド オーデマ・ピゲの歴史 出典:AUDEMARS PIGUET キャビノチェという言葉を聞いたことはあるでしょうか。18〜19世紀のスイスで長い冬の間に農家が屋根裏(キャビネット)で時計造りに行っていた職人たちを表しています。元々はフランス革命の際にスイスに来た宝飾職人の技術を時計に応用したといわれており、スイス時計の技術力の礎はここから生まれたと言っても過言ではありません。 ジュウ渓谷で創業したオーデマ・ピゲにおいては、彼らの歴史はスイス時計の歴史でもあると言えます。ここではオーデマ・ピゲの歴史についてまとめます。 1-1 ジュウ渓谷の小さな工房から始まった 出典:AUDEMARS PIGUET ジュール=ルイ・オーデマ (1851–1918)とエドワール=オーギュスト・ピゲ (1853–1919)は卓越した技術をもつ職人で、出身地のル・ブラッシュの村にアトリエをかまえ創業しました。正確には1875年にアトリエをつくり他メーカーの下請けとして、1882年にブランド「オーデマ・ピゲ」として独立しました。 2人の時計師の名を冠したブランド「オーデマ・ピゲ」はまず最初にそれぞれの役割分担を決めたと言われています。ジュール・オーデマはムーブメント開発、エドワール・ピゲは時計師の経験を活かし、ジュールが生み出した複雑機構を理解し100%伝えられる営業として従事することでブランドの知名度は世界的に広がっていきました。創業からわずか6年ほどでロンドン、パリ、ブエノス・アイレス、ニューヨーク、ベルリンに代理店を設けることに成功しています。ちなみに1892年には世界初のミニッツ・リピーター搭載の腕時計を開発し伝説となっています。(このときのモデルはオーデマ ピゲ・ミュージアムに保管されています) 1907年には拡大のためにアトリエの隣に初のマニュファクチュールの工房を建てました。この頃のスイスでは既に工業生産が発達し始めていたものの、自社で一貫して製造を行うマニュファクチュールにこだわって手造りの体制を貫くための工房を建てたと言われています。この時の建物は現在オーデマ・ピゲの本社となっています。 買収や合併がしばしば起こる腕時計業界において、家族経営を貫いている世界的にも貴重なブランドで、現在は創業者の血族4代目が会社を経営しています。家族経営ときくと閉鎖的なイメージが強くなりがちですが、第二次世界大戦で時計が全く売れない環境でも社員を解雇せずに自己資本でやりくりするなど、長いヴィジョンで経営を考えることができるブランドでした。 1-2 巨匠ジェラルド・ジェンタ氏によるロイヤルオークの誕生 1921年、オーデマ・ピゲは世界で最も薄い懐中時計(厚み1.32mm)を開発しました。1938年には厚み1.64mmの手巻き式腕時計を、1950年頃には複雑機構の小型化にも成功しています。ジュール・オーデマとエドワール・ピゲが引退しそれぞれの息子が引き継いだ後はこうした小型・薄型の時計が好まれ、そうした開発に注力していました。 しかし1969年にセイコーがクオーツ時計を発表。機械式のぜんまいを巻く手間や取り去ることのできない進み・遅れをほぼなくすことができる画期的なクオーツ時計は世界中に普及していきました。機械式時計の需要は大きく下がり、多くの高級時計が壊滅的な状況でした。 そんな環境で発表されたロイヤルオークは、現代におけるスポーツラグジュアリーウォッチの祖といえる存在となりました。当時高級時計といえば金やプラチナといった貴金属を採用していましたが、ロイヤルオークはステンレスケースでした。また、前述したように小型・薄型が好まれていた時代に39mmのケースサイズはかなり異端で、「ジャンボ」のあだ名で呼ばれたほどでした。さらに当時のステンレスケースモデルでは考えられないほど高価だだったことも異端な時計だったといえます。 1-3 進化の象徴となる2つの新ファクトリー 出典:AUDEMARS PIGUET 1950年まで10人から30人だった時計技師は、ロイヤルオーク発表後には100名に増えました。今日では世界各地を含め2000名以上のスタッフが従事しています。2008年には新工場のマニュファクチュール・デ・フォルジュを建設、2021年春には新工場マニュファクチュール・デ・セニョルが完成。これはルノー・エ・パピの名で知られるコンプリケーションウォッチ専門のアトリエとなっており、新しい機能や斬新な機構を日々開発している特殊な会社で、オーデマ・ピゲの完全子会社となっています。さらにマニュファクチュール・デ・フォルジュの隣に新工場アルクの建設を開始し、前衛的なチャレンジを感じさせる取り組みです。 進化し続けるオーデマ・ピゲの魅力 出典:AUDEMARS PIGUET 上述した歴史から磨かれた技術によって生まれるオーデマ・ピゲの時計はどれも魅力的ですが、特に他のブランドが持ち合わせていないポイントをピックアップしてご紹介します。 2-1 世界三大時計ブランドの一つ 世界三大時計の一つに数えられているオーデマ・ピゲ。特に操業を止めなかったこと、高級品だけを生産し続ける体制が世界三大時計に選ばれている理由だと言われています。似た言葉で雲上時計(はるか雲の上に感じる高級時計を意味しています)もありますが、こちらはブレゲ、ランゲ&ゾーネを加えた5大雲上時計とも言われています。 腕時計業界は世界大戦やクオーツショックによる売上の低迷といった理由で休止したブランドも数多く存在しています。巨大資本に入ることで経営が安定した、マニュファクチュールだったがエントリーモデルの生産・販売をメインに切り替えた、やむなく休眠したなど、紆余曲折でした。そのため、操業を止めずに経営できていることに高い価値があるのです。オーデマ・ピゲは腕時計が全く売れなかった第二次世界大戦時には生産数を抑えるなどでコスト削減を行い、従業員を解雇しなかったと言われています。顧客側としても、人を大事にするブランドを魅力的に感じ、製品が買いたいと考えるのは自然かもしれません。 高級品だけを作り続けるこだわりは、ブランドのアイデンティティーにも関わってきます。例えばケースの磨きについて、機械を利用すれば早く正確に処理することができますが、オーデマ・ピゲは職人が手作業で処理することにこだわります。機械では出せない精度や磨き模様を職人の手だけが可能にしますが、代わりに生産数を伸ばすことが難しくなります。オーデマ・ピゲは年間の生産本数を40,000本を上限としていますが、売上だけを考えるなら、効率的にできるだけ多くの時計を生産し販売するべきですが、なぜしないのでしょうか。その理由は、オーデマ・ピゲのもう一つの公式サイト「lebrassus」においてグローバルCEOのフランソワ-アンリ・ベナミアス氏は動画(※)でこう話しています。「旗艦店やブティックでの取り扱い・販売を強化することで理想的なカタチで商品・ブランド体験をお客様に直接お届けでき、またお客様との関係値を深められるからです。生産量を増やすよりもオーデマ・ピゲとして目指したい顧客体験の成功例を増やしました」オーデマ・ピゲの時計はブランドの世界観・体験を深く楽しんでもらうために、生産数を絞っています。それらが希少価値となり、高い品格となって世界三大時計として愛されています。 ※https://borninlebrassus.audemarspiguet.com/product07/#full-movie 10:32~12:02参照 2-2 スポーツラグジュアリーウォッチの草分け的存在 出典:Instagram 今でこそスポーツラグジュアリーウォッチは世界的に人気ですが、その草分け的存在とされているのがオーデマ・ピゲのロイヤルオークです。発表当時の時計業界では異端とされるサイズ、価格だったため、実は発売当初は全く売れなかったことも知られています。しかしオーデマ・ピゲは、すぐには売れなくともいずれブランドを支えていく柱になり得ると考え継続した結果、今ではブランドを牽引する3つの柱の一つとなっています。 発表当時は小型・薄型が好まれていましたが、今では大型・厚めのデカ厚が主流です。ロイヤルオークがデカ厚ブームの火付け役だったと言われています。当時のオーデマ・ピゲはスポーツラグジュアリーウオッチが得意というわけではありませんでしたが、時代に逆行するようなユニークなことに取り組むチャレンジャブルなブランドだからこそ生まれたブームだといえます。 2-3 マニュファクチュールの高い技術から生まれる複雑機構 出典:AUDEMARS PIGUET オーデマ・ピゲの2人の創業者はどちらも高い技術をもつ時計師で、クロノグラフや永久カレンダー、鐘の音で時刻を知らせるリピーターを得意としていました。永久カレンダーとムーンフェイズ、クォーターリピーター、クロノグラフ、機械式時計では通常秒針が流れるように動くところ、まるでクオーツのように1秒で刻みで動くデッドビートセコンドをすべて搭載しつつしかも小型化に成功しています。ブランド創業年に制作されたこの懐中時計はグランドコンプリカシオンと呼ばれ、オーデマ・ピゲ博物館に保管されています。グランドコンプリカシオンは伝統になり、現代においてもそのクラフツマンシップは継承され続けています。 また、小型化もオーデマ・ピゲの得意分野です。グランドコンプリカシオンを小型化することい成功し、1,995年には腕時計に搭載することができました。グランドコンプリカシオン以外の複雑機構でいうと、1986年には腕時計にトゥールビヨンを、しかも自動巻きに搭載したのはオーデマ・ピゲが世界初でした。あるいは均時差表示など、様々な複雑機構に取り組んでいます。 全国出張、現金買取 簡易査定お気軽にご相談下さい。 世界を魅了するオーデマ・ピゲの代表シリーズ ここまで様々な点で魅力的なオーデマ・ピゲについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのシリーズを深堀していきます。 3-1 CODE11.59 バイ オーデマ ピゲ CODE 11.59 バイ オーデマ・ピゲは2019年に発表されたラウンド型のドレスウォッチシリーズです。側面から見ると上下のラウンドケースにオーデマ・ピゲのアイコンである八角形のケースを挟み込んだデザインになっており、それぞれポリッシュ仕上げとヘアライン仕上げを採用することで立体感が楽しめます。コンビケースは巧みで、18KWGの上下のラウンドケースで18KYGの八角形ケースを挟み込んだデザインは慎ましやか、かつ主張もあるといったこれまでにない雰囲気を楽しむことができます。 ロイヤルオークオフショアでオレンジやアースグリーンなど先進的なカラーリングに挑戦してきたオーデマ・ピゲですが、CODE 11.59 バイ オーデマ・ピゲではグラデーションのかかった伝統的で格式のある文字盤を採用しています。文字盤の外側から中心に向けて明るくなっていく文字盤は見る角度によって表情の変化が楽しめます。また、ベゼルを薄くして文字盤を大きく見せることで、よりインパクトのあるデザインに仕上がっています。 3-2 ロイヤルオーク オーデマ・ピゲを代表する最も広く認知されているシリーズです。ブランドを代表するシリーズで、特徴的な八角形ケースやベゼルのビス留めといったデザインは、後にデザイナー ジェラルド・ジェンタ氏の他のモデルにも影響しており、氏がデザインしたといわれるパテック・フィリップのノーチラス、ヴァシュロン・コンスタンタンの222、IWCのインヂュニアにはロイヤルオークの面影がどことなく見えます。 網掛けのようなタペストリーダイヤルは立体的で針の視認性が良いデザインです。ケースと一体化しているブレスレットはヘアライン仕上げとポリッシュ磨きが使い分けられており、なめらかなつけ心地が特徴です。機能的かつラグジュアリーなデザインに仕上がっています。 ベゼルのビス留めに機能的な意味があるのはご存知でしょうか。ジェラルド・ジェンタ氏はロイヤルオークを日常でも使いやすいように防水性を確保したいと考えました。スクリューバックでは厚みが出てしまうため、ラバー製のインナーケースをパッキンのように挟み込み、ベゼルをビス留めすることで防水性と薄さが両立できているのです。見た目だけでなく、機能美ともいえるデザインです。 3-3 ロイヤルオーク・オフショア ロイヤルオークオフショアは、ロイヤルオークをベースに42mmにサイズアップ(現在では37mm〜45mm)、クロノグラフを搭載したロイヤルオークオフショアクロノグラフと、インナーリングでのダイビングスケールを搭載したロイヤルオークオフショアダイバーの2種類の展開です。 ロイヤルオークオフショアはロイヤルオークをベースにエマニュエル・ギュエ氏がよりスポーティーに仕上げたシリーズです。ケースのあまりの大きさからビースト(野獣)と呼ばれ、オーデマ・ピゲ社内では不評だったとか。ジェラルド・ジェンタ氏は怒りのあまり乗り込んできたとの逸話もあります。しかしユーザーからは好評で、発表当時から人気の高いシリーズでした。 現在ではオーデマ・ピゲの取り組みの一つである新素材と複雑機構を試すことも多くユーザーの反応が得やすい、トレンドにのったシリーズです。 3-4 ロイヤルオーク・コンセプト 現代の技術、精度、デザインを兼ね備えた最新のロイヤルオークシリーズです。ロイヤルオーク30周年記念のモデルとして2002年に登場して以来、ハイスペックを好むロイヤルオークユーザーに愛されております。 最新メカニクスなデザインは車のエンジンを彷彿とさせ、高級車をイメージさせるようなラグジュアリーなデザインとなっています。 時計の中にマーベルのブラックパンサーを立体的にデザインしたことで、時計業界だけではなく映画業界まで話題となりました。 3-5 ミレネリー ミレネリーはオーデマ・ピゲの中でも独特な世界観をもつシリーズです。楕円型のケースが特徴的で、ローマのコロッセオからインスピレーションを得たと言われています。 ミレネリーは元々クラシックなデザインが主で、3針ローマインデックスのシンプルな機能の時計として発表されていました。しかし2011年に転機が来ます。裏返したムーブメントを文字盤の表で見せたデザインのミレネリー4101が大ヒットしたことで、以降のミレネリーに強い影響を与えました。オフセンターに配置された文字盤はクラシックでありながら、裏返したムーブメントのてんぷの動きを余すところなく楽しめる時計となっています。 このムーブメントCal.4101はルノー・エ・パピ出身の日本人時計師浜口尚大氏が制作に関わったことで知られています。また、ロイヤルオークに搭載されているムーブメントCal.3120をベースに使用していることから、オーデマ・ピゲが新たなチャレンジをすることを意識していたと思えてなりません。 オーデマ・ピゲを着けている芸能人5選 世界三大時計と名高いオーデマ・ピゲは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人・有名人が好んで着けています。ここではオーデマ・ピゲの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。 4-1 リオネル・メッシ -ロイヤルオーク- 出典:openers 世界で最も有名なサッカー選手 リオネル・メッシ氏が着けているのはロイヤル オーク・クロノグラフ レオ・メッシ26325OL.OO.D005CR.01です。ブランドアンバサダーのメッシ氏のシグネチャーモデルとして発表されたモデルです。 26325OL.OO.D005CR.01は18kピンクゴールドケースにタンタル製のベゼル、ブラックラバーストラップのスポーティーな雰囲気のモデルです。ケースバックには“ROYAL OAK LIMITED EDITION”,“LEO MESSI”と刻印されています。限定生産400本。メッシ氏とのコラボモデルには26325TS.OO.D005CR.01(ステンレスケース、黒文字盤、限定生産500本)、26325PL.OO.D310CR.01(プラチナケース、青文字盤、限定生産100本)があります。 4-2 スタン・ワウリンカ -ロイヤルオーク- 出典:Instagram スイスのプロテニス選手 スタン・ワウリンカ氏が着けているのはロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー ブラックセラミックモデル26579CE.OO.1225CE.01です。 試合中も腕時計を着ける習慣のあるワウリンカ氏は元々オーデマ・ピゲが好きで着けていたところ、ブランドアンバサダーとなりました。2017年にはスイス ル・ブロッシュのオーデマ・ピゲの工房を訪れたほどの愛好家です。 26579CE.OO.1225CE.01はブラックセラミックをケース、ブレスレットに採用した精悍な雰囲気のモデルです。ファインセラミックスから削り出しでできており、ステンレススチールの5倍手間がかかるものの、経年劣化がなく軽量で美しい材質となっています。 4-3 葉加瀬太郎-ロイヤルオーク- 出典:Instagram アーティスト 葉加瀬太郎氏が着けているのはロイヤルオークオートマティック15400ST.OO.1220ST.01です。バラエティー番組などTVに出る機会の多い葉加瀬氏が着けているのを見かけます。 葉加瀬氏はカルティエロードスターやカルティエタンクフランセーズなど主にカルティエの時計を着けているのを見かけますが、加えてシンプルな3針のロイヤルオークを着けているのを確認されました。端正なデザインの時計を好むのかもしれません。 15400ST.OO.1220ST.01はケースサイズ41mm、3針のベーシックなロイヤルオークとなっています。ロゴの大きさやインデックスの太さ、文字盤のタペストリーなど年代ごとに微妙な差があり、15400ST.OO.1220ST.01は既に廃盤となっていますが人気の高いモデルです。 4-4 ヒカキン -CODE11.59 バイ オーデマピゲ- 出典:Twitter Youtuber ヒカキンが着けているのはCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ 26393BC.OO.A002CR.01です。自身のTwitterでオーデマ・ピゲのVIPパーティーに着けていった様子が投稿されています。 Youtubeの企画で罰ゲームとしてロイヤルオークトゥールビヨン26510OR.OO.1220OR.01を購入したものの、8時間後に金属アレルギーであることが発覚。泣く泣く手放したもののオーデマ・ピゲの時計に惚れ込み、改めてCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフを買い直しています。 26393BC.OO.A002CR.01は18kWGケース、自動巻き、クロノグラフを搭載しているモデルです。特徴的なブラックラッカー文字盤は独特なツヤ感が美しいミラーダイアルとなっています。サファイアクリスタルの風防はアーチのように曲線美となっており、つるんとしたブラックラッカーの文字盤に立体感を与えます。一見シンプルに見えて奥深いのがCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフの世界観です。 4-5 フィルジル・ファン・ダイク -ロイヤルオーク- 出典:Instagram プロサッカー選手 フィルジル・ファン・ダイク氏が着けているのはオーデマピゲ ロイヤルオーク ダブルバランスホイール オープンワーク15416CE.OO.1225CE.01です。他にもロイヤルオークオフショアクロノグラフやパテック・フィリップ アクアノートを着けているのが見かけられるなど、高級時計それも雲上時計が好きと思われます。 15416CE.OO.1225CE.01はダブル バランスホイール オープンワークの名の通り、てんぷが2つ搭載されており、スケルトンになっている文字盤から見ることができる時計となっています。2つのてんぷとひげぜんまいと同軸上でセットすることで精度と安定性を向上させる機構です。新しく特許取得した非常に難しい機構ですが、歩度の安定性と見た目のインパクトは唯一無二といえるオーデマ・ピゲならではの時計といえるでしょう。 オーデマ・ピゲのおすすめモデル5選 ここまでオーデマ・ピゲの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。 5-1 ロイヤルオークオフショアダイバー15720ST.OO.A052CA.01 出典:AUDEMARS PIGUET 15720ST.OO.A052CA.01は人気シリーズのロイヤルオークオフショアダイバーの2021年新作です。水深300mに耐える本格派ダイバーズウォッチで、10時位置のリューズでインナーリングの設定が可能です。ロイヤルオークオフショアクロノグラフに比べ太く見やすいインデックスは暗い深海での使用を真剣に想定しているかもしれません。 カーキ色の文字盤とストラップはどこかミリタリーを感じさせるデザインです。ピンクゴールドの針とインデックスが美しく、スポーティーな野性味とラグジュアリーが両立できています。ムーブメントは、自社製自動巻きの新型「Cal.4308」を搭載しており、振動数は28,800とハイビート寄りにすることで精度の安定性を図っています。 5-2 CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック15210BC.OO.A002KB.01 出典:AUDEMARS PIGUET 15210BC.OO.A002KB.01は2019年に発表されたシリーズCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲの2021年新作です。ベゼルと裏蓋で八角形のミドルケースを挟むオリジナリティーやドーム状に加工されて立体感が強調されたサファイアクリスタルなど、シンプルでありながら奥深いオーデマ・ピゲのこだわりを見つける楽しみの多いシリーズです。 今回初めて展開されるスモークブルー文字盤は文字盤の中央から外にかけてグラデーションがかかるデザインです。どこかレトロなフォントの植字のインデックスは立体感があり、高級感を引き出しています。 5-3 ロイヤルオーククロノグラフ26331BC.GG.1224BC.03 出典:AUDEMARS PIGUET 26331BC.GG.1224BC.03はジャパンブティック限定111本のロイヤルオーククロノグラフです。特徴的なのはジュエリーデザイナーのキャロリーナ・ブッチとのコラボレーションで生まれたフロステッドゴールド仕上げであることです。ダイヤモンドのついた治具でゴールドの表面を凸凹にすることで光の乱反射を起こし独特な輝きとなるイタリア フィレンツェの技法を採用しています。 元々ジュエリーで使われている技法のため女性をメインターゲットに想定していましたが、意外にも男性にも注目されました。しかし最大でもケースサイズ38.5mmだったため、反響を受けジャパンブティック111本限定で41mmサイズのモデルが誕生しました。41mmケースのインパクトを残しつつフロステッドケースの儚い美しさが楽しめる他にないデザインの一本です。 5-4 ロイヤルオークコンセプトブラックパンサー フライング トゥールビヨン26620IO.OO.D077CA.01 出典:AUDEMARS PIGUET 26620IO.OO.D077CA.01はロイヤルオークフライングトゥールビヨンのアメコミ”ブラックパンサー”コラボモデルです。作品中に登場する架空の超金属“ヴィブラニウム”にインスピレーションを得て、チタンとセラミックが組み合わされたケースとなっています。一際目をひく文字盤上のブラックパンサーは、1人のエングレーバーとペイント技師による手作業で30時間かけてつくられています。 ケースバックを見ても、ブラックパンサーの世界は続きます。ブラックパンサーが作中で着ているスーツを想起させる模様が地板に描かれています。ブラックとグレーのPVDコーティングを施したチタン製なので、軽量さと堅牢さは折り紙付きです。 5-5 ロイヤルオーク ダブルバランスホイール オープンワーク15407ST.OO.1220ST.01 出典:AUDEMARS PIGUET 15407ST.OO.1220ST.01はロイヤルオークをベースにてんぷを2つ備えたダブルバランスホイールを8時位置に備えつつ、オープンワークでムーブメントの動きを余すところなく見せるモデルです。ダブルバランスホイールは一つの軸の表裏にてんぷを逆の動きをするように2つ取り付けるものです。これによって、てんぷの往復運動(収縮運動)の偏りを互いに打ち消すため、高い精度が維持できる仕組みとなっています。 文字にすると簡単ですが、非常に高い精度でのひげぜんまいが必要になること、またそれを取り付ける技術の高さなど、実際に制作できるメーカーは世界でも数えるほどしかありません。ひげぜんまいのメーカーが世界的にも非常に少ないため、非常に貴重な一本だといえます。 6 世代を超えて愛され続けるオーデマ・ピゲ オーデマ・ピゲの歴史や魅力についてまとめました。世界三大時計と言われる格式の高さや常に革新的なことにチャレンジするマインドは他のブランドにはない強みといえるでしょう。 伝統を大事にしつつも常に新しいことを取り入れているため、数年後には違うことに取り組んでいるかもしれません。オーデマ・ピゲは今後どんな進化を遂げていくのか知るほどに楽しみになるブランドです。店頭でオーデマ・ピゲを見た際にはぜひ一度手にとってみてください。  

2022年1月12日
アフター加工、売るも買うもESTIMEにお任せ!

時計が好きな人、ブランド物が好きな人、ジュエリーが好きな人、派手好きな人に人気なアフター加工。 通常の時計やアクセサリーにダイヤモンドや色石などを装着する加工のことを指します。ロレックスのキャンディーベゼルやクロムハーツのダイヤ加工などが有名です。 アフター品は通常取り扱いしていないお店も多く、買取や販売はお店選びがかなり重要となっております。今回はそんなアフター品について解説させていただきます。これからアフター加工されたい方は是非最後までご覧ください。   1.一部セレブに人気な加工「アフターダイヤ」とは   アフター(後付け)とは時計やアクセサリーに対してダイヤモンドや色石などを装着することを指します。アフターダイヤ、後付け、改造品などと呼ばれております。 アフターは正規品に後付けするタイプと社外品を利用するタイプの二つがあります。アフターを購入、作成する際にはメリットデメリットがあるので注意が必要です。   1-1.正規品を利用するメリット:違和感を限りなく少なくできる 正規品にダイヤを入れるメリットは商品の違和感を限りなく少なくすることができることです。正規品と社外品の違いは商品の質にあります。同じ素材を利用していても仕上がりがかなり綺麗なのが正規品で、正規品に似せて作る社外品はどうしても細かい部分に粗さが出てしまいます。 遠目で見たときには違いがわからない社外品ですが、実際に触ってみると違いがわかってしまうので、そのような違和感が嫌な方は正規品のアフターがおすすめです。 デメリットは正規品を改造する形となるので、メーカーのメンテナンスを受けることができなくなったり、正規品ではなくなるので一部買取店では買取できなくなってしまうことがあることです。 弊社では正規品、社外品両方とも買取することができますが、アフター品の売り先がないお店や商品知識が低い買取店ではアフター品の買取をしていない場合もあります。 もしもリセールを求めている場合には正規品をアフターすることはやめて、社外品を使うことをお勧めします。 1-2.社外品を利用するメリット:正規品に戻せる 社外品を利用するメリットは正規品は正規品として残しておくことで、売るときに正規品として取り扱いすることができたり、メーカー保証を受けることができることです。社外品の違和感はどうしても出てきてしまいますが、リセールを考えたり、メーカー保証を受けたいという方は社外品を使うことお勧めします。 社外品はアフターを取り扱いしているお店に作成依頼することで簡単に作ることができます。バケットのフルダイヤで作ろうとすると数千万円ほどかかってしまいますが、少しダイヤを入れ込むとか、色石をメインでアフター加工するなどであれば費用はそんなにかからないので、自分の予算、好みで合わせて注文するようにしましょう。     2.アフター販売・買取は正規品よりも店舗によって差が出る アフター品の売買は店舗選びがとても重要です。正規品であればどこのお店でもある程度のポテンシャルはありますが、アフターの場合は店舗選びによって商品の質、買取金額が大きく異なります。 アフター加工する人は正規品のまま使う人と比べるとリセールを気にしない方も多いですが、それが理由で大きく損をしてしまう人もいます。リセールについてあまり興味がない人も今後損しないようによく調べてから頼むようにしましょう。   2-1.アフター販売・買取の差が出る理由:商品知識が必要 アフター品を売るためには、正規品それとも社外品にダイヤモンドを入れるのかどちらか決めなければなりません。制作、販売をする前にはリセールに対する説明を話しながら本人が本当にやりたいアフターなのかカウンセリングを行います。 アフター品の買取では社外品を見抜く力が必要になってきます。アフター品の中にはロレックス ヨットマスター 116695SATS(キャンディー)のように正規品に似せて作る商品もございます。アフター品として買取しなければいけないものを正規品として買取してしまうと買取店は大きな損害を受けてしまいますので、高い真贋力が必要となってきます。そのため、知識の低い買取店では損害を抑えるために査定額を抑えて買取する必要が出てきます。知識が高い買取店であればそのようなリスクも限りなく下げることができるので 2-2.アフター販売・買取の差が出る理由:広い販路が必要 アフターダイヤモンドは通常の市場やオークションでは高く売ることができません。高い価格で売るためには業販(業者間での販売)やお客様に直接売る必要がございます。高価買取には高い売り先が必要となってくるため、高い売り先を持っているかどうかが重要となります。 自社でアフターダイヤモンド制作などを行っているお店や、アフターダイヤモンドを販売しているお店と取引しているお店は高価買取してもらえる傾向にございますので、覚えておくといいでしょう。   3.アフターダイヤを購入するときに注意するべき2つのポイント 「アフターダイヤモンドが欲しい。」「持っているヨットマスターにキャンディベゼルをつけたい。」などアフターダイヤモンドを購入検討されている方は多いかと思います。 しかし悲しいことに純正品と異なり品質が高水準で一定しているわけではないので、アフター品の購入(制作依頼)は注意が必要です。もしも購入・制作依頼に悩んでいる方がいたらここの注意点をよく読んで参考にしてください。   3-1.①正規品、社外品を説明してくれるかどうか どの部分が正規品なのか、どの部分を社外品にしているのかアフター品を購入するときには最も気をつけたいポイントです。ほとんどの場合はどの部分に純正品を使っていて、どの部分が社外品なのかをしっかりと説明してくれますが、一部店舗では説明をしない(できない)業者もいます。 弊社ではアフター品を数多く買取しておりますが、社外品を純正品と言われて購入している人を見かけるので、ここのポイントはかなり重要です。 しっかりと社外品を説明してくれるお店は安心できますが、そうでない場合は要注意。商品知識が伴っているかどうかで簡単に見分けが着くので お店を見分ける方法は口コミなどからお店の信頼性を確認すること、知り合いから紹介してもらっていいお店を選ぶことなど 3-2.②ダイヤモンドの品質、貴金属の品位は正しいかどうか アフター品で大切にしたいのはダイヤモンドの品質、使用している貴金属の品位です。最近ではとても綺麗な合成ダイヤモンドが使われているケースも存在しているため、ダイヤモンドの品質は確認することをオススメします。 「ぶっちゃけ綺麗であればなんでもいい」という方はあまり気にする必要はないかと思いますが、アフター品にもリセールを求められる場合はダイヤモンドのグレードや品位の確認は必須です。最近流通し始めている合成ダイヤモンドはかなり綺麗なものも多く、リセールを気にされない方であれば合成ダイヤモンドを利用するのも一つの手でありますので、覚えておくといいでしょう。   4.アフターダイヤ、売るも買うもESTIMEにお任せ ESTIME銀座本店ではアフターダイヤモンドの制作受付、アフター加工されたアイテムの買取を行っております。アフターの売買を得意としているブランドショップなので買取額が高いのはもちろん、リセールも合わせてお客様にあったアフター品を提案することが可能です。 アフター品の買取、販売、制作依頼は公式LINEから受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談くださいませ。  

2021年8月30日
ロレックスを最高値で売りたいならESTIMEにお任せ。

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2021年6月9日
バーキンを最高値で売りたいならESTIMEにお任せ。

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2021年6月7日
ロジェデュブイを最高値で売りたいならESTIMEにお任せ。

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2021年5月29日
ハリーウィンストンを最高値で売りたいならESTIMEにお任せ。

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2021年5月29日

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