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タグ・ホイヤーはロレックスやオメガほどの知名度はないものの、スポーツ界を中心にコラボモデルが知られていたり、クロノグラフムーブメントの開発など技術力の高さに定評のあるブランドです。高級カーメーカーとのコラボレーションやトゥールビヨンの開発などに展開を広げつつ、手の届くラグジュアリーをコンセプトに手頃に高級時計を楽しむことができる世界観を持っています。この記事ではタグ・ホイヤーの歴史、魅力、代表シリーズや人気モデルについてまとめます。 1.タグ・ホイヤーとは? タグ・ホイヤーは、1860年にスイスで創業された高級時計ブランドです。その名前は創業者であるエドゥアール・ホイヤー氏に由来し、1985年にTAGグループが出資したことから「タグ・ホイヤー」となりました。「TAG」は「Techniques d’Avant Garde(最先端技術)」の略で、その名の通り、タグ・ホイヤーは革新性と技術力を追求するブランドとして広く知られています。 特に、モータースポーツとの深い関わりを持ち、公式タイムキーパーとして多くのレースイベントをサポートしてきました。「モナコ」や「カレラ」といったコレクションは、レースのスピード感やダイナミズムを反映したデザインで、時計愛好家から高い評価を得ています。 また、タグ・ホイヤーは精密な計測技術でも有名で、1860年代からストップウォッチやクロノグラフの分野で多くの特許を取得しています。現在でも、革新的なムーブメントやデジタル技術を取り入れたスマートウォッチなど、伝統と最先端を融合させた製品を展開しています。 「ラグジュアリー」と「機能性」を兼ね備えたタグ・ホイヤーは、スポーツウォッチとしてだけでなく、ファッションやステータスシンボルとしても多くの人に愛され続けています。 2.タグ・ホイヤーの歴史 出典:TAG HEUER タグ・ホイヤーは、創業160年を超える歴史ある高級時計ブランドです。その歴史は、創業者エドゥアール・ホイヤーが築いた精密技術の革新と、モータースポーツとの深い関わりによって彩られています。 ここでは、タグ・ホイヤーの誕生から現在に至るまでの歴史を振り返り、深掘りしていきます。ブランドの背景を知ることで、タグ・ホイヤーの時計が持つ価値をより深く感じられるはずです。 2-1.1860年にエドワード・ホイヤーによって創業 出典:TAG HEUER 1860年スイスサンティミエにエドワード・ホイヤーによって創業したのが始まりです。当時20歳の若さで、ストップウォッチやクロノグラフの開発に尽力していました。1869年にはスイスベルンに移転、同年に懐中時計用鍵なしリューズ巻き上げ機構を開発し、ホイヤーとしては初めての特許を取得しました。 出典:TAG HEUER 1887年クロノグラフの主要部品になる振動ピニオンを開発し特許取得。クロノグラフのスタート/ストップの動力の橋渡しとなる部品で、プッシュボタンを使うクロノグラフに不可欠な部品となりました。現在でも使用される機構で、時計業界の進歩に大きく寄与した技術です。 2-2.1916年精密に計測可能なマイクログラフの開発でスポーツ界に進出 出典:TAG HEUER 1911年自動車や飛行機といった移動手段が進歩する中で、ダッシュボードにつけられる時計の開発を進めました。進歩していく業界へのアイテムを開発を行う先見の明があったことがホイヤーをここまで成長させた理由の一つでしょう。 1916年に100分の1秒を計測可能なストップウォッチ「マイクログラフ」を開発しました。クロノグラフメーカーとして知名度を上げる中、1920年〜28年にはアントワープ・パリ・アムステルダムの3連続でオリンピックの大会公式時計に選ばれます。この頃からアルペンスキーやモータースポーツの公式時計を務めるようになり、高精度の時計メーカーとしての地位を築いていきます。 1933年ダッシュボード向けにオータヴィアを開発。後に腕時計化し人気となるシリーズです。1949年には潮の干潮・満潮時刻を表示するソルナールを開発。 1958年創業者の4代目となるジャック・ホイヤーがCEOに就任。ダッシュボード向けにつくられたオータヴィアをクロノグラフ搭載腕時計として発表。ホイヤーによるクロノグラフモデルとしては初めてでした。1963年カーレースにインスピレーションを得て開発されたクロノグラフシリーズとしてカレラを発表。 2-3.1999年に巨大コングロマリット「LVMH」がタグホイヤーを買収 出典:TAG HEUER 1969年ホイヤー社をリーダーとし、ブライトリング・ハミルトン-ビューレン・デュボアデプラの4社共同開発として自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー11」を開発。これを角型モデル「モナコ」、「オータヴィア」、「カレラ」に搭載し発表しました。 しかし同年のクオーツショックによる売上不振が続き、1982年にピアジェの傘下に加わりました。このとき4代目のジャック・ホイヤーは経営を外れ、ホイヤー一族による経営は幕を閉じました。1985年にはピアジェから離れたところ、タグ・グループからの資金援助によりタグ・ホイヤーに社名を変更しています。 その後アイルトン・セナとのパートナーシップやs/elシリーズのヒットなどにより苦難を乗り越え、1999年にLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)の傘下となっています。ウブロの再建などの伝説をもつジャン・クロード・ビバーがCEOとなった2014年からは手の届くラグジュアリーをコンセプトとし、価格以上の価値のある新作を次々と生み出しています。 2022年現在ではフォーミュラ1、アクアレーサーの新作を筆頭にポルシェとのコラボレーションやレッドブル、マリオカートとのコラボレーションなど幅広く展開しています。フォーミュラ1は特に力を入れており、赤・緑・黃のラバーストラップを着けたリーズナブルなモデルも発表しています。 カレラは盤石なスポーツラグジュアリー、フォーミュラ1はコラボモデルのベースとなり最も振り幅の大きいシリーズとして、アクアレーサーはカジュアル寄りのスポーツラグジュアリーと役割がハッキリしたのも今年の特徴です。 また、2023年11月には2024年の辰年を祝う形としてピンクゴールドモデル、SSモデルの2つの素材で展開されている限定モデル『カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴン』が登場。中国文化で特別な立ち位置を持つ龍からインスピレーションを受けたこのモデルからは、シンプルかつタグホイヤーならではの力強さが感じられます。ゴールドモデルは世界50本限定の希少なモデルです。 3.タグ・ホイヤーが人気を集める3つの理由 出典:TAG HEUER タグ・ホイヤーの魅力は、その高精度な技術だけにとどまりません。デザイン性やブランドのストーリー、そして最先端の取り組みが、人々を惹きつける理由となっています。 ここでは、タグ・ホイヤーが世界中で愛され続けている3つの魅力を詳しく解説していきます。時計選びに迷っている方やタグ・ホイヤーをもっと知りたい方は必見です! ①:お手頃価格で本格スポーツラグジュアリーが楽しめる タグ・ホイヤーは「手の届くラグジュアリー」をコンセプトにしており、高級時計ブランドとしては比較的安い値段で価格設定がされております。タグ・ホイヤーといえば高級ブランドではあるものの、決して手の届かないものではないというイメージをもたれているのも、価格設定によるものです。 しかし価格が安いから品質が悪いということは決してなく、自社製ムーブメントの開発やセラミックなどの先進的な素材を取り入れるなど他の高級ブランドと遜色ない開発を行っています。トゥールビヨン搭載モデルは定価で200万程度(中古市場だと100万程度)なのも驚きです。 これはタグ・ホイヤーが所属しているLVMHグループが比較的ラグジュアリーアイテムのブランドが多く高額なアイテムが多いので、住み分けをするにあたっての価格設定によると言われています。品質の差ではなく、市場にある程度行き渡らせたいという意向による価格設定となっており、ユーザーとしては有り難いものです。 ②:スポーツとの関わりが強く、コラボモデルが多く開発される タグ・ホイヤーの時計をもつ魅力の一つがスポーツ界との関わりが強く、コラボモデルが多く楽しめることです。1971年にフェラーリのスポンサーとなったことが始まりで、1000分の1秒の計時システムを開発するなど様々な点でバックアップを行いました。 同年に公開された映画「栄光のル・マン」では主演のスティーブ・マックィーンがモナコを右腕に着けて大ヒットし、モータースポーツにおける地位を確立しています。80年代〜90年代のF1ブームではアイルトン・セナとのアンバサダー契約を行い、両者はレジェンドとして語り継がれています。 現在ではクリスティアーノ・ロナウド、錦織圭などスポーツ選手を中心にアンバサダー契約を行っています。またポルシェとのパートナーシップによる新作が次々と開発され、モータースポーツと高級車ブランドとの世界観の共有が楽しめる逸品となっています。 ③:新しいクロノグラフムーブメントの開発など、技術力に定評がある タグ・ホイヤーはリーズナブルな価格設定にも関わらず新しい技術開発へも積極的です。2011年に発表されたホイヤー カレラ マイクログラフ 1/100th クロノグラフは世界初となる100分の1秒までが計測可能なクロノグラフとして注目を浴びました。 元々ホイヤー時代に振動ピニオンや懐中時計でのマイクログラフの開発などクロノグラフの開発に注力していたこともあり、技術力に定評があるブランドとして知られています。トップクラスの技術が必要なトゥールビヨンを200万クラスで手に入れることができるのも、そうした技術力の賜物といえます。 4.タグ・ホイヤーを支える7つの代表モデル タグ・ホイヤーは、その革新的なデザインと精密な技術で多くのアイコニックなモデルを生み出してきました。クラシックなスタイルからスポーティーなデザインまで、幅広いニーズに応えるラインナップは、世界中から多くの支持を得ています。 ここでは、タグ・ホイヤーを代表する7つのモデルをピックアップ。それぞれの魅力や特徴を詳しく解説していきます。タグ・ホイヤーの時計選びに迷っている方や、ブランドの奥深さを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。 4-1.カレラ 出典:TAG HEUER カレラはタグ・ホイヤーを象徴するクロノグラフシリーズです。カレラ=スペイン語でレースを意味しており、1950〜54年にメキシコで開催されていたレース「カレラ・パン アメリカーナ・メキシコ」が由来となっています。 1964年発表当時はクラシカルなデザインのクロノグラフモデルとして誕生し、1999年に復刻した際もオリジナルに忠実なデザインでした。カレラ誕生40周年として誕生したタキメーターを備えたレーシーでモダンなデザインがヒットしたことで、カレラ=スポーティーなクロノグラフシリーズとして認知されるようになりました。 一口にカレラといっても大きく分けて3つに分かれており、3針のシンプルなキャリバー5搭載モデル、クロノグラフのキャリバー16搭載モデル、自社製ムーブメントのホイヤー02を搭載したモデルに分かれています。また、ツーカウンタークロノやトゥールビヨン搭載モデルなど、タグ・ホイヤーの中でも数々のモデルが排出されています。 4-2.アクアレーサー 出典:TAG HEUER アクアレーサーはタグホイヤー唯一のダイバーズウォッチシリーズです。アクアレーサーの初登場は2000年代からですが、タグホイヤーのダイバーズウォッチの歴史は古く、1895年に懐中時計用の防水ケースの特許を取得したことに始まります。1969年には世界初の角型防水時計としてモナコが発表されています。 1979年に200m防水を備えた1000シリーズを発表。以降、防水性に軸を置き逆回転ベゼルや針・インデックスへの夜光処理、ねじこみリューズなどダイバーズウォッチに必要な機能は揃っており、2000シリーズ、3000シリーズと展開していきます。アクアレーサーはそれらのスペックや雰囲気をすべて受け継いで発表されました。タグホイヤーにとってダイバーズウォッチの集大成となるシリーズです。 アクアレーサーはプロユースなスペックを備えながらも日常使いしやすい設計となっており、本格ダイバーズウォッチでは珍しく厚みを抑えたスッキリしたデザインとなっています。クオーツ、クロノグラフ、3針、GMTなど多機能に展開されており、スペック重視の重厚な本格ダイバーズウォッチというよりも、日常で安心して使える防水時計、といった雰囲気で展開されています。 4-3.フォーミュラ1 出典:TAG HEUER モータースポーツとの関わりが深いタグ・ホイヤーを象徴するシリーズの一つで、F1レーサーのアイルトン・セナ、キミ・ライコネンとのコラボモデルなどを筆頭としたスポーティーなシリーズです。 F1の名の通りスポーティーな印象で、実際にF1で使用された素材を使ったモデルなど、カレラよりもさらにレーサーを意識したデザインです。カレラのような幅広い機能やデザインではなく、シンプルでコンサバな幅広い世代に向けたデザインとなっています。価格帯がリーズナブルですがタグ・ホイヤーの世界観はしっかり投影されているので、入門用として愛されています。過去にレディースモデルも展開されており、ペアウォッチのように楽しむこともできます。 4-4.モナコ 出典:TAG HEUER モナコはタグホイヤー唯一の角型時計シリーズで、数々の逸話が残っています。1969年、当時4社共同で開発された自動巻きクロノグラフムーブメントのクロノマティックを搭載して発表されました。タグホイヤーにとって重要なムーブメントを搭載したモデルで、高い期待を背負っていたモデルでした。 モナコの初期モデルで最も特徴的なのは左リューズであることです。ホイヤー、ブライトリング、ハミルトン−ビューレン、デュボア・デプラの4社による共同開発で生まれたキャリバー11はビューレンのマイクロローター自動巻きムーブメントにデュボア・デプラのクロノグラフモジュールを重ねる世界初の設計となり、結果左リューズとなりました。自動巻きなので手で巻く必要がないことへのアピールとなった側面もあったようです。 世界初の角型の防水時計としても注目を浴びていました。当時防水用のパッキンが丸型しかありませんでしたが、角型パッキンの開発に成功しています。 実は発表当時はさほど注目されなかったモナコですが、映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックィーンが着けて出演したことで大ヒット。1970年代に生産終了となりますが、2009年の復刻モデル、2015年に定番化を果たしています。 現行モデルは復刻をテーマにしたモデルでは左リューズを再現しますが、通常モデルでは右リューズとなり自社製ムーブメントを搭載するなど、最新の技術・デザインでチューンナップされています。 4-5.リンク 出典:TAG HEUER リンクは1999年に登場したスポーツラグジュアリーシリーズです。前身はs/elでSports Eleganceの略で、時計デザイナーエディ・ショッフェル氏による人間工学的に考えられたデザインとして発表されました。F1ドライバーのアイルトン・セナが着用したことで有名となり、タグ・ホイヤーの人気シリーズとなりました。1999年にリンクとして生まれ変わり、ケースサイズの拡大やデザインのチューンナップが行われました。 ブレスレットのコマがS字型になっていることで、一目でリンクだとわかる外観となっています。人間の背骨から着想したといわれており、この仕様はs/elから導入されていました。数回のマイナーチェンジを経て丸みを帯びたデザインから、現代的なシャープな印象に変化してきており、最新では多面カットなベゼルのラグジュアリー感が強めなデザインとなってきています。 4-6.オータヴィア 出典:TAG HEUER 自動車(Auto)と航空機(Aviation)を組み合わせた造語のAutaviaは1932年に登場しました。元は名前の由来となった自動車や航空機の計器用に開発されました。1962年にジャック・ホイヤーによりクロノグラフ搭載腕時計として復活し、モータースポーツの全盛期だったこともあり人気を博しました。半世紀の空白期間の後、2019年に現代的なエッセンスを加え再度復活を遂げました。 1962年当時のモデルをデザインのベースに針への夜光処理による視認性アップ、ベゼルのアラビアインデックスの大型化、ムーブメントを自社製を採用するなど、デザイン・使い勝手の両方を現代のトレンドや技術にアップデートして発表されました。復刻モデルの後には雰囲気をそのままに3針やGMTモデルなど幅広い展開へシフト。オータヴィアの世界観を広げていっています。 4-7.コネクテッド 出典:TAG HEUER コネクテッドはタグ・ホイヤーのスマートウォッチシリーズです。ここ数年でapple watchを筆頭にスマートウォッチへ参入するブランドが多く見られましたが、高級ブランドによるスマートウォッチの展開を先んじて行ったのはタグ・ホイヤーなのはご存知でしょうか。 タグ・ホイヤーコネクテッドはいわゆるデジタルな新作展開とは異なり、タグ・ホイヤーのアイコン的存在であるカレラをベースデザインにして製作されたので、伝統的なデザインの高級腕時計、かつスマートウォッチとして展開されています。 システム面ではIntel、Googleと手を結び、多くの機能を備えています。GPS、加速度計、ジャイロスコープ、世代によってはおサイフケータイ、現行モデルならそのまま文字盤を再現でき、インデックスや針の色など細かな設定も可能です。ゴルフ用のナビゲーターやハートレートモニターで心拍数をチェックするなど、ヘルス面も充実。 2022年には最新のE4を発表。45mmしかなかったケースサイズに42mmが追加され、広いユーザー層に届くようになりました。細かな外装もアップグレード。フィットネス機能が追加され、エクササイズプログラムをガイドしてくれるようになりました。バッテリーも30%延長され、より使いやすくなっています。 5.タグ・ホイヤーを愛用してる芸能人5選! 5-1.小栗旬 俳優の小栗旬さんが着けているのは「カレラ タキメーター クロノグラフ Ref.CV2A12.FC6236」です。小栗さんはスントやハミルトンなどのスポーティーなデザインから、クリスチャン・ディオールやハリー・ウィンストンなどのラグジュアリーブランドの時計を幅広く着けています。 Ref.CV2A12.FC6236はカーレースにインスピレーションを得てデザインされたカレラのデイデイトモデルです。3時位置に曜日、日付の窓、3つ目のインダイヤルを備えたスポーティーなデザインです。ブラウンの文字盤、ベゼルが高級感のあるデザインにまとまっています。 5-2.仲村トオル 俳優の仲村トオルさんが着けているのは「アクアレーサー Ref.WAP1111.BA0831」です。スントやIWCヨットクラブなど、比較的スポーティーなデザインを好んで着用しているようです。 Ref.WAP1111.BA0831はタグ・ホイヤー唯一のダイバーズウォッチシリーズであるアクアレーサーです。一見シンプルな3針日付表示付きモデルに見えますが、300m防水、ねじ込みリューズ、回転式ベゼルなど本格派な機能を備えています。針、インデックスへの夜光処理や文字盤中央とインデックス周りのギョーシェに変化を付けるなど、派手ではありませんが機能的なデザインにまとまった実用的な一本です。 5-3.クリスティアーノ・ロナウド プロサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドさんが着けているのは「カレラ キャリバー36 Ref.CAR2B11.BA0799」です。クリスティアーノ・ロナウドさんはジラール・ペルゴやブルガリなどラグジュアリーなデザインとウブロやロレックスなどのスポーティーなデザインを幅広く着けています。 Ref.CAR2B11.BA0799は2013年モデルのカレラで、クラシックな印象のツーカウンタークロノグラフで、フライバッククロノグラフとなっています。エル・プリメロをベースにしたキャリバー36を搭載しており、10振動のハイビートムーブメントとなっています。シースルーバックなので、ムーブメントの動きをケースバックから楽しむこともできます。 5-4.長瀬智也 アイドル 長瀬智也さんが着けているのは「フォーミュラ1 Ref.385.513/1」です。長瀬さんは時計愛好家として有名で、ロレックスデイトナやサブマリーナ、カシオなどスポーティーなデザインを中心にこだわった時計選びとなっています。 Ref.385.513/1はカーレースにインスピレーションを受けて開発されたシリーズフォーミュラ1の一つで、ラグを裏面に隠した卵型のようなケースデザインがスポーティーなデザインです。赤色のケースに黒のベゼルの組み合わせですが、ポップなトーンなので柔らかめな印象です。ドットのインデックスとベンツ針がポップであり視認性が高く機能的で、ケースサイズ33mmのボーイズサイズなので取り回しが良い一本です。 4-5.山下智久 アイドル 山下智久さんが着けているのは「オータヴィア Ref.CY2110.BA0775」です。山下さんは様々な種類の時計を着けているのが知られており、ブルガリやジェイコブなど派手なデザインからオリスやシャネルのスポーティーなモデルまで幅広いテイストの時計を愛用しています。 Ref.CY2110.BA0775は1969年発表のオータヴィアの復刻版です。マイクロローターを備えたムーブメントであるクロノマティックを搭載した自動巻きクロノグラフとして話題になりました。当時人気だった卵型のC型ケースデザイン、左リューズ、レトロな印象のプッシュボタンなど当時の雰囲気をそのままに、現代的なエッセンスにチューンナップされています。 6.タグ・ホイヤーを持つならこれ!おすすめモデル5選 6-1.【カレラ】Ref.CAR2A1Z.FT6044 Ref.CAR2A1Z.FT6044は2015年発表のカレラで、自社製ムーブメントCal.ホイヤー01を搭載しています。文字盤がスケルトンになっているため、ムーブメントの動き、日付ディスクの動きを余すところなく見ることができます。黒、白、赤のカラーリングの組み合わせとスケルトン文字盤によりメカニカルでスポーティーな外観となっています。 ケースサイズは45mmと大型で、12個のパーツを組み合わせてつくられています。通常は量産しやすい鋳造による製造が多いとされるケースですが、パーツの組み立てにより各パーツごとでのブラックPVDコーティングや高いレベルでの仕上げが可能となり、さらにスポーティーでモダンなデザインに仕上がっています。 6-2.【モナコ】Ref.CAW2111.FC6183 Ref.CAW2111.FC6183は2009年モデルで、モナコ誕生40周年記念として製作されました。スティーブ・マックィーンが着けた初期モデルに着想を得てデザインされており、ムーブメントや風防は最新にアップデートしつつも、デザイン面は当時のモデルを彷彿とさせるものとなっています。 風防はプラスチックからサファイアクリスタルへ変更され、強度が大きくアップしています。ムーブメントはキャリバー12という汎用ムーブメントを改良したものを搭載していますが、これ以降のモナコは右リューズとなる重要な役目を担っていました。結果、リーズナブルな価格に抑えることで、モナコを知らなかったユーザーにも届けることができており、後の自社製ムーブメントを搭載したモデルへ繋がっています。 6-3.【アクアレーサー】Ref.WBP201A.BA0632 Ref.WBP201A.BA0632はタグ・ホイヤー唯一のダイバーズウォッチシリーズのアクアレーサー2021年モデルです。デザインとしては王道のダイバーズウォッチとなっており、回転ベゼル、夜光処理された太めの針とインデックス、ねじこみリューズとなっています。 防水性は300mとハイスペックですが、ムーブメントは汎用を改良したキャリバー5を使用することでリーズナブルな価格で手に入れることが可能です。日付表示機能や比較的薄く軽く仕上がったことを考えると、本格派ダイバーズウォッチよりも実用しやすいモデルとなっています。 6-4.【オータヴィア】Ref.CBE2111.BA0687 Ref.CBE2111.BA0687は創業者のひ孫にあたるジャック・ホイヤーの85歳の誕生日を記念してつくられた限定モデルで、彼の生まれ年にちなんだ1932本限定生産モデルです。 1962年にジャック・ホイヤーによって生み出された両回転ベゼルのクロノグラフモデルRef.2446の人気の高さからオータヴィアはシリーズ化されていますが、今回は初代モデルを現代のエッセンスで復刻させました。ケースサイズは少し大きく、全体のポリッシュ仕上げはそのまま、自社製ムーブメントを搭載するなど各所がブラッシュアップされ、デザインや雰囲気は初代モデルを彷彿とさせるものとなっています。 6-5.【アクアレーサー】Ref.WBP2010.FT6198(2022年新作) Ref.WBP2010.FT6198は2022年アクアレーサーの新作が多く発表された内の一本です。300m防水で夜光処理された太めの針とインデックス、ねじこみリューズといった本格スペックを備えています。黄色の針はGMT機能となっており、時差分が時針に同期してズレて動いてくれるので、設定した国の時刻を常に知ることができます。回転ベゼルは第二時間帯の昼夜を区別できるようになっており、朝・昼を示すホワイトと夕・夜を示すブルーとなっています。 セラミック回転ベゼルは軽量でキズがつきにくく、ホワイトとブルーのカラーリングが爽やかです。ボーダー模様に彫り込まれた立体的な濃紺の文字盤はベゼルのブルーとリンクしており、深い海を想起させるデザインです。ラバーストラップとブレスが選べますが、このリファレンスはラバーです。 7.まとめ タグ・ホイヤーの歴史、魅力、代表シリーズについてまとめました。 タグ・ホイヤーはクロノグラフにこだわりをもっているブランドで、数々の開発を手掛けてきました。カレラ、フォーミュラ1にはクロノグラフのDNAを3針に継承したモデルが展開されたり、磨き上げた技術力でさらに細かな計測を可能とするムーブメントの開発やトゥールビヨンの発表など、リーズナブルなだけではなく確かな技術やブランド力を証明しています。 タグ・ホイヤーの時計を見かけたらぜひ一度手にとって見てください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/divers-watches-list/ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ https://estime.co.jp/column/new-employee-watch-m/
エベラールという時計ブランドをご存知でしょうか。時計愛好家の中にはクロノ4を見たことがある方がいらっしゃるかもしれません。エベラールはクロノグラフで有名になり、クロノグラフをアイコンにしているブランドで、横一列にインダイヤルを並べた特徴的なデザインは強烈な印象を見る人に与えます。また、イタリアで人気というのも珍しいので、変わったブランドとして知られているかもしれません。この記事ではエベラールの歴史、魅力、イタリアで人気の理由、代表シリーズ、人気モデルについてまとめます。 1.エベラールの歴史 出典:EBERHARD 1-1.1887年スイス・ラ・ショー・ド・フォンにてジョージ・エベラールによって創業 1887年にスイス・ラ・ショー・ド・フォンでジョージ・エベラールによって創業しました。1894年特許を取得した時刻設定システムを搭載した懐中時計を発明しました。1905年にはデジタル表示を応用した革新的な時刻表示システムを搭載したモデルを発明し、特許を取得しました。彼は10世紀からベルンで時計作りに携わってきた一族の出身で、高い技術で新しいシステムをどんどん開発していく技術屋でした。 1919年息子のジョルジュとモーリスが経営を引き継ぎ、1926年には完全に引継ぎが完了しています。引継ぎ始めと同年の1919年、初の腕時計型クロノグラフの発表。エベラールはクロノグラフを軸に新しい機構を開発していきます。1935年にリセットなしのスタート&ストップ機能を搭載したダブルプッシャークロノグラフモデルを発表しました。1938年に初の12時間積算計付きのクロノグラフ、1939年に2つの異なるラップタイムを計測できるスプリットセコンドクロノグラフモデルを発表しました。 1-2.1930年イタリア海軍将校用の時計に採用される 1930年代にイタリア海軍将校の公式時計として採用されたことからエベラールの評判は高くなっていきます。当時最も偉いのは軍人で、中でも海軍の地位が高かったと言われています。海軍将校が着けている時計として、イタリアのエグゼクティブの間でエベラール時計の評判が広まっていきました。イタリア空軍の最も有名な曲芸飛行部隊フレッチェ・トリコローリの公式時計としても採用されました。 1940年にスライディングプッシュボタン付きのエクストラフォルトを発表。1950年代には旗艦モデルとなり、後のエベラールのクロノグラフ全体へ影響を与えました。1959年にはスプリットセコンドクロノグラフのエクストラフォルトを発表。1960年にはコントグラフを発表。6時位置の日付表示と20、40、60と3つのセクターが記されたインダイヤルが特徴的です。 1970年エベラールもクオーツ時計Model-O-Quartzを発表。歴史を汲みつつ新たなトレンドに乗ることも忘れないチャレンジ精神を兼ね備えていることがわかります。 1-3.創業100年を超えてもなお新作を発表し続ける クオーツショックで時計業界が揺らぐ中、エベラールは機械式クロノグラフを再デビューさせました。時代の流れに逆らうように見えて、実は多くのブランドが機械式時計の魅力を再認識できる複雑系などのモデルが多く発表された時期です。エベラールは時代の風向きを読み取るのが上手なブランドでした。 1987年、創業100周年記念としてネイビーマスターコレクションを発表。エベラールはETAムーブメントにこだわっており、ETA7751を使用した曜日・月・ポインターデイト・クロノグラフを搭載したモデルとなっています。ちなみに、トラベルセトロのビトレというモデルにはリューズが反対側に着けられたレフティモデルも存在します。その後の1992年、生誕100周年記念として伝説のイタリア人レーサーにインスピレーションを得たタツィオ・ヌヴォラーリモデルを発表。 1996年トレンドを先取りした大型モデルのトラベルセトロを発表。後にファッションアイコンとして知られるジャンニ・アニエリが愛したモデルとしてイタリア国内で瞬く間に表案が広まります。1997年1.5mもの2本のぜんまいを搭載した8ジュールを発表し、2000年に1950年代に一世を風靡したエクストラフォルトを復刻しました。 2001年にエベラールの代表作ともいわれるクロノ4を発表。インダイヤルを一列に並べた革新的なデザインは、エベラールで最も有名なモデルと言われています。2003年にタツィオ・ヌヴォラーリシリーズに彼が勝利した有名なレースヴァンダービルトカップにちなんだ新作を追加。2004年にトノーケースで縦一列にインダイヤルを並べたクロノ4テメラリオを発表。 2007年に創業120周年記念としてクロノグラフ120周年記念モデルを発表。2008年にクロノ4にビッグサイズを意味するグランタイユを追加。2011年にエクストラフォルトにグランタイユを追加。2016年に1950年代に発表されたスカフォグラフを現代的に解釈し復刻。2018年にタツィオ・ヌヴォラーリにレジェンドモデルを追加。2019年ブランドの創立記念日に敬意を表し、手巻きモデル1887を発表。2021年には創業135周年記念としてトラベルセトロの限定モデルやスカフォグラフの限定モデルなど、多くの新作を発表しています。 2.エベラールの魅力 出典:EBERHARD 2-1.独立経営を継続していることで世界観にブレがない エベラールは家族経営を継続し、独立運営できているブランドです。1980年代以降の時計業界の買収・変革で多くのブランドが4大グループの何処かへ買収されてしまいました。1970年のクオーツショックにより経営難に陥ったブランドの多くは、廃業もしくは資金を求め経営権を手放さざるを得なかったのです。 買収されたブランドの一部ではグループ内のバランスのために、既存の流れを汲まない商品展開を行ったり、価格帯を大きく変えたりとそれまでのファンを置き去りにしてしまうこともありました。結果、販売が低迷し経営権を手放されてしまうブランドもあります。 エベラールは買収されることなく独立運営できているブランドです。クオーツショックに耐えるために相当な苦労があったはずですが、そのおかげでエベラールの時計は創業当時から独立経営を続けてきており、世界観がブレずにいるのです。クオーツショックだけでなく様々なトラブルにより経営権を手放すブランドもありますが、独立経営を続けているブランドは多くありません。エベラールがブレない世界観を貫き、昔からのファンを大事にしているブランドであることがわかります。 2-2.インダイヤルを4つ直列した唯一無二のデザインをもつクロノ4が人気 2001年に発表したクロノ4はエベラールのアイコン的存在となっています。当時CEOだったパルミロ・モンティが発案したデザインで、横一列に並んだインダイヤルが特徴です。エベラールが多くの顧客をもつイタリア人の間で人気のレーシングカーのダッシュボードに着想を得たもので、特許を取得しています。 クロノ4はサイズバリエーションやカラーバリエーションを多く発表しており、クロノ4、グランタイユ、ジェアンとケースサイズが大きくなっていっています。中でもテメラリオはトノーケースを採用し、縦に4つのインダイヤルを並べたデザインは唯一無二の人気となっています。 2-3.イタリアで絶大な人気を誇り、生産の8割が販売される エベラールはイタリアで高い人気を誇るブランドで、生産数の8割がイタリアで販売される圧倒的なシェアをもっています。イタリアで人気となったのは海軍将校に採用されたことで、エグゼクティブ層の間でステータス性の評価が高まったことが始まりです。 後にイタリアエグゼクティブ層の憧れであるジャンニ・アニエリが好んで着けたことやイタリアで伝説のレーサーとして有名なタツィオ・ヌヴォラーリとのパートナーシップなど、イタリアのキーパーソンに愛されていることが人気の秘訣といえるでしょう。 3.エベラールがイタリアで人気の理由 出典:EBERHARD 3-1.海軍将校に採用され、フレッチェ・トリコローリ公式時計になっている エベラールの時計が人気になったのは1930年に海軍将校に採用されたことがきっかけでした。当時は軍人が最も偉かったため、彼らが着けている時計にイタリアのエグゼクティブ層が憧れ、富裕層を中心に広がっていきました。 海軍将校への採用がパイプを生んだのか、1984年には最も有名な曲技飛行チームフレッチェ・トリコローリとの共同開発モデルを発表。フレッチェ・トリコローリは公式時計の選定コンテストを行っており、ブライトリング社のクロノマットも採用されています。既存モデルのモディファイで臨むブランドが多かったところ、完全に新規で開発を行ったことが功を奏し採用にいたったとされています。 3-2.フィアット元名誉会長のジャンニ・アニエリがこよなく愛した時計で知られている フィアットの元名誉会長ジャンニ・アニエリはイタリアのエグゼクティブ層の憧れであり、ファッションアイコンでした。エベラールは彼がこよなく愛した時計で、金属アレルギーだったためオンザカフス(シャツの上から腕時計を着けるスタイル)で注目を浴びました。 彼が愛用したと言われているのはトラベルセトロで、シンプルでクラシックな佇まいが彼のファッションともよくマッチしていました。トラベルセトロの開発は当時のトレンドに反する大型時計でしたが、ファッションアイコンとして知られていた彼の着用によってトラベルセトロは大ヒットしたと言われています。 3-3.伝説のレーサー「タツィオ・ヌヴォラーリ」とのパートナーシップ イタリアで伝説となっているレーサー「タツィオ・ヌヴォラーリ」は機材トラブルや怪我など逆境で力を発揮するレーサーでした。ドリフト走法の生みの親とも言われており、当時スペックの低かったアルファロメオ製のレースカーで勝ち続けたと言われています。大柄なドライバーが多かった中で162cmと体格差を覆すなど、ただ技術が高いドライバーとは一線を画す存在でした。 エベラールはヌヴォラーリグランプリのメインスポンサーとなっており、タツィオ・ヌヴォラーリの精神力や類まれなテクニックをたたえ、タツィオ・ヌヴォラーリモデルをシリーズ化しています。現在でも人気シリーズとなっており、彼の伝説がエベラールの時計とともに語られ続けています。タツィオ・ヌヴォラーリとのパートナーシップはエベラールがイタリアで高い人気を獲得した理由の一つでもあり、良い協力関係にあるといえます。 4.エベラールの代表シリーズ 4-1.トラベルセトロ 出典:EBERHARD トラベルセトロは1996年に発表されたシリーズで、大型時計の先駆けと言われています。CEOのパルミロ・モンティが考えたのは「ラグジュアリーになりすぎずも印象に残り、かつ当時のトレンドだった控えめな時計と一線を画す時計」でした。思いついたのは、誰も想像したことがないような大きさで、クラシックなフォルムを持つ、まるで懐中時計のような腕時計。 当時ケースサイズは36mmが主流な中で43mmのモデルの製作には周りが大反対したものの、これから大型時計のトレンドが来るとし、CEO権限で強行。彼の読み通り、1990年後半はデカ厚ブームになり、今でもその影響は残っています。 トラベルセトロはそんな大ぶりの時計として開発されたため、懐中時計のムーブメントユニタス6498-1を搭載。手巻きの心地よい巻き上げ感と毎時18,000振動のロービートの響きが特徴です。先端が鋭いリーフ針と夜光処理など、クラシックなデザインにまとまっています。大人の余裕を感じるようなゆったりとしたデザインで、極めてシンプルな手巻き3針ですが長く楽しめる時計です。 世界のセレブリティの憧れフィアット元名誉会長のジャンニ・アニエリがこよなく愛したモデルで、オンザカフス(シャツのカフスの上に腕時計を着けるスタイル)で世界中のファッションのアイコンとなりました。ちなみにトラベルセトロとはイタリアの小さな町の名前で、パルミロの亡くなった友人を思い名付けたといわれています。 4-2.タツィオ・ヌヴォラーリ 出典:EBERHARD タツィオ・ヌヴォラーリはドリフト走行の生みの親と言われるイタリア人レーサーです。イタリアの誇る名ドライバーで、悪路やトラブルにこそ力を発揮し数々のレースで勝利を収めてきました。周りのレーサーが大柄な中で162cmと小柄なのは彼だけであったり、当時性能が決して高くなかったアルファロメオ社製のレーシングカーで勝利するなど、技術以上にメンタルの強さなど、多くのイタリア人が誇りに思っている偉人の一人です。 エベラールはヌヴォラーリグランプリのメインスポンサーを務めています。タツィオ・ヌヴォラーリがかつてエベラール製の懐中時計をポケットに忍ばせてレースに出場していたと言われていることと彼の生き様に共感し、開発されたのがタツィオ・ヌヴォラーリシリーズです。 シリーズは大きく分けて3種類です。タキメーターをベゼルに配置した黒文字盤のクールなタツィオ・ヌヴォラーリ、タキメーターを文字盤中心に配置し、クラシックな印象を強めたタツィオ・ヌヴォラーリレジェンド、彼の優勝した最も有名なレースにちなんだヴァンダービルトカップとなっています。 共通しているのはクロノグラフを備えていることと、彼を象徴する亀のエンブレムが描かれていること。世界一速い男に世界一遅い生き物のエンブレムが与えられており、この2つはどのモデルにも備わっています。 4-3.スカフォグラフ 出典:EBERHARD スカフォグラフは1959年に発表されたエベラールのダイバーズウォッチシリーズです。1950~60年代にかけてダイバーズウォッチが普及していく中の一つでした。初代のスカフォグラフ100として100m防水モデル、翌年にスカフォグラフ200の200m防水が発表されました。ダイバーズウォッチは競合が多く、ロレックスやブランパンなどのビッグブランドがひしめく中で抜きんでる必要があり、この2種類はあまり人気が出なかったと言われています。 1964年に更に改良を施したスカフォグラフ300、300m防水を備えたモデルを発表。たちまち人気となり、スカフォグラフのDNAを受け継ぎつつ500m、1000m防水と防水性能に特化したスカフォダットを発表しました。2016年にはスカフォグラフ300を復刻し、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)のスポーツウォッチ部門で受賞しています。 復刻版のスカフォグラフ300は逆回転防止ブラックセラミックベゼルの採用や43mmケースへの拡大など現代的にアップデートされていますが、発表当時のレトロさも残されています。GPHGで受賞を果たしたことをきっかけに追加されたのがスカフォグラフGMTです。防水性能は100mですが、第二時間帯表示機能を搭載しスポーティーで実用的に仕上がっています。さらにセラミックベゼルとマザーオブパールを組み合わせたレディースモデルスカフォグラフ100を発表。着々と展開を増やしています。 4-4.クロノ4 出典:EBERHARD クロノ4はエベラールのアイコン的存在として、現在最も知られているシリーズの一つです。スケルトン加工された針、12時位置に日付表示。文字盤下部に4つのインダイヤルを横一列に配置したデザインが特徴です。クロノグラフの分、時、24時間表示、スモールセコンドの順に並んでいます。しかもこの革新的なデザインをETAムーブメントで達成しているため、メンテナンス性も優秀です。 2001年の発表時には40mmだったケースサイズは2008年のグランタイユで43mmに、2010年のジェアンで46mmに拡大しています。同時に文字盤カラーとチタン等の素材バリエーションを増やしており、クロノ4誕生20周年記念としてクロノ4 21-42が発表されています。最新モデルではクル・ド・パリ仕上げ文字盤など、それまで以上にクラシックな雰囲気が強調されています。 4-5.サイエンティグラフ 出典:EBERHARD 1950年代から急速に普及し始めた電化製品による磁気帯びの影響への対策として開発されたシリーズです。1961年に発表され、早くから耐磁時計の開発に力を入れていたことがわかります。軟鉄製インナーケースを用いたポピュラーな手法ながら、人気を博しました。2021年に初代のDNAを確かに残しつつ、現代的なエッセンス・最新の技術により復刻しています。 マットブラックな文字盤は端が少し落ちるようになっており、針も少し追いかけるように先端が曲げられています。オレンジ色の夜光処理が施された針は独特の三角形が付いた時針、バトン針の分針、先端手前に丸が付いた秒針は視認性が確保されています。全てのアプライドインデックスが同じ夜光処理が施されています。 裏蓋はスチールバックで、初代同様に軟鉄製のインナーケースで耐磁性を備えています。国際規格のISO 7642020に準拠しており、耐磁性を備えた時計として公に承認されています。耐磁性を備えた時計の多くは風変りなデザインが多いものですが、サイエンティグラフは日常使いしやすくなっています。 4-6.8ジュール 出典:EBERHARD 1997年に発表した8ジュールは8日間を意味しており、その名の通り8日間のパワーリザーブを備えたシリーズです。2本のぜんまいを重ね合わせることで、標準が30cmなのに対し1.5mと5倍の長さを搭載した特許を取得した機構を搭載しています。8日間に一度巻き上げをすればいいのですが、特許を取得している残り日数のインジケーターはシンプルで分かりやすいデザインです。 これまでは白文字盤と黒文字盤のシックなカラーリングだけでしたが、2022年に白文字盤にネイビー文字、ネイビー文字盤の2種がグランタイユとして発表されました。8ジュールとしては初めてギョーシェを使った文字盤デザインで、クラシック・スポーティーな印象に仕上がっています。グランタイユといっても41mmケースのため他ブランドに比べても標準サイズで使いやすくなっています。現在はグランタイユのみの展開となっています。 4-7.エクストラフォルト 出典:EBERHARD エクストラフォルトは1940年に初代が発表されたクロノグラフシリーズです。創業から50年の技術を結集して開発したスライディングプッシュボタン付きモデルが初代で、1950年代に入るとエベラールの旗艦モデルとして高い人気となりました。スポーツ・エレガントの先駆け的存在とも言われており、後にエベラールのクロノグラフ全体に影響を与えたシリーズと言われています。 1950年代当時、機械式時計の全盛期のエクストラフォルトを復刻させるにあたり、現代的なエッセンスと最新の技術を盛り込んでいます。シンプルでエレガントなクロノグラフのお手本ともいえる美しさは健在で、スプリットセコンドクロノグラフを搭載した特別モデルも発表されています。 基本のデザインはツーカウンターのクロノグラフです。12時だけのアラビアインデックスと6時位置の日付表示窓、楔形インデックス、タキメーターと鋭めなドーフィン針、レトロな雰囲気の残る四角いプッシュボタンとクラシックな要素で溢れています。 4-8.コントグラフ 出典:EBERHARD 1960年に発表されたコントグラフは時計愛好家の間で人気の高いシリーズです。ツーカウンタークロノグラフ、逆回転防止ベゼル、ドーフィン針などスポーツ・エレガントを象徴するデザインが特徴で、トレンドを先取りするように発表されました。エベラールの先見の明を象徴するシリーズの一つです。 2014年に現代的なエッセンスを加え復刻しており、ケースサイズは42mmへ拡大。しかし機械式時計の全盛期に発表された初代の雰囲気がしっかり残されています。ムーブメントはETA7750を搭載しているためメンテナンス性に優れています。ETA問題もあり、時計業界全体が自社製ムーブメント偏重ですが、ユーザーへの価格設定上、エベラールはETA製ムーブメントを使い続けるメリットが大きいと感じているようです。 4-9.1887 出典:EBERHARD 1887は2019年に発表されたばかりのシリーズで、創業年に思いを馳せて開発したとされています。懐古的なテーマの通りクラシックな面持ちで、長さがきっちりレイルウェイに届くように設定された鋭い剣針、偶数位置のローマンインデックスと奇数位置の楔形インデックス、日付表示窓の縁取りはカラーリングが統一されています。ロゴとシリーズ名はステージに描かれているため一段高い位置にいることでクラシックな雰囲気と高級感が演出されています。 自社製ムーブメントEB140が搭載されており、手巻きなので裏面からムーブメントの動きを見ることができます。ETA製を参考にしつつ大きめの地板を使う独特なデザインです。ベゼル、ラグは細身で、ムーブメントに合わせて設計された時計のような印象です。機械式時計の全盛期である1950年頃を思わせるレトロな雰囲気がこのシリーズの魅力です。 4-10.フレッチェ・トリコローリ フレッチェ・トリコローリはイタリア空軍の最も有名な曲技飛行グループ「フレッチェ・トリコローリ」の公式時計として採用されたモデルです。1930年にイタリア海軍将校に採用されたことをきっかけにエベラールの評価が高まっていきますが、1984年に公式時計として共同開発されました。 可動式のラグなど他のシリーズとは違う独特な世界観を持ったモデルです。凹凸の付いたベゼル、リューズを囲うように丸の装飾が付いているのはグローブのまま操作するため。根元を補足したバーハンド、バーインデックス、ベゼルは夜光処理を施し視認性を高めています。3時位置にはフレッチェ・トリコローリのロゴとそれを支えるようにひっそりとブランド名が描かれています。裏蓋には飛行機の刻印が刻まれています。 5.エベラールのおすすめモデル5選 5-1.トラベルセトロヴィトレ Ref.21020.5 出典:EBERHARD トラベルセトロヴィトレ Ref.21020.5は最もシンプルなシリーズの一つトラベルセトロの白文字盤モデルです。デカ厚ブームの先駆けとして生まれたため、懐中時計のムーブメントを搭載しています。巻き上げ感やロービートの雰囲気など、古き良き時代を思わせるようなクラシックさがあり、手巻き3針の機能が最小なのもマッチしています。 ヴィトレとはシースルーバックのことで、日本国内に流通しているのはすべてヴィトレです。手巻きムーブメントを巻き上げる際の歯車からてんぷが動くところまでを見ることができる楽しみは、ロービートなら特に心地よいものです。先端が鋭いリーフ針や、中心に向けて読めるように傾いたインデックスなど、実は独特の雰囲気をもっているデザインがエベラールならではのセンスが楽しめます。 5-2.8ジュールグランタイユ Ref.21027.1 出典:EBERHARD 8ジュールグランタイユ Ref.21027.1は8ジュール(8デイズ)のグランタイユ(ビッグサイズ)モデルです。8ジュールの名の通り、8日間に一度巻き上げればよいロングパワーリザーブモデルです。その秘密はぜんまいの長さにあり、通常は30cm程度のところ8ジュールは5倍の1.5mを備えているため、単純に長く駆動します。実際に巻き上げてみると、通常の時計よりも巻き止まり(巻き上げ完了位置)までが長いのを実感できます。 文字盤デザインはシンプルな白ベースにオールアラビアインデックス、鋭く長いリーフ針のポピュラーなデザインです。特許を取得している8日間パワーリザーブ表示とスモールセコンドはレイルウェイのように1目盛りずつ描かれており、クラシックな印象も。裏面からムーブメントの動きは見えないのですが、香箱内でぜんまいが巻きあがるさまが見えるようにのぞき穴が備わっています。のぞき穴には数字の8がデザインされています。 5-3.タツィオ・ヌヴォラーリ Ref.31038.5 タツィオ・ヌヴォラーリ Ref.31038.5はイタリアの伝説のドライバー「タツィオ・ヌヴォラーリ」の生誕100周年をたたえて発表されたモデルです。黒文字盤にシンプルな夜行処理されたペンシル針、細目の文字でスマートにベゼルに描かれたタキメーターなど、エレガントかつスポーティーな印象に仕上がっています。 9時位置にはタツィオ・ヌヴォラーリのサインとグッドラックトータスが描かれています。この亀のエンブレムは世界一速い男に世界一遅い生き物を、と与えられたエンブレムで、彼の功績の凄さを物語っています。シースルーバックになっており、ムーブメントの動きを見ることができます。自動巻きローターにはアルファロメオに乗る彼のモチーフを見ることができます。 5-4.クロノ4グランタイユ Ref.31052.1 出典:EBERHARD クロノ4グランタイユ Ref.31052.1はエベラールのアイコン的存在クロノ4の43mmケースモデルです。スケルトン化された時分針と横一列に配置されたインダイヤルが特徴的です。ケースサイズは43mmと比較的大きく、クロノグラフなので厚みもしっかりのがっしり目のモデルです。 白・黒・赤のスポーティーなカラーリングになっており、レーシングカーのダッシュボードに着想を得たとされる横一列のインダイヤルのデザインがマッチしています。特別な機能を持ったモデルですがムーブメントはETA製を使用しており、メンテナンス性にも優れています。 5-5.スカフォグラフ300 MCMLIX Ref.41034VS.10 CP 出典:EBERHARD スカフォグラフ300 MCMLIX Ref.41034VS.10 CPはエベラール唯一のダイバーズウォッチシリーズのスカフォグラフから2023年の新作です。スカフォグラフはエベラールにとって挑戦と成功を象徴しており重要な扱いとされており、復刻盤のヒットに合わせて発表されたのがMCMLIXモデルです。MCMLIXモデルは誕生年の1959年を表しており、オールブラックの文字盤とベゼルへのヴィンテージな風合いのある夜光処理が特徴です。 今回発表したのは新色のブラウン。マットブラウンの文字盤、ベゼルでの展開で、レザーストラップと組み合わせるとよりヴィンテージな雰囲気が楽しめます。逆回転防止ベゼルやねじこみリューズ、9時位置のヘリウムエスケープメントバルブなど、本格的な機能も備えており防水性は300mとなっています。裏蓋にはシリーズの象徴とされるヒトデの刻印がされており、シックな中にカジュアルさも見える普段使いしやすいモデルです。 まとめ エベラールの歴史、魅力、イタリアの人気の理由、代表シリーズ、人気モデルについてまとめました。エベラールは現在もイタリアで高いシェアをもつブランドで、他の時計ブランドとは違った歴史や魅力をもっています。エベラールの日本での本格的な取り扱いは始まって間もないので、もし街中でエベラールの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ 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Hモーザーは知名度の高いブランドではありませんが、IWCの愛好家はご存知の方がいらっしゃるかもしれません。IWC創業の際にシャフハウゼンの工業化に尽力しており、IWCの歴史を深く知るとHモーザーの名前が出てくるからです。IWCにも感じられるシャフハウゼンの少し無骨な雰囲気とエレガントさがHモーザーの魅力です。この記事ではHモーザーの歴史、魅力、代表シリーズ、スペシャルウォッチ、人気モデルについてまとめました。 1.【Very Rare】Hモーザーの歴史 1-1.1828年ハインリッヒ・モーザーによってロシアで創業 Hモーザーはハインリッヒ・モーザーによって1828年にロシアで創業しました。スイスシャフハウゼンの伝統的な時計師一家に生まれ、幼い頃から時計師の道へ進むと決めていたようです。ジュラ地方にほど近いルロックルに移り、自分の工房をつくりました。ハインリッヒのつくった時計はスイス以外からの評価も高く、ロマノフ王朝の皇帝へ献上される置き時計の製造を一任されるなど、20代にして高い評価を得ていました。 こうして高い評価を得たハインリッヒは地元シャフハウゼンに戻ろうとしました。成果を元に街に活気を取り戻す思いもあったようですが、シャフハウゼンの時計師協会はこれを拒否。当時の職人たちの閉鎖的な環境もあり、外部で成功した若者を受け入れることをしませんでした。 こうして帰郷を諦め、かつて高い評価を得ていたロシアへ向かうことを決意。サンクトペテルブルクに渡り、Hモーザーを創業しました。ハインリッヒは非常にこだわりの強い時計師だったことで知られており、複雑系や様々な装飾を施した時計で成功しました。ロシアで再び成功したハインリッヒは販路を広げるために工房を建てました。場所はスイスルロックル。かつて自身が工房を持った土地であり、再度地元に帰るときのことも考えていたのかもしれません。 Hモーザーの時計はロシアのみならずヨーロッパ、アメリカ、アジアへと販路を広げ、ロシアの軍用時計も任されるようになりました。ルロックルの工房は多くの雇用を生み出し技術力を向上させ地域の発展に大きく貢献したとして、ルロックル名誉市民の名誉を得ることとなりました。 1-2.1850年代スイスシャフハウゼンに戻り街全体の工業化を目指す 1848年にようやく地元シャフハウゼンに戻ることができました。ハインリッヒが考えていたのは単純に地元に戻るだけではなく、工業化を進めることで街を発展させようと考えていました。1840年頃からドイツの産業が大きく発展し手工業から機械化が進んだこともあり、シャフハウゼンの街にも取り入れる必要があると考えていました。 開拓を考えたハインリッヒはライン川の水の勢いを利用した水力発電に目をつけており、運河を建設し電気を安く提供することで街の発展に役立つと考えました。しかしこれに地域の政治家が強く反対。再び旧体制の大きな壁が立ちはだかったかと思いましたが、シャフハウゼンの地域住民の多くがこれに賛成し計画が進むこととなりました。 生み出された電力は近くの工場へ供給、ハインリッヒ自身も鉄道車両の製造工場を建て、シャフハウゼンからチューリッヒ地方への陸路の開拓を推し進めました。1865年にはスイス最大のダムを建設。低価格での電力供給に惹かれた海外からの工業の流入も受け入れるようになりました。その中にはIWCもありました。 1-3.2000年代に復活後、MELBホールディングが指揮を取るように ハインリッヒが亡くなり、ロシア革命により財産の没収、1970年代にはクオーツショックと2度のピンチを迎え、1979年には廃業してしまいます。 しかしかつてブランドの創業を助けたIWCからの恩返しなのか、IWCの技術部長だったユルゲン・ラング博士とハインリッヒの曾孫にあたるロジャー・ニコラス・バルジガーの手によって復活しました。Hモーザーの復活にあたり、ハインリッヒがかつてもっていたこだわりやシャフハウゼンらしい工業的で機能性の高い時計として蘇らせました。ラング博士もまたこだわりの強い技術者だったため、ハインリッヒの思想が理解できたのでしょう。 しかし技術者だったラング博士の経営はからっきしだったようで、ブランドの経営状況は芳しくないものでした。2012年にスイス有数の時計師一族メイラン家の一人で元オーデマ・ピゲCEOのジョージ・ヘンリー・メイランが率いるMELBホールディングスにより買収、ジョージの息子のエドゥアルド・メイランがCEOに就任しました。 2.【Very Rare】Hモーザーの魅力 2-1.Very Rareをモットーとする希少価値の高さ Hモーザーが掲げるモットーはブランドロゴにも描かれている「Very Rare」です。レアリティで希少価値の高い時計をモットーとしています。希少価値が高いというとありふれた言い回しになってしまいますが、Hモーザーの時計は珍しさと他のブランドにはない価値観をもったモデルばかりだと感じられます。 まずシンプルに年間生産本数が2000本程度と制限されており、高いスペックを引き出すために徹底した品質管理や安易な売り上げ至上主義に走らないということが挙げられます。また、Hモーザーは他のブランドではやらないスペシャルなモデルを発表することがままあります。例えばコンセプトウォッチのようにブランドロゴを排除したモデル、アルプウォッチのように時代を風刺するようなユニークなモデル、部品の60%がスイス製あれば表示できてしまい形骸化している「swiss made」の文字の排除など、ブランドの売り上げに囚われず、時計業界全体を見据えた動きが特徴的です。 グループの援助があってこその売り上げだけを見ない立ち回りかもしれませんが、Hモーザーの時計は単純に時計を販売しているメーカーの枠には留まらないのです。今後のスイス時計がどうなっていくかを考える働きかけも行っている世界的にも希少価値の高いブランド、時計です。 2-2.ぜんまいもグループ内製しており、マニュファクチュールを実践している Hモーザーは世界的にも珍しいマニュファクチュールを実践しているブランドです。マニュファクチュールとは自社一貫生産のことで、一社あるいはグループで部品生産~組み立てを行うことで、思い描いたデザインや機能を搭載できるメリットがあります。現在はとりわけETA問題によってムーブメントの調達が以前のようにいかなくなっている分、マニュファクチュールを宣言するブランドが増えています。 しかし実際には設計・組み立てを自社で行い、部品は外部から購入するブランドも多いのが現実です。マニュファクチュールには自社生産を部品の~%以上、のような定義がないため自由に言えてしまう問題があります。そのためマニュファクチュールと言いつつも、本当の意味でのマニュファクチュールブランドは世界に5社もないも言われています。 Hモーザーはその一社です。特に難しいと言われているひげぜんまいを生産するプレシジョン・エンジニアリング社がグループに所属しており、傑作のひとつシュトラウマン・ダブルヘアスプリングの製造も手掛けています。すべての時計をグループ内で製造しているわけではなく、文字盤の一部はパテック・フィリップ向けにしか製造しないとされているフルッキガー社に依頼しています。当時高い人気だったフュメ文字盤はフルッキガー社製で、グラデーションの美しさは随一です。 2-3.次々と斬新なデザインを発表しており、日々進化する Hモーザーは次々と斬新なデザインを発表しており、日々進化しています。基本となるシリーズは歴史に敬意をはらいつつも現代のエッセンスをうまく合わせています。 例えばストリームライナーは2023年現在Hモーザーが最も力を入れているシリーズですが、元々は1920~1930年代の高速鉄道のような流線形デザインからインスピレーションを得ており、創業者のハインリッヒがシャフハウゼンに帰郷後に鉄道関連に従事したことも想起させます。 また、シリーズ外の特別モデルも多く開発されており、時代を風刺するような時計も開発しています。世界で最も売れている多機能なスマートウォッチのアップルウォッチに倣った時刻を見るだけのアルプウォッチや、swiss madeの形骸化に警鐘を鳴らすためにつくったスイスチーズを混ぜこんで95%スイス製に仕上げたモデルなど、斬新な発想で次々と新しい時計が開発されています。 3.【Very Rare】Hモーザーの代表シリーズ 3-1.エンデバー エンデバーはHモーザーを代表する最もスタンダードなシリーズです。MELBホールディングスによる買収前から続くシリーズで、創業者のハインリッヒにとって重要な位置づけとなっています。 というのもエンデバーは買収前はそれぞれモデル名が異なっており、エンデバースモールセコンドは「マユ」、エンデバーセンターセコンドは「モナード」と名付けられていました。角型のヘンリーもこの頃から付けられている名称です。マユはハインリッヒの奥方の名前が、ヘンリーは息子の名前が付けられています。現在は文字盤、形状は変わらず名前だけが変わっていますが、ブランドの中心的存在であることは変わっていません。 エンデバーはHモーザーの根幹にあたるシンプル・エレガントを体現するシリーズです。機械式時計の全盛期である1950年代を思わせる幅広く流麗なラグと、装飾をできるだけ排除した美しさをもつドレスウォッチです。ケースサイドはリューズを中心にラグの肉を曲線で削るように肉抜きされており、側面からMoserのMのように見えます。 リューズの根本は少し切り欠いてあり、リューズが巻きやすくなっています。インデックスが描いてあるモデルでもバーまでですが、存在感のあるリーフ針のおかげで時刻読み取りに苦労しないのは絶妙なバランス感のなせる業でしょう。往年の懐中時計のようにスモールセコンドが大きく、文字盤真下に位置取られておりムーブメントを重要視された設計だとわかります。 基本のモデルであるが故、永久カレンダーやトゥールビヨン等の複雑系や変わり種のモデルに選ばれやすく、モデル数は最も多いシリーズです。パテックフィリップでいうところのカラトラバのように全ての基礎になったモデルなので、もしHモーザーの時計に興味のある方はまずはエンデバーから見てみるのをおすすめします。 3-2.ベンチャー 冒険者の名を冠するシリーズで、MELBホールディングスによる買収後最初に発表されたシリーズです。Hモーザーが裏テーマとして掲げるless is more (バウハウスに裏打ちされたミニマリズムなデザインの考え方で、少ないほど豊かとしている)を体現した一つのシリーズです。 ベンチャーは可能な限りベゼルを薄くし、文字盤が大きく見えるようになっています。文字盤はドーム状になっており、端が沈み込むようにカーブしています。針はそれを追いかけるように端は曲がっています。同様にサファイアクリスタルの風防もカーブしています。サファイアクリスタルの加工は非常に難しく高コストですが、嫌らしくなくレトロな雰囲気が表現されています。裏面からはケースいっぱいに設定された大型のムーブメントを見ることができます。ブリッジの仕上げの美しさなど、手巻きモデルは特に堪能できるでしょう。 3-3.パイオニア パイオニアは開拓者の名の通り、これまでモーザーには展開のなかったスポーツウォッチシリーズです。文字盤見返しの部分まで大きく使ったデザインで、砲弾型のインデックス、アワーリングのドットと夜光処理されたリーフ針の先端とマッチしています。ラグは鋭くパワーを感じる鋭角さを、ケースサイドは彫りこみつつ、高級車のグリルのような細かな刻みが施されています。 12時位置にブランド名が描かれていますが、モデルによっては透明なラッカーで描かれており光を当てる角度を調整しないと見ることができません。防水性は120mと、スポーツにそのまま使える強度を備えています。自社製自動巻きムーブメントCal.HMC200を搭載しており、モーザーの特徴であるダブルストライプが地板に施されているのをシースルーバックから鑑賞できます。 3-4.ストリームライナー ストリームライナーはケースとラグが一体型のステンレススチール製ウォッチシリーズです。1920~1930年代の自動車や高速鉄道に見られる流線形のデザインにインスピレーションを得て開発されており、Hモーザーがもう一つのテーマとしているless is more、ミニマリズムを現代的なエッセンスで表現しています。また、鉄道は創業者のハインリッヒがシャフハウゼンに帰郷後に取り組んだ産業としても、ブランドの歴史を象徴する一つでもあります。 ミドルケースの側面には段差があり、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを交互に施すことで立体的に見せています。レトロな雰囲気のあるクッション型ケースは主にフュメダイヤルと組み合わせることでエレガントなHモーザーの世界観とマッチしています。 2023年の新作のメインはストリームライナーです。肌馴染みのよいスモークサーモンカラー、ファンキーブルーカラーで仕上げたフライバッククロノグラフ、スポーツウェアブランド「UNDEFEATED(アンディフィーテッド)」といった新作が発表されています。Hモーザーの中でも特に力を入れているシリーズです。 3-5.ヘリテージ ヘリテージシリーズはHモーザーの創業の1820年代の時計に思いを馳せつつ、歴史を振り返ることからインスピレーションを得て開発されたシリーズです。懐中時計から始まったHモーザーですが、ロシアやシャフハウゼンでブランドが大きく成長していく中でパイロットウォッチへの強い思いがあったと考えられます。 ヘリテージシリーズで現在展開されているのはパイロットウォッチをベースにしたセンターセコンド、デュアルタイム、トゥールビヨン、ローマンインデックスの永久カレンダーです。懐中時計のような大きなリューズ、夜空を思わせるファンキーブルーの文字盤、大きく視認性の高い剣針とオールアラビアインデックスなど、機能的なアビエイターウォッチとなっています。 4.【Very Rare】Hモーザーのスペシャルウォッチについて 4-1.アルプウォッチ 世界で最も売れているアップルウォッチにちなんでつくったスイス・アルプウォッチは2016年に最初のモデルが発表されました。さながらアップルウォッチのような丸みを帯びたスクエアケースに、最低限の機能となる時分針と秒針を備えたシンプルな機能でした。複数の機能を有するアップルウォッチに対し3針の高級機械式時計を提案するユニークさが話題となりました。 様々な色のフュメダイヤルで他にはない美しさを見せたり、光沢のあるブラックの文字盤からインデックスも排除し2針だけにすることでスマートウォッチのスリープモードのように見えるモデル(名前がアルプウォッチzzzzと眠るよう)と、ほんの少しのユーモアを高い技術とセンスで達成するHモーザーの懐の広さを感じさせます。 2021年のファイナルアップグレードを最後に、ムーブメントの在庫が尽きたとのことで新作の発表は打ち止め。最後のモデルはスモールセコンドの表示がまるでiOSデバイスのロード中に表示するインジケーターになっているデザインが特徴です。 4-2.コンセプトウォッチ コンセプトウォッチはMELBホールディングによる買収後すぐに発表されたモデルで、文字盤からあらゆる装飾を排除したデザインが特徴です。インデックスや彫りこみだけではなくブランドロゴさえも排除してしまい、文字盤上には針しか残っていません。ここまでミニマルにしてもHモーザーの時計だとわかる、一目見てHモーザーだとわかるデザイン(シルエット)こそがアイデンティティで、真のデザインとして発表されたのでした。 ブランドロゴさえないのでは難しいと思いきや、Hモーザー特有のケースサイドのつくりやフュメダイヤルなど特徴的なデザインは多く、ブランドの狙い通り異例のヒットとなりました。元々エンデバーをベースにしたモデルで発表されましたが、ベンチャーやアルプウォッチにも展開された唯一無二のユニークなデザインです。 4-3.その他のスペシャルウォッチ Hモーザーはその他にも一風変わった時計を多く開発しています。2017年に発表したのはSwiss Mad Watchと名付けられた、ケースにスイスチーズを練り込んだポリマーを使用した95%スイス製の時計でした。使われたチーズはヴァシュラン・モン・ドールと呼ばれるスイスの牛由来の牛乳から生まれたものです。 このモデルが開発された経緯として、swiss madeのラベルの認定基準が低すぎることに疑問を投げかけたもので、スイス製にとにかくこだわってつくられています。価格はスイス建国日にちなんだ108万1291フラン(約1億2180万円)、限定1本のみで売ることではなく話題になることを狙って開発されています。Hモーザーはこれ以降「swiss made」の表示を止めてしまいました。 2018年には「Swiss Icon Watch」を発表しました。GMTモデルによく見られるペプシカラー、パネライなどに見られるリューズガード、ロイヤルオークなどのスポーツラグジュアリーモデルよく見られる八角形ケース、ノーチラスに見られるストライプパターンの文字盤、ブレゲの針、IWCに見られるブランドロゴ、トゥールビヨンと多くのブランドで採用されているデザインを一挙に集めたモデルとなっています。 現代のスイスウォッチのマーケティングに警鐘を鳴らすような、どのブランドでもよく見るデザインを皮肉った時計となっています。実際にはプレシジョンエンジニアリング製のヘアスプリングやフュメダイヤルなど、Hモーザーの技術が集まっており、それぞれに敬意を表すように品質の高さで表現しています。 SIHHでの発表後にオークションに出品され、収益はスイス時計製造の文化保全と若い職人の育成を目指す基金に充てられる予定でしたが、ストップがかかり白紙に戻されてしまいました。一部のブランドが皮肉ったメッセージにNo!を突きつけたと言われています。 5.【Very Rare】Hモーザーのおすすめモデル5選 5-1.エンデバースモールセコンド Ref.1321-0109 Ref.1321-0109はマユと呼ばれていた頃のモデルです。肌馴染みのよい18Kローズゴールドケースとフュメダイヤルが特徴的なデザインです。フュメダイヤルはパテックフィリップとほんの一部しか製造しないと言われているフルッキガー社によるデザインで、製造の際の歩留まりが悪く手間がかかっており、希少性が高い文字盤です。 最近エンデバーで発表されるモデルは変わり種が多く、このモデルのようなスタンダードなデザインは見かけなくなっているため今では希少価値が高くなっています。シースルーバックからは美しいブリッジの仕上げや家紋の刻印、緩急針を使わないフリースプラング式てんぷなど、ムーブメントへの強いこだわりを観察できます。 5-2 エンデバーパーペチュアルムーン Ref.348.901-015 Ref.348.901-015は永久ムーンフェイズと名付けられたように半永久的に機能するムーンフェイズ機能に特化したモデルです。6時位置の窓はムーンフェイズ表示となっており、左から右へ月が満ちて欠けていくように目盛りが動いていきます。 通常のムーンフェイズは28.5日で1週するため刻みごとに1目盛りずつ動きますが、実際にはさらに小数点第二位以降の動きがあるため、28.5刻みでは1年程度でズレてします。パーペチュアルムーンはそれを防ぐためもっと細かな目盛りで計算されており、1027年に1日分のズレとなっています。 ムーンフェイズをより深く楽しむためのミッドナイトブルー文字盤、他の機能の一切を排除したシンプルさなど、尖った魅力をもつモデルです。着けてみると目盛りがなくとも時刻がわかる針設計の緻密さや裏面のサファイアクリスタルが手首に沿うように曲面に加工されている点など、Hモーザーらしい機能性の高さも感じられます。一見ムーンフェイズだけのモデルですが、その実Hモーザーの強いこだわりが詰め込んである時計です。 5-3 ベンチャービッグデイト Ref.2100-0401 バウハウスの思想を強く受け継いだベンチャーのビッグデイトモデルです。装飾を極限まで排除し、クラシックモダンな雰囲気をもつモデルです。肌馴染みの良い18kレッドゴールドケースとクラシックなブラウン文字盤の美しさが映える組み合わせです。 文字盤は端が落ちるようなドーム状で、針も追いかけるように先端が曲がっています。大まかなインデックスのみを使い、ミニマリズムを体現したデザインです。3時位置のビッグデイト表示は永久カレンダーモデルなどと同じで一窓で二桁表示するタイプですが、窓自体が大きいのでむしろ視認性は高いと感じるほどです。 5-4.パイオニアセンターセコンド Ref.3200-0903 パイオニアセンターセコンド Ref.3200-0903はHモーザーのスポーツウォッチラインで、エレガントなHモーザーの世界観と調和した軽快さが特徴です。18KレッドゴールドとDLCチタンを組み合わせたケースを採用しており、パイオニアのもつラグジュアリースポーツの世界観を引き出しています。 ミッドナイトブルーの文字盤は中心にいくにつれて青みが強くなるグラデーションが効いています。フュメダイヤルよりもマットなイメージなので、スポーティーな雰囲気を持つパイオニアによくマッチしています。120m防水や72時間パワーリザーブの自動巻きなど、使い勝手がよく日常使いしやすく仕上がっています。 5-5.ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック ファンキーブルー 2.0 Ref.6907-1200 Ref.6907-1200は流線形のラグ一体型ケースが特徴のストリームライナーにフライバッククロノグラフを搭載し、Hモーザーを代表するファンキーブルーダイヤルを採用したモデルです。また、Hモーザー独自の透明なラッカー仕上げによるロゴは光をあてる角度によって見え隠れする慎ましやかなブランドアピールです。 搭載されているムーブメントCal.HMC 907はHモーザーのパートナー企業であるアジェノー社が開発しています。ブリッジには伝統的なモーザーストライプとアンスラサイトグレーのロジウムメッキが施されており、ブランドのアイデンティティーがよく共有されているのがわかります。特徴的なコラムホイールなど、手巻きムーブメントの動きが楽しめます。 6.【Very Rare】Hモーザー Hモーザーの歴史、魅力、人気シリーズ、特別モデル、おすすめモデルについてまとめました。Hモーザーは単純な時計ブランドに留まらず、時代を風刺するような時計の開発など、時計業界全体を見据えた取組みを行っています。時計愛好家ならHモーザーのファンに限らず、動向は気になるのではないでしょうか。もし街中でHモーザーの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ https://estime.co.jp/column/new-hmoser-watch/ https://estime.co.jp/column/iwc/
アメリカ式とスイス式を融合して腕時計を作っているブランドのIWC(International Watch Company)は、1868年にアメリカ人によりスイスのシャフハウゼンで創業しました。 時計の聖地・スイスで生まれた時計ブランドでありながらもドイツ時計のDNAを持っているという変わった歴史を持っています。IWCは技術のある時計師や敏腕経営者により、様々な変革を迎えてきました。 この記事では、そんなIWCとはいったいどんなブランドなのか。これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、IWCの時計を着けている有名人や人気モデルについて解説していきたいと思います。 1.IWCとは? IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)は、1868年にスイスのシャフハウゼンで創業された高級時計ブランドです。創業者のアメリカ人時計師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズは、スイスの伝統的な時計技術とアメリカの先進的な生産システムを融合させることを目指し、IWCを設立しました。その独自のアプローチにより、高い精度と洗練されたデザインを兼ね備えた時計を生み出しています。 IWCの魅力は、機能性と美しさを両立したデザインだけではありません。同社はパイロットウォッチやダイバーズウォッチなど、特定の用途に特化したシリーズを多く展開しており、時計愛好家から幅広い支持を受けています。特に「ポルトギーゼ」や「パイロットウォッチ」などのコレクションは、ブランドを代表するアイコン的な存在です。 また、IWCは環境保護やサステナビリティにも力を入れています。リサイクル素材の利用やエコフレンドリーな生産工程を取り入れるなど、現代のラグジュアリーブランドとして新たな価値観を提案しています。時計界の伝統と革新を融合させたIWCは、機能性を追求するプロフェッショナルや洗練されたスタイルを求める人々にとって、欠かせないブランドといえるでしょう。 次の章ではIWCの知られざる歴史について詳しくご紹介していきます。 2.IWCの歴史 出典:IWC スイスのブランドであるにもかかわらず、IWCの正式名称が「International Watch Company」と英語なのはアメリカ人が創業者だったことが理由です。なぜ彼がスイスに渡り時計ブランドを興したのか、なぜシャフハウゼンだったのかなど歴史を知ると今のIWCを深く知ることができます。 この章では、IWCとはどんな歴史を歩んできたのかを深く解説していきたいと思います。 2-1.1868年アメリカの時計技師がスイスシャフハウゼンで創業 1868年にアメリカの時計技師だったフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズは仲間と共にスイスで創業し、アメリカ式の時計製造のノウハウにスイス式のノウハウを取り込むことでさらに良い時計を造り販売することを夢見ていました。スイスに渡る前年までアメリカの時計ブランド「ウォルサム」の創業者アーロン・ルフキン・デニソンのパートナーの会社で時計作りを学び、1868年にスイスに渡ったのでした。 アーロン・ルフキン・デニソンは互換性のある部品を使うことで機械による時計の大量生産に成功しており、アメリカではノウハウが確立したアメリカ東部から西部へ向けて次々と進出していました。ジョーンズはまだ低賃金だったスイスに目をつけ利用しようと渡ってきたのでした。 なぜ時計の聖地といわれるジュネーブではなくシャフハウゼンだったかというと、当時ライン川を利用した水力発電所の開発が進んでおり、工作機械を使う都合上有利と考えたためでした。また、鉄道が通っていたこともあり物資の供給や販売ルートとしても活動しやすかったことも理由です。 ジョーンズはハインリッヒ・モーザーと出会ったことで更にスイスで活動しやすくなりました。モーザーもまた時計師で、(現 Hモーザーの創業者)水力発電を推し進める人物でした。ジョーンズはモーザーの工場を借り受けたことでシャフハウゼンで創業することができたのです。 2-2.高い技術力を持った時計師による新たな時計開発 しかしIWCの創業初期は決して順調とは言えませんでした。スイスの職人との言語の壁や新しい機械への順応に時間がかかったことが理由でジョーンズは7年ほどで経営権を売却したのでした。その後数人の手に渡り、1890年頃にやっと新しいデジタル表示モデルの開発などで経営が落ち着いたと言われています。 1915年頃に懐中時計ではなく腕時計に本格的に参入し、1930年代になり軍用のパイロットウォッチを手掛けており、現在においてもIWCを代表するシリーズの一つとして展開されています。1939年には大型ムーブメントを搭載したポルトギーゼを発表し、同様にIWCを代表するシリーズとなっています。 ほどなくしてアルバート・ペラトンがIWCに入社。IWCの設計に大きな影響を与えた技術者で、現在でも多くのブランドが利用している自動巻き機構ペラトン自動巻きを開発しました。 ペラトンの弟子と言われているクルト・クラウスが1957年にIWCに入社し、ペラトンの思想や技術を受け継ぎました。その間に耐磁性が特徴のインヂュニアや防水性の高いアクアタイマーといった現在でも人気となっているシリーズが発表されています。 1969年にはクオーツショックを受け、クオーツ式ムーブメントベータ21を開発、翌年にはベータ21を搭載したダ・ヴィンチを発表しています。1976年にインヂュニアをジェラルド・ジェンタがデザインを手掛けることで一新し、スポーツラグジュアリーウォッチとして再スタートしています。 2-3.ギュンター・ブルムラインによる経営の立て直し 1981年、ギュンター・ブルムラインのコンサルタントになったことで、経営の立て直しが行われました。彼が行ったのはアイコンモデルとなる時計を作り出すことと強いコストカット要求でした。 特に自社製ムーブメントにこだわってきたIWCにETA製の汎用ムーブメントを強硬に推し進めたことは社内から猛反発を受けたと言われています。しかしこれによって低い価格で製造できるようになり、複雑系についても同様でした。中でも1985年に発表されたダヴィンチの永久カレンダーモデルは驚くべき価格が話題となり、IWCの方向転換を決定づけるものでもありました。 1984年にはジャガールクルトの戦略担当責任者も兼ねるようになりました。また、東西ドイツの統合によってA.ランゲ&ゾーネを復活させたのも彼でした。2000年にはA.ランゲ&ゾーネ、IWC、ジャガールクルトをグループとして率いていたところをリシュモンに評価され、買収されました。買収先でも時計担当の責任者になる予定でしたが急逝しましたが、リシュモングループを代表するブランドの一つとして今も世界で高い評価を受けています。 3.IWCが持つ3つの魅力 出典:IWC IWCはスイスシャフハウゼンで生まれ、創業者によるアメリカ式のノウハウ、生産国のスイスの伝統、地域柄のドイツのDNAと様々な影響を受け、魅力的な時計が出来上がっています。ここではIWCの魅力についてまとめます。 3-1.シャフハウゼン式のドイツ寄りの質実剛健な時計作り IWCが生まれたのはスイスシャフハウゼンの土地ですが、スイスといってもドイツとの国境近くでした。時計の聖地と言われるジュネーブではなくシャフハウゼンを選んだ理由は当時シャフハウゼンに通じる鉄道が開通していたことと、水力発電が進んでおり工作機械が使えるため工場の生産効率のためだったと言われています。 シャフハウゼンはドイツ語圏だったこともあり、ドイツの質実剛健で時計を道具として捉えている価値観に近かったようです。IWCの時計をよく見てみると、様々な装飾を施し貴族が嗜んでいた伝統的なスイス時計というよりも、質実剛健で無駄を削ぎ落とした時計としての機能や強度を優先するドイツ時計に近いです。 現在ではシャフハウゼンのドイツらしいシンプルさと、スイス時計の装飾を愉しむカラーバリエーションの豊富さや多機能モデルが上手く融合した時計作りとなっており、幅広い時計好きに愛される時計ブランドとなっています。 3-2.歴史的で機能的な幅広いバリエーション展開 IWCのシリーズ展開は歴史を楽しみつつ機能でしっかり分けられています。 例えば飛行機の計器をモチーフにしたパイロットウォッチは、かつてIWCが戦時中に軍用時計として時計を製造していた歴史とそのときに積み上げた視認性や機能性のノウハウを現代の時計に発揮しています。 耐磁性に特化したインヂュニアは元々シンプルな外観でしたが、世界的な時計デザイナージェラルド・ジェンタによるデザインでスポーツラグジュアリーウォッチとしてブランドのアイコニックな存在となりました。2017年には初代に近いシンプルなデザインでリスタートするなど、各シリーズの歴史を知っているとより愉しめる展開となっています。 3-3.高い技術による複雑系の開発 IWCは世界的に見ても自社製ムーブメントへのこだわりが強いブランドの一つです。ギュンター・ブルムラインに経営不振から来るコストカットのためにETA製の汎用ムーブメントを強く推されても抵抗を続けました。現在でも例えば2019年にはポルトギーゼは自社製ムーブメント化されており、複雑なクロノグラフムーブメントを造り上げています。 自社製ムーブメントへのこだわりが強いことで複雑系への取り組みもあり、様々な新しい機構を開発しています。例えばポルトギーゼ・シデラーレ・スカフージア Ref.IW504101は指定した場所から実際に見える夜空を再現します。500を超える星と星座が描かれるメカニズムには夏時間と冬時間の区別から日の出と日の入りの時刻、恒星時、閏年表示を組み合わせた永久カレンダーにもなっています。200種以上のカスタマイズを必要とし、年間数本のみの生産となるほどです。 逆に汎用ムーブメントにモジュールを追加する形で複雑系を造ったこともあります。1985年に発表されたダ・ヴィンチはETA製ムーブメントを使用しながら永久カレンダーを搭載しています。複雑で高額にするだけではなく、技術の高さのみで勝負することもできるIWCの一面を見たモデルです。 4.IWCの腕時計の人気モデル IWCの時計は歴史的で機能的に幅広くバリエーションが展開されており、多くの時計愛好家に愛されています。 最近では「IWCは人気ない」や「つけてる人はダサい」などの声も上がったりしていますが、そんなことはありません。 IWCの時計には男心をくすぐる魅力や特徴がたくさんあります。 ここの章では、IWCとはいったいどんなモデルを展開しているのか。人気モデルの特徴についてまとめます。 4-1.ポルトギーゼ 出典:IWC ポルトギーゼはIWCの中でも最も古いシリーズで、ポルトギーゼとはポルトガルを意味しています。1939年IWC社を訪れたポルトガル人時計商人に「航海で使われるマリンクロノメーターに匹敵する精度の腕時計をつくりたい」とのオーダーに応えたことがポルトギーゼの始まりです。 IWCはこの課題を大きく精度が高い懐中時計のムーブメントを使うことで解決しました。そのため当時としては大型な42mmケースサイズの時計となり、現在でも大型のムーブメントを使用したシリーズとして展開されています。 文字盤はマリンクロノメーターを彷彿とさせるシンプルでクラシックにまとまっており、スリムなリーフ針や主張しすぎないアラビアインデックスを採用しています。インダイヤルについても12時間積算計を持たないので、大きめのダイヤルを2つとすることでマリンクロノメーターの重厚なバランスを感じさせるデザインとなっています。 4-2.パイロットウォッチ 出典:IWC IWCは元々軍に向けて製造していた経験もあって精度や耐久性、質実剛健で合理的なデザインのノウハウを持っています。現代ではそうした特徴を活かしたパイロットウォッチとして、主に5つのシリーズに分けて展開されています。 クラシック クラシックは1930〜1940年代にかけて展開された初期モデルのDNAを感じさせるデザインで、パイロットウォッチの伝統を体現しています。12時位置の三角形のインデックスやダイヤカットの時分針など昔ながらのパイロットウォッチのデザインを採用しているため、当時のデザインに最も近いシリーズといえます。 第二次世界大戦中にはイギリス向けとドイツ向けに異なる仕様のパイロットウォッチを製造しており、現代でも違うシリーズとして展開しています。1936年に登場したイギリス向けのマークシリーズと1940年に登場したドイツ向けのビッグ・パイロット・ウォッチがそれぞれのDNAを継承したシリーズです。 スピットファイア 2003年に発表されたスピットファイアは第二次世界大戦中に実際に使用された戦闘機の名前が付けられているシリーズです。民生モデルながら空軍仕様の耐久性や耐磁性、減圧などに耐えうるタフさを備えています。 自社製ムーブメントを採用し、複雑機構を搭載することもあります。イギリス向けに展開されたマークシリーズをベースとしながら、スピットファイアのコックピットに見られるブラウンやオリーブグリーンのダイヤルカラーとなっています。 トップガン 2012年に発表したトップガンはアメリカ海軍の戦闘機戦術教育プログラムの愛称に由来しています。長期間のミッションにも耐えられるように耐食性や堅牢性に優れたセラミックとチタンの利点を兼ね備えた独自の素材セラタニウムを開発しました。 肌への刺激も少なくチタンのような軽さもあるセラタニウムはマットブラックの落ち着いたカラーリングも特徴的です。 サン・テグ・ジュペリ 作家でもあり飛行士でもあったサン・テグ・ジュペリに捧げる特別モデルで、タバコブラウンの文字盤にホワイトの針が特徴的で、夜間飛行でも視認性が確保されています。ブラウンのカーフストラップは彼の飛行服にインスパイアされたもので、サン・テグ・ジュペリへの敬意を感じさせます。 デザインだけでなく機能面も充実しており、視認性の高さやクロノグラフ機能の搭載、軟鉄製インナーケースによる耐磁性の強化、防水性も日常生活防水以上に確保されています。 プティ・フランス 作家でもあり飛行士でもあったサン・テグ・ジュペリによる星の王子さまをモチーフにしたシリーズです。2013年からサン・テグ・ジュペリの子孫の全面的な協力を経て発表されており、ミッドナイトブルーの文字盤は星の王子さまのような夜空を想起させます。 軟鉄製のインナーケースを採用しているので高い耐磁性が確保されています。裏蓋にはマントをまとい剣を携えた王子さまが刻印されています。 4-3.ポートフィノ 出典:IWC ポートフィノは1950年代〜1960年代の時計にインスピレーションを得たシンプルでエレガントなドレスウォッチシリーズです。四半世紀にわたってデザインを変えながら、IWCのドレスウォッチラインとしてポルトギーゼにつぐアイコニックな存在となっています。ポートフィノの由来はイタリアの高級リゾートポルトフィーノで、裏蓋にはポルトフィーノの優雅な風景が刻印されています。 3針、クロノグラフ、ムーンフェイズなどベーシックな展開となっており、鋭いリーフ針とシンプルなバーインデックスがデザインのベースとなっています。エレガントさもありつつ、ドイツのバウハウスのような無駄を省いたデザインが特徴的です。 4-4.ダ・ヴィンチ 出典:IWC ダ・ヴィンチはこれまで幾度のモデルチェンジを行ってきたシリーズです。 1969年にクオーツモデルとして始まり、1985年の永久カレンダーモデル、模索していた2000年〜2007年、2007年の角トノー、そして現行モデルとなっています。 1985年に発表された永久カレンダーはシンプルなラウンドケースに永久カレンダーとクロノグラフを備え破格の価格設定だったことが話題になりました。2000年以降はスポーツラグジュアリーウォッチの波に乗りデザインの調整を図りましたが振るわず。2007年に角型トノー(六角形)ケースでスポーツラグジュアリーウォッチとして生まれ変わりました。 現行では原点回帰し再びラウンドケースに。1985年に評判のよかった永久カレンダーに近いシンプルでクラシックなデザインで再スタートを図っています。 4-5.インヂュニア 出典:IWC インヂュニアは日本語でエンジニアのことで、高い耐磁性をもつシリーズです。元々パイロットウォッチマークシリーズに搭載されたコックピットの耐磁用に開発された軟鉄製インナーケースの機構を民生機に落とし込んだシリーズがインヂュニアです。 機械式時計の最盛期ともいえる1955年に初代が発表され、第二次世界大戦後の電子工学などが発展した時期のため重宝されました。1976年に発表されたインヂュニアSLはジェラルド・ジェンタがデザインを手掛けることでスポーツラグジュアリーウォッチとして生まれ変わりました。ベゼルにねじ込み用のビスが5つ見えるデザインは当時のジェラルド・ジェンタらしいデザインです。 現行ではジェンタデザインから離れ、初期モデルに近いシンプルなデザインとなっています。 4-6.アクアタイマー 出典:IWC 1967年、アクアタイマーは本格派ダイバーズウォッチシリーズとして発表されました。傾斜のついた文字盤外周の回転式のインナーベゼルが立体的で特徴あるデザインです。夜行処理されたインデックスと針や防水性など本格派な機能が揃っています。目盛りのついたインナーベゼルは片側にしか動かないようになっており、計測ミスを防止する仕組みとなっています。 初代から200m気圧を備えているアクアタイマーは、1998年にはアウター式回転ベゼルを備えた頑強なダイバーズウォッチの様相のGSTアクアタイマーを発表しました。IWCがリシュモングループに加入してからは配色や回転ベゼルの仕様などに調整が加わり、2014年発表後変わっていません。 4-7.GST GSTシリーズは1997年に発表された近未来的なデザインのスポーツラグジュアリーシリーズです。GSTはそれぞれ「Gold」(ゴールド)、「Stainless」(ステンレス)、「Titan」(チタン)の頭文字をとっており、それらをケース素材として展開するシリーズとなっています。 GSTシリーズはクロノグラフ、アクアタイマー、アラーム、ラトラパンテ(スプリットセコンドクロノグラフ)、パーペチュアルクロノ、水深計を組み込んだディープワンと多機能に展開されていました。現在は廃盤となっており、いずれもユーズドで評価の高いシリーズです。特にディープワンは発表間もなくコスト過多が理由で生産されなくなったことで流通量が少ないため、愛好家の間でもレアな一品です。 ちなみにGSTシリーズが生まれた背景としては1995年にポルシェデザインとの提携が解消されてしまったことがきっかけです。ヨットクラブやアクアタイマーなどの多くのスポーツラグジュアリーウォッチのデザインを担当していたこともあり、IWCなりのスポーツラグジュアリーデザインを生み出す必要があったためGSTシリーズは模索していたことがわかります。 5.IWCを着用している芸能人5選 IWCの時計は質実剛健で機能的な点が世界中で愛されています。 ここでは、IWCとはいったいどんな人が着用しているのか。着用芸能人・有名人の情報をまとめます。 5-1.国分太一|Ref.IW371319 国分太一さんが着けているのはドッペルクロノ Ref.IW371319です。国分さんは時計愛好家で知られており、IWCのドッペルクロノだけではなくポルトギーゼ、スント、ロレックスなど複数の時計を所有しています。 Ref.IW371319はかつて軍用時計の製造を担ってきたIWCによるパイロットウォッチをベースにドッペルクロノグラフを搭載したモデルです。ドッペルとは二重の意味で、二重にクロノグラフ機能を行うスプリットセコンドクロノグラフをいいます。軟鉄製のインナーケースを使うことで耐磁性に優れており、実用性も高い時計です。 5-2.木村拓哉|Ref.IW391007 木村拓哉さんが着けているのはポートフィノクロノグラフ Ref.IW391007です。木村さんは時計愛好家でロレックスやオメガ、Gショックなど複数の時計を着けています。 Ref.IW391007はイタリアリグーリア海に面するリゾート地がモチーフとなったポートフィノのクロノグラフ搭載モデルです。クラシックカーの運転席に見られるようなハンマー型のプッシュボタンや細身のリーフ針などクラシックな雰囲気が感じられるデザインにまとまっています。 5-3.松嶋菜々子|Ref.IW371445 女優の松嶋菜々子さんが着けているのはポルトギーゼクロノグラフ Ref.IW371445です。松嶋さんはメンズウォッチを着けているのを多く見られており、ジャガールクルトやブライトリング、Gショックなど幅広いブランドのメンズウォッチを着けています。 Ref.IW371445は懐中時計をルーツとする大型ムーブメントを搭載したポルトギーゼクロノグラフです。ミニッツレールには精密な目盛りを配しつつも段差をつけてシンプルに仕上げたインダイヤルなど、細かく華美な部分とシンプルな部分のメリハリが効いたデザインとなっています。 5-4.オーランド・ブルーム|Ref.IW500916 オーランド・ブルームさんが着けているのはビッグパイロットウォッチ プティ・プランス Ref.IW500916です。オーランド・ブルームさんは時計愛好家で、ロレックスやパネライ、イギリス発のブレモンなどを着けています。 Ref.IW500916は自身もパイロットだったサン・テグ・ジュペリの代表作「星の王子さま」をモチーフとしており、ミッドナイトブルーの文字盤とベージュステッチのストラップが印象的なデザインとなっています。裏蓋には王子さまのエングレービングが施されています。パワーリザーブが7日間や軟鉄製のインナーケース使用による耐磁性のアップなど実用性も高いモデルです。 5-5.ジョゼップ・グアルディオラ|Ref.IW500401 サッカー監督のジョゼップ・グアルディオラさんが着けているのはビッグパイロットウォッチ Ref.IW500401です。グアルディオラさんはスポーツウォッチを中心に着けており、他にリシャール・ミルやシミエールの時計を着けているのが知られています。 Ref.IW500401は12時位置の三角形のインデックスやダイヤカットの時分針など、1940年代の初期のパイロットウォッチに忠実なデザインです。7日間のパワーリザーブを備えており、3時位置のインダイヤルで残量表示となっています。6時位置の日付表示や大きめのリューズなど実用的で使いやすいモデルです。 6.IWCの腕時計でオススメしたいモデル5選 では具体的にIWCのおすすめモデルを5本紹介していきたいと思います。 6-1.パイロットウォッチ クロノグラフ41 Ref.IW388102 出典:IWC パイロットウォッチクロノグラフ41 IW388102は12時位置の三角形のインデックスやダイヤカットの時分針など、伝統的なパイロットウォッチのデザインを受け継いでいるクロノグラフ搭載モデルです。これまでプティフランス(星の王子さま)でのみ展開されていた夜空のようなブルーの文字盤を採用しています。 ムーブメントは自社製Cal.69385を搭載。高級クロノグラフの代名詞ともいえるコラムホイールを採用しているのでボタン操作が軽快です。防水性は10気圧となっており、よりカジュアルに使いやすくなりました。EasX-CHANGEシステムを採用しており、ストラップ交換が簡単なので、日毎に替えて愉しめます。 6-2.ポルトギーゼクロノ Ref.IW371604 出典:IWC ポルトギーゼクロノ Ref.IW371604は懐中時計のムーブメントをベースにした歴史のあるシリーズで、大型ムーブメントを搭載しています。IW371604は自社製ムーブメントCal.69355 コラムホイール式を搭載しており、自社製ムーブメントにこだわりのあるIWCらしいモデルとなりました。 12時間積算計を排除した縦2つ目のデザインはベースとなったマリンクロノメーターを彷彿とさせます。インダイヤルは段差がついておりインデックスは5目盛り刻みですが、反対に外周のインデックスは細かく目盛りが付いており、メリハリの効いたデザインです。アラビアインデックスと丸いミニッツマーカーは植字で立体感があり、高級モデルらしい装いです。 6-3.アクアタイマー・クロノグラフ “エクスペディション・ジャック=イヴ・クストー” Ref.IW376805 出典:IWC アクアタイマー・クロノグラフ “エクスペディション・ジャック=イヴ・クストー” Ref.IW376805はIWCのダイバーズウォッチシリーズアクアタイマーをベースにした特別モデルです。海洋学者のジャック・イブ・クストーが1971年に行なった、ガラパゴス諸島への壮大な航海を記念するモデルで、裏蓋には彼の肖像画が刻印されています。 文字盤は海を思わせる深いブルーで、インデックスと針は夜行処理されているので視認性がしっかり確保されています。秒針とクロノ針だけはオレンジ色のため更に見やすくなっています。逆回転防止機能付きのインナーベゼルで潜っている時間を計測できる点や9時位置のヘリウムガスを逃がすバルブなど本格派の機能を備えたダイバーズモデルです。 6-4.ダヴィンチ パーペチュアルカレンダー クロノグラフ Ref.IW392103 出典:IWC ダヴィンチ パーペチュアルカレンダー クロノグラフ Ref.IW392103は1985年に発表されたダ・ヴィンチ パーペチュアルカレンダークロノグラフ Ref.3750-30を現代的なアレンジを加えて復刻したモデルです。デザインはRef.3570−30をベースにしており、12時位置のインダイヤルのムーンフェイズや9時位置の曜日表示、丸みを帯びたステップドベゼルなどRef.3570−30を彷彿とさせます。 Ref.IW392103は改良を加え、ムーンフェイズの精度は577.5年に一日分のズレを生じる程度です。クロノグラフ積算計は12時位置のインダイアルにまとめられています。さらにフライバック機能を備えており1回の操作でリセットと再スタートが可能です。 6-5.パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン・セラタニウム® Ref.IW388106 出典:IWC パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン・セラタニウム® Ref.IW388106は アメリカ海軍の戦闘機戦術教育プログラムの愛称に由来したトップガンシリーズの2022年最新作です。IWCの受け継がれてきた伝統的なパイロットウォッチらしい機能美が特徴です。 ケースは2017年にIWCが開発したセラタニウムを使用しており、チタンとセラミックの長所を兼ね備えた素材です。焼成の過程で変化するメタリックなブラックを活かし、裏蓋もブラックな仕上げとなっており、時計全体をブラックにまとめています。インデックスと針にも夜行処理しつつブラックに仕上げてあるので、落ち着いた雰囲気の一本です。 7.まとめ 今回は、IWCとはいったいどんな時計ブランドなのかについてまとめました。 IWCとはアメリカのノウハウをスイスに持ち込みドイツのDNAも持ち合わせる、まさにハイブリッドなブランドといえます。近年では自社製ムーブメントでの展開も増え、以前の機械式時計最盛期のIWCに回帰するような動きも多く見られるので、こだわりの強いIWCの今後の新作に注目です。 店頭でIWCの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ https://estime.co.jp/column/new-iwc-watch/ https://estime.co.jp/column/sinn/
創業100年を超えるブランド”エベル”をご存知でしょうか。現在の日本での知名度はそれほど高くありませんが、かつてはロレックスを超えるシェアとなったほど世界中で愛されたブランドです。一時は買収など経営難に陥ったものの、再び新作を発表するなど立て直しに成功しています。この記事ではエベルの歴史、魅力、代表シリーズとおすすめモデルについてまとめます。 1.エベルの歴史 1-1.1911年ユージン・ブルムとアリス・レヴィによって創業 エベルは時計の聖地スイス・ラ・ショー・ド・フォンで創業しました。ブランド名のEBELとは、創業者のユージン・ブルムとアリス・レヴィの夫婦で、二人の名前から頭文字をとり(Eugene Blum Et Levy:ユージン・ブルムとレヴィ)名付けられました。 ユージンは精度の高さや品質の向上などの技術面、アリスはデザイン的な美しさを追求しました。ほとんどのブランドが男性創業者の中、男女それぞれの持ち味を活かし婦人用のジュエリーウォッチから男性用の実用ドレスウォッチまで、幅広く開発を手がけました。 懐中時計が主流の中でいち早く腕時計に着目し、1912年に発表。1914年にはスイス・ベルンでのスイス博覧会でリングウォッチが金メダルを受賞しました。さらに1925年パリの装飾芸術博覧会ではグランプリを獲得しました。 1929年に夫婦の息子チャールズを招きました。彼はエベルの時計を高級品として販売の拡大を進めるために品質・精度の追求を推し進めました。独自の精度測定装置の開発やスイスクロノメーター(COSC)の基準強化に繋がる時計技術検定(CTM)の制定を進めるなど、自社だけでなく時計業界全体への影響力も持っていました。 第二次世界大戦では高い精度を信頼され、英国陸軍からの依頼で軍用時計の製造を行いました。軍からの依頼があることは信頼性の証でもあり、戦後はヨーロッパに留まらず世界的に高い評価となるブランドに成長しました。 1-2.1970年創業者の孫にあたるピエール・アラン・ブルム入社で大きく発展 1970年、創業者の孫にあたるピエールが入社。彼の入社によって、エベルは大きな発展と衰退を経験することとなります。1977年にケースとブレスレットが一体化したスポーツクラシックシリーズを発表。オーバルな六角形ケースからスムースにブレスレットへ移るシルエットと流れるような波状のブレスレットは今日でもエベルのアイコン的デザインとなっています。 1980年、現在でも使われている「時の建築家」のスローガンを示しました。ベルーガ、1911シリーズもこの頃に発表され、今でもエベルを代表するシリーズの一つとなっています。1984年にはゼニス社の傑作ムーブメント”エル・プリメロ”をベースに永久カレンダークロノグラフ搭載モデルを発表し話題となりました。 ピエールの手腕によってエベルは大きく成長を遂げ、一時はロレックスを上回るシェアを獲得していたと言われています。1986年、ブランド75周年記念として、ラ・ショー・ド・フォンのヴィラ・トゥルクはエベル・ハウスとして一般公開されており、スイス時計の歴史を学ぶ上で重要な役割を果たしています。 1-3.1990年代後半LVMHグループ傘下に 世界で10本の指に入るほどのビッグブランドに成長させたのはピエールの手腕ですが、没落させたのもまたピエールによるものでした。投機に傾倒したことで1990年頃に株式で約1億ドルの損失を出し、ブランドは一気に窮地に立たされました。 それまで家族経営を貫いていたエベルですが、これを理由に中東の投資会社へ売却されました。エベルはフランスとドイツに大きなシェアをもっていたことで1990年代後半の時計業界再編の標的となり、リシュモングループとLVMHグループの争奪戦ののち、LVMH傘下となりました。 しかし買収前のスタッフを追い出しLVMHから送られた首脳陣が手がけた新シリーズは、それまでのエベルの時計とは似て非なるもの。品質の低下、デザインの低迷を招いたことで、シェアを大きく落とすこととなりました。 1-4.2004年モバード・コンコルドグループの傘下に 2000年頃からLVMHグループは売却を検討。2003年にアメリカ一大資本のモバードグループへ売却されました。ブランドを離れざるを得なかった旧来のスタッフを呼び戻し、翌年2004年に原点回帰と宣言し、再スタートを切りました。 元々自社製ムーブメントの技術の高さに定評のあったエベルらしい1911のムーブメントを使用した1911 BTR(ビヨンドザルーツ)や、全盛期のエベルを彷彿とさせる雰囲気をもつエベルクラシック、エベルウェーブの発表によって、かつての輝きを取り戻しつつあります。 現在ではプロサッカーチームのドイツ・バイエルンミュンヘンやイギリス・アーセナルの公式スポンサーを務めるなど、知名度の回復にも務めています。 2.エベルの魅力 2-1.古典的な純スイス時計ながら独特の世界観をもつ エベルの時計は歴史も長く伝統的なデザインばかりですが、独特の世界観が特徴です。いわゆるクラシックウォッチというと再スタートに発表された1911、エベルクラシック100くらいで、シンプルながら他のブランドとは一味違うデザインです。オーバルなケースデザインが特徴のベルーガ、緩やかな六角形ケースに流麗なブレスレットが特徴のウェーブなど、独特ながら突飛でないデザインは人気を博しました。 エベルは夫婦で創業したブランドで、夫のユージンが品質をアリスがデザインと分業していたため、エベルの時計は女性目線でデザインされていたことが理由の一つと考えられます。比較的似たデザインで展開されることの多いビッグブランドに対し、エベルは他ブランドにはない世界観を見せてくれる魅力があります。 2-2.自社製ムーブメント、複雑系に定評のある高い技術 エベルは技術の高さでも定評があり、特に自社製ムーブメントの評価が高いブランドでした。1984年に発表された永久カレンダークロノグラフはゼニス社の名機エル・プリメロをベースにしたもので、時計愛好家からの注目を集めました。 1984年から1990年まではエル・プリメロをベースに自社製品を発表していましたが、実はエル・プリメロを使うこなすブランドは当時ほとんどおらず、ロレックスがコスモグラフデイトナに採用する1988年まではゼニス社もあまり活用できずにいました。エベルは他ブランドに先駆けて画期的で優れた機構をもつエル・プリメロのスペックの高さに気付いていました。1990半ばには使用するムーブメントをレマニア社製に変更、新たに自社製ムーブメントの開発を行っています。 1911シリーズの一部には自社製ムーブメントを採用しており、ブランド100周年記念モデルのクロノグラフには自社製ムーブメントCal.137を搭載し、500本限定モデルとして発表しています。 2-3.全盛期にはロレックスを超えるシェアとなった歴史 ピエールが入社し、スポーツクラシックを発表した1977年頃からはエベルは最盛期を迎えました。1984年の永久カレンダークロノグラフの発表、1986年のヴィラ・トゥルクのゲストハウスなど、世界的に注目を集めました。 エベルは世界的に販売数量を伸ばし、特にドイツ・フランスについては一時はロレックスを超えるシェアとなったことで知られています。ロレックスは現在では高級時計全体の30%を超えるシェアで世界トップの販売数量を誇るブランドです。当時のロレックスのシェアは不明ですが、エベルの勢いは凄まじく他のブランドの比にならない成長を遂げていたと言われています。再スタートを切ったエベルが再びロレックスのシェアを超えるべく開発を続けていると考えると、今後のエベルの動向が楽しみです。 2-4.ラ・ショー・ド・フォンにあるヴィラ・トゥルクのゲストハウス エベル創業75周年の1986年にヴィラ・トゥルクと呼ばれる建物を購入したことで話題となりました。ヴィラ・トゥルクとはスイスの有名な建築家で、バウハウスの巨匠としても知られたル・コルビジェが手がけたとされる有名な建築物でした。エベルはこれを購入し、ゲストハウスとして開放することで、時の建築家としてのモットーやエベル自身のPR活動に活かしています。 ラ・ショー・ド・フォンは時計の聖地としてだけでなく、建築とアートの宝庫としても有名。バウハウスだけでなく、アールヌーヴォーなど様々な様式の建物が見られます。ヴィラ・トゥルクは開放的な設計や緩やかな曲線など、エベルの時計のデザインに共通する造形美となっています。 3.エベルの代表シリーズ7選 3-1.スポーツクラシック(ウェーブ) 1977年に発表され、エベルを代表するシリーズとなったスポーツクラシックは、後にウェーブ、エベルクラシックへと名前を変えていきました。ケースとブレスレットが一体化し、5点のビス留めベゼルやケースからラグへの緩やかなカーブなど、発表当時にトレンドにあったスポーツラグジュアリーの世界観だったこともあり、人気を博しました。 当シリーズを語るうえで欠かせないのがウェーブ状のブレスレットです。機能を複数搭載せずシンプルに仕上げた文字盤とエレガントでしなやかな着け心地のブレスレットがマッチしています。LVMHに経営権が移った時期にはドレスウェーブシリーズが世界観を継承しましたが、スポーツ感が強まったためか不発。再度モバードグループ加入で原点回帰した際にオリジナルモデルに忠実なクラシックシリーズとして再スタートしています。 3-2.エベルクラシック100 エベルクラシック100は2011年にブランドが100周年を迎えた際に発表されました。極めてシンプルな3針モデルで、シルバーのリーフ針とブルースチールの秒針、3時位置の小窓で日付表示といった原点回帰らしいデザインです。王道ドレスウォッチのデザインで、創業当時のロゴを使用したのも創業期の熱意を忘れないとする思いが込められています。 未だ発表されたモデルが少ないシリーズですが、王道のクラシックスタイルがこれまで展開されていなかったことと、再スタートに際しこれからモデル数が増えていくのではないかと考えられます。 3-3.エベルベルーガ ベルーガはロシア語のシロイルカが由来となっています。シロイルカのもつ緩やかな曲線や艶やかな雰囲気をもつデザインになっており、ケース形状はラウンド、トノー、スクエアと幅引く展開されています。ケース形状は複数ありますが、共通するのはオーバルなデザインで、一体化されたケースとラグなど直線感のないデザインにまとまっています。 レディースウォッチでの展開のため、機能性ではなく世界観の見せ方に重きが置かれています。機能は多くても3針+日付表示で、2針が中心です。ベゼル、インデックスへのダイヤモンドセットやエナメル文字盤など、艶やかでエレガントな雰囲気と独特のケース形状がベルーガのもつ個性となっています。 3-4.ブラジリア ブラジリアはエベル唯一のスクエアケースが特徴的なシリーズです。デザインは比較的大味でフルのローマンインデックスかバーインデックスのどちらかとなっています。細長い長方形ケースの3針モデルと太目のケース形状のクロノグラフ付きとなる2種類に分かれています。 3針の長方形ケースはローマンインデックスがデザインの大部分を占めるためクラシックな印象で、太目のクロノグラフは白、黒ベースにインダイヤルの針は赤を採用しスポーティーな印象。クオーツ、機械式の両方が展開されています。また、レディースウォッチとしてダイヤモンドが散りばめられた華やかなモデルも展開されています。 3-5.1911 1911はブランドの創業年にちなんで名付けられたシリーズで、スポーツ・エレガントのテイストが主流の1980年代に発表されました。六角形ケース、ビス留めベゼルといったエベルのアイコニックなデザインに、楔形インデックスに文字盤に複雑に刻まれたギョーシェといったクラシックなドレスウォッチのデザインが上手くミックスされています。 ディスカバリーやBTR(Beyond The Roots)が発表されてからはスポーティーなテイストが追加され、さらに現代的に。エベル流の懐古的なモデルで自社製ムーブメントを搭載した1911とディスカバリーとBTRのスポーツモデルのパターンが楽しめるようになりました。 3-6.エックスワン エックスワンは2012年に発表されたスポーツラグジュアリーの雰囲気をもったシリーズです。ケースの形状に緩やかなカーブで沿うようなラグとリューズの外周への装飾が特徴的です。レディースモデルの多くはダイヤモンドがセットされており、華やかな印象に仕上がっています。 メンズモデルとしても展開されており、刻みのついたベゼルやオールブラウン、オールブラックのカラーリングなど、ハードな印象に仕上がったモデルが特徴的です。ケースサイズに対してラグ幅が狭く細身な印象になるため、細身でエレガントなデザインにまとまっています。 3-7.オンド オンドは2011年に女性用として発表されたシリーズです。エベルのアイコン的存在となったウェーブよりも丸みが強いシルエットで、ケース形状に可愛らしさが感じられます。3針に細身の剣針の組み合わせにレイルウェイやインデックスへのダイヤモンドなど、バリエーション豊かにエレガントさを演出しています。 通常リューズはリューズの先端に丸みを帯びたジュエリーが埋め込まれていますが、オンドはリューズの外周位置にダイヤモンドがセットされています。さりげなく、しかしハッキリとわかるようにラグジュアリーな雰囲気を主張しています。中にはクロノグラフ搭載モデルもありますが、リューズ・プッシュボタンの形状が控えめになっており、ケースの丸いシルエットを崩さないようなデザインになっています。 4.エベルのおすすめモデル7選 4-1.1911 ディスカバリー Ref.9750L62/63B60 1911 ディスカバリー Ref.9750L62/63B60はブランドの創業年を由来とする伝統的なデザインが中心のシリーズです。曜日、日付、クロノグラフ、タキメーターを搭載した多機能モデルで、ねじ込みリューズ・プッシュボタンを採用し100m防水と使いやすい機能が揃っています。 緩やかな六角形ケースとビス留めベゼルを採用した伝統的なスポーツラグジュアリーデザインがベースになっており、白文字盤にインダイヤルの縁を黒にしたスポーティーな印象が強めのデザインです。文字盤いっぱいにロゴやインデックスが配置されており、男性らしいがっちりとした雰囲気をもった一本です。 4-2.クラシックヘキサゴンレギュレーター Ref.9300F61/56335165 クラシックヘキサゴンレギュレーター Ref.9300F61/56335165は王道のクラシックデザインのレギュレーターモデルです。時分針、秒がそれぞれ別軸で動作することで針が被ってしまうことがなく視認性に優れた機構として、かつて教会の時計などにも採用されていました。 Ref.9300F61/56335165はエベルのクラシックモデルの特徴的な緩やかな六角形ケースに古典的なレギュレーターを組み合わせています。鋭いドーフィン針、5つのビス留めベゼル、緩やかな六角形ケースと伝統的でありながらエベルらしい独特の雰囲気をもったモデルです。 4-3.ブラジリアクロノグラフ Ref.9126M52/164WC35601XS ブラジリアクロノグラフ Ref.9126M52/164WC35601XSはエベル唯一のスクエアケースシリーズのクロノグラフモデルです。ケースサイズ48mm×36mmと太目のスクエアケースで、がっしりした堅牢性のあるサイズ感です。 ベースは白と黒にインダイヤルの針と目盛りが赤の3色で構成されており、軽やかでスポーティーな印象に仕上がっています。プッシュボタンはオーバルな三角形になっているのがエベルらしい独特なデザインセンスです。 4-4.ウェーブ Ref.1216200 ウェーブ Ref.1216200はエベルを代表するシリーズであるウェーブの代表的なデザインが特徴です。中三針と日付のみで装飾を排除したシンプルさですが、シリーズ名にもなった流麗なブレスレットが全体の雰囲気をエレガントにしています。 ケースから流れるようにラグに移行するデザインは往年のパテックフィリップを思わせる美しさがあり、ラグ幅が広く着用感が良いのも特徴です。40mmケースに日常生活防水が付いたクオーツモデルなので、古典的な機械式時計の美しさがクオーツで使いやすく仕上がっている良作です。 4-5.ベルーガ Ref.1215855 ベルーガ Ref.1215855はシロイルカに由来する滑らかな曲線美をもつシリーズです。ケースとラグが一体化したラウンドモデルで、アクセサリーのような美しさをもっています。上のラグから下のラグまでとインデックスとしての両方にダイヤモンドがセットされており、計60ケのダイヤモンドが使われています。贅沢で華やかなデザインに仕上がっています。 装飾を排除し時分針だけで機能はシンプル。文字盤はマザーオブパールを採用しており、光の当て方によって表情を変える美しさを堪能できます。クオーツ、50m防水と使いやすく、エレガントな美しさに特化したモデルです。 4-6.エベル100 Ref.1216088 エベル100 Ref.1216088はブランド100周年を迎えた際に展開されたシリーズです。王道・スタンダードな中三針+日付表示モデルで、いい意味でクセのない時計です。秒針はブルースチールのため視認性が高く、ミニッツレールまでの長さぴったりに設定されています。分針も同様に長さぴったりで、地味ながら品質の高さを感じさせます。 時分針は存在感のあるリーフ針を採用しており、シンプルな文字盤に映えるデザインです。放射状に光るサンレイ文字盤に植字のインデックスと、原点回帰を宣言したエベルの今後に相応しい真面目な一本です。 4-7.エックスワン Ref.1216156 エックスワン Ref.1216156はハードな印象のブラックカラーが印象的な一本です。ブラックセラミック製のケースとブレスレット、文字盤もブラックに統一されています。ステンレスベゼルを埋めつくすほどにダイヤモンドがセットされており、インパクトのあるデザインに仕上がっています。 インデックスにもダイヤモンドがセットされています。12、4、8だけのアラビアインデックスが三角形でバランスが取れており、珍しい組み合わせです。ギョーシェが刻まれた黒文字盤にダイヤモンドインデックス、ベゼルいっぱいのダイヤモンドとオールブラックの外装とハードな印象の中にエレガンスが仕込まれています。 5.【かつてはロレックスを上回るシェア】エベル エベルの歴史、魅力、代表シリーズと人気モデルについてまとめました。エベルはかつてロレックスを超えるシェアを持ちながらも、経営権の移転によって人気に陰りが出てしまいましたが、現在では全盛期のスタッフを呼び戻し原点回帰を掲げ再起を図っています。エベルを扱う時計店はそう多くないのですが、今は比較的マイナーな部類のブランドに入るため、エベルを扱う時計店はかなりの時計好きが揃っているかもしれません。もし見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ https://estime.co.jp/column/watch-lifespan/ https://estime.co.jp/column/worlds-five-major-watch/
1932年に宝飾店として創業してから高い審美眼で様々なジュエリーを生み出してきたハリー・ウィンストン。1989年に時計業界に参入してからはジュエリーで培ったハイセンスを時計に持ち込むことで他時計ブランドにはないデザインが世界的に高い人気となっています。 この記事ではハリー・ウィンストンとはどんなブランドなのかを徹底解説。これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、ハリー・ウィンストンの時計を着けている有名人、おすすめのモデル5選について解説をします。ぜひ最後までご覧ください。 1.【キング・オブ・ダイヤモンド】ハリーウィンストンとは? ハリーウィンストンとは、1932年にニューヨークで創業されたアメリカ発のハイジュエリーブランドです。「キング・オブ・ダイヤモンド(ダイヤモンドの王)」と称されるほど、極めて高品質なダイヤモンドを扱うことで世界的に知られています。 創業者ハリー・ウィンストンは、歴史的に有名な大粒ダイヤの数々を取り扱い、宝石の鑑定・選定においてもその眼力が伝説とされています。ジュエリーだけでなく、2001年からは本格的に高級時計の分野にも進出し、繊細かつ芸術性の高いタイムピースを発表。ジュエリーのように輝くラグジュアリーな時計は、多くのセレブリティやコレクターを魅了しています。次の章では、ハリーウィンストンが築いてきた輝かしい歴史をひもといていきます。 2.ハリーウィンストンの歴史 ハリー・ウィンストンは30年以上前に時計業界に参入し、既存の時計ブランドにはできない魅力的なデザインを創り出してきました。ジュエラーとして歩んできた歴史で培った技術とセンスは時代の荒波を超える力があり、時計に応用できる唯一無二のアイデアを持っているブランドです。 現在でこそ、ダイヤモンドを扱ったネックレスや結婚指輪などのアクセサリーが有名ですが、時計も深く関係しているのです。 この章では、ハリー・ウィンストンはなぜ人気になったのか。ブランドが歩んできた歴史について解説していきたいと思います。 2-1.1932年にハリー・ウィンストン社を設立 ハリー・ウィンストンとは、元々ジュエラーとして始まったブランドです。1989年に時計業界に参入しましたが、まずはジュエラーとしての成り立ちから紹介します。 1896年、ハリー・ウィンストンは宝飾店を経営していた家族の元に生まれます。ハリーは手伝いをしながら宝石を見る目を養っていき、12歳の頃には近所で見かけた2カラットのエメラルドを25セントで買い付け、2日後に800ドルで売ったというエピソードが有名です。 1920年宝石商としてビジネスを開始し、The Premier Diamond Companyを設立しました。1925年にレベッカ・ダーリントン・ストッダード夫人、翌年に鉄道王の未亡人アラベラ・ハンティントン夫人のコレクションを購入し再デザインしてモダンジュエリーとして復活させました。重要な顧客には王族や名家、実業家など名を連ね、世界的にも貴重なダイヤモンドとその顧客へアクセスする機会を得たのです。 1932年にニューヨーク5番街にハリー・ウィンストンとして創業しました。1935年に南アフリカで726カラットのダイヤモンドが発見され、これを落札。発見した坑夫にちなんでヨンカーと名付けられました。のちに125.35カラットのエメラルドカットダイヤモンドになったと言われています。 1938年には更に大きな726.6カラットのダイヤモンドがブラジルで発見され、これも獲得。ヴァルガスと名付けられました。 1943年にアカデミー賞主演女優賞受賞の女優ジェニファー・ジョーンズにダイヤモンドジュエリーを貸し出したことが知られています。ジュエラーとしてのハリー・ウィンストンを更に押し上げ、スターたちのジュエラーと呼ばれたちまち有名になりました。1953年に公開された映画「紳士は金髪がお好き」で主演を演じたマリリン・モンローが作中で歌った曲の歌詞に「ねえハリーウィンストン、ダイヤモンドのことを何でもいいから教えて!」というフレーズによって、ハリー・ウィンストンの知名度を更に確立させています。 2-2.1978年創業者が亡くなり、経営権争いに 大型ダイヤモンドの買い付けは続きます。1949年に45.52カラットの世界最大級のブルーダイヤ「ホープ」を入手し、アメリカのスミソニアン博物館に展示しました。 1960年に本店を現在の所在地へ移しています。デザインスタジオからアーカイブまでを揃えています。1963年には127.01カラットのポーチュギーズ・ダイヤモンドを、翌年1964年には253.7カラットのイエローダイヤモンド原石オッペンハイマーを同じくスミソニアン博物館へ寄贈しています。 1978年、創業者のハリー・ウィンストンが他界。ロナウドとブルースの2人の息子が経営権を巡り10年間争います。結果、兄のロナウドが経営権を引き継ぎました。1988年、日本で最初の店舗が銀座にオープンします。翌年1989年、ハリー・ウィンストンはかなりジュエリー寄りのモデルをメインに時計事業に進出しました。 2001年、独立時計師のジャン・マルク・ヴィダレッシュとパートナーシップを結び、オーパスシリーズを展開。この頃から複雑系の時計にも注力していくことになります。2004年には世界で初めてジルコニウム合金のザリウムを使用した時計を発表しました。ザリウムを使用した時計は後に新しいモデル、シリーズの展開へと派生していきます。 2-3.2013年スウォッチグループによる買収 2004年一族経営だったハリー・ウィンストンはドミニオン・ダイヤモンド・コーポレーションによって買収(この時点では株式の51%)、2006年には100%買収となりました。 2007年に時計の聖地であるスイスに工場を設立しました。資本を持つブランドは既存の時計メーカーを買収して技術を高めることが多いですが、ハリー・ウィンストンはそれをせずに独自の技術を更にレベルアップさせるために工場を立ち上げています。2009年にはトゥールビヨンを開発。2007年の工場設立によって生産技術の安定と効率化に成功し、とりわけ技術の高い職人をトゥールビヨン開発に集中させることができたと思われます。 2013年に時計を主とするコングロマリットでは最大のスウォッチグループによってジュエリー事業と時計事業が買収されます。採掘事業だけはドミニオン・ダイヤモンドとして継続されることとなりました。グループに買収されたものの、時計をメインとするコングロマリットなのもあり、ハリー・ウィンストンらしさは失わずに新作の発表は続けることができています。 ハリー・ウィンストンとは、ジュエリーだけでなく時計の技術にも情熱を注ぐブランドなのです。 3.世界中を魅了するハリーウィンストンの魅力・特徴 ハリー・ウィンストンはジュエラーとしての歴史が長くダイヤモンドの王と呼ばれ、ジュエリーの世界で愛されています。 時計事業には参入して30年程で決して長くはありませんが、ハリー・ウィンストンは時計としても愛されています。 ここでは、ハリー・ウィンストンとはどんなブランドなのか。魅力や特徴につて解説していきたいと思います。 3-1.ジュエリーで培った時計ブランドにはないデザインセンス ハリー・ウィンストンはジュエラーとしての歴史が長く、ジュエラーとして培ったデザインセンスを時計に応用する独自性を持っています。例えばハリー・ウィンストンはニューヨークの本店のファサードをモチーフとして時計のデザインに採用しています。アヴェニューとプルミエールシリーズでは12時位置と6時位置にはラグに、ミッドナイトとオーシャン、プロジェクトZシリーズは3時位置にファサードをモチーフにしたリューズガードがあしらわれています。 また、熟練の宝石鑑定士により厳選された最上級のダイヤモンドだけを使用し、最高のカッティング技術でダイヤモンドの輝きを最大限引き出しています。一粒一粒の大きさや光の当たり方など、時計メーカーでは踏み込めないレベルでダイヤモンドの扱いに長けており、純粋な時計ブランドとは違った世界観を演出しています。 ジュエリーを基盤としたハリー・ウィンストンの時計ラインナップは、アクセサリーのノウハウを生かしたデザインで他ブランドとは一線を画したセンスを持ち合わせています。 3-2.ジュエリーで歩んできた歴史からの知名度の高さ 前項でまとめた通り、ハリー・ウィンストンはジュエラーとしての歴史が長く、知名度が高まった状態で時計事業へ展開しています。ジュエラーとしてのノウハウを持ち込むことで、ハリー・ウィンストンをジュエリーで知っていた人にとってもイメージ通りのウォッチメイキングができており、ジュエリーにとっても時計にとっても展開が広がったといえます。 実際、ジュエラーや他のラグジュアリーブランドが時計事業へ参入することは珍しくなくなったため、ハリー・ウィンストンが時計を展開しているのも違和感がありません。その中でも「ダイヤモンドの王」という唯一無二の知名度のメリットは計り知れません。 知名度が高いことで所有する喜びを誰かと共有しやすいのもメリットの一つです。時計に詳しくない方はスイス伝統の老舗ブランドよりも指輪やジュエリー・アクセサリーで有名なハリー・ウィンストンのほうがピンと来るでしょう。特に女性にわかりやすいブランドの一つです。 3-3.独立時計師とのコラボによる複雑系の開発 ハリー・ウィンストンはジュエラーとしてのノウハウを時計に持ち込んでいますが、決して機械式時計の機構を疎かにしているわけではありません。オーシャンやイストワール・ドゥ・トゥールビヨンに見られるようなトレンドのラグジュアリースポーツシリーズや複雑系の展開も進めています。 その中でもオーパスは発表当初から独立時計師とのコラボレーションによって生まれたシリーズで、いずれもクリエイティビティとオリジナリティが発揮されています。例えば最新のオーパス14は実際のジュークボックスのようなギミックを備えており、レバーでGMT、カレンダー表示、星のデザインの3種類から選びレコードのようにディスクをチェンジする機構です。既存のブランドでは考えられないチャレンジャブルな機構とデザインは独立時計師ならではといえます。 4.絶対後悔しない!普段使いも出来るハリーウィンストンの時計シリーズ ここまで様々な点で魅力的なハリー・ウィンストンについて紹介してきましたが、ここでは買ったら絶対後悔しない時計を紹介していきたいと思います。 普段使いも出来るシリーズを紹介していきますのでぜひ最後までご覧ください。 4-1.プルミエール プルミエールは1989年にブランド初の時計コレクションとして発表されたシリーズです。特徴的なラグの形状はニューヨーク五番街にある本店のファサードをモチーフにしています。ブランドを代表するアイコンシリーズの一つです。 18Kローズゴールドケースと18Kホワイトゴールドケースで展開されています。文字盤デザインは万華鏡をモチーフにしたり向日葵をモチーフにしたりと華やかなものが中心で、クラシカルな印象になるレトログラード表示を使うことが多いです。ダイヤモンドを散りばめたパヴェダイヤモデルも多く展開されているので、ハリー・ウィンストンの本領が十分に発揮されているシリーズです。 4-2.アヴェニュー 本店のあるニューヨークの五番街にちなんで名付けられたアヴェニューはアールデコを彷彿とさせる流麗なデザインが特徴のスクエアケースシリーズです。ラグの形状は本店の入り口を模した形状となっており、アイコン的存在となるシリーズです。 基本的にはレディースの展開ですが、中にはデュアルタイム機能を備えたメンズモデルも存在しています。18Kローズゴールドケースと18Kホワイトゴールドケース、クオーツが主ですが一部自動巻きモデルも展開されています。ニューヨークのアートとファッションの輝きをモチーフにしたデザインや桜の情景を表現したデザインなど、ダイヤモンドで様々な表現を見せてくれます。 4-3.エメラルド 創業者のハリー・ウィンストンが愛したとされるエメラルド型の形状が特徴のシリーズで、ダイヤモンドのエメラルドカットをモチーフにしており、ブランドを代表するアイコニックなデザインです。エメラルドカットのエレガントさとシャープな印象で、ダイヤモンドを思わせる高級感や品格を感じさせます。 18Kローズゴールドケースと18Kホワイトゴールドのクオーツモデル、ケースとラグにダイヤモンドが散りばめられているモデル、自動巻きモデルと展開されています。男性でも使いやすい革ベルトモデルからサテンベルト、チェーンの細かなブレスレットタイプ、2021年発表のターコイズ文字盤やシャンパン文字盤などバリエーション豊かです。 4-4.ミッドナイト ミッドナイトはシンプル・エレガントなドレスウォッチシリーズで、スイス時計の伝統に従ったクラシカルなデザインとなっています。スタンダードなラウンドケース形状ですが、鍾乳石をダイヤモンドで表現したり漆で夜空を表現したデザインなど、基礎がシンプルが故に変わった文字盤デザインで開発されることが多いシリーズです。 18Kローズゴールドケースと18Kホワイトゴールドの自動巻きが多いですが、特殊なデザインの場合には時にクオーツや手巻きモデルも存在します。文字盤デザインに合わせてアリゲーターレザーやリンクの細かなブレスレット、サテンベルトを使い分けます。ダイヤモンドが散りばめられたパヴェダイヤモデルも多く展開されており、華やかな文字盤をさらに綺羅びやかに彩っています。 4-5.オーシャン ハリー・ウィンストンのラグジュアリースポーツシリーズで、ジュエラーらしいダイヤモンドをふんだんに使った華やかさとトレンドが上手く融合したデザインです。クロノグラフ・デュアルタイム・ムーンフェイズ・トゥールビヨンなど機械式時計の様々な機構を搭載させたシリーズでもあります。 18Kローズゴールドケースと18Kホワイトゴールドだけでなく、ザリウムという新素材をケースに採用することもあります。リューズガードや幅の広いストラップなど、がっちりして華やかなメンズウォッチといった印象です。 4-6.プロジェクトZ プロジェクトZは2004年から毎年限定生産しているラグジュアリースポーツシリーズです。ザリウムという宇宙工学に用いられる新素材を採用しています。耐触性や耐久性に優れていて軽量なザリウムを活かすためのシリーズといっても過言ではなく、プロジェクトZの「Z」はザリウムのZです。 ケース形状はオーシャンと同じですが、現代の時計製造の伝統と高度な建築的な要素を融合させており、文字盤のテイストは近未来的です。ビッグデイトやレトログラード、ハイビートやトゥールビヨンなど様々な機能を搭載しているのも特徴です。 4-7.イストワール・ドゥ・トゥールビヨン イストワール・ドゥ・トゥールビヨンはハリー・ウィンストンが革新と新たな可能性の探求として、機械式時計を代表する複雑機構のトゥールビヨンを基本とするシリーズです。2009年から続いているこのシリーズでは必ずトゥールビヨンが搭載されているだけでなく、4つのトゥールビヨンを搭載するモデルや3軸トゥールビヨンやジャンピングアワーなど技術の粋を集めたモデルばかりです。 最新モデルのイストワール・ドゥ・トゥールビヨン10は673個の部品からつくられており、4つのトゥールビヨンが搭載されています。横長の長方形ケースに所狭しと4つ配されたトゥールビヨンが同時に動くさまは圧巻。世界限定10本も納得の一本です。 4-8.オーパス オーパスは2001年より始まったシリーズで独立時計師とのコラボレーションにより独創的で革新的なデザインと機構を搭載したシリーズです。コラボする独立時計師は毎回違うので、常に驚きをもたらす時計が創り出されています。 最新モデルのオーパス14はフランク・オルニーとジョニー・ジラルダンとのパートナーシップにより生まれたモデルで、1950年代のジュークボックスをモチーフにしています。ケースサイドのレバーでローカルタイム表示や日付がそれぞれ表示される機構です。レコード盤を想起させる表示ディスクの模様や「14」をあしらった標章などディテールにこだわったデザインとなっています。 5.ハリーウィンストンを愛用している芸能人・有名人5選 ハリー・ウィンストンの時計はジュエラーで培った技術や知名度を時計に応用し、美しい時計を次々と発表しており、世界中の芸能人・有名人が好んで着けています。 ここではハリー・ウィンストンの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。 5-1.小栗旬 オーシャンクロノグラフ Ref.OCSACH44ZZ001 俳優 小栗旬さんが着けているのはオーシャンクロノグラフ Ref.OCSACH44ZZ001です。複数のドラマで着けているのが見られており、私物ではないかと言われています。奥様への婚約指輪がハリー・ウィンストンだったこともあり、お返しに時計をもらったのではと言われています。小栗さんは時計愛好家で知られており、ロレックスやタグ・ホイヤー、ブライトリングなど多くの時計を所有しています。 Ref.OCSACH44ZZ001は文字盤がスケルトンになっており、ムーブメントの動きを前面からも楽しむことができます。回転ベゼル、リューズガードなどスポーツラグジュアリーウォッチの様式はとらえつつ、ザリウムケース、ダイバーズには珍しくビッグデイトを採用するなど使いやすくオリジナリティのあるデザインとなっています。 5-2.Gackt アヴェニュー Ref.310/UQWベースのオリジナルデザインモデル アーティスト Gacktさんが着けているのはアヴェニュー Ref.310/UQWをベースにしたオリジナルデザインモデルです。私服を公開するTV番組の企画で着けており、アヴェニューをベースに本来ダイヤモンドがセットされていない文字盤やラグ、ブレスレットにもダイヤを施したオリジナルデザインにカスタマイズしたとのこと。曰く、値段は1800万とか。 Ref.310/UQWは本店のファサードをモチーフにしたラグが特徴のスクエアケースモデルです。ベゼルを縦断するようにダイヤモンドが取り付けられていますが、Gacktさんモデルは全面にセットさせたようです。 5-3.中川家・礼二 アヴェニューC ミニ Ref.AVCQHM16WW02 芸人 中川家・礼二さんが購入したのはアヴェニューC ミニ Ref.AVCQHM16WW02です。TV番組の企画で購入した時計で、御本人が着けているわけではなくレディースのため奥様に送ったと思われます。 Ref.AVCQHM16WW024はアヴェニューをベースにサイズダウンし、女性にも着けやすくしたモデルです。文字盤はマザー・オブ・パールという白蝶貝を使っており、見る角度によって光の当たり方が違うため違う顔を見ることができます。ラグ、ベゼル全面にダイヤモンドが施されている華やかなデザインです。 5-4.古閑美保 プルミエール Ref.200/MASR37WL.W プロゴルファー 古閑美保さんが着けているのはプルミエール Ref.200/MASR37WL.Wです。御本人のtwitterで友人と6人で写った写真がアップされており、その際にプルミエールを着けているのが見られています。時計自体は贈り物とのことで、口説いてきたプロ野球選手が着けていたのをいただいたとか。メンズモデルですが、鍛え上げているアスリートのためかあまり違和感が感じられません。 Ref.200/MASR37WL.Wは3時位置の方にオフセンターされた時分針表示と9時位置のレトログラード式の秒針が特徴です。機能としては時・分・秒の表示だけとシンプルですが、レトログラードの動きがしっかり愉しめる実用的なモデルです。 5-5.ヒュー・ジャックマン ミッドナイト Ref.MIDAHD42RR002 俳優 ヒュー・ジャックン ミッドナイト Ref. MIDAHD42RR002です。ヒュー・ジャックマンさんはモンブランの公式アンバサダーのため、モンブランのモデルを着けているのを多く見られていますが、ベルリン国際映画祭でミッドナイトを着けているのを見られています。 ミッドナイト Ref. MIDAHD42RR002はシンプルなドレスウォッチです。18Kローズゴールドケース、自動巻き、日付表示有りのエレガントなサンレイ文字盤が特徴です。ミニッツトラックも省略され、針はインデックスにちょうど被らない長さに設定されており無駄を削ぎ落としたデザインとなっています。12時位置のエンブレム、3時位置と6時位置、9時位置のインデックス、リーフ針だけが立体で目を引くため視認性が良く、実用的なモデルとなっています。 6.ハリーウィンストンのおすすめモデル5選 ここまでハリー・ウィンストンの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。 6-1.オーシャンダイバー Ref.410/MCA44RZC オーシャンダイバー Ref.410/MCA44RZCはオーシャンをベースにしたダイバーズウォッチです。2004年のプロジェクトZ発表以来開発に着手した新素材ザリウムと18Kホワイトゴールド、ローズゴールドを組み合わせた44mmケースとなっています。日付表示付きのクロノグラフで、3時位置が秒針、6時位置が12時間積算計、9時位置が30分積算計のインダイヤルです。 リューズガードは本店のファサードをモチーフにした形状になっており、いわゆるダイバーズウォッチのもつ無骨なデザインではなく、エレガントにジュエラーらしいデザインとなっています。回転ベゼルも備え、200mと本格派な機能を有しています。 6-2.プルミエール エキセンタータイムゾーン Ref.200/MMTZ39R プルミエール エキセンタータイムゾーン Ref.200/MMTZ39Rは一見プチコンプリケーションのような風格を持ったモデルです。12時位置にレトログラード式のパワーリザーブ表示、3時位置にオフセンターされた時分針と昼夜表示となるデイアンドナイト、6時位置に日付表示、9時位置にパワーリザーブ式のローカルタイム表示となっています。 18Kローズゴールドケースは39mmと小ぶりですが、多機能を備え一見複雑系のような雰囲気のあるデザインです。特徴的なラグやラウンドケースがエレガントさをしっかり演出しています。シースルーバックのため裏側から手巻きのムーブメントの動きを見ることもできます。 6-3.プロジェクトZ11 世界限定300本 Ref.OCEABD42ZZ001 プロジェクトZ11 世界限定300本 Ref.OCEABD42ZZ001は新素材のザリウムケースを主軸とし毎年新作を発表するシリーズの2017年モデルです。ケースの素材に使われているザリウムはアレルギーフリーで軽量、チタンよりも硬く摩耗や腐食にも強く、宇宙工学の分野でも使用される材質です。 時分針は12時位置にオフセンターされ、文字盤中央に小さな手裏剣型のスモールセコンドを備えています。地板と6時位置の日付表示はディスクが回転する様子が見えるようにスケルトン化され、裏蓋からはムーブメントの動きを見ることもできます。デニム加工されたカジュアルでスポーティーなストラップとなっています。 6-4.エメラルド ターコイズカラー(2021年新作)Ref.EMEQHM18WW014 エメラルド ターコイズカラー(2021年新作)Ref.EMEQHM18WW014はダイヤモンドのエメラルドカットのデザインをモチーフにした八角形ケースが特徴です。18Kホワイトゴールドケースで、ベゼル、ラグ、インデックスには贅沢に53ケのダイヤモンドがセッティングされています。 文字盤カラーはターコイズ、オレンジ、パープル、シャンパンの4色が2021年新色で、ビビッドなカラーリングが特徴的です。マザー・オブ・パールを使用したカボションと文字盤中央が八角形モチーフを引き立てています。 6-5.プルミエール サンフラワー(2021年新作)Ref.PRNAHM36WW037 プルミエール サンフラワー(2021年新作)Ref.PRNAHM36WW037はハリー・ウィンストンの人気ジュエリーコレクションであるサンフラワーからインスピレーションを得て制作されました。すべてのインデックスにダイヤモンドでサンフラワーをモチーフにした花がセットされています。ベゼル、ラグ、インデックス、文字盤中央のフラワーモチーフと合わせて194ケのダイヤモンドが使用されています。 文字盤はブルーのマザー・オブ・パールをベースに立体的な形状に仕上げています。サンフラワーモチーフのインデックスよりも内側にカーブしたバーインデックスが立体的にセットされています。針は短いものの時刻の読み取りには不都合しません。18Kホワイトゴールドのケースサイズは36mmで、赤と青の2色展開。ジュエリーを着けるときのような華やかで綺羅びやかなデザインに仕上がっています。世界限定30本となっています。 7.【キング・オブ・ダイヤモンド】ハリー・ウィンストン いかがだったでしょうか? 今回は、ハリー・ウィンストンとはどんなブランドなのかについてまとめました。 ジュエラーとしての歴史に始まり、時計事業に参入し、ジュエラーとしての経験を活かした時計を次々と発表しています。時計ブランドにはなかなか出来ないジュエラー目線でのデザインは、既存の時計ファンだけでなく新しい顧客の開拓にも一役買っており人気となっています。 店頭でハリー・ウィンストンの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/graff-harrywinston-which/ https://estime.co.jp/column/harrywinston-embarrassing/ https://estime.co.jp/column/harrywinston-cheapest-item/
株、金、仮想通貨、不動産、高級車、企業。投資といっても沢山の種類があります。 その中でも富裕層に人気な投資は不動産や米国株、農業投資(企業)でしたが、最近では時計投資も流行してきております。 ブランド知識が必要そうな時計投資ですが、知識不要で誰でも始めることができます。 ※富裕層だけではなく一般層の人でも10万円で購入した時計を50万円で売却をするなど、低投資からスタートすることが出来るのが時計投資です。 ロングがいいブランド、ショートがいいブランド、時計投資にあっているもの、予算に応じた投資など今回は時計投資における全てをお伝えさせていただきます。 1.時計投資が流行している5つの理由 投資は敷居が低ければ低いほど色んな人が挑戦しやすいです。時計投資は自分が使うために購入したものが売るときに倍額以上になることも多く、初心者の方にも、富裕層だけでなく一般のサラリーマンや主婦層にもオススメの投資です。 昨今の時計ブームから高級時計の相場が上がり続けており、投資として所持する人やコレクターも増え、その影響から相場は高いところを維持しております。 時計投資が流行っている理由は投資の敷居が低いという理由以外にとても単純な理由が5つございますので、その理由について掘り下げていきましょう。 1-1.現金取引ができる 現金取引は店舗と金額によって不可能な場合があります。一般的に高額商品となると振込対応となるお店が多いですが、弊社では3億円まで現金で対応することが可能です。 急に現金が必要になった場合、現金で取引をしたい場合などとても便利なのが高級時計の買取です。 1-2.経年劣化が少ない 高級時計も経年劣化がないわけではありません。 アンティーク品などは経年劣化しますし、経年劣化によるひび割れ(スパイダーダイヤル)がプレミア価値ついたりと高級時計は経年劣化すら愛される市場です。 最近の高級時計は経年劣化がしにくい素材が使用されており、何年経っても綺麗な状態を維持することができます。 仮に投資目的で購入したアイテムを息子娘さんのために長期保有するとしても向いているため、投資からコレクションへの切り替えに置いてもリスクヘッジができています。 メンテナンスは4年に1度(オメガのマスターコーアクシャルは10年に1度)のオーバーホールに出すだけととメンテナンスの工数も車と比べかなり簡単です。 ただ、高級時計は高級車と同じで動かさないと壊れてしまう可能性がございます。 ワインディングマシーンに入れておいたり、たまに使うことで綺麗な状態を維持することが出来ますので、高級時計投資の際はワインディングマシーンの購入も合わせて検討することがおすすめです。 1-3.リセールバリューが高い パテックフィリップ 5711/1Aは定価が3,872,000円(税込)なのに対して買取価格は1530万円(5月現在の弊社買取価格)です。リセールバリューは395%と驚きの数値を叩き出しております。これはパテックフィリップ5711/1Aの製造が終了していたり、人気なアイテムと言う要因が強いですが、それ以上にこのアイテムを投資として所持してる人が多く、安定した流通があるためここまで高い数値が出ております。 2016年に製造終了後高騰したロレックスデイトナ16520という時計があります。この時計は定価が68万円なのに対して、現在の買取価格は450万円とかなり高騰しております。 このふたつから見てわかる通り、人気のあるアイテムは製造が終了しても高騰し続けると言うことがわかります。 実はこれ、製造終了と言うのがポイントではありません。流通しているアイテムの量と需要の関係で相場が高騰しているのです。 人気なアイテムは需要が高いため、現行品でも手に入りにくいアイテムは高騰やすくロレックス投資を行っている人はデイトナの新商品が出るたびに購入している方も多いです。 世界的に見て需要が分かりやすく、投資だけでなくコレクションとしても高級時計は人気があるためリセールバリューが高くなるのです。 1-4.資本があれば誰でもできる 株式、FXなどを投資をする場合、季節銘柄でロングで攻めるのか、流行り銘柄でショートで攻めるのかなど勉強する必要があります。 高級車の場合、資本以外にも高級車を置いておく土地が必要。 高級時計の場合は資本があれば誰でも投資に参加することができます。 元々はコレクションとして購入していた人が投資にめざめていろんな時計を回したり、着用するために購入していた時計が高騰したことから投資に目覚める方など、時計投資はいろんな人が参加しております。 オメガなどの高級時計の中でも30万円程度と手の出しやすいものから、リシャールミルやパテックフィリップなど1,000万円を超えるものなど、時計投資の資本幅はかなり広いです。 自分に合った投資ができる。これが時計投資の良い部分なのです。 1-5.コレクションの場所を取らない 時計投資はコレクションを兼ねていることが多いです。感覚で言うと美術品を購入しているようなイメージ。高級時計の中には着用を目的としていない壊れやすいアイテムも存在します。(一般的なトゥールビヨンなど)精密な機構を使用しているアイテムはとても美しいディテール、文字盤、顔をしているので、見ているだけでもうっとりしてしまいます。 高級車のコレクションをするにはそれなりの土地が必要ですが、高級時計をコレクションするには時計を置くことができる棚があれば良いだけなので場所を取ることなく保存することができます。最近では綺麗なワインディングマシーンも存在するためインテリアの一つとしてお部屋に飾っている方もいらっしゃいます。 購入後コンパクトに収納することが出来る、お部屋のインテリアとしてもおしゃれにキマる。これが高級時計投資の良いところです。 2.時計投資に向いているブランド5選 時計投資には向き不向きのブランドがあります。 Apple WatchやSEIKO、CITIZENなど定価が安いアイテムは投資には向いておりません。これらのブランドは実用性に長けており、価格も抑えられとても良い時計ですが、定価が安く誰でも購入できてしまうため投資には向いておりません。 投資に向いているブランドには【定価が高い・世界的に人気・流通量が少ない】などの、共通点がございます。ここからは、これから相場が上がってきそうなブランドを5つご紹介させていただきます。 2-1.リシャール・ミル 高級時計の中でも歴史が浅いリシャール・ミル。 リシャール・ミルは成功者の時計と呼ばれ、実業家、プロゴルファー、F1レーサー、テニスプレイヤー、メジャーリーガーなどのプロスポーツマンなどに愛されている時計です。 時計1本の価格は1,000万円を軽く超え、購入できる人が限られており、流通量も少ないプレミア価値の高いブランドです。 リシャール・ミルはトノー型(樽型)のアイテムがメインのブランドで、ラウンド型のアイテムは少ないです。ラウンド型のアイテムは主にダイバー系のラインで使用されており、リシャール・ミルの中では人気が低く、中古相場が安いのが特徴です。 それに比べてスクエア型はリシャール・ミルの主力商品であるため人気が高いアイテムが多いです。 投資としてリシャール・ミルを所持するには、1,000万円以上の予算を用意する必要があります。そもそも流通量が少なく購入難易度も高いのですが、購入さえ出来れば1,200万円で購入した半年後にはアイテムが1,800万円になることもあるため、資本がある方にはかなりオススメです。『知ってる人は知ってる』超高級時計でもあり、トゥールビヨン搭載しておきながら普段使いできる頑丈設計となっているので、投資だけでなくファッションアイテムの一つとしてもオススメです。 2-2.パテックフィリップ 雲上時計の一つでリシャール・ミル同様に富裕層に人気の高いブランドです。 特に人気が高いのはノーチラスというスポーツモデルのライン。スポーツモデルでありながら超薄型、船窓をイメージさせるケースデザイン、180年以上続く歴史と永久保証。デザイン、歴史、ムーブメント全てにおいて最高峰のブランドです。 元々ノーチラスは100〜200万円程度で販売されている高級時計でしたが、現在の定価は400万円弱とかなり値上がりしています。しかし定価で購入することは難しく、中古価格800〜1600万円で購入する必要がございます。(5711/1Aの場合) 需要がかなり高いラインと言うこともあり、現在の買取相場は上がり続けております。ロングで所持しても、ショートで所持してもどちらでも対応できるのがノーチラスです。 続いて人気なのはアクアノート。アクアノートはノーチラスとカラトラバの両面から見ていいとこ取りをしたスポーツモデル。耐水性はもちろんカジュアル感もありバランスの取れたアイテムです。ノーチラスと比べて尖っているわけでもなく費用対効果はノーチラスに劣りますが、時計全体から見ると費用対効果が高いアイテムが多めです。 ノーチラスは時計全体として見ても超人気アイテムなので購入難易度がかなり高いです。購入するならノーチラスがおすすめですが、アクアノートもかなりおしゃれで費用対効果も高いので、もしもノーチラスが購入できない場合にはアクアノートを検討してもいいでしょう。 2-3.ロレックス 王道ロレックス。 「高級時計といえばロレックス」と思っている方も多く、時計に詳しくない方でも知っているブランドです。定価は50万円〜1,000万円とかなり幅が広いのが特徴で、一般層の方から超富裕層の一つです。 誰もが知っている時計、機能面も高い、歴史が深い、相場が高騰してるということもあり、ステータスとして高級時計を所持したい人から、時計愛好家、投資家まで愛されております。 昨今ではデイデイトというドレスモデルが人気ラインの一つになっておりますが、ロレックスの人気モデルというとスポーツモデルが有名です。 ・デイトナ ・サブマリーナ ・ヨットマスター ・GMTマスターなど スポーツモデルの中でもデイトナが投資家の中では特に人気が高いラインです。 デイトナはロレックスのスポーツモデルの中で最も人気が高く、ロレックスを所持している人、スポーツモデルの時計が好きな方が目指す時計の一つと言われており、完成されたクロノグラフ文字盤、洗礼されたデザインからデイトナに扮したデザインの時計が多く存在しております。 デイトナを購入する場合は最低でも200万円は用意しておく必要がございます。また、品薄が続いているアイテムですので、正規店で定価購入することは不可能で中古や新古品として購入するのが一般的です。デイトナは最近特に高騰が続いているアイテムですので、購入さえできれば投資は勝ちと同然です。デイトナをメインに投資されている方は複数の正規店を走り回る『デイトナマラソン』というのを行なっている人もいます。(※最近ではランナーや転売目的の人を警戒して売らないことも多いみたいです。) ロレックスの場合はスポーツモデルであればほとんどのアイテムが高騰していることもあり、ショートとロング両方での投資に向いております。中古販売は定価越えの商品も多いのですが、場所によって高騰している商品でも若干やすく販売しているところもありますので、もしも「安い」と感じる商品を見つけられた場合には購入することをお勧めします。 2-4.オーデマ・ピゲ パテックフィリップ、ロレックスと続いて共に相場が上がってきているオーデマピゲ。 パテックフィリップ同様に超高級時計の位置にいるオーデマピゲですが、ロレックス高騰に合わせて再注目されました。 当時のロレックスは30万円あれば購入できる時計でしたが、現在では100万円以上必要な超高級時計。「100万円必要ならオーデマピゲを購入する」という人が増え、オーデマピゲの価値が高騰しました。さらに昨今ではデカ厚時計ブームがロングヒットしており、デカ厚時計の先駆けであるオーデマピゲの人気も後押ししております。 オーデマピゲを投資目的で購入される場合は、絶対にロイヤルオークを購入しましょう。オーデマピゲにもドレスモデルは存在しておりますが、オーデマピゲを購入される方のほとんどはロイヤルオークです。ドレスモデルはオーデマピゲの中でも人気が薄くリセールバリューが低いため、投資目的での購入はお勧めできません。 ロイヤルオークを購入される時の予算は200万円以上です。高級時計ブームが続く限り相場は高騰し続けていきますが、デカ厚ブームが去った時に一時的に停滞または下がる可能性があるので、時計のブームによって手放すタイミングを見た方がいいでしょう。 2-5.ロジェ・デュブイ 昨今セレブに人気急上昇中のブランド『ロジェデュブイ』 2017年元旦に放送された芸能人格付けチェックにGACKTが6,000万円のダブルフライングトゥールビヨン スケルトンを着用していたことでネットニュースで話題となりました。 ロジェデュブイは一般の人には名前があまり知られていないブランドですが、セレブ間ではかなり有名なブランドです。 最近では億プレイヤーのyoutuberが増えてきていることもあり、これから伸びる可能性がかなり高いブランドです。 現在ではその本当の価値を知っている人が少ないため、査定してもらうお店により値段が大きく異なるのも事実。今後の伸びに大きく期待できるブランドです。 3.時計投資に向いているブランド3つの特徴 時計投資にはブランドによって向き不向きがあります。 定価の安い時計やあまりにもマイナーなブランドは定価を超えることが少なく、投資には向いていないです。 投資に必要なのは『大多数からの人気・コアなファンがいる・投資家が運用しているブランド』この3つのポイントです。 3-1.①人気が高い 例えば、ロレックスは日本人だけでなく世界中で愛されているブランドです。誰でも知っている高級ブランドで世界中で需要が高いため、相場は高い位置で安定しております。 昨今の高級時計ブームに乗っかる形で相場が急上昇し、現在では定価を超えるアイテムも多く存在。転売ヤーが定価を超えるアイテムを購入してしまうため、ロレックス正規店では転売しそうな人に売らないように対策をしていているようです。 世界中で知名度が高く、ロレックスのように長い歴史があるブランドであれば相場が下落する可能性も少なくなるため、時計投資に於いては、人気や歴史を遡ってみるのもおすすめです。 3-2.②コアなファンがいる パテックフィリップやオーデマピゲ、、また5章で後述するヴァシュロンコンスタンタンには1点の共通点があります。 それは『ジェラルド・ジェンタ』シリーズです。 パテックフィリップのノーチラス、アクアノート。オーデマピゲのロイヤルオーク。そしてヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ。このアイテムをデザインしたのがジェラルド・ジェンタです。 ノーチラス、アクアノート、ロイヤルオークは天井が見えているくらい相場が高くなっています。そして最近ではオーヴァーシーズの相場がグングン伸びていることもあり、ジェラルド・ジェンタがデザインしたシリーズは今後も注目です。 3-3.③投資家が運用している 投資先を選ぶポイントとしてもっとも重要なポイント。投資に慣れている場合は先読みをして投資先を決めることもできますが、慣れていないときは先輩の真似をすることが手っ取り早いです。 投資家が短期運用している時計は主に『ロレックス』『パテックフィリップ』『オーデマピゲ』の3ブランドです。この中でもロレックスは購入難易度が低いこともあり、時計投資を始める方にとても人気なブランドです。パテックフィリップやオーデマピゲは購入難易度がかなり高く、定価が超えるアイテムはほぼ購入不可能と思っておくと良いです。 先読みとして人気だったのがヴァシュロン・コンスタンタンの4500VシリーズやA.ランゲ&ゾーネですが、これらのアイテムも購入までの敷居が高く初心者向けではありません。 また、超金持ち向けにはなりますが、もしも資本をお持ちの場合にはリシャールミルを検討してみると良いかもしれないです。2年前まで1,000万円だった時計が5,000万円前後になるなど、投資家間、セレブ間でとても人気が高いブランドです。 昔は一部の人のみが購入できたブランドですが、今では流通量が多くタイミングによっては購入できるかもしれないので、興味があればぜひご検討ください。 4.時計投資を行う際に気をつけるべき5つのポイント 投資をしているときメリットと合わせて考えなければいけないのがデメリット。 今までは時計投資を始めるにあたり良い部分だけを抜粋して紹介してきましたが、ここでは悪い部分に焦点を当ててお伝えさせていただきます。 ※デメリットと言うよりは注意点に近いです。 時計投資は全てのブランド全てのアイテムが良いと言うわけではありません。 当然ながら価値があがりにくいアイテムがあったり、一般的には良さそうに見えるものが上がらなかったりと知っておいた方が得するポイントが沢山あります。 時計投資を失敗しないためにも気をつける点を押さえておきましょう。 4-1.①購入は中古がいいとは限らない ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲなどのブランドは、新品を購入した瞬間に買取価格が定価を超えるアイテムも存在します。そのようなブランドでは逆に中古はプレミア価格がついていることもあり、中古での購入はおすすめできません。 もちろん物によっては廃盤になっていて中古購入しかできない場合もございますが、そのような場合を除くと、ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲなどのブランドは新品購入することをおすすめします。 逆にロジェデュブイは少しずつ買取価格が上がっているブランドで、現在はプレミア価格がついていないアイテムです。そのため中古で購入することにより、買取価格を抑えることもできるため、プレミア価格がついていないアイテムに関しては中古で購入するのが良いでしょう。 4-2.②貴金属やコンプリケーションが高いわけではない 貴金属やコンプリケーションウォッチは他の時計と比べて定価がかなり高いです。定価が高いためこのようなアイテムが投資に向いていると思われがちですが、実際にはそう言うわけではありません。その理由は単純で、需要が少なく、供給が余っているためです。 需要が多いのは一般的に所持しやすいアイテムです。貴金属素材が使われている物や、コンプリケーションのようなアイテムは購入層を絞ってしまうこともあり、投資には向いていない場合が多いです。 しかし、ロレックスのデイトナ、パテックフィリップのノーチラスやアクアノート、オーデマピゲのロイヤルオーク、ヴァシュロン4500Vシリーズなどの貴金属素材(金無垢)はセレブ層から人気が高いため、このアイテムの金無垢素材は相場がかなり高くなります。 このように一般的に人気が高いアイテムの貴金属素材(金無垢)は相場が上がる可能性があると覚えておくと良いでしょう。 4-3.③使わず置いておくのは良くない 時計は生き物です。時々動かしてあげることがメンテナンスに繋がります。 使わずにずっと置きっぱなしにしてしまうと内部の機械油が硬化、劣化してしまいます。腕時計は使わない場合でも3ヶ月に1度はゼンマイをフルに巻いておくことで劣化を防ぐことができますので、適度に動かすように心がけましょう。また、自動巻の時計の場合にはワインディングマシーンを使うと言う選択肢もありますので、合わせて検討すると良いでしょう。 買取金額は外側の傷が大切なのは当然ですが、内部の状態もとても大切です。日差(時間のズレ)があまりにもひどい場合は買取価格が大幅に下がってしまう可能性もありますので、時計のメンテナンスは適度に行うようにしましょう。 4-4.④購入場所により価格が異なる 中古商品にはメーカー小売価格が存在しないため、小売店で自由に値段を設定することができます。相場の動きに合わせて販売価格を動かすことも多いのが古物業界です。そのため、全く同じ商品でもお店により販売価格が異なります。 新品をメーカーや正規代理店で購入するのではなく、中古品を購入するタイプの投資の場合には仕入れるときに複数の店舗を確認することがオススメです。 4-5.⑤売却先により金額が大きく異なる 時計投資に於いて最も重要なポイントです。それは売却先。いくら相場が上がっていたとしても買取店の買取金額が低い場合は全く意味がありません。時計というのは相場がありつつも買取店によって強い弱いが存在しているため、販売店選びがかなり重要です。 例えばリシャールミル、パテックフィリップ、オーデマピゲなどのいわゆる雲上ブランドは、情報が出回っていないブランドなので買取価格に大きく差が開きます。情報の薄いアイテムは買取店が損しない金額で購入することが多いため、安価になりがちです。しかし、このようなブランドに強い店舗では相場に近い金額、相場が存在しないアイテムでも欲しい人と繋がる力を持っているので、高価買取をしやすい傾向にあります。 高級時計を売るならESTIMEへ! 弊社ESTIMEではリシャールミル、パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタン、などの超高級時計と言われるブランドはかなり得意です。大小関わらず業者様からもお買取させていただいておりますので、お持ちの方はぜひご相談頂けますと幸いです。 5【番外編】時計投資に向いているシリーズ5選 ここからは人気ブランドという視点から少し外れた番外編をご紹介させていただきます。 正直なところ、初めにご紹介したブランドは購入難易度がかなり高く、投資をしたいにもできないという人がかなり多いのが現実です。 ロレックスマラソンという言葉がある通り、何度も通ってようやく手に入れられるのがロレックス。 パテックフィリップ、オーデマピゲ、リシャールミルなどの雲上時計はそもそも購入することすら難しいです。購入するには購入時点で投資としては赤字となってしまうアイテムを購入しなければ行けなかったり、投資を始めるにあたってハードルがかなり高いです。 そこでこの章では、もちろん上記のようなハードルが高いアイテムもありますが、購入難易度が割と低めで狙い目なアイテムをご紹介させていただきます。 5-1.ロレックス-アンティーク 4桁、5桁ロレックスと呼ばれるアンティーク(ヴィンテージ)ウォッチ。 アンティーク品は中古市場で出回っているため、あらゆる場面で購入することができます。新品とは異なり長期的な投資となりますが、アンティーク品にはアンティーク品にしかない楽しみがあるため、投資をしていても楽しいです。 最近では生まれ年ロレックスを所有している人も増えてきており、今後は生まれ年ワインと同等に流行ってくるのではないかと言われています。ロレックスのアンティークには経年劣化の楽しみがあります。アンティーク品について詳しくお伝えすると5万文字以上になってしまうので、大切な経年劣化について簡単にご紹介させていただきます。 5-1-1【経年変化の奇跡 フジツボ】 ダイヤルが経年変化による塗装剥がれにより、ブラウン、ゴールド、ブルー、パープルなどのカラーに輝くダイヤルが存在します。 例えば通称フジツボと呼ばれるロレックスサブマリーナ16808のブルー文字盤はゴールドに輝く劣化とパープルに輝く2種類の経年劣化があります。この経年劣化によって販売の最低価格は300万円以上で最高額は650万円(執筆時現在)とかなり幅が広くなっております。 5-1-2【トロピカルダイヤル】 ロレックスではミラーダイヤルという1967年頃まで製造されていたダイヤルが存在します。そのダイヤルは経年変化によりひび割れが起こったり、ブラウンカラーに変化します。その経年変化の中でもブラウンカラーに変化したものをトロピカルダイヤルと呼びます。 ※トロピカルダイヤルはロレックス以外にもオメガやパテックフィリップなどにも使われるため、ミラーダイヤルがブラウン化したものをここではトロピカルダイヤルと呼びます。 フジツボなどのパープルダイヤルやブルーダイヤルなどと同じようにブラウンカラーの状態により価格が大きく異なります。 この二つの経年変化だけをみても状態によって価格が大きく異なることがお分かりいただけたかと思います。 その他にも文字盤などの部品交換されていないかどうか、いわゆるオリジナルなのかどうかもかなり重要となりますので、覚えておくといいでしょう。 5-2.オメガ-スヌーピー スヌーピーはNASAのアポロ計画の公式マスコットキャラクターです。 NASAが宇宙でも耐える時計として採用されたオメガ。その記念として生まれたのNASAとのコラボウォッチであるオメガスヌーピーです。 定価が120万円前後のスヌーピー(スピードマスター)ですが、中古市場では500万円以上の値段がつくことも珍しくないアイテムです。その代わり限定本数が決められていたり、限定本数が決められていないにも関わらず流通本数が極端に少ないものが多いため、購入難易度がかなり高いアイテムです。 ロレックスのように為替で相場が動くようなアイテムではなく、コレクターによって左右される商材なので、相場の上がり下がりが激しいのが特徴です。 安い時に買うことができれば将来的に上がる可能性が高い商品なのでおすすめですが、購入時期によっては損してしまう可能性もあります。 とても可愛らしい時計なので、個人的にはコレクションしておきたい時計です。 5-3.ヴァシュロンコンスタンタン-オーヴァーシーズー 雲上ブランドの一つヴァシュロンコンスタンタン。そして時計の相場が上がり続けているジェラルトジェンタシリーズの一つオーヴァーシーズー。 2010年代後半はまだ誰でも購入することができ、中古市場も定価を割っていたオーヴァーシーズーですが、昨今の時計ブームに乗っかる形で相場高騰中のブランドです。 パテックフィリップやオーデマピゲと比べると購入難易度はかなり低めです。 一般的には三針の時計よりもクロノグラフ機構時計の方が相場が高くなりますが、オーヴァーシーズーは特殊で、三針の方が人気が高いためクロノグラフと三針の差がほとんどありません。最近では金無垢のオーヴァーシーズー(4500v/110r-b705:定価¥6,468,000)の中古売価が1200万円を超えるなど、かなり注目されている時計です。 5-4.A.ランゲ&ゾーネ-オデュッセウス パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロンコンスタンタンの世界三大時計にA.ランゲ&ゾーネ、ブレゲのドイツ時計を入れると世界五大時計と呼ばれます。 最近ではYoutuberのヒカルさんが、宮迫さんに自身が無くしてしまったA.ランゲ&ゾーネをプレゼントしたことで若い世代にも名前が広まった時計です。 そんなランゲ&ゾーネで時計投資としておすすめなのがオデュッセウス。 オデュッセウスはランゲ&ゾーネの中で唯一定価超えするラインです。しかし、オデュッセウスを購入するために他の時計を買う必要があるため、購入難易度はかなり高め。 これからも上がる可能性が高いブランドなので、狙っていきたいブランドの一つです。 5-5.ウブロ-ビッグバン 成功者の時計としてブランディングされたブランドことウブロ。 メジャーリーガーなどの成功者が着用していることでそのイメージがついている人も多いかと思います。 ウブロの中で最も人気なアイテムがビッグバン。中古市場は定価を割っているため購入するなら中古がおすすめです。 少しずつ、少しずつではありますがウブロの時計相場も上がってきております。他の時計と比べて新品購入したものが上がるというわけではありませんので、長期的な投資としておすすめです。 また、知名度も高いブランドなので、普段使用する時計としてもオススメです。 まとめ 今回は時計投資についてご説明させていただきました。 時計投資と行っても短期なのか長期なのか2種類に分かれ、昨今の時計相場事情からは短期的な投資が増えてきております。 特にリシャールミルでは定価2000万円の時計が短期間で5000万円になるなど、1本の時計の利益だけで車を購入できるくらい、投機的なアイテムといえます。 時計投資の難易度で言うとロレックスが最も難易度が低く、リシャールミルやパテックフィリップ、オーデマピゲなどはかなり高いです。 ロレックスは在庫さえあれば売ってもらうことができますが、リシャールミルなどは在庫があったとしても売ってもらえないことが多いため、購入難易度がかなり高めとなっています。 5章では中古市場について軽く触れてみましたが、アンティーク品であれば誰でも購入ができるためオススメではありますが、長期的な投資となるため、ある程度余裕のある資産が必要となります。 丁寧に綺麗に使いながら相場が良い時に売るというスタンスがあっている方はアンティーク品から触ってみると良いかもしれません。 弊社ESTIMEでは高級時計を中心に買取、販売を行っております。 お持ちの時計がいくらになるのか気になる方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ https://estime.co.jp/column/new-employee-watch-m/ 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パネライといえば大ぶりでシンプルな時計が思い浮かぶように、デカ厚ブームの草分け的存在として知られていますが、最近では多機能モデルや自社製ムーブメント、女性向けシリーズなど多種多様にパネライの世界観を拡げています。高級時計ブランドとして再スタートしたのは90年代のことですが、元々精密機器メーカーとして名を馳せていたのもあり、技術力には定評がありました。この記事ではパネライの歴史、特徴、シリーズや芸能人、注目モデルについてまとめます。 1.【デカ厚ブームの先駆け】パネライとは? パネライとは、1860年にイタリア・フィレンツェで創業された高級時計ブランドです。軍用時計をルーツに持つことで知られており、最大の特徴は存在感のある大ぶりなケースとシンプルで視認性の高い文字盤。1990年代後半に訪れた“デカ厚ブーム”の先駆けとして、時計業界に大きなインパクトを与えました。 ラジオミールやルミノールといった代表コレクションは、パネライらしさを象徴するアイコン的存在。ミリタリーテイストとイタリアンデザインを融合させた唯一無二のスタイルで、現在も根強い人気を誇ります。続いては、そんなパネライの歴史とブランドの成り立ちを詳しく見ていきましょう。 2.【デカ厚ブームの先駆け】パネライの歴史 2-1.1860年イタリアフィレンツェで精密機器の工房として創業 1860年ジョバンニ・パネライによってフィレンツェのグラツィエ橋に時計店をつくったのが始まりです。元々輸入時計の販売や修理、照準器などの光学機器の制作を行っていました。時計工房としてだけではなくフィレンツェ初の時計製造学校としての役割もあったと言われています。 1876年からフィレンツェ市内の様々な場所に移転後、1920年に現在の場所に落ち着きました。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の前のアルチヴェスコヴィレ宮に店舗を構えました。OROLOGERIA SVIZZERA(オロロジェリア・スヴィッツェラ)」という屋号を掲げ、この名前はフィレンツェにおける高級時計の代名詞となっています。 1916年、イタリア海軍向けに照準器などの精密機器を納めていました。軍からの要請により海軍の少佐にも協力してもらいながら、ラジウムを使用した粉末を計器やダイヤルの照準器に塗布することで、暗い場所でも高い視認性を確保することができるようになりました。こうして生まれたラジオミールはフランスで特許を取得しており、パネライの主力製品となっています。 1935年イタリア海軍からの新たな要求は潜水用時計でした。それに応えるように生まれたのがラジオミールです。最初の試作品は1936年、その後4年かけて完成度を高めていき、できあがったのがRef.3646です。 Ref.3646は現在のラジオミールへ様々な特徴を受け継いでいます。大型ケースサイズ47mm、より視認性を高める効果のあるサンドイッチ文字盤、クラシックな印象のワイヤーラグ、12・3・6・9のアラビアインデックスとバーのアワーマーカーの組み合わせなど、雰囲気は現行のラジオミールそのもの。受け継がれてきたDNAを感じさせます。 1949年新たにルミノールという名前の発光・蛍光物質の特許を取得しました。軍事・民事ともに開発が進んだことで、放射性物質を含む素材への取り扱いを配慮した名称にする必要があったためです。 1950年代に入り、40年代から構想のあった将校のためのクロノグラフ搭載モデルの試作を行いました。しかし実際には2〜3本だけの製造に留まり、現在では撮影用と試作品1本だけが残っています。 1956年「GPF-2/56」というダイバーズウォッチを開発し、エジプト海軍へ納めました。エジプシャンの愛称で呼ばれるこのモデルはケースサイズ60mmの圧倒的なインパクト、軍事使用を想定した堅牢さ、潜水時間を計測できる回転式ベゼルを搭載していました。ムーブメントはアンジェラス製で8日間のパワーリザーブと高いスペックを誇っています。ちなみにパネライのモデルに多くに採用されているリューズガードはこのモデルからで、サブマーシブルのルーツとなっています。 1972年ジュゼッペ・パネライの死去により、エンジニアでありイタリア海軍士官を務めたディノ・ゼイに家業を引き継ぎました。このとき、G. パネライ&フィグリオ(G. Panerai & Figlio)」から「オフィチーネ パネライ(Officine Panerai S.r.l.)へブランド名を変更しています。 2-2.1993年から高級時計ブランドとして再スタート 1993年東西冷戦の終結により軍用需要が激減したことへの対策として、一般向け腕時計の参入を決断しました。ケースサイズ44mmの「ルミノール」と「ルミノール マリーナ」、そして42mmの「マーレノストゥルム」クロノグラフからシリアルナンバー入りの合計10種類が展開されました。イタリア海軍特殊潜水部隊からの要請で生まれた時計たちでしたが、この年に軍事機密指定が解除されたことで公開を決めたのでした。 アメリカの俳優シルベスター・スタローンとのコラボモデル「スライテック」が生まれたのは1996年公開のデイライトに合わせてのことです。「スライ」はシルベスター・スタローンの愛称で、映画で着用するために依頼した特注品です。 2-3.1997年リシュモングループ傘下へ 1997年パネライはリシュモングループ(当時はヴァンドームグループ)の傘下に入り、翌年1998年のSIHHでデビューしました。ルミノール、ルミノールマリーナ、マーレノストゥルムを公開し、高い評価とデカ厚時計ブームの波を起こしたのでした。 2001年フィレンツェのサン・ジョヴァンニ広場にあったパネライ一族所有のブティックを獲得し、現行のコレクションや限定モデルを展開する特別なブティックとしてオープンしました。 2002年にはスイスヌーシャテルにマニュファクチュールを設立。これ以降パネライは自社製ムーブメントの開発など、時計製造技術を磨き上げていきます。2005年には自社製ムーブメントCal.P2002を開発。1950年採用したアンジェラス製のムーブメントと同じ8日間パワーリザーブを備えています。2007年にP2003・P2004・P2005、2008年にP2006とP9000と続けて自社製ムーブメントを発表しています。 2013年にはスイス・ヌーシャテルの丘陵地帯にあるピエール・ア・ボットに新たなマニュファクチュールを建てました。新しいマニュファクチュールでつくられるのはミニッツリピーターといった複雑系やルミノールドゥエのような新しい世界観のパネライなど、新たなパネライをつくっていく工場となっています。 3.【デカ厚ブームの先駆け】パネライの魅力 3-1.堅牢で視認性の高いデカ厚ブームの先駆け的存在 現在でも続いているデカ厚ブーム、ケース径が大きく分厚い時計のトレンドの火付け役はパネライだったと言われています。1998年、リシュモングループ傘下となったパネライ初のSIHHで44mmケースサイズの時計が発表されたとき、大きな注目を浴びました。当時の主流といえば35mm〜38mmだったため、強烈なインパクトを残したとされています。 その後様々なメディアで取り上げられるようになり、今ではスタンダードなサイズは38mm〜42mmとなっています。雲上時計と言われるパテック・フィリップやヴァシュロン・コンスタンタンですらサイズアップをするほど、時計業界全体を巻き込んだ動きとなりました。 しかしパネライは決して奇をてらったわけではありません。ルーツとなる1935年のラジオミールは47mm、その後改良されてリューズガードを付けたルミノールも47mmと軍用時計だったこともあり、軍服の上から付けることを想定していたのかもしれません。1997年に民間向けに発表されたルミノールはそれらをルーツとするため44mmの大型時計として発表されたのでした。そこに目をつけたリシュモングループの先見の明と審美眼の賜物といえるでしょう。 3-2.発光力の強いサンドイッチ文字盤 パネライのデザインで大きな特徴の一つがサンドイッチ文字盤です。通常、文字盤に対しインデックスはプリントするか立体物を留めるかとなりますが、サンドイッチ文字盤は文字盤のインデックス部分に穴を開け、文字盤の下に夜光処理されたディスクを入れることで、より明るく、しかも立体的に見せることに成功しています。 元々は3枚構造で、上のプレートに穴を開け下のプレートに夜光処理を施し、間にプレキシガラスを挟み込んで塗料を保護する手法でしたが、現在では上記のような2枚構造となっています。軍用に時計を卸していた際にも採用されましたが、あまりにも夜光処理が明るすぎて敵に見つかるため、改良を求められたというエピソードがあります。 植字のような立体物に夜光処理を施した場合、暗い場所で見ると放射状に光るため輪郭がぼやける傾向があります。しかしサンドイッチ文字盤のように文字盤で光る方向が矯正されている場合はしっかりと輪郭が見えるようになるため、任務で使うようなできるだけ短時間で時刻を見る場合に有用な機能です。 3-3.どのシリーズにも共通のデザインベースをもっている パネライのシリーズはどれを見ても、共通のデザインコードとなっています。パネライらしいデザインと一言で言うこともできますが、歴史を知れば理解が深まります。 前述の通り、パネライの腕時計はラジオミールに始まり、ルミノールへ続きマーレノストゥルムやサブマーシブルへ展開していきました。ルミノールはラジオミールを改良したデザインとして開発され、サブマーシブルはルミノールから派生したエジプシャンがルーツとなっています。つまりそれぞれのシリーズは遡っていくとすべてラジオミールに通じており、同じデザインから派生しているため似た雰囲気をもっているのです。 軍用時計に特化したメーカーが一般向けに販売を始めたこともあり、通常の腕時計メーカーのように幅広い商品展開ではなかったことも理由の一つです。軍事活動向けにつくられていたこともあり、多機能モデルやスポーツウォッチ、ドレスウォッチの展開といったブランディングの歴史もこれからといったところです。逆にいえばパネライの雰囲気が好みであれば、これから広がっていく世界観は楽しみであるといえるでしょう。 4.【デカ厚ブームの先駆け】パネライの代表シリーズ 4-1.ルミノール ルミノールはパネライのアイコン的存在となるシリーズです。パネライが特許を取得した夜光塗料がシリーズ名の由来で、先立って開発されたラジオミールを改良して1950年に発表されました。 パネライが1997年に民間向けの展開を始める際に選んだのはラジオミールではなくルミノールでした。様々な理由が考えられますが、リューズガードの有無は当時業界を驚かせたデカ厚時計としての展開にさらにインパクトを与えるためのものだったかもしれません。 今ではパネライを代表するシリーズとして多くのモデルが発表されており、後述のサブマーシブルなど独立したシリーズとなったものもあります。クロノグラフ、GMT、ケースデザインにこだわったハイエンドの1950など幅広く展開されています。ケースサイズが40mm〜50mmとバリエーション豊かなのも特徴です。 4-2.ルミノール1950 ルミノール1950はパネライの基幹シリーズとなるルミノールのハイエンドモデルです。1950の名の通り、ルミノールの初期モデルに着想を得てつくられており、ルミノールよりも立体感のあるケースデザインが特徴となっています。 リューズガードに刻まれた「REG.T.M.」(Registered Trade Mark)の文字が刻印されており特許を取得していること、日付窓に拡大レンズがないことがわかりやすい点です。ルミノールよりも丸みを帯びたすり鉢状の曲線ケース、大きめのRが付き脚の長めのラグなど基となるラジオミールのDNAを感じさせるデザインとなっています。 4-3.ルミノールドゥエ ルミノールドゥエは2016年発表のシリーズで、これまでのルミノールをベースにサイズダウンしたことで幅広いユーザーがパネライを候補に入れることとなりました。使い勝手はそのまま45mm〜38mmのケースサイズとなり、女性ユーザーが増えるきっかけとなっています。革ベルトや文字盤バリエーションについても女性ユーザーを意識したエレガントさを重視したデザインが多くなっています。 ドゥエとはイタリア語で数字の2を意味しており、ルミノールの第2世代を表していると言われています。これまでのデカ厚ブームからサイズダウンへの流れを感じた時計業界のトレンドに乗るための変革のシリーズといえます。 4-4.ラジオミール ラジオミールはパネライが開発した夜光塗料からとった名前です。ラジウムを主原料とした塗料で主に軍用の時計、計器のダイヤルに塗布され夜間でも高い視認性を誇っていました。当時のパネライは暗闇を基本とする特殊潜水部隊での使用が主だったため、暗い場所でも視認できる機能が不可欠でした。1935年イタリア海軍からの要請により開発されたのがラジオミールを塗布したダイバーズウォッチがラジオミールのルーツです。 1997年リシュモングループ(当時ヴァンドームグループ)の傘下となった後、限定モデルとしてラジオミールを復刻した際の人気ぶりに2004年にはレギュラー入りを果たしました。 実はラジオミールこそがパネライのルーツであり、ルミノールはラジオミールの改良版といえるため、デザインコードはかなり似通っています。ラジオミールをルミノールと一目で見分けられるのはリューズガードの有無です。また、クラシックなワイヤーラグを採用しているラジオミールケースと、モダンなデザインにチューニングされたラジオミール1940ケースに分かれています。ラグ形状の変更などちょっとしたパーツの差ですが、好みのデザインを選びやすい仕様です。 4-5.サブマーシブル サブマーシブルはパネライによる本格ダイバーズウォッチシリーズです。42mm〜47mmで展開される大型ケース、300mを超える防水性、大型のリューズガードなど堅牢さに重きがおかれた重量のあるシリーズです。 サブマーシブルの源流はルミノールです。1956年にエジプト海軍潜水特殊部隊用のダイバーズウォッチとして開発されたモデル(後にエジプシャンと呼ばれる)は、ルミノールのプロトタイプとされています。このデザインを基に開発されているのがサブマーシブルです。ちなみにこのエジプシャンは後にエジツィアーノという名前で復刻されますが、ケースサイズ60mmの規格外サイズでした。しかし世界限定500本はすぐに完売の人気ぶりです。 2019年にサブマーシブルとして独立しますが、それまではルミノールの中の派生モデルといった扱いでした。その影響で文字盤ロゴが「LUMINOR SUBMERSIBLE」から「PANERAI SUBMERSIBLE」に変更されています。 4-6.フェラーリスクーデリア フェラーリスクーデリアは高級車メーカーのフェラーリとのコラボレーションで生まれたシリーズです。2006年から5年間パートナーシップを結び、数々のモデルを発表しました。 パネライのデカくて厚いケースに丸みを強調させたクッションケースが特徴です。文字盤カラーはブラック、イエロー、レッドが展開されましたがいずれもフェラーリの跳ね馬ロゴが存在感のあるシンプルなデザインに仕上がっています。クロノグラフ、GMT、パーペチュアルカレンダーなど多機能で展開されており、パネライの中では異色の存在です。 既に廃盤となっているシリーズですが、パネライの堅牢さとフェラーリの高級感がマッチし機能も豊富なので、2022年現在でも中古市場での人気が衰えていません。 5.【デカ厚ブームの先駆け】パネライを愛用している芸能人・有名人5選 5-1.成田凌 ルミノールマリーナ3DAYS アッチャイオ Ref.PAM00312 俳優 成田凌さんが着けているのはルミノールマリーナ3DAYS Ref.PAM00312です。成田さんはドラマなどでオメガスピードマスター、コンステレーションを着けていたのが知られています。比較的コンサバなデザインが好まれているようです。 同様にドラマで着用されていたルミノールマリーナ3DAYS アッチャイオ Ref.PAM00312は最もポピュラーなルミノールの一本です。自社製ムーブメントCal.P9000を搭載し、パワーリザーブは3日間、アッチャイオとは鉄を意味しておりステンレスケースを採用しているため実用的です。パネライのアイコン的存在といえる一本です。 5-2.田中圭 ルミノール マリーナ ロゴ アッチャイオ Ref.PAM00660 俳優 田中圭さんが着けているのはルミノール マリーナ ロゴ アッチャイオ Ref.PAM00660です。田中さんはロレックス、ティソ、セイコーといったシンプルさが特徴のブランドの時計を主に着けているのが見られています。重厚感というよりはラフなイメージの時計が好みのようです。 Ref.PAM00660は44mmのスタンダードなルミノールです。ステンレスケース、汎用ムーブメントを改良したものを搭載しているのもあり、コストパフォーマンスに優れています。現行では自社製ムーブメントへの置き換えが進んでいるパネライですが、使い勝手とコストパフォーマンスでいえば、中古市場でのこういった基本モデルを候補に入れるのも悪くない選択といえます。 5-3.桐谷健太 ラジオミール8デイズチタニウム Ref.PAM00346 俳優 桐谷健太さんが着けているのはラジオミール8デイズチタニウム Ref.PAM00346です。桐谷健太さんは普段スポーティーな時計を好んで着けており、ロレックスサブマリーナやGSXの時計をよく使っているようです。 Ref.PAM00346はシンプル・クラシックなラジオミールの一本で、チタン製ケースの鈍いグレーが印象的です。軽量でキズがつきにくく、大振りなラジオミールとの相性は抜群。自社製ムーブメントCal.P2002/9を搭載しており、3デイズの通りパワーリザーブは3日間となっており、デカ厚のパネライウォッチですが取り回しもよく使い勝手の良い一本です。 5-4.ジェイソン・ステイサム サブマーシブル Ref.PAM00382 ブロンズ 俳優 ジェイソン・ステイサムさんが着けているのはサブマーシブル Ref.PAM00382 ブロンズです。ジェイソン・ステイサムさんはゴツい時計好きでタグホイヤー、IWCや映画トランスポーターではパネライの時計を多く着用しています。 Ref.PAM00382はサブマーシブルのブロンズ(銅)ケースモデルで、2011年発表の世界生産限定1000本です。ブロンズ製のケースは酸化して変色していくため、経年の変化が楽しめます。深めのグリーン文字盤ともマッチしており、古くからあるヴィンテージウォッチのような風合いが特徴です。自社製ムーブメントCal.P9000を搭載しており、3日間のパワーリザーブで実用性の高いモデルとなっています。 5-5.石坂浩二 フェラーリスクーデリア Ref.FER00022 俳優 石坂浩二さんが着けているのはフェラーリスクーデリア Ref.FER00022です。石坂さんは時計好き、という情報はあまり見られませんが、アランシルベスタインとパネライの2本を着けているようです。かなり変わったチョイスです。石坂さんはフェラーリずかんという本を出版するほどフェラーリを愛用していることが知られており、パネライフェラーリが選ばれた大きな理由と思われます。 フェラーリスクーデリア Ref.FER00022は自社製ムーブメントP2003/5を搭載しており、GMT、3日間パワーリザーブを備えています。GMT針の午前午後を判別するインダイヤルも備えています。跳ね馬のロゴなど、デザインが独特なのでフェラーリファンにはたまらないモデルとなっています。 6.【デカ厚ブームの先駆け】パネライのおすすめモデル5選 6-1.ルミノール 1950 イクエーション オブ タイム 8デイズ GMT チタニオ Ref.PAM00670 Ref.PAM00670は多機能を備えたルミノール1950です。1950年代のルミノールを基にした古き良き時代の雰囲気をまといつつ、均時差という珍しい機能を備えています。天体を一定の速度で動くと考えた平均太陽と実際の天体の動きからみる時刻の差で、その時間差を6時位置のインジケータで表示する機能です。 自社製ムーブメントのP.2002/Eを搭載しており、3時位置の月と日付、中心に時針に同期して動くGMT針、9時位置にスモールセコンドと午前午後を示す針と多くの機能を備えています。パワーリザーブは8日間で、チタン製のケースを採用することで軽量でキズがつきにくく日常使いしやすい機能が多く備わっています。 6-2.ラジオミール 1940 3デイズ GMT アッチャイオ Ref.PAM00657 Ref.PAM00657はラジオミールの中でもモダンなケースデザインが特徴の1940です。ワイヤーラグからケースに沿うような形状のラグへ、厚みが抑えられておりスリムに仕上がっています。文字盤は縦に溝を切ったストライプ模様となっており、高級感と立体感が際立っています。植字インデックスを採用していますが、サンドイッチ文字盤と同じフォントを採用しています。 ムーブメントは自社製Cal.P4001を搭載しており、文字盤中央は時分針とGMT針となっています。9時位置にスモールセコンドと午前午後を表示するインダイヤルとなっています。シースルーバックからはマイクロローターとパワーリザーブの表示を見ることができます。マイクロローターは最近では自社製ムーブメントなど、高級機でしか見る機会のない機構なので、希少さも品格を底上げしています。 6-3.ルミノールドゥエ Ref.PAM01248 Ref.PAM01248はルミノール第二世代と言われるルミノールドゥエの一つです。機能はシンプルな3針・日付表示となっており、サンドイッチ文字盤やリューズガードなどルミノールの特徴をしっかり残しています。 最大の特徴はパネライとして最小サイズの38mmケースです。自社製ムーブメントCal.P900を開発したことで「パネライ=デカ厚」の殻を破ることに成功しています。文字盤は放射状のサンレイ仕上げで、カジュアルな印象なので女性も手に取りやすいデザインに仕上がっています。 6-4.サブマーシブルブルーノッテ Ref.PAM01068 Ref.PAM01068は2021年発売のサブマーシブルです。これまでのような黒文字盤のサンドイッチ文字盤ではなく、ブルーノッテ=ミッドナイトブルーの文字盤を採用しており、他ブランドでも共通で見られるダイバーズウォッチの雰囲気をもっています。同時にクッションケースや大振りなドットインデックスなど、パネライの雰囲気もしっかり残されています。 セラミックベゼルや3時位置の日付表示、300m防水性などポピュラーなダイバーズウォッチと同じように使うことができるのも安心です。ムーブメントは自社製の自動巻きキャリバーCal.P900を搭載しており、3日間のパワーリザーブも使い勝手の良い点です。 6-5.ルミノール クアランタ レイザー スペシャルエディション Ref.PAM01353 Ref.PAM01353は2022年新作で、ゲーマー向けのブランド「レイザー」とのコラボレーションモデルです。500本限定生産となっており、パネライブティックか公式HPのみの展開です。レイザーのブランドカラーとなるブラックとネオングリーンで構成されており、黒文字盤に9時位置のインダイヤルで動くスモールセコンドがネオングリーンとなっています。 パネライはサステナビリティへの取り組みを積極的に行っており、Ref.PAM01353についても eSteel というリサイクルスチール合金を採用し、ブラックDLC加工を施し強度や質感をアップさせています。ムーブメントは自社製自動巻きキャリバーCal.P900を採用しています。 7.【デカ厚ブームの先駆け】パネライ パネライの歴史、魅力、代表シリーズなどをまとめました。パネライ=デカ厚時計といった世界的なトレンドを生みつつも、第2世代としてデカ厚時計からの脱却を図るなど、これからが楽しみなブランドとなっています。マニュファクチュールを建てることで複雑系の開発など、これまでにないパネライの世界観が広がっていくことが期待されています。パネライの時計を見かけたらぜひ一度てにとってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/panerai-lame/ https://estime.co.jp/column/divers-watches-list/ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/
ロレックスのアイコンモデルといえば何を思い浮かべるでしょうか。サブマリーナ、コスモグラフデイトナなど人それぞれ違うのは、ロレックスが機能別に幅広い展開をしつつもそのどれもがしっかりと個性をもった時計だからです。 特にサブマリーナやGMTマスター等プロフェッショナルシリーズと呼ばれるスポーツモデルは多くのシリーズを展開し、どれもが世界的に高い人気となっています。この記事ではロレックスのスポーツモデルについてまとめます。 1.ロレックスのモデルは大きく分けて2つ! 出典:ROLEX ロレックスの時計にはさまざまなモデルがありますが、大きく分けると「スポーツモデル」と「ドレスモデル」の2つに分類されます。スポーツモデルは、耐久性や防水性に優れた実用的なデザインが特徴で、プロフェッショナル向けに開発されたものが多くあります。一方、ドレスモデルは、エレガントなデザインと高級感が魅力で、ビジネスやフォーマルなシーンにも適した洗練されたスタイルが特徴です。 ロレックスの中でも特に人気が高いのは、やはりスポーツモデル。サブマリーナやデイトナなどの伝説的なコレクションが揃っており、資産価値の高さでも注目されています。 では、スポーツモデルとドレスモデルの違いを詳しく見ていきましょう! 1-1.スポーツモデル スポーツモデルは、ロレックスの中でも特に人気が高く、多くのファンが憧れるコレクションです。もともとは、ダイバーやパイロット、レーサーなどのプロフェッショナル向けに開発された実用的な時計であり、耐久性や防水性、視認性に優れています。 代表的なモデルには、ダイバーズウォッチの「サブマリーナ」、レーシングクロノグラフの「コスモグラフ デイトナ」、パイロット向けの「GMTマスターⅡ」などがあります。どのモデルも、ロレックスならではの堅牢な設計と時代を超えたデザインが特徴で、実用性だけでなく資産価値の高さでも注目されているのがポイントです。 特に、スポーツモデルは需要が高く、新品はもちろん、中古市場でも価格が高騰しやすい傾向があります。投資目的で購入する人も多く、資産価値を重視するならスポーツモデルは外せない選択肢です! 1-2.ドレスモデル スポーツモデルに対して、ドレスモデルはエレガントで洗練されたデザインが特徴。シンプルでクラシカルなデザインが多く、ビジネスやフォーマルな場面でも違和感なく着用できます。 代表的なモデルには、ロレックスの定番「デイトジャスト」や、上品なデザインの「チェリーニ」、高級感あふれる「デイデイト」などがあります。特に、デイデイトは18Kゴールドやプラチナケースのみの展開で、ロレックスの中でも最もラグジュアリーなラインとして知られています。 ドレスモデルは、スポーツモデルほどの市場価格の変動は少ないものの、ロレックスらしい高級感と時代を超えたデザイン性が魅力。落ち着いた印象を求めるなら、ドレスモデルは最適な選択肢と言えるでしょう。 次の章では本記事のメインともいえるロレックスのスポーツモデルを一挙にご紹介していきます! 2.【一覧】ロレックスのスポーツモデルの人気ランキング 2-1.コスモグラフデイトナ 出典:ROLEX モータースポーツが盛んになった1950~1960年代頃にアメリカ・フロリダ州デイトナビーチに「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」が誕生したことをキッカケにカーレースというそれまでになかったコンセプトで開発されたのがコスモグラフデイトナです。手巻きムーブメントに始まり、1988年にゼニス社の名機エルプリメロをチューニングして搭載しました。12年後の2000年に悲願となるロレックスによる自社製ムーブメントを開発し、マニュファクチュール化を果たしました。 デイトナは初代モデルからクロノグラフ横3つ目のインダイアル、ベゼルのタキメーターといったデザインを変更することなく継承し続けています。スポーツウォッチとして開発され高い視認性を目的としてデザインされましたが、現在ではプラチナ素材やダイヤがふんだんに使われたレインボーなど富裕層向けのラグジュアリースポーツウォッチとしても展開されています。 デイトナは資産価値が高いことで有名で、定価よりも高い価格で取引されることも珍しくありません。需要に供給が全く足りておらず、入手するために多くの店舗を周ることをユーザーの間ではデイトナマラソンと呼ばれています。ハリウッド俳優のポール・ニューマン氏が着けていたとされるエキゾチックダイアル(あるいはポール・ニューマンモデル)はプレミア化しており、数千万~数億円の価格で取引されることも。 2-2.サブマリーナ 出典:ROLEX 1953年に世界初のダイバーズウォッチ(諸説あります)として開発されたサブマリーナ。以降、今日に至るまでダイバーズウォッチの代表作として世界的に有名なシリーズとなっています。ロレックスの三大発明となるオイスターケース、パーペチュアル、デイトジャストの全てを備えており、他社がダイバーズウォッチを開発する際に参考にされるなど、ダイバーズウォッチの代名詞といえます。 プロフェッショナルシリーズとして2、3番目に人気が高く、防水性は300mを誇りますが日常使いするユーザーも多く見られます。他のスポーツモデルと異なる点で、マイナーチェンジの幅広いモデル展開がなされており、特にアンティークウォッチ市場で高い人気のシリーズです。「SUBMARINER」のロゴの文字が赤い赤サブ、英国軍から依頼されて製作したモデルを軍サブなど、希少性が高まったモデルも多く、シリーズ全体として高い人気となっています。 2-3.GMTマスター 出典:ROLEX GMTマスターはロレックス唯一のパイロットウォッチシリーズです。パンアメリカン航空から国際線パイロット向けの2つのタイムゾーンを表示可能な時計の製作依頼が来たことをきっかけに開発されました。1955年、ファーストモデルが発表され、パンアメリカン航空オフィシャルウォッチとして採用。その実績から他社での採用も増えるなどパイロットから高い評価を得ることとなりました。さらに世界を飛び回る富裕層向けにゴールドモデルが発表されたことでステータス性もあり、大ヒットとなりました。 3つのタイムゾーンを計測可能なGMTマスターⅡを発表したことで、2000年にGMTマスターⅠは生産終了。現行ではDNAを受け継いだGMTマスターⅡを基本とし、ブラッシュアップを繰り返して最新モデルの開発が続いています。 GMTマスターを象徴するのは2色のベゼルです。24時間計としてセラクロム素材の採用など、機能面でも優れていますが特に日中と夜のカラーリングの分け方が、注目となっています。色ごとにニックネームがついており、赤・青はペプシ、赤・黒はコーク、茶はルートビア、黒・青はバットマンなど、主に炭酸飲料を由来とする名前が付けられています。 大きく視認性の良いメルセデス針、丸や四角の立体的な植字で見やすさとシンプルなデザインのアワーマーカーなど、ロレックスらしいデザインにまとまっています。デイトジャストなどのドレスウォッチ由来のエレガントなジュビリーブレスレットか、ロレックスらしい堅牢さがウリのオイスターブレスレットを好みに合わせて選べるようになっています。 2-4.エクスプローラー ロレックスが様々な環境での使用を想定したプロフェッショナルシリーズの展開を行っていた1940年以降、探検家や冒険家のような厳しい環境においても正確に使用できることをコンセプトにつくられたのがエクスプローラーです。1953年に探検隊のサー・エドモント・ヒラリーとテンジン・ノルゲイがエベレスト登頂を成し遂げた際に着けていたオイスターパーペチュアルからのフィードバックを元に開発が行われました。 特に極限状態でも見やすい文字盤について重きをおき、外観を変えることなく技術の進歩による機能面でのブラッシュアップを繰り返してきました。丸みを帯びたインデックスを四角に変える、夜行処理もスーパールミノヴァからクロマライトへ変更など、マイナーチェンジではあるものの、いずれも視認性のさらなる追求がエクスプローラーのテーマとなっています。 1971年に発表されたエクスプローラーⅡでは24時間計を備えることで実用しやすさも改良され、視認性を追求した究極のシンプルさをもつエクスプローラーⅠと、ⅠのDNAを受け継ぎつつ24時間計によって世界で行われる実際の探検への実用さをとったエクスプローラーⅡに分かれています。 2-5.ヨットマスター 出典:ROLEX ロレックスがプロフェッショナルシリーズとして使う場面ごとに必要なスペックや機能を搭載したGMTマスターやサブマリーナの開発の後、1992年に富裕層向けに機能ではなくデザインや材質を提案したのがヨットマスターです。防水性は100mとあくまで船の上での使用を想定しており、ダイバーズウォッチとは似て非なるものとなっています。 高級感に重きをおいたハイエンドラインとして開発されたため、ステンレスケースは採用せずゴールドやプラチナに絞り込んで展開しています。立体的なエンボス加工が施されたベゼルや独自開発されたラバーストラップのオイスターフレックスブレスレットとの組み合わせはラグジュアリースポーツウォッチとして、高い人気となっています。太く堂々とした印象のメルセデス針、立体的な植字のドットインデックス、控えめなリューズガードなど実用性を重視するロレックスらしくもありラグジュアリーなデザインに仕上がっています。 ヨットマスターはスポーツモデルで唯一メンズ・ボーイズ・レディースと3種類のサイズ展開を行っており、発表当時話題になっています。現在ではレディースは生産終了となっていますが、ペアウォッチとしてボーイズモデルを着ける女性も多く見られています。 2-6.シードゥエラー 出典:ROLEX 防水性に優れたサブマリーナをさらに防水性を強化したシードゥエラー。海の居住者を意味する通り深海での使用を想定しており、世界で初めてヘリウムエスケープメントバルブを搭載した時計としても知られています。初代で防水性610m、その後1220mと他メーカーのダイバーズウォッチよりも頭一つ抜けていたところに、2008年にはさらに防水性を強化したシードゥエラーディープシーを発表。水深3,900mもの防水性は深海へ挑戦する人たちへの敬意が感じられます。 2022年には有名な映画監督であり探検家でもあるジェームズ・キャメロン氏が2012年に1人乗り潜水艇で挑戦した世界初のマリアナ海溝単独潜水の際に着用したディープシーチャレンジに由来する最新のモデルも発表されました。 デザインはサブマリーナに由来しており、サブマリーナのDNAを色濃く受け継いでいます。逆回転防止ベゼルや夜行処理されたメルセデス針とドットインデックスなど、一見して共通点が多いシリーズです。2014年から追加された深海の青を想起させるディープブルー文字盤はサブマリーナにはない人気のデザインです。 2-7.ヨットマスターⅡ ヨットマスターⅡは優雅なクルーズ上での使用を想定したヨットマスターとは異なり、世界的なヨットレースレガッタでの使用を想定したシリーズです。カウントダウン機能付きのレガッタクロノグラフを搭載しており、リングコマンドベゼルと呼ばれる回転ベゼルとムーブメントを連動させる仕組みで最大10分の計測が可能です。 発表された2007年にはケースサイズ40mmのヨットマスターから4mmアップの44mmの大型モデルとして、イエローゴールド・ホワイトゴールドモデルでの展開でしたが、2011年にピンクゴールドとステンレスのコンビ、2013年にはステンレスモデルとユーザーと拡大しています。複雑機構を搭載しつつステンレスケースを採用することで、手に届きやすい複雑モデルとしてヨットマスターとは違うポジションとなっています。 2-8.ミルガウス ミルガウスは耐磁性に特化したエンジニア、科学者向けに1956年に発表されたシリーズです。ミルはフランス語で1,000を意味しており、1,000ガウスに耐えられる耐磁性を備えています。ムーブメントを軟鉄製のインナーケースで覆うことと日付表示なしにすると文字盤側からの磁気の侵入を防ぐことで高い耐磁性を実現しました。欧州原子核研究機構(CERN)にも認められており、ロレックスとCERNは60年にも渡る協力関係を結んでいます。 高い性能を認められたミルガウスですが、ニッチな層にはウケたものの一般ユーザーにマッチしなかったのか1988年に生産終了となりました。しかし2007年に独自に開発した耐磁性の機構を搭載し復活を遂げています。通常、日常生活の範囲内でも磁気を帯びてしまいがちなひげぜんまいを独自開発のブルーパラクロムひげぜんまいに変更、ガンギ車とアンクルは非晶質合金仕様に変更することで耐衝撃・耐磁性が強化され、安定した精度を保つことができるようになりました。 2-9.エアキング 出典:ROLEX ロレックスが開発した機構のオイスターケース、パーペチュアルによって販路を広げていく中でモデル名に加えて文字盤にペットネームを付けることでバリエーションを増やし、変化を付けてきました。エアキングは現存している中で最古のペットネームです。 オイスターパーペチュアルの派生モデルとして誕生したエアキングですが、シンプルで日付表示機能もなくリーズナブルな価格での展開といった特徴があります。現行で言うところのオイスターパーペチュアルシリーズに近いデザインから始まっており、2014年のマイナーチェンジでロゴが消えるまで続いています。 2016年に復活したエアキングはそれまでのデザインを一新し、マットブラック文字盤に12時位置の逆三角インデックスと夜行処理など、パイロットウォッチ特有のデザインに変更されました。現行ではさらにブラッシュアップし、エアキング初のリューズガードを備えたモデルを展開。かつてのようなカラーバリエーションといったデザインの幅はなく、パイロットウォッチ一択の硬派な印象のシリーズとなっています。 3.ロレックスのスポーツモデルが人気を集める3つの理由 出典:ROLEX 3-1.世界一売れている屈指のブランド力 ロレックスは世界で最も売れている高級時計ブランドとして知られています。時計ブランド三大コングロマリットのオメガ、ブレゲ擁するスウォッチグループ、IWCやカルティエのリシュモングループ、ゼニス、ブルガリがいるLVMHとどれもビッグブランドが数多く所属していますが、グループとロレックスの比較であっても、ロレックスのほうが売れています。圧倒的なブランド力・認知度をもっているブランドがロレックスです。 なぜロレックスがここまで売れているかについてはいろいろな理由がありますが、よく言われているのが機能別の展開で選びやすく使いやすいことが挙げられます。特にプロフェッショナルシリーズは第二時間帯表示や防水性、クロノグラフなど機能別に展開されており、ビジネスにもプライベートにも使うパートナーとしての時計として愛されています。 もう一つ、希少価値が高く同時に資産価値になることも売れている理由の一つです。ロレックスの時計は知名度の割りに流通量が制限されており、希少価値がどんどん上がっています。特にコスモグラフデイトナは人気が高く、定価よりも高値で取引されることも珍しくありません。 3-2.入門用として使いやすい堅牢さ ロレックスの時計は入門用に最適だと聞くと時計初心者の方は驚くかもしれません。ブランド時計の代表格として知られているロレックスですが、意外にも時計愛好家からはロレックスこそが実用時計だと考えられています。 一般的な時計ブランドの展開の増やし方は機能を増やしていくもので、日付・クロノグラフ・第二時間帯表示・ムーンフェイズなど、すべてが同居する時計も珍しくありません。一方、ロレックスは使う場面ごとに必要な機能を必要なだけ搭載する展開のため、一時計一機能といったイメージとなっています。GMTマスターはGMT、サブマリーナは防水、などです。機能が減れば機構がシンプルになる分壊れにくくメンテナンス費用も安く済むので、長く使えます。 機能の少なさだけではなく、リューズガードの搭載や独自の素材の開発など耐傷性など堅牢さの追求が多くのモデルで採用されています。裏蓋をムーブメントが見えるシースルーバックではなくスチールバックを主に採用するのも同じ理由です。ロレックスにとって時計はオフィシャルな場面で着けるドレスウォッチのようなブランドアイテムであり、現場のプロフェッショナルが使う頼れるパートナーでもあるのです。 2-3.ロレックスの挑戦の歴史となるシリーズ展開 ロレックスの中でもスポーツモデルは挑戦の歴史といえるでしょう。オイスターパーペチュアルをエベレスト登頂に使用した際のフィードバックを反映したエクスプローラー、2つのタイムゾーンを計測する時計の開発依頼があったことをきっかけにつくられたGMTマスターなど、ロレックスはその都度立ちはだかる壁・難問を突破し、むしろバネに変えているといえるでしょう。 プロフェッショナルシリーズと言えるほどに、ロレックスは実用時計としての堅牢性・実用性に確かな品質を備えています。しかし、上記の2つは失敗に終わっていたケースも考えられ、その場合ロレックスのブランドにダメージがあったかもしれません。それでも挑戦に打ち勝ったことで今日のロレックスのブランドとしての立ち位置があり、歴史に名を残し語られています。 4.ロレックスのスポーツモデルを買うならどれ? 出典:ROLEX ①最も人気のスポーツモデルで探すなら『コスモグラフデイトナ』 人気の高いスポーツウォッチで選ぶならコスモグラフデイトナ(以降デイトナ)がおすすめです。デイトナはロレックスの中でも特に人気が高く、カーレースに由来するスポーツウォッチの元祖ともいえるシリーズです。今ではラグジュアリースポーツウォッチとしてのポジションもあり幅広いデザインのため、白黒のモノトーンや差し色の赤を選ぶことでスポーティーな好みのデザインが見つけやすいでしょう。 デイトナで気をつけなければならないのは入手が難しい点です。デイトナは需要と供給が合っておらず希少価値が高くなっており、定価よりも高く取引されることも珍しくありません。デイトナを買うために店舗を周る行為をユーザーの間ではデイトナマラソンと呼んでいるほど。普遍的なデザインと高い知名度、資産性は多くのユーザーにとって魅力的です。 ②防水性で探すなら『サブマリーナ、シードゥエラー』 防水性で選ぶならサブマリーナ、もしくはシードゥエラーがおすすめです。防水性300mもあればスキューバダイビングでも問題なく使えるため、実用しやすさでいえばサブマリーナでしょう。しかしデカ厚時計の一角として知られているシードゥエラーも魅力的です。 デザインについては大きな差はありませんが、防水性についてはオーバースペックなため比較というよりも満足感といったところ。人気の高いサブマリーナを選ぶか、あえてマニアックなシードゥエラーを選ぶかは好みの部分が大きいです。サブマリーナは歴史の長いシリーズのため、中古も検討に入れると赤サブなど選ぶ幅が広がります。シードゥエラーはそこまで歴史が長くありませんが、ディープブルー文字盤はサブマリーナにはない人気のデザインなので候補に入れるのもよさそうです。 ③パイロットウォッチを使いたいなら『GMTマスター』 パイロットのように、あるいはジェットセッターのように世界各地の時刻を知ることが必要な方にはGMTマスターをおすすめします。元々パイロット向けに開発されており、2つのタイムゾーンを一目でわかるようになっていることと、視認性がよく実用しやすいモデルとなっています。 現行では3つのタイムゾーンを測れるGMTマスターⅡがⅠの系譜を継いでおり、幅広いカラーリングの中から選ぶことができます。中古も含めると数は膨大ですが、主に表示したいタイムゾーンの数でGMTマスターⅠかⅡを、文字盤とベゼルのカラーリング、特にベゼルは日中・夜を赤・青のペプシカラー、赤・黒のコークカラーなど、愛好家によるニックネームを含め、ロレックスの歴史・世界観を味わえます。 あるいはエクスプローラーⅡも第二時間帯表示を機能を有しています。こちらは探検家に向けて開発されたため視認性に特化しており、GMTマスターよりも道具感・頼れるパートナーといった印象が強いです。高級感やデザイン・逸話を楽しめるGMTマスターか実用さを重視したエクスプローラーⅡかは2つ以上のタイムゾーンをもつ時計の比較検討としては好みで選んでよさそうです。 5.ロレックスのスポーツモデルをつけている有名人5選 5-1.市原隼人 サブマリーナ 14060 俳優 市原隼人さんが着けているのはサブマリーナ Ref.14060です。市原さんが時計を着けている情報は多くありませんが、シチズンアテッサとロレックスサブマリーナだけは各所で見られています。 市原さんが選んだRef.14060は30年に渡るロングセラーとなったRef.5513の後継モデルです。両方向回転ベゼルからダイバーの操作ミスによる逆回転を防止するため逆回転防止ベゼルに切り替わったモデルで、プラスチック風防から強度の高いサファイアクリスタル風防に変わったことで防水性は200mから300mへとアップしています。 5-2.ジェームス・キャメロン シードゥエラー 116660 映画監督 ジェームス・キャメロンさんが着けているのはシードゥエラーディープシー ブルーダイヤル Ref.116660です。ジェームス・キャメロンさんは時計愛好家ではないのか、着けている時計の情報はシードゥエラーディープシーしか見られませんでした。 Ref.116660は防水性に特化したシードゥエラーを更にブラッシュアップさせたモデルで、防水性は3900mと深海でも使うことができるように開発されています。黒文字盤だけでのリリースでしたが、2014年にジェームス・キャメロンさんがマリアナ海溝の世界初・単独有人潜水を成功させたことに記念してディープブルー文字盤がつくられました。スペシャルモデルとしての立ち位置でしたが人気の高さから継続モデルとして展開されました。 5-3.千鳥ノブ ヨットマスターⅡ 116680 お笑い芸人 千鳥ノブさんが着けているのはヨットマスターⅡ Ref.116680です。千鳥ノブさんの着けている時計の情報はパネライルミノールとヨットマスターⅡの2つの情報だけで、この2本を長く愛用しているようです。ヨットマスターⅡは衝動買いだったとの情報も。 Ref.116680は白文字盤にブルークロセラムベゼルの清潔感のあるさわやかなデザインとなっています。レガッタ競技用のカウントダウン機構を備えており、1分から10分まで任意に設定可能です。搭載されている自社製ムーブメントCal.4161はクロノメーター認定で精度も高く、ベンツ針は視認性がいいため、実用もしやすくなっています。 5-4.クリスティアーノ・ロナウド コスモグラフデイトナ 116520 プロサッカー選手 クリスティアーノ・ロナウドさんが着けているのはコスモグラフデイトナ Ref.116520です。クリスティアーノ・ロナウドさんは高級時計が好きで、フランクミュラーのトノウカーベックスやブルガリオクトなどダイヤモンドで埋まっているモデルも多く持っています。 実はロレックスフリークで複数所有していますが、中でもコスモグラフデイトナRef.116520黒文字盤のようなシンプルな機能美が映える時計は珍しいといえます。デイトナはロングセラーモデルですが、Ref.116520はそれまでエルプリメロをベースにしたムーブメントを搭載していたところを自社製ムーブメントに切り替えた記念作といえます。デイトナといえば黒文字盤が高い人気となっていますが、こちらも例にもれずといったところです。(最新のRef.116500LNでは白文字盤が人気の珍しいモデルです) 5-5.ダニエル・クレイグ ミルガウス 116400GV 俳優 ダニエル・クレイグさんが着けているのはミルガウス グリーンサファイアクリスタル Ref.116400GVです。ダニエルさんは代表作の映画007シリーズではオメガの時計を着けていますが、プライベートではロレックスフリークとして知られています。デイトナ、GMTマスター、サブマリーナと多くのロレックスのモデルを所有しています。 Ref.116400GVはグリーンサファイアクリスタル風防を備えた唯一のモデルです。2007年にミルガウスが復活した際に耐磁性の高いブルーパラクロムひげぜんまいと非晶質合金仕様のガンギ車とアンクルを備えるなど、最新の機構にアップデートして帰ってきました。 Zブルーの放射状のサンレイ仕上げ、グリーンの文字盤見返し部分、オレンジのミニッツトラックとイナヅマ形状の針など印象に残るデザインです。明るいカラーリングなのにポップ過ぎず高級感のある仕上がりとなっています。 2023年初頭には唯一の現行品として残っていましたが、この記事を執筆している3/27時点ではHPから消えてしまいました。生産終了と思われます。 6.まとめ|ロレックスはスポーツモデルが圧倒的人気 ロレックスのスポーツモデルについてまとめました。プロフェッショナルシリーズとしての展開において、ロレックスは常に挑戦し成果を収めてきました。GMTマスターやデイトナのように時流に合わせて変化することと、伝統を守り継承していくことが両立できているのがロレックスの強みです。街中でロレックスの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/luxury-watch-evaluation/ https://estime.co.jp/column/rolex-difficult-to-get/ https://estime.co.jp/column/rolex-listprice-buy/

みなさんは時計が磁気を帯びることをご存知でしょうか? 磁力は「時計の天敵」とまで言われているほどで、使用していく上で大きな影響を与えてしまいます。 私たちの生活にも身近なスマホやオーディオ機器、パソコンなどの電子機器から磁力を帯びてしまい、自然に治ることは基本的にはないので時計の寿命を縮めてしまうケースもあるほど危険度が高いです。しかしながら、そんな電子機器があふれた現代社会においても、気にせず時計を使用している方が多いのが実情です。 さて、この記事では磁気帯びが時計に与える影響と対策、磁気帯びになってしまった場合などを深く説明していきたいと思います。磁力に強い時計の選び方まで徹底的に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。 1.【種類別】磁気帯びとは?時計に与える影響 磁気帯びとは時計の部品が磁気を帯びてしまうこと。歩度やその他の機能に影響を及ぼしてしまいます。磁気帯びは時計の種類によって止まることや進むなどの影響の出やすさや種類が異なります。 例えば機械式時計で歩度の進みが強く出ている場合には、歩度調整をするよりも、まずは磁気帯びが起きていることが疑われます。 ある程度発生する症状は決まっているため、時計の種類によってどんな症状が出やすいかを解説していきます。 1-1.機械式時計 手巻き時計や自動巻き時計の機械式時計は、磁気帯びしてしまうと基本的に進む症状が見られます。 よく歩度調整されている時計で日差+10秒程度されている時計が多いですが、+40秒~+60秒といったように大幅に進みやすくなってしまいます。磁気帯びしてしまった部品にもよるのですが、時計の心臓部であるひげぜんまいが磁気帯びしてしまった場合は特に進むの原因となります。 機械式時計のエネルギーの流れはおおよそ以下の通りです。 リューズ、自動巻きローターから伝わってくる巻き上げエネルギーを歯車を通してガンギ車やアンクルへ。ひげぜんまいの収縮に変換し、収縮の速度や縮む量が秒針の動くスピードを左右しているといった流れです。 この時、ひげぜんまいが磁気帯びしてしまっていると、髪の毛よりも細い線が収縮する際に、くっついてしまいます。くっついてしまうということは、本来よりも小さなストロークで縮むということになり、秒針の動きが本来よりも早くなってしまうことになります。 これ以上に磁気帯びが強くなってしまった場合には、収縮しないほどにくっついてしまい、動かなくなってしまいます。磁気帯びが確認できた場合にはすぐに専門店やメーカーへの相談をおすすめします。 1-2.アナログクオーツ時計 クオーツ時計はそのものが電子機器なので磁気帯びしないと思われがちですが、歯車を使うような多機能なアナログクオーツ時計は磁気帯びします。 アナログクオーツ時計は内部にモーターが使われており、モーターの磁気帯びによって進みやすくあるいは遅れやすくなってしまいます。最悪の場合、時計が止まってしまうケースもあります。 ちなみに、同じクオーツ時計でもデジタル時計は磁気帯びによる影響を受けません。デジタル表示のクオーツ時計なら、磁気帯びを気にせずに使うことができます。 1-3.アンティークウォッチ 機械式時計にとって致命的な存在となる磁気ですが、未だに確実な解決方法は見つかっておらず、電子機器を所有することが当たり前になっている現代では、磁気対策は必須となっています。特に1950年以前に作られたアンティークウォッチは特に対策がされておらず、磁気の影響を受けやすい作りでした。 1960年代に入りそれまでに比べ耐磁性をもった時計がつくられるようになり、耐磁性のある部品が使われている時計には「ANTI-MAGNETIC」の表記がされるようになりました。とはいえ当時とは比にならない程の電子機器に囲まれている現代では、耐磁性が強い時計とは言えません。 アンティークウォッチにおいては、ほかの種類の時計と比べても、特に磁気帯びに気を付ける必要があります。 2.磁気帯びの対策&セルフチェック ここでは時計が磁気を帯びてしまう原因と身近な磁気製品や気をつけること、時計が磁気帯びしているかを確認する方法についてまとめていきたいと思います。磁気帯びをしないように普段の行動から確認していきましょう。 2-1.磁気帯びの原因は、身近な磁気製品 磁気帯びと聞いて、身近に磁石がないから大丈夫と思われるかもしれませんが、現代社会では、身の回りに磁気帯びする品物はたくさんあります。磁石ではなくモーター等を使用した電化製品の多くが磁気帯びの原因となります。 例えば今この記事を読んでいるスマホ、あるいはパソコン、どちらも距離を近づけすぎると磁気帯びの原因となります。 スピーカー部分が磁気を発生させており、タブレット、TVなど家電製品の多くも磁気帯びの原因に。ACアダプターなども同様です。特に強い磁気を放っているIH機器や磁力を使う健康器具(〇〇エレキバンなど)には特に注意が必要です。 意外に盲点なのが鞄等に付いている磁石です。 鞄に入れて持ち帰る、保管する際に鞄の磁石や筆箱の磁石などの近くにあると磁気帯びの原因となってしまいます。もう一つ、時計本体ではなく、金属ブレスレットや革ベルトについている金具類が磁気帯びしてしまっているケースもあります。 2-2.磁気帯び回避は距離に気を付ける 磁気帯びしないようにするためには、前述した電子機器から5cm以上距離を置くようにしましょう。ISO(国際標準化機構)では、約1,600A/m(20ガウス)の耐磁性が、JIS(日本工業規格)では約4,800A/m(60ガウス)となっており、5cm距離を離すことで日常生活においてはこの規格内での使用が可能になります。 5cm以上距離を離すことが必要なため、家電製品の上に置く、帰宅して車の鍵や音楽プレイヤーと一緒に時計を置くといった行為は磁気帯びの原因となります。距離を離すことが必要なので、保管場所を見直して防止策をとる必要があるかもしれません。 そんな時には時計ケースやウォッチワインダーの使用がおすすめです。 <時計ケース> ・時計を一本一本保管できる専用のケース。 ・持ち運びが便利なタイプや販売店のディスプレイのように保管ができるものまで様々。 ・電子機器との距離を離すだけでなく傷防止や整頓にも。 <ウォッチワインダー> ・主に自動巻きモデルに役立つ。 ・ムーブメントを自動で巻き上げてくれるスタンド。 ・時計をセットした後、自動巻きローターが回転するように時計が回転する仕組み。 ・時計を使わない期間で巻き上げ不足による時刻ズレや止まることを防止できる。 2-3.磁気帯びを見つけるセルフチェック 時計を着けている手でスマホに触れないのか、パソコンで作業する時もいちいち時計を外すのか、と面倒になってしまうため実際には5cm以上必ず距離を離して生活するのは難しいです。磁気帯びしてしまっているかをご自身で簡単に確認する方法があれば少し安心できますよね。方位磁石を使用した確認方法を紹介しますので、ぜひ試してみてください。 <磁気帯びの簡易確認方法> ①100円ショップ等で売っている方位磁石を用意。 ②時計の真上に方位磁石をかざす。 ③方位磁石の針が動くか確認。 この時、方位磁石の針が動いた場合磁気帯びしてしまっています。 もしピクリとも動かなかった場合には磁気帯びしていません。 スマホのアプリ等で磁石アプリもあるのですが、スマホの種類によっては正確に見ることができなかったり、逆に時計を磁気帯びさせてしまうといった可能性があるため、100円ショップ等で方位磁石を購入し試してみるのが安全な方法です。 3.もし磁気帯びしてしまったら?自分で対応する方法は? ここまでは、磁気帯びについてやそうならないための対策について説明させていただきました。 では、もし磁気帯びしてしまったらどう対応したらよいのでしょうか? ここからは、磁気帯びしてしまった後の対応について紹介していきたいと思います。 時計の種類によって変わるということもなく、どの時計にも適用できる共通の対応を説明していきます。 3-1.磁気帯びしていたら購入したショップへ時計修理を依頼 もし、皆さんの時計が時期を帯びているのであれば、磁気抜きをしてあげる必要があります。 磁気抜きをするには脱磁機という専用の機械が必要になるのですが、使う場面が限定的なため所有している方は少ないでしょう。自然に治るということはほとんどないので、基本的には購入したショップへ時計修理を依頼してください。 一言で磁気帯びといっても帯びてしまった磁気の強度によっては脱磁機だけでは抜けない場合もあります。その場合、一度時計を分解してからパーツごとに脱磁、注油等をして組み直しとオーバーホールをする必要が出てきます。 ショップに持ち込んだ際にその場で脱磁してくれた場合、脱磁→方位磁石→抜けてなければもう一度脱磁、のチェックの流れになるのですが、数回の脱磁で抜けない場合はオーバーホールが必要です。ショップに持ち込めばそのままメーカー送りにできるため、スムーズな修理が可能です。 3-2.自分で磁気抜き 既に脱磁機をお持ちの方は少ないかと思いますが、新たに機器を購入してご自身で脱磁することも可能です。安いもので1,000円程度、筆者が時計専門店で使用していた機器は5,000円程度のものでした。 機械式時計、クオーツ時計といった種類によっての差はなく、どの時計にも共通で使えるので、時計を複数お持ちの方は持っていても良いかもしれません。脱磁できたかどうかは脱磁機だけではわからないので、脱磁機を買う時は方位磁石とセットで買いましょう。 3-3.自分で磁気抜きする際の注意点 ご自身で脱磁する際の注意点として、どの脱磁機もスイッチを押すだけのシンプルなつくりになっている分、逆に磁気を入れてしまうことがあります。基本的にはスイッチを入れてから磁界を発生させてから時計を近づけ・セットし、時計を離してからスイッチを切る、の操作となります。 シンプルなようで意外に難しく、逆にやってしまうと磁気を入れてしまうことになります。必ず、脱磁機での操作の後には方位磁石で磁気帯びしていないかを確認しましょう。そして可能なら、タイムグラファーで歩度を見ることができると、より磁気帯びによる歩度の狂いがないことを確認できます。 4.磁気帯びしにくい機構 磁気帯びは時計にとっても致命的かつ避けられない問題で、これまで様々な対策が講じられてきました。日常生活の範囲では5cm以上離すことで対策できるのですが、機械を主に操作するエンジニアや開発者はそうはいきません。常に強い磁力にさらされているため、もっと強い磁気への対策が必要となります。 そうして生まれた磁気帯びしにくい機構を搭載したモデルや、最近では逆に磁力を利用したムーブメントが生まれています。ここでは主に採用されている機構の一部とモデルを紹介します。 4-1.軟鉄製インナーケース 磁気帯びの対策として一般的に採用されているのが、軟鉄製のインナーケースでムーブメントを覆うことです。軟鉄≠純鉄の非磁性体で覆ってしまうことで磁気をムーブメントに届かないようにする機構です。 時計自体に厚みが出やすくなりますがシンプルな機構のため、多くのメーカーが採用しています。大きな機構開発をせずに対策できるため、比較的時計の価格への影響が小さく済むのもユーザーとして有難いポイントです。 4-2.シリコン製ひげぜんまい 時計の部品の中でも磁気帯びしたときの影響が大きいひげぜんまいですが、シリコン製ひげぜんまいにすることで磁気帯びの影響を最小限に抑えることができます。 ひげぜんまいは元々ステンレス合金でつくられており、収縮と拡張する動きで秒針の速度をコントロールしています。精密で隙間の少ないらせん状の部品のため、磁気帯びしてしまうと隙間がくっついてしまい進みやすく、あるいは止まってしまう原因となります。 一方、シリコン製のぜんまいは磁気帯びをしない、摩耗しにくい、軽量といった点が最大のメリット。壊れやすく、湿気に弱いところがデメリットとして挙げられていますが、弱点の克服に向けて各メーカーが開発を進めています。 5.磁気帯びしにくい腕時計のおすすめ人気モデル 5-1.ロレックス ミルガウス ミルガウスは1950年代に生まれたロレックスの耐磁モデルです。 1,000ガウス(80,000 A/m)に耐えられる時計としてつくられました。 ミルガウスはムーブメントを軟鉄製のインナーケースで覆うことにより耐磁性を確保するだけではなく、文字盤側からの磁力をできるだけ抑えられるように、窓を伴う日付表示機能は搭載されていません。時・分・秒だけのシンプルな時計となっています。 また、磁気帯びに強いロレックス独自のパラクロムひげぜんまいやガンギ車、アンクルなどを採用することで耐磁性を強化しています。元々磁気が強い環境での使用の多いエンジニア向けに開発された時計で、1950年代後半にはCERN(欧州合同原子核研究機構)に採用されています。 5-2.IWC インヂュニア インヂュニアは1955年に開発されたIWCによる耐磁性に特化したシリーズです。 元々パイロット向けに展開されていたマーク11を民間用として展開したものがこのモデルです。インヂュニアもミルガウスと同様で軟鉄製のインナーケースを採用することで、ミルガウスと同程度の1,000ガウス(80,000 A/m)の耐磁性を備えています。名前の由来はエンジニアから。 インヂュニアは世代によって耐磁性が大きく進化しています。発表初期の1955年~1975年までは80,000 A/mで、世界的な時計デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏によるインヂュニアSLいわゆる第二世代(~1983年)まではデザインは一新したものの変わらない耐磁性を有していました。 1989年以降のインヂュニア第三世代は軟鉄製のインナーケースを遣わずにそれまでの6倍以上の500,000 A/mもの耐磁性を発揮しました。(実際には3,700,000 A/m程度の耐磁性があったと言われていますが、当時の技術では正確に測定する方法がなかったとか) 軟鉄製のインナーケースを使わずに耐磁性を強化するのに使用したのはニオブ‐ジルコニウム合金によるひげぜんまいの開発でした。ニオブ‐ジルコニウム合金は耐磁性に優れており、現在でもロレックスなど多くのメーカーに採用されています。 インヂュニアはその後2001年から一度生産終了したものの2005年に復活し、2007年にはシースルーバックの耐磁性に特化していないモデルも発表されています。現行では40,000 A/mと控えめとなっていますが、コンパクトなデザインとの兼ね合いによるものとのこと。インヂュニアをアンティークモデルを含めて検討する際には、よく調べる必要があります。 5-3.オメガ シーマスター 2023年現在で最も高い耐磁性を備えているのがオメガ シーマスターです。具体的にはシーマスターのマスタークロノメーター認定を取得したモデルとなります。このシリーズに現在搭載されているコーアクシャル機構が他の追随を許さないほどの耐磁性を生み出しています。 コーアクシャルは耐磁性を確保する機構ではなく、パーツの摩耗が少なくなることでメンテナンスの頻度が少なく済む脱進機のことです。通常はアンクルの爪が2つのところを3つ使用することで一つ一つのパーツへの負担を減らすことができました。 1974年にジョージ・ダニエルズ博士が発明し、オメガが改良と量産に成功。現在採用しているメーカーはオメガだけとなります。改良の一つとしてシリコン製のひげぜんまいなど耐磁性を向上させました。 コーアクシャル機構を搭載したモデルの耐磁性は1,000ガウスとロレックスミルガウスやIWCインヂュニアと同等です。現在では更に耐磁性を改良したマスターコーアクシャルとなり、15,000ガウスとダントツの耐磁性を有しています。 ちなみに現行のオメガの主流はマスターコーアクシャル機構を搭載しつつ、COSCクロノメーター認定を取得できる高い精度のコーアクシャル マスタークロノメーターです。最高クラスの耐磁性と精度が認められています。 6.【おまけ】現在では磁力を利用する時計も開発されている ここまで磁気は腕時計の敵として取り扱ってきましたが、最新の技術では磁力を利用してムーブメントを安定させる仕組みを開発したメーカーもあります。新進気鋭の時計メーカークストスによるチャレンジシリーズは、時計のタブーとされてきた磁力を逆に利用しています。 チャレンジシリーズはいずれもトノーケースが特徴で、通常は秒針は文字盤中央にありますが6時位置にスモールセコンドとしてのデザインを優先する場合、新たに輪列を用意する必要があります。このときぜんまいから遠くなるほど(歯車を多く介すほど)動力は弱くなりますが、チャレンジシリーズは大型トノーケースなのもあり、スモールセコンドの秒針は大型、しかもプロペラのような凝ったデザインです。 それでもクストスがデザインのこだわりを貫き通すために考案したのが、輪列の途中に永久磁石を仕込むことで動きを安定させること。これまでタブーとされてきた磁石を逆に利用する斬新な試みです。 7.まとめ いかがだったでしょうか。この記事では磁気帯びが時計に与える影響と対策についてまとめました。 ご自身の時計が磁気帯びしているかをまずチェックし、保管場所も改めて確認してみましょう。もし磁気帯びしていたら購入したショップへの持ち込みと、磁気帯び対策されている時計を一度検討してみるのも良いかもしれません。 記事内で紹介したミルガウス、インヂュニア以外にも磁気帯び対策がされている時計もありますので、もし街中で見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。 関連記事はコチラ https://estime.co.jp/column/watch-lifespan/ https://estime.co.jp/column/20-m-watch/ https://estime.co.jp/column/30-m-watch/
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