2024年2月13日
翡翠(ひすい)とは?日本でも採れる宝石の特徴や意味を徹底解説!
ジュエリー
鮮やかな緑色が特徴的な宝石として知られる「翡翠(ひすい)」
翡翠という宝石の名前は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?翡翠と聞くと半透明の緑色の石を想像する人が多いと思います翡翠はその美しさから古来より特別な石として扱われてきました。今でも日本で採れる宝石として、翡翠のことを詳しく知るための施設があり、愛好家の人は採集に行ったりもしているようです。
この記事では日本でも採取可能な「翡翠」の特徴や意味などについて解説していきます!日本で採れる宝石なのでせっかくならもっと知ることができたら良いですよね。翡翠がどんな宝石なのか、一緒に理解を深めていきましょう!
目次
1.翡翠(ひすい)とは?
まずは翡翠の特徴から見ていきます。翡翠は英語では「Jade(ジェイド)」と呼ばれますが、日本で翡翠と呼ばれているものは、厳密にはこのジェイドではなく、ジェダイトと呼ばれているものだけを指しています。
少し複雑なので、詳しく解説していきますね。
1-1.翡翠は混同されやすい
実は翡翠と一般に呼ばれているものには様々な種類のものがあります。あれも翡翠、これも翡翠と思っていると、実はこれは翡翠ではなかった…なんてこともあります。
翡翠は他の宝石と混同されやすい宝石なのです。
1-1-1.ジェダイトとネフライト
日本で翡翠と呼ばれているものはジェダイトのことですが、このジェダイトとよく混同されているのがネフライトです。
非常にややこしいことに翡翠は英語でジェイドですが、このジェイドはジェダイトとネフライトの2種類に分けられます。ジェダイトとネフライトは見た目が非常に似ていて、かつてはひとまとめにされ ジェイド と呼ばれていましたが、まったく違う鉱物です。発色も一部は似たようなグリーンですが厳密には違います。
またジェダイトとネフライトは硬さも違います。
ジェダイトとネフライトをこすり合わせると、ネフライトの方が柔らかいので傷がついてしまいます。硬さの違いからジェダイト=硬玉、ネフライト=軟玉とも呼ばれます。
このように、ジェダイトとネフライトはハッキリと違います。
ですが、まとめてジェイドと呼ばれていたので今でも混同されてしまうことがあるんですね。
1-1-2.〇〇翡翠
翡翠と呼ばれる石は、ジェダイト以外にも様々なものがあります。
先ほど触れたネフライトは台湾翡翠と呼ばれることもあります。これはまとめてジェイドと呼ばれていますし、そのような名前が付けられても不思議ではないのですが、それ以外にも翡翠と呼ばれている石は少なくないのです。
翡翠によく似てはいますが、まったく違う緑色のアベンチュリンという宝石は「インド翡翠」と呼ばれています「オーストラリア翡翠」と呼ばれるクリソプレーズも、同じく翡翠とはまったく違う石です。
その他にもただ単に緑色だからという理由で「〇〇翡翠」と呼ばれているものもありますが、通り名のようなもので、翡翠とはまったく違う石がそう呼ばれています。以下はその例です。
・台湾翡翠=ネフライト
・インド翡翠=アベンチュリン
・オーストラリア翡翠=クリソプレーズ
・アフリカ翡翠=グロッシュラーガーネット
・コロラド翡翠=アマゾナイト
あまり聞きなじみのない宝石を手に取ってもらいやすくするために、そんな名前を付けているのかもしれませんが、それぞれの宝石の良い所があるのに少し残念なことですね。
「〇〇翡翠」という名前がついている時は、厳密には翡翠ではない!と思っておいたほうがいいかもしれません。
1-2.翡翠の色
翡翠というと半透明の緑色を想像する人が多いと思いますが、実はそれ以外にも様々な色があります。元々の翡翠は透明で色はありません。石が成長する過程で様々な成分が含まれ、その石の色が変わってくるのです。
最も多いのはやはり緑ですが、その他にも青や紫、黄色など様々な色の翡翠があります。最近ヨーロッパやアメリカでは美しい紫の翡翠がラベンダー翡翠と呼ばれていて、人気が高まっています。薄紫から濃い紫までさまざまな色の翡翠がとても人気になっているそうですよ。
また半透明のものが多い翡翠ですが、透明度が高く深い緑色をした翡翠は「琅玕(ろうかん)」(英語では「インペリアルジェイド」)と呼ばれています。琅玕は翡翠の中でもごく一部の、最高品質のものです。
非常に透明度が高く、色は深くとろみのある緑色で、まんべんなく色がいきわたっているものだけが琅玕と呼ばれます。翡翠でもそこまでの高品質のものは非常に希少で、もちろん価格も高価です。
1-3.翡翠の名前の由来
翡翠はもともと日本や中国では「玉(ぎょく・たま)」と呼ばれていました。玉については古事記や万葉集にも記述が残っていますが、地理的な条件などから考えて翡翠のことだと考えられています。
翡翠が「翡翠」という名前で呼ばれ始めたのは、18世紀頃と言われています。ミャンマーで発見されたジェダイトが中国にわたりました。翡翠はもとはカワセミと読み、鳥の名前でした。川辺に住む青緑の美しい羽を持つ小さな鳥を、見たことがある人も多いのではないでしょうか。その美しい鳥の名前を取って、美しい硬玉は中国や日本で翡翠(ひすい)と呼ばれるようになったのです。
1-4.翡翠の歴史
翡翠は5000年も前から人に様々な価値を見出され使用されてきました。そして翡翠が最も古くから使用されていたのは、なんと日本だと言われています。
日本における翡翠は、未だに分かっていないことも多いですが、非常に興味深いものです。翡翠が人に親しまれてきた歴史を、日本と世界に分けて解説していきます。
1-4-1.翡翠の日本史
翡翠の歴史は古く、約5000年前の縄文時代と言われています。
現代の新潟県にある糸魚川付近で翡翠の加工を始めたのが世界最古の、翡翠加工の始まりとされています。その後弥生時代、古墳時代にわたって翡翠は日本で産出され、加工されてきました。
ところが奈良時代以降、日本での翡翠の加工はぱったりと途切れてしまいます。その理由は今でもはっきりとはわかっていません。そのせいで日本では翡翠が産出されず、見つかった翡翠は全て中国大陸から持ち込まれたものと長い間思われていました。それがなんと昭和初期まで続きます。
1938年、古事記の中の翡翠の記述を読んだ文学者の相馬御風氏は、糸魚川で翡翠が産出されていたのではないか?と疑問を抱きます。その疑問をきっかけに糸魚川で探索が行われた結果、緑色の石が発見されました。発見された石は、その後科学的に翡翠であることが証明されました。
実はそれ以前にも糸魚川の翡翠は発見されていたという話もあるのですが、戦争のごたごたできちんと調査が行われなかったり、資料を紛失してしまったりしたようです。また相馬氏による翡翠の再発見も1935年の事ではないかという説もあり、はっきりとしません。
その後2016年に日本鉱物科学会が日本において古くから使用され、考古学的にも非常に重要であるということから、翡翠を日本の『国石』に選定しました。
1-4-2.翡翠の世界史
一方世界でも、翡翠は古来から産出され、加工されてきた歴史があります。
翡翠は中国では約5000年前から加工されてきました。翡翠は長寿や繁栄をもたらすと信じられており、歴代の皇帝たちは翡翠を武具や宗教道具、宝飾品などに加工して使用していました。中国ではジェダイトとネフライトの両方が算出され、どちらも翡翠として利用されてきました。
現在のグアテマラあたりに住んでいた古代マヤ人は、宗教的儀式に翡翠を使用したと言われています。古代マヤ人は翡翠には特別な癒しの力が宿ると信じていました。また富や名声の象徴としても扱われており、身分ある人物は翡翠を愛用し、墓所の中からも翡翠が発見されています。
このように翡翠は古来から、非常に貴重な品物として加工し使用されてきました。
2.翡翠の意味は怖い?意味や石言葉
翡翠はジュエリーとしても人気ですが、少し不思議な雰囲気もあり、パワーストーンとしても人気の高い石です。
古来から怪我の治癒に役立つとされたり、お守りとしても用いられてきた翡翠の意味や石言葉をご紹介していきます。
2-1.翡翠の持つ意味
アクセサリーやパワーストーンとしての人気も高い翡翠ですが、一部で「翡翠の意味が怖い」という声が上がっているのを皆さんはご存じでしょうか?
翡翠の意味が怖いといわれている理由をここではご紹介していきます。
2-1-1.魔除けや護符として使われていた
翡翠は古くから魔除けや護符として使われていたという歴史があります。
パワーが非常に強い石とされていたため、災いから身を守るために人々が持っていたようです。
また、中国では古くから墓守りをしている妖精が翡翠を持って現れるといわれており、死の象徴としてのも恐れられていたという説も残っているようです。
翡翠にはマイナスエネルギーを跳ね除ける力があるといわれていたため、自然と「怖い」というイメージが付いてしまったと考えられています。
2-1-2.不老不死をもたらすといわれている
翡翠は不老不死をもたらすという言い伝えがありことから、怖いというイメージにつながっている可能性があります。しかし、不老不死の効果があるというのは科学的な証明はなく、スピリチュアル的な意味だと言えます。
アジア全般で翡翠は健康や長寿などの象徴とされており、悪いエネルギーを取り除いてくれる効果があるとも言われているようです。
不老不死という言葉が翡翠の「怖い」という印象につながっている可能性も高いようですね。
2-2.翡翠の石言葉
翡翠は古来から特別な力を持つ石として、権力者や身分の高い人々が使用してきました。現代でも翡翠は「富」や「名声」「成功」など様々な意味を持つとされています。
日本での翡翠の石言葉は「調和」「幸福」「永遠の愛」「安定」など様々です。また、中国では「仁・義・礼・智・信」の5つの徳を備えた石とされており、数多くの恩恵を受けられる石としても人気のようです。
2-3.翡翠と相性の良い石
パワーストーンはそれぞれ石ごとに違うパワーを持っています。
そのパワーを増したり、補ったりする目的で数種類の石を組み合わせて使うことも珍しくありません。翡翠も、もちろん単体でも様々なパワーを持つ石ですが、他の石と組み合わせることでそのパワーを増強させたり、翡翠の持っていないパワーを補ったりすることができます。
では一体どのような石と組み合わせるのが人気なのか、パワーストーンの翡翠とそれぞれの石の持つパワーを合わせて見ていきます。
2-3-1.翡翠×水晶
水晶はクリスタルとも呼ばれるクリアカラーの石です。パワーストーンにおいては他の石のパワーを増幅させる効果を持つ石とされ、全てのパワーをまんべんなく持ち合わせています。
そんな水晶を翡翠と組み合わせると、翡翠の持っている目標を達成するパワーと厄除けのパワーを増幅させることができるでしょう。バランスよく全体の運気をアップさせる組み合わせです。
2-3-2.翡翠×シトリン
シトリンは透明なイエローの石で、金運のパワーが強い石です。翡翠の目標達成や仕事運を上げるパワーと組み合わさって、仕事で成功し富を手に入れる組み合わせと言えるでしょう。
ただし恋愛のパワーはとても低いので、仕事だけでなく恋愛成就や家庭円満などのパワーもほしいのであれば、ルビーやローズクオーツなど、愛のパワーを持つ石を加えるとさらに良い組み合わせになります。
2-3-3.翡翠×ラピスラズリ
青く美しいラピスラズリは、日本では瑠璃とも呼ばれる魔除けのパワーが強いパワーストーンです。翡翠と同様に古来から神聖な石として扱われてきた石で、非常に強い魔除け・厄除けのパワーを持っています。翡翠にもラピスラズリと同じく厄除けのパワーがありますので、何か心配事がある時や、旅行など普段と違う状況に身を置くときなどに、お守りになってくれるでしょう。
ただしそれ以外のパワーは弱いので、癒しのパワーを持つグリーントルマリンや、金運のパワーを持つシトリンなどと組み合わせると、良いお守りになります。
3.翡翠の産地
翡翠はアジアを中心に、多くの国で産出されています。産地によって石の特徴や石の採掘の歴史などがありますので、いくつかの産地を紹介していきます。
3-1.日本
翡翠は日本では本翡翠とも呼ばれ、10ヶ所以上の産地があります。
その中でも特に有名な産地を紹介します。
3-1-1.新潟県糸魚川
新潟県糸魚川市は、日本における翡翠の産地としてもっとも有名なのではないでしょうか。糸魚川で採れる翡翠は透明度が高く品質も高いとされています。
糸魚川市には1956年に国の天然記念物に制定された小滝川ヒスイ峡、1957年に同じく国の天然記念物に制定された青梅川ヒスイ峡があり、美しい翡翠が採れることで有名です。どちらも今は立ち入り禁止ですが、糸魚川市の海岸では愛好家の方が翡翠探しをする姿も珍しくないようです。
3-1-2.富山県宮崎・境海岸
富山県の宮崎・堺海岸は糸魚川市と隣り合っており、このあたり一帯の海岸は流れてきた翡翠がよく採れるとのことでヒスイ海岸と呼ばれています。
元は新潟で出来た翡翠が長い時間をかけて富山まで流れ着いたのではないかと言われており、こちらもやはり愛好家の方が訪れることが多いそうです。採集にはルールがあり、危険なこともありますが、興味のある方はぜひ行ってみてください。
日本で有名な翡翠の産地のは新潟県、富山県ですが、その他にも翡翠は群馬県、静岡県、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、熊本県などでも翡翠が産出されると言われています。河口や海岸できれいな石を探してみたら、もしかしたら翡翠が見つかるかもしれないのは、ロマンがありますよね。
3-2.ミャンマー
現在流通している翡翠のほとんどがミャンマー産であると言われているほど、ミャンマーでは多くの翡翠が産出されています。しかもミャンマー産の翡翠は、非常に高品質です。
ところがミャンマーでの翡翠の産出は非常に透明性に欠き、倫理的にも問題になっています。中国に高額で密輸されたり、一部の利権を優先させた結果地元の住民が不利益を被っているのです。住居の下の地面が崩され不安定になり、実際に倒壊した家屋もあります。
2015年には採掘によって生じた廃棄物の山が崩れ、労働者が100名以上犠牲になり、遺体の回収すらできませんでした。2020年には豪雨による大規模な地滑りで、162名もの労働者が死亡する事故も起こっています。
非常に美しい翡翠が産出される裏で、このような悲劇が起こっているのです。
3-3.グアテマラ
古代マヤ文明の頃から翡翠を利用していたグアテマラも、翡翠の産地です。産出量はミャンマーには及びませんが、グアテマラの翡翠の大きな特徴は豊富な色数です。
最もポピュラーな緑色はもちろん、欧米で人気のラベンダー色や青、黄緑の翡翠がグアテマラでは産出されます。透明度が高く濃い緑のものは非常に価値が高いとされますし、独特な茶褐色、黒色の翡翠も貴重なものです。
4.有名な翡翠
翡翠は古来から人間に加工・使用されてきました。翡翠の加工には長い歴史があり、有名なものが数多くあります。その中でも特に有名な翡翠や、日本でも見られる翡翠を紹介していきます。
4-1.翠玉白菜
博物館に展示されている翡翠の中でも特に有名なのが、台湾の故宮博物院に展示されている「翠玉白菜」です。世界でもっとも有名な翡翠と言われているほど良く知られているこの翡翠は、その名の通り白菜の形をしています。
翠玉白菜は高さは約19センチ、幅約9センチの大きな翡翠です。白から緑のグラデーションがまるで本物の白菜のような色合いですが、着色などは一切されていない天然の翡翠で作られています。非常に細かい彫刻が施された翡翠で、白菜の葉のやわらかさや瑞々しさがよく表現されています。葉の先にはバッタとキリギリスの姿も彫刻されていますので、ぜひよく見てみてくださいね。
中国では白菜は「清廉潔白」を表しているとされているとされており、白菜をモチーフにした美術品は多くあります。翡翠で白菜を表現することも流行していたそうです。故宮博物院には翠玉白菜の他にも、翡翠で作られた花瓶や、繊細な彫刻が施された翡翠の石板などもありますので、機会があればぜひ一度訪れてみてください。
4-2.102トンの巨大翡翠
新潟にある翡翠ふるさと館には、世界最大級の102トンもある翡翠の原石が展示されています。原石なので、想像するような緑色の翡翠ではありませんが、とても大きくて圧倒されるほどです。
この102トンの翡翠の原石は2016年にミャンマーで175トンの翡翠の原石が見つかるまで世界一巨大な翡翠でした。今では世界で2番目に大きい翡翠ということになりましたが、とても大きな翡翠の原石として世界でも有名な原石です。身長よりも大きな翡翠は、人気のフォトスポットにもなっています。
4-3.翡翠の浴槽
東京都品川区の翡翠原石館では、様々な翡翠を見ることができます。
その中でも特に注目したいのが、糸魚川産の翡翠約10トンをくりぬいて作った翡翠の浴槽です。大理石の浴槽はよく聞きますが、翡翠の浴槽は聞いたことがないですよね!巨大な翡翠の浴槽は、他にはない注目の展示です。
5.翡翠の施設
日本には翡翠の展示や販売などをしている施設が、数多くあります。様々な施設がありますが、美しい翡翠を見学したり、翡翠のことを学べる展示がしてあったりと、施設ごとにそれぞれに魅力があります。
そのような施設がせっかくあるのですから、行かないと損ですよね。日本で産出される宝石で、歴史的にも重要な位置を占める翡翠をより知るため、翡翠の美しさを堪能するため、ぜひそのような施設を訪れてみてください。
5-1.東京・翡翠原石館
東京都品川区にあるのが翡翠原石館です。翡翠専門の博物館で、館長が30年かけて収集した日本や世界の翡翠の展示をしています。
入館者を出迎えるのは、巨大なモザイク画です。これは翡翠原石館の館長が、モザイク画の作者と共に6年をかけて構想した、翡翠などの鉱石10万個で作成した物です。また糸魚川の巨大な翡翠をくりぬいて作った翡翠の浴槽など、他では見られない展示がたくさんあります。展示だけでなく様々な翡翠の販売もしていますので、気に入った翡翠を購入することができるのも嬉しいですね。
現在は曜日限定の完全予約制になっていますので、ウェブで予約をしてから出掛けて下さい。
5-2.新潟・翡翠ふるさと館
新潟県糸魚川市の道の駅「親知らずピアパーク」の中にあるのが「翡翠ふるさと館」です。
新潟の青梅川産の102トンの巨大な翡翠は世界で二番目に大きい翡翠の原石で、絶好のフォトスポットとして人気です。
また翡翠の加工がされていたとされる寺地遺跡から出土した翡翠や、巨大柱などの展示も行っており、歴史が学べる施設でもあります。
翡翠の加工実演をしている日もありますので、ぜひのぞいてみてくださいね。
5-3.新潟・フォッサマグナミュージアム
同じく新潟県糸魚川市の糸魚川ユネスコ世界ジオパークの中にある、フォッサマグナミュージアムでは、翡翠に関する常設展があり、翡翠のことを詳しく学ぶことができます。
翡翠の産地である糸魚川市ならではの数多くの翡翠原石の展示や、翡翠以外の化石や鉱物、日本列島の成り立ちについての展示などがあり、楽しく見学することができる施設です。またフォッサマグナミュージアムでは、曜日は限られますが石の鑑定も行っています。新潟の海岸では翡翠などの石を拾うことができますので、海岸で拾った石が本当に翡翠なのか鑑定してもらうのもいいでしょう。
ミュージアムショップでは宝石の観察に使えるルーペや糸魚川の翡翠のアクセサリーなども販売していますのでお土産にどうぞ。
6.翡翠に似た石
翡翠と同じ緑色の宝石はいくつかあります。翡翠はとても美しく、またとても有名で人気の高い石なので、その人気にあやかって緑の石が「〇〇翡翠」と呼ばれることがあるのです。
具体的に、どのような石が翡翠に似ていると言われているのか見ていきます。
6-1.アベンチュリン
アベンチュリンは和名を砂金石と呼ばれる石で、様々な色がありますが緑も多く、「インド翡翠」とも呼ばれます。
アベンチュリンはキラキラと輝くインクルージョン(内包物)が特徴的な石です。石をよく見たときに、内部がまたキラキラと輝いていたら、それはアベンチュリンかもしれません。表面もガラスのような光沢があり、とろみのある光沢を持つ翡翠とは違います。
6-2.クリソプレーズ
クリソプレーズはクオーツの一種で、色味は明るい緑から黄みがかった緑をしていることが多く、アップルグリーンとも呼ばれています。半透明でやわらかい色合いが、何とも言えないかわいらしい印象の石です。表面にはガラスのような光沢があり、透明度が高いものは特に価値が高いとされています。クリソプレーズは「オーストラリア翡翠」とも呼ばれています。
6-3.グロッシュラーガーネット
ガーネットというと深い赤色の石を想像する人が多いのではないでしょうか。ですが意外にも、様々な色味の石があるのがガーネットです。
そしてグロッシュラーガーネットは不透明や半透明のものが多いのですが、その中には一部透明度の高いものもあり、そのようなガーネットはとても価値が高いとされてます。透明度が高く美しい緑色の発色をするものは「アフリカ翡翠」と呼ばれて売買されることもあるそうです。
6-4.キツネ石
最後に、俗にキツネ石と呼ばれているものをご紹介します
これは特にこの宝石というものではなく、翡翠のように見える緑色の宝石がそう呼ばれているそうです。翡翠を見つけたと思ったら違う石だった、キツネにつままれたようだ、というところから、翡翠によく似た緑色の石が、キツネ石と呼ばれるようになりました。
キツネ石は石としては様々な石の総称なので、宝石としての価値はあまりないものもあります。パワーストーンで翡翠として売られているものは、このキツネ石であることも多いようです
まとめ
今回は翡翠について様々な角度から見ていきました。
翡翠は日本で約5000年も前から加工されていたという歴史があり、さらに現在も河口や海岸で気軽に採集できる数少ない宝石です。
日本において、これほど身近な存在の宝石はそう多くはありません。日本では宝石のほとんどは非日常の物、縁遠いものと思われています。そんな中、もしかしたら海岸で探したら見つかるかも?と思えるような宝石はそうはありませんよね。
翡翠はとても美しく、身近で、それでいてまだまだ謎に包まれた部分も多い、不思議な存在です。翡翠はただ見るだけでも楽しいですが、アクセサリーとして身につけたり、その歴史に思いを馳せたり楽しみ方は人それぞれです。
様々な方法で、翡翠を楽しんで下さいね!