2024年3月30日
翡翠の価値や似ている石について知る!産地や見分け方まで徹底解説!
ジュエリー
柔らかく優しい緑色が魅力の翡翠は、日本でも産出される私たちにとっても身近な宝石です。
ですが一口に翡翠と言っても、その石ごとにランクがあり見た目も価値も大きく違います。翡翠といえば緑色のイメージが強いですが、緑以外にもいろんな色があったり、翡翠のように見えても違う石だったりと、まだまだ知らないことがたくさんあるのが翡翠です。
翡翠は、他の宝石とは違う特徴がたくさんあります。翡翠についてよく知らないうちに購入すると、あとから「思っていた翡翠じゃなかった」「もっと違う物を買えば良かった」と後悔してしまうかもしれません。せっかく買った翡翠で、残念な思いをしたくないですよね。
納得して翡翠を購入するために、今回は翡翠について詳しく解説します。
目次
1.まずは翡翠について知る
翡翠は日本でも昔から用いられてきた、日本人にとってなじみ深い宝石です。
翡翠は、日本国内でも産出される数少ない宝石で、2016年に日本鉱物科学会によって「日本の国石」にも制定されました。非常に古くから日本人の生活に関わっており現在でも国内で産出される、日本人にとっても特別な石が翡翠なのです。
ですが実際に翡翠について詳しく知っているという人や、翡翠を持っているという人は少ないのではないでしょうか。まずは翡翠について、基本的な情報から見ていきましょう。
1-1.鉱石としての翡翠
翡翠は翡翠輝石という鉱物で、英語ではジェダイトと呼ばれます。
現在、世界中では様々な石が翡翠と呼ばれています。たとえばネフライトという石は、翡翠と非常に似ています。国によっては翡翠と呼ばれることがありますが、日本で現在、宝石とされているのはジェダイトのみで、ジェダイトは特に本翡翠とも呼ばれます。
宝石の硬さをあらわすモース硬度は6.5~7で、やや柔らかい石です。ナイフややすりでは傷付きませんが、もしダイヤモンドやルビーなどの硬い石とぶつかると、翡翠の表面に傷がついてしまいます。保管時には特に注意してください。
1-2.翡翠の名前の由来
翡翠の名前は、カワセミという美しい鳥に由来します。
元々翡翠は、日本や中国では「玉(ぎょく)」と呼ばれていました。玉状に加工されることが多かったためと思われます。その玉の中でも非常に美しい光沢を持つものが18世紀にミャンマーで発見され、中国に渡りました。その時に翡翠という名前がついたようです。
川辺に生息している青や緑の光沢のある羽を持つカワセミという鳥を知っていますか?カワセミは漢字では翡翠と書きます。カワセミの羽によく似た美しい色の石が、そのまま翡翠と呼ばれるようになったのです。美しい翡翠は中国から日本にも渡り、翡翠という名前が定着しました。
1-3.翡翠の歴史
翡翠といえば、日本でもかなり昔から装飾品として用いられていたというのは、有名な話です。
翡翠は美しい緑色の宝石で、縄文時代の頃から日本人に身に付けられてきました。ところがその後、翡翠はとても不思議な歴史をたどることになります。
翡翠が世界で初めて加工されたのは、約7000年前、縄文時代前期の日本だったと言われています。2005年に新潟県糸魚川市の大角地遺跡(おがくちいせき)から発見された翡翠敲石(ひすいたたきいし)が見つかったのです。この時の翡翠は、石の斧を加工するための道具として使われていました。翡翠は比較的硬い石だったので、石を加工するのに向いていたのです。
2010年には富山県登米市の小竹貝塚で、約6000年前に作られた翡翠の装飾品が見つかりました。これが現在確認されている、翡翠の世界最古の装飾品としての利用だと言われています。
それから現在に至るまでずっと、翡翠が日本で使用されてきた…と思いますよね。
ですがなんとそうではないんです。7000年前に世界で初めて日本で使用され始めた後しばらく、翡翠は便利な石・特別な石として利用されてきました。ところが奈良時代を境に、翡翠が日本で使用された痕跡は、ぱったりと発見されなくなってしまうのです。原因ははっきりとはわかっていませんが、服飾文化などの変化により自然に翡翠が使用されなくなったのではないかと言われています。
世界で2番目に古い翡翠利用が確認されているのは、約5000年前のグアテマラ、オルメカ文明です。オルメカ文明では日本の翡翠とは違い、青い色の翡翠が使用されていました。その後のマヤ文明、アステカ文明でも翡翠が利用されていたことがわかっています。
翡翠の利用といえば、中国のイメージも強いのではないでしょうか。中国でももちろん翡翠は産出されるのですが、日本と違うのは、中国で翡翠という2種類の石があるということです。中国では日本で翡翠と呼ばれているジェダイトの他に、翡翠によく似たネフライトという石が産出されます。2種類の石はふたつとも、中国では長い間翡翠として利用されていました。科学技術の発達によりネフライトは翡翠と区別されるようになりましたが、それまでずっと、同じ翡翠として利用されていました。中国では現在もどちらも翡翠として、人気も需要もとても高い宝石です。
奈良時代以降日本で産出されなかった翡翠が再発見されるのは、昭和に入ってからです。それまでの長い間、翡翠は日本では産出されないと思われていました。昔使われていた翡翠は、全て海外から輸入された物だろうと思われていたのです。その定説がようやく覆されたのは昭和13年になってからでした。現在では翡翠の産地として有名な新潟県糸魚川で、美しい緑色の石が発見されたことが、翡翠の再発見のきっかけになったのです。
のちにその緑色の石が科学的に分析され、翡翠と判明したことで、日本で翡翠が産出されることが証明されたのです。
1-4.翡翠の色
翡翠といえば有名なのは何と言っても緑ですが、意外にも緑以外に多くの色があります。
とはいえ、圧倒的に数が多いのはやはり緑です。
宝石のほとんどは、鉱物中に含まれる元素によって色を変えます。緑色の翡翠の場合は鉱物中にクロムが含まれています。クロムの含有量で、色の濃淡は変わります。乳白色のパステルグリーンから、黒っぽく見える深緑まで様々な緑色の翡翠があります。その中でも緑が濃くなおかつ透明感がある翡翠は、特に価値の高い翡翠で高値で取引されます。
翡翠の色で、緑に次いで人気なのは紫色です。ラベンダー翡翠とも呼ばれています。白っぽい淡いカラーの紫から、透明度の高い紫色まで様々な色が存在します。日本での知名度はそこまで高くありませんが、欧米ではとても人気の高い色です。
他にも翡翠には、褐色のような赤や黄色、白や黒など、様々な色があります。また、表面の傷や内包物が多いと、本来の色に関わらず黒っぽく見えることもあります。
「翡翠は緑色だけ!」と思っていた人も多いと思いますが、そんな人にとって翡翠にこんなに多くの色があるなんて驚きの事実ですよね。
2.価値のある翡翠の産地
翡翠の産地は限られており、産地ごとに産出される翡翠にも特徴があります。翡翠の主な産地である、ミャンマー、グアテマラ、中国、そして日本の翡翠について解説します。
2-1.ミャンマー
ミャンマーは最高品質の翡翠を産出する、翡翠の産地として最も有名です。18世紀にミャンマーのカチン州という所で翡翠が採掘されはじめ、美しい翡翠は中国などに輸出されました。翡翠はミャンマーの主要な産物として、経済に大きな影響を及ぼすまでになっています。また翡翠を売買するだけでなく、翡翠市場という観光客に人気の観光スポットもあり、ミャンマー経済において大きな役割を果たしています。翡翠がミャンマーに及ぼした恩恵は、とても大きいです。
ミャンマーでは、翡翠は土の中で見つかるものと川で見つかるものがあります。川で見つかるものの方が美しく、良質なものが多いそうです。
翡翠がミャンマーに及ぼした影響は良いものばかりではありません。採掘に当たって現地の人が住まいを追われたり、無理な採掘で多くの命が奪われたという事実もあり、美しい翡翠の裏側では良くないことが行われているという問題があるのです。
2-2.グアテマラ
数千年以上前の遺跡から翡翠が見つかっているグアテマラも、ミャンマーよりは産出量は少ないですが、主要な翡翠の産地です。
グアテマラで見つかる翡翠は、緑が鮮やかで透明度が高いものの他にも、花のような薄い紫や明るい水色、まだらな模様の茶色など、独特な色合いのものがあります。透き通った緑色の翡翠はとても人気ですし、他の産地にはない色味の石は近年とても需要が高まっています。
2-3.中国
中国で産出される翡翠には2種類あります。
日本で翡翠・本翡翠と呼ばれているジェダイトと、軟玉ともよばれるネフライトです。ジェダイトとネフライトは見た目はとても似ていて、長い間中国では同じ翡翠として使用されてきました。科学技術の発達により、2種類の石は今でははっきりと区別することができますが、長い間2種類の石は同じ翡翠として扱われてきました。
中国産の翡翠を購入するときは、勘違いが起きないよう注意したほうがいいでしょう。
2-4.日本
日本の国石にも制定されている翡翠は、もちろん日本でも採れる宝石です。
有名なのは新潟県糸魚川市で採れる翡翠で、特に明星山の翡翠は美しいものが多いと有名です。現在は明星山で翡翠を採集することは禁じられていますが、新潟県の海岸には川を下って翡翠が流れ着くことがあるそうです。また明星山の翡翠は、長い時間をかけて富山県に流れ着くこともあり、翡翠を探して海岸を散策するコレクターも少なくないそうですよ。
日本での翡翠の採集にはルールがあります。立ち入り禁止区域や、採集禁止区域があるので、もし自分でも翡翠を探してみたいと思ったら、事前にきちんと調べてから行くようにしてくださいね。
3.翡翠の価値は様々な要素によって決まる
翡翠の価値は様々な要素によって決まります。
翡翠は様々な種類があり、翡翠に見えても実は翡翠ではないものや、逆に本物の翡翠でも、翡翠のようには見えないものもあります。値段も色や品質でまったく違うので、実際に購入する前に、翡翠の価値についてよく知っておきましょう。
3-1.価値のある翡翠はジェダイトのみ
日本でいわゆる本物の翡翠と言われているのは、ジェダイトという本翡翠のことです。ですがこの分類は国ごとに異なり、今でもよく勘違いされることがあります。悪徳な業者もいますし、たとえ悪気がなくても勘違いから「翡翠を買ったのに本物の翡翠ではなかった」という、悲しいすれ違いが起こってしまうことがあります。本物の翡翠が欲しいと思ったら、たとえ値札に翡翠と書いてあってもそれがジェダイトかどうかを確認したほうが良いでしょう。
3-1-1.ジェダイトとネフライト
ジェダイトとネフライトは、見た目はとてもよく似た緑色の石ですが、実際はまったく違う石です。ジェダイトは翡翠輝石という鉱石で硬玉と呼ばれるのに対し、ネフライトは角閃石という石で、ジェダイトよりも傷付きやすく軟玉と呼ばれます。
見た目が似ているだけでまったく違う石なのですが、科学技術が発達し2種類の石がはっきり区別されるようになるまで、ジェダイトとネフライトは同じ種類の石として扱われていました。英語ではジェダイトもネフライトも同じ「Jade(ジェイド)」と呼ばれます。もし外国で翡翠を購入する機会があったら、そのジェイドがジェダイトかネフライトかは必ず確認してください。値段が安いお得な翡翠だと思ったら、ネフライトだったということになりかねません。
3-1-2.〇〇翡翠は翡翠じゃない
ショップで、〇〇翡翠、という石を見かけることがあります。紫色の翡翠をラベンダー翡翠と呼ぶように、本物の翡翠もある一方で、翡翠ではない石を「翡翠に似ているから」「翡翠という名前にしたほうが売れるから」などの理由で、〇〇翡翠という名前にして店頭に並べているようなこともあるのです。
翡翠によく似たネフライトは「台湾翡翠」と呼ばれることがあります。その他にも、「インド翡翠」と呼ばれるアベンチュリンや「コロラド翡翠」と呼ばれるアマゾナイトなど、翡翠という名前がつけられた石は少なくありません。「そんな翡翠あったかな?」と思ったら、購入の前にきちんと自分で調べてみることをおすすめします。
3-2.本物の翡翠かどうか見極める
本物の翡翠かどうか確かめてから買うことができれば一番良いのですが、様々な状況で購入する時にきちんと確認できないこともありますよね。また既に購入した翡翠が、本物かどうか疑わしいとあとから思うこともあるはずです。
たとえ気に入って購入したものでも、はっきりしないままだとモヤモヤした気持ちが残ってしまい気持ちよく使用できないと思います。
そんな時には、翡翠が本物かどうか確認しましょう。
3-2-1.自分で見分ける
手元にある翡翠が本物かどうかを見分ける方法は、いくつかあります。
簡単に出来る方法は、翡翠を光に透かしてみることです。翡翠は自然のものなので、石ごとに様々な表情を持っています。光に透かしたときにあまりにも色合いが均一なものは、偽物であることが多いです。
翡翠は他の宝石に比べて、熱伝導率が高いのも特徴です。触ったときに他の宝石と比べてひんやりしているかどうかも、見分けるポイントです。また、翡翠はしっかりとした重さがありますので、手に持った時にずっしりした重さがあるかどうかも確かめましょう。
とはいえ、これらの方法で翡翠を見分けるには、十分な知識と多くの宝石を見てきた経験が必要です。翡翠や他の宝石のことをよく知っていなければ難しい方法ですので、あくまでも補助的な方法として考えたほうが良いでしょう。
3-2-2.鑑別を依頼する
もうひとつの方法は、信頼できる鑑別機関に鑑別を依頼することです。日本には宝石を鑑別する機関がいくつもあります。信頼できる鑑別機関に依頼し、手元の宝石が翡翠かそうでないかを科学的に鑑別してもらうのが、一番確かな方法です。
ショップによってはあらかじめ鑑別書を用意していることもありますので、購入する際には鑑別書があるかどうか確認してみたほうが良いでしょう。またショップによっては、別料金で鑑別書を用意してくれることもあります。
もしすでに購入した翡翠なら、鑑別機関を調べるところからはじめてください。かかる費用も時間も違いますので、よく確認してから鑑別を依頼しましょう。
3-3.透明度と色
たとえ本物の翡翠でも、石の品質はそれぞれ違います。石の品質により大きな値段の違いが生じるのです。翡翠の価値には、石の色と透明度が大きく関わってきます。
翡翠には様々な色があります。その中で最も価値が高いとされるのは、人気が最も高く需要もある緑色です。一口に緑色といっても、翡翠の色はひとつひとつ違い、まったく同じ色はありません。緑色が濃くて鮮やかな石の方が価値が高く、緑色が薄い白っぽい石や、逆に色が暗く、黒っぽく見える石は価値が低いとされます。
緑色の他には薄い紫色のラベンダー翡翠も人気で価値が高い翡翠です。日本では珍しいラベンダー翡翠を持つのも良いかもしれませんね。
翡翠はその透明度によって、美しさも大きく異なります。美しく透き通り、キラキラと輝く翡翠はとても価値が高いとされます。ですがそのように美しい翡翠はほんの一握りです。翡翠の多くは、内部にインクルージョンと呼ばれる内包物があります。インクルージョンが出来るだけ少なく、小さなものが価値の高い翡翠です。
濃い緑色でなおかつ透明度の高い翡翠は、本当にごく少数しか存在しないのでとても高価です。
3-3-1.最高ランクの翡翠「琅玕(ろうかん)」
翡翠の最高ランクのものは「琅玕(ろうかん)」と呼ばれます。
琅玕の一番の特徴は、何と言ってもその美しい緑色です。琅玕は他の翡翠にはない美しいテリがあるとされていて、油を垂らしたようなとろみのあるつやがあります。翡翠は天然の物ですから、当然色合いにもムラがあるものが多いですが、琅玕は色ムラが少なく、濃い緑色が均一に乗っています。
透明度も高く、内部のインクルージョンや表面の傷もほとんど見られません。
翡翠といって思い浮かべる、よくある翡翠とは一線を画すような美しさをしているのが琅玕です。外国ではインペリアルジェイドと呼ばれている、特別に価値の高い翡翠です。
3-3-2.翡翠の3つのランク
翡翠には3つのランクがあり、ランクによって大きく価値が異なります。
翡翠はA貨、B貨、C貨(もしくはAランク、Bランク、Cランクとも呼ばれます)の3つに分けられます。天然の翡翠は、見た目を美しくするために、人の手によって様々な加工が施されます。
最高品質の琅玕を含む、天然翡翠の加工処理が少ないものはA貨の翡翠です。表面のざらつきを少なくする研磨や表面のワックス加工のみを施された翡翠で、この加工では翡翠の価値は落ちません。
B貨の翡翠は、翡翠の透明度をあげるための漂白や、より鮮やかな色にするために樹脂を染み込ませる処理などを施したものです。見た目は天然の翡翠に近く、美しいですが、A貨の翡翠より価値は劣ります。
処理が行われている翡翠かどうかは科学的に判別できますが、それを素人が判別するのは不可能です。鑑別書を見れば書いてありますので、手元の翡翠のランクを確認したい人は鑑別書を見てみましょう。
C貨の翡翠は、いわゆる人工翡翠と呼ばれる翡翠のかけらを集めて加工したものや、染色処理を施されたものです。翡翠としての価値はほとんどなく、買取でもほとんど値段がつきません。購入価格は安く抑えられるので、デザインを楽しむものと割り切って使用するのには良いでしょう。
3-4.A貨の翡翠は価格高騰中
翡翠の値段は、石のランクと大きさによって変わってきます。
一番価値が高く、値段が高いのはA貨の翡翠で、近年の翡翠人気もあり価格高騰している物も多いです。大きければ大きいほど、インクルージョンが含まれたりすることも多くなりますので、A貨でカラット数も大きいものはとても高価です。ジュエリーになるとブランドや地金の価値なども値段に大きく関わります。
当然のことですが、宝石は美しいことが価値なので、美しく大きなものほど値段は高いです。
もし翡翠の品質にこだわらなければ、安価な翡翠も存在します。翡翠としての価値はなくても、普段使いのアクセサリーとしては十分でしょう。
翡翠が本物かどうかを素人が見分けるのはとても難しいので、信頼できる店舗で購入するのが一番です。価格と品質に納得して購入する分にはもちろん問題ありませんが、後悔しないためにもいきなり購入するのではなく、ある程度下調べして、しっかりしたお店やバイヤーを選んで購入するようにしてください。
4.パワーストーンとしての翡翠
翡翠は昔から特別な存在として、人々の生活で使用されてきました。他にはない美しさから特別な力を持っていて、身に付けたり所有することでその恩恵を受けられると考えられていたのです。
現在でも翡翠は、強力なパワーストーンとしてとても人気です。パワーストーンとして売られている翡翠は淡い緑色の物が多いですが、やわらかい色合いは他の色とも合わせやすく、見ているだけでも癒されます。
4-1.翡翠の持つ意味
翡翠には悪いものを避けるパワーがあるとされており、魔除けや厄除け、健康長寿のお守りに最適です。「今はこの運気をあげたい」という具体的な目的がない人でもただ単にお守りとして持つことができますので、とても使いやすいパワーストーンです。
また翡翠には人徳を高め、持ち主を成功に導くパワーも持っています。仕事にしろ恋愛にしろ、周囲からの信頼は大事ですよね。人間関係で悩んでいる人にもおすすめのパワーストーンです。翡翠には癒しのパワーもありますので、人間関係に疲れた持ち主を癒してくれるでしょう。
4-2.翡翠と相性の良い石
パワーストーンは1種類で持つのも良いですが、他に様々な石と組み合わせることで、翡翠の持つパワーをより増幅させたり、石同士で持っているパワーを補い合ったりすることもできます。好きな石を組み合わせてアクセサリーできるようなショップもありますので、どんな石同士を組み合わせるか自分で考えて決めてみるのも楽しそうですね。
ですがパワーストーンは種類も多いですし、どんな組み合わせが良いのか迷うことも多いでしょう。翡翠と相性の良い石にはどんなものがあるのかご紹介しますので、参考にしてください。
4-2-1.翡翠×アメジスト
アメジストは紫水晶とも呼ばれる水晶の一種で、透き通った紫色が特徴的な宝石です。
パワーストーンとしては恋愛のパワーを持っているとされており、恋愛成就や家庭円満を願う人にぴったりのパワーストーンだと言われています。翡翠と同様とても古い歴史を持つパワーストーンで、古来から多くの人々に使用されてきました。
翡翠は悪い物から持ち主を遠ざけ、守るパワーがあるので、恋愛成就を願う人にとっても良い石です。人徳をもたらす効果もあるので、恋愛成就にも役立つでしょう。
またアメジストには、持ち主を落ち着かせ精神的に安定させるというパワーもあります。燃え上がるような、情熱的な恋愛というよりは、落ち着いて相手を見極めたい人にぴったりのくみあわせです。
4-2-2.翡翠×クリソプレーズ
クリソプレーズは、翡翠と同じ緑色のパワーストーンです。明るいアップルグリーンの色合いで、翡翠とは見た目にもよく馴染みます。
クリソプレーズは人間関係を円滑にするパワーストーンです。持ち主に冷静さを与え、怒りや嘆きを沈めてくれます。癒しの効果があるクリソプレーズは、持ち主を優しい気持ちにさせ、リラックスして人と接することができるコミュニケーション能力を与える石です。
クリソプレーズと持ち主を悪い物から遠ざける翡翠との組み合わせは、人間関係を円滑にしたいと思っている人にぴったりです。周囲の環境を整え、自分も穏やかになることで良い人間関係を築くことができるでしょう。
4-2-3.翡翠×マラカイト
マラカイトも翡翠と同じく緑色の石ですが、色合いは翡翠より深い暗めの緑であることが多く、落ち着いた印象を受ける石です。黒いマーブル模様が美しく、同じ緑色の翡翠と並べてもそれぞれ違った魅力が楽しめます。マラカイトの和名は孔雀石(くじゃくいし)です。翡翠と同じく、鳥の名前がついているのも面白いですよね。
マラカイトはその独特なマーブル模様が目のように見えることから、持ち主に鋭い洞察力を授けると言われています。その洞察力で周囲の状況を鋭く把握できることから、マラカイトはビジネスマン向けのパワーストーンです。ビジネスで成功すると周囲の反感を買ってしまうこともありますが、マラカイトは鋭い洞察力で、人間関係を円滑にするパワーも持っています。
人徳を高める翡翠と組み合わせることによって、ただ仕事で成功するだけでなく、きちんとした人間関係を築くことができるでしょう。
翡翠とマラカイトは、お互いの持つパワーを増幅しあえる相性の良い組み合わせです。
5.翡翠に似た緑色の宝石
翡翠は品質によって、まったく違う石のように見えることもあります。透明度や色の濃淡の違いがあり、様々な石に似ていて、どちらを購入しようか迷うこともあるでしょう。
翡翠には様々な色がありますが、その中でも一番ポピュラーな緑色の翡翠によく似た宝石をいくつか紹介します。翡翠と似ている所、似ていない所を比較してみてください。
5-1.エメラルド
翡翠と同じ緑色の宝石で、とても有名な物といったらエメラルドですよね。エメラルドというと、鮮やかな森のような緑色で、輝きが強い宝石を思い浮かべる人が多いと思います。
「翡翠とエメラルドは、同じ緑だけどそんなに似ていないような…」と思うかもしれません。ですが実は、エメラルドに似た翡翠も存在します。それが最高品質の翡翠、「琅玕(ろうかん)」です。琅玕は透明度がとても高く、エメラルドのように透き通っています。琅玕は色もとても鮮やかで、エメラルドに似た緑色です。
ですが琅玕はエメラルドのようなまばゆいきらめきというよりは、とろりとしたテリのある輝きをしています。琅玕は独特のテリがあるので、エメラルドと似てはいますが、違うものだとわかるでしょう。
5-2.アベンチュリン
アベンチュリンは「インド翡翠」とも呼ばれ、翡翠とよく似た石として知られています。
緑や黄色など様々な色があり、色の濃淡も石によって違うなど、翡翠との共通点も多いです。
アベンチュリンの一番の特徴はアベンチュレッセンスと呼ばれる内包物です。細かなキラキラとした輝きを持つ内包物は見た目にも美しく、アベンチュリンによく見られる特徴です。その細かな輝きから、アベンチュリンは「砂金石」とも呼ばれています。落ち着いた印象のある翡翠よりは華やかで、それだけでも目立つ石です。
5-3.クリソプレーズ
クリソプレーズは透明感のある緑色の宝石で、色合いは緑から黄色がかった明るい緑で、アップルグリーンとも呼ばれます。翡翠に似ているという理由で「オーストラリア翡翠」という名前で呼ばれていることもありますが、クリソプレーズはカルセドニーの仲間で、翡翠ではありません。緑の濃淡は様々ですが、中には無色のカルセドニーを緑色に着色しクリソプレーズに似せているものもあるので注意しましょう。テリっぽいツヤは翡翠に似ていますが、クリソプレーズはゼリーのような透明感があり、白っぽい石が多い翡翠とは少し違うように見えます。
5-4.ツァボライト
様々な色があるガーネットの中でも、一部のグリーンガーネットのことをツァボライトと呼びます。ガーネットは様々な色、種類があり、分類を見ていくととても細かいのですが、緑のガーネットはその中でも人気の高いガーネットのひとつです。ツァボライトは正式名称ではなく、正式な名前はグリーングロッシュラーガーネットといいます。
ツァボライトは濃い緑で翡翠によく似ていることから「アフリカ翡翠」とも呼ばれます。輝きの強い緑の石なので、品質によってはエメラルドにもよく似た石です。機会があれば見比べてみてください。
5-5.アマゾナイト
水色に近い青から緑色まで、様々な色があるのがアマゾナイトです。白っぽい物やほとんど水色の物などもありますが、その中でも特に緑に近いアマゾナイトは翡翠にとてもよく似ています。アマゾナイトは「アマゾンの石」という意味ですが、実はアマゾン川流域では発見されていません。なぜそんな名前が付いたかというと、バイヤーがアマゾンで採れた石だと勘違いしたという説や、ギリシャ神話のアマゾネスに由来する説など諸説ありますが、はっきりしません。
アマゾナイトと翡翠の違いは、シラー効果という独特の輝きがあるかどうかです。アマゾナイトにはムーンストーンなどと同様に、光に反射すると虹色の光が見えるシラー効果が見られます。アマゾナイトかどうか迷った時は、光の反射を確認してください。
6.(まとめ)翡翠についてよく知り、価値を見定めよう!
翡翠について、様々な角度から見ていきました。
今まで翡翠に対して持っていた様々な知識やイメージと、違うところはありましたか? 翡翠は本当に奥深く、魅力的な宝石です。古来から使用されてきたとても特別な石ですが、私たちにとって身近な宝石でもあります。
そんなすばらしい翡翠について、あまり知らずにいるのはとてももったいないですよね。もし翡翠を見かけることがあれば、よく見てみてください。さまざまな翡翠を実際に見ることで、価値が高い翡翠や自分の好きな翡翠がわかるようになると思います。
価値が高いというのは、なにも値段が高いというだけのことではありません。自分が心から「欲しい!」と思うような、素敵な翡翠との出会いがあるといいですね。