2025年11月13日
真珠の寿命は何年?劣化・古くなった真珠はどうなるか解説
宝石

乳白色のやわらかな輝きが魅力の真珠。華やかさの中に落ち着きがあり、冠婚葬祭から日常まで幅広く身に付けられるため、成人祝いとして贈られたり、大切に受け継がれていくことも多い宝石です。
結論から言うと、真珠の寿命は長いもので100年程度。宝石の中では比較的繊細で、汗・皮脂・乾燥・紫外線などの日常的な刺激でも少しずつ劣化が進むため、正しい知識とお手入れがとても重要です。
この記事では、真珠の寿命がどのようにして縮まるのか、劣化をできるだけ防ぐ方法、古くなった真珠の扱い方、そしてミキモトやTASAKIなど有名ブランドの真珠を選ぶメリットまで、わかりやすくまとめています。大切な真珠を長く楽しむためのヒントを、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
目次
1.真珠の寿命は長いもので70~100年前後

真珠にはいくつか種類があり、まず日本でよく知られているのがアコヤ真珠です。アコヤ貝の中で育つ小ぶりな真珠で、整った丸い形と上品な輝きが特徴。日本近海で多く養殖され、ミキモトやTASAKIなど国内ブランドのジュエリーでも多く使用されています。カラーもピンク寄り・ゴールド寄りなど幅があり、好みに合わせて選べるのも魅力です。
一方、オーストラリアやタヒチなど温かい海で育つ南洋真珠は、アコヤより大粒で華やか。白く気品あるシロチョウ真珠や深い黒が美しいクロチョウ真珠が代表的です。これら海で育つ真珠の寿命は、一般に長いもので70〜100年前後とされ、保管状態が良ければ何十年も愛用できます。
また、淡水で育つ淡水真珠もあります。母貝の種類も形もさまざまで、ドロップ型・オーバル型・バロックなど個性的なフォルムが魅力。淡水真珠の寿命は20〜30年ほどと海水真珠より短めですが、価格が比較的手頃な点がメリットです。長期間使う予定がない人や気軽に楽しみたい人には淡水真珠もおすすめです。
1-1.どんな真珠でも劣化する
宝石というと、何百年も変わらない姿でずっと使い続けることができるものというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。実際何百年も受け継がれてきたジュエリーや何千年も前の遺跡から発見されたジュエリーなども、世の中には存在します。
ですが、それらのジュエリーと真珠には決定的な違いがあります。それは、真珠は多くの宝石と違って「有機物」であるという点です。多くの宝石は種類はちがいますが「石」、無機物ですが、真珠は生き物である貝が作る「生体鉱物」と呼ばれる宝石です。「宝石」と呼ばれますが、厳密には真珠は石ではありません。真珠の主な成分はタンパク質なので、数年、数十年という短い時間で劣化が進んでしまうのです。石もとてつもない長い時間をかければ風化しますが、その期間はもっと長いので人がひとりの人生でその劣化を意識することはあまりないでしょう。真珠は石と比べて、あまりにも短い時間で劣化してしまうのです。
劣化は真珠の性質上避けられないことなのです。
1-2.劣化は止められないが遅らせることはできる
先ほど海で育った真珠の寿命は70~100年程度と書きましたが、これはあくまでも適した使用と保管が行われた場合です。もし真珠にとって劣悪な使用方法や保管状況に置かれれば、早いもので2、3年使用しただけで劣化が始まってしまうものもあります。2、3年で劣化してしまうものと、100年も使い続けられるものの違いは何でしょうか。
真珠はその性質からどうしても劣化してしまいます。その劣化の原因は、後で詳しく書きますがさまざまです。中には普段行っている何気ない行動が、真珠の劣化を進めてしまうこともあります。つまり知識さえあれば、真珠の劣化を遅らせることができるのです。
1-3.古くなった真珠はどうなる?
真珠をまだ使い慣れていない人には「劣化する」と言われても実感が湧かないかもしれませんし、手元の真珠が古くなっていても気付かず使い続けているケースもあります。では、真珠が実際にどのように変化するのか見ていきましょう。
まず代表的なのが、全体がほんのり黄ばんでくる変化です。「真珠が黄ばむなんて…」と驚く人もいますが、この変化はとてもゆっくり進むため意外と気付きにくいもの。もともとクリーム寄りの色味の個体もあるほか、全体が均一に黄みを帯びてくるため判断が難しいこともあります。
さらに古くなると、真珠特有のやわらかなツヤや照りが徐々に失われ、全体的にくすんだ印象になります。真新しい真珠と並べれば「なんとなく元気がない」とすぐ分かりますが、比較対象がないと見逃しがちです。
また真珠は内部に水分を多く含む宝石で、その水分が抜けてしまうと表面が乾き、細かな亀裂が入りやすくなります。特にネックレスの通し穴の周辺は劣化がわかりやすく、滑らかだった部分が欠けたりギザギザに見えるようになることもあります。
このように真珠はゆっくりと確実に変化していくため、日頃から状態を意識しておくことが大切です。
2.真珠が劣化する原因は?

ここまでの話から、「真珠の劣化は避けられないこと」「その劣化にはさまざまな原因があること」はわかりましたよね。
この項では具体的に、真珠が劣化する原因について見ていきたいと思います。真珠の劣化の原因は主に3つです。ひとつ目は「経年劣化」、ふたつ目は「主に使用時に受ける影響」、そして3つ目は「保管時の環境の影響」。これらの原因について詳しく知ることは、お手持ちの真珠の劣化に大きく関わってきます。劣化する原因をできるだけ取り除けば、劣化の速度を遅らせることができるのです。
2-1.経年劣化
真珠が劣化する大きな原因のひとつは、経年、つまり時間が経つことです。真珠は貝の中で層を重ね、少しずつ大きくなります。貝の中の環境と取り出されてジュエリーにされた環境はあまりに違うのです。貝から取り出された瞬間から経年劣化は始まります。そして、それは私たちにはどうにもできません。
経年が劣化の原因である以上、真珠はどうしてもいつかは色褪せ輝きを失ってしまいます。この点はしょうがないものとして受け入れるしかないでしょう。とはいえ、真珠の種類によっても寿命が違います。淡水真珠なら20~30年、海水で育った真珠なら70~100年とかなり異なりますので、どうしても長く使用したいなら淡水真珠は避けてください。
2-2.汗・皮脂・化粧品などの影響
経年劣化と違って、私たちが気を付けることができるのが使用時に真珠が受ける影響によって劣化してしまうことです。
真珠は宝石の中でもとても繊細で、外界からの影響を強く受けます。何気なく使用している最中にも、真珠の劣化となる原因が潜んでいるのです。
たとえば、真珠のジュエリーを身に付けるとどうしても真珠に付着してしまう汗や皮脂。目には見えなくても、汗や皮脂は真珠に付いてしまいます。それをそのままにしておくと、真珠の劣化を勧めてしまうのです。
また、化粧品の付着も真珠にとってはよくありません。ジュエリーを身につける時は普段着というよりもドレスアップをしていることが多いでしょう。そういった時には、しっかりメイクをしていることもあると思います。化粧品は、真珠が劣化する原因のひとつです。特に香水を吹きかけたり、スプレー上の日焼け止めなどは真珠を身につける前に済ませておいて、真珠に直接触れないようにしてくださいね。
また、真珠は水分を多く含む宝石です。そのため高温多湿な状況は真珠に悪い影響を与えます。高温多湿な環境は真珠の水分量に影響するからです。紫外線を浴びすぎるのも真珠に悪い影響を与えます。ずっと直射日光が当たるような状況にしておくのは、真珠にとってよくありません。あまりないとは思いますが、海水浴や登山などアウトドアレジャーに真珠のジュエリーを付けていくのはやめましょう。
2-3.保管時の環境
使用時の状態だけでなく、保管をする時の環境も真珠の劣化に影響を与えます。
前の項でもご説明しましたが、真珠の劣化には高温多湿や紫外線がよくありません。ですが実際には、意図せずそういった保管状況になってしまっていることがあります。窓際にジュエリーボックスを置いていたり、加湿器のそばやエアコンの直風が当たる場所などに真珠を保管していませんか?多くの人が何気なく行っているそういった保管方法が、真珠の劣化を速めてしまいます。
また、高価な真珠だからとしまいこんでしまうのもよくありません。風通しの悪い場所は真珠が劣化する原因になります。
3.真珠の寿命を延ばす方法

真珠のジュエリーの値段は使用している真珠の数や、そのひとつひとつの粒の大きさ、色、形などによって決まります。当然品質が良い真珠がたくさん使用されているジュエリーは、とても高価です。高価なジュエリーは、できるだけ長く使用したいですよね。そこで真珠の寿命を延ばす方法を解説します。
真珠はどうしても劣化してしまうものです。取り扱い方が悪いと、数十万円もした真珠のジュエリーがたった数年で輝きを失ってしまうこともあります。ですが反対に、適切な方法で使用・保管すれば数十年変わらず使用し続けることもできるのです。知っているか知らないかでそんなに差が出てしまうのはとてもショックですよね。
そこで、真珠のために知っておいたほうがいい真珠の知識をご紹介します。真珠の寿命を延ばす方法を知って、ぜひ実行してくださいね。
3-1.購入時のチェック
真珠の寿命を少しでも伸ばしたいなら、意外と見落としやすいのが「購入時の状態をしっかり確認すること」です。すでに真珠を持っている人には少し残念に聞こえるかもしれませんが、どんな真珠を選ぶかでその後どれだけ長く使えるかが大きく変わります。
まず注目したいのは、その真珠が今どんな状態なのか。前章でお伝えしたように、真珠は黄ばみ・ツヤの減少・細かな亀裂などの劣化が進みます。店頭に並んでいるあいだも劣化はゆっくり進むため、輝きが弱いものや全体がくすんで見えるものは避けたほうが安心です。また、どれくらい長期間店に置かれていたのか、照明や温度管理は適切なのかも購入時のポイントになります。
さらに真珠は漂白や着色で見栄えを整えることがあります。ごく軽度なら問題ありませんが、過度な処理は劣化を早める原因に。特に着色が強い場合、ネックレスの穴の内部が濃いピンクに染まっていることがあるので、細部までしっかり確認しましょう。
とはいえ、消費者が見た目だけで完璧に見極めるのは難しいもの。最も確実なのは、保管・品質管理の行き届いた信頼できるショップで購入することです。良い真珠を数多く見るうちに、自分の目も自然と鍛えられていきますよ。
3-2.お手入れ方法
どんなに良い状態の真珠を手に入れても、その後のお手入れが正しくなければ劣化は進み、寿命も短くなってしまいます。とはいえ、お手入れと聞いて身構える必要はありません。大切なのは、毎日の“小さなひと手間”を欠かさないことです。
まず習慣にしたいのが、使用後にやわらかい布で軽く拭くこと。真珠専用クロスが理想ですが、眼鏡拭きでも十分。ただし研磨剤入りのクロスは絶対にNGです。表面がとても繊細な真珠は簡単に傷が付いてしまいます。ティッシュも繊維が硬く傷の原因になるので避けましょう。汗や皮脂などの軽い汚れなら、この拭き取りだけで十分きれいになります。
広い範囲に汚れが付いた場合は、水洗いが必要になることもあります。ただし真珠は基本的に水に弱いため、通常の水洗いは推奨されません。例外は、酸性やアルカリ性の液体が付着したとき。例えばオレンジジュースがかかった場合、酸が真珠を劣化させてしまうため、すぐに水洗いをして乾かし、ネックレスなら糸替えも必要になります。
万が一のときに慌てないよう、糸替えをしてくれる信頼できるショップをあらかじめ把握しておくと安心ですよ。
3-3.保管方法
真珠のジュエリーは着用するより保管している時間のほうが長いことも多く、特に大切な一本ほど慎重に扱いたいものです。ただ箱にしまっておけば安心というわけではなく、真珠に合った環境で保管することが長持ちのポイントになります。
もっとも安心なのは、購入時のケースに入れて保管する方法です。ケース自体を直射日光の当たらない、風通しの良い所に置きましょう。高温多湿の場所は真珠の劣化を早める原因になるため注意が必要です。また、大きなジュエリーケースに他のアクセサリーと一緒に入れると、硬い宝石や金具が真珠にぶつかり傷が付くことがあります。真珠はやわらかい宝石なので、必ず単独でしまうのが安心です。
使用頻度が少なくても、年に一度はケースから取り出してやわらかい布で拭き、ネックレスなら糸の状態も確認しましょう。真珠と真珠の間から糸が数ミリ見えるようなら交換時期です。糸替えを怠ると着用中に切れてしまう可能性もあるため、2~5年に一度のメンテナンスを心掛けてください。適切な環境で保管し定期的に状態をチェックすれば、久しぶりに着ける日にも安心して身につけられますよ。
4.【FAQ】真珠の寿命に関するよくある質問
最後に、真珠に関するよくある質問を見ていきましょう。
真珠は繊細で傷つきやすい宝石です。その分、他の宝石よりも使用や保管に気を付ける必要があります。ですが真珠を長持ちさせるためにするべきことは、どれもそう難しいことではありません。知っていれば誰でもできるような簡単なことです。簡単なことなのに、知らなかったせいで真珠の寿命を短くしてしまったらもったいないですよね。
せっかく購入した真珠をできるだけ長く使用するために、疑問を解消しておきましょう。
4-1.真珠を長く使うためにはどうすればいい?
真珠を長く使用するために行うことは5つです。
①購入時にすでに劣化している真珠や、劣化が早そうな真珠は避ける
②真珠を外した後はクロスで拭く(特に汚れたら水洗いし、糸替えする)
③購入時のケースで冷暗所に置いて保管する
④使用しなくても1年に1度はケースから取り出して拭く
⑤使用前にはショップでクリーニングや糸替えを行う
この5つを覚えて実行すれば、真珠を長く使用することができるでしょう。
もうすでに購入している場合は①はどうしようもないですが、②~⑤はどれも今すぐにでもできることばかりです。
今からでも遅くはないと思って、お手持ちの真珠をお手入れしてください。
4-2.真珠のクリーニングに効果はある?
真珠を購入した時に、定期的にショップでクリーニングを行うように勧められた経験がある人もいるでしょう。今回の記事でも、クリーニングをおすすめしています。ですがクリーニングには時間も費用もかかるので「本当に必要なの?」「どれくらい効果があるか気になる…」という人も多いでしょう。日々のお手入れで済むなら、できればお金をかけたくないですよね。
結論から言うと、真珠のクリーニングには効果が十分にあります。普段のお手入れではできないことを、専門店ではしてくれるからです。そのひとつが「リフレッシュ加工」です。真珠はミルフィーユのように何層もの真珠が重なってできています。その真珠の一番外側、表面だけを整え下の美しい層を一番外側にするのがリフレッシュ加工です。傷ついたり表面のツヤが失われてしまった真珠でも、奥まで劣化しているわけではないこともあります。真珠は実に1000層以上が重なっているので、傷ついてしまった、劣化したと諦めずに一度専門的なショップで相談してみてください。
4-3.ミキモトやTASAKIなど有名ブランドの真珠は劣化しにくい?
良い真珠を購入するには、信頼できるショップやブランドを見つけるのが一番です。
日本で真珠といえば、TASAKIやミキモトなどを思い出す人が多いでしょう。どちらも真珠のジュエリーメーカーとして有名で百貨店などに店舗がある、信頼のおけるブランドです。
ミキモトは世界で初めて真珠の養殖に成功したブランドで、現在でも自社で真珠の養殖からジュエリーのデザイン・製作・販売までを一貫して行っています。真珠以外の宝石も取り扱っていますが、特に真珠に対して強いこだわりがあり、高価格帯ではあるもののその価格に見合うだけの品質のジュエリーを購入することができます。
TASAKIも真珠の有名ブランドです。ミキモトと同じく自社で真珠の養殖から販売までを一貫して行っており、信頼に値します。どちらも良いブランドなので、ぜひ真珠の購入を考えているなら一度は訪れてみてください。
そういった有名ブランドの真珠は、決して安いとは言えませんがその分真珠の品質は確かです。ショップでの保管方法も適切ですので、購入時にすでに劣化が進んでいたということはほとんどないでしょう。またアフターケアもしっかりしているので、真珠に関して困ったことがあった時にも相談に乗ってくれますよ。長く真珠と付き合っていくには、そうした良いブランドを選ぶのは最適な選択肢と言えます。
もちろんその他にも信頼できるショップやブランドはありますので、ご自宅の近くや通いやすい場所で探してみてください。
5.まとめ
今回は真珠の寿命と劣化、そして劣化の原因と防ぐ方法についてご紹介しました。
真珠は厳密にいうと「石」ではなくほとんどがタンパク室でできているとても繊細な宝石です。真珠の寿命は海でできる真珠だと長くて70~100年、淡水真珠だと20~30年程度だと言われています。とはいえ、ほとんどの場合はそこまで長く使用することはできません。正しい使用後のお手入れや保管が行われておらず、寿命を迎える前に輝きを失ったり表面に亀裂が入ったりしてしまうからです。
貝から取り出した瞬間から真珠の劣化は始まり、完全に止めることはできません。ですが真珠に関する知識を持っていれば、劣化を遅らせることができます。
ぜひこの記事でご紹介したお手入れ方法・保管方法を参考にしてください。すこしでも長く大切な真珠を美しいままに保ってくださいね。
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