2024年4月30日
【エルプリメロムーブメント】ゼニスとは?歴史や魅力を徹底解説
時計
時計愛好家なら「エルプリメロムーブメント」の逸話を一度は耳にしたことがあるでしょう。世界初の高振動自動巻きクロノグラフムーブメントとして開発され、クオーツショックの影響により、一度は機械式時計の製造中止に追い込まれたゼニスを救ったのもエルプリメロでした。
今でもゼニスを代表するシリーズとなっていますが、新たなモデルも数多く発表されており、進化を続けるブランドとなっています。この記事ではゼニスの歴史、魅力、代表シリーズ、ゼニスの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。
目次
1.【エルプリメロムーブメント】ゼニスの歴史
1-1.1865年 スイスのル・ロックルでジョルジュ・ファーブル=ジャコにより創業
スイスルロックルにて、22歳のときに「ジョルジュ・ファーブル=ジャコ工房」を設立されたのがゼニスの前身となります。なんと9歳の頃には時計製造を学び起業を考え、13歳には独立し時計製造の世界に熱中していました。
ルロックルは時計製造のゆりかごの地と言われており、多くの時計メーカーがひしめき合っています。夏は農業に従事していた人たちも、冬には労働力として時計の部品をつくるようになり、20世紀以降には全ての時計の部品を村でつくれるほどになりました。
ジョルジュはアメリカの時計メーカーが良質な時計を大量生産、販売しているのを見て、完璧な時計をつくりたいと考えるようになりました。機械工業による分業体制での大量生産とは反対で、時計製造の全行程を一つ屋根の下に集結させ、一つの時計を自社で一貫製造する方法です。今でいうところのマニュファクチュールであり、先駆けでした。
この頃にはジョルジュの工房は17,000㎡もの敷地で駅に直結しており、製造のための材料は直接入手していました。ある時思いついた最高のムーブメントの構想を実現することになりますが、頂点を意味する「ゼニス」と名付けられました。ブランド名をゼニスに変更したのはこれがきっかけです。
会社設立から10年後にはジョルジュの工房はルロックル全体の10%の雇用を生むほどの規模となっていましたが、第一次世界大戦後はスイスの時計メーカー全体にとって厳しい時期でした。航空機のダッシュボード用の時計や電話交換用の機器など、需要があるものへの対応にも柔軟に応える必要がありました。
1-2.1969年 世界初の自動巻クロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を発表
1969年、世界初となる自動巻きクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」を発表しました。(正確にはセイコーやホイヤー・ブライトリング・ハミルトングループも同年に発表しているため、世界初の一つとなります)それまで困難とされてきた自動巻きとクロノグラフの一体化を実現したムーブメントで、エル・プリメロは他のムーブメントとは一線を画す10振動と精度の高さと細かな計測を可能にしました。
しかしエル・プリメロがローンチされた1970年頃にクオーツショックにより、時計産業に大きな変革が起こりました。開発にかなりの労力と時間を要したエル・プリメロですが、生産中止に追い込まれてしまいました。
ゼニスは一時的に米国のゼニス・ラジオ・コーポレーションの傘下に入り、機械式時計を捨てクオーツ式時計の生産に注力することに決めました。機械式ムーブメントの製造に関連する金型や工具は全て売却か廃棄せよと通達がなされました。しかし地元出身の技術師シャルル・ベルモ氏がこれに反発。エル・プリメロの製造に関わる工具や機械、設計図、部品のすべてを工房の屋根裏に隠しました。
1978年にゼニスが再びスイスに戻り、エル・プリメロを再び生産しようと動き出した時シャルル・ベルモ氏が秘密を明かしたのでした。廃棄処分せよと指示されていた図面や工具を実は大事に保管してあったことを。こうしてエル・プリメロは復活を果たし、ロレックスにエル・プリメロムーブメントを供給する契約を成し遂げることができました。シャルル・ベルモ氏の行動によって、ゼニス社だけでなくルロックルの、あるいはスイス時計産業が守られたといっても過言ではないでしょう。
1-3.1999年 世界三大コングロマリットの一つ、LVMHの傘下へ
1980年代に入り機械式時計が見直されてきたことによって、スイス時計は再び多くの人の手に渡るようになりました。自動巻きクロノグラフの需要が高まるにつれてエル・プリメロの評価も高まり、追い風となりました。1989年にロレックスから発表されたデイトナにエル・プリメロムーブメントが採用され、ゼニスも自社のシリーズの多くにエル・プリメロムーブメントを搭載しました。
1999年には世界三大コングロマリットの一つであるLVMHの傘下となり、アメリカ起業に買収されたときとは違い、スイスの機械式時計を更に磨き上げていくよりラグジュアリーな時計製造へと進むことなりました。
現在はエル・プリメロに並ぶムーブメント「エリート」やデファイコレクションに搭載された「オシレーター」など、次々と新しい機構・技術を開発しています。今後もどんな新しい機構を発表してくれるのか楽しみになるブランドです。
2.【エルプリメロムーブメント】ゼニスの魅力
2-1.名機と名高い「エルプリメロ」ムーブメントとゼニス復活のストーリー
ゼニスを象徴するエル・プリメロムーブメントの開発とゼニスの復活のストーリーは時代を超えて語られています。開発に5年以上を要したとされるエル・プリメロムーブメントですが、開発費用がかさんだこともあり、ローンチから間もなくクオーツショックにより表舞台に立つ機会を失ってしまいました。経営状況の悪化によりアメリカの企業に買収され、エル・プリメロ他、ゼニスから機械式時計は一時姿を消しました。
しかし経営上はともかく、クオーツ時計の技術や生産に慣れなかった従業員は慣れることがないまま再度売却。再びスイスに戻ったゼニスが再起できたのは、オスカー・ウォルデン氏がロレックスがデイトナを近代化しようとしている際にエル・プリメロムーブメントを推したことがきっかけでした。
機械式時計の治工具を廃棄指示していたゼニスの経営陣としては願ってもない引き合いですが、捨ててしまった金型や工具への再投資に踏み切れずにいたところシャルル・ベルモ氏が秘密裏に保管していた図面や道具を取り出してきたことで、ほぼ投資せずにロレックスから注文を受けることができたと言われています。
一時完全に用済みと扱われていたエル・プリメロムーブメントはデイトナに合わせて微調整をし、デイトナ Ref.16520用だけで、1988年から2000年の期間に10万個の生産をしたと言われています。
2-2.文字盤側から動きを鑑賞できるオープンハートモデルの高い人気
ゼニスのコレクションの多くに採用されているオープンハートは高い人気と様々なモデルへ搭載できる汎用性が特徴です。文字盤に穴を開けムーブメントの動きを鑑賞できるようにしたデザインは、誰もが目を惹き付けられる単純明快さと根源的な時計の楽しみの一つとして廃れることもありません。カジュアルになりすぎずデイリーユース・ビジネスの場面でも使えるため、文字盤全体をスケルトン化するよりもユーザーとしても使いやすいのが魅力です。
ゼニスではクロノマスター、エル・プリメロ、クラス、ストラトス、ポートロワイヤルといった多くのコレクションの一部に採用されており、穴の大きさや箇所もモデルごとに調整されています。今後登場するモデルにもオープンハートは搭載されていく可能性が高いゼニスの定番デザインです。
2-3.元祖マニュファクチュールブランドと呼ばれる歴史
時計メーカーの製造スタイルは大まかに2つに分かれています。1つがエタブリスールで、汎用のムーブメントを購入し、ケースや針などを付けていく分業して1つの時計を作る方式です。もう1つ、マニュファクチュールは自社一貫生産とも呼ばれますが、1つの時計を1社で全て手掛ける方式です。マニュファクチュールはエタブリスールに比べてコストがかかるものの1つ1つの時計にこだわりを詰め込めるのが特徴で、独自性とブランドの技術や体制を証明するとして、近年では多くのブランドがマニュファクチュール体制を整えつつあります。
ゼニスはいち早くマニュファクチュールを導入したブランドと言われており、20世紀初頭にはマニュファクチュール体制を整えていたようです。それもあって、ゼニスはこれまで600種類を超えるムーブメントを開発してきており、傑作ムーブメント「エル・プリメロ」の開発もゼニスの技術の高さを証明しているともいえます。
3.【エルプリメロムーブメント】ゼニスの代表シリーズ
3-1.クロノマスター
ゼニスを代表するシリーズとして最も露出も多いのがクロノマスターコレクションです。傑作ムーブメント「エル・プリメロ」を搭載したコレクションで、クラシックさとスポーティーさを両立させており、セラミックベゼルや2カウンタークロノグラフ、オープンハートなど様々なデザインで展開されています。1969年にエル・プリメロを搭載した初代モデル「A386」のデザインをルーツとしており、3色のクロノグラフカウンターと10進法の目盛りで注目を集めました。
また、エル・プリメロムーブメントの進化と共に歩んできており、追加モジュールによるムーンフェイズやトリプルカレンダー、トゥールビヨンといった複雑機構の搭載を実現しています。現在ではシリコン製脱進機を採用し、技術のアップデートを進めています。
3-2.エリート
現行ゼニスのドレスウォッチコレクションがエリートです。ゼニスの代名詞ともいえる傑作ムーブメント「エル・プリメロ」を改良した薄型ムーブメント「Cal.elite」を搭載した薄型コレクションとなっています。楔形バーインデックス、ローマンインデックスと細身のリーフ針、ドーフィンハンドをメインとした繊細な世界観をもつドレスウォッチに仕上がっています。
かつてはサブネームとしてキャプテンやクラスといったコレクションと並行されていましたが、現在はそれらをエリートが継承した形です。キャプテン、クラスのもつクラシックデザインと繊細な雰囲気が融合しており、コンサバさも持ち合わせたクラシックウォッチとなっています。斬新なデザインが開発されるコレクションではないため、今後の展開も安心できるような王道モデルとなる可能性が高そうです。
3-3.デファイ
クロノマスター、エリートに並ぶシリーズとして人気が高まっているデファイは、元々1960年代からラインナップされているスポーツウォッチコレクションです。「挑戦する」といった意味をもつ言葉で、個性的で堅牢性を重視したデザインは高い人気というわけではなかったようです。
転機となったのは、2006年に発表されたデファイエクストリームの発表です。多角形の角を残し凸になるほど立体的なベゼル、ラグと一体化しストラップからシームレスなシルエットをもつケース形状で、艶消しを基本に、ラグジュアリースポーツウォッチに生まれ変わりました。さらに、2017年に発表された毎時10万8000振動をもつ「ゼニスオシレーター」を搭載したデファイラボ、2年後にデファイ インベンターとして129,600振動に強化した上で量産化に成功しました。
以降、様々なモデルが登場しますが、デファイエクストリームと同じ近未来的でラグジュアリーなデザインで、スケルトンモデルやよりラグジュアリースポーツな文字盤、レディースモデルなど多くの派生モデルが発表されています。ラグジュアリースポーツウォッチが世界的に人気が高まる中、時流に上手く乗ったコレクションです。
3-4.エルプリメロ
傑作ムーブメント「エル・プリメロ」の名を冠し、それを搭載したスポーツクラシックなコレクションの位置付けです。肉薄なベゼルで文字盤を大きく見せる工夫や、クロノグラフのインダイヤルの縁取りや立体感の見せ方など、随所に細かなデザインへのこだわりが見られます。
白文字盤に黒のインダイヤルを組み合わせたパンダ文字盤の人気が高く、多くのモデルに採用されたカラーリングです。現在はクロノマスターコレクションに世界観が引き継がれていますが、今日までゼニスの人気をつくり上げた立て役者の一つといえます。
3-5.パイロット
いまや、ゼニスを代表する傑作ムーブメント「エル・プリメロ」の開発以前にゼニスが注力していたパイロットコレクションは、軍用時計や航空用として名を馳せていました。世界で初めてドーバー海峡横断飛行を成し遂げたフランス人パイロット「ルイ・ブレリオ」氏は、航空術の生みの親として知られており、そうしたツテからフランス空軍用のパイロットウォッチの開発も手掛けていました。
パイロット、タイプ20とシリーズは分かれていますが、ブロンズケースやフライバッククロノグラフといった、往年のパイロットウォッチを彷彿とさせるヴィンテージな雰囲気や機能をもっています。余談ですが、ゼニスはパイロットウォッチの文字盤に「PILOT」のロゴの記載の特許を取得しており、他ブランドでは「PILOT」と記載する事ができません。
3-6.キャプテン
キャプテンはゼニスが誇る傑作ムーブメント「エル・プリメロ」を搭載したドレスウォッチコレクションの一つです。1950~1960年代のドレスウォッチを彷彿とさせるデザインで、立体的なバーインデックスとギョーシェによるクラシックデザインは、薄型・多機能のクラスとはまた違った世界観を見せてくれます。
かつてはエリートコレクションからのサブネームの扱いで、シリーズとしては微妙な立ち位置にあったキャプテンですが、王道クラシックな世界観は現在のエリートコレクションに継承されています。とはいえ往年のクラシックウォッチを感じさせるデザインは現在のエリートとしては展開されていないため、中古市場を探すのも手かもしれません。
3-7.クラス
ゼニスが誇る傑作ムーブメント「エルプリメロ」を搭載したクラシックなドレスウォッチコレクションがクラスです。インデックスの種類やギョーシェ、ツーカウンタークロノグラフやパワーリザーブなどデザインや機能の幅が広く展開されています。
かつてはエリートコレクションからのサブネームの扱いで、シリーズとしては微妙な立ち位置にあったクラスですが、王道クラシックな世界観は現在のエリートコレクションに継承されています。とはいえコンサバとクラシックが同居したデザインは現在のエリートとしては展開されていないため、中古市場を探すのも手かもしれません。
3-8.ストラトス
ゼニスを代表するムーブメント「エルプリメロ」を搭載するシリーズの中でもスポーツタイプのパイロットウォッチデザインのストラトス。クロノマスターのデザインに近いものの、目盛りが刻まれた肉厚な回転ベゼルや、すり鉢状のベゼルから文字盤へ吸い込まれるような立体感が特徴です。
ケースサイズは45.5mmをメインとしており、重厚感のある印象です。プッシュボタンも大きめに設計されており、100m防水と合わせ堅牢さも特徴的です。現在は生産終了となっていますが、廃れないデザインのため人気の衰えないシリーズです。
3-9.ポートロワイヤル
ゼニスによるレクタングラーコレクションがポートロワイヤルです。太めの縦長ケースとアラビアインデックスが特徴で、パワーリザーブ表示やクロノグラフ、ビッグデイトといった基本的な機能を備えたモデルが多く展開されています。レクタングラーコレクションと言いつつも、ラウンドモデルを中心に展開している時期もあります。
コンサバなデザインが流行や時代に影響されないデザインで、幅広くユーザー層を獲得しています。植字のインデックスやオープンハートなど立体的なデザインが多く採用されています。
4.【エルプリメロムーブメント】ゼニスの時計を着けている有名人
4-1.アイドル 大野智 ヘリテージウルトラシン Ref. 03.2010.681
アイドル 大野智さんが着けているのはヘリテージウルトラシン Ref. 03.2010.681です。大野さんは俳優としても活動していたこともあって、ハミルトンやロレックス、ジャガールクルトなど多くのブランドの時計を着けています。
Ref. 03.2010.681は超薄型ドレスウォッチで、厚さ3.81mmのCal.elite681を搭載しています。ケースの厚みで見てもわずか7.6mm。放射仕上げのシルバーカラーの文字盤、楔形インデックス、鋭いドーフィンハンドなどクラシックなデザインでまとめられています。シースルーバックの裏面からムーブメントの動きが鑑賞可能です。
4-2.俳優 山田孝之 デファイ Ref. 03.0516.680/21.M516
俳優 山田孝之さんが着けているのはデファイ Ref. 03.0516.680/21.M516です。山田さんは複数の時計を着けているのをTVで見ることができますが、アイスウォッチや
ウブロのアエロフュージョンなど、個性的なスポーツウォッチを好んで着けているようです。
Ref.03.0516.680/21.M516は名前の通り挑戦を続けるデファイコレクションの一本です。ムーブメントにエリートCal.680SCを搭載しており、ブリッジの保護には新開発の材質「合金ゼニチウムz」が採用されています。ギョーシェで埋めつくされた文字盤や回転ベゼルなど、ラグジュアリーな雰囲気をもつパイロットウォッチのようなデザインに仕上がっています。
4-3.お笑い芸人 綾部祐二 エルプリメロfor Koji Uehara Ref. 03.20810.4021
お笑い芸人 綾部祐二さんが着けているのはエルプリメロfor Koji Uehara Ref. 03.20810.4021です。綾部さんは時計愛好家として知られており、オーデマ・ピゲやカルティエといったハイブランドの時計を多く所有しています。
Ref.03.20810.4021は2016年にゼニスがアンバサダー契約を締結したプロ野球選手の上原浩治氏とのコラボレーションモデルです。ピッチングフォームと背番号の「19」が文字盤に描かれており、ファンにはたまらないデザインに仕上がっています。数多く展開されるゼニスのエル・プリメロコレクションの中でも、世界限定50本と希少性が高いモデルです。
4-4.メンズクラブ編集長 戸賀敬城 パイロット タイプ20GMT Ref. 03.2430.693
メンズクラブ編集長 戸賀敬城さんが着けているのはパイロット タイプ20GMT Ref. 03.2430.693です。戸賀さんはファッション誌の編集長だけあって多くのブランドの時計を着けています。選ぶ際の考え方のインタビュー記事もあり、時計へのこだわりを感じさせます。
Ref.03.2430.693はフランス航空界のパイオニア「ルイ・ブレリオ」氏がドーバー海峡横断の際に使用していたパイロットウォッチの初期モデルにインスピレーションを得てつくられたモデルです。ケースサイズ48mmの大型で、グローブのまま操作できるようにリューズも大型です。3針とGMT針のシンプルなデザインなのもあり、大味で堅牢な一本です。
4-5.プロゴルファー 小平智 エルプリメロクロノマスター Ref.03.2040.4061
プロゴルファー 小平智さんが着けているのはエルプリメロクロノマスター Ref.03.2040.4061です。小平さんは2016年にアンバサダー契約を結び、ゼニスの時計を着けています。元々好きなのか、アンバサダー契約後に入手したのかは不明ですが、エルプリメロ・パイロット・エリートなど多くのモデルを所有しているようです。
Ref.03.2040.4061は正式モデル名「エルプリメロ クロノマスター 1969」で、エル・プリメロムーブメントの開発年がモデル名に入っています。原点回帰のような意味合いを含んでいるのか、奇をてらったものではなくオープンハートによるムーブメントの鑑賞やシックなブラックダイヤルなど王道のデザインでまとめた一本です。
5.【エルプリメロムーブメント】ゼニスのおすすめモデル5選
5-1.デファイ スカイライン スケルトン Ref.03.9300.3620/78.I001
Ref.03.9300.3620/78.I001は2023年に発表されたデファイコレクションの一本です。星をモチーフにした文字盤が特徴的なデファイスカイラインをスケルトン化したモデルで、ブリッジの空洞を星をモチーフにした形状となっています。9時位置のインダイヤルは10秒ごとに1回転する1/10秒針で、「コンマ1秒が決定的な意味を持つ」コンセプトを表現しています。
ムーブメントには「Cal.エルプリメロ3620」を搭載し、シースルーバックからもムーブメントの動きを鑑賞可能です。パワーリザーブは60時間を備えており、デザインに重きをおくスケルトンウォッチとしては使いやすくなっています。
5-2.クロノマスター エル・プリメロ オープン Ref.03.3300.3604/69.C823
Ref.03.3300.3604/69.C823は2022年に発表されたクロノマスターの一本です。ベースの白文字盤へ色が少しずつ異なる黒のインダイヤルのデザインは、初めてエル・プリメロを搭載したモデル「A386」の血脈を感じさせます。文字盤9時位置のオープンハートは開口部のフレームをなくしつつアクリル製のカウンターを使用することで、ムーブメントの動きを見せながらスモールセコンドの読み取りも可能にしています。
搭載されている「エルプリメロ 3604」には1/10秒精度の自動巻クロノグラフが備わっています。クロノ針は10秒に一周するようになっており、1秒あたりの細かな計測が可能です。6時位置のインダイヤルは積算計になっており1周につき1目盛り動くため、通常と同じ読み取り方法が異なります。ジャガールクルトのハイエンドモデルに見られるフドロワイヤントとはまた異なる独自性のあるクロノグラフモデルです。
5-3.パイロット タイプXX エクストラスペシャル 40mm リミテッド Ref.11.1941.679/94.C814
Ref.11.1941.679/94.C814は2017年に発表されたパイロット タイプXXの40mmケースモデルです。ワインレッドをはじめ、マスタード、カーキ、ブルーの4色で展開されており、いずれもヴィンテージな雰囲気が強調された往年のパイロットウォッチのデザインです。ストラップもオイルヌバック製で使い込んだような雰囲気が出ています。
アラビアインデックスや大きめのリューズなど、パイロットウォッチの世界観はそのままです。ケースバックにはゼニスの歴史を表すロゴと星を配した紋章が刻印されており、これもまたヴィンテージな世界観を演出するのに一役買っています。マスタード以外のモデルは世界限定250本。
5-4.キャプテン エル・プリメロ ウィンザー アニュアルカレンダー Ref.03.2072.4054/01.C711
Ref.03.2072.4054/01.C711はクラシックなドレスウォッチコレクションのキャプテンのハイエンドモデルです。傑作ムーブメント「エル・プリメロ」の傑作たる所以の一つに、モジュール追加が可能な発展性がありますが、このモデルはアニュアルカレンダー表示機能を追加したものです。月末30日・31日の区別が基本的にはできるため自動で設定されますが、閏での調整が必要な3/1のみ手での調整が必要なカレンダー表示です。
アラビアインデックス、レイルウェイのミニッツレール、ドーフィンハンドといった往年のクラシックデザインを採用しており、クロノグラフ・アニュアルカレンダーといった多機能を搭載しているようには見えないシンプルなデザインに仕上がっています。ケースバックからはムーブメントが見えるため、アニュアルカレンダーの複雑なムーブメントの様相が見える楽しみも。
5-5.クロノマスター オリジナル トリプルカレンダー Ref.03.3400.3610/38.C911(2024年新作)
Ref.03.3400.3610/38.C911はクロノマスターコレクションから2024年の新作として発表されました。1969年に発表されたエル・プリメロムーブメントを搭載した「A386」をルーツとしたデザインで、新作ながらどこか懐かしさを感じさせます。エル・プリメロムーブメントは高精度を保つハイビートやゼニスを救った逸話が表に出がちですが、トリプルカレンダーやムーンフェイズといったモジュールにより機能追加できる点も評価されています。
ここ数年で発表されているクロノマスターに搭載されている10秒で1周するクロノグラフは健在。細かな挙動のクロノグラフをメインとしながら、トリプルカレンダーやムーンフェイズ表示を組み込んでいても視認性がしっかり確保されています。
6.【エルプリメロムーブメント】ゼニス
ゼニスの歴史、魅力、代表シリーズ、ゼニスの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。ゼニスを語る上で欠かせないエル・プリメロについて知ることで、これまでよりもっとゼニスの時計を魅力的に感じたのではないでしょうか。エルプリメロだけではなくエリートやデファイなど、多くのモデルをもつゼニスは今後が楽しみなブランドです。もし街中でゼニスの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。