2024年6月20日
エルメスのボリードとは?由緒ある魅力や入手困難の真相も徹底調査!
バッグ
ブランド
世界三大ブランドのひとつとして知られるエルメスは、高品質な素材と高い職人技術が感じられるアイテムを取り揃えているのが魅力です。そんなエルメスは、世界で初めてバッグにファスナーを取り付けたブランドでもあります。ファスナーが取り付けられたバッグは「ボリード」と名づけられ、1923年に発表されました。
今回は、この由緒あるボリードの魅力に迫ります。ボリードは誕生から100年以上経った現在でもバージョンアップして販売されており、多くの人々から愛され続けているバッグです。その魅力は一体どこにあるのでしょうか。
本記事では、ボリードのサイズ展開や価格、主な素材など、基本情報をわかりやすく解説しています。また、ボリードの人気に関する噂や、入手困難と言われる理由についても探りました。さらに、ボリード1923にも焦点を当て、ボリードとの違いを説明します。
ボリードは、エルメスにとって革新的な影響を与えたバッグです。また、エルメスが高級馬具メーカーからラグジュアリーブランドへ進化するターニングポイントとなったアイテムと言っても過言ではありません。この記事をご一読いただき、ボリードの魅力や特徴を知っていただければ幸いです。
目次
1 ボリードは世界初のファスナー付きバッグ
エルメスのボリードは、1923年に発表された世界で初めてファスナーが付いたバッグです。ボリードは、エルメスの3代目社長であるエミール・エルメスによって発表されました。発表当時は、第一次世界大戦が終わりを迎えた時期であり、移動手段は馬車から車へと移り変わろうとしてました。
ボリードが生まれたきっかけや、ボリードがどれほどエルメスに大きな影響を与えたバッグであるのかを解説していきます。
1-1 ボリードの前身はブガッティ
ボリードは、実は前身のバッグがあり、「ブガッティ」という名前で販売されていました。ブガッティが登場したのは1920年頃です。
ブガッティの名前の由来は、当時高級車を扱う自動車会社であったブガッティ社のフロントグリルに似た形をしていたためと言われています。ブガッティ社の自動車は、その美しさから「走る宝石」とまで称されるほどの高級品でした。
1923年、エルメスはブガッティ社のフロントグリルと差別化を図るために、バッグの名称を「ボリード」に変更しました。ボリードは、フランス語で「レーシングカー」を意味します。この名前からも、ボリードはブガッティのように非常に高級なバッグであり、移動手段が馬車から車へ移行しつつあった時代背景を反映しています。
1-2 ボリードを生み出したのは3代目のエミール・エルメス
エルメスは、1837年に創立された伝統あるブランドです。創業者のティエリー・エルメスは、高級馬具製造を行う店を開き、高い品質と技術へのこだわりで多くの人々を魅了してきました。
創始者の孫であり3代目のエミール・エルメスに店を引き継ぐまで、エルメスは高級馬具を専門に経営を続けていました。しかし、エミールが店を引き継いだ頃、時代は大きな変化を迎えていました。移動手段は馬車から車へ移行が進み、馬具の需要が低下していたのです。
エミールの兄や創業者のティエリー・エルメスは職人気質が強い人でしたが、エミールは接客が得意で、経営に長けていました。そのためエミールは、馬具制作をこのまま続けるとエルメスの経営は成り立たなくなると考え、存続する方法を模索し続けます。
1-3 ボリードが生まれた時代背景ときっかけ
ボリードが生まれたきっかけは、第一次世界大戦中にさかのぼります。エミール・エルメスは軍に入隊し、馬具用の革を買い付けるためにカナダに派遣されました。その際、自動車の後部座席に座っていたエミールは、運転手が寒さをしのぐために掛けた幌にファスナーが付いているのを発見します。
エミールは、馬具を入れるためのバッグ作りの経験から、このファスナーをバッグに取り付けることを閃いたのです。第一次世界大戦が終戦すると、エミールはすぐにファスナー付きのバッグの制作を提案します。この革新的なアイデアが、エルメスの経営不振を救うきっかけとなり、高級ファッションブランドとして舵を切るきっかけとなったのです。
1-4 ボリードは100年以上の歴史があるバッグ
エミールのファスナー付きバッグの制作の提案は、これまで馬具制作をしてきた職人たちを驚かせます。しかし、エルメスの職人の高い技術は、ファスナー付きバッグにも見事に活かされることとなりました。
エルメスの職人たちは、鞍作りで培った「クウジュ・セリエ」という特別な縫製方法をバッグ作りにも採用したのです。クウジュ・セリエとは、1本の糸に2本の針で同じ穴に糸を両側から通して縛るように縫う方法で、革が緩んでずれないように工夫されています。この縫製方法をファスナー付きのバッグ作りにも採用したことで、バッグは型崩れしにくく、高品質な素材の魅力を最大限に引き出すことに成功しました。
さらに、職人たちは革の切り口にも気を配り、蜜蠟を塗ってきれいに固めて仕上げることで、手触りをなめらかにしています。こうして誕生したファスナー付きのバッグは、ファスナーが違和感なく溶け込んだ美しいデザインで、当時のパリの人々を魅了しました。
ボリードは、エルメスの高品質な素材を活かし、卓越した職人技術が反映された、100年以上の歴史を持つバッグなのです。
2 ボリードの特徴や魅力とは?
ボリードは多くの魅力があり、100年以上も世界中の人々から愛され続けているバッグです。ボリードにはどのような魅力があるのか、特徴も踏まえてご紹介します。
2-1 エルメスブランド
エルメスは、アイテムに使用する素材や制作する職人の技術の高さに裏付けられた縫製方法、美しい見た目を追及した完成度に徹底的にこだわるブランドです。高品質な素材を熟練した職人によって制作されることで、最高品質のアイテムを作り上げています。
このようにエルメスは、素材や品質に強いこだわりを持っているため、需要と供給のバランスが崩れてしまっています。しかし、エルメスは需要過多の状況になっている現在も、制作方法を変えようとしません。
この強いこだわりがエルメスファンを虜にし、世界三大ファッションブランドと呼ばれる所以です。高品質な素材を確保し続けるために、老舗タンナーとして知られるデュプイ社を傘下に入れていたり、エルメスの従業員数のおよそ3分の1が職人であったりと、他ブランドとは一線を画す点が多くあります。
エルメスは、ひとつのバッグを最初から最後まで一人の職人が制作します。これは、ボリードも例外ではありません。
ボリードは、特徴であるファスナーを基に制作が開始されます。ファスナーの金具部分を中心としてバッグが制作されるため、ファスナーが浮くことなくバッグにうまく馴染むのです。この高い技術は、エルメスが鞍作りをしていた頃から受け継がれており、ファスナーが馴染んだバッグに仕上げています。
2-2 収納力が高い
ボリードは、シンプルな外観からは想像できないほどの高い収納力があります。ボリードのフォルムは、下部から上部にかけて面積が小さくなる作りとなっており、マチが広いのが特徴です。マチが広いため、収納力を高めています。
ボリードは、サイズ展開が豊富なのも特徴となっており、持ち歩きたい荷物の量によって細かく選択できるのも魅力です。見た目以上の収納力を持ったボリードを持つと、手放せなくなるでしょう。
2-3 使い勝手に優れている
ボリードは、使い勝手に優れていることも魅力です。ファスナーが取りつけられているため、防犯性に優れており、ファスナーはスムーズな動きをするため片手での開閉も可能です。
また、ショルダーストラップの取り付けが可能なため、斜めがけしたり肩掛けしたりして使用できます。斜めがけして使用すると、両手が空いて行動しやすくなります。さらに、内装にはポケットが設置されており、頻繁に出し入れしたいアイテムを入れられるため、使い勝手に優れていると言えます。
2-4 普遍的で上品なデザイン
ボリードのデザインは、シンプルでありながら洗練された美しさも持っています。流行に左右されないデザインのため、100年以上もフォルムを変えず、多くの人々から愛され続けてきました。エルメスのエレガントさや気品を感じられるボリードは、年齢や性別を問わず、幅広い年齢層から支持されています。
普遍的で上品なデザインのボリードは、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。
2-5 幅広いシーンで活躍する
ボリードは、カジュアルからフォーマルまで、幅広いシーンで活躍するバッグです。デイリーユースはもちろん、ビジネスシーンにも活用できる上品さを備えています。
使用されている素材が豊富なのも特徴のひとつで、牛のレザーや綿素材のアイテムが展開されています。ボリードは、多くの魅力ある素材の中から選択でき、多彩なライフスタイルに対応できるバッグなのです。
2-6 バーキンに比べて価格が比較的安い
エルメスを代表するバッグと言えば、バーキンの名前を挙げる方も多いのではないでしょうか。ボリードは、そんなバーキンに比べて価格が比較的安いのも特徴です。ただし、安いと言ってもエルメスのバッグは高額であり、ボリードも例外ではありません。
同じ素材でサイズの近いバーキンとボリードの定価を比較してみます。まず、エプソンのボリード27の定価は、1,603,700円です。一方で、エプソンのバーキン25の定価は1,782,000円となっています。
また、トリヨンクレマンスのボリード31の定価は、1,430,000円です。一方で、トリヨンクレマンスのバーキン30の定価は1,903,000円です。このように同じ素材でサイズの近い2つのバッグを比べてみると、ボリードの方が比較的安いことがわかります。
バーキンは知らない人がいないほど有名なバッグのため競争率が高く、ボリードと比べて比較的安いことから、バーキンよりボリードを選ぶ人もいます。
3 ボリードのサイズ展開とは?
ボリードは、サイズ展開が豊富で6種類あります。ボリードの人気サイズは、27cmや31cmが主流でしたが、最近のミニバッグブームによって15cmや21cmのようなコンパクトサイズの需要も高まっています。また、ボリードの生産終了に伴い、35cmも中古市場で注目を浴びています。
ここからは、それぞれのサイズの使い勝手や収納できる荷物の量などをご紹介します。あなたの使うシーンによって、最適なサイズを見つけてみてください。まずは、6種類のサイズ展開を表にしましたので、参考にしてください。
ボリードのサイズ展開
サイズ | 寸法・幅×高さ×マチ |
ボリード 15cm | 約15×10×5cm |
ボリード 21cm | 約21×15×7.5cm |
ボリード 27cm | 約27×19.5×9.5cm |
ボリード 31cm | 約31×23×14cm |
ボリード 35/37cm | 約35×26×14cm |
ボリード 45/47cm | 約45×36×24cm |
3-1 15cm
ボリード15cmは、ボリードの中で一番小さいサイズです。2017年頃からミニバッグの流行が始まり、現在も高い需要を誇っています。コンパクトなサイズであることから、荷物を運ぶバッグというより、アクセサリーやセカンドバッグとして持つ方も少なくありません。
気になる容量ですが、スマートフォンと折りたたみ財布、定期券ほどの荷物が入ります。キャッシュレス化が進んでいることから折りたたみ財布で十分という方や、ミニマリストに最適なサイズと言えます。現在は廃盤となっているため、購入可能な場所は中古市場のみです。
3-2 21cm
ボリードの中で、2番目に小さいサイズが21cmです。15cmサイズのボリードよりは大きいものの、まだミニバッグの印象のあるサイズ感です。ショルダーストラップを取りつけて、ポシェットのようにして使うのも流行っています。
許容可能な荷物は、15cmのスマートフォンや折りたたみ財布、定期券に加えて、ミニポーチの収納が可能です。普段から荷物が少なめの方は、21cmでも十分だと感じるかもしれません。21cmのボリードは、必要最低限の荷物を持ち歩けるサイズとなっており、人気が高まっています。
3-3 27cm
ボリードの中で人気のサイズである27cmは、必要最低限の荷物プラス大きめのポーチを入れられる大きさです。小柄な日本人の体形にフィットする大きさとなっており、斜めがけすると可愛く使えます。さらに、軽いため長時間でも持ち歩きやすいのも魅力です。
27cmになると、長財布が収納できるようになります。しかし、500mlのペットボトルの収納は難しいサイズ感です。ボリード27cmは、コンパクトバッグに近いと言えます。
3-4 31cm
31cmのボリードになると存在感があり、日常で必要な荷物をすべて持ち運べます。バッグに入る容量も十分で、500mlのペットボトルやiPadも一緒に入れられます。よって、普段使いはもちろんビジネスシーンにも最適な大きさです。
ボリード31cmは折り畳み傘や書類が入るほどの容量を備えており、活躍するシーンが広がるため、人気のサイズであることも頷けます。荷物が多めの方や遠出の日などに活躍してくれる大きさです。
また、日本人女性の平均身長である158cmくらいの方にしっくりくるサイズ感となっています。
3-5 35/37cm
ボリード35/37cmは、もともと37cmだったものがサイズチェンジされて35cmとなりました。そのため、現在では35cmと呼ぶのが主流となっています。しかし、中古市場では37cmの表記の物もあります。サイズは若干違いますが、同じバッグとして扱われています。
ボリード35cmになると、日常に必要な荷物はもちろんのこと、羽織やストールも楽々入るスペースがあります。よって、小旅行に使用したり男性の愛用者がいたりと、活躍するシーンの幅が広がります。
女性がボリード35を持つとすると、斜めがけではなくワンショルダーにして持ち歩くのが適しています。斜めがけすると、バッグの大きさが目立ってしまうことや、目の前に大きな荷物が来るため動きにくいなどの特徴が見られます。167cmくらいの高身長の女性にはしっくりくる大きさと言え、長めに作られたハンドルを手首に掛けて持っても違和感はありません。
3-6 45/47cm
ボリードの45/47cmは、ボリードの中で一番大きいサイズです。35/37cmのボリードと同じようにモデルチェンジされたバッグとなっています。大容量なのが特徴で、制作数が少ないため、お目にかかれるのは稀と言えます。
男性が使用するサイズとして相性が良く、女性と共有して使う方も少なくありません。また、使用目的ではなく、コレクションとして購入する人もいます。ボリード45は、十分すぎる容量を持ったバッグです。
4 ボリードに使われている主な素材は?
エルメスのボリードには、さまざまな素材が使用されています。それぞれの素材は、異なったイメージを与え、違った経年変化を見せてくれます。ここからは、ボリードに使われている主な素材をご紹介します。
4-1 トリヨンクレマンス
トリヨンクレマンスは、エルメスのバッグに最も多く使用されている牛のレザー素材です。シボ(皮の表面の凹凸)を残した、上品なレザーならではの仕上がりが特徴です。また、柔らかい素材となっており、しなやかな手触りも魅力となっています。
最大のメリットは耐久性が高いことであり、長く愛用できます。デメリットとしては、水に弱い点が挙げられます。
トリヨンクレマンスは革の経年変化を感じられるのも特徴となっており、需要の高い素材です。
4-2 エプソン
エプソンの素材もトリヨンクレマンスと同じく、牛のレザーです。エプソンの最大の特徴は、革が固めなことです。固めな素材のエプソンは、かっちりした印象を与え、型崩れしにくいという特徴があります。また、細かな型押しが施されているため、均一な色合いとシボを楽しめます。
エプソンは、固めの素材ですが、経年と共にやわらかさを帯びてきます。使うほどに馴染んでくるため、革の魅力を感じられます。耐水性もあることから扱いやすいため、財布や小物など、幅広く採用されている素材です。
4-3 スイフト
スイフトは、柔らかでなめらかな手触りが特徴の牛のレザー素材です。マットな質感ながらも光沢を感じられるのも大きな魅力です。さらに、発色に優れた素材であることから、鮮やかなカラーとの相性がぴったりと言えます。
スイフトは、繊細な素材としても知られており、傷がつきやすいというデメリットもあります。しかし、そのデメリットも跳ね除けるほどの魅力的な素材です。
4-4 トワルアッシュ
トワルアッシュは、1998年に発表された「フールトゥ」や「エールライン」に使用されたコットンキャンバス生地を基に誕生した素材です。リネンとコットンを平織りした素材となっています。フールトゥやエールラインは、レザー素材のアイテムより安価だったことから、若い世代を中心に人気を集めました。
トワルアッシュ素材を使用したボリードは、レザー生地と組み合わせて販売されています。温かみのあるコットン生地とカラフルなレザー生地のトアルアッシュは、軽量で耐久性に優れていることや、柔らかなイメージから普段使いに最適と言えます。エルメスのコットン素材と言えばトワルアッシュであり、需要の高い素材です。
5 ボリードの定価は?
エルメスは、2024年2月1日に価格改定を行い、ボリードも値上げされました。ボリードとボリード1923の最新価格を表にしてご紹介します。
ボリード
商品名 | 素材 | 定価 |
ボリード27 | エプソン | 1,063,700円 |
ボリード31 | トリヨンクレマンス | 1,430,000円 |
エプソン素材のボリード27の価格改定前の定価は905,300円であり、値上げ率は約17.5%となっています。また、トリヨンクレマンス素材のボリード30の価格改定前の定価は1,221,000円であり、値上げ率は約17.1%です。どちらも値上げ率は17%を超えており、大幅に値上げされたことがわかります。
ボリード1923
商品名 | 素材 | 定価 |
ボリード1923 ミニ | エプソン | 807,400円 |
ボリード1923 25 | エプソン | 1,100,000円 |
ボリード1923 30 | エプソン | 1,298,000円 |
ボリード1923においては、エプソンのボリード1923 25とエプソンのボリード1923 30で、価格改定後の値上げ率は約16.8%となっており、ボリードとほぼ同じ値上がり率を見せています。
6 ボリード1923との違いとは?
ボリード1923とは、ボリードを基に新しいバージョンとして発表されたバッグです。ボリードが1923年に発売開始されたことから、名称に「1923」が入っています。ボリード1923の発表は2017年頃で、2021年からサイズ展開を広げています。
ボリードとの違いは、見た目がシンプルになったことや機能性が上がったこと、サイズ展開などがあります。細かいポイントもありますが、ボリードとの違いをご紹介します。
6-1 サイズ展開
まず、ボリード1923とボリードはサイズ展開が大きく異なります。ボリードのサイズ展開は6種類ありますが、ボリード1923は下記の4種類です。
・ボリード1923のサイズ展開
サイズ | 寸法・幅×高さ×マチ |
ボリード1923 18cm(ミニ) | 約18×14×7cm |
ボリード1923 25cm | 約25×20×10cm |
ボリード1923 30cm | 約30×23×13cm |
ボリード1923 45cm | 約45×37×23cm |
ボリードのサイズ展開は15cmか31cmまでで4段階に種類が分かれていましたが、ボリード1923のサイズ展開は30cmまでで3種類に絞られました。また、ボリードにあった35/37cmがなくなり、ボリード1923の大きいサイズは45cmのみとなっています。このことから、中古市場ではボリード35の需要が高まっています。
バッグの容量ですが、ボリード1923とボリードのフォルムにはほぼ違いがないため、収納できる荷物は同じくらいだと考えてよいでしょう。ボリード1923の一番小さいサイズである18cm(ミニ)は、ボリード15cmや21cmのように必要最低限の荷物を入れられ、ファッションアクセサリーとして使いたい人に人気です。
ボリード1923の25cmと30cmは、日常に必要な荷物を収納でき、日常使いからビジネスシーンまで幅広く活躍します。また、ボリード1923の中で一番大きなサイズである45cmは、男性も愛用する人が多く、長期の旅行やコレクションとして重宝されています。
6-2 マカロンの有無
マカロンとは、バッグ正面上部に付けられた楕円形のネームタグのことを指します。ボリードは旅行かばんとして使われており、その名残がデザインとして残っていました。新バージョンのボリード1923は、マカロンが取り除かれており、シンプルな装いとなっています。
6-3 ステッチの有無
ボリード1923は、マカロンに続いて、バッグ正面にポケットを模して施されていたステッチも排除されました。ボリードのステッチは、エルメスの職人技が光るデザインのひとつでしたが、アップデートによってよりシンプルなボリードが誕生しています。
6-4 ハンドルの長さ
ボリード1923とボリードは、ハンドルの長さも異なります。ボリード1923は、ボリードよりハンドルが短くなり、バッグを肘に掛けるとフィットする感覚となっています。
6-5 内ポケットの数
ボリードの内ポケットの数は1つでしたが、ボリード1923の内ポケットは2つになりました。より機能性が上がった仕様に変更されています。ただし、ボリード1923の18cm(ミニ)の内ポケットは1つのままで変更はありません。
6-6 ファスナーの位置
ボリード1923は、ファスナーの位置も変更されました。ファスナーの位置とは、ファスナーを開けられる位置が浅かったり深かったりすることを指します。ボリード1923はボリードよりファスナーの位置が深くなりました。これにより開閉口がさらに大きく開けられるようになったことから、荷物を探しやすくなったり荷物を出し入れしやすくなったりと、より利便性が上がったと言えます。
アップデートされたボリード1923は、ボリードよりデザインがシンプルになり、利便性が上がったことが特徴です。また、サイズ展開が縮小され、より希少性が上がったという見方もできます。
7 ボリードは人気がないって本当?入手困難と言われる理由とは?
エルメスのバッグはどれも人気が高く、需要と供給のバランスが崩れているため、エルメスの店舗を訪れても欲しいバッグの在庫がなく、入手困難であると言われています。ボリードも需要の高いバッグのため、エルメスの店舗を訪れてもすぐに紹介してくれるアイテムではありません。しかし、ボリードは人気がないという噂も一部で聞かれており、真相は一体どうなのでしょうか。
ボリードをフリーで手に入れることができたパターンや、リクエストしても2年待ちと言われたパターンを紹介し、本当にボリードは人気がないのかどうか考察します。また、ボリードが入手困難と言われる理由についても深掘りしていきます。
7-1 ボリードはフリーで買えるバッグ?
ボリードは、エルパトを続けている一部の人から、エルメスの店舗で展示されているのを見かけたという声が上がっています。そのため、運よくタイミングが合えば、ボリードはフリーで買えるバッグなのではないか、という声に繋がったようです。
実際にフリーでボリードを購入できた方はいらっしゃるでしょうし、ボリードをフリーで手に入れられる確率を出すことはできません。しかし、フリーで買えたことが話題になるということは、普段はフリーで買えないバッグであることを表しており、入手困難なバッグであることが分かります。
また、エルメスの公式オンラインショップでボリードを購入できた、という投稿をしていた人も見受けられました。しかしよく見ると、ボリード1923であり、ボリードではありませんでした。ボリード1923は発売開始されて間もないこともあり、通称でボリードと呼ばれています。
そのため、この投稿の噂を聞いた一部の人が、ボリード1923をボリードだと思っても無理はありません。ボリードは2022年に生産終了しているため、現在ではエルメスの公式オンラインショップに掲載されることはないのです。こちらのパターンも話題となっていることから、ボリードの人気の高さがわかるのではないでしょうか。
さらに、ボリードを「フリーで買える」といった声は、最も入手困難とされているバーキンに比べて手に入れやすいといったニュアンスが含まれていることも考えられます。
ボリードは、エルメスの店舗を訪れてすぐに紹介してもらえるほど手に入れやすいバッグではなく、根気強くエルパトして運よく手に入れられる入手困難なアイテムなのです。
7-2 ボリードはリクエストしても2年待ち?
担当スタッフがついている、エルメスのいわゆるお得意様と言われる顧客の投稿に、ボリードを担当スタッフにリクエストしたところ、1年から2年かかると回答されたといった情報が見受けられました。リクエストのため、自分が希望するサイズや素材、カラーを限定したのか定かではありませんが、ボリードはすぐに手に入らないバッグであることが分かります。
この投稿は、2021年のものでした。実は、2022年にボリードは生産中止を発表しており、エルメスの公式サイトからもボリードの掲載はなく、新バージョンのボリード1923のみとなっています。そのため、エルメスの担当スタッフがついているお得意様であろうとも、現在は中古市場でボリードを探すしかないのです。
7-3 ボリードは生産終了で入手困難?
ボリードは2022年に生産を終了しており、2024年6月現在では、エルメスの店舗や公式オンラインショップで購入することはできません。よって、ボリードを手に入れるには中古市場を利用するしかないため、新品未使用品を入手するのは困難と言えます。なぜなら、ボリードが生産終了してから2年ほどの年月が経っており、新品未使用品は2022年の生産終了前後に高い需要があり品薄状態になっているためです。
現在、ボリードの新品未使用品をオンラインショップで見つけることはできますが、高い需要のため中古市場での販売価格が高騰しています。たとえば、楽天市場において、ボリードの新品未使用品は200万円近い値段で出品されている物もあり、中古品でも100万円を超える物もあるほどです。この中古価格の高騰を見ると、生産終了となったボリードの人気は現在でも続いており、入手困難なバッグであることが分かります。
8 ボリードを入手する方法は?
2022年に生産終了して廃盤となってしまったボリードですが、現在でも需要が高く入手困難なバッグであることをご紹介しました。それでは、そんなボリードを入手する方法はあるのでしょうか。
たとえば、販売中のボリード1923を入手したいのであれば、通称エルパト(エルメスパトロール)する方法があります。しかし、ボリードはすでに廃盤品となっているため、エルメスの直営店や公式オンラインショップを訪問しても入手することはできません。ここからは、廃盤したボリードを入手する方法を具体的に解説していきます。
8-1 百貨店内のエルメスを訪問して入手する
まずは、百貨店内のエルメスを訪問してボリードを入手する方法をご紹介します。それは、エルパトと似ているのですが、訪問可能な百貨店内にあるエルメスの店舗を訪問して、ボリードの在庫がないかスタッフに尋ねる方法です。在庫があれば紹介してもらい、ボリードを入手するのです。
確率は低いかもしれませんが、百貨店内のエルメスであればボリードの在庫を持っている店舗もあるかもしれません。百貨店のエルメスを利用するメリットは、正規品を取り扱っているため、コピー品や模造品の心配をしなくて済むことです。百貨店内のエルメスのような店舗は正規店と呼ばれ、エルメスから直接商品を仕入れています。そのため、コピー品や模造品でないことは確かなのです。
エルパトと同じように、タイミングが合ったり運に左右されたりと、入手困難なことは必須ですが、ボリードの正規品を手に入れたいと思う人にはおすすめの方法です。
8-2 中古販売店を訪問して入手する
次にご紹介するボリードを手に入れる方法は、中古販売店を利用することです。中古販売店は、百貨店内のエルメスより入手できる可能性が高い方法と言えます。なぜなら、百貨店内のエルメスで扱う商品は新品であるため、数が圧倒的に少ないためです。一方で、中古販売店は中古品を中心に扱っているため、百貨店内のエルメスより取扱数が多くなります。
中古販売店もさまざまあり、ブランド品を主に扱っている店舗を選択すれば、ボリードに出会える可能性は高まります。よって、ブランド品に強い中古販売店を狙うと効率が良いでしょう。また、中古販売店の中には自社のホームページを運用している店舗もあります。インターネットで検索して目星をつけてから店舗を訪問するとよいでしょう。
しかし、ブランド品を取り扱っている中古販売店ならどこでもいいわけではなく、古物商許可証を持っていたり、ブランドの知識が豊富なスタッフがいたりする店舗を選択することが大切です。せっかくボリードを見つけたにもかかわらず、コピー品や模造品であれば価値がないからです。ボリードを入手しようとしている中古販売店は、正規品を取り扱っているのか確認して利用するようにしましょう。
8-3 オンラインで入手する
オンライン上で、ボリードを入手する方法もあります。オンライン上ではさまざまなプラットフォームが存在します。たとえば、楽天市場のようなオンラインショッピングモールや、個人輸入代行サービスのBUYMA、メルカリやヤフーオークションのようなフリマサイトなどです。
BUYMAは世界中の人々と繋がれるため、ボリードの新品未使用品を入手できるかもしれません。また、楽天市場やメルカリなどにも新品未使用品が出品されていることがあります。
オンラインでの売買は、外出する手間がなく、自宅にいながら手軽に行えるというメリットがあります。一方で、取引する相手が信頼できる人物であるのか判断しなければなりません。さらに、もしトラブルが起きても自分で対処しなければならないリスクがあり、デメリットと言えます。
オンラインを利用してボリードを入手する場合は、リスクを回避するために慎重に取引相手を決める必要があります。取引相手の評価を調べたり、保証書や付属品の有無を確認したりして、信頼できる相手と取引することが重要です。
9 ボリードは革新的でエルメスを変えた由緒あるバッグ
ボリードは、1923年に発表された由緒あるバッグです。ボリードは、エルメスの3代目であるエミール・エルメスが考案した、世界初のファスナー付きのバッグでした。高級馬具を中心に販売していたエルメスをファッションブランドとして成長させたバッグと言っても過言ではありません。
今回は、そんなボリードの魅力やサイズ展開、主な素材や定価などを詳しく解説しました。ボリードは2017年に「ボリード1923」という新バージョンを発表しました。ボリード1923は、ボリードのデザインをシンプルにして機能性を高めており、人気は衰えることを知りません。
ボリード1923の登場によりボリードが廃盤になったことから、ボリードを入手することはさらに困難となりました。今や、新品未使用品を手に入れる方法は中古市場しかなく、需要が供給を上回っていることから中古価格は高騰しています。このことからもボリードの人気が高いことを物語っており、100年以上もの間、時代を超えて支持され続けてきたボリードは、まさにエルメスを象徴するアイコニックなバッグなのです。
本記事を通じて、ボリードの魅力や価値を少しでも感じていただければ幸いです。革新性と伝統が融合したボリードは、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。