2022年3月13日
【世界三大時計】ヴァシュロン・コンスタンタンとは?歴史や魅力を徹底解説
時計
世界三大時計ブランドの一つ、ヴァシュロン・コンスタンタンは世界最古の時計ブランドと言われています。長い歴史の中で積み上げてきた技術と実績が世界で高い評価を得たことで、世界三大時計ブランドの一角となっています。
特にヴァシュロン・コンスタンタンは伝統や歴史を重んじており、彼らが生み出す時計の数々、特に複雑機構は現代に生きるキャビノチェの業を感じることができます。
この記事ではヴァシュロン・コンスタンタンの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計を着けている有名人、おすすめモデルについて解説をします。
目次
1 世界三大時計ブランド ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史
世界三大時計ブランドの一つヴァシュロン・コンスタンタンの歴史はスイス時計業界の歴史でもあります。スイス時計の歴史におけるキーとなるポイントでヴァシュロン・コンスタンタンがきっかけとなったこともあるほどです。
世界三大時計ブランドへ成長していくヴァシュロン・コンスタンタンの歩みをまとめます。
1-1 世界最古の時計ブランドの始まり
ヴァシュロン・コンスタンタンはジャン=マルク・ヴァシュロンによって1755年にその歴史を始めます。時計師だったジャンが見習いの時計職人を雇い入れた際の雇用契約書が残されており、後に世界最古のブランドの始まりの証拠となりました。
屋根裏部屋(キャビネット)を工房とした時計職人たちをキャビノチェと呼び、卓越した技術とセンスで美しく複雑な時計を創り上げていました。ジャンはまさにキャビノチェであり、そのDNAは息子のアブラアン・ヴァシュロン、孫のジャック・バルテルミー・ヴァシュロンへ確かに受け継がれていったのです。
1-2 3名の英傑により世界最高峰の時計メゾンへ
野心的だったジャック・バルテルミー・ヴァシュロンがメゾンのトップになったことでブランドの進化は加速します。まず販路がスイスだけでなくフランス、イタリアへ輸出されることとなりました。
また、商人の息子であるフランソワ・コンスタンタンと出会い二人は意気投合し、二人の名前を組み合わせたヴァシュロン・コンスタンタンが誕生したのです。フランソワはフランスやイタリアだけでなく、アメリカ、メキシコ、キューバからアジアまでを行商し、ヴァシュロン・コンスタンタンを世界的なブランドへ成長させました。ヴァシュロンがこれまでに受け継いできた技術やセンスが世界的に評価されたのです。
さらに1839年に機械技師のジョルジュ=オーギュスト・レショーが経営に参加。様々な作品を手掛けただけでなく、パンタグラフの発明はスイスの時計業界全体にとっても大きな影響を与えたと言われています。パンタグラフとは時計の構成部品を機械的に複写できる初の工作機器で、量産性が高まることで時計産業の発達を加速させました。
1-3 リシュモングループ傘下となり更なる革新へ
1880年にはヴァシュロン・コンスタンタンのアイコン的存在であるマルタ十字をエンブレムとしました。以降、現在に至るまでマルタ十字はブランドを代表する意匠の一つとなっています。
20世紀に入りルーマニアのマリア王妃、ヘンリー・ジェイムズとウィリアム・ジェイムズの兄弟、 ジェローム・ボナパルトの孫息子に当たるナポレオン公など、そうそうたる顧客からの受注が入るようになりました。1906年には制作した時計をディスプレイしておく店舗をオープンしました。これがブランドの最初のブティックとなり、メゾンは傑作を次々と排出しています。
代表例としては1920年代のクッションケースや1932年の時計師ルイ・コティエ氏とのコラボレーションによって生まれた文字盤外側の都市名と時刻が書かれているインナーリングを回転させることで31のタイムゾーンが人目で判別できるワールドタイムです。現代ではよく見られるデザインですが当時は画期的で、他メーカーにはなかった機構でした。
1955年には創業200年を記念して史上最薄のムーブメントを製作しました。その薄さはなんとスイスの20セントコインと同じわずか1.64 mmです。代表的なムーブメントとしてはCal.1002が挙げられ、しかもジュネーブ・シールを取っているので品質としても高い基準にあることがわかります。
1970年頃にクオーツショックを経て、1977年にメゾン設立222年を記念して制作された222は当時話題となっていたスポーツラグジュアリーウォッチとして発表しています。222の思想は後に現行のオーヴァーシーズシリーズへと受け継がれますが、ジェラルド・ジェンタ氏に強い影響を受けたデザインと言われています。
1992年にはこれまでの薄型ムーブメントを手掛けてきた歴史から、1940年のスタイルでミニッツ・リピーター用のムーブメントを復活させました。そうして発表されたCal.1755はケーシングされた状態で3.28mmと世界で最も薄型のミニッツ・リピーター搭載モデルとなりました。
1996年にはリシュモングループ傘下となり、それまで「バセロン・コンスタンチン」と呼ばれていましたが、「ヴァシュロン・コンスタンタン」の名前で広めていきました。
2 ヴァシュロン・コンスタンタンの魅力
ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計の中でも伝統と歴史を重んじると言われるブランドです。彼らの創り出す時計を見ると、伝統と歴史からなる魅力を感じさせるものばかりです。ここではヴァシュロン・コンスタンタンの魅力を解説します。
2-1 マルタ十字のエンブレムがもつ意味と歴史
マルタ十字はキリスト教の騎士修道会である聖ヨハネ騎士団の象徴です。イタリアの街「アマルフィ」の象徴でもあります。
8つの角は騎士道における美徳を表しています。
- 忠誠心
- 敬虔さ
- 率直さ
- 勇敢さ
- 名誉
- 死を恐れないこと
- 弱者の庇護
- 教会への敬意
ヴァシュロン・コンスタンタンでは精度を追求する姿勢を象徴するアイテムとしてマルタ十字をエンブレムとしており1880年の制定以降、現代に至るまで受け継がれています。ぜんまいのトルクを一定に保つことで精度を高めるためにかつて香箱に取り付けられていたムーブメントの部品がマルタ十字に似ていたことがきっかけとされています。
2-2 伝統・歴史を主軸にするブランドコンセプト
ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計の中でも伝統と歴史を重んじるブランドです。現在のシリーズラインナップを見てみると顕著に現れています。
例えばパトリモニーは機械式時計の最盛期である1950〜1960年代の時計に着想を得ており、トラディショナルは伝統の名の通りで18世紀からなるヴァシュロン・コンスタンタンの歴史、生きるキャビノチェから受け継がれてきた技術が表現されたシリーズです。フィフティーシックスは1956年に発売されていたセクターダイヤルのモデルがモチーフなっていますし、ヒストリークはこれまでヴァシュロン・コンスタンタンが創り出してきた歴史的名作を現代に蘇らせることがコンセプトです。
以上のようにすべてのシリーズが過去の名作がモチーフとなっておりこれまで歩んできた歴史を楽しむことができることからも、ブランドが伝統と歴史を軸としていることがわかります。評価が高いモデルをベースにすることは、メーカーとしては売れないリスクが少なく、ユーザーとしても銘品の復活は嬉しい、といった点で優れた取り組みです。
2-3 キャビノチェのDNAが息づく複雑機構の数々
ヴァシュロン・コンスタンタンは歴史的背景においても実際の時計製作においてもキャビノチェのDNAを受け継いでいることが感じられます。
例えばRef.80172/000R-9300(画像左)に見られる永久カレンダーとトゥールビヨンの同居やあるいはRef.7500U/000R-B688(画像右)のような貴重なエナメル文字盤など、まるで工芸品や美術品のような時計造りはヴァシュロン・コンスタンタンならでは。熟練した職人たちによる作品は先代から受け継いできた技術と創造性の賜物です。
3針やクロノグラフなどのメジャーな機構は一般的な時計師による量産体制によって製造されますが、トラディショナルやメティエダールといった量産できない複雑系はブランドの時計師の中でもエキスパートだけが製造に携わるようになっています。特別なモデルではなく通常販売されているシリーズで複雑系を展開できるのは、ブランドにキャビノチェのDNAを受け継ぐ時計職人がいることの証明でもあります。
3 ヴァシュロン・コンスタンタンの代表シリーズ
ここまで様々な点で魅力的なヴァシュロン・コンスタンタンについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのシリーズを深堀していきます。
3-1 パトリモニー
パトリモニーはヴァシュロン・コンスタンタンを代表するシリーズの一つで、機械式時計の最盛期である1950年代の時計をオマージュするように生まれました。当時はシンプルでエレガントなドレスウォッチが主流で、余分な装飾を省いたミニマリズムが美徳とされました。例えばバウハウスデザインのように「機能がデザインを決める」や「Less is More」といった考え方が時計にも影響を与えたとされています。
緩やかなカーブがかかった文字盤へのシンプルなバーインデックスと細身のペンシル針はアイコン的なデザインで、すべてのパトリモニーに共通しています。2針や3針といった最小限に機能を抑えたモデルからミニッツ・リピーターや永久カレンダーを搭載した複雑系までをラインナップしており、シンプルで端正なデザインと複雑機構を同居させたモデルは、スイス時計の歴史を感じさせる技術とセンスです。
3-2 トラディショナル
トラディショナルは伝統を名を冠する通り、18世紀からなるヴァシュロン・コンスタンタンの伝統であるキャビノチェのDNAと技術の粋をつくしたシリーズです。例えば2019年に発表されたトラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーRef.3200T/002P-B578は振動数の異なるてんぷを2つ備えアクティブモードとスタンバイモードを切り替えることで、最大65日間のパワーリザーブを得ることができます。永久カレンダーはぜんまいが動く限りカレンダーの調整が不要な機能ですが、パワーリザーブが長くないとメリットがないとの考えから生まれた超複雑機構です。
トラディショナルはフラットなベゼルとラグ、バーインデックスを採用しているためコンサバなデザインですが文字盤外側にレイルウェイが描かれているモデルも多く、機械的で現代的なデザインとクラシックなデザインを上手く同居させています。
3-3 フィフティーシックス
フィフティーシックスは1956年発表のRef.6073をモチーフに2018年に発表されたシリーズです。Ref.6073は楔形インデックスでしたが、現行のフィフティーシックスはセクターダイヤルを採用し、現代的なデザインにアレンジされています。アイコン的存在のマルタ十字の4枝を組み合わせた形状のラグで、小さな違いですが他モデルにないデザインで所有者にしかわからない楽しみがあります。
例えばRef.4000E/000R-B438はピンクゴールドケース、ケースサイズ40mmのコンプリートカレンダー搭載モデルで12時位置の月と曜日、6時位置のムーンフェイズ、文字盤外側のポインターデイトは馴染みのあるデザインで、現代的な雰囲気と伝統的なニュアンスが上手く融合された一本です。
フィフティーシックスは一部ジュネーブ・シールを取得していないシリーズがあります。ヴァシュロン・コンスタンタンはジュネーブ・シールの取得に積極的なブランドですが、単価の高騰を避けられないデメリットがあるため、普及モデルにはあえて取得せず手に取りやすい価格に設定しています。しかし取得をしていないだけで品質が落ちるわけではなく、厳しい検査をパスしているのは変わりません。
3-4 オーヴァーシーズ
オーヴァーシーズは現在トレンドとなっているラグジュアリースポーツウォッチに位置するシリーズです。発表は1996年になってからですが、祖となるモデルは1977年に既に生まれていました。モデル名は「222」。ヴァシュロン・コンスタンタン創業222周年記念として製作されており、当時パテック・フィリップやオーデマ・ピゲといったビッグブランドがラグジュアリースポーツウォッチを打ち出してきたのとほぼ同時期です。
デザイナーにはヨルグ・イゼック氏を起用しており、パテック・フィリップのノーチラスやオーデマ・ピゲのロイヤルオークとは違うニュアンスを求めたのかもしれません。とはいえ222を見ると、ラグがなくケースからブレスレットへ流れるような形状はノーチラスやロイヤルオークのデザイナー ジェラルド・ジェンタ氏を彷彿とさせます。また、2ピースケースの採用もジェラルド・ジェンタらしさを感じさせ、影響を受けていた可能性が高いとされています。
ちなみにヨルグ・イゼック氏の代表作としてブレゲのマリーンやタグ・ホイヤーのキリウムが知られており、現在ではHysekというブランドを立ち上げています。
1996年にはラグジュアリースポーツラインがオーヴァーシーズとして、ラインナップに追加されました。マルタ十字を立体化したようなベゼルと222からケースデザインを受け継いでいます。9年後の2005年に二代目となるオーヴァーシーズが発表となり、現行モデルのベゼルとブレスレットのマルタ十字のデザインとなりました。さらに11年後の2016年に現行のオーヴァーシーズとなり、ラグジュアリーさがより感じられるデザインに仕上がっています。
3-5 ヒストリーク
ヒストリークは1755年からなるヴァシュロン・コンスタンタンの歴史を振り返るように、かつての銘品を現代的に蘇らせることをコンセプトとするシリーズです。どのモデルの名前にも最後に年代が入っており、モチーフにしたモデルが誕生した年を表しています。年代を代表する時計たちを見て、当時の歴史背景やトレンドなどを知るのも楽しみの一つです。
例えばヒストリークアメリカン1921 Ref.1100S/000G-B734は狂騒の20年代と言われるアメリカの1921年に生まれたモデルをオマージュして生まれました。斜めにした文字盤と1時と2時の間に取り付けられたリューズといった大胆な設定をそのままにブレゲ針、ブレゲインデックスとレイルウェイの組み合わせも引き継ぎ、王道のクラシックさを強調したデザインに仕上げています。
あるいはヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ 1955 Ref.5000H/000A-B582は1955年にメゾン初の防水性能を備えたクロノグラフとして発表されたRef.6087をモチーフにしています。「コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ」(corne de vache)とはフランス語で「雌牛の角」を意味しており、鋭く美しいラグの形状を指しています。立体的なアプライドインデックスやブルースチールのクロノ針と積算計の針などクラシックの王道的なデザインを踏襲しています。
3-6 メティエダール
メティエダールは主にエナメルやエングレービングといった装飾技術を駆使し、まるで美術品を創るように生み出されているシリーズです。トラディショナルとは異なる方向でキャビノチェのDNAを感じさせます。
例えばMÉTIERS D’ART THE LEGEND OF THE CHINESE ZODIAC – YEAR OF THE TIGER Ref.86073/000R-B901は2022年の干支の虎にあやかって創られたモデルで、エングレービングで浮き出すように彫られた虎と周りのエナメルで描かれた背景はまさに美術品です。ちなみに10時位置の小窓で時、2時位置で分、4時位置で日付、7時位置で曜日を表示しています。
3-7 マルタ
マルタは1912年から続くシリーズで、ラグを兼ねたトノー型が特徴です。直線と曲線のバランスが美しく、力強いトノーケースは現代では珍しいかもしれません。
現行では3針とムーンフェイズとトゥールビヨンに絞って展開されています。12時位置に大きなローマンインデックスと6時位置にはスモールセコンド、もしくはトゥールビヨンといったデザインにまとまっています。人とは違った時計が好みの方にはぴったりかもしれません。一見硬そうなデザインに見えがちですが、手首に沿うカーブがかかったケース形状でいて縦42mm☓横38mmのため大きすぎないため、手首に馴染みやすいデザインです。
4 ヴァシュロン・コンスタンタンを着けている芸能人・有名人5選
世界三大時計と名高いヴァシュロン・コンスタンタンは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人や有名人が好んで着けています。ここではヴァシュロン・コンスタンタンの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。
4-1 お笑い芸人 大竹一樹オーヴァーシーズ クロノRef.49150/B01A-9097
お笑い芸人 大竹一樹氏が着けているのはオーヴァーシーズ クロノ Ref.49150/B01A-9097です。大竹氏は時計愛好家で知られており、他にもパテック・フィリップやIWCの時計を着けているのを見ることができます。
横目のクロノグラフ搭載モデルで、12時位置にビッグデイトを備えつつインダイヤルで積算計を表示します。オーヴァーシーズは防水性は150mを備えており、裏蓋には海を駆ける帆船が刻印されています。
4-2 俳優 ディーン・フジオカヒストリーク アメリカン 1921Ref.82035/000R-9359
出典:モデルプレス
俳優 ディーン・フジオカ氏が着けているのはヒストリーク アメリカン 1921 Ref.82035/000R-9359です。ディーン・フジオカ氏も時計を複数持っていることがわかっていますが、オリスなどどちらかといえば珍しい時計を持っていることが多いようです。
Ref,82035/000R-9359は狂騒の20年代と言われた1921年に発表されたモデルを現代的に復刻させた時計です。リューズの位置、文字盤を斜めにした斬新なデザインは、腕に着けた時計を手首を回さずに見ることができるものです。ケースサイズや針・インデックスのデザインの細かな点は現代的にアレンジされており、クラシックな印象がより強調されています。
4-3 お笑い芸人 設楽統パトリモニーRef.81180/000J-9118
お笑い芸人 設楽統氏が着けているのはパトリモニー Ref.81180/000J-9118です。TV番組の企画がきっかけで購入した時計のようで、他にもパテック・フィリップの時計も購入されたようです。
Ref.81180/000J-9118は18kイエローゴールドケースの2針モデルで、ミニマルさが美しい時計です。文字盤の外側がカーブがかっていることでわずかに立体感を見せつつ、針は追うように先端を曲げることで視認性を維持しています。ミニッツカウンターにはゴールドのビーズがセットされており、細部まで手間暇がかけてある高級感を楽しむことができます。
4-4 お笑い芸人 ケンドー小林 オーヴァーシーズ 4500v/110a-b128
お笑い芸人ケンドー小林氏が着けているのはオーヴァーシーズ Ref.4500v/110a-b128です。ケンドー小林氏は時計好きとしてしられ、ヴァシュロンコンスタンタンを意外にもオーデマピゲ ロイヤルオーク15400STや、ハミルトン ベンチュラ、ロレックス サブマリーナ16800、オメガ スピードマスター、パテックフィリップ ワールドタイムなど沢山の時計を所有しております。
4500v/110a-b128はヴァシュロンコンスタンタンで最も人気のあるモデルで、正規店で定価購入することが難しいです。予約で数年待ちになるか、オーデマピゲやパテックフィリップのように購入実績を積まないと出てこないと聞きます。
中古市場ではプレ値が付いており、相場は右肩上がりで止まることを知りません。デザインの素晴らしさもさることながら人気の高さをうかがえます。
4-5 タレント 林修パトリモニーRef.81180/000P-9539
タレント 林修氏が着けているのはパトリモニー Ref.81180/000P-9539です。林氏は他の時計を着けているところが見られていないようで、Ref.81180/000P-9539だけを使い続けているのかもしれません。
Ref.81180/000P-9539は2針の非常にシンプルなモデルで、プラチナケースを採用することで無駄のない美しさがさらに際立つものとなっています。文字盤と針のわずかなカーブや12、3、6、9のみ楔形のインデックスになっており合わせるとマルタ十字になる仕掛けなど、デザイン自体はそのままです。まるでアンティーク時計、古き良き時代の時計のような一本です。
5 ヴァシュロン・コンスタンタンのおすすめモデル5選
ここまでヴァシュロン・コンスタンタンの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。
5-1 オーヴァーシーズ・オートマティック Ref.4500V/110A-B128
Ref.4500V/110A-B128はオーヴァーシーズ・オートマティックです。41mmステンレスケース、自動巻きの3針+デイト表示モデルです。ベゼル、ブレスレットのコマにマルタ十字が使われており、ヴァシュロン・コンスタンタンのアイコンを強調したデザインです。文字盤にはオーヴァーシーズの名の通り、大海を思わせる深いブルーを採用しており、ビジネス・プライベートの両方で使いやすいモデルです。
5-2 オーヴァーシーズ クロノグラフ Ref.5500V/110A-B075
Ref.5500V/110A-B075はオーヴァーシーズ クロノグラフです。42.5mmステンレスケース、クロノグラフ+デイト表示搭載モデルです。ベゼル、ブレスレットのマルタ十字を3針同様に採用し、横目のインダイヤルがスポーティーな印象です。22Kのゴールド製のローターが使われている自社製ムーブメントCal.5200にもマルタ十字がデザインされたピラーホイールが使われており、ブランドの強い拘りを感じさせる時計です。ブレスレット、ラバー、レザーのベルトが工具なしで交換できるインターチェンジャブルとなっています。
5-3 オーヴァーシーズ・オートマティック Ref.4500V/110R-B705
Ref.4500V/110R-B705はオーヴァーシーズ・オートマティックです。41mm18kピンクゴールドケース、自動巻きの3針+デイト表示モデルです。Ref.4500V/110A-B128とムーブメントは同じですが、あらゆるパーツのゴールド化が施されています。ベゼル、ケース、ブレスレットはもちろん、針やインデックスの縁、デイト表示の小窓の枠、マルタ十字のエンブレムまでがゴールドとなっています。海のような深いブルーの文字盤が採用され、ゴールドのエレガンスなデザインとマッチした贅沢な時計です。
500万円から600万円に上がっている点や中古相場が1年で600万円から1200万円に上がっているなど、供給を上回るほど人気が高まっている一本です。
5-4 ヒストリーク・アメリカン 1921 – コレクション・エクセレンス・プラチナRef.82035/000P-B748(2021年モデル)
Ref.82035/000P-B748はヒストリーク・アメリカン 1921 – コレクション・エクセレンス・プラチナです。1921年発表のリューズと文字盤をナナメにセットしたのが特徴で、手首を回転させずに時刻を読み取ることができるデザインです。Ref.1100S/000R-B430をベースにオリジナルモデルの誕生100周年を記念し創られた世界100本限定モデルです。プラチナケースとサンドブラスト加工されたプラチナ文字盤が特徴です。
5-5 レ・キャビノティエ・アストロノミカル・ストライキング・グランド・コンプリケーション - オード・トゥ・ミュージック Ref.6620C/000R-B656
Ref.6620C/000R-B656はレ・キャビノティエ・アストロノミカル・ストライキング・グランド・コンプリケーション - オード・トゥ・ミュージックです。ラ・ミュージック・デュ・タンシリーズの一つで、レ・キャビノティエ部門で創作され音楽芸術に捧げられた複雑系だけを集めたものとなっています。
長い名称なのは備えているものが多いからで、19もの複雑機構を搭載した時計です。ミニッツ・リピーター、永久カレンダー、高精度ムーンフェイズ、デイ&ナイト表示など、まさにキャビノチェによる美術工芸品の類といえる一本です。世界限定一本で、同じものが一つとして存在しません。
6 歴史と伝統を受け継いでゆくヴァシュロン・コンスタンタン
ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史や魅力についてまとめました。ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計と言われる格式の高さやスイス時計の歴史の重厚感を味わえるブランドです。
伝統・継承を主とするブランドですが、複雑機構の数々は伝統を守りつつキャビノチェのDNAを感じさせる革新的なものばかりです。
店頭でヴァシュロン・コンスタンタンの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。