2024年2月10日
タンザナイトとはどんな宝石?サファイアや他の宝石との違いを徹底解説!
ジュエリー
みなさんは青い宝石と言えば何だと思いますか?一番多い答えはやはりサファイアだと思います。世界四大宝石ともいわれるサファイアはとても有名で人気も高い宝石です。ですがサファイア以外にも、青い宝石はたくさんあります。タンザナイトはそんな青くて美しい宝石のうちのひとつです。
タンザナイトは、2021年に新しく追加された誕生石のひとつです。テレビや雑誌などでも取り上げられたこともあり、名前を聞いたことがある、見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。ですが実際、タンザナイトについて詳しいことを知っているという人はまだまだ少ないと思います。
そこで今回はタンザナイトとはどんな石なのか。鉱物的特徴や歴史からお手入れ方法まで詳しく見ていきます。これからもっと知名度を上げて人気になることが予想されるタンザナイトについて、より詳しく知っておいて損はないですよ!
ぜひ最後まで読んで、より深いタンザナイトの知識を手に入れてくださいね。
目次
1.タンザナイトの特徴
タンザナイトは紫から青にかけての鮮やかな色が特徴の宝石で、宝石としての歴史は浅いですが近年とても人気の高まっている宝石です。
タンザナイトはその石自体が美しいということはもちろん、その希少性も人気の理由のひとつです。タンザナイトは鉱山が限られていて、その鉱山の寿命も残り数十年程ではないかと言われています。それゆえタンザナイトの価値はダイヤモンドよりも高いとも言われています。
そんなタンザナイトにはどのような特徴があるのか、様々な方面から見ていきます。
1-1.タンザナイトはゾイサイトという鉱物の一種
タンザナイトはゾイサイトという鉱物の一種です。ゾイサイトは1805年にオーストラリアで発見されました。宝石質の物は多くありませんが、コレクターの中で密かな人気を誇る石として有名です。色や品質には差があり、中でも透明度が高く美しい物は高い価格で取引されていました。
ゾイサイトには様々な色のものがあり、緑色のグリーンゾイサイト、ルビーを含んだ不透明な緑のルビーインゾイサイトなどがあります。その中でも特に青く透明度の高いブルーゾイサイトが特別にタンザナイトと呼ばれています。
ゾイサイトの中でも一番人気なのがタンザナイトですが、タンザナイトに続いて人気なのがピンクゾイサイトです。ピンクゾイサイトは最近ではタンザナイトの人気にあやかって、ピンクタンザナイトと呼ばれることもあるそうです。
1-2.サファイアと見間違われるほどの深い青色を持つ
タンザナイトの歴史は浅く、1967年にタンザニア、キリマンジャロ山のふもとのメレラニ鉱山で発見されました。タンザナイトをはじめて発見したのは、地元のマサイ族の牧師だったとも、ひとりの宝石コレクターだったとも言われています。
タンザナイトは発見当時、サファイアと思われていたそうです。深い青色の宝石ですから、そう思われても不思議はありませんね。その石は宝石学者の手に渡り、その後宝石の専門機関で鑑定されるためにアメリカに送られました。そこでこの石がサファイアではなく青いゾイサイトだと判明しますが、ゾイサイトはそう人気の高い石ではなかったためあまり話題には上がりませんでした。
1-3.産地が限定されていることから希少性が高い
宝石は世界中から産出されます。同じ種類の宝石でもいくつかの産地があり、産地ごとに色の濃淡や品質が違い、産地によって価格が変動することも多くあります。出津が、タンザナイトの産地は唯一、タンザニアのメレラニ鉱山だけです。タンザナイトは他の鉱床で採掘されることはありません。
宝石の価値基準は様々ありますが、希少性は価値を高めるひとつの要因です。タンザナイトは産地が限定されていることで、希少な宝石としての価値を高めています。
1-4.名前の由来は『タンザニアの夜空の色』
発見された当初はサファイアと勘違いされていたタンザナイトですが、最初に石が発見された翌年の1968年、状況は大きく変わります。
ブルーゾイサイトが、後のティファニー社の社長であるヘンリー・B・プラットの手に渡るのです。その石を見てプラットはすぐに美しい青に魅了されます。ですが青いゾイサイトの「ブルーゾイサイト」という言葉は自殺を意味する単語と発音が似ているということが、プラットには気になりました。
そこでプラットはブルーゾイサイトに、発見された土地である「タンザニアの夜空の色」という意味で、その石をタンザナイトと名付けました。タンザナイトと名付けられたブルーゾイサイトは1968年に大々的に売り出されました。
タンザナイトはこうして一気に人気のカラーストーンになりました。その発見から現在まで、タンザナイトの人気は増す一方です。
1-5.角度によって色が変わる
多色性とは宝石を傾けたり角度を変えることによって、色が違って見えることを言います。クリアカラーの石を除いて、宝石には多かれ少なかれ多色性がありますが、その中でもタンザナイトは強い多色性を示すと言われています。タンザナイトは角度によって青や紫、すみれ色など色の濃淡や青みの強さなど、様々な楽しみ方ができます。
2.タンザナイトがジュエリーになるまで
タンザナイトが採掘されてから、ジュエリーとして私たち消費者の前に現れるまでに、様々な行程があります。タンザナイトは原石の段階でもコレクターには人気ですが、消費者の目に触れるのはリングやネックレスなどのアクセサリーに加工されたものが多いですよね。
タンザナイトがショップに並ぶまでどのような過程を経るのかを解説していきます。
2-1.基本的には加熱加工が施される
宝石は採掘されたままの状態でアクセサリーになる事はそう多くはなく、石自体に何らかの手を加えてからジュエリーになる事が多いです。加工は石の見た目を美しくし、価値を高めます。加工方法は石によって様々ですが、タンザナイトは加熱加工を施されます。
タンザナイトの原石は採掘された時点では褐色がかっているものがほとんどです。この原石を370°C〜400℃で30分間加熱します。この加熱によりタンザナイトは美しい青色を発色します。市場に出回っているタンザナイトは、そのほとんどが加熱処理されたものです。
最初に発見された、サファイアに間違えられるほど美しい青色のタンザナイトが採掘されることはほとんどありません。最初に発見されサファイアと間違えられた美しいタンザナイトは、地球内部の熱によって加熱されたものとも、直前の落雷によって加熱されたとも言われていますが、そのようなことは自然界では滅多にありません。最初の石が発見されなければ今日のタンザナイトの人気はなかったことを考えると、なんだか不思議ですね。
2-2.多色性を生かしてカットされる
タンザナイトは多色性が強いので、カットが非常に重要になってきます。アクセサリーに加工される時、宝石は台座にセットされるので、全方向から見れるわけではありません。アクセサリーとして見る時にいかに美しく見えるのかを考えて、職人はタンザナイトを慎重にカットしていきます。
タンザナイトの人気があまりなかった頃は、できるだけサファイアのような色に見えるように青がより強く見えるカットが施されていたそうです。ですがその人気が高くなるにつれ、タンザナイトの持つ良さが引き立つようなカット方法を施されることが多くなってきました。
現在ではタンザナイトの持つ多色性を活かし、青と紫の両方がよく見えるようにカットされることが多くなっています。このカット方法によって、タンザナイトらしい魅力がより伝わるようになりました。
2-3.タンザナイトを扱うジュエリーブランド3選!
タンザナイトは2021年に誕生石に設定されたこともあり、日本でもとても人気が高まっています。今やジュエリーとして加工され、ショップに並ぶことも多い宝石だと言えるでしょう。
実際にどのようなジュエリーがあるのか、いくつかのブランドで見ていきたいと思います。
2-3-1.4℃
4℃はシンプルで使い勝手の良い物から、少し珍しい個性的なデザインまで、様々なジュエリーを選べるのが魅力です。価格もお手頃で1万円以下のものも多数あり、自分用にも、ちょっとしたプレゼントにもちょうど良いのではないでしょうか。小粒なタンザナイトは、繊細なイヤーアクセサリーにぴったりです。イヤーカフやピアスなど、見ていて楽しくなるようなジュエリーばかりです。
少し価格は高くなりますが、18金やプラチナを使ったアクセサリーもありますので、幅広いラインナップの中から選ぶ楽しみがあります。
2-3-2.TSUTSUMI
ツツミは大人っぽく落ち着いたデザインのジュエリーが人気です。価格は高いもので20万円ほどの商品もあります。決して安くはありませんが、大粒のタンザナイトと小さなダイヤモンドがきらめくデザインの指輪は使い勝手も良さそうで、他にはない魅力があります。タンザナイトは人気の高まっているレアストーンですし、ひとつ持っていれば普段使いはもちろん、パーティなど華やかな場所にもぴったりです。
その一方で1万円以下の小粒のタンザナイトをあしらった10金のピアスやペンダントトップなどもありますので、少しだけ日常を華やかに彩りたい時にもおすすめです。
2-3-3.Tiffany&Co.
1968年にブルーゾイサイトにタンザナイトという名前を付け、世の中に売り出したティファニー。今でもその自負があり、美しいタンザナイトのアクセサリーを世に送り出しています。
ティファニーのタンザナイトはどれも質が高く、デザインも繊細で美しいものばかりです。ダイヤモンドを周囲に配置したデザインや地金にプラチナを使っているものは価格も高く、とても手が出そうにありませんが、シルバーに小さなタンザナイトを配置したブレスレットやネックレスは頑張れば手が届きそうですね。ティファニーのジュエリーは一生物と言ってもよいくらい特別なものですから、自分へのご褒美に頑張ってみてもいいのではないでしょうか。
3.タンザナイトが世界から人気を集める理由
タンザナイトは世界中から人気を集めているカラーストーンですが、その人気の理由はひとつではありません。自分用として、またはプレゼントとしてもタンザナイトを選ぶ人が増えていますが、タンザナイトが選ばれる理由は様々です。様々な面で魅力を持っているタンザナイトの人気の理由を詳しく解説します。
3-1.言うまでもない美しさ
タンザナイトの美しさは言うまでもありません。ショップなどで実際に目にしたことのある人なら、その美しさが人気の理由と言われても納得するのではないでしょうか。タンザナイトは青や紫のゆらめく色が美しい宝石で、エキゾチックな魅力があります。
もし実物を見たことがない人は、ジュエリーショップに立ち寄ってみてください。タンザナイトは人気のある石ですので、レアストーンではありますがジュエリーを置いてある店も多くあります。タンザナイトの実物をじっくり見て、美しさをよく確かめてみてください。
3-2.価格高騰を見越している
希少さという点においては先ほども触れたように、タンザナイトはタンザニアの鉱山からしか採掘されません。ありふれたどこにでもある石ではなく、宝石としても珍しいという希少さが、タンザナイトにはあります。
またタンザナイトが採掘される唯一の鉱山であるメレラニ鉱山はその資源の枯渇が予想されており、2030年頃までにはタンザナイトが採れなくなるとも言われています。そうなれば、タンザナイトが欲しいという人が後から現れても手に入れることができませんよね。当然タンザナイトの価格は上がることが予想されます。タンザナイトは単純な美しさとは別に、将来の価格高騰を見越しての人気も当然あります。
3-3.12月の誕生石として
タンザナイトは12月の誕生石です。
「え?タンザナイトって誕生石なの?」と思った人もいるかもしれません。それも当然のことで、実はタンザナイトは2021年12月に誕生石に新しく追加されたばかりなのです。日本では、1958年に全国宝石卸商協同組合が制定した19種類の宝石が、誕生石として長く親しまれてきました。2021年にそれが改訂され、新しく追加された10種類の宝石のうちの一つがタンザナイトなのです。
誕生石はその月に生まれた人が持つとお守りになると言われています。そのことから誕生のお祝いとして、親から子へ贈られる事も多いです。また誕生石は、その月になるとショップでもフェアなどが行われたりすることもよくあります。宝石に詳しくなくても、大切な人に贈る宝石として誕生石を選んだ経験があるという人もいるのではないでしょうか。
宝石をプレゼントしたいと思った時、誕生石のジュエリーは外れがない贈り物としてとても王道ですし、人気です。
3-4.落ち着いた石言葉
宝石にはそれぞれ石言葉という、石を表す言葉があります。
タンザナイトの石言葉はいくつかありますが、「知性」「冷静」「神秘」などです。
タンザナイトの深い青は「知性」や落ち着いた「冷静」さを感じられるとされています。またタンザナイトは、タンザニアのマサイ族から、雷に撃たれて青くなった石と信じられています。その不思議なエピソードから「神秘」という石言葉を持つようになったそうです。
3-5.世界一大きなタンザナイト
タンザナイトは歴史も浅く、今までに採掘された量も、他の歴史の長い宝石と比べてそう多いというわけではありません。
現在世界で一番大きいと言われているタンザナイトも古いものではなく、発見されたのは2020年でした。それまで世界一大きいとされていたタンザナイトは2005年に採掘された3.3キロの原石です。それよりも大きな原石がふたつ、2020年に立て続けに見つかったのです。ひとつは5.1キロ、もうひとつはなんと9.27キロと、それまで最大とされていたタンザナイトの約3倍もの大きさの原石の発見は、とても大きなニュースになりました。
ニュースにはさらに続きがあって、その翌月になんとまた大きなタンザナイトが見つかりました。大きさは6.3キロと、世界一の大きさには届きませんでしたが、それでも前月に発見された一つの大きさを抜いて、世界で二番目に大きなタンザナイトになったのです。
これほど大きなタンザナイトが見つかることは、もしかしたらもうないかも知れませんね。
4.パワーストーンとしてのタンザナイト
天然石はジュエリーとしても人気ですが、パワーストーンとして身に付けたり家に置いたりして使用することもあります。タンザナイトももちろん、パワーストーンとしての人気もあります。むしろその方が馴染みがあるという人もいるでしょう。
ここではパワーストーンとしてのタンザナイトの人気について解説します。
4-1.タンザナイトの持つ意味
タンザナイトの紫や青色は、パワーストーンとしては「冷静」「判断力」という意味があります。しかもタンザナイトは特に、持つ人に「正しい判断をする力」を与える石と言われています。普段から優柔不断な人や大事な判断をしなければならない人に、タンザナイトはぴったりです。
タンザナイトは「人生の成功」をもたらす石とも言われています。受験生や就職活動をしている人、新社会人がお守りとして持つのも良い石です。
4-2.タンザナイトと相性の良い石
パワーストーン同士は、その石と同じ力を持ちさらにパワーアップさせる組み合わせと、違う力を持つ石同士で力を補い合う組み合わせがあります。
タンザナイトと相性の良い石にはどんな石ががあるのか、詳しく見ていきます。
4-2-1.タンザナイトとアイオライト
持ち主に冷静で正しい判断をさせる石として、「仕事の成功」「目標達成」の力を持っているタンザナイトは、同じく仕事の運勢を向上させるアイオライトと相性が良いです。必ず成功させたい時に、持ち主に大きな力を授けてくれることでしょう。
ただしタンザナイトとアイオライトの組み合わせは金運のパワーをまったく持ち合わせていません。もしさらに金運も欲しいと思うなら、強い金運のお守りであるシトリンやアンバーを組み合わせましょう。
4-2-2.タンザナイトとラピスラズリ
ラピスラズリは神聖なパワーを持つ人気の石です。厄除けや魔除けの石として、古来から親しまれてきました。ラピスラズリとタンザナイトを組み合わせると、目標を達成させるお守りとして強いパワーを発揮します。もちろんタンザナイトの仕事運もありますのでバランス良く運気を上げられる組み合わせと言えるでしょう。
まったくないわけではないのですが、金運と持ち主に安らぎをもたらすパワーは低いので、金運のシトリンや、安らぎの石であるグリーントルマリンなどと組み合わせるとさらに良いパワーを発揮するでしょう。
4-2-3.タンザナイトとアクアマリン
薄い優しい水色が特徴的なアクアマリンは、大きな癒しの力と仕事を達成することができる力を持っています。またタンザナイトの持っていない恋愛成就のパワーストーンでもありますので、お互いに補い合って力を発揮する組み合わせです。
ただこの組み合わせは金運がまったくないので、金運の強いシトリンを組み合わせると良いでしょう。また厄除けとしての効果も薄いので、タンザナイトと同じ12月の誕生石であるターコイズも一緒に使うと効果的です。
様々な組み合わせを試してみても良いかもしれませんね。
5.タンザナイトに似ている宝石
タンザナイトは新しく、他の宝石と比べると知名度が低い宝石なので、他の宝石に間違われることも少なくありません。
どちらの宝石が優れているということはありませんが、その違いを知っておくのはとても大事なことですよね。もちろん宝石の見分けはプロでも難しいことがあるほどなので、専門的な知識のない消費者が厳密に見分けることはほとんど不可能に近いです。
宝石の種類をしっかりと見極めたいと思ったら専門機関に調べてもらう他はありませんので、その点はしっかり自覚しておく必要がありますが、ショップなどで表示されている宝石名を見る前に、この石はなんだろう?と推測しながらジュエリーを眺めたりするような楽しみはありますよね。
タンザナイトに似ている宝石をいくつかご紹介しますので、参考にしてください。
5-1.サファイア
タンザナイトは発見された当初、サファイアだと思われていました。それほどタンザナイトとサファイアはよく似ています。どちらも美しい青色で透明度も高く、人気のある宝石です。色合いとしてはタンザナイトは多色性が強いので、石を見た時に紫色やすみれ色などが見えることが多いですが、サファイアはより深い青色をしていることが多いです。
サファイアの他の宝石にはない長所として、財産価値が確立しているという点があります。宝石を現金に変えたいと思った時、質屋などに持ち込んでもほとんど価格がつかない事がほとんどです。
宝石としての価値はもちろんありますが、一般の質屋や買取店では宝石に値段を付けてもらうことは難しいです。ダイヤモンドやルビー、エメラルドと並んで、サファイアは価格が付けられる宝石として、サファイアは人気です。
5-2.アイオライト
アイオライトはタンザナイトと同じく、青や紫に見える多色性の強い宝石です。色合いは非常に似ているので、小粒の石であったりジュエリーとして加工されている場合見分けるのは非常に難しいですが、タンザナイトとは微妙に違う色をしています。
アイオライトは見る角度によってグレーや褐色に見えることもありますが、この色は加熱したタンザナイトには見られません。市場に出回っているタンザナイトはほとんどが加熱処理してあるので、たくさんの石を見ればそのうちなんとなく「この石はアイオライトかな?」とわかるようになるかもしれません。
もちろん色やカットによってはタンザナイトに非常に似ている石もあるので、厳密に見分けることは難しいでしょう。
5-3.アウイナイト
アウイナイトは目の覚めるような、鮮やかなネオンブルーが印象的な宝石です。より青色が強いタンザナイトは、アウイナイトとよく似ていて見分けが付きにくいことがあります。
見分け方としては、アウイナイトはタンザナイトほど強い多色性はないので様々な角度から見てみることが一番かもしれません。紫やすみれ色がはっきりと見えればタンザナイトであることが多いでしょう。ですが紫色の見える度合いも石によりますし、石自体が小さいものであればなかなか判別は難しいと思います。
見分け方とは少し違いますが、アウイナイトはまだタンザナイトよりも一般的な知名度は低く、流通量も少ないので、迷ったらタンザナイトかもしれません。
6.タンザナイトのお手入れ
せっかく美しいタンザナイトを持っていても、適切なお手入れ方法を知らないと石を傷つけてしまったり、美しさを損なってしまったりすることもあります。
そんな悲しいことにならないように、普段からきちんとお手入れをすることが大切です。タンザナイトの魅力を保つために、どのようなお手入れをすればいいのかを解説していきます。
6-1.タンザナイトのお手入れですべきこと
タンザナイトの普段のお手入れは、身に付けた後は柔らかい布で皮脂をしっかりとふき取ってあげるくらいで十分です。宝石のお手入れ用のクロスがありますので、それを用いるのが良いですが、もし家になければ眼鏡拭きなど何か他の柔らかい布などでも大丈夫です。ただし、研磨剤が含まれているつや出しの布などは使用しないでください。タンザナイトに傷をつける原因になってしまいます。
もし石が曇ってきた時など汚れが気になる時は食器洗い洗剤などの中性洗剤を薄めたぬるめのせっけん水でやさしく撫でるように洗ってあげましょう。皮脂汚れなどはそれできれいになりますよ。水で洗ったあとは水分をしっかりふき取ってから保管するようにしてください。
6-2.タンザナイトのお手入れですべきではないこと
タンザナイトは美しい宝石ですが、弱点もあります。
それは割れやすい宝石であるということです。もちろん割れやすいといっても宝石なので、そう簡単に割れるわけではありませんが、タンザナイトはダイヤモンドやサファイアよりも傷がつきやすい石です。モース硬度という石同士をぶつけてどちらに傷がつくかという硬さの尺度がタンザナイトは6.5〜7程度で、この値はやすりで傷がつき、窓ガラスよりやや硬い程度の硬さです。つまり強い衝撃を加えると割れてしまうという認識で間違いはありません。
他の宝石と一緒に保管をしておくと、何かの拍子に宝石同士が擦れあって傷がついてしまう可能性が高いです。加えてタンザナイトには「へき開」という割れやすい方向があります。その方向に圧力がかかると割れてしまうので、注意が必要です。
ジュエリーのお手入れ方法として超音波洗浄やスチーム洗浄を行うこともありますが、タンザナイトのお手入れではそれらの方法は避けてください。石自体が割れてしまう可能性があります。
まとめ
タンザナイトの魅力を様々な面から見ていきました。タンザナイトについて、より深く知ることができたのではないでしょうか。
見た目はサファイアや他の宝石に似ているように見えることもありますが、タンザナイトには他の宝石とは違う魅力がたくさんあります。
宝石は天然のものですから、一つとして同じものはありません。タンザナイトは特に角度によって色が変わって見える多色性が楽しく、魅力的です。もしショップに同じデザインのアクセサリーが並んでいても、まったく同じものということはありえませんので、よく見て比べてみてください。その中できっとこれ!と思うものが見つかると、とても楽しいと思いますよ。
またもうすでにタンザナイトを持っているという人は、もう一度よく自分のタンザナイトを見てみましょう。自分のタンザナイトはどんな色をしているのか、自分が一番好きなのはどの角度から見た時の色なのか、きっと飽きずに見ていられると思います。
自分だけのタンザナイトが見つかれば、きっと一生の宝物になりますから、大切にしてくださいね。