2023年7月09日
【プロフェッショナルウォッチ】ロレックスのスポーツモデルを一挙紹介!
時計
ロレックスのアイコンモデルといえば何を思い浮かべるでしょうか。サブマリーナ、コスモグラフデイトナなど人それぞれ違うのは、ロレックスが機能別に幅広い展開をしつつもそのどれもがしっかりと個性をもった時計だからです。
特にサブマリーナやGMTマスター等プロフェッショナルシリーズと呼ばれるスポーツモデルは多くのシリーズを展開し、どれもが世界的に高い人気となっています。この記事ではロレックスのスポーツモデルについてまとめます。
目次
1.ロレックスが展開しているスポーツモデル一覧!
1-1.エアキング
ロレックスが開発した機構のオイスターケース、パーペチュアルによって販路を広げていく中でモデル名に加えて文字盤にペットネームを付けることでバリエーションを増やし、変化を付けてきました。エアキングは現存している中で最古のペットネームです。
オイスターパーペチュアルの派生モデルとして誕生したエアキングですが、シンプルで日付表示機能もなくリーズナブルな価格での展開といった特徴があります。現行で言うところのオイスターパーペチュアルシリーズに近いデザインから始まっており、2014年のマイナーチェンジでロゴが消えるまで続いています。
2016年に復活したエアキングはそれまでのデザインを一新し、マットブラック文字盤に12時位置の逆三角インデックスと夜行処理など、パイロットウォッチ特有のデザインに変更されました。現行ではさらにブラッシュアップし、エアキング初のリューズガードを備えたモデルを展開。かつてのようなカラーバリエーションといったデザインの幅はなく、パイロットウォッチ一択の硬派な印象のシリーズとなっています。
1-2.GMTマスター
GMTマスターはロレックス唯一のパイロットウォッチシリーズです。パンアメリカン航空から国際線パイロット向けの2つのタイムゾーンを表示可能な時計の製作依頼が来たことをきっかけに開発されました。1955年、ファーストモデルが発表され、パンアメリカン航空オフィシャルウォッチとして採用。その実績から他社での採用も増えるなどパイロットから高い評価を得ることとなりました。さらに世界を飛び回る富裕層向けにゴールドモデルが発表されたことでステータス性もあり、大ヒットとなりました。
3つのタイムゾーンを計測可能なGMTマスターⅡを発表したことで、2000年にGMTマスターⅠは生産終了。現行ではDNAを受け継いだGMTマスターⅡを基本とし、ブラッシュアップを繰り返して最新モデルの開発が続いています。
GMTマスターを象徴するのは2色のベゼルです。24時間計としてセラクロム素材の採用など、機能面でも優れていますが特に日中と夜のカラーリングの分け方が、注目となっています。色ごとにニックネームがついており、赤・青はペプシ、赤・黒はコーク、茶はルートビア、黒・青はバットマンなど、主に炭酸飲料を由来とする名前が付けられています。
大きく視認性の良いメルセデス針、丸や四角の立体的な植字で見やすさとシンプルなデザインのアワーマーカーなど、ロレックスらしいデザインにまとまっています。デイトジャストなどのドレスウォッチ由来のエレガントなジュビリーブレスレットか、ロレックスらしい堅牢さがウリのオイスターブレスレットを好みに合わせて選べるようになっています。
1-3.ヨットマスター
ロレックスがプロフェッショナルシリーズとして使う場面ごとに必要なスペックや機能を搭載したGMTマスターやサブマリーナの開発の後、1992年に富裕層向けに機能ではなくデザインや材質を提案したのがヨットマスターです。防水性は100mとあくまで船の上での使用を想定しており、ダイバーズウォッチとは似て非なるものとなっています。
高級感に重きをおいたハイエンドラインとして開発されたため、ステンレスケースは採用せずゴールドやプラチナに絞り込んで展開しています。立体的なエンボス加工が施されたベゼルや独自開発されたラバーストラップのオイスターフレックスブレスレットとの組み合わせはラグジュアリースポーツウォッチとして、高い人気となっています。太く堂々とした印象のメルセデス針、立体的な植字のドットインデックス、控えめなリューズガードなど実用性を重視するロレックスらしくもありラグジュアリーなデザインに仕上がっています。
ヨットマスターはスポーツモデルで唯一メンズ・ボーイズ・レディースと3種類のサイズ展開を行っており、発表当時話題になっています。現在ではレディースは生産終了となっていますが、ペアウォッチとしてボーイズモデルを着ける女性も多く見られています。
1-4.ヨットマスターⅡ
ヨットマスターⅡは優雅なクルーズ上での使用を想定したヨットマスターとは異なり、世界的なヨットレースレガッタでの使用を想定したシリーズです。カウントダウン機能付きのレガッタクロノグラフを搭載しており、リングコマンドベゼルと呼ばれる回転ベゼルとムーブメントを連動させる仕組みで最大10分の計測が可能です。
発表された2007年にはケースサイズ40mmのヨットマスターから4mmアップの44mmの大型モデルとして、イエローゴールド・ホワイトゴールドモデルでの展開でしたが、2011年にピンクゴールドとステンレスのコンビ、2013年にはステンレスモデルとユーザーと拡大しています。複雑機構を搭載しつつステンレスケースを採用することで、手に届きやすい複雑モデルとしてヨットマスターとは違うポジションとなっています。
1-5.サブマリーナ
1953年に世界初のダイバーズウォッチ(諸説あります)として開発されたサブマリーナ。以降、今日に至るまでダイバーズウォッチの代表作として世界的に有名なシリーズとなっています。ロレックスの三大発明となるオイスターケース、パーペチュアル、デイトジャストの全てを備えており、他社がダイバーズウォッチを開発する際に参考にされるなど、ダイバーズウォッチの代名詞といえます。
プロフェッショナルシリーズとして2、3番目に人気が高く、防水性は300mを誇りますが日常使いするユーザーも多く見られます。他のスポーツモデルと異なる点で、マイナーチェンジの幅広いモデル展開がなされており、特にアンティークウォッチ市場で高い人気のシリーズです。「SUBMARINER」のロゴの文字が赤い赤サブ、英国軍から依頼されて製作したモデルを軍サブなど、希少性が高まったモデルも多く、シリーズ全体として高い人気となっています。
1-6.シードゥエラー
防水性に優れたサブマリーナをさらに防水性を強化したシードゥエラー。海の居住者を意味する通り深海での使用を想定しており、世界で初めてヘリウムエスケープメントバルブを搭載した時計としても知られています。初代で防水性610m、その後1220mと他メーカーのダイバーズウォッチよりも頭一つ抜けていたところに、2008年にはさらに防水性を強化したシードゥエラーディープシーを発表。水深3,900mもの防水性は深海へ挑戦する人たちへの敬意が感じられます。
2022年には有名な映画監督であり探検家でもあるジェームズ・キャメロン氏が2012年に1人乗り潜水艇で挑戦した世界初のマリアナ海溝単独潜水の際に着用したディープシーチャレンジに由来する最新のモデルも発表されました。
デザインはサブマリーナに由来しており、サブマリーナのDNAを色濃く受け継いでいます。逆回転防止ベゼルや夜行処理されたメルセデス針とドットインデックスなど、一見して共通点が多いシリーズです。2014年から追加された深海の青を想起させるディープブルー文字盤はサブマリーナにはない人気のデザインです。
1-7.コスモグラフデイトナ
モータースポーツが盛んになった1950~1960年代頃にアメリカ・フロリダ州デイトナビーチに「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」が誕生したことをキッカケにカーレースというそれまでになかったコンセプトで開発されたのがコスモグラフデイトナです。手巻きムーブメントに始まり、1988年にゼニス社の名機エルプリメロをチューニングして搭載しました。12年後の2000年に悲願となるロレックスによる自社製ムーブメントを開発し、マニュファクチュール化を果たしました。
デイトナは初代モデルからクロノグラフ横3つ目のインダイアル、ベゼルのタキメーターといったデザインを変更することなく継承し続けています。スポーツウォッチとして開発され高い視認性を目的としてデザインされましたが、現在ではプラチナ素材やダイヤがふんだんに使われたレインボーなど富裕層向けのラグジュアリースポーツウォッチとしても展開されています。
デイトナは資産価値が高いことで有名で、定価よりも高い価格で取引されることも珍しくありません。需要に供給が全く足りておらず、入手するために多くの店舗を周ることをユーザーの間ではデイトナマラソンと呼ばれています。ハリウッド俳優のポール・ニューマン氏が着けていたとされるエキゾチックダイアル(あるいはポール・ニューマンモデル)はプレミア化しており、数千万~数億円の価格で取引されることも。
1-8.エクスプローラー
ロレックスが様々な環境での使用を想定したプロフェッショナルシリーズの展開を行っていた1940年以降、探検家や冒険家のような厳しい環境においても正確に使用できることをコンセプトにつくられたのがエクスプローラーです。1953年に探検隊のサー・エドモント・ヒラリーとテンジン・ノルゲイがエベレスト登頂を成し遂げた際に着けていたオイスターパーペチュアルからのフィードバックを元に開発が行われました。
特に極限状態でも見やすい文字盤について重きをおき、外観を変えることなく技術の進歩による機能面でのブラッシュアップを繰り返してきました。丸みを帯びたインデックスを四角に変える、夜行処理もスーパールミノヴァからクロマライトへ変更など、マイナーチェンジではあるものの、いずれも視認性のさらなる追求がエクスプローラーのテーマとなっています。
1971年に発表されたエクスプローラーⅡでは24時間計を備えることで実用しやすさも改良され、視認性を追求した究極のシンプルさをもつエクスプローラーⅠと、ⅠのDNAを受け継ぎつつ24時間計によって世界で行われる実際の探検への実用さをとったエクスプローラーⅡに分かれています。
1-9.ミルガウス
ミルガウスは耐磁性に特化したエンジニア、科学者向けに1956年に発表されたシリーズです。ミルはフランス語で1,000を意味しており、1,000ガウスに耐えられる耐磁性を備えています。ムーブメントを軟鉄製のインナーケースで覆うことと日付表示なしにすると文字盤側からの磁気の侵入を防ぐことで高い耐磁性を実現しました。欧州原子核研究機構(CERN)にも認められており、ロレックスとCERNは60年にも渡る協力関係を結んでいます。
高い性能を認められたミルガウスですが、ニッチな層にはウケたものの一般ユーザーにマッチしなかったのか1988年に生産終了となりました。しかし2007年に独自に開発した耐磁性の機構を搭載し復活を遂げています。通常、日常生活の範囲内でも磁気を帯びてしまいがちなひげぜんまいを独自開発のブルーパラクロムひげぜんまいに変更、ガンギ車とアンクルは非晶質合金仕様に変更することで耐衝撃・耐磁性が強化され、安定した精度を保つことができるようになりました。
2.ロレックスのスポーツモデルが選ばれる3つの理由
2-1.世界一売れている屈指のブランド力
ロレックスは世界で最も売れている高級時計ブランドとして知られています。時計ブランド三大コングロマリットのオメガ、ブレゲ擁するスウォッチグループ、IWCやカルティエのリシュモングループ、ゼニス、ブルガリがいるLVMHとどれもビッグブランドが数多く所属していますが、グループとロレックスの比較であっても、ロレックスのほうが売れています。圧倒的なブランド力・認知度をもっているブランドがロレックスです。
なぜロレックスがここまで売れているかについてはいろいろな理由がありますが、よく言われているのが機能別の展開で選びやすく使いやすいことが挙げられます。特にプロフェッショナルシリーズは第二時間帯表示や防水性、クロノグラフなど機能別に展開されており、ビジネスにもプライベートにも使うパートナーとしての時計として愛されています。
もう一つ、希少価値が高く同時に資産価値になることも売れている理由の一つです。ロレックスの時計は知名度の割りに流通量が制限されており、希少価値がどんどん上がっています。特にコスモグラフデイトナは人気が高く、定価よりも高値で取引されることも珍しくありません。
2-2.入門用として使いやすい堅牢さ
ロレックスの時計は入門用に最適だと聞くと時計初心者の方は驚くかもしれません。ブランド時計の代表格として知られているロレックスですが、意外にも時計愛好家からはロレックスこそが実用時計だと考えられています。
一般的な時計ブランドの展開の増やし方は機能を増やしていくもので、日付・クロノグラフ・第二時間帯表示・ムーンフェイズなど、すべてが同居する時計も珍しくありません。一方、ロレックスは使う場面ごとに必要な機能を必要なだけ搭載する展開のため、一時計一機能といったイメージとなっています。GMTマスターはGMT、サブマリーナは防水、などです。機能が減れば機構がシンプルになる分壊れにくくメンテナンス費用も安く済むので、長く使えます。
機能の少なさだけではなく、リューズガードの搭載や独自の素材の開発など耐傷性など堅牢さの追求が多くのモデルで採用されています。裏蓋をムーブメントが見えるシースルーバックではなくスチールバックを主に採用するのも同じ理由です。ロレックスにとって時計はオフィシャルな場面で着けるドレスウォッチのようなブランドアイテムであり、現場のプロフェッショナルが使う頼れるパートナーでもあるのです。
2-3.ロレックスの挑戦の歴史となるシリーズ展開
ロレックスの中でもスポーツモデルは挑戦の歴史といえるでしょう。オイスターパーペチュアルをエベレスト登頂に使用した際のフィードバックを反映したエクスプローラー、2つのタイムゾーンを計測する時計の開発依頼があったことをきっかけにつくられたGMTマスターなど、ロレックスはその都度立ちはだかる壁・難問を突破し、むしろバネに変えているといえるでしょう。
プロフェッショナルシリーズと言えるほどに、ロレックスは実用時計としての堅牢性・実用性に確かな品質を備えています。しかし、上記の2つは失敗に終わっていたケースも考えられ、その場合ロレックスのブランドにダメージがあったかもしれません。それでも挑戦に打ち勝ったことで今日のロレックスのブランドとしての立ち位置があり、歴史に名を残し語られています。
3.ロレックスのスポーツモデルを選ぶならどれ?
①最も人気のスポーツモデルで探すなら『コスモグラフデイトナ』
人気の高いスポーツウォッチで選ぶならコスモグラフデイトナ(以降デイトナ)がおすすめです。デイトナはロレックスの中でも特に人気が高く、カーレースに由来するスポーツウォッチの元祖ともいえるシリーズです。今ではラグジュアリースポーツウォッチとしてのポジションもあり幅広いデザインのため、白黒のモノトーンや差し色の赤を選ぶことでスポーティーな好みのデザインが見つけやすいでしょう。
デイトナで気をつけなければならないのは入手が難しい点です。デイトナは需要と供給が合っておらず希少価値が高くなっており、定価よりも高く取引されることも珍しくありません。デイトナを買うために店舗を周る行為をユーザーの間ではデイトナマラソンと呼んでいるほど。普遍的なデザインと高い知名度、資産性は多くのユーザーにとって魅力的です。
②防水性で探すなら『サブマリーナ、シードゥエラー』
防水性で選ぶならサブマリーナ、もしくはシードゥエラーがおすすめです。防水性300mもあればスキューバダイビングでも問題なく使えるため、実用しやすさでいえばサブマリーナでしょう。しかしデカ厚時計の一角として知られているシードゥエラーも魅力的です。
デザインについては大きな差はありませんが、防水性についてはオーバースペックなため比較というよりも満足感といったところ。人気の高いサブマリーナを選ぶか、あえてマニアックなシードゥエラーを選ぶかは好みの部分が大きいです。サブマリーナは歴史の長いシリーズのため、中古も検討に入れると赤サブなど選ぶ幅が広がります。シードゥエラーはそこまで歴史が長くありませんが、ディープブルー文字盤はサブマリーナにはない人気のデザインなので候補に入れるのもよさそうです。
③パイロットウォッチを使いたいなら『GMTマスター』
パイロットのように、あるいはジェットセッターのように世界各地の時刻を知ることが必要な方にはGMTマスターをおすすめします。元々パイロット向けに開発されており、2つのタイムゾーンを一目でわかるようになっていることと、視認性がよく実用しやすいモデルとなっています。
現行では3つのタイムゾーンを測れるGMTマスターⅡがⅠの系譜を継いでおり、幅広いカラーリングの中から選ぶことができます。中古も含めると数は膨大ですが、主に表示したいタイムゾーンの数でGMTマスターⅠかⅡを、文字盤とベゼルのカラーリング、特にベゼルは日中・夜を赤・青のペプシカラー、赤・黒のコークカラーなど、愛好家によるニックネームを含め、ロレックスの歴史・世界観を味わえます。
あるいはエクスプローラーⅡも第二時間帯表示を機能を有しています。こちらは探検家に向けて開発されたため視認性に特化しており、GMTマスターよりも道具感・頼れるパートナーといった印象が強いです。高級感やデザイン・逸話を楽しめるGMTマスターか実用さを重視したエクスプローラーⅡかは2つ以上のタイムゾーンをもつ時計の比較検討としては好みで選んでよさそうです。
4.ロレックスのスポーツモデルで人気のアイテム5選
4-1.GMTマスターⅡ(ペプシカラー) Ref.126710BLRO
Ref.126710BLROはGMTマスター開発50周年として発表され、ロレックス初となるセラミック製のベゼルを採用しつつ赤・青のペプシカラーなどデザインは大幅変更しない展開となっています。2018年にはジュビリーブレスレットを選べるようになったことで、より高級感を増したエレガントな時計として使うこともできるようになりました。
視認性の良いメルセデス針やシンプルな丸・四角のアワーマーカーなど、往年のロレックスらしい実用的な機能が揃っています。赤・青のペプシカラー、12時位置の逆三角形アワーマーカーなど、パイロットウォッチのデザインや時計愛好家によるニックネームなど、GMTマスターならではの変化もあり、実用的・機能重視なロレックスの世界観とブランド時計の高級感の両立がなされたモデルとなっています。
4-2.ヨットマスター(ダークロジウム文字盤) Ref.116622
Ref.116622は船上で優雅にクルージングするイメージのラグジュアリーウォッチとして開発されました。プラチナとステンレスを組み合わせたスタイリッシュな装いが目を引きます。2012年のバーゼルワールドで発表されたモデルですが、2016年に追加されたダークロジウム文字盤はラグジュアリーな雰囲気がさらに増すデザインとなっています。
両方向へ回転可能なプラチナ製ベゼルはエンボス加工が施されています。ムーブメントはロレックスが1988年から長年使用しているCal.3135を搭載。パラクロムひげぜんまいを採用することで耐磁性も上がり、堅牢さに磨きがかかっています。クロノメーター認定を取得しており、精度も申し分ありません。
4-3.サブマリーナ Ref.124060
Ref.124060は2020年発表のサブマリーナです。サブマリーナはロレックスの中でも特に初代からのデザインの変化が少ないシリーズで、ダイバーズウォッチ全体の原点でもありその世界観は長く受け継がれてきています。一つ前のモデルRef.114060と比べるとケースサイズを1mm拡大したため、ラグやブレスレット幅など全体のバランスを微調整しています。
逆回転防止ベゼルは耐久性に優れたセラクロムが採用。アワーマーカーと針にはクロマライトによる夜行処理が施され、高い視認性を確保しています。ムーブメントには同年に開発された自社製ムーブメントCal.3230を搭載。衝撃や磁気に強いブルーパラクロムヘアスプリング、70時間パワーリザーブなど使い勝手の良い基本スペックが揃っています。
4-4.コスモグラフデイトナ(ホワイト文字盤) Ref.116500LN
Ref.116500LNはロレックスの中でも人気の高いクロノグラフ搭載シリーズのコスモグラフデイトナの特に人気の高いモデルです。白文字盤にブラックセラクロムベゼル(ロレックス特有のセラミックベースに改良を加えたもの)で、インダイヤルの縁もブラックとなっており、メリハリのついたデザインが特徴的です。リファレンスのLNとはフランス語で「Lunette Noir」ブラックベゼルを意味しています。
前モデルにあたるRef.116520では白文字盤にステンレスベゼル、シルバーのインダイヤルと同系色でまとまっていましたが、Ref.116500LNではベゼル、インダイヤルをブラックに変えたことで高い人気となっています。それまで黒文字盤が人気で主流でしたが、Ref.116500LNではコントラストが魅力で白文字盤が人気となっています。
4-5.エクスプローラーⅡ Ref.16550
Ref.16550は1984年頃~1988年頃の短期間にのみ生産されていた希少なモデルです。縁有りのドットインデックス、時針はメルセデス針、12時位置の三角マークなどスポーティーなデザインにまとまっています。
ベゼルで24時間表示、先端に△の付いたGMT針で第二時間帯表示、日付表示が可能で、デザインだけではなく機能面でも充実しています。日付表示が見やすいサイクロプスレンズ、防水性が高いオイスターケースなど、ロレックスの三大発明をすべて備えており信頼性が高く実用しやすくなっています。
5.ロレックスのスポーツモデルをつけている有名人5選
5-1.俳優 市原隼人 サブマリーナ Ref.14060
俳優 市原隼人さんが着けているのはサブマリーナ Ref.14060です。市原さんが時計を着けている情報は多くありませんが、シチズンアテッサとロレックスサブマリーナだけは各所で見られています。
市原さんが選んだRef.14060は30年に渡るロングセラーとなったRef.5513の後継モデルです。両方向回転ベゼルからダイバーの操作ミスによる逆回転を防止するため逆回転防止ベゼルに切り替わったモデルで、プラスチック風防から強度の高いサファイアクリスタル風防に変わったことで防水性は200mから300mへとアップしています。
5-2.映画監督 ジェームス・キャメロン シードゥエラーディープシー ブルーダイヤル Ref.116660
映画監督 ジェームス・キャメロンさんが着けているのはシードゥエラーディープシー ブルーダイヤル Ref.116660です。ジェームス・キャメロンさんは時計愛好家ではないのか、着けている時計の情報はシードゥエラーディープシーしか見られませんでした。
Ref.116660は防水性に特化したシードゥエラーを更にブラッシュアップさせたモデルで、防水性は3900mと深海でも使うことができるように開発されています。黒文字盤だけでのリリースでしたが、2014年にジェームス・キャメロンさんがマリアナ海溝の世界初・単独有人潜水を成功させたことに記念してディープブルー文字盤がつくられました。スペシャルモデルとしての立ち位置でしたが人気の高さから継続モデルとして展開されました。
5-3.お笑い芸人 千鳥ノブ ヨットマスターⅡ Ref.116680
お笑い芸人 千鳥ノブさんが着けているのはヨットマスターⅡ Ref.116680です。千鳥ノブさんの着けている時計の情報はパネライルミノールとヨットマスターⅡの2つの情報だけで、この2本を長く愛用しているようです。ヨットマスターⅡは衝動買いだったとの情報も。
Ref.116680は白文字盤にブルークロセラムベゼルの清潔感のあるさわやかなデザインとなっています。レガッタ競技用のカウントダウン機構を備えており、1分から10分まで任意に設定可能です。搭載されている自社製ムーブメントCal.4161はクロノメーター認定で精度も高く、ベンツ針は視認性がいいため、実用もしやすくなっています。
5-4.プロサッカー選手 クリスティアーノ・ロナウド コスモグラフデイトナ Ref.116520
プロサッカー選手 クリスティアーノ・ロナウドさんが着けているのはコスモグラフデイトナ Ref.116520です。クリスティアーノ・ロナウドさんは高級時計が好きで、フランクミュラーのトノウカーベックスやブルガリオクトなどダイヤモンドで埋まっているモデルも多く持っています。
実はロレックスフリークで複数所有していますが、中でもコスモグラフデイトナRef.116520黒文字盤のようなシンプルな機能美が映える時計は珍しいといえます。デイトナはロングセラーモデルですが、Ref.116520はそれまでエルプリメロをベースにしたムーブメントを搭載していたところを自社製ムーブメントに切り替えた記念作といえます。デイトナといえば黒文字盤が高い人気となっていますが、こちらも例にもれずといったところです。(最新のRef.116500LNでは白文字盤が人気の珍しいモデルです)
5-5.俳優 ダニエル・クレイグ ミルガウス グリーンサファイアクリスタル Ref.116400GV
俳優 ダニエル・クレイグさんが着けているのはミルガウス グリーンサファイアクリスタル Ref.116400GVです。ダニエルさんは代表作の映画007シリーズではオメガの時計を着けていますが、プライベートではロレックスフリークとして知られています。デイトナ、GMTマスター、サブマリーナと多くのロレックスのモデルを所有しています。
Ref.116400GVはグリーンサファイアクリスタル風防を備えた唯一のモデルです。2007年にミルガウスが復活した際に耐磁性の高いブルーパラクロムひげぜんまいと非晶質合金仕様のガンギ車とアンクルを備えるなど、最新の機構にアップデートして帰ってきました。
Zブルーの放射状のサンレイ仕上げ、グリーンの文字盤見返し部分、オレンジのミニッツトラックとイナヅマ形状の針など印象に残るデザインです。明るいカラーリングなのにポップ過ぎず高級感のある仕上がりとなっています。
2023年初頭には唯一の現行品として残っていましたが、この記事を執筆している3/27時点ではHPから消えてしまいました。生産終了と思われます。
6.まとめ
ロレックスのスポーツモデルについてまとめました。プロフェッショナルシリーズとしての展開において、ロレックスは常に挑戦し成果を収めてきました。GMTマスターやデイトナのように時流に合わせて変化することと、伝統を守り継承していくことが両立できているのがロレックスの強みです。街中でロレックスの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。