2023年11月20日
パテックフィリップのノーチラスはなぜ高い?理由を徹底解説
時計
高級時計の中でも世界三大時計と呼ばれるブランド「パテックフィリップ/PATEK PHILIPPE」。時計愛好家であれば誰もが知っている超有名なブランドだと思います。
数々の有名なモデルを持っている中でも「ノーチラス」は、特徴的なデザインと卓越した技術の高さから多くの時計愛好家やコレクターから高い人気を博しています。
しかし、一般人には手の届かない高価格で販売されていることから、雲上の存在となっています。「なぜノーチラスはこれほど高いのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。
さて、この記事では、そんなノーチラスが雲上時計の言われるほどに高い値段となった理由を徹底的に解説していきたいと思います。歴史や魅力などにも触れていきますのでぜひご覧ください。
目次
1.ノーチラスが高いのはブランドの立ち位置や技術力などが関係
高級時計ブランドのパテックフィリップを支えてきた「ノーチラス」は、1976年に誕生したラグジュアリースポーツウォッチです。このモデルは「高すぎて過ぎて買えない雲上時計」として認知されていると同時に、多くの時計愛好家から憧れの時計としての立ち位置を確立しています。
では、ノーチラスが高い理由は一体何なのか。
主な理由は、以下の3つです。
①時計界の頂点に君臨しているブランドだから
②優れた技術を持つマニファクチュールメーカーだから
③世界情勢の変化による供給不足が起きているから
上記のように基本的にブランドの立ち位置や技術力の高さなどが関係しています。さて、この章では上記3つについて深く解説していきたいと思います。
1-1.時計界の頂点に君臨しているから
1839年に創業してから現在までの長い間、時計製造の世界でその名を不動のものとしてきたパテックフィリップは、時計界の頂点に君臨している超高級時計ブランドのひとつです。「Audemars Piguet/オーデマ・ピゲ」や「Vacheron Constantin/ヴァシュロン・コンスタンタン」と共に「世界三大時計ブランド」としての立ち位置を確立しています。
世界に名を馳せる圧倒的なブランド力こそがノーチラスが高い大きな理由です。
パテックフィリップのノーチラスは、卓越した技術力の高さと特徴的なデザインで時計愛好家やウォッチコレクターから高い評価を受けています。誕生以来、革新的なデザインと優れた機能性で時計業界に新たな風を吹き込むこととなり、パテックフィリップが時計製造においてどれだけ高い基準を持っているかを示す象徴にもなっています。
長年にわたり築き上げてきたブランドイメージは、高級時計の代名詞として「品質」「耐久性」「美しさ」の三拍子を兼ね備えた時計を提供するものとして知られています。その中でもノーチラスはブランドの価値観を体現するモデルであることから、高価格帯で販売されているのです。
パテックフィリップのノーチラスは単なる「高い腕時計」ではなく、時計製造への熱意とブランドの哲学が融合した「真の芸術作品」と言えます。
1-2.優れた技術を持つマニファクチュールメーカーだから
パテックフィリップのノーチラスが高級時計の世界において際立った存在感を放つ理由のひとつとして「優れた技術力」を持っていることが挙げられます。
パテックフィリップは、全ての製品を自社で製造することができる「マニファクチュールメーカー」であることが技術力の高さを象徴しています。時計の設計から製造、組み立てに至るまでの全工程を自社で行います。この一貫した製造プロセスは品質の統一を実現しています。
さらに、パテックフィリップは複雑機構の時計製造においても名高いです。例えば「永久カレンダー」「ミニッツリピーター」「トゥールビヨン」など、高度な技術を要する機能を持つ時計を数多く製造しています。
このようなことから、パテックフィリップの腕時計は単に時間を示すアイテム以上の価値を持っています。精密に作られた機構と高い機能性はノーチラスの価格の高さを物語っているのです。パテックフィリップのマニファクチュールメーカーとしての地位と、複雑機構への取り組みはノーチラスの価値を高める重要な要素のひとつです。
1-3.世界情勢の変化による供給不足
定価でもノーチラスの価格が高騰している要因のひとつとして「世界情勢の変化による供給不足」が挙げられます。近年の高級時計市場は多くの外部要因によって影響を受けています。
戦争などによる世界的な経済の変動や不安定な情勢から、投資としての価値を持つ高級時計への関心が高まっています。世界の富裕層はノーチラスの価格上昇に一役買っています。また、現代の経済が活発になったことにより、富裕層が増加した関係で高級時計に対する需要は右肩上がり傾向にあります。
パテックフィリップのような世界に名を馳せる腕時計ブランドは多量生産をしていないため、急激な需要の増加に対応することが極めて難しいです。
特にノーチラスはパテックフィリップの中でも人気モデルとなっているので、市場での供給が不足している状況が続いています。このような供給不足の状況下から、プレミア価値がついているのも事実です。
2.ノーチラスは何がすごい?これほどまで高騰している時計の魅力
パテックフィリップのノーチラスは世界の時計愛好家から絶大な人気を誇る腕時計のひとつです。また、八角形ベゼルで作られた独特なデザインと卓越した技術力を駆使して作られたモデルとして、他のブランドには追随を許さない特別な立ち位置を確立しています。
そんなノーチラスは、具体的になにが凄いのでしょうか?
この章では、これほどまでに高騰した腕時計の魅力について、歴史を紐解きながら深く解説していきたいと思います。
2-1.1976年に時計界の巨匠「ジェラルド・ジェンタ」が生み出す
パテックフィリップを代表するノーチラスは、1976年にスイスの時計デザイナーである「ジェラルド・ジェンタ」によって作られました。ジェンタは時計デザインの世界で伝説的な存在であり「時計界の巨匠」と称されるほどの実力者です。
ジェンタはオーデマ・ピゲの「ロイヤルオーク」や、オメガの「コンステレーション」などの時計界を代表するモデルをデザインしたことでも知られていますが、ノーチラスのデザインにおいても彼の革新的なビジョンが明確に表れています。
従来の高級時計の枠を超えたジェンタのデザインは、時計の機能性だけでなく美学にも深い洞察力を持っていました。ノーチラスの特徴的な八角形のベゼルデザインは、時計業界におけるデザインの概念を根本から変えることにより、新しい時計のスタイルの確立。単なる時間を示す道具として扱われていた腕時計は、ノーチラスの誕生によって個人のステータスを表現するアクセサリーへと変貌させました。
ジェンタが生み出した独特な外観の腕時計の数々は、時計愛好家たちの間で特別な立ち位置を獲得しています。ノーチラスはジェラルド・ジェンタが生み出した腕時計の中でも最高傑作と称されています。
ちなみに・・・その後、ジェンタはブルガリのブルガリブルガリやオクトなどのデザインに携わりました。自身の名を冠するブランドではディズニーとのコラボレーションモデルを展開するなど多くの功績を残しています。
2-2.名前の由来は潜水艦「ノーチラス号」から
ノーチラスの名前の由来は、ジュール=ヴェルヌの小説「海底2万マイル」に登場する架空の潜水艦「ノーチラス号」から取られています。巨大な怪物が現れたことにより船の事故が続出していた1866年を舞台にした物語です。様々な死闘や危機をくぐり抜けて繰り広げられる海中での大冒険の様子が書かれています。
海底2万マイルといえば、東京ディズニーシーのアトラクションでも有名です。待ち時間が比較的少なく乗れることから知っている方も多いのではないでしょうか?潜水艦に乗船し海底の生物を観察できるアトラクションです。アトラクションに入る前から階段を下るシチュエーションがあるので、まるで本当に小説の中に入っているようなワクワクを感じることができます。
先述したジェラルド・ジェンタも海底2万マイルもディズニーに関連していることから、パテックフィリップのノーチラスもディズニーとは切り離せない関係と言えます。もし、ディズニーに行くときにノーチラスを着けていれば、結構ツウな感じがしてかっこいいです。
また、ノーチラスの八角形ベゼルは「船の舷窓」からインスピレーションを受けています。このユニークなデザインは他の高級時計とは一線を画すものとなっており、時計愛好家たちに独特な魅力を放っています。
2-3.時計業界を震撼させた特徴的なデザイン
1970年代、時計業界は「クオーツショック」と呼ばれる大きな変革期を迎えていました。
日本の時計ブランド「セイコー」が「クオーツ式時計」を発表したことにより、従来定番と言われていたスイス時計は、時刻の精度とコストパフォーマンスの悪さから売れ行きが悪くなってしまいました。多くの時計メーカーが市場から姿を消すことになります。
そんな中、パテックフィリップは1976年にノーチラスを発表。
時計市場に新たな風を吹き込むことに成功しました。
八角形のベゼルは船の舷窓を模したものであると先述させていただきましたが、「耳」と呼ばれる左右の突起部分も大きな特徴のひとつです。この耳が付けられた理由はただ目を引くデザインを採用したというだけでなく、時計の防水性を高める目的もあります。
また、一体型で作られたノーチラスのブレスレットは、手首にフィットするような快適さと形状の美しさを同時に感じられることから、日常使いからフォーマルな場まで幅広いシーンにマッチします。日常的に着用するアイテムであれば、出来るだけストレスは軽減したいものです。
時計界を震撼させたノーチラスのデザインは、現在においても時計愛好家から高い人気を博しています。
2-4.世界最高峰の品質と技術力が垣間見えるモデル
パテックフィリップのノーチラスは高度な時計製造技術を駆使した「世界最高峰の品質と技術力が垣間見えるモデル」といえます。
自社で精密に製作されたムーヴメントはパテックフィリップの長年にわたる研究と開発の成果であり、時刻の精度とブランドの信頼性を極限まで高めています。
時計の品質を象徴する証として、COSC(スイスクロノメーター協会)が発行している「ジュネーブ・シール」というものがあります。精度や産地など数々の審査基準をクリアした時計にのみ着けることのできる名高いシールです。パテックフィリップに於いても、2008年まではジュネーブ・シールが貼り付けられたモデルが数々展開されていました。
2009年以降はジュネーブ・シールではなく、パテックフィリップ独自の「パテックフィリップシール」を全ての時計に採用しています。「えっ、世界的に認められたものじゃなくて自社基準なの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、このシールはCOSCよりも更に厳しい審査基準を通過した時計の証です。部品毎の仕上げ方〜組み立て後の検査まで厳密に行われます。
また、ジュネーブ・シールはムーヴメント単体での検査が行われますが、パテックフィリップシールは実際に着用してのテストが行われます。私たちエンドユーザーが使用する場面を想定して審査が行われているということです。
パテックフィリップは時計製造の全てを自社で完結するマニファクチュールメーカーですが、製造後の審査に於いても妥協を許さない世界最高峰の品質を持っています。
2-5.多くのウォッチコレクターから人気がある
ここまで、パテックフィリップのノーチラスの特徴について長々と書かせていただきましたが、やはり最大の特徴は「人気があるモデル」というところにあります。1976年の発売以来、世界中のウォッチコレクターから絶大な人気を誇っています。
パテックフィリップの正規店ではノーチラスの販売数を意図的に制限しています。
俗に言う「購入制限」です。この施策は2020年頃から転売対策として実行されており、より多くの人の手元へノーチラスを届けるといった目的でした。しかし、これを行った関係で更に希少価値の高いコレクターズアイテムへと変わってしまいました。
なかなか買えないということで有名なノーチラスを所有すること自体がステータスとなり、長い間時計愛好家たちの間で高い評価を得ています。
※買えなくなってしまった理由については3章で更に詳しく語ります。
ノーチラスは時計愛好家の人々にとって単なる時間を示すための道具ではなく、まるで芸術作品のようなコレクターズアイテムとなりました。美しいデザインや精密な機構、そして希少性の高さは多くの人々を魅了し続けています。
3.ノーチラスは定価で買えないとの噂が!その理由は3つ
パテックフィリップのノーチラスは人気ですが、近年では「定価で買えない」という声も上がっています。市場での高騰した価格や購入の難易度という問題が発生しているためと考えられます。
さて、この章では、ノーチラスが定価で買えないと言われている理由について、深く解説していきたいと思います。
3-1.そもそも購入予約すら取れないから
パテックフィリップが買えないといわれる理由のひとつに「そもそも購入予約すら困難である」という事実があります。パテックフィリップはノーチラスの販売・生産を意図的に制限していることから市場に出回る数は非常に少ないです。この希少性はノーチラスに対する需要を高めており、結果として購入予約を取ることが一層困難になっています。
また、パテックフィリップは購入者の選定も非常に厳格に行っています。
新規の顧客よりもブランドを長く愛してくれている顧客を優先する傾向があり、過去の購入履歴が大きく影響するといわれています。ノーチラスを手に入れるためには、パテックフィリップとの長期的な友好関係の構築が必要となる場合が多いです。
ノーチラスの希少性とブランドの厳格な顧客選定に対するポリシーは、購入を一層特別なものにしています。
3-2.転売対策として購入制限が掛けられたから
先述の通り、パテックフィリップでは転売対策として「購入制限」をかけています。
時計愛好家にとっては、かなり身近な言葉ではないでしょうか?
高級時計ブランドとして知られる「ROLEX/ロレックス」が対策を取っているのは有名な話です。先陣を切ったロレックスを追いかけるように数々の高級時計ブランドが転売対策を行っていますが、パテックフィリップもその中のひとつです。同一モデルの購入は1人1点までと定めています。
また、パテックフィリップが転売対策として「保証書を2年間預かる(2022年8月頃から)」というものを始めました。顧客が強く希望すれば渡してくれるとのウワサも飛び交っていたりしますが、実際のところは本当かわかりません。
時計の買取に於いて「付属品の有無」は、かなり重要なポイントとなります。その中でも品物の真偽を示唆する保証書の存在は査定金額を大幅に左右します。つまり、保証書をすぐに渡さないことによって定価を超える金額で売却できないようにするということになります。
上記のような購入制限はノーチラスの購入をさらに困難にしていますが、価値とブランドイメージを守るためには必要なものです。パテックフィリップが自社製品と顧客に対して持つ責任感の表れとも見て取れます。
3-3.生産量が少ないから
ノーチラスが定価で購入できないと言われている理由のひとつとして「生産量が少ない」ことが挙げられます。パテックフィリップでは、簡単にいうと量より質を重視する方針を採っているのが事実です。全てのモデルを合わせても年間約6万本という非常に少ない本数で生産されています。
この生産本数には、時間をかけて丁寧に製造する必要があるというパテックフィリップのポリシーに基づいていると考えられます。
ノーチラスは高度な技術と熟練した職人による手作業の技術が必要です。細かい部品をひとつひとつ手作業で作られています。(2023年に東京で開かれたパテックの展示会で職人の作業風景を見る機会があったのですが、本当に細かいところまで手作業で行っていて感動しました。)
このような手間のかかる作業工程は大量に生産するのが難しい要因に直結します。実際にあの作業風景を見たら「ひとつの時計を作るのに一体何日かかるんだ、、、」と感じてしまいました。
「高いから定価で買えない」はもちろんなのですが、パテックフィリップに於いては「レアなアイテムだから中々買えない」ところも大きいです。
4.パテックフィリップは資産価値が高い!人気のモデル7選
パテックフィリップは卓越した技術と独特のデザインで、高級時計の世界で非常に評価されています。
その中でも特に人気と言われるモデルは以下の通りです。
・ノーチラス
・アクアノート
・グランドコンプリケーション
・コンプリケーション
・Twenty-4
・ゴンドーロ
さて、この章では、上記7つのモデルの特徴について紹介していきたいと思います。
4-1.ノーチラス
1976年に誕生して以来、洗練されたデザインと卓越した技術力で多くの時計愛好家たちを魅了し続けている「ノーチラス」は、長い間ブランドを支えている定番モデルです。
この時計の特徴はなんといっても「八角形のベゼル」と「サイドの突起部分」です。当時の時計業界における革新的なデザインとして高い人気を誇っています。ベゼルの形は船の舷窓からインスピレーションを受けています。
1970年代に起きたクオーツショックに待ったをかけるように誕生したノーチラスは、現在でも多くの人々を魅了する雲上の時計として君臨しています。
4-2.アクアノート
パテックフィリップを代表するモデルといえば「アクアノート」も外せません。1997年に初めて発表されたこちらはノーチラスと同じく「八角形のベゼル」が大きな特徴と言えます。
アクアノートの最大の魅力はカジュアルにガシガシ使える耐久性の高さです。ノーチラスのブレスレットはステンレススティールや貴金属を採用しているのに対し、アクアノートは「トロピカルバンド(コンポジット素材)」を使っています。
カジュアルに特化して作られたアクアノートも、ノーチラスと同じくらいの人気を誇っています。
4-3.カラトラバ
パテックフィリップのドレスモデルといえば「カラトラバ」と言い切りたい方も多いのではないでしょうか。ノーチラスやアクアノートよりも長い歴史を持つシンプルでかっこいいモデルです。そのクラシカルな見た目に魅了されてしまいます。
カラトラバはとにかく文字盤の視認性の高さが魅力的で「腕時計のお手本」と言っても過言ではありません。1932年に初めて発表されてから現在に至るまで多くの時計愛好家から絶大な支持を受けています。
ドレスモデルというカテゴリではありますが、個人的にはカジュアルな服装に合わせればコーディネートのアクセントともなる万能アイテムとして活躍してくれると思っています。
4-4.グランドコンプリケーション
いくつかの複雑機構を2つ以上搭載したモデルのことを指す「グランドコンプリケーション」は、パテックフィリップが時計製作において真の頂点と称するほど技術力を駆使したモデルです。
ただでさえ製作するのが難しい複雑機構の時計を継続的に展開しているのは、ブランドが時計に対してどれだけ情熱を持って取り組んでいるのかが分かります。
多くの機構を搭載していることからカラトラバやノーチラスと比較すると視認性は劣ってしまいますが、それでもグランドコンプリケーションモデルのデザインの美しさには釘付けになってしまいます。
4-5.コンプリケーション
パテックフィリップの「コンプリケーション」は「アニュアルカレンダー」「デュアルタイムゾーン」「ワールドタイム」などの複雑機構の内から、いずれかを機構を搭載したモデルです。先述したグランドコンプリケーションよりもシンプルなデザインで、高い機能性をもちながらも時刻が見やすいことが大きな特徴と言えるでしょう。
コンプリケーションモデルはパテックフィリップが生み出した動く芸術品とも言えます。例えば、2月以外の日付を自動で調整してくれる機構のアニュアルカレンダーは、1996年にブランドが特許を取得してから様々な時計メーカーに採用されています。
パテックフィリップのコンプリケーションは他のブランドに追随を許さない時計製造の技術を体現しており、持っているだけで時計愛好家に最高の名誉と喜びをもたらしてくれます。
4-6.Twenty-4
1999年に女性のために作られた腕時計の「Twenty-4」は、エレガントな見た目と確かな実用性を兼ね備えたドレスモデルです。カジュアルなコーディネートから特別な日のドレスアップに至るまで、様々なシーンで活躍してくれるのが魅力的です。
Twenty-4は「クオーツ式」と「自動巻き」の2種類のモデルが展開されており、目的に沿って選ぶことができます。クオーツ式であれば時刻の精度が高いのはもちろん、開発のコストが大幅に削減されて製作されているため、比較的安価で購入することができます。初めてパテックフィリップを買う方にはオススメです。
一方、自動巻きのモデルは定価が跳ね上がるデメリットこそありますが、パテックフィリップの技術力の高さを最大限に楽しむことができます。着けているだけでゼンマイが巻き上がるので電池切れなどの心配もありません。
また、スクエア型のケースとラウンド型のケースの展開もありますので、皆さんの好みに合わせたデザインから選ぶこともできます。女性ならではの選び方も楽しめるTwenty-4は日常生活のあらゆるシーンを彩ってくれます。
4-7.ゴンドーロ
1993年に初めて誕生した「ゴンドーロ」は、クラシカルなデザインから他のモデルとは違う独自の魅力を持っています。従来のパテックフィリップのケースデザインはラウンド型が主流だったのに対して、こちらのモデルはスクエア型やトノー型など様々な形で展開されています。
アールデコ(装飾美術)からインスピレーションを受けたゴンドーロは、文字盤のデザインも遊び心が前面に押し出されています。ダイヤモンドを配置したモデルやギヨシェ彫りを施した文字盤などは、パテックフィリップにとって驚異的な遺産となりました。
一味違うパテックフィリップを求めている方には特にオススメしたいモデルです。
5.一生モノなはずが後悔!?購入する場合のポイント5選
高級時計を購入することは、多くの人々にとって一生に一度の大きな買い物と言えます。せっかく高い金額を出して買うのであれば当たり前に持つ感情ですよね。
パテックフィリップのような世界的に有名なブランドの時計を購入する際には、価格だけでなくメンテナンスや使用するシーンなど、多くの点を考慮する必要があります。
さて、この章では、後悔の残る買い物をしないためのポイントを5つ紹介していきたいと思います。
5-1.使う頻度を考えよう
ノーチラスに限った話ではないのですが、最も重要なポイントのひとつが「使う頻度」です。
高級時計は日常的に使用するための時計というよりかは、特別な場面で身に着けるための「ここぞとキメる時のアイテム」のイメージではないでしょうか?購入前には実際にどれだけの頻度で使用するかを真剣に考える必要があります。
例えば、ビジネスシーンやフォーマルシーンなどの限られた場面での使用を考えているのか、それともカジュアルにガシガシと使うデイリーユースを想定しているのかによって選ぶべきモデルや仕様が変わってきます。
また、高価な時計を日常的に使用する場合はメンテナンスや保管にも注意が必要です。高級時計は精密な機械なので適切なケアが必要です。日常的に使用するのであれば、それなりの愛着を持っていないと長く使えません。
使う頻度やメンテナンス面を考慮して購入を検討しましょう。
5-2.本当に好きなデザインなのか今一度確認しよう
いくら高級時計と言えど「自分が好きなデザイン」から選ぶことは、非常に重要なところです。自分自身がビビっと来たものって基本的に愛着が湧きますよね。
ノーチラスは独特なデザインですが、多くの人々から高い人気を誇っているのは事実です。ジェラルド・ジェンタによってデザインされたこの時計は、ひと目でノーチラスと識別できるほど独特です。
まずは投資対象として腕時計を買うのではなく、本当に自分のスタイルや好みに合っているデザインかどうかを深く考えることが重要です。自分のライフスタイルやファッションセンスに合ったデザインを選ぶことで、長期にわたって時計を愛用し続けることができます。
5-3. 自分の予算と見合っているのか慎重になろう
自分の予算と価値を慎重に照らし合わせることは、何を買う上でも非常に重要です。
ノーチラスは高い価格帯と希少性から多くの時計愛好家にとって憧れの存在です。しかし、高価格なことから多くの人にとって大きな買い物となります。購入を検討する際には、価格が自分の経済状況や予算に見合っているかを慎重に考えましょう。
購入した時計が将来的にどのような価値を持つ可能性があるか考慮することも重要です。投資としての価値にとらわれることなく、自分の予算内で最適な選択をすることが肝心です。
また、予算や収入と見合っていない物を身に着けていると「ダサい」や「成金」などの、マイナスなイメージを持たれることも多いです。自分のスタイルや社会的ステータスをしっかり理解することも重要です。
5-4.オーバーホールなどのランニングコストも考えよう
高級時計は購入するときの価格だけでなく、維持にかかるランニングコストも考慮に入れる必要があります。パテックフィリップなどの高級時計を維持するためには定期的な修理である「オーバーホール」が、平均で5年に1回が推奨されています。
オーバーホールする際の費用や部品交換が必要になった場合の追加費用なども考慮に入れて購入しないと、後悔につながる可能性もあります。
パテックフィリップのブランド広告で「気持ちを刻み込んで、その時計は受け継がれる。父から子へ、世代から世代へ」というキャッチコピーがよく見られます。これは、ブランドが創業以来、永久修理に対応している象徴と言えます。昔に発売された時計でも、公式の修理を受けられることから第三世代まで受け継がれる「一生モノの腕時計」です。
ただし、部品の在庫などの関係で修理費用は50万円を超えることも。日常的な耐久性を求めるだけの時計であれば余裕で買える値段となっています。
5-5.他人からのステータスを気にしているならやめた方がいい
購入するときのポイントと言えるかどうかは微妙なところですが、他人からの評価やステータスを気にしているのであれば購入は控えた方がいいといえます。長期的に使うことも加味すると本当にオススメ出来ません。
他人からの評価に左右されてしまうと、もちろん愛着も湧きづらいですし、何より自分の意思がない人間として捉えられてしまう可能性が高いです。本当に欲しいという心を持って腕時計を選ぶようにしましょう。
また、自分のステータスを上げるために無理をすることは、金銭的な不安を生むことにも繋がると言えるでしょう。時計を選ぶ際には様々な要素を加味することが重要ですが、他人からのステータスを気にして購入するのは絶対にNGです。
6.ノーチラスを着用している芸能人5選!
パテックフィリップのノーチラスは手に入れることすら難しいと言われていながらも、高級感と洗練されたデザインから多くのセレブや芸能人に愛用されています。ハリウッドのスターから日本国内の有名人まで、ノーチラスの魅力に取り憑かれています。
さて、この章では、ノーチラスを愛用する5人の有名人を紹介していきたいと思います。
6-1.俳優 レオナルド・ディカプリオさん
ハリウッドを代表する俳優であるレオナルド・ディカプリオさんは、ノーチラスを着用している代表的な有名人の1人です。
彼が着用しているのは世界五大ジュエラーの「Tiffany&Co./ティファニー」とのダブルネームモデルである「Ref.5711/1A-018」です。ティファニーのアイコニックなブルーカラーとノーチラスの高級感がベストマッチしています。
このコラボモデルが発表された当初の一般市場価格は3.5億円とかなり高額でした。このノーチラスの発表とともに、5711シリーズの発売が終わった影響から通常の5711シリーズの相場も高騰しました。
6-2.俳優 ブラット・ピットさん
レオナルド・ディカプリオさんと同じく、ハリウッドを代表する俳優のブラッド・ピットさんもノーチラスを愛用しています。彼は有名人の中でも高級時計を愛していると知られており、パテックフィリップのほかにも「ヴァシュロン・コンスタンタン」の「ヒストリーク222」を所有しています。
そんなブラッドピットさんが着用しているノーチラスは「Ref.5711/1A」です。シンプルなデザインでも圧倒的な高級感があります。
6-3.歌手 ジャスティン・ビーバーさん
世界的アーティストのジャスティン・ビーバーさんは、独学でドラムやトランペットなど数々の楽器を習得した努力家です。2010年に発表した代表曲である「Baby」は知っている方も多いのではないでしょうか。
彼が着用しているノーチラスは、時計全体にダイヤモンドが敷き詰められている「Ref.5719/10G」です。腕元に圧倒的な輝きをもたらしてくれます。
6-4.バナナマン 設楽統さん
日本を代表するお笑いコンビ・バナナマンの設楽統さんは、テレビ番組に出演してる際にノーチラスを着用している姿が見受けられました。設楽さんが着用しているのは、ブラットピットさんと同じ「Ref.5711/1A」です。
薄型でつくられた腕時計は主張が激しくなりすぎないのでスタイリッシュな印象を与えてくれます。
6-5.UVERworld TAKUYA∞さん
日本のロックバンド・UVERworldのボーカルTAKUYA∞さんは、現代の若者から人気を集める有名人の1人です。彼が着用しているのは「Ref.5980/1AR-001」です。クロノグラフが搭載されたこのモデルは、ノーチラス本来の良さはそのままにしながらも異なる魅力を持ったモデルです。
ロックファッション×ラグジュアリーの合わせ方も中々かっこいいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はパテックフィリップのノーチラスがなぜ高いのかについて解説させていただきました。
長い歴史を誇るパテックフィリップを支えてきたノーチラスは、高い人気や大量生産ができないことなどが関係して現在では定価で買えないといわれるほどの価値を持っています。多くの人々からは雲上時計として認識されており、この憧れの眼差しもノーチラスの希少性を高めています。
この記事が、皆さんにとっての知識となっていれば幸いです。