2024年5月08日
ルイ・ヴィトンは値上げしすぎ?その理由と最新の値上げ情報を紹介!
ブランド
日本はもちろん、アジア圏やヨーロッパなど、世界中で高い人気を誇るルイ・ヴィトン。品質の高さに定評があり、常にトレンドの先頭を走り続けるデザインは、人々を魅了し続けています。
そんなルイ・ヴィトンですが、最近は「値上げしすぎ」という声があがっています。それもそのはず、ルイ・ヴィトンは2021年から2023年にかけて、毎年4回の値上げを実施しているのです。これからルイ・ヴィトンの商品を手に入れようと考えていた人も度重なる値上げを受けて、購入をためらってしまうのではないでしょうか。
そこで今回は、ルイ・ヴィトンのアイテムは近年でどれほど値上げされたのか、今後も値上げは続くのか、値下げする可能性はあるのかを深掘りしていきます。また、度重なる値上げの理由についても詳しく解説しています。ルイ・ヴィトンの値上げの歴史とともに説明していますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
目次
1 ルイ・ヴィトンの値上げの歴史
ハイブランドとして知られるルイ・ヴィトンは、その長い歴史のなかで幾度となく値上げをおこなってきました。しかし、近年では値上げの頻度が上がっており、「値上げしすぎ」という声があがるのも無理はないと言えます。
近年の価格改定は、2021年では1月・3月・5月・10月の4回、2022年でも2月・4月・6月・11月の4回実施されています。また、2020年から流行をはじめた新型コロナウィルスにより世界中が影響を受けている中でも、3回の値上げをおこないました。
たとえば、ルイ・ヴィトンの定番アイテムとして知られる「スピーディ・バンドリエール20」のアンプラントランインは、2022年5月には310,200円でしたが、2024年5月現在の価格は370,700円です。わずか2年足らずで6万円以上も値上がりしており、ここ数年で価格の上昇がいかに激しいかを物語っています。
これほどまでにルイ・ヴィトンが値上げを繰り返すのは、どのような理由があるのでしょうか。まずは、2023年に値上げされたアイテムを見ていきましょう。
2 2023年はいつ値上げされた?
2023年は、2021年・2022年と同様に4回の値上げがおこなわれました。値上げが実施されたのは、1回目は2月、2回目は6月、3回目は7月、4回目は9月です。2回目と3回目の値上げ実施のスパンは1ヶ月と非常に短かかったため、驚いた方も多かったのではないでしょうか。
ここからは、2023年に値上げされたアイテムはどのようなものがあるのか、具体的に紹介していきます。値上げ前の価格と値上げ後の価格、値上げ額についても表にまとめていますので、参考にしてください。
2-1 1回目:2023年2月
2023年に入って、はじめてルイ・ヴィトンが値上げしたのは2月3日です。前回の値上げが2022年11月で、わずか3ヶ月しか経っていなかったため話題となりました。値上げ額が大きかったアイテムを中心に表にまとめています。
商品名 | 値上げ前の価格 | 値上げ後の価格 | 値上げ額 |
カプシーヌMINI | 759,000円 | 797,500円 | 38,500円 |
カプシーヌBB | 836,000円 | 891,000円 | 55,000円 |
カプシーヌMM | 924,000円 | 979,000円 | 55,000円 |
アルマBB | 218,900円 | 228,800円 | 9,900円 |
スピーディ25 | 184,800円 | 195,800円 | 11,000円 |
ポシェット・ドゥーブルジップ | 177,100円 | 18,100円 | 11,000円 |
シティ・スティーマーMM | 513,700円 | 544,450円 | 30,750円 |
2023年1回目の値上げで多くのアイテムの価格が上昇するなか、特に大きな値上げ額を見せたのはカプシーヌです。このときのカプシーヌBBとMMの値上げ額は5万円を超えています。カプシーヌBBにおいての値上げ率は、7%にもなります。
また、ミニバッグのポシェットドゥーブルジップも6%以上値上がりしました。
2-2 2回目:2023年6月
2023年2回目の値上げは、6月1日に実施されました。最近の値上げはおよそ3ヶ月スパンで実施されていたため、値上げされることを予想していた方も多いかもしれません。値上げされた一部のアイテムを紹介します。
商品名 | 値上げ前の価格 | 値上げ後の価格 | 値上げ額 |
スピーディ25 | 195,800円 | 215,600円 | 19,800円 |
スピーディ30 | 204,600円 | 224,400円 | 19,800円 |
アルマBB | 228,800円 | 248,600円 | 19,800円 |
オンザゴーGM | 399,300円 | 423,500円 | 24,200円 |
オンザゴーMM | 382,800円 | 407,000円 | 24,200円 |
モンテーニュBB | 358,600円 | 381,700円 | 23,100円 |
ルイ・ヴィトンのアイコニックなアイテムとして知られる、スピーディ25と30はおよそ10%の値上げに踏み切っています。定番アイテムで人気が高いため、大きい値上げに驚いた方も多いことでしょう。また、オンザゴーGMとMMは、およそ8%の値上げとなっています。
2-3 3回目:2023年7月
2023年3回目の値上げは、7月19日におこなわれました。直近の値上げから1ヶ月という短いスパンだったため、驚かれた方も多いのではないでしょうか。値上げされた一部のアイテムを紹介します。
商品名 | 値上げ前の価格 | 値上げ後の価格 | 値上げ額 |
スピーディ25 | 215,600円 | 222,200円 | 6,600円 |
スピーディ30 | 224,400円 | 231,000円 | 6,600円 |
スピーディ35 | 232,100円 | 238,700円 | 6,600円 |
スピーディ・バンドリエール25 | 257,400円 | 265,100円 | 7,700円 |
スピーディ・バンドリエール30 | 265,100円 | 272,800円 | 7,700円 |
スピーディ・バンドリエール35 | 273,900円 | 281,600円 | 7,700円 |
オンザゴーPM | 407,000円 | 419,100円 | 12,100円 |
オンザゴーGM | 423,500円 | 436,700円 | 13,200円 |
オンザゴーBB | 407,000円 | 419,100円 | 12,100円 |
アルマBB | 248,600円 | 256,300円 | 7,700円 |
アルマPM | 273,900円 | 281,600円 | 7,700円 |
プティ・パレPM | 414,700円 | 426,800円 | 12,100円 |
モンスリNM BB | 356,400円 | 367,400円 | 11,000円 |
モンスリNM PM | 372,900円 | 383,900円 | 11,000円 |
ネヴァーフルPM | 236,500円 | 243,100円 | 6,600円 |
モンテーニュBB | 381,700円 | 392,700円 | 11,000円 |
モンテーニュMM | 398,200円 | 410,300円 | 12,100円 |
プティット・サックプラ | 248,600円 | 256,300円 | 7,700円 |
サックプラBB | 323,400円 | 333,300円 | 9,900円 |
サックプラPM | 372,900円 | 383,900円 | 11,000円 |
ネヴァーフルMM | 245,300円 | 253,000円 | 7,700円 |
ネヴァーフルGM | 253,000円 | 260,700円 | 7,700円 |
カプシーヌMINI | 852,500円 | 880,000円 | 27,500円 |
カプシーヌBB | 935,000円 | 962,500円 | 27,500円 |
カプシーヌMM | 1,023,000円 | 1,056,000円 | 33,000円 |
ミュルティ・ポシェット・アクセソワール | 356,400円 | 367,400円 | 11,000円 |
ヴァニティPM | 414,700円 | 426,800円 | 12,100円 |
ルイ・ヴィトンの定番アイテムであるスピーディやアルマシリーズは、3%ほどの価格上昇がみられます。また、ミニバッグも例外ではなく、同様に値上げされています。
カプシーヌシリーズ(MINI・BB・MM)も値上げされました。カプシーヌBBは2023年2月から27,500円も価格が高騰しています。カプシーヌMMの価格は1,056,000円で100万円超えとなっており、カプシーヌMINIやBBも100万円を超える日が近いかもしれません。
2-4 4回目:2023年9月
2023年4回目の値上げは、9月19日に実施されました。こちらも前回から短いスパンで値上げされたため、話題となりました。2023年9月に値上げした一部のアイテムを紹介します。
商品名 | 値上げ前の価格 | 値上げ後の価格 | 値上げ額 |
ネヴァーフルPM | 243,100円 | 250,800円 | 7,700円 |
ネヴァーフルMM | 253,000円 | 260,700円 | 7,700円 |
ナノ・アルマ | 265,100円 | 272,800円 | 7,700円 |
アルマ・ソフトBB | 410,300円 | 422,400円 | 12,100円 |
アルマPM | 281,600円 | 290,400円 | 8,800円 |
スピーディ30 | 231,000円 | 237,600円 | 6,600円 |
スピーディ35 | 238,700円 | 246,400円 | 7,700円 |
ナノ・スピーディ | 256,300円 | 264,000円 | 7,700円 |
スピーディ・バンドリエール20 | 299,200円 | 308,000円 | 8,800円 |
スピーディ・バンドリエール30 | 272,800円 | 280,500円 | 7,700円 |
スピーディ・バンドリエール35 | 281,600円 | 290,400円 | 8,800円 |
モンテーニュBB | 392,700円 | 404,800円 | 12,100円 |
モンテーニュMM | 410,300円 | 422,400円 | 12,100円 |
プティ・パレPM | 392,700円 | 404,800円 | 12,100円 |
グラン・パレMM | 410,300円 | 422,400円 | 12,100円 |
オンザゴーPM | 419,100円 | 431,200円 | 12,100円 |
オンザゴーGM | 436,700円 | 449,900円 | 13,200円 |
ネオノエ | 290,400円 | 299,200円 | 8,800円 |
プティット・サックプラ | 256,300円 | 264,000円 | 7,700円 |
ミュルティ・ポシェット・アクセソワール | 367,400円 | 378,400円 | 11,000円 |
カプシーヌMINI | 880,000円 | 907,500円 | 27,500円 |
カプシーヌBB | 962,500円 | 990,000円 | 27,500円 |
カプシーヌMM | 1,056,000円 | 1,089,000円 | 33,000円 |
2023年9月にも、かなり多くのアイテムが値上げされたことが分かります。定番アイテムからミニバッグまで、価格が上昇しました。そのなかでも、カプシーヌシリーズはおよそ4%の値上がりとなっています。
2023年4回目の値上げでは、3回目に値上げされたアイテムが多く含まれています。これは、ルイ・ヴィトンが主力商品をまとめて値上げすることで、ブランド全体の価格帯を底上げしようとしていることが予想されます。
3 2024年以降も値上げは続く?
ルイ・ヴィトンが2023年に値上げした一部のアイテムを紹介しましたが、2024年以降も値上げは続くのでしょうか。実は、ルイ・ヴィトンは2024年2月にも値上げを実施しています。値上げしたアイテムの定価とともに、今後ルイ・ヴィトンは値上げを続けるのかについても考察していきます。
3-1 2024年2月にも値上げを実施
2024年2月に値上げされたアイテムは、ネオノエであることがわかっています。また、一部のラグジュアリーアイテムも値上げされました。
商品名 | 値上げ前の価格 | 値上げ後の価格 | 値上げ額 |
ネオノエ | 299,200円 | 316,800 | 17,600 |
3-2 値上げは今後も続く?
ルイ・ヴィトンは、2021年から2023年にかけて毎年4回の値上げをしています。このことから、2024年もあと3回値上げが発表される可能性は否定できません。なぜルイ・ヴィトンはこんなにも頻繁に値上げを繰り返すのでしょうか。
次の章では、ルイ・ヴィトンが値上げを続ける理由はなぜなのか、深掘りしていきます。
4 ルイ・ヴィトンが値上げを続ける理由6選
最近では、頻繁と言っていいほど値上げを続けているルイ・ヴィトン。ルイ・ヴィトンが値上げを続ける理由はなぜなのか、6つにわけて解説します。
4-1 ①円安の影響
ルイ・ヴィトンが値上げを続けるのは、円安の影響が大きいと言えます。円安がはじまったのは、ウクライナ戦争やアメリカの金利上昇など多くの要因がからまり、2022年頃から加速しました。円安は日本円の価値を下げて、外国通貨の価値を上げます。
たとえば、1ドルが100円のときに1万円で購入できたのは100ドルでしたが、1ドルが130円になると、1万円で購入できるのはおよそ77ドルになります。このように円の価値が下がれば、外貨通貨に換算した際の価格も下がってしまうため、値上げでその差を埋めようとしているわけです。日本での売上額を落とさないために、値上げが加速していると言えます。
4-1-1 日本のルイ・ヴィトンに中国人が行列して爆買い?
円安が与える影響は、日本だけではありません。円安になると、日本円の価値が下がるとともに外貨通貨の価値が上がります。外国人にとっては、日本で買い物をすると安く抑えられるというメリットがあるのです。
たとえば、ゴールデンウィーク中の日本のルイ・ヴィトンには多くの中国人が列をなした、というニュースが報道されました。中国も日本と同様に、五一労働節と呼ばれる連休があり、多くの観光客が日本を訪れました。円安が加速したため、ルイ・ヴィトンのアイテムは中国より日本の方が10〜50%も安く購入できるのです。
ルイ・ヴィトンで高い人気を誇っている「ナノ・スピーディ」を例に解説します。ナノ・スピーディは、中国の公式サイトでの定価は1万4300元=約31万5000円ですが、日本で免税を利用して購入すると1万1200元=約24万6000円になります。値下げ率にすると20%以上も安く購入できる計算となり、中国人が日本のルイ・ヴィトンに列をなすのも納得というわけです。
また、中国人から特に人気のあるアイテムはカプシーヌシリーズです。カプシーヌシリーズは2023年だけの値上げ幅を見るだけでも大きく上昇しており、富裕層向けのアイテムと言えます。そんなカプシーヌシリーズは中国人からの需要が高いことから、ルイ・ヴィトンが意図的に値上げしているとも考えられます。
4-2 ②輸送費の高騰
ルイ・ヴィトンの値上げは、輸送費の高騰も一因と考えられます。近年、世界的な原油価格の上昇や、2022年に勃発したウクライナとロシア戦争などが影響し、輸送費が高騰しています。
ルイ・ヴィトンのアイテムは主にフランスで生産され、世界中に輸送されます。輸送する際には、航空機や船舶が使用され燃料費がかかります。燃料費の高騰は輸送コストを上昇させるため、アイテムの値上げに繋がっているのです。
また、ウクライナとロシアの戦争による影響として、欧米諸国はロシアに経済制裁を課しました。その結果、ロシアからの原油や天然ガスの供給が不安定になり、世界中の輸送費が高騰したことも理由です。
4-3 ③原材料・人件費の上昇
原材料と人件費の上昇も、ルイ・ヴィトンが値上げを続ける理由のひとつでしょう。ルイ・ヴィトンのアイテムは、高品質なレザーや金属パーツなどが使用されています。そのため、原価が上がり、販売価格も値上げせざるを得ないのです。
一部の商品にはクロコダイルやオーストリッチを採用したものもあり、人気があります。原材料は貴重であればあるほど高価となり、需要に供給が追いついていなければさらに価格を引きあげます。
また、インフレーションの影響から人件費の上昇は避けられません。ルイ・ヴィトンのアイテムは、熟練した職人が制作しています。ヨーロッパの労働コストは日本と比べて倍近くとなっており、職人はさらに多くの人件費を必要とします。高い人件費を補うために、値上げを実施していると言えるでしょう。
4-4 ④物価高騰
世界的なインフレーションの影響で、物価高騰が続いています。物価高騰は、原価や輸送費にくわえて、店舗運営にも影響します。店舗運営においては、スタッフの人件費や電気代、清掃費など、さまざまな費用が必要です。
店舗を運営しないと商品を販売できないため、物価が高騰しても運営を続けなければなりません。物価高騰にはあらがえないため、上昇した物価に比例して値上げしていると考えられます。
4-5 ⑤コロナ禍の影響
2020年、世界中で猛威を振るったコロナウィルスにより、街中がロックダウンされ、ルイ・ヴィトンの工場や店舗も休業に追い込まれました。これによって商品の供給が止まり、需要と供給のバランスが崩れました。また、海外渡航も制限されたため、観光客による購入も激減したのです。
さらに、コロナウィルスの影響で仕事を失った人々や収入が下がった人々が増えて、高級品の購入を控える人もでてきました。実際に、ルイ・ヴィトンが所属するLVMHの2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.8%減の446億5100万ユーロ(約5兆6260億円)、純利益も34.4%減の47億200万ユーロ(約5924億円)となっています。ハイブランドであるルイ・ヴィトンにとって、大きな逆風となった出来事と言えます。
しかし、LVMHの2021年12月通期決算は、売上高が前期比43.8%増の642億1500万ユーロ(約8兆2195億円)、純利益も155.9%増の120億3600万ユーロ(約1兆5406億円)と大幅に増益しています。また、コロナ禍前の2019年と比較しても売上高は19.6%増、純利益も67.8%増となっており、コロナウィルスの影響をうまく回避していることがわかります。これは、ルイ・ヴィトンがコロナショックを受けてすぐにオンライン販売にシフトしたことが功を奏しました。
さらに驚くことに、ルイ・ヴィトンは2020年に3回、2021年に4回も値上げを実施しています。コロナ禍でありながら値上げを行い、コロナ感染症が落ち着きを見せても値上げを継続。こういった拝見からも、顧客から「値上げしすぎ」という声が上がるのは納得できます。
4-6 ⑥ブランドイメージの維持
ルイ・ヴィトンは1854年にパリで創設されたブランドで、長い歴史を経て現在では世界三大ブランドのひとつとなりました。今後も世界三大ブランドのひとつとして君臨し続けるためには、他のブランドとは違うことをアピールしなければなりません。アピールのひとつに「値上げ」があり、ルイ・ヴィトンはハイブランドで、簡単には手が出せないことを示しているとも言えます。
たとえば、世界中でインフレーションが進行している今、もしルイ・ヴィトンが値上げをせず、10年前と同じ価格で商品を販売していたらどうでしょうか。ルイ・ヴィトンの商品は他のブランド商品と比べて割安感がでてしまい、安易に購入しやすいブランドになってしまうかもしれません。このような現象を避け、ハイブランドであることをアピールしつつ、時代の変化に合わせて値上げしているのです。
しかし、近年の値上がりは目を見張るものがあり、顧客を置いてけぼりにしてしまう危険性もはらんでいます。いくらハイブランドの地位を守るために値上げしても、顧客が価格に納得しなければ購入には繋がらないためです。ルイ・ヴィトンはブランドイメージの維持と顧客のニーズをバランスよく調整しながら値上げしていかなければ、顧客離れを招いてしまう可能性があるでしょう。
5 ルイ・ヴィトンは今後値下げする可能性はある?
ルイ・ヴィトンが値上げを続ける理由はさまざまであり、そのペースは明確ではありませんが、今後も値上げが続く可能性は十分に考えられます。このような状況で、値下げされるアイテムはでてくるのでしょうか。
実は、ルイ・ヴィトンにはこれまでに値下げされたアイテムが存在します。大きく全体が値下がりしたことはありませんが、一部のアイテムで値下げがおこなわれました。過去に値下げされた一部のアイテムを紹介します。
【2023年2月に値下げされたアイテム一覧】
商品名 | 値下げ前の価格 | 値下げ後の価格 | 値下げ額 |
ネヴァーフルPM | 243,100円 | 236,500円 | -6,600円 |
ネヴァーフルMM | 253,000円 | 245,300円 | -7,700円 |
オンザゴーMM | 386,100円 | 382,800円 | -3,300円 |
オンザゴーGM | 403,700円 | 399,300円 | -4,400円 |
ここ最近でいえば、2023年2月にネヴァーフルシリーズ(PM・MM・GM)が3%ほど値下げされました。しかし、2023年7月に値上げされており、2023年の2月から7月の間だけ値下げして販売されていたことになります。このようにルイ・ヴィトンの値下げは一時的なものが多く、継続的に値下げが続く商品は存在しないとも言えます。
6 ルイ・ヴィトンの値上げに対する顧客の反応は?
近年のルイ・ヴィトンの値上げに対して、顧客の反応はどのようなものがあるのでしょうか。ルイ・ヴィトンの商品を購入しようと思っている顧客は、値上げに対してさまざまな感情を抱いています。値上げを続けるルイ・ヴィトンに顧客が抱く反応を具体的に見ていきましょう。
6-1 手が届かないブランドになってしまったと感じる
近年のルイ・ヴィトンの度重なる値上げをみて、手が届かないブランドになってしまったと感じる顧客もいます。たとえば、学生時代にルイ・ヴィトンに憧れを抱き、社会人になってお金をためて購入しようと考えていた人にとって、数年で数万円もの価格上昇は衝撃です。高額すぎて、いつになっても購入することができないと感じさせます。
かつては何とか手が届く価格帯だったにもかかわらず、今では遠い存在になってしまったと思う顧客も少なくないでしょう。
6-2 愛着はあるが次の購入をためらってしまう
長年、ルイ・ヴィトンのアイテムを使用してきた人々のなかには、愛着はあるものの次の購入をためらってしまう人もでてくることが考えられます。ルイ・ヴィトンの魅力は、トレンドの先頭をいくデザインや品質の高い素材、技術の高い職人技など多くあります。そのため、長年のルイ・ヴィトンファンであれば、新作が発表されれば購入意欲がわくことでしょう。
たとえば、以前購入したバッグのシリーズで新作が発表されたとします。購入意欲がわいたものの、以前購入した時より大幅に値上がりした価格に驚き、次の購入をためらってしまう可能性があります。ルイ・ヴィトンの商品に魅力は感じるものの、激しい値上がりに後ずさりしてしまう人もいるかもしれません。
6-3 値上がりは仕方のないことだと思う
ルイ・ヴィトンの値上がりに対して、肯定的な意見を持つ人もいます。世界全体のインフレーションや世界情勢を考えると、度重なる値上がりは仕方のないことで、自然の流れだと納得する人もいます。ルイ・ヴィトンはハイブランドであるため、値上げはブランドイメージの維持に必要不可欠だと考えているのです。
値上がりは仕方のないことだと思っている人は、変わらずルイ・ヴィトンのアイテムを購入し続けるでしょう。
6-4 次に値上がりする前に購入しようとする
ルイ・ヴィトンの値上げはいつ行われるか事前に公表されないため、次に値上がりする前に急いで購入しようとする人もいます。値上げが実施されると焦りを感じてしまい、少しでも安く購入したいと考えるのです。実際、値上げ情報が公開されると、その直前に店舗に駆け込む顧客が増えます。
この現象は中古市場にも連動しており、駆け込み需要が見られます。ルイ・ヴィトンが1年に4回のように細かく値上げを繰り返すのは、駆け込み需要も見込んでいるのかもしれません。
6-5 代替ブランドへ興味が移行する
ルイ・ヴィトンの値上げによって、代替ブランドへ興味が移行する人もでてくると考えられます。世界三大ブランドとして有名なルイ・ヴィトンに惹かれるものの、手が届きそうにない価格帯であれば、代替ブランドへの検討を考えるのは自然な流れです。グッチやサンローランのように、ルイ・ヴィトンほど値上げが頻繁ではないブランドに代替えする人もいるでしょう。
また、ブランドにこだわらなければ、比較的安い価格帯で購入できるアイテムは多く存在します。ルイ・ヴィトンの値上げに辟易してしまった人は、他のブランドに流れていく可能性があると言えます。
7 ルイ・ヴィトンは値上げしすぎでイメージを壊しかねない?
いかがでしたか。近年、ルイ・ヴィトンが値上げしたアイテムは多く、値上げ幅も大きいことを紹介しました。また、値上げを続ける理由を深掘りし、それに対する顧客の反応についても解説しました。
近年のルイ・ヴィトンの度重なる値上げは、何とか手が届く価格帯から誰もが手にすることができない価格帯に移行しているようにもみえます。これは、富裕層向けブランドにシフトしているようにも捉えられます。ルイ・ヴィトンを持っていることをステータスとして捉え、ライフスタイルを表現する手段になることを目指しているのかもしれません。
しかし、現代社会では収入の格差が拡大し、二極化が進んでいると言われています。もしルイ・ヴィトンが商品をステータスとして捉えてもらうために値上げをしているのならば、顧客離れを招く可能性があり、ブランドイメージを壊しかねません。ブランドイメージの維持と顧客の考えのバランスをとることは、これから難しい課題となるでしょう。