2023年8月31日
フランクミュラーとは?独立時計師から始まる歴史や魅力を徹底解説
時計
フランクミュラーといえば、トノー型の時計で格式の高いブランドであることは知れ渡っています。そして天才時計師フランクミュラーのことを指していると知ると、世界初の機構の数々を生み出す技術力に驚かされることと思います。フランクミュラー擁するウォッチランドは今や4大時計グループと言われるほど大きくなっており、フランクミュラーの人気の高さを裏付けるものでもあります。
この記事ではフランクミュラーの歴史、魅力、代表シリーズ、フランクミュラーの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。
目次
1.フランクミュラーとは
フランクミュラーは、1992年にスイスで設立された比較的新しい高級時計ブランドです。創業者のフランク・ミュラーは天才時計師として知られ、複雑なムーブメントと斬新なデザインで時計業界に革命をもたらしました。そのため、「コンプリケーションの巨匠」とも称されています。
ブランドの最大の特徴は、伝統的な時計作りと革新的なデザインの融合です。独自のアール・デコ調の美しいケースフォルムや、大胆で遊び心のある文字盤デザインは、フランクミュラーならではの魅力です。特に「カサブランカ」や「トノウ カーベックス」などのコレクションは、時計愛好家だけでなく、ファッションに敏感な人々にも支持されています。
また、フランクミュラーは技術面でも高い評価を受けています。特に、複雑機構のムーブメントである「トゥールビヨン」や「パーペチュアルカレンダー」を搭載したモデルは、ブランドの象徴ともいえる存在です。
そのユニークなスタイルと確かな技術力で、フランクミュラーはラグジュアリーウォッチの象徴として、世界中のセレブリティや時計愛好家から愛され続けています。
2.フランクミュラーの歴史
2-1.1958年スイスヌーシャテルでフランクミュラー誕生
天才時計師フランクミュラーは1958年に時計産業で有名なスイスヌーシャテルに生まれました。スイス人の父とイタリア人の母の間に生まれ、母から精密な機械仕掛けの楽しさを学び、10代半ばでジュネーブ時計学校へ入学し時計師の道を進みました。1979年に学校を首席で卒業。卒業制作ではロレックスのムーブメントを改良し永久カレンダーをつくりあげた逸話が残っています。
ブランドを創業する前に数人の時計師と開いた時計工房でオリジナル時計の製作や修理を手掛けていました。この時にいくつもの機構を開発します。1986年に世界初のフリー・オシレーション(自由振動)トゥールビヨン、ジャンピングアワー機能付きレギュレーター文字盤、翌年にはフリー・オシレーションとミニッツリピーターの機能を持つ、「フリー・オシレーショントゥールビヨン・ミニッツリピーター」を開発しました。その後も1989年に「リバース・トゥールビヨン・ミニッツリピーター・永久カレンダー」、1990年に「スピリットセコンド・クロノグラフ・トゥールビヨン」、「ミニッツリピーター・ワールドタイム」を次々と発表しました。
2-2.1992年現ウォッチランドCEOヴァルタン・シルマケスと創業
1992年にスイスジュネーブで当時宝飾技師だったヴァルタン・シルマケス(現ウォッチランドグループCEO)と共にブランドとしてフランクミュラーを創業しました。ブランド創業時に現在でもアイコンモデルとして知られるトノウカーベックスを発表しました。
その後もトゥールビヨン、スプリットセコンドクロノグラフ、ミニッツリピーター、永久カレンダーなどの複雑系の代表格を搭載したモデルを次々と開発しました。フランクミュラーは新機構の開発で知られており、これまで30種類以上の世界初となる機構を考案したと言われています。
ケース左側面のプッシュボタンを押すとトゥールビヨンのキャリッジがせり上がる機構を備えるなどトゥールビヨンを進化させたレボリューション、時針が不規則にジャンプするクレイジーアワーズ、様々な複雑機構を一つの時計に複数搭載するなど、それまでの時計業界の常識を覆す機構・モデルを次々と発表しています。
2-3.共同創業者ヴァルタン・シルマケスについて
共同創業者のヴァルタン・シルマケスについても解説します。1956年にアルメニア系の宝石職人のもとに生まれたヴァルタン・シルマケスは17歳のときにスイスジュネーブに移り住み、ジュエリーセッティング技術を学びました。1979年にジュネーブでジュエリーセッティング工房(ケース製造部門を兼ねています)を開きました。ダニエルロートなどのケース製作を手掛けた際にフランクミュラーと知り合ったようです。
ムーブメント製作に長けたフランクミュラーとジュエリーセッティング、ケース製造に長けたヴァルタン・シルマケスにより、1991年に共同で時計会社テクノウォッチを設立し、のちにフランクミュラー創業となりました。
1992年には日本でも店舗展開が開始。現在では日本国内で35店舗ほどを構えるほど、私たちにとっても身近なブランドとなっています。
3.30年足らずで世界的に有名になったフランクミュラーの魅力
3-1.天才時計師フランクミュラーが考案した世界初の機能の数々が楽しめる
天才時計師フランクミュラーが考案した世界初の機構は30を超えていると言われており、技術・創造性の高い数々の作品を見ることができます。フリー・オシレーション(自由振動)トゥールビヨン、ケース左側面のプッシュボタンを押すとトゥールビヨンのキャリッジがせり上がる機構を備えるなどトゥールビヨンを進化させたレボリューション、時針が不規則にジャンプするクレイジーアワーズなど機能・デザインに幅広く開発されました。
複雑系といえばミニッツリピーターやフライングトゥールビヨンが各ブランドの代表格ですが、フランクミュラーでは他ブランドでは見ることのできない機構・デザインを楽しめるのが魅力です。前述のレボリューションやエテルニタス、あるいはトノウカーベックスやヴァンガードで展開されることが多いですが生産本数が限られているため、希少価値も高くなっています。
3-2.独創的で一目でフランクミュラーだとわかるデザイン
フランクミュラーの時計はどれも独創的で一目でわかるデザインとなっています。トノウ型の時計は他にもありますが、トノウカーベックスのもつ手首に馴染むカーブと妖艶な文字盤デザインやヴァンガードの内臓型のトノウケースで力強くスポーティーな印象の時計は他のブランドには出せない世界観となっています。
元を辿れば天才時計師フランクミュラーの世界観だから他のブランドとは違う、ウォッチランドグループを引く立場のため他ブランドの影響を受けない、世界初の機構が多いためその分まだ見ぬデザインになることが多い、など多くの理由が考えられます。フランクミュラーの時計は独創的で他ブランドとは違うことがよくわかります。
3-3.創業して日が浅いにも関わらず、世界的に高い知名度
フランクミュラーは創業して30年ほどですが、世界的に知られているブランドです。時計を深く知らなくてもフランクミュラーの名前は知っている方も多いほど。特徴的な形状や芸能人が多く着けている、広告を多くかけているなど様々な理由がありますが、最大の理由は話題性と考えられます。
フランクミュラーの創造する新機構は時計愛好家だけではなく、誰もが見ても驚くようなものが多いのが特徴です。例えば時針がジャンプする軌道で動くクレイジーアワーズやトゥールビヨンのキャリッジが動くレボリューションなど、誰が見ても大きなインパクトを残します。マニアックな知識があって初めて凄さがわかる機構やデザインとは違い、多くの人にフランクミュラーはすごいと思わせ、知られたのにはこうした理由が考えられます。時計愛好家ではない方がフライングトゥールビヨンの凄さを知るのには段階が必要なのです。
4.フランクミュラーの代表シリーズ
4-1.トノウカーベックス
トノウカーベックスはフランクミュラーのアイデンティティともいえるシリーズで、創業者フランクミュラー自らが手がけています。元々はオーダーメイドとして製作したモデルですが、独創性と美しさが高く評価されブランドの誕生とともに発表されました。
トノウ(樽)カーベックス(湾曲)の名前の通り、トノウ型で手首に馴染むカーブが効いたケースが特徴です。もう一つのフランクミュラーのアイデンティティとなるビザン数字のインデックスが採用されています。文字盤のギョーシェ、スペード針といったデザインも独特な世界観を演出しています。エレガントなドレスウォッチとしても、カジュアルウォッチとしても見栄えする普遍性の高いデザインに仕上がっています。
変化球が馴染むのも斬新すぎないデザインのもつ懐の大きさです。クロコダイル柄の文字盤を採用したモデルや時針が不規則に動くクレイジーアワーズ、インデックスを裏側から浮きたたせたレリーフインデックスなど、チャレンジャブルなデザインや機能も展開されています。
4-2.カサブランカ
カサブランカはフランス領モロッコの都市名で、1920~1940年頃に貴族たちの避暑地として愛されていました。砂漠に隣接するため、いわゆる高級志向の品物だけではなく砂漠の砂や汗でも使うことのできる冒険的でチャレンジャブルなアイテムも選ばれていました。フランクミュラーはブランド初のステンレスケース、夜光処理を施し夜間でも高い視認性をもつインデックスと針といった旅のお供ともいえるコンセプトでカサブランカを開発しました。
トノウカーベックスと同じ曲線を描くトノーケースに暗所で視認性が高いビザン数字のインデックスと針を採用することでフランクミュラーのもつ世界観はそのままに、高い実用性をもつ時計として仕上がりました。文字盤にUV処理をあえてしないことで、経年によるエイジングが楽しめるようになっており、ヴィンテージウォッチのような様相に。カサブランカのもつ雰囲気にマッチするのもポイントです。
レディース人気も厚いカサブランカは価格帯も比較的安いモデルとなっておりますので、ペアウォッチとして使うのもおすすめです。
4-3.ロングアイランド
20世紀始めのアールデコスタイルを基礎としてデザインし、2000年に発表されました。手首に沿って少し曲線をかけたレクタングラーケース、ビザン数字のインデックス、スペード針、文字盤中央のミニッツトラックとフランクミュラーを象徴するデザインが多数盛り込まれています。大胆さとエレガントさが両立したデザインで、ダイヤモンドを文字盤、ベゼルに配したモデルも多く展開されています。
シリーズ名のロングアイランドとはニューヨークに繋がる小島のことで、1920年代からバカンスの地として賑わっており、多くの宝飾品がロングアイランドへ持ち込まれました。ヨーロッパの貴族たちによる大規模な開発もあり、今でもリゾート地として多くの人が訪れています。長細い島の形とリゾート地を楽しむ高所得者層向けのエレガントウォッチをテーマにしてデザインされました。
フランクミュラーのアイデンティティともいえるシリーズで、基本の機能だけに絞ったモデルからレディースモデル、クロノグラフ、クレイジーアワーズ、トゥールビヨンなど多くの機能を備えるベースとしても展開されています。
4-4.コンキスタドール
コンキスタドールとはスペイン語で征服者を意味しており、その名にふさわしい大ぶりなケース、ビザン数字に限らず多様なインデックスの使い分けによる力強くスポーティーなデザインに仕上がっています。トノウカーベックスのDNAを残しつつも、立体的な段付きのステップベゼルや文字盤のギョーシェなど前衛的なデザインにチャレンジしたシリーズです。
クラシックなデザインをベースにしたモデルだけではなく、チタンなどの異素材を使いさらにスポーティーに仕上げたコンキスタドールグランプリ、世界観はそのままにスクエアケースにしたコンキスタドールコルテス、レディースモデルなど、派生したモデルも展開されています。
4-5.マスタースクエア
マスタースクエアはロングアイランドから派生したシリーズで、四辺が同じ長さのスクエアケースが特徴です。ロングアイランド譲りの大ぶりなローマンインデックス、文字盤中央のレイルウェイのミニッツサークルなどエレガントな世界観をそのまま楽しめます。
レディース向けにプティ、S、M、L、メンズ向けにキングとサイズバリエーションが豊富で、ユーザーの幅を広げています。機能は3針、もしくは日付表示といたってシンプル。スクエアケースながら、正統派なドレスウォッチのデザインとなっています。
4-6.ヴァンガード
2014年に登場したヴァンガードはトノウカーベックスとはまた違った世界を見せるトノーケースシリーズです。1920~1930年代のアールデコをベースにしながらも、ラグを無くしストラップ接続部を内蔵するデザインにしたことでより丸みを感じるシルエットとなりました。ヴァンガード専用にインデックスを新たに開発し、より立体的で力強い印象です。フランクミュラーのもつエレガントさのDNAを維持しつつ、モダンなデザインに仕上げたシリーズとなっています。
機能面も充実しており、クロノグラフ、スケルトンに加え、トゥールビヨン、トゥールビヨンを浮かせオフセットさせた軌道を動くグラビティと複雑系も搭載されています。トノウカーベックスとは違ったフランクミュラーの軸となるシリーズとなっています。
また、ヨットでの航海をイメージしたヴァンガードマリナーもシリーズに追加されました。マリン、海洋スポーツのもつラグジュアリーな世界観と融合することで、ヴァンガードのもつレトロモダンな雰囲気と上手くマッチしています。文字盤に航海用方位計を描き、ユニークで優雅なデザインを演出しています。
4-7.グランドカーベックス
2023年からの新作として発表されたグランドカーベックスはブランド設立からの30年となるトノウカーベックスをルーツとしながらも違った世界を見せてくれるシリーズです。トノウカーベックスは湾曲したケースが特徴でしたが、グランドカーベックスは一次元追加し、三次元的な湾曲、ねじれを表現しています。
グランドカーベックスはケース・ベゼル周りの仕組みを大きく変更しています。ベゼルをケースから独立させ、風防とケースの内側に入れることでケース・ベゼルのバイカラーでの展開・風防を最大まで大きくすることによる文字盤の見える幅が大きくなるなどのメリットがあります。文字盤には中心から放射状にさらに捻じれを表現したことで、常に回転しているような躍動感を与えています。アプライドインデックスには文字盤の位置・角度に合わせて捻じれを手作業で変えることで、三次元的な立体感を生み出しています。
発表されたのは3種類のカラーバリエーションで、捻じれるギョーシェをメインとしたデザインとなっています。今後三次元的な表現をするにあたってどんなデザインが展開されていくか楽しみなシリーズです。
4-8.ラウンド
ラウンドはフランクミュラーによるラウンドモデルを集めたシリーズです。フランクミュラーといえばトノーケースの印象の通り、ラウンドモデルは一握りでトノーやスクエアケースが多く展開されています。しかしラウンドにしかない独特の世界観を楽しめるのがフランクミュラーのラウンドシリーズです。
スプリットセコンドクロノグラフや永久カレンダーなどの複雑機構を中心に展開されており、伝統的なスイス時計のデザインにまとまっています。フランクミュラー創業直前の複雑機構を開発していたときのような世界観となっており、トノウカーベックス発表以降の斬新なデザインというよりも複雑・伝統のクラシックデザインとなっています。
5.フランクミュラーの時計を愛用している芸能人&有名人5選!
5-1.お笑い芸人:名倉潤
お笑い芸人の名倉潤さんが着けているのはRef.5850 CASAです。名倉さんはフランクミュラーに絞っているようで、カサブランカとトノウカーベックスの2種類を所有しているようです。どちらも湾曲したトノウケースモデルで、フランクミュラーの世界観を気に入ったのかもしれません。
Ref.5850 CASAはシンプルで端正なカサブランカの一本。ビザン数字のインデックス、アルファ針はどちらも夜光処理が施されており、夜間でも視認性高く使うことができます。フランクミュラーとしては初となるステンレスモデルでの展開で、広くユーザーへ届けることができたシリーズとなっています。
5-2.俳優:片岡愛之助
俳優の片岡愛之助さんが着けているのはコンキスタドール コルテスのRef.10000HSCです。片岡さんは時計愛好家で、ブローバアキュトロンやフランクミュラーのロングアイランドなど多くの高級時計を所有しています。クセのある時計を選んでいるようです。
コンキスタドール コルテス Ref.10000HSCは、スペインの歴史に残る征服者エルナン・コルテスからインスピレーションを得て製作されたスクエアケースが特徴です。文字盤いっぱいのビザン数字のインデックスやリーフ針が印象的です。段付きで立体的なステップベゼルやねじ止めのラグなど、力強いデザインとなっています。
5-3.サッカー選手:クリスティアーノ・ロナウド
プロサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドさんが着けているのはラウンドトゥールビヨンインビジブルセットバゲット ダイヤ Ref.7008 T INV C INV Rです。クリスティアーノ・ロナウドさんは時計愛好家として知られており、ジラール・ペルゴやブルガリなどのモデルにダイヤをプラスしてオーダーするモデルを多く所有しています。
Ref.7008 T INV C INV Rはクリスティアーノ・ロナウドさんの所有する時計の中で最も高額と言われており、その金額は2億円を超えるとか。トゥールビヨンを搭載するラウンドモデルで、文字盤・ベゼル・ラグを埋めつくすほどのダイヤモンドがセットされています。ダイヤモンドはセットする際に爪が見えないインビジブルセッティングという特殊な技法を使うことでより大きく・多くのダイヤモンドを使うことができた贅沢な一本です。
5-4.プロデューサー:つんく♂
プロデューサーのつんく♂さんが着けているのはトノウカーベックスクロノグラフ Ref.7850CCATです。つんく♂さんは高級時計を複数持っている時計愛好家でブルガリやダミアーニなど、ラグジュアリーブランドの時計を多く所有しているようです。
Ref.7850CCATはトノウカーベックスのクラシックデザインに仕上げたクロノグラフモデルです。控えめなビザン数字インデックス、横3針のインダイヤル、レトロな印象の四角いプッシュボタンなど、ラウンドモデルに多く見られる伝統的なスイス時計のデザインとなっています。コンパクトなリーフ針、文字盤のギョーシェなど、現行のトノウカーベックスよりもクラシックさが強調されたデザインです。
5-5.ヴァイオリニスト:高嶋ちさ子
ヴァイオリニスト兼タレントとして活躍している高嶋ちさ子さんが着けているのはロングアイランド Ref.902QZD OGです。高嶋さんは高級時計を複数持っており、ハリーウィンストンなどの高額品を旦那様からプレゼントされています。
Ref.902QZD OGは白文字盤のロングアイランドで、ベゼルとラグいっぱいにダイアモンドがセットされたモデルです。ビザン数字のインデックスのもつエレガントな雰囲気とマッチしており、リゾート地をイメージしてつくられたロングアイランドの世界観を感じさせます。
6.フランクミュラーのおすすめモデル5選
6-1.コンキスタドール グランプリ クロノグラフ Ref.9900CC DT GPG
コンキスタドール グランプリ クロノグラフ Ref.9900CC DT GPGはトノウカーベックスのDNAを受け継ぎつつスポーティーに仕上げたコンキスタドールをF1からインスピレーションを得てデザインされたグランプリにクロノグラフを搭載したモデルです。当モデルは中でも最大サイズの9900シリーズで、縦63 × 横48 mmと大きなインパクトを残すものとなっています。
ベゼルのインデックス、文字盤にも立体的なアラビアインデックス、黒・白・赤のレーシーなカラーリングなど、力強さを感じる要素が豊富です。文字盤は2階層作りとなりヌーベルバーグ・ギョーシェが施されており、パワフルなインデックス、妖艶なギョーシェ、太くずっしりとした針の組み合わせにも負けない魅力をもっています。9時位置のねじ込み式プッシュボタンで日付調整を行うなど、これまでにない機構も搭載されています。
6-2.ロングアイランドレリーフダイアモンド Ref.902QZ REL CD1R
ロングアイランドレリーフダイアモンド Ref.902QZ REL CD1Rはアメリカのリゾート地にインスピレーションを得て開発されたロングアイランドの一本です。長方形のレクタングラーケース、手首に沿ってしなやかなカーブをもつ裏蓋、フランクミュラーのアイデンティティともいえるビザン数字のインデックスなど、シリーズを代表するデザインの一つです。
大きく違うのは、インデックスが描かれているのではなく文字盤を裏から型押しするよう浮かび上がらせたレリーフタイプを採用していることです。インデックスが立体的になることで視認性を確保しつつ高級感を演出しています。文字盤中央のミニッツトラックに沿って、見えなくなるほどダイアモンドを敷き詰めています。レトロモダンな雰囲気のロングアイランドの中に、エレガントなレリーフインデックスとダイアモンドとメリハリの効いたデザインに仕上がっています。
6-3.トノウカーベックスリメンバー Ref.7880BSCATREM
トノウカーベックスリメンバー Ref.7880BSCATREMはフランクミュラーのアイデンティティとなる2019年発表のトノウカーベックスシリーズの一本です。曲線を描くトノウ型ケースは手首へ馴染むだけではなく優雅な世界観を演出しています。20もの層が重なったラッカー仕上げの文字盤は、ホログラムによるインデックスが散りばめられており、独特の質感が楽しめます。
針が反時計方向に進む構造になっており、他にはない斬新な機構が搭載されています。一見混乱してしまうようですが、時間に縛られて生きる現代社会への一石のような他にはない機構です。
6-4.ヴァンガードクロノグラフ Ref.V45CCDTACBRNR
ヴァンガードクロノグラフ Ref.V45CCDTACBRNRは内蔵されたラグと専用の立体的なインデックスが特徴のヴァンガードシリーズの一本です。ツーカウンターのクロノグラフモデルで、アールデコのレトロな雰囲気にモダンなニュアンスが上手く融合しています。プッシュボタンが四角なのも、レトロな雰囲気によくマッチしています。
文字盤自体はシンプルな黒ですが、大きなインデックスやインダイヤル、見返し部分まで使った目盛りとタキメーター表示で退屈しないデザインに仕上がっています。針は太目のバーハンドで、夜光処理が施されています。太く短いため細かな時刻の視認性は高くありませんが、ヴァンガードのもつ世界観に合わせたデザインです。
7.まとめ
今回はフランクミュラーの歴史、魅力、代表シリーズ、フランクミュラーの時計を着けている有名人、についてまとめました。斬新なデザイン、世界初の複雑機構の数々などフランクミュラーの奥深い魅力について触れていただけたかと思います。現在ではファッションやフードなどにも領域を広げているフランクミュラーですが、時計の新作の発表も欠かさず行われており、今後の展開が楽しみなブランドです。