2024年4月30日
価値のあるエメラルドが欲しい!売る時、買う時の値段の相場は?
ジュエリー
鮮やかな緑色が美しいエメラルドは、春が終わって、緑の美しいこれからの季節にぴったりの宝石です。特にエメラルドとゴールドとの組み合わせは、ゴージャスでリゾート感があり、さわやかな夏空にとても似合いますよね。エメラルドは、ダイヤモンド、ルビー、サファイアと並んで世界四大宝石とも呼ばれており、宝石の中でも特に有名で、人気の高い物のひとつです。
エメラルドなどの宝石は自分自身が眺めたり、身に付けたりする楽しみ方もありますが、時間が経っても価値が損なわれないのも良い所ですよね。宝石は古い物だから価値がなかったり、値段が安くなるということがありません。宝石を十分楽しんだ後は大切な人に譲ることもできますし、売却してまた別のジュエリーを購入する資金にすることもできます。宝石は、買ったその時だけでなく、数年、数十年と長く楽しむ事ができる、価値のある財産です。
もちろん好みに合う物を購入するのが一番ですが、宝石は決して安くない買い物です。先々のことを考えた時に、どのようなエメラルドを購入すればいいのか、エメラルドの価値基準はどのように判断されているのかを知っていると、ジュエリーを見る目も変わってくるかもしれません。
エメラルドを購入する時の判断基準のひとつとして、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
1.エメラルドが高い理由
「宝石は高い」と漠然と思っている人は多いと思います。確かに宝石は、ピンキリではありますが、そのほとんどが高価な品物です。そして宝石の中でも、エメラルドは特に高価な宝石と言えます。もちろん、理由もなく値段が高いわけではありません。ですがなぜエメラルドが高価なのか、その理由がわからなければ、とても購入する気にはなれませんよね。
きれいだな、少し欲しいな、という理由だけで購入するには、エメラルドは高価すぎます。ですがそれだけの価格を出す価値がエメラルドにはあると多くの人が思っていて、実際にエメラルドや他の宝石は盛んに売り買いされています。
エメラルドのどのような所に魅力を感じる人が多いのか、具体的に見ていきます。
1-1.エメラルドの希少性
エメラルドはとても希少性が高く、その珍しさからとても価値が高いとされています。エメラルドは、ベリルという鉱物に様々な元素が混ざって出来ています。このベリルという石は、含有する元素によって、アクアマリンやモルガナイトなど、様々な宝石に姿を変えます。ベリルという鉱物があっても、エメラルドに成長するかどうかはわかりません。ベリルが、クロム・バナジウム・鉄の元素を含んではじめて、エメラルドになるのです。
ところが同じ緑のベリルでも、緑の発色具合によってはエメラルドではなくグリーンベリルという宝石になる場合もあります。グリーンベリルはエメラルドほど鮮やかな緑色ではなく、薄くやわらかい色合いの緑色をしています。もちろんグリーンベリルも美しい宝石なのですが、エメラルドに比べるとその価値はとても低いものになってしまいます。元素の含有量のささいな違いで、宝石としては大きな差が生まれてしまうんですね。鮮やかな緑のエメラルドができたというだけでも、とても珍しいことなのです。
希少性が高ければ、それだけ価値も価格も高くなるというのは納得できますよね。
1-2.エメラルドの美しさ
エメラルドに限らず、宝石はとても長い時間をかけて大きく成長します。人間の成長とは比べものにならないくらい、エメラルドが大きくなるには時間がかかりますから、成長する間に様々なことが起こります。小さなひびが入ったり、内部にいろんな物質を取り込んだまま成長してしまうことも、エメラルドでは珍しくありません。
そういった内包物はインクルージョンと呼ばれます。一部のインクルージョンは、美しく見えたり珍しい形をしていたりすることで、かえって価値があがることもありますが、ほとんどは不純物・不要な物としてエメラルドの価値が下がる原因となってしまいます。インクルージョンが少ないエメラルドは、エメラルドの重要な価値基準である透明感も高く、色もきれいに見えます。
美しく育ったエメラルドは、当然その価値も高くなるということなのです。
1-3.エメラルドの人気
エメラルドは世界四大宝石と言われていることからもわかるように、とても有名な宝石です。エメラルドの歴史は古く、約4千年も前から人類に使用されていたそうです。その頃のエメラルドは、一部の王族や貴族など、限られた人物しか所有することはできませんでした。現在ほど大規模な採掘を行うこともできませんし、今よりももっと貴重で、珍しい物だったと言えます。
あの有名なクレオパトラもエメラルドをとても愛していたというのは、有名な話です。美しく輝くエメラルドを、時の権力者は特別な物として自ら身に付けたり、贈り物として交易相手に与えたりしました。やがてエメラルドは富と権力の象徴と言われるようになり、ただその美しさに惹かれて身に付ける人だけでなく、仕事で成功したい人のお守りとしても人気になりました。
またエメラルドは、新緑の芽吹く5月の誕生石でもあります。誕生石は国ごとに定められますが、エメラルドは日本だけでなく、アメリカやイギリス、フランスなど各国でも5月の誕生石です。美しく鮮やかな緑色のエメラルドは、5月のイメージにぴったりですよね。その月に生まれた人が誕生石を身に付けるとお守りにもなると言われていますので、5月生まれの人へのプレゼントとしても、エメラルドの指輪やネックレスは人気があります。
また、エメラルドはパワーストーンとしても人気があります。パワーストーンとしてのエメラルドは「愛の石」と言われており、恋愛運や結婚運を上げたい人に人気の石です。加えて、エメラルドの緑色には癒しの効果もあるとされていますから、疲れた人、癒されたい人からの人気も集めています。
エメラルドはいろんな人に人気で、その分価値も高いのです。
2.価値あるエメラルドの購入の仕方
エメラルドはとても価値が高い宝石ですが、すべてのエメラルドが価値が高いというわけではありません。エメラルドだから価値が高いだろうと思って購入しても、いざ売却するときに査定をしてもらったら思ったより安くてがっかり…ということも、十分考えられます。自分が楽しむだけであれば気にする必要はありませんが、もしエメラルドを財産として所有することを考えれば、できるだけ価値が高いエメラルドを購入しておきたいですよね。
購入した後に後悔しないためにも、どのようなエメラルドを購入すべきか、確かめておいたほうが良いポイントをきちんと押さえておきましょう。
2-1.エメラルドの品質を見る
ジュエリーとしてエメラルドを購入する時、その価格にはエメラルドの品質が大きく関わってきます。エメラルドには品質の良いエメラルドと、そうではないエメラルドがあるのです。とは言っても、どのようなエメラルドが品質が良く価値が高いのかは、あらかじめ知っておかなければわかりようもありません。
実際に購入する前に、じっくりとそのエメラルドを観察し、品質に納得してから購入するようにしてください。具体的には、エメラルドのどこを見ればいいのか、詳しく説明します。
2-1-1.色を見る
エメラルドの品質で、まず見るべきところはその色です。色が鮮やかでくすんでいないか、全体的に暗い印象でないかは、一目でわかりますよね。そんな印象を持つエメラルドは、あまり良いエメラルドとは言えません。
また、黄色みが強かったり、青みが強いエメラルドも避けましょう。エメラルドはベリルという鉱物ですが、ベリルには様々な色合いの物があります。黄色っぽかったり、青っぽかったりするエメラルドは、見る人によってはベリルと判断されてしまうことがあります。たとえ間違いなくエメラルドであっても、黄色っぽい物や青っぽい物は、石自体の価値はそう高くありません。
また、良いエメラルドは、石全体に透き通った緑色が均一に広がっています。ここで注意してほしいのが、正面から見た時はきれいな色をしていても、角度を変えると色だまりがあったり、色が薄く見えるところがあるエメラルドも中にはあるということです。ジュエリーに加工されているエメラルドは、大抵正面から見た時にその石が一番美しく見えるようにセットされているので、斜めから見たり、裏から見てみたりして石の色をしっかりと確かめてください。
2-1-2.内包物を見る
価値の高いエメラルドとされる重要な条件のひとつに、インクルージョンと呼ばれる内包物の数が少ないというのがあります。エメラルドは成長する過程で、どうしてもそういった不純物が入りやすく、インクルージョンがまったくない物はほとんどありません。だからこそ、できるだけインクルージョンの少ないエメラルドを選ぶことが、価値のあるエメラルドを購入するポイントになってきます。
エメラルドのインクルージョンにはいろんな種類があり、白や灰色、黒っぽいつぶつぶのように見えたり、白っぽい繊維のように見えたり、内部がヒビ割れて見えたりします。自分で楽しむためのジュエリーであれば、インクルージョンが入っていても何も問題はありません。むしろそれぞれの石ごとにまったく同じ物はないインクルージョンを、その石の個性として楽しむ人もいるほどですが、財産価値という点で考えると、インクルージョンはできるだけ少ない方が価値は高いです。細部までよく見て、インクルージョンを確認してから購入してください。
ただし例外的に、インクルージョンがあるほうが価値の高いエメラルドもあります。
真っ白に光る線がまっすぐに入っているエメラルド・キャッツアイや、歯車のように見える黒い線が入っているトラピッツエ・エメラルドなどです。市場に流通することは少ないですが、どちらもとても珍しくて価値のあるエメラルドですので、そういったエメラルドに出会えることがあればとても幸運と言えます。
2-1-3.大きさを見る
エメラルドはその大きさも、大切な価値基準のひとつです。大きく成長するまでに時間がかかるエメラルドは、大きいとそれだけで価値が高いものとされます。エメラルドはインクルージョンが入っている物がほとんどであると言いましたが、見た目の美しさを優先するために、大きなエメラルドでも、インクルージョンの目立つ部分をカットしてしまうこともあるほどです。結果として大きなエメラルドはどうしても少なくなってしまいます。宝石としての美しさを保ちつ、なおかつ大きなエメラルドは、とても値段は高くなってしまいますが、その値段に見合うだけの価値があります。
ここで、「とてもきれいな小さいエメラルド」と「とにかく大きなエメラルド」では、どちらが価値が高いのかという疑問が出てくるかと思います。もし同じ値段でそのふたつが売られていたら、迷いなく色がきれいでインクルージョンが少ないエメラルドを選んでください。どんなに大きくても色がきれいで小さいエメラルドにはかないません。それだけ美しいエメラルドは希少なのです。あくまでも同じ値段の時の比較条件として、大きさを見るようにしてください。
2-2.エメラルドの鑑別書を見る
自分の目でいくら確かめようと思っても、プロでもない消費者にはエメラルドの本当の品質を見分けることはほぼ不可能です。
エメラルドの品質を本当に見極めたいと思ったら、購入前にエメラルドの鑑別書を確認させてもらうのも確実な方法のひとつです。本当に価値の高いエメラルドであれば、鑑別書をショップで用意していることも少なくありません。品質に自信があるショップであれば、喜んで鑑別書を見せてくれるでしょう。
日本にも海外にも、宝石の品質を見極める専門の機関が複数あります。素人には不可能な科学的な分析をして、その宝石の特徴を記した鑑別書を出してくれるので、鑑別書は宝石の品質を知る重要な手がかりです。
発行元によって細かい項目は違いますが、主に宝石名や重さ、宝石のサイズ、宝石の産地やカット方法などは共通して記載されています。
エメラルドの鑑別書には当然エメラルドと書いてありますし、エメラルドはインクルージョンやその他の様々な方法で、石を見れば産地がわかるとも言われていますから、産地が書かれていることも多いです。
その他にも鑑別書には、エメラルドの価値に関わる重要な情報が書かれています。ですが鑑別書は普段の生活ではなかなか見る機会もありませんし、海外機関が発行した鑑別書は英語で書かれていることも多いので、一体その鑑別書に何が書かれているか、一見しただけではわからないかもしれません。いざ鑑別書を見た時に慌てなくてすむよう、鑑別書のどこをチェックしておくべきかをある程度覚えておきましょう。
2-2-1.加工を確認
宝石が加工されているかどうかは、鑑別書に「コメント」として書かれていることが多いです。鑑別書にはまず、宝石名や重さなどの基本的な情報が書かれています。コメントは大抵鑑別書の後ろのほうに書かれていることが多いので、探してみてください。
何も加工されていない宝石だとコメント欄は空欄になっていますが、エメラルドにはなんらかの加工が施されている物がほとんどです。
エメラルドによく施される加工として、オイル含浸処理があります。エメラルドはインクルージョンの多い宝石です。そのインクルージョンが目立たないように、透明なオイルを注入するというのがオイル含浸処理です。オイル含浸には見た目を美しくする効果もありますが、同時にエメラルドの石の強度を上げるという効果もあります。エメラルド自体はとても硬い宝石なのですが、インクルージョンが多いせいで、そのインクルージョンからヒビが入って割れてしまうという不幸な事故がよく起きます。オイル含浸は、このような事故を少なくするのに有効な加工です。
このような加工はエメラルドでは珍しくなく、加工されているからと言って、エメラルドの価値が低いということにはなりません。コメント欄に記入があってもがっかりしなくても大丈夫です。
逆に鑑別書を見た時に、コメント欄に何も書かれていなければ、それはとても珍しく価値の高いエメラルドです。採掘された時から美しく、加工の必要がないエメラルドは、とて希少価値が高い物なので、出会うことができたらとても幸運なことだと言えます。
2-2-2.発行元を確認
鑑別書がついていれば、それで安心というわけではありません。鑑別書の発行機関は国内外に無数にあり、その信用度はそれぞれ異なるからです。
宝石の鑑別機関で最も有名なのは、アメリカの米国宝石学会(GIA)です。GIAは、今日世界中で用いられているダイヤモンドの品質の基準「4C」を確立した由緒ある宝石の研究機関で、鑑別書にも信頼性があると考えてよいでしょう。ブランドでジュエリーを購入した際などに、GIAの鑑別書が付属することもよくあるそうです。
もちろん日本にも宝石鑑別機関は数多く存在します。有名なのは、日本宝石研究所(CGL)やAGTジェムラボラトリーなどですが、他にも数え切れないほど多くの鑑別機関があるので、見たことがない、聞いたことがない鑑別機関の鑑別書が付いてくることも十分考えられます。
実際に鑑別書を見せてもらった時にはその宝石の情報だけでなく、発行元がどこであるかをきちんと確認し、信頼できるところかどうかを調べてみてください。
2-3.ジュエリー全体を見る
市場に流通しているエメラルドには、様々な形の物が考えられます。カットや研磨されていない原石や、カットなどはされてはいても土台に嵌められていないルースという状態の物などもありますが、多くの人はジュエリーに加工されている物を購入することが多いのではないでしょうか。
ジュエリーの価値は、メインとなる宝石の価値だけで決まる物ではありません。土台となっている金属や、サイドにある小さな宝石などの価値も合わせてジュエリー全体の価値になるのです。ジュエリーを購入する時に注目すべきところは、エメラルドの石の価値だけではありません。実際にジュエリーのどこを見れば良いのかを、購入前に確認しておきましょう。
2-3-1.エメラルド以外の石を見る
指輪やネックレスでは、メインとなる大きなカラーストーンの周囲に小さなダイヤモンドがいくつか配置されているデザインの物が多くあります。もちろんダイヤモンド以外にも、様々な種類のカラーストーンを配置したデザインの物もあり、見るだけで気分が晴れるようなジュエリーも多いです。そのようなジュエリーを購入する時には、エメラルド以外の宝石は何が使われているのかを確認するようにしましょう。
宝石の種類、重さ、石ごとの品質によって、ジュエリーの価値は変わります。特にダイヤモンドは、品質さえよければどんなに小さくても価値は高いです。またひとつひとつが小さくても数が多ければ、買取の時にはまとまった金額になるかもしれません。
2-3-2.地金を見る
宝石がセットされるのはほとんどの場合金属で、シルバー・ゴールド・プラチナのいずれかであることが多いです。それぞれ色や特徴が違いますので、自分の探している条件に合わせて選べばいいのですが、もし資産としてジュエリーを考えるのであれば、ゴールドかプラチナを選んだ方が良いでしょう。どちらも相場がありますので毎日値段は変わりますが、ゴールドもプラチナも価値がまったくなくなるということは考えづらいです。
ゴールドやプラチナはどのような形になっても1グラムいくらで買い取ってくれる買取業者がほとんどです。特に近年はどちらも値上がり傾向があるので、買っておいても良いのではないでしょうか。(もちろん相場ですので、購入した時よりも価格が下がる可能性はありますが…)
注意したいのは、金属には純度があるということです。色や硬さを調整するために、元となる金属に銅やニッケルなどさまざまな種類の金属を混ぜることがあります。ゴールドだからと思って購入したら10金で、思ったより価値のない物だった…ということがないように、地金の純度は確認するようにしましょう。
2-3-3.ブランドを見る
ジュエリーを購入するうえでもうひとつ重要になってくるのが、どのブランドで購入するかということです。
もちろん宝石自体が高品質の物であれば、その石自体に良い値段がつきます。ですがそれにプラスして、どのブランドの商品であるかということはジュエリーの価値に大きく関係してきます。ブランド品であれば、買取時にはそのブランドであるということで値段が付きますし、数年後、数十年後にプレミアがつく可能性もあります。
また信用のおけるブランドのジュエリーであれば、石自体の品質もある程度信頼できます。購入しようとしている石が価値のある物かわからない、本当に良い品物か見極める自信がないのならば、有名ブランドで購入するのもひとつの手です。宝石や金属の相場と同じで、何が起きるかわからないので確かなことは言えませんが、少なくともよくわからないお店で、よくわからないジュエリーを購入するよりは、資産としての価値はあると考えられます。
3.エメラルドの値段
ここまでどのようなエメラルドが価値のあるエメラルドなのか、購入する時のポイントはどこなのかなどを見てきましたが、次は実際にエメラルドの値段について見ていきます。
エメラルドが欲しいと思ってショップに行く時に、実際にどれくらいを見込んでおけばいいのか、ある程度の金額を知っておきたいですよね。また使用したジュエリーを売却しようと思って見積もりに出した時に、必要以上にガッカリしないためにも、ある程度相場を知っておきましょう。
相場はもちろん変化しますし、お店によっても変わりますので、詳しく知りたい場合はご自分で調べてもらう必要がありますが、現時点(2024年4月現在)のエメラルドの価格について見ていきますので、ある程度の目安にしてください。
3-1.エメラルドの購入価格
エメラルドを購入したい時、どの程度の品質を求めるかで当然価格は変わってきます。
普段使い用のジュエリーとして購入するのであれば、大きな石がついた大げさな物は似合いませんよね。何よりあまりにも高価な物だと、気兼ねなく使えません。
そのような時には、1万円以下で購入できるエメラルドのジュエリーがおすすめです。
ただし1万円以下のジュエリーは、将来売却することを考えるとあまり大きな期待はできません。エメラルド自体も小さい物がほとんどですし、地金が18金であればわずかな金額にはなるかもしれませんが、売却しても期待できるほどの買取価格にはならないでしょう。それを承知の上であれば、お手頃で良いジュエリーです。
宝石の値段は天井知らずです。ジュエリーはメインとなる宝石だけでなく、サイドの宝石、地金の種類、そしてブランドによって値段はいくらでも高くなります。
数百万円もするような物もあります。ご自分の希望と予算に合わせて、数あるブランドや商品の中から選ぶことができるのが、宝石の良い所です。自分の予算と好みを照らし合わせながら、無理なく自分の気に入る物を探してください。
3-2.エメラルドの買取価格
エメラルドの価値基準は、宝石の品質です。
多くの買取店の場合、宝石の品質によってランク分けをし、ランクごとに宝石の重さ(カラット数)で値段を決めています。
一番価値の高いSランクのエメラルドは、鮮やかな濃い緑色で透明度が高く、インクルージョンも少ない最高品質の物です。購入金額も相当高い物になると思われますが、買取価格はわずか1カラット(0.2グラム)で10~15万円ほどになります。新しいジュエリーを購入する資金には十分なりそうです。
反対に色が薄くインクルージョンが多いCランクの物は1カラット1万円、さらに品質の低いDランクの物であれば、1カラット数千円ほどにしかなりません。ピアスやネックレスで使用されている小さいサイズのエメラルドは1カラットもない小さい物も多いので、その場合のエメラルドの買取価格は数千円程度になりそうです。
3-3.他の宝石との比較
エメラルドと他の宝石の買取価格の比較をしてみましょう。
まずは世界で最も有名な宝石と言っても過言ではない、ダイヤモンドから見ていきます。ダイヤモンドはとても人気で、流通量も多い宝石です。「4C」という世界共通の価値基準があり、Carat(重さ)、Cut(輝き)、Color(色)、Clarity(透明度)がダイヤモンドの価値を決めます。最高品質の物は、買取価格で1カラット150万円以上になりますが、当然購入価格も高く、簡単に手が出るような物ではありません。資産として持つには良いですが、ダイヤモンドは輝きが強いので、実際1カラットでもかなり存在感があります。最高品質の1カラットのダイヤモンドジュエリーは、普段使いに向くような物ではありません。
次は宝石の女王とも呼ばれるルビーです。ルビーは最高ランクの物であれば、1カラットで10万円前後の値段が付く物もありますが、エメラルドよりはやや安く、品質のあまり良くない物であれば、1カラットあっても数百円ということもあるようです。ルビーと言っても色が濃い物もピンクに近い赤色の物もありますから、買取価格にも幅があるようですね。
ルビーと同じコランダムという鉱石であるサファイアの買取価格も見てみましょう。
サファイアには有名な青いサファイア以外にも、ピンクやイエローなど様々な色がありますが、一番高価なのはやはりブルーサファイアです。エメラルドと同じくらいきれいですし、人気の宝石ですが、買取価格はそれほど高くありません。最高品質のSランクの物でも、1カラット3万円ほどなので、エメラルドと比べると買取価格はかなり安いです。Dランクの物だと1カラット数百円ほどの買取価格なので、地金を入れても買取金額はそれほど期待できないと思っておいた方が良いでしょう。
将来売却することを考えて宝石を購入するのであれば、買取価格のおおよその相場も覚えておいた方が良さそうですね。
4.エメラルドに似た宝石
緑色の宝石で、資産的に価値が高い物といえばエメラルドですが、エメラルド以外にも美しい宝石はたくさんあります。資産的な価値で考えればエメラルドには及びませんが、その分購入金額も押さえられ、普段から気兼ねなく使えるようなジュエリーもありますので、良かったら参考にしてください。
4-1.ペリドット
8月の誕生石であるペリドットは、さわやかな新緑色の美しい宝石です。同じ緑でも、エメラルドと比べると黄色みが強く、ほとんど黄色に近いようなイエローグリーンの物もあります。エメラルドとは色合いの違う緑を楽しめる宝石ですね。より緑色に近い物の方が高価ではありますがエメラルドほどではなく、ある程度の大きさのジュエリーが欲しい時にもそこまで高価すぎない価格で購入することができる、身近な宝石です。
透明度が高く輝きも強いので、晴れやかな気分で大ぶりなジュエリーを身に付ける、リゾートなどにもふさわしい宝石と言えます。
4-2.翡翠
翡翠は日本でも古来から産出され使用されてきた宝石で、日本の国石にも指定されている宝石です。エメラルドやペリドットのような強い輝きはありませんが、まろやかでやさしい緑色が、見ているだけで癒されるような不思議な魅力があります。
最高品質の翡翠は琅玕(ろうかん)と呼ばれ、透き通った濃い緑が息を飲むほど美しいのですが、そのような最高品質の物は市場にはほとんど流通しません。よく見かける翡翠は、グレーや乳白色の石の中に緑が混ざっているような色合いの物です。翡翠を購入する時は、より緑色の部分が多く、色ムラがない物、より透明度が高い物を選んでください。
4-3.ガーネット
ガーネットといえば赤い宝石というイメージが強いと思いますが、実は多くの色があり、緑色のガーネットも近年人気が出てきています。
ガーネットには様々な種類の物があります。緑色のガーネットにはデマントイドガーネット、ツァボライト、グリーンガーネットがあり、それぞれ似てはいますが違う種類のガーネットです。
特にツァボライトはエメラルドに似ていると言われていて、その美しさ、希少性から注目を集めています。またガーネットの中で最も高価なデマントイドガーネットは、屈折率が高くダイヤモンドよりも輝くと言われています。キラキラしたジュエリーが好きな方には特におすすめの宝石です。
5.まとめ
人が宝石を買う理由は様々です。
ただきれいだからというのも立派な理由ですし、購入したものを身に付けるのも、宝石箱に入れておいて眺めるというのも素晴らしい楽しみ方のひとつです。緑色が好きだから、5月生まれだからという人もいますし、ショップで見かけて運命を感じたからエメラルドを買ったという人もいます。
宝石を買うというと、それがとても特別なことだと思う人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。ジュエリーショップは身近なショッピングモールに何軒も入っていますし、家から出ずにインターネットで宝石を買うことすらできます。エメラルドも買う理由も、方法も人それぞれです。
宝石の良い所は、大切に使えば宝石そのものの価値は損なわれないということです。もちろん乱暴に使ったり、保管に気を遣わなければ、紛失したり宝石が欠けたりしてしまいます。ですがよく吟味して購入し、手入れを行いながら使用したジュエリーは価値のないものにはならないのです。
決して気軽な買い物ではないジュエリー。しかもエメラルドのジュエリーとなると、いくつもいくつも購入するというわけにはいきません。購入前に、どんなエメラルドが価値がある物なのか確認しておきましょう。そして何より、自分が欲しいエメラルドはどういう物なのかをしっかりイメージして、これだと思えるような、納得のいくものを選んでください。