2024年1月10日
アメジストとは?不思議なパワーを持っているって本当?
ジュエリー
アメジストという宝石をご存知ですか?2月の誕生石としても人気のアメジスト。まったく見たことがないという方はいないのではないでしょうか。それほど有名で、ストーンショップなどでもよく見かける人気の宝石ですよね。指輪やネックレスなどを持っていて愛用しているという人も多いと思います。ですが、このアメジスト、実はまだまだあまり知られていない魅力がある石なのです。水晶の一種であるアメジストは紫色の宝石として有名です。
このアメジストは宝石として、その見た目が美しいだけではなく、不思議なパワーがあると言われています。なぜそんなふうに言われているのか?それはアメジストの伝説に由来しているのです。今回はそんな人気のアメジストについて、基本的な情報やアメジストの伝説から、使用や保管の際の注意事項まで見ていきたいと思います!
アメジストのちょっと珍しい情報をお伝えしますので、これを読んだら明日、誰かに話したくなると思います。ぜひ最後まで読んでくださいね!
1.アメジストについて知る
皆さんはアメジストについて、どんなことを知っていますか?紫色のきれいな石…確かにそうです。でもアメジストは、ただきれいなだけの石ではありません。ここではアメジストについて、その基本的な性質をまず見て行きたいと思います。
1-1.アメジストってどんな石?
宝石には色々な物があります。
まず基本的なこととして、どんなものが宝石と呼ばれるのかを押さえておきましょう。
その石が宝石と呼ばれるには3つの条件があります。
①美しさ
当然のことではありますが、その色や輝きが美しいことが宝石の第一条件です。色や輝きが美しくないものは宝石とは呼ばれませんし、宝石としての価値もありません。美しさの基準は人それぞれと思う人もいるでしょうが、宝石においてはその基準は厳密に定められており、価格という意味での価値が定められています。
②硬さ、耐久性
第二に、宝石には硬さが求められます。やわらかく脆いものは宝石とは認められません。硬いということはその分長い期間の使用にも耐えうるということです。よく「ダイヤモンドは永遠の輝き」などとも言われますね。世代を越えての使用にも耐えうる硬さを持つものが宝石と呼ばれます。
③希少性
硬くてきれいな石であれば宝石であるかというとそうではありません。最後の条件は希少性、つまり珍しさです。海辺や河原などできれいで硬い石が見つかることがありますが、その石が宝石でないのはまさに希少性、珍しさがないからです。その辺りに転がってるような珍しくない石は宝石とは呼ばれません。(ただし、ごくまれに川や海辺で宝石が見つかることもあります)
この3つの条件を満たしたものが宝石と呼ばれます。
アメジストは間違いなく宝石ですから、以上の3つの条件を満たしています。
つまり、美しくて、硬くて、珍しいということです。
さらに宝石には様々なものがあります。真珠や珊瑚など生物由来のものや、琥珀のように植物の樹脂が固まってできたものもありますが、一番多いのは鉱物、つまり自然にできた石のような結晶です。(稀に結晶でない鉱物もあります)
アメジストも鉱物の一種です。自然の中で長い時間をかけて美しい宝石ができるのはなんだか不思議ですね。
1-2.アメジストは水晶
アメジストは和名では紫水晶と呼ばれています。水晶というとなんとなく聞いたことがある人も多いと思いますが、鉱物学的には石英と呼ばれます。石英は二酸化ケイ素が結晶化してできた鉱物です。
鉱物というと石のように灰色でゴツゴツしたものをイメージするかもしれませんが、水晶のような透明感のある物質も鉱物の一種です。この石英のうち、紫色をしたものがアメジストと呼ばれます。紫色はケイ素という元素に由来します。様々な水晶がありますが、この元素によって色が変わります。
1-3.アメジストは半貴石?
宝石は貴石、半貴石という分類をされることがあります。実は貴石か半貴石かというのははっきりとした分類方法が定められていません。ですがこれは間違いなく貴石だと言われているのは、世界四大宝石と呼ばれているダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドです。またその希少性からアレキサンドライトを貴石とすることもあります。また価値の高さからパライバトルマリン、美しさから翡翠などが貴石に分類されることもあります。
では半貴石とは何か?というと、半貴石は貴石よりは価値が低いもの、価格が低いものとされます。アメジストはダイヤモンドやルビーほど価格が高いわけではありませんので、そういった面から半貴石とされることが多いです。
また硬さで貴石か半貴石かは硬さで決めるという方法もあります。宝石はモース硬度という硬さの尺度があり、数字が大きいほど硬い宝石とされます。アメジストのモース硬度は7で、ダイヤモンドやルビーほど硬い宝石ではありません。そのことからアメジストは半貴石と分類されることもあります。
ですがやはりはっきりとした分類方法はないので、この石は貴石で、この石は半貴石だ!と断定できるものではありません。
また「半」がついているので半貴石には価値がないのかというとそういうわけでもありません。半貴石と呼ばれていても宝石であることには変わりなく、また美しさの基準も人それぞれ、好みによるものが大きいからです。
このようにアメジストは半貴石と呼ばれることが多いですが、決して価値のない宝石というわけではありません。
2.アメジストの噂
アメジストは古代から人々に愛用され、珍重されてきました。その長い歴史の中で様々な伝説や逸話が生み出され、人々の生活にも影響しています。
アメジストにどんな伝説があるのか、どんな歴史を辿って現在のように人々に親しまれる存在になったのかを解説していきたいと思います。
2-1アメジストの伝説
アメジストについてはじめて書かれた書物は聖書と言われています。出エジプト記でユダヤ人司祭が身に付けていた12個の宝石のうちのひとつにアメジストがあったと言われています。またヨハネの黙示録では、最後の審判の後に新しい都「新エルサレム」の城壁の土台を12個の宝石で飾ります。その宝石のうちのひとつがアメジストだそうです。それほどアメジストは特別な宝石であると思われていました。
アメジストはキリスト教の聖人、聖ヴァレンティヌスとも関係があると言われています。2月14日のバレンタインのいわれのもとになったといわれる聖人ですね。「愛の守護神」とも呼ばれている聖ヴァレンティヌスは、アメジストの指輪を身に付けていたそうです。
またこんな伝説もあります。
ギリシャ神話の神ディオニュソスはグレープジュースが好きで、ワインの神として知られています。ですがこのディオニュソスはワインの神である割にお酒に弱く、数杯飲んだだけで酔ってしまうほどだったそうです。
ある日いつものように酔っぱらって森を歩いていたディオニュソスは、通りかかった人間が自分に敬意を示さなかったのでひどく怒りました。そして次に通りかかった人間に罰を与えることにしました。
そこに不運にも通りかかったのがアメジストという美しい娘でした。アメジストは女神アルテミスに捧げものをしに行くところでしたが、ディオニュソスは二頭の猛獣を呼び、アメジストを襲わせました。危機に陥ったアメジストは女神アルテミスに助けを求めました。その声を聞いたアルテミスは、アメジストを透明なクリスタルに変えてその身を守りました。
その後我に返ったディオニュソスはなんて残酷なことをしたのだろうと罪悪感に襲われ、涙を流しました。そのディオニュソスの涙が持っていたワインのグラスに入り、その涙まじりのワインがアメジストが変化したクリスタルにかかりました。そして白いクリスタルが紫色に変わったのが、今日の宝石のアメジストの由来といわれています。
この伝説から、アメジストはワインストーンとも呼ばれています。またお酒に関わる石として、「アメジストで作ったグラスでお酒を飲むと悪酔いしない」「アメジストを身に付けていると酔わない」とも言われています。
もちろん伝説に頼らず、お酒はほどほどにしてくださいね。
2-2.アメジストの歴史
アメジストには非常に長い歴史があります。古代エジプトの遺跡からもアメジストの採掘場や加工場が見つかっています。
今ではある程度リーズナブルで手に取りやすい宝石として人気のアメジストですが、もともとはルビーなどと同じくとても希少で高価な宝石として、王侯貴族や神職など特権階級の人間だけが手に入れることができるものでした。
アメジストはその後、19世紀に大規模な採掘ができる鉱床が見つかるまでは非常に採掘量が少ない宝石としてダイヤモンドにも並ぶほどの価値がありました。
アメジストは酒に酔わないという伝説の他にも、禁欲を助ける石とも言われています。キリスト教の聖職者などがアメジストで装飾された指輪や十字架などを身に付けていた歴史もあります。
アメジスト自体の採掘量が非常に少なかったことに加え、古来から紫は高貴な色とされていました。布を紫に染める染料はとても珍しく高価であったため、庶民の手に入るものではなかったのです。
紫色が鮮やかなアメジストは、その権威付けとしても効果的であったと思われます。
3.アメジストの有名な産地
アメジストはそのほとんどがブラジルで採掘されると言われていますが、その他にも有名な産地がいくつかあります。
3-1.ブラジル
ブラジルは世界一のアメジストの産地です。採掘場所はミナス・ジェイラスやバイーア、マラバーなど多く、現在市場に出回っているアメジストのほとんどがブラジル産です。ブラジル産のアメジストは全体的に黒っぽいアメジストが多いとされています。この黒っぽい色はインクルージョンと呼ばれる内部の不純物が原因です。インクルージョンは大抵宝石の価値を下げますが、入り方によっては逆に個性的とみなされ価値が上がることもありますので、一概には言えません。
また透明度の高いアメジストもわずかながら産出されます。
ラベンダーアメジストとも呼ばれる薄いパステルラベンダーのアメジストは、ヴィクトリア時代に大変人気があり、アンティークジュエリーに多く使われています。また、パステルカラーのジュエリーは近年人気が高まっていることから、ブラジル産のラベンダーアメジストにも注目が集まっています。
3-2.ザンビア
ザンビアもアメジストの産地として有名です。ザンビアからは良質なアメジストが産出されます。ザンビアでは濃い紫色の美しいアメジストが産出されますが、インクルージョンを含んでいるものも多いので見極めが必要です。
3-3.ウルグアイ
ウルグアイでは色が濃く美しいアメジストが多く採掘されます。あまり大きな結晶はなく、小粒なアメジストが多いと言われています。大粒なアメジストがほしい人には、ウルグアイ産はあまり向いていないかもしれません。
3-4.日本
ほんのわずかながら、日本でもアメジストは採れます。
平安時代の書物「本草和名」という薬草の本に記された「紫石英」はアメジストを指しているようです。
産出量は少なく小さな結晶がほとんどなので、ジュエリーに加工されて市場に流通するほどではありませんが、日本各地でアメジストのかけらが見つけられています。
4.アメジストは様々なところで目にするほど人気
アメジストはジュエリーショップやストーンショップなどで、アクセサリーや置物など、様々な形で目にする人気の宝石です。なぜアメジストはこんなに人気なのでしょうか?その人気の理由を見ていきます。
4-1.誕生石
アメジストは2月の誕生石として知られています。
誕生石は国によって違いますが、日本では1958年に全国宝石卸商協同組合が19種類の宝石を誕生石と定めました。その中のひとつがアメジストです。その後2021年に新たに10種類の宝石が誕生石に加えられました。誕生石は様々なショップでフェアなどが行われたりと、宝石の中でも特に身近な存在ではないでしょうか。
また、誕生石はその月に生まれた人が身に付けるとお守りになるともいわれていますので、アメジストはバースデープレゼントとしても人気です。
4-2.石言葉
花にそれぞれ花言葉があるように、宝石にもそれぞれ石言葉があります。
アメジストの宝石言葉は「高貴」「誠実」「心の平和」などです。古代から権力者や聖職者が身に付けていたことや、高貴な色とされていた紫色の宝石なので、「高貴」という石言葉も納得ですよね。またアメジストは宗教的儀式に用いられたりもしたことから、「誠実」や「平和」の象徴ともされてきました。
4-3.置物
アメジストは置物としても人気です。アメジストの原石をそのまま置物として飾ったり、アメジストクラスターというアメジストの原石が集まった結晶や、大小さまざまなサイズの石の中にアメジストの結晶が群生しているアメジストドームなどが人気です。
アメジストは大きなパワーを持つとされていて、大きなアメジストドームは玄関先に置く置物としても人気です。
またファントムアメジストと呼ばれる石もあります。これはファントム現象とよばれる、クォーツで見られる現象を起こしたアメジストの事です。ファントム現象とは、クォーツが成長過程で環境が変わったり、途中で不純物などが入り込んだりして品質や色が変化することを言います。
ファントムアメジストは、原石からキノコのように伸びた結晶が、透明から紫色に変化している事が多いです。その色の微妙な変化がとても興味深いため、個性的な魅力があるアメジストとして人気です。
4-4.珍しいアメジスト
紫色の宝石として知られているアメジストですが、中には普段あまり目にすることが少ない、紫色一色のみではない珍しいアメジストも存在します。珍しいアメジストにはどんなものがあるのか紹介していきます。
4-4-1.グリーンアメジスト
アメジストといえば紫色というイメージを持つ人が多いですが、中には鮮やかな緑色をしたアメジストも存在します。
グリーンアメジストは様々な名前で呼ばれることがあります。
・プラシオライト
・ベルマリン
・グリーンクォーツ
・ライムシトリン
いずれもグリーンアメジストのことを指しています。
またグリーンアメジストは薄緑色のきれいな宝石なのですが、似た色合いのペリドットやトルマリンと間違われることも多く、勘違いされやすい宝石です。
価格は比較的安価ですが、珍しい石なので愛好家には人気の石です。様々な緑色のグリーンアメジストがありますので、見かけたらよく観察してみると面白いと思います。
4-4-2.バイカラーアメジスト
アメジストはそのほとんどが紫色をした石英の一種ですが、時折一色だけではなくひとつの結晶の中に2色の色を持つ結晶ができることもあります。それがバイカラーアメジストです。バイカラーアメジストは紫色から透明のグラデーションになっています。アメジストをはじめとする鉱物の色はそれを構成する元素で決まりますが、結晶になる間に環境が変化することでひとつの色ではなく、2色のアメジストが出来上がります。
その2色がちょうど美しく見えるようにカットされたのがバイカラーアメジストですが、そのカットする技術は職人であってもとても難しく、それゆえにバイカラーのよくわかるアメジストはとても希少です。
4-4-3.アメトリン
アメトリンもバイカラーアメジストと同じく2色がひとつの結晶の中に存在する宝石ですが、バイカラーアメジストと違うところはそのうちの一色はアメジスト、そしてもう一色はシトリンというところです。
実はシトリンはアメジストとは深い関わりがあります。シトリンとアメジストは、もとは同じ石なのです。アメジストは熱が加わると色が変わります。つまりアメジストが地球のマグマなどで加熱され、色が変化したものがシトリンなのです。
この特性を利用し、現在流通しているシトリンの多くは人工的にアメジストを加熱し作られたものです。シトリンのあの黄色い色の状態で採掘される石は現在ではほとんどありません。
そんな自然の神秘とも言うべきアメジストとシトリンが同居しているのがアメトリンというわけです。紫色と黄色のバランスやニュアンスの違いはその石一つひとつで異なりますので、いろんなアメトリンの中から気に入るものを探してみるのも楽しいでしょう。
4-5.博物館にあるアメジスト
宝石の中には様々な理由で博物館や美術館で展示されているものがあります。その中から今回は博物館にある有名なアメジストをふたつ、ご紹介します。
4-5-1.呪いのアメジスト
ひとつ目はイギリスの大英博物館所蔵のアメジストです。このアメジスト、なんと「呪いのアメジスト」と呼ばれています。
そのアメジストは「デリーの紫サファイア」と呼ばれています。かつてはこのアメジストはインドのデリーにある寺院が所持していました。3.5センチ×2.5センチほどの非常に大きなアメジストですが、この宝石はインドがイギリスに支配された際にイギリス軍のフェリス大佐に略奪され、イギリスに渡りました。
しかし、このアメジストを手に入れたフェリス大佐はその後財産を失って家族は病にかかり、本人も謎の死を遂げます。その後このアメジストを受け継いだ大佐の息子も不幸に襲われたので、息子は友人にこのアメジストを譲りました。するとその直後、その友人は自殺をしてしまったのです。その後も所有者が次々と不幸な目に合う事が続き、「デリーの紫サファイア」はいつしか「呪いのアメジスト」とよばれるようになりました。
そんなアメジストの最後の個人所有者はイギリスの科学者で作家のエドワード・ヘーロン=アレンです。彼は呪いのアメジストのパワーを信じており、アメジストを運河に投げ捨てました。ところが3か月後、そのアメジストは船にひろわれ、友人を介してアレンの元に返ってきたのです。
アレンの死後、その娘によってそのアメジストは大英博物館に寄贈されました。その後はその娘に不幸が起こることはなかったそうです。
4-5-2.世界一大きなアメジスト
2007年にウルグアイで採掘されたアメジストはなんとその高さ3.27メートル、重さは2.5トンもある世界最大のアメジストです。「ウルグアイの女帝」と呼ばれるこのアメジストは、オーストラリア、ケインズのクリスタルケイヴ博物館に展示されています。
3メートル以上もあるアメジストなんて、想像もつかないですよね。機会があればぜひ見てみたいですものですね!
5.パワーストーンとしてのアメジスト
アメジストはジュエリーや置物としても人気ですが、様々な意味を持ったパワーストーンとしても親しまれています。
パワーストーンの効果は科学的に証明されたものではありませんが、心を落ち着かせたり、精神的なパワーをもたらす石としてアクセサリーや置物を使用する人が多いです。
そんなアメジストのパワーストーンとしての側面を解説していきます。
5-1.アメジストの持つ意味
アメジストは「愛」や「魔除け」の力を持つ石と言われています。
聖ヴァレンティヌスが身に付けていた指輪がアメジストだったという伝説もあり、アメジストは「愛の石」とも呼ばれています。恋愛成就やあたらしい出会いをもたらす石として、アメジストを身に付ける人も多いです。
またアメジストは悪いものを遠ざける神聖な石とも言われています。夢見が悪い時に心をリラックスさせる石で、寝るときに枕元に置くと安眠をもたらすとされていいます。
5-2.アメジストと相性のいい石
アメジストをパワーストーンとして持つのであれば、その効果を一番発揮できる形で身に付けたいですよね。パワーストーンのブレスレットやネックレスで、アメジストが効果をより発揮でき、さらには補ってくれる石にはどんなものがあるのでしょうか。アメジストと組み合わせると良いとされる石にはなにがあるのか見ていきます。
5-2-1.アメジストとラピスラズリ
アメジストをパワーストーンとして持つ時、多くの人はその愛のパワーを受けたいと思っていると思います。アメジストの愛のパワーをさらに増幅してくれるのがラピスラズリです。ラピスラズリはアメジストと同じように強い愛のパワーを持った石で、ふたつが組み合わさることによって愛のパワーをより発揮することができます。
この場合の愛とは、恋愛はもちろん、家族愛や友愛などさまざまな愛を意味します。家庭円満や人間関係を円滑に進めるという意味でも、アメジストとラピスラズリはとても良い組み合わせであると言えます。
5-2-2.アメジストとシトリン
アメジストとシトリンは元は同じ石であり、非常に関わりが深い石同士です。そんなアメジストとシトリンは、一緒に持つことでさらにパワーを発揮できる組み合わせです。シトリンは癒しのパワーを持った石なので、アメジストの持つ心を癒すパワーとの相乗効果があります。またシトリンはアメジストにはない金運の強いパワーを持っていますので、その点を補ってくれる石としてもシトリンは相性が良いです。
5-2-3.アメジストとローズクォーツ
アメジストとローズクォーツは、見た目にもとてもきれいでかわいらしいので人気の組み合わせです。
ローズクォーツは淡いパステルピンクの石で、「優しさ」や「愛」のパワーを持っているといわれ、特に女性から絶大な支持を得ています。そんなローズクォーツとアメジストの組み合わせは、まさしく大きな愛のパワーを身に付ける人にもたらします。様々なパワーストーンの組み合わせの中でもトップクラスの愛のパワーを持つので、特に恋愛成就や家庭円満といった明確な願いを持った人におすすめの組み合わせです。
その分、他の効果は薄い組み合わせになりますので、もし金運や仕事運などの効果も望むのであれば、さらに別の石を組み合わせるのがおすすめです。
5-3.グリーンアメジストと相性のいい石
アメジストの中でも希少なグリーンアメジストは、紫色のアメジストとは違った意味を持ちます。もちろん同じアメジストなので、紫色のアメジストと同じように「愛」のパワーを強く持っています。それに加えて透明感のある美しい緑色は私たちに癒しの効果をもたらすとされています。
そんなグリーンアメジストのパワーがより発揮される、相性の良い石には何があるのでしょうか。
5-3-1.グリーンアメジストとシトリン
グリーンアメジストは紫色のアメジストと同じく、シトリンとよく馴染む組み合わせです。グリーンアメジストにはない金運のパワーを持つシトリンと組み合わせることにより、持っている人に愛、金運、そして癒しのパワーをバランス良く与えます。
ただしこの組み合わせはトラブルを避ける効果が薄いので、旅行の安全祈願などのパワーを得たいときには違う石をさらに加えたほうが良いでしょう。
5-3-2.グリーンアメジストとスモーキークォーツ
グリーンアメジストと同じ水晶であるスモーキークォーツもパワーストーンではよい組み合わせです。スモーキークォーツはその名の通り、煙のような灰色がシックで不思議な色合いの石で、ジュエリーとして見かけることはあまりありませんが、パワーストーンとしては人気の石です。スモーキークォーツは大地のパワーを持った石とされており、持つ人に地に足の着いた堅実さをもたらすと言われています。
スモーキークォーツはグリーンアメジストのような愛のパワーはありませんが、逆にグリーンアメジストの持っていない仕事運や金運のパワーを持つ石なので、お互いを補い合うことができる組み合わせと言えるでしょう。
5-3-3.グリーンアメジストとアメジスト
グリーンアメジストとアメジストは、元は同じアメジストであるだけあって非常によく馴染む組み合わせです。ふたつとも愛のパワーが強いので最高クラスの愛のお守りであるのはもちろん、グリーンアメジストの持つ癒しの効果も加わり、穏やかな愛を持ち主にもたらす組み合わせになるでしょう。
ただし非常に似たこのふたつのパワーストーンの組み合わせは、「愛」と「癒し」以外のパワーが極端に低いので、金運や仕事運などのパワーを望んでいる場合は、仕事運のパワーが強いサファイアや金運のパワーが強いシトリンなどと組み合わせたほうが良さそうです。
6.ジュエリーとしてのアメジスト
もちろんアメジストは、ジュエリーとしても人気です。アメジストは価格的にも手に取りやすく、様々な種類や形に加工されていますので、自分用に購入したり、プレゼントとしてもよく選ばれます。2月生まれの人にプレゼントすることも多いですが、もちろん2月生まれの人でなくても、落ち着いた紫色は大人っぽい印象を与え、普段のスタイルにも取り入れやすいので人気です。アメジストがどのようなジュエリーとして人気を集めているのか、またアメジストのジュエリーの使用方法と保管方法の注意点についても見ていきます。
6-1.人気のジュエリー
アメジストは様々なジュエリーに加工されています。
その中でも特に人気なのが指輪、リングです。指輪は身に付けている本人にもよく見えますので、お気に入りのジュエリーとしてよく使用されます。
またアメジストはネックレスとしても人気です。地金との組み合わせでアメジストは様々な印象を与えます。ピンクゴールドであれば全体的に温かみのある優しい印象に、プラチナやホワイトゴールドであれば大人っぽく洗練された印象に、イエローゴールドであればゴージャスな印象を見る人に与えます。好みやその日のコーディネートによってその変化を楽しむことができるでしょう。
イヤーアクセサリーとしても、アメジストは人気です。紫色のしっかりした石は小粒でも存在感を放ち、その日の装いにアクセントを与えてくれます。価格もお手頃なものから18金のしっかりしたものまで、たくさんの中から選ぶことができます。
アメジストのジュエリーは種類が多く、ショップなどでも見かけることが多いと思います。焦らず自分の好みや条件に合うものを探してみてください。
6-2.着用するときの注意ポイント
ジュエリーやパワーストーンとしてアメジストを実際に身に付ける上で気にしておいたほうがいいことがあります。ここではそのうちよくありがちな、気を付けたほうがいい使用方法をふたつ、見ていきます。
6-2-1.つけっぱなしにしない
まず気を付けてほしいのは、ジュエリーをつけっぱなしにしないということです。これはアメジストに限らずどんなジュエリーにも言えることですが、つけっぱなしにするとそれだけ扱いは粗雑になり、ジュエリーを傷つけてしまう確率が上がります。
手を洗う時やお風呂に入る時、ジュエリーをつけっぱなしにしていると人間の皮脂や洗剤などが表面に付着し、石が曇ることがあります。もちろん一時的にそのようなものが付着しただけであれば、その後丁寧にクロスなどで拭けば問題はないのですが、ジュエリーをつけっぱなしにするひとはお手入れも雑になりがちです。
そしてつけっぱなしになると、普段の何気ない動作、たとえば指輪であれば手袋を着脱する時やネックレスやピアスであれば髪をかき上げる時などにジュエリーをひっかけてしまったり、また土台を傷付けてしまったりしてジュエリーが歪み、石を紛失してしまうことなども考えられます。
そのような点から、ジュエリーをつけっぱなしにすることはおすすめしません。
6-2-2.アメジストを傷付けない
気を付けたほうがいいことの二つ目は、アメジストを傷付けないということです。
宝石は石なのに、そんなに簡単に傷付くの?と思う人もいるかと思いますが、実は宝石はそんなに丈夫というわけではありません。もちろんちょっと爪でひっかいたから傷付くとか、物が少し当たってしまっただけで傷付くというほど脆いものではありません。ですが石だからどんなことをしても平気というわけでもないんです。
宝石にはモース硬度という硬さの指標があります。これはふたつの物質を擦り合わせた時にどちらが傷つくかという硬さの尺度ですが、アメジストはこのモース硬度が7です。現在使われている主なモース硬度は1から10までの10段階に分けられており、数字が大きいほど硬い石であるとされています。
それならモース硬度7のアメジストはけっこう硬いほうだから大丈夫と思うかもしれませんが、これが落とし穴なのです。
よくファッションの一部として指輪を2本以上重ね付けする人がいますが、重ね付けする指輪として人気なのはダイヤモンドです。透明の石は何色の石にもよく合いますので、ダイヤモンドのリングと他のカラーストーンのリングを重ね付けする人も多いです。
ここで思い出してみてください。アメジストのモース硬度は7です。そしてダイヤモンドのモース硬度はなんと10、つまりダイヤモンドは宝石の中でも一番硬い石なのです。そのふたつを重ね付けしたとき、もしデザインの関係でふたつの石が擦りあったら、アメジストには傷がついてしまいます。これとは逆に、アメジストよりもモース硬度が低い石と擦りあったときはアメジストがその石を傷付けてしまいます。
シンプルなデザインのリングなどは重ね付けしてゴージャスにしたいときもあると思いますが、デザインに注意して、石同士が触れ合わないように気を付けて使ってください。
6-3.保管方法と注意点
ではアメジストを身に付けていない時はどのように保管したらいいのか、保管方法と注意点を見ていきたいと思います。
まずは保管する前、ジュエリーを外した時に石、地金を含めてやわらかいクロスなどでかるく拭いてあげると良いでしょう。ジュエリー専用のクロスなども売っていますので、それがあればなお良いです。
そして使用時の注意方法と重なりますが、他の石とは触れ合わないようにしましょう。石を傷つける原因になりますので、ジュエリー同士は離して保管してください。
さらにアメジストには、特に気を付けたほうが良いことがあります。それは直射日光です。アメジストは長い間直射日光を浴びると色が変わってしまいます。紫外線による化学変化を起こし、美しい紫色が退色してしまうのです。身に付けておく程度の紫外線は気にすることがありませんが、窓辺のアクセサリーケースで長期間紫外線を浴びせ続けるようなことは望ましくありませんので、そのような状況は避けてください。
まとめ
今回はアメジストについて詳しく見ていきました。
アメジストは古代から人々の生活に深く関わり、様々な伝説や歴史のある石だということがわかりましたね。
アメジストはその伝説から不思議なパワーを持つ石と言われています。実際にアメジストがどのような力を持っているのか、詳しくは分からないことも多いです。
ですがずっと昔から現代にいたるまで、そんなアメジストのパワーを信じ、身に付けたり使用したりする人がいることは事実です。
アメジストには、ただ美しいだけではない独特の魅力があるのかもしれませんね。