2025年9月25日
【徹底解説】316Lステンレスとは?錆びる可能性や金属アレルギーのリスクも紹介!
金・貴金属について

アクセサリーや時計を見ていると、素材の欄に「316L」という文字を目にすることがあります。ゴールドやプラチナならすぐにイメージできるのに、「316L」と書かれていると「これは何だろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか。実はこの316L、見た目のおしゃれさだけでなく、実用性の高さから幅広く使われている素材なんです。
この記事では、そんな「316L」とはどんな金属なのかをわかりやすく解説します。特徴やメリット・デメリット、どんなアイテムに使われているのかまで、一通り知っておけば安心できる情報をまとめました。是非、最後までご覧ください!
目次
1.316Lとは?

「316L」という名前を見ても、すぐにイメージできる人は少ないかもしれません。普段からアクセサリーや時計に触れていても、素材の名前までは気にしていなかったという方も多いでしょう。316Lは、実は日常生活でとても身近に使われている金属であり、安心して長く愛用できる特性を持っています。ここでは、その基本的な性質について順番にご紹介します。
1-1.316Lはサージカルステンレスの一種
316Lは「サージカルステンレス」と呼ばれる種類の金属に分類されます。サージカルとは“手術用”を意味し、メスや医療用の器具にも使われるほど信頼性の高い素材です。普段身につけるアクセサリーに使われると聞くと意外かもしれませんが、それだけ肌にやさしく安心して使えるということです。
ちなみにステンレスにはいくつか種類があり、代表的なのは「304」「316」「316L」などと呼ばれる300番台です。304は家庭用品にもよく使われる一般的なステンレス、316はそこにモリブデンという成分を加えてより錆びに強くしたタイプ、そして316Lは炭素を減らしてさらに安定性を高めたタイプです。番号が違うのは成分の配合が異なるからで、それによって性質も変わってきます。
下記に参考程度ですがステンレスの代表的な種類や特徴をまとめてみました!
| 種類 | 主な特徴 | 用途の例 |
| 201 / 202(200番台) | ニッケルを減らしてマンガンを多く含む。コストは安いが耐食性はやや劣る | 家具、安価な調理器具 |
| 304(300番台) | 最も一般的。錆びにくく加工しやすいが、塩分や酸には弱め | 食器、キッチン用品、日用品 |
| 316(300番台) | 304にモリブデンを加えて耐食性を強化。特に塩分や酸に強い | 医療器具、海辺の設備、時計 |
| 316L(300番台) | 316から炭素をさらに減らし、溶接部の腐食を防止。長期的に安定 | 高級時計、アクセサリー、インプラント |
| 430(400番台) | クロムを主成分とする。磁性があり、耐食性は304より劣るが安価 | 家電、インテリア部材 |
| 440(400番台) | 炭素量が多く硬度が高い。刃物や工具向きだが錆びやすい | 包丁、ハサミ、工具 |
1-1-1.サージカルステンレスとは?
まずは「ステンレス」とは何かを押さえておきましょう。ステンレスは正式には「ステンレス鋼」と呼ばれる金属で、英語では「stainless steel」と表記されます。鉄に炭素を加えたスチールに、さらにクロムを混ぜることで耐久性や耐食性を高めた素材です。
ステンレスは含有成分の配合によって種類が分かれており、そのひとつが「サージカルステンレス」です。サージカルという言葉が示す通り、医療用のメスや器具に使われるほど安全性と耐食性に優れています。そのため、普段身につけるアクセサリーや時計の素材としても広く採用されているのです。
1-2.“L”は低炭素(Low Carbon)を意味する
316Lの最後についている“L”は「Low Carbon(低炭素)」を表しています。炭素は鉄に混ざることで硬さを増す働きがありますが、その一方で錆びやすさの原因にもなる成分です。つまり炭素量が多いと丈夫にはなるけれど、腐食しやすくなるというデメリットが出てしまうのです。
316Lでは炭素の含有量を少なくすることで、この弱点を克服しています。その結果、長期間使っても錆びにくく、アクセサリーや時計など日常的に身につけるものに適した性質を持つようになっているのです。
同じ316でも「L」が付いていないタイプは炭素量がやや多く、溶接部分や細かい接合部から錆びが出やすいことがあります。その改良版として登場したのが316Lであり、より安定して使えるグレードとして広まっています。
1-3.高い耐食性と安全性を持つ素材
316Lはステンレスの中でも、炭素量を抑えることで安定性を高めた素材です。そのため、加工した後も錆びにくく、長期間使っても劣化しにくい性質を持っています。こうした性質を「耐食性」と呼びますが、金属としての信頼性を示す大切な要素です。
さらに316Lは、人体に触れる用途にもしばしば使われています。医療用の器具や体に直接触れる製品に採用されるのは、素材そのものが比較的安全とされているからです。つまり316Lは、単なる構造材ではなく「人が身につけても安心できる金属」として評価されているわけです。
補足すると、同じステンレスでも304などは日用品に多く用いられていますが、316Lはより安定性が求められる場面で選ばれることが多いのが特徴です。
2.【メリット】316Lの特徴
316Lは「どんな素材か」を理解しただけでは、その魅力は十分に伝わりません。ここでは316Lという素材のメリットともいえる代表的な特徴を4つご紹介していきます。
2-1.錆びにくく変色しにくい
316Lの最大の強みは、錆びにくさです。日常生活では汗や水分、空気中の湿気など、金属を劣化させる要因がたくさんあります。しかし316Lはクロムやモリブデンを含むことで表面に保護膜を作り、錆や変色を起こしにくい性質を持っています。実際にシルバー925のアクセサリーは空気に触れるだけで黒ずみやすいですが、316Lはその心配がほとんどなく、毎日の使用にも耐えられます。
特に夏場の汗や雨に濡れやすい季節でも、316Lは美しさを保ちやすいため、つけっぱなしにできるアクセサリーとして人気です。海水や温泉など特殊な環境では注意が必要ですが、普段の生活であればほとんど気にする必要はありません。こうした「扱いやすさ」も、316Lが広く選ばれる理由のひとつといえるでしょう。
2-2.金属アレルギーを起こしにくい
金属アレルギーは、アクセサリーを選ぶときに多くの人が不安に感じるポイントです。原因のひとつは、金属から汗や皮脂に反応して微量の成分が溶け出すこと。その中でも特にニッケルはアレルギーを引き起こしやすい物質として知られています。316Lは、このニッケルが溶け出しにくい構造を持っているため、肌にやさしい素材として広く使われています。
実際に医療器具やピアスなど、体に直接触れるアイテムに316Lが採用されているのはこの特性が理由です。もちろん「全くアレルギーが出ない」とは言えませんが、一般的なステンレスや真鍮と比べると安心して身につけられる確率はぐっと高まります。毎日つける指輪やネックレスを選ぶとき、「アレルギーが心配だから諦める…」という人にとっては、心強い選択肢になるでしょう。
2-3.丈夫で傷がつきにくい
316Lは金属の中でも比較的硬さがあり、衝撃や摩擦に強いのが特徴です。柔らかい金属であるシルバーやゴールドは、日常的な使用でも細かな傷がつきやすいのに対し、316Lはそうしたダメージを受けにくく、形状を保ちやすい素材とされています。
この「傷がつきにくい」という性質は、アクセサリーだけでなく時計や工業部品など幅広い分野で評価されています。丈夫さがあることで長期的に状態を維持できるため、扱いやすさや安心感にもつながります。日常的に使うものに採用されやすいのは、この耐久性の高さが理由のひとつなのです。
2-4.値段が安くて買いやすい
316Lは貴金属ではなくステンレスの一種であるため、価格が非常に手頃です。金やプラチナのように希少性がある素材ではないので、資産価値や投資性は期待できませんが、その分「身近で取り入れやすい」という大きなメリットがあります。
素材そのものの価格が抑えられていることで、製品の販売価格も低く設定できるため、日常的に使うものに多く採用されています。特にアクセサリーや時計の分野では、金やプラチナを使う場合に比べて安く購入できます。
316Lは「高級品ではないが、品質と価格のバランスが良い素材」として選ばれているのです。気軽に手に取れる点は、普段使いのアイテムや流行のデザインを楽しみたい人にとって大きな魅力といえるでしょう。
3.【デメリット】316Lの注意点
316Lには多くのメリットがありますが、もちろん万能な素材というわけではありません。普段使いには十分でも、条件によっては弱点が見えてくることがあります。
ここでは316Lを選ぶときに知っておきたい注意点を2つご紹介します。
3-1.使用環境によっては腐食やくすみが起こる
316Lは錆びにくい素材ですが、絶対に劣化しないわけではありません。特に海水のように塩分濃度が高い環境や、塩素を含むプール、硫黄成分を含む温泉などでは腐食やくすみが起こる可能性があります。普段の生活で問題になることは少ないものの、こうした特殊な環境では注意が必要です。
また日常的にも、汗や皮脂が長時間付着したまま放置すると表面がくすんでしまうことがあります。水に強いからといって全く気にしなくて良いわけではなく、使用後に軽く拭き取るなどのケアを心がけることで美しさを保ちやすくなります。
3-2.金やプラチナのような資産価値はない
316Lはステンレスであり、金やプラチナのように市場で資産価値を持つ素材ではありません。つまり「高く売れる素材」ではなく、あくまで実用性を重視した日常使い向けの金属という位置づけです。
このため、投資目的で所有する素材としては向いていません。ただし、資産価値がないことは裏を返せば「手頃な価格で購入できる」という強みにもつながります。高級品のように資産性を求めるのではなく、気軽に楽しむための素材として選ぶのが316Lの正しい付き合い方といえるでしょう。
4.316Lが使用されているアイテム

316Lは素材としての特性が評価され、さまざまな分野で使われています。特に「錆びにくい」「肌にやさしい」「丈夫」といった性質は、日常的に使うアイテムとの相性が良く、身近なところで目にする機会も多いです。ここでは代表的な使用例を3つご紹介します。
4-1.アクセサリー(ネックレス・リング・ピアスなど)
アクセサリー分野で316Lは広く使われています。特にネックレスやリング、ピアスといった肌に直接触れるアイテムは、アレルギーの起こりにくさが大きなメリットになります。加えて錆びにくいので、汗や湿気が気になる季節でも使いやすく、普段使いに向いている素材です。デザイン性を保ちつつ価格も手頃に抑えられるため、若い世代を中心に人気を集めています。
4-2.腕時計
高級時計やスポーツウォッチの分野でも316Lはよく使われています。特にダイバーズウォッチなど水に触れる機会が多いモデルでは、錆びにくさや耐久性の高さが欠かせません。ケースやブレスレット部分に採用されることで、長時間の使用でも劣化しにくく、日常的な衝撃や摩擦にも強い構造を実現しています。時計ブランドにおいて316Lが数多く選ばれているのは、その性能の安定性が理由といえるでしょう。
4-3.医療用器具
316Lは「サージカルステンレス」とも呼ばれ、医療の現場でも幅広く使われています。メスやハサミなどの手術器具をはじめ、体内に埋め込むインプラントやピアッシング用の器具など、人体に直接関わる製品にも採用されています。これは錆びにくく清潔さを保ちやすい性質に加え、金属アレルギーのリスクが少ないためです。安全性が求められる場面で利用されていることは、316Lが信頼される理由のひとつといえるでしょう。
5.316Lのお手入れ方法
316Lは扱いやすく丈夫な素材ですが、正しいお手入れを心がけることで、さらに長く美しい状態を保つことができます。特別な道具や技術は必要なく、日常のちょっとした工夫で十分にケアが可能です。ここでは基本的な3つの方法をご紹介します。
5-1.柔らかい布で乾拭きする
使用後は柔らかい布で表面を軽く乾拭きするのが最も簡単で効果的なお手入れ方法です。汗や皮脂が残ったまま放置すると、表面の光沢が失われたり、うっすらと曇りが出たりする原因になります。特に夏場や運動後は汗の塩分が付着しやすいため、できるだけ早めに拭き取るのがおすすめです。
また、乾拭きに使う布は素材選びも大切です。ティッシュや粗いタオルだと繊維が硬く、細かい傷を残す恐れがあります。眼鏡拭きやマイクロファイバークロスのように柔らかく滑らかな布を選べば、安全に汚れを落とすことができます。普段のちょっとした習慣で、見た目の美しさが大きく変わるのです。
5-2.定期的に中性洗剤で洗う
日常的に使っていると、皮脂やホコリが少しずつ溜まり、乾拭きだけでは落ちにくい汚れになります。その場合は、ぬるま湯に中性洗剤を数滴たらし、柔らかい布やブラシでやさしく洗いましょう。強くこする必要はなく、軽くなじませるだけで十分にきれいになります。
洗った後はしっかりすすぎ、水分を完全に拭き取ってから自然乾燥させるのがポイントです。週に一度や、特に汚れが気になるときに取り入れると効果的です。また、温泉や海水に触れた後は早めに洗浄すると、腐食や変色を防ぐことにつながります。定期的なお手入れで、316Lの持ち味である美しい光沢を長く楽しめます。
5-3.強い薬品や研磨剤は避ける
316Lは丈夫ですが、強い薬品や研磨剤を使うと逆に表面を傷めてしまうことがあります。漂白剤や酸性・アルカリ性の強い洗剤は変色や腐食の原因になるため使用は避けましょう。また、研磨剤入りのクロスやコンパウンドでゴシゴシ磨くと、かえって光沢が失われ、曇ってしまうことがあります。
お手入れの基本は「やさしく汚れを落とす」こと。中性洗剤と柔らかい布だけで十分にきれいにできます。もしどうしても落ちない汚れがある場合は、無理に家庭用の薬品で処理せず、専門のクリーニングを利用するのも一つの方法です。余計な手間をかけないことが、316Lを長持ちさせるコツといえるでしょう。
6.【FAQ】316Lに関するよくある質問
316Lについて調べると、多くの人が同じような疑問を持っています。ここでは特に聞かれることの多い質問を取り上げて、分かりやすく答えていきます。
6-1.316と316Lの違いは?
316と316Lはどちらもステンレスの一種で、成分構成もほとんど同じです。大きな違いは「炭素の量」です。316Lは316と比較すると炭素の含有量が少なくなっています。このわずかな違いによって、耐食性や加工性がさらに高まり、錆びにくくアレルギーを起こしにくいといった特徴が強調されます。
316Lは医療用やアクセサリーに多く採用されるのは、より安全性が重視されるからです。316自体も優れたステンレスですが、316Lはその中でも「特に安心して使える素材」として位置づけられています。
6-2.316Lはお風呂や水に弱い?錆びることはある?
316Lは水や汗に強く、日常生活で水に触れる程度なら問題ありません。入浴や手洗いで使うくらいでは錆びにくく、シルバーのようにすぐに黒ずむこともほとんどありません。ただし必ずしも「錆びない」というわけではなく、条件によっては腐食やくすみが起こる可能性があります。
特に注意が必要なのは、温泉やプール、海水など特殊な環境です。塩分や塩素、硫黄といった成分は316Lにとっても負担になり、錆や変色の原因となることがあります。こうした環境に入った後は、真水で軽く洗い流して乾拭きするだけでも劣化を防げます。普段のお風呂程度であれば心配はいりませんが、環境によってはケアを意識するのがおすすめです。
6-3.316Lは金属アレルギーの心配がある?
316Lは「サージカルステンレス」とも呼ばれ、金属アレルギーを起こしにくい素材として広く知られています。原因になりやすいニッケルが溶け出しにくいため、肌への影響が少なく、医療用器具やピアスなど体に直接触れるものにも多く使われています。
ただし「絶対にアレルギーが出ない」とは言い切れません。体質や体調によっては反応が出る人もいるため、肌が敏感な人は短時間から試してみるのが安心です。一般的な金属と比べるとリスクは大幅に少ないため、普段使いには十分適しているといえるでしょう。アレルギーに不安を持っている人にとっては、316Lは頼もしい選択肢です。
7.まとめ
316Lはサージカルステンレスの一種で、錆びにくく、肌にやさしく、丈夫で扱いやすい素材です。アクセサリーや腕時計、医療用器具など幅広い分野で使われているのも、その信頼性の高さゆえでしょう。
一方で、温泉や海水など特殊な環境では劣化する可能性があったり、金やプラチナのような資産価値は持たなかったりと注意点もあります。それでも、普段使いにおいては十分な性能を持ち、価格も手頃なため、多くの人にとって魅力的な素材であることは間違いありません。
正しいお手入れを心がければ、美しい状態を長く保てます。毎日のアイテム選びにおいて「316L」という表記を見かけたら、安心して選べる目安になるはずです。
この記事が皆様のご参考となれれば幸いです。
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