2023年11月20日
パテックフィリップは何がすごい?なぜここまで高いのか徹底解説。
時計

近年、時計は単なる時刻を確認するものではなく、身に着ける人の個性や価値観を象徴してするためのステータスアイテムとしての立ち位置を確立しています。ロレックスやオメガなどの有名な高級時計が気になっている方も多いのではないでしょうか?そんな高級時計ブランドの中でも、今回紹介したいのは「PATEK PHILIPPE/パテックフィリップ」です。
パテックフィリップは世界三大時計ブランドと称されているほど、時計界の中では高い知名度を誇っています。一般的に名が知れているブランドとまではいきませんが、その値段の高さに驚愕する方も少なくありません。
この記事では、そんなパテックフィリップがなぜ高いのかをわかりやすく解説していきたいと思います。資産価値の高いモデルや購入方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
目次
1.パテックフィリップが高い理由は大きく分けて4つ!
パテックフィリップの腕時計が高い理由は大きく分けて4つあります。
・世界三大時計と称されるほどのブランド力
・時計界でも最高峰の技術を誇る
・ブランド力を形成した時計へのこだわり
・永久修理でアフターケアが充実している
この章では、上記の4つの理由について深く解説していきたいと思います。
1-1.世界三大時計と称されるほどのブランド力
時計業界の頂点に君臨するパテックフィリップ。その名前は「ヴァシュロン・コンスタンタン」「オーデマ・ピゲ」と並んで「世界三大時計ブランド」として知られており、まさに時計界の重鎮と言っても過言ではないでしょう。
近年では、時計はただ時刻を確認するだけでなく、持っているだけでステータスが上がるアイテムとして知られていますが、パテックフィリップの腕時計は高いブランド力も相まって世界中の人から憧れのブランドとして注目を集めています。
パテックフィリップの最大の魅力として「雲上と言われるほど最高品質の腕時計を製作している」ことが挙げられます。1845年の創業以来、パテックフィリップは常に時計製造においての技術を革新しており、精密な機構や独特のデザインで時計愛好家たちを魅了しています。プロの時計職人の手作業による細部へのこだわりや、18金やプラチナなどの貴金属を使った丈夫な素材から生まれるのは「一生モノの腕時計」として美しさを保ち続ける時計です。
上記のような魅力からパテックフィリップは時計界でも「雲上の存在」として立ち位置を確立しており、現在でも多くの人々から憧れられる高級時計ブランドとなっています。
1-2.時計界でも最高峰の技術力を誇る
パテックフィリップの最大の特徴としてとらえられるのは「最高峰の技術力を持っている」ところではないでしょうか。創業以来、スキルの高さを誇る職人の手によって数々の腕時計が生まれています。
パテックフィリップの時計が高精度で信頼性が高いと評価されるのは、革新的な機械設計と厳しい品質管理が十分に行われていることが関係しています。
また、パテックフィリップは時計製造で発生する全ての工程を自社で完結する「マニファクチュールメーカー」のひとつとしても名を馳せています。マニファクチュールメーカー自体は数多くあるのですが、パテックフィリップは製造が難しいといわれている「コンプリケーション(複雑機構)」も自社で製造できるほどの高い技術力を持っています。
カレンダーの自動調節をしてくれる「永久カレンダー」や、決まった時刻を音で知らせてくれる「ミニッツリピーター」などを腕時計に組み込むためには、精密な機構と時計本体を支える小さな部品がうまくかみ合わないと実現できません。数多くのパーツが絶妙に組み合わさって、ようやくひとつの時計として機能します。
ちなみに、永久カレンダーはパテックフィリップが最も得意とする複雑機構と言われており、1889年には特許を取得しています。
このような高い技術を持っているパテックフィリップの時計は、他の多くのブランドと比較しても頭一つ抜けた存在であり、継続的に高い価値をもたらしています。時計製造の限界に挑戦し続けているパテックフィリップは、今後も時計愛好家たちからの熱い視線を集めていくでしょう。
1-3.ブランド力を形成した時計へのこだわり
超高級時計ブランドとしての地位を確立している現在でも、パテックフィリップが高価であり続ける理由のひとつに「素材への絶え間ないこだわり」が挙げられます。今の立ち位置や既に得た名声に甘んじることはなく、素材選びにおいても革新を続けています。その質の高さからも多くの人々から愛され、憧れ続ける理由と言っても良いでしょう。
また、パテックフィリップの時計で使われる素材には18金やプラチナといった貴金属が基本となっていますが、代表的モデルである「カラトラバ Ref.5116R-001」には文字盤に「エナメル技法」を応用して作られているものもあります。ガラス質のエナメル粉末を800度の熱で何度も加工することによって、素材特有の高貴な輝きを生み出すことができます。
ただでさえ複雑である時計製作に更に長い時間と手間をかけてひとつひとつ丁寧に作り上げられたRef.5116R-001は、製造数が少ないことにも納得がいきます。
時計製造へのこだわりが多く集約されていることから、単なる時間を確認する道具を超えた芸術作品として世界中のコレクターや時計愛好家を魅了し続けています。品質に妥協することなく、時計製造にひたむきに向かう姿勢はパテックフィリップの価格が高いと言われる大きな要因のひとつです。
1-4.アフターケアも充実!父から子へ受け継がれる永久修理。
パテックフィリップの時計が高いといわれる要因のひとつとして、どんなに前の年代のものでも「永久修理を受け付けている」ことが挙げられます。
「修理を受け付けているからってなんで高くなるの?」
と思う方もいるかもしれませんが、実際のところここまでホスピタリティ溢れるブランドは他に思い浮かびません。サービス料を先払いしている感覚です。
パテックフィリップの広告で「父から子へ受け継がれる」という言葉をよく目にします。この言葉だけで「永久修理サービス」を行っていることを前面に押し出しており、ブランドの信頼性を一層強固なものにしています。
永久修理サービスは、その名の通りどんなに古いモデルでもパテックフィリップの時計であれば修理を受け付けるというものです。パテックフィリップは、自分だけが時間を確認するのではなく、家族の歴史に時を刻みながらいつまでも価値あるものにして欲しいと願っていることを約束していると考えられます。
故障してしまった場合や定期的なメンテナンスが必要になったときは、専門の職人が丁寧に対応して時計を最高の状態に修復してくれます。
このようなアフターケアの対応が充実しているパテックフィリップは、所有者にとって長期に渡る安心感を与えています。時計を次の世代へと継承するという深い満足感も伴います。時計を定期的にメンテナンスをしておくことは売却する際にも重要な要素であり、状態が綺麗であれば買取額の値下がりを抑えることにも繋がります。
パテックフィリップの永久修理サービスは、父から子へ。子から孫へ受け継がれる時計であることの象徴と言えます。
2.パテックフィリップがここまで高くなるまでには長い歴史がある。
パテックフィリップが高級時計ブランドとして世界中に知れ渡ることになったのは、偶然や単にブランディングが上手だったからではありません。精密さを極めつづけた長い歴史と伝統に裏打ちされた卓越した技術を持つ時計職人たちがいたからこそです。
では、パテックフィリップがここまで高くなるには、どのような出来事があったのでしょうか?
さて、この章では、パテックフィリップが現在の位置を確立するまでの歴史について、詳しく解説していきたいと思います。
2-1.始まりはパテック・チャペック社の設立。
パテックフィリップの歴史は1839年にまで遡ります。
創業者である「アントワーヌ・ノルベール・ド・パテック」と「フランソワ・チャペック」によって、王族や上流階級のための懐中時計を製作する「パテック・チャペック社」がスイスのジュネーブで設立されました。これが、パテックフィリップの前身にあたるブランドです。
ポーランド出身の彼らは、自分たちのビジョンを現実とするために手を組みました。当時から彼らの目指すところは最高品質の時計を製造することであり、そのポリシーはパテックフィリップが今日まで続けている価値観の礎となっているとも考えられます。
パテック氏は驚異的なビジネスセンスと革新的なアイデアを。チャペック氏は優れた技術を持つ時計職人でした。2人の卓越したスキルが相補的に結びつくことで品質と美学を追求した時計を作るという共通の目標を掲げていました。
パテック・チャペック社は卓越した技術力と革新性で当時の王族や上流社会の人間たちからすぐに注目を集めました。彼らが生み出した時計は精巧な作りと信頼性の高さが垣間見える素晴らしいものでした。
現在の時計業界でも雲上の存在として君臨するパテックフィリップの始まりは、2人のポーランド人によって作り上げられたのです。
2-2.当時の時計業界では考えられなかったリューズ式の懐中時計を発明。
2人のポーランド人によって作り上げられたパテック・チャペック社ですが、創業から僅か5年後の1844年に大きな転機を迎えます。
フランスの天才時計師「アドリアン・フィリップ」と出会い、時計業界に大きな革命を起こします。フィリップ氏は当時では革命的な技術の「リューズ式懐中時計」の発明者であり、パリで開催された産業博覧会で銅賞を獲得するほどの実力者です。
現在の時計ではリューズでの巻き上げは定番となっていますが、鍵を使って巻き上げるのが主流だった当時では鍵を使わない巻き上げ式時計はかなり革命的だったのです。この新しい技術は時計の使い勝手を大きく向上させることになり、同時に時計の耐久性と信頼性も飛躍的に高めました。
そんなフィリップ氏の技術力に魅了されたパテック氏は、彼をパートナーに迎え入れることで自身の展開する腕時計にも取り入れることにしました。それから1年後の1845年にはリューズ巻上げ式時計を発明して特許を取得するなどの功績を残しますが、これまでブランドを支えてきたチャペック氏は方向性の違いを理由に退社してしまいます。
パテック氏とフィリップ氏との出会いによって生み出されたリューズ式の時計は、今後の時計製造の基盤となる革命的なものとなっています。
2-3.1851年にパテック・フィリップ社へと改名。
リューズ式の懐中時計がキッカケとなり、類いまれない技術力から高い評価を受けてきたパテック・チャペック社は、1851年に「パテック・フィリップ社」に会社名を変更します。
これまで創業者2人の名前を冠したパテック・チャペック社として名を馳せていましたが、パテック氏とフィリップ氏のパートナーシップに新たな始まりを告げる形で再スタートしました。
ブランド改名後のパテック・フィリップは、高い品質とブランドの独自性を大切にしながら時計製造における完璧を追求し続けました。彼らが共同で開発したリューズ式の懐中時計は、競合他社と一線を画する高級品として認知され、後に多くの王室の人間や貴族たちに選ばれる理由となります。
現在でも世界中の人々に憧れ続けられるパテックフィリップの名は、ブランドにとって新たな出発を掲げた決定的な意思の現れです。
2-4.ビクトリア女王に愛される程のブランドへ
ブランド名を変更して再スタートを切ったパテック・フィリップは、ここから驚異的な成長を遂げます。同年の1851年にロンドンの万国博覧会で鍵を使わない懐中時計を発表し、イギリスのビクトリア女王をはじめとする王族の人間から賞賛を受けました。ブランドの歴史においても輝かしい瞬間です。
この後パテックフィリップは、ビクトリア女王のために「七宝のペンダントウォッチ」を作りました。ダイヤモンドで薔薇を表現したデザインが高貴な印象を与えます。また、彼女の夫であるアルバート皇も「ハンターケースに入ったクオーターリピーター」の時計を購入したといわれており、王族の人間に愛される時計ブランドとして成長します。
当時の世界で最も権力のある人間に認められたことは他の多くの王室や貴族への信頼の証となり、世界中で熱狂的に受け入れられるようになります。パテック・フィリップは単なる時計ブランドを超えて、上流階級のものが持つステータスシンボルとしての地位を確立しました。
ビクトリア女王に愛されるほどのブランドとしての成長を遂げたパテック・フィリップですが、世界恐慌が原因で経営破綻の危機に見舞われることになります。
2-5.世界恐慌が原因でスターン一族へ経営権を渡す
王族をはじめとする多くの人々から愛されつづけたパテック・フィリップは、経営危機を迎えます。1929年に起きた世界恐慌は多くの企業にとって破滅を告げる最悪の出来事となり、パテック・フィリップも世界恐慌の影響で業績不振となってしまいました。
経済的な苦境に陥ってしまったパテック・フィリップでしたが、「ジャン・スターン」と「シャルル・スターン」によって救済されることになります。彼らはもともと文字盤製造会社の一族であり、パテック・フィリップの主要取引先のひとつでした。
スターン一族に経営権を渡したパテック・フィリップは安定した成長を続けることができました。現在でもブランドを牽引している彼らは、パテックフィリップを単なる事業としてではなく、長期にわたる遺産になる時計を作るブランドとして考えており、伝統を大切にしながらも革新的な時計を創り出し続けることに注力し続けています。
一度は経営難に陥ってしまったパテック・フィリップでしたが、スターン一族の救済により高級時計ブランドとしての確固たる地位を今日まで築き上げています。スターン一族によるリーダーシップはブランドの価値を単なる時計以上のものに押し上げ、コレクターたちの間で究極の地位を獲得することとなりました。
2-6.パテックフィリップの代名詞「カラトラバ(Ref.96)」が誕生
スターン一族に経営権を渡した後のパテック・フィリップは、現在の時計愛好家やコレクターにとって特別なモデルを発表します。
1932年にパテックフィリップの伝説的なモデル「カラトラバ Ref.96(通称:クンロク)」が誕生しました。カラトラバの名前はスペインのカラトラバ騎士団に由来しており、そのシンボルとして知られる十字架のマークは、現在でもパテックフィリップのロゴマークに採用されています。
カラトラバ Ref.96は洗練された丸みを帯びたケースと清潔感のあるシンプルな文字盤、そして31㎜の小ぶりなケースサイズによって、その後の腕時計デザインにも大きな影響を与えました。パテックフィリップのエレガンスと機能性を象徴するコレクションです。
現在まで高い人気を誇るカラトラバ Ref.96は後に発表する数多くのモデルの基礎となり、ブランドコンセプトでもある「世界最高の時計をつくる」を物語る遺産のような存在であるといえます。カラトラバRef.96は、パテックフィリップが時計製造の芸術においていかに独自の地位を築いてきたかの証明であり、現在においても歴史的な価値に変動はありません。
スターン一族が誕生させた代表的なモデルであるカラトラバ Ref.96は、パテックフィリップの価値と信念を象徴する腕時計です。
2-7.「ノーチラス」「アクアノート」などの代表モデルを発表。現在に至る
パテックフィリップの歴史は優雅なクラシックモデルのみならず、革新的なデザインで新たな伝説を紡いできました。その中でも特に有名なのは「ノーチラス」と「アクアノート」というモデルです。時計好きな人であれば誰もが知っていると思います。伝統あるブランドに新たな風を吹き込みました。
1976年に初めて登場したノーチラスは、ラグジュアリー×スポーツという当時のトレンドを象徴するタイムピースとして誕生しました。八角形ベゼルで作られた独特なケースと架空の潜水艦からインスピレーションを受けて作られたデザインは、パテックフィリップの中でも特に洗練されたカジュアルさを持ち合わせ、新しい顧客層を惹きつけることに成功しました。
一方で、1997年に発表されたアクアノートは、ノーチラスの遺伝子を継承しながらも現代的でスポーティーな見た目を更に前面に押し出したコレクションです。耐水性と耐久性を備えた「コンポジット素材」で作られた「トロピカルバンド」は、アクティブなライフスタイルを送る人々にぴったりの腕時計です。
上記2つのモデルは、パテックフィリップが時代の文化やライフスタイルに対応するブランドであることの証明となっています。時代と共に進化し続けることで雲上の存在としての地位を不動のものとし、現在に至るまで時計業界のトップに君臨しています。
高級時計の世界において、革新的かつ伝統的な価値観を融合させることのできるブランドはそう多くありません。この完璧なバランスこそが、パテックフィリップがなぜこれほどまでに高い評価を受けているのかを物語っています。
3.パテックフィリップを買うならこれ!資産価値の高いシリーズ5選
パテックフィリップは高級腕時計としてのステータスはもちろん、資産としての価値も兼ね備えたブランドです。展開しているコレクションは多岐にわたります。
時が流れても色褪せることのない価値を持つパテックフィリップのモデルを選ぶ際には、デザインだけでなく、将来的な価値の上昇も視野に入れておいた方がよいでしょう。
この章では、特に資産価値の高いとされるモデルを5つピックアップしましたので、紹介していきたいと思います。
3-1.ノーチラス
パテックフィリップの中でも高い資産価値を誇っていることで知られる「ノーチラス」は、1976年に時計デザインの巨匠「ジェラルド・ジェンタ」の手によって生み出されました。ステンレススチールを使った最初の高級時計のひとつとしても知られており、斬新なデザインと精巧な仕上がりでたちまち時計業界に名を馳せています。
独特な八角形のベゼルは「船の舷窓」からインスピレーションを受けてデザインされており、深海を感じさせる見た目が魅力的です。
誕生から現在に至るまで高い人気を誇るノーチラスは、長期的に価値が維持されていることによってパテックフィリップを代表する資産価値の高い時計としても知られています。
3-2.アクアノート
ノーチラスと肩を並べる代表的なスポーツウォッチの「アクアノート」は、現代のアクティブなライフスタイルに合わせたデザインのモデルです。1997年に初めて発表されてから、ファッション性と機能性を兼ね備えているとして、特に若い世代のコレクターから絶大な支持を受けています。
アクアノートは高い耐久性を持つトロピカルバンドを採用していることから、長時間使用していてもストレスを感じることはなく、水にも強いという特性を持っています。文字盤にはパテックフィリップ独特のエンボス加工が施されており、スポーツウォッチでありながらエレガントな印象を放ちます。
比較的新しいモデルであるにも関わらず、パテックフィリップの品質への信頼を物語っています。
3-3.カラトラバ
パテックフィリップのドレスウォッチとして広く知られている「カラトラバ」は、ブランドのアイコンとも言えるモデルです。1932年に誕生して以来、シンプルでタイムレスなデザインが特徴的なことから、最高品質のクラフトマンシップと洗練された美学が完璧に融合していることの証明になります。
カラトラバはパテックフィリップの腕時計の中でも時を超えたデザインと卓越した品質の象徴として、長きにわたりコレクターたちの心を掴み続けています。
3-4.コンプリケーション
コンプリケーションは、その名の通り複雑機構を搭載したモデルです。時計製造の高度な技術力を象徴するパテックフィリップの顔と言えます。日常的に使える実用的な機能から時計愛好家を魅了する芸術的な機能まで幅広く取り揃えています。
永久カレンダーやトゥールビヨン、ミニッツリピーターなどさまざまな複雑機能を搭載したモデルがありますが、これらの時計は技術的な精巧さだけでなく、芸術作品としての価値も兼ね備えています。
コンプリケーションモデルは時計職人の技術と創造性の結晶として高い資産価値を有しています。パテックフィリップのコンプリケーションモデルは、持つ喜びと所有する誇りを兼ね備えた時計として、世界中のコレクターから高い評価を受けています。
3-5.グランドコンプリケーション
グランドコンプリケーションは複雑機構を2つ以上搭載しており、先述したコンプリケーションの上位互換のようなモデルです。パテックフィリップが世に送り出す時計の中でも特に複雑で精巧な時計として知られています。
時計コレクターからは時計界の芸術品として高く評価され、一般の時計愛好家からも憧れの存在となっています。グランドコンプリケーションのモデルは、パテックフィリップが時計製造において追求する最高の技術と美学を具現化した作品です。
定価も高いことから一生に一度の大きな投資となるかもしれませんが、グランドコンプリケーションモデルは所有するだけで満足感と優越感を与えてくれます。
4.億超え落札!パテックならではの高級腕時計5選
パテックフィリップが展開している腕時計では、時計愛好家やコレクターたちが息を呑むような価格で落札される物もあります。卓越したクラフトマンシップと革新性、そして限定された生産数によって「億超え」の金額で取引されることは珍しくありません。
この章では、そんなパテックフィリップの中でも、高額落札された超高級腕時計をいくつか紹介していきたいと思います。
4-1.【Ref.6300A-010】グランドマスター・チャイム
パテックフィリップの中でも特に目を見張る存在が「グランドマスター・チャイム Ref.6300A-010」です。
2017年にスイスのジュネーブで開かれた「オンリーウォッチ2017」というオークションで「約37億円」で落札された世界で最も高価な腕時計です。パテックフィリップの象徴的なエレガンスを備えつつも大胆な印象を与えます。
Ref.6300A-010はパテックフィリップの持つ伝統と革新性、そして最高峰の時計製造技術を象徴するモデルです。グランドコンプリケーションモデルなので、20個の複雑機構を兼ね備えた実用性の高いモデルでもあります。
4-2.【Ref.5016A-010】グランド・コンプリケーション
先述した6300A-010と同じくオンリーウォッチ2017で落札されたモデルの「Ref.5016A-010」は、ハリウッドを代表する俳優の「ブラットピットさん」によって「約9億円」で落札されました。
時計史に残る名作と称される「Ref.5016A-010」は、パテックフィリップのグランド・コンプリケーションの中でも一際目を引く存在です。永久カレンダー、ミニッツリピーター、トゥールビヨンという三大複雑機能をひとつの時計に凝縮した逸品です。
3つの複雑機能を搭載しながらも非常に洗練されたデザインを持ち合わせており、パテックフィリップならではのエレガントさも感じます。
4-3.【Ref.1518】グランド・コンプリケーション
281本限定で作られた「Ref.1518」は、パテックフィリップのアンティークピースとして多くの人々を魅了し続けています。Ref.1518は永久カレンダー搭載のクロノグラフであり、時計愛好家からは究極のコレクターズアイテムと称されています。
クラシカルなデザインが特徴的なことから、アンティークウォッチ好きにはたまらない1本です。1941年に作られたモデルの落札価格は「約2億円」です。
4-4.【Ref.2523】シルクロード
2021年5月に「11億円」で落札された「Ref.2523」は、ワールドタイム機能を備えていることにより、世界の時刻を確認することができます。この機能は旅行をする方や国境を越えたビジネスを行う人々にとって非常に有効な機能と言えます。
「Ref.2523」のデザインは最高峰のクラフトマンシップが反映されており、ユーラシア大陸が描かれた七宝素材の文字盤はまさに移動の自由と探求心を象徴しています。
4-5.【Ref.1415】プラチナワールドタイム
ワールドタイム機能を搭載したモデルの「Ref.1415 プラチナワールドタイム」は、1939年に発表された中で、唯一プラチナ素材を使ってつくられていることから傑作として知られています。通常のワールドタイムとは高級感が圧倒的に違います。
2002年に開かれたオークションで「約5億円」で落札されました。パテックフィリップの腕時計の中でも究極のタイムピースに値する代物です。
4-6.【5711/1A-018】ノーチラス × ティファニーコラボ
パテックフィリップとティファニーのパートナーシップ締結170年を記念して、2021年に170本限定で作られた特別なモデル。
2021年12月11日にアメリカで開催されたフィリップスオークションにて650万3500ドルで落札されました。(当時の価格でおよそ7億3500万円)
ノーチラス5711シリーズは2020年に廃盤がアナウンスされ、現在では中古市場でしか入手ができなくなっております。廃盤のアナウンスの影響と希少性から5万ドルのエスティメートを大きく超えた落札となりました。
当時は「ティファニーで3億円以上買い物している上顧客」しか購入できないとも噂されており、かなりの話題となりました。
2023年現在でも5711/1a-018は3.5億円前後で市場取引されており、海外セレブからかなり人気があるモデルとなっております。
5.パテックフィリップは買えない?定価での購入方法!
パテックフィリップの腕時計は、雲上の存在として数多くの時計愛好家に憧れられています。その理由のひとつとして挙げられるのは「定価で買えない」という事実があることです。
パテックフィリップを定価で購入するためには、いくつかのコツが必要になっています。この章では、パテックフィリップを購入するための具体的な方法をいくつか紹介していきたいと思います。
5-1.信頼を勝ち取って正規店で購入
「定価で購入する=正規店」というイメージを持つのが一般的かと思いますが、パテックフィリップの腕時計を正規店で手に入れるためには、単に「欲しい」という購入意欲があるというだけでは不十分です。
正規店で購入するためには私たち顧客とブランドの間に「信頼関係」を築くことから始まります。昨今の転売ヤー問題も相まって、高級時計ブランドは長期的な関係を重視する傾向にあるため、今日突然店舗に行って今日購入する。みたいなことは基本的にはありえません。
まずは近くの店舗に足を運び、対面でのコミュニケーションを厚く取ることが重要です。パテックフィリップに対する自分の情熱と腕時計に対する真剣な関心を伝えることで、スタッフ側も時計を託しても大丈夫といった信頼のおける顧客として見てくれる可能性が高まります。
正規店で欲しい場合には、スタッフとの信頼関係の構築から始めましょう。
5-2.並行輸入店で購入する
パテックフィリップを購入する場合は「並行輸入店」も視野に入れましょう。国内正規代理店を通さずに輸入される商品を扱う店舗です。身近なところでいえば、ドン・キホーテや電気屋さんなどにオメガの時計が置いていたりしますよね。
しかし、並行輸入品を扱う店舗の中には、信頼できる業者もあれば偽物を販売している悪質な業者も存在します。購入を検討する際は、店舗の評判を徹底的に調査してください。既に購入したことがある人からの口コミを集めることも重要なポイントです。
パテックの購入を考えている際には、並行輸入品も視野に入れて考えるとよいでしょう。
5-3. 持っている人と仲良くなる
パテックフィリップの時計を手に入れる方法のひとつとして、既に所有している人と「関係を深めること」が挙げられます。パテックフィリップの時計に関する深い知識や経験を持っている可能性が高いですし、運が良ければ定価より安く譲ってもらえるかもしれません。
また、パテックを買えるくらいの財力を持っている人と仲良くしているのは、時計に関する情報交換だけでなくあなたの人脈を広げることにも繋がります。時計を介した繋がりは多岐にわたる恩恵をもたらすと言えます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、パテックフィリップはなぜ高いのかについて解説させていただきました。
パテックフィリップの腕時計が高い値段で取引されているのは、ブランド力や希少性、そして世界最高峰の技術力があることによって成り立っています。
この記事を通じて、パテックフィリップの価値についてを理解出来ていれば幸いです。