2022年2月03日
【世界三大時計】パテック・フィリップとは?歴史や魅力を徹底解説
時計
世界三大時計の頂点といわれることもあるパテック・フィリップは、代々受け継いでいける一生物の時計といわれています。実際にどんなに古い時計であっても修理することができる永久修理を掲げており、過去の複雑機構でさえも代替えパーツを創り出して修理します。
ヴィクトリア女王、ローマ教皇、アインシュタイン、キュリー夫人などの偉人が顧客におり、他にはない格式の高さをもつブランドといえます。時流を変えるほどのインパクトをもつ時計を創り出すこともあり、技術の高さも世界トップクラスです。
この記事ではパテック・フィリップの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、パテック・フィリップの時計を着けている有名人、おすすめモデルについて解説をします。
目次
1 パテックフィリップとは?ここまで人気になるまでの歴史。
高級腕時計ブランドの頂点とも言われるパテック・フィリップの歴史は積み上げてきた実績を語ることがほとんどです。巨大資本に頼らずに独立して安定した運営を続けているため、大きな方針転換を行わず世界観を崩すことをしないので、経営上語ることが少ないからです。そのため時流に影響されない普遍的で本質的な時計づくりを続ける彼らのスタンスをみて、彼らこそがまさしくスイス時計の看板を背負う高級腕時計の頂点だと感じることができるのです。
ここではパテック・フィリップの歴史についてまとめます。
1-1 前身にあたるパテック・チャペック社の設立
1839年、2人のポーランド人によってジュネーブに創設されたのが、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックと時計師フランソワ・チャペックによるパテック・チャペックでした。これこそがパテック・フィリップの前身にあたるブランドです。1844年にパリ産業博覧会で銅メダルを授与されたジャン・アドリアン・フィリップと意気投合し翌年には技術者として就任しましたが、チャペックは退社。1851年にパテック・フィリップに正式に名称変更し、今に至ります。
1-2 世界大恐慌を受けてスターン家による買収が決定
パテック・フィリップ社として再スタートしたのと同年、ロンドンの万国博覧会に出展しイギリスのヴィクトリア女王をはじめとする著名人に世界初の鍵なし時計を賞賛されました。1868年にはスイス初の腕時計を制作するなど、彼らの名がヨーロッパに知られるきっかけとなりました。以降もスプリット秒針クロノグラフ機構の技術特許の取得やコレクター向けに超複雑な天文表示懐中時計を制作するなど、技術の高さに磨きがかかっています。
しかし1930年代の世界恐慌の影響により業績が悪化し、文字盤製造会社を経営していたジャン・スターンとシャルル・スターンの兄弟が経営権を取得しました。同年発表したのがカラトラバRef.96で、のちにクンロクと呼ばれ今日に至るまで愛されており、現行モデルにおいてもそのDNAが受け継がれています。翌年には超複雑懐中時計グレーブス・ウォッチを製作しており、経営体制は変わったもののパテック・フィリップの信念は変わらないことを示すものといえます。
1-3 クオーツショックの暗雲を吹き飛ばしたCal.89
1970年代に入りスイス時計業界は逆風に見舞われます。日本の時計メーカー セイコーの発表したクオーツ時計によって、スイスの機械式時計が売れなくなってしまったためです。クオーツ時計は機械式時計に比べ精度が高く、しかも量産性が高いため安価だったことで世界中に普及していきました。代わりにスイス機械式時計は売れなくなり、スイス国内の時計企業の半数は倒産、時計産業の就業者数は 1970 年から 1984 年にかけて3分の1になってしまいました。
よく知られているビッグブランドですら、資金難に陥りグループへの参加や倒産、あるいは方針転換を余儀なくされました。
そんな中パテック・フィリップは1976年にはノーチラスを発表しました。ジェラルド・ジェンタ氏デザインの下開発されたノーチラスはスポーツラグジュアリーというそれまでにない価値を創り出しています。また1989年にはキャリバー89と呼ばれる当時最高の技術を集めた懐中時計を制作し、業界を驚かせました。
33ケの複雑機能をもつキャリバー89は1つの時計が備える複雑機能の数は史上最多。世界三大時計の一つがクオーツという時流に逆らうことにより、機械式時計の面白さや深みが再確認され、現代へ受け継がれていくことができたといえます。
2 なぜ高くても売れる?パテック・フィリップが持つ3つの魅力
高級時計の頂点ともいわれるパテック・フィリップの魅力は「継承」のキーワードで語られることが多いです。順番に解説していきます。
2-1 継承され続ける高級スイス時計の代名詞
パテック・フィリップの語られる魅力の中でも影響力が強いのが、パテック・フィリップの歴史がスイス時計の歴史と共にあったことです。
まず1839年創業と歴史が長く、影響を与えてきた期間が長いことが挙げられます。
1845年の竜頭巻上げ・時刻合わせ式時計の技術特許取得から現代に至るまでに非常に多くの技術を開発し、スイス時計の技術力発展に強い影響を与えてきました。
1932年にはカラトラバを発表し、現在でもCal.96 (クンロク)は機械式時計の究極のデザインとして歴史に名を残しています。
スイス時計の根幹を揺るがしたクオーツショックにおいては、当時注目されていなかったスポーツラグジュアリーウォッチの草分け的存在であるノーチラスの発表を行いました。精度や高価さで敬遠されていた機械式時計の認識を改革するように生まれたキャリバーCal.89も象徴的です。
パテック・フィリップはこれまでトレンドに沿った時計から時流に逆らうように生み出した時計など高い注目を浴びてきており、スイス時計の歴史を創り出してきたブランドの一つです。
2-2 業界最高の品質基準”パテック・フィリップシール”と永久保証
パテック・フィリップの時計は厳格な検査の元、最高品質の時計だけを出荷しています。2008年までは1886年に規定されたスイス;ジュネーブ州で製造される他、精度や生産地など12を超える厳しい基準をクリアした時計だけが許されるジュネーブ・シールを利用していました。実際にはパテック・フィリップはジュネーブ・シールの規定を上回る基準で製造していたと言われています。
2009年以降はジュネーブ・シールよりもさらに厳しい独自の基準パテック・フィリップシールをすべての時計に適用しています。他のブランドよりも厳しい基準をクリアしており、部品単体での仕上げから組立後の検査に至ります。ジュネーブ・シールとの大きな違いは精度の検査方法で、ジュネーブ・シールはCOSC(スイスクロノメーター検定)に則っているためムーブメント単体で検査を行いますが、パテック・フィリップシールは着用してシミュレーションするので、実際に使用する状況に近いテストが行われています。
もう一つ、パテック・フィリップが時計製造について掲げているのが、永久保証についてです。パテック・フィリップは自社の時計であればいかに年代が経ったものであっても修理やオーバーホールを受けるということです。
パテック・フィリップの広告に多く使われるのが仲睦まじい親子の写真です。合わせてこう書かれています。「気持ちを刻み込んで、その時計は受け継がれる。父から子へ、世代から世代へ」いつの時代の時計であっても修理をして継承できる、世代を超えて愛されるパテック・フィリップならではのキャッチコピーです。
2-3 完全なマニュファクチュールの高い技術から生まれる複雑機構
パテック・フィリップが複雑機構を得意とするところは前述のように数々の特許を取得していることからもわかります。
例えば世界七大複雑機
- トゥールビヨン
- ミニッツリピーター
- 永久カレンダー
- スプリットセコンド・クロノグラフ
- パワーリザーブ・インジケーター
- レトログラード
- ムーンフェイズ
のうち1つが搭載されているだけで複雑で非常に高額になりますが、グランドコンプリケーションは2つ以上を搭載しているため、雲上時計と呼ばれる高価なものとなっています。
中でもパテック・フィリップは世界で初めて腕時計に永久カレンダーを搭載したことで知られており、現在でも永久カレンダー搭載モデルを多く発表しています。
ただ複雑なだけではなくカラトラバのデザインをベースに設計することで、文字盤は非常にシンプルで無駄のないデザインでありながら機能・機構は超複雑な時計を創り出しています。
3 世界を魅了するパテック・フィリップの代表シリーズ5選
ここまで様々な点で魅力的なパテック・フィリップについて紹介してきましたが、ここでは一つ一つのシリーズを深堀していきます。
3-1 カラトラバ
カラトラバはパテック・フィリップを、あるいは世界を代表するシンプルさの究極系ともいえるシリーズです。スタイルは1932年に初代Ref.96の発表で確立されていましたが、カラトラバと呼ばれるようになったのは1980年代から。カラトラバはリューズに描かれたカラトラバ十字のエンブレムからついたあだ名で、主にパテック・フィリップ社内で呼ばれていたものです。
特徴的なシンプルなデザインはバウハウスの影響を強く受けていると言われており、余分な装飾や機能に関係ないものは徹底的に排除されています。とはいえ世界有数の文字盤メーカーを傘下にもつパテック・フィリップによるデザインは一見シンプルに見えても、一つ一つが高い完成度を誇ります。
主なモデルでは初代のRef.96や現行のRe.5196に見られるドルフィン針にバーインデックス、6時位置のスモールセコンドのデザインが有名です。しかし、ローマインデックスやバーハンド、2針のモデルもまたカラトラバであり、カラトラバを明確に示す定義はなかなか難しいとされています。
3-2 ノーチラス
ノーチラスは1976年に誕生したスポーツラグジュアリーウォッチです。ゆるやかな八角形のオクタゴンケース、ブレスレットと一体化したケースが特徴的です。発表当時はケースサイズが35mm前後が主流でした。そんな中発表されたノーチラスはケースサイズ39mm、しかもステンレススチール製と当時としてはかなり異端でした。ジャンボとあだ名がついているのもそのためです。
デザインを手掛けたのは世界的な時計デザイナー ジェラルド・ジェンタ氏です。「ウェットスーツにもタキシードにも完璧にマッチする時計を」のコンセプトでデザインされており、実用できる高い防水性を備えています。
初代はベゼルとケース本体の2ピース構造で、ケース両サイドに専用パーツを採用することで気密性を高め12気圧防水を実現しています。現在では3ピース構造ですが基本のデザインは変更されず、ケースサイドの形状もノーチラスのアイコンとして愛されています。また、水平エンボス文字盤の凹凸により立体感や高級感を高めています。
ちなみに4年ほど早くオーデマ・ピゲからロイヤルオークを発表しており、同様のスポーツラグジュアリーウォッチとして話題になっています。ロイヤルオークは戦艦、ノーチラスは潜水艦ノーチラス号をモチーフとしています。
3-3 アクアノート
アクアノートは1997年に発表されたシリーズで、ノーチラスからインスピレーションを得て作られた丸みを帯びた八角形ケースと防水性、牽引耐性、紫外線耐性に優れたハイテク・コンポジット素材のトロピカルバンドの異素材の組み合わせが特徴です。
夜行処理されたインデックスと針、ケースから流れるような形状のリューズガードとラグ、大きめの網掛けになっているタペストリーのような文字盤などスポーティーにまとまったデザインです。ベゼルの平面部はヘアラインですがナナメ部分はポリッシュ磨きにすることで立体的に見せる工夫も。伝統的でいて現代的なエッセンスが随所に見られるデザインです。
発表当時ケースサイズは34mmと現在では小ぶりに感じるサイズですが、世代が変わる度にサイズアップしていき、現行品では40.8mmとなっています。
3-4 グランドコンプリケーション
前述のCal.89のように複雑機構の開発はパテック・フィリップの本領ともいえます。80を超える特許を有し、複雑機構をレギュラー生産できる技術と生産体制を構えているのも世界でも有数のコンプリケーションメーカーです。
パテック・フィリップがこれまで創り出してきたグランドコンプリケーションは様々です。いずれも永久カレンダーやクロノグラフ、トゥールビヨンやミニッツ・リピーター、天空の動きを再現する星座表の搭載などの機能を複数備えつつ、高いデザイン性を兼ね備えています。
3-5 ゴンドーロ
ゴンドーロはレクタングラー、トノー、クッションなどラウンド型以外のシリーズです。ブラジルのパテックの販売店「ゴンドーロ&ラブリオ」にちなんだ名前で、第二次世界大戦でヨーロッパが不況で苦しんでいる時期には、ブランドの全生産量の3分の1を販売していたと言われています。ブラジルでは「パテック」が時計の代名詞となっており、パテック・フィリップ以外の時計を買うときもパテックを買う、と表現されるほどでした。
ゴンドーロはいずれもアールデコを範とする幾何学的なケースデザインで、パテック・フィリップの中では異色なシリーズです。文字盤はシンプルでクラシックなことが多く2針・3針のものがほとんどです。現在ではジュネーブにあるパテック・フィリップミュージアムに所蔵している過去の傑作からインスピレーションを得て生み出されています。
3-6 Twenty~4
Twenty~4はパテック・フィリップのレディースラインとなります。カラトラバやアクアノート、ノーチラスなどそれぞれにおいてもレディースモデルは発表されていますが、レディースモデルのみのシリーズはTwenty~4だけです。
Twenty~4はシンプル・エレガンスなドレスウォッチラインで、女性がシーンを選ばずに使用できるデザインとなっています。現行ではグラデーションのきいた文字盤、広めのラグ、そして一気にラグジュアリー感を高めるダイヤモンドがふんだんに使われており、カラトラバやノーチラスといった傑作にも引けをとらない品格の高さが感じられます。
4 パテック・フィリップを着けている芸能人・有名人5選
世界三大時計と名高いパテック・フィリップは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人や有名人が好んで着けています。ここではパテック・フィリップの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。
4-1 ヴラジーミル・プーチン 5039G-001
ロシア大統領 ヴラジーミル・プーチン氏が着けているのはグランドコンプリケーション 永久カレンダームーンフェイズ ホワイトゴールドケース Ref.5039G-001です。プーチン氏は時計愛好家で知られており、パテックの他にもブレゲやブランパンのモデルを着けているのがよく見られます。
既に生産終了しているモデルで、3時位置に月と年、6時位置にムーンフェイズと日付、9時位置に曜日と24時間計となっているフルカレンダーモデルです。ベゼルに細かく彫られているクルドパリが高級感のあるモデルです。
4-2 エリック・クラプトン 2499
アーティスト エリック・クラプトン氏が着けているのはグランドコンプリケーション 永久カレンダークロノグラフ プラチナケース Ref.2499です。永久カレンダー、クロノグラフ、ムーンフェイズを備えた多機能モデルです。
実はRef.2499のプラチナケースは世界に2本だけでその内1本は名誉会長のフィリップ・スターン氏、残り1本をエリック・クラプトン氏が所有しています。元々イエローゴールドケースでしか製造されていなかったRef.2499のムーブメントの残りをプラチナケースで造ろうと決めたのもスターン氏で、パテック専門のオークションに出品したものがエリック・クラプトン氏の元へたどり着いたようです。2021年時点では手放してしまっているようで、約2億8,500万円で落札されたとのこと。
4-3 櫻井翔 5116G
嵐の櫻井翔氏が着けているのはカラトラバ ホワイトゴールドケース Ref.5116Gです。一見変化のないシンプルな3針ですが、最大の違いは文字盤にエナメルが使用されていることです。液体感のあるつるんとした独特の美しさが楽しめますが、生産数が非常に少ないため希少価値の高い一本です。
4-4 福山雅治 5066/1A-001
アーティスト 福山雅治氏が着けているのはアクアノート ミディアム ステンレスケース Ref.5066/1A-001です。緩やかな八角形ケースが特徴で、ケースサイズ34mmと初代と同じサイズで、現行品よりも小ぶりのモデルです。
自身のラジオで憧れていたパテックの時計をようやく購入したといったことを報告しており、その後カラトラバのトロピカルを着けている写真がSNSへ投稿されていることから、パテックの時計にハマってしまったことが伺えます。
4-5 石田純一 5980/1A
俳優 石田純一氏が着けているのはノーチラス クロノグラフ ステンレスケース Ref.5980/1Aです。過去に海外で奪われたり空き巣に入られたり被害に会っている石田氏ですが、またもやパテックの時計を購入しているようです。時計愛好家のため、様々なブランドの時計を所有していることでも知られています。
Ref.5980/1Aはクロノグラフ機能を搭載しており6時位置のインダイアルは60分計と12時間計の両方が同軸で表示する機能となっています。また、シースルーバックになっておりムーブメントの動きをハッキリ見るのも楽しめます。
5 【時計店イチオシ】パテック・フィリップのおすすめモデル5選
ここまでパテック・フィリップの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。
5-1 ノーチラスRef.5711/1A-010
Ref.5711/1A-010はステンレスケース、防水性12気圧、自動巻き3針、デイト表示有りのシンプルな機能のノーチラスです。Ref.5711は2006年に登場し現行に至るまで続いているロングセラーなモデルです。当時業界を騒がせたケースサイズ39mmは現行では40mmにサイズアップしました。とはいえ当時34〜36mm前後がメインだった時流が今では40〜42mmがメインになっているため、ノーチラスはむしろ小ぶりなほうになっています。
通常は人気の文字盤カラーは白か黒がほとんどですが、ノーチラスはRef.5711/1A-010のようなブラックブルーに人気が集中しています。文字盤の美しさもさることながら、前述の通りノーチラスが潜水艦ノーチラス号にちなんだ名前のため、深海を想起させる暗い青が選ばれているのかもしれません。
5-2 ノーチラスRef.5711/1A-014
Ref.5711/1A-014は現行まで続いているノーチラスRef.5711の2021年最新カラー オリーブグリーン文字盤モデルです。デザインコードは統一されており、ノーチラスのDNAが確実に継承されているのを感じることができる最新作です。2021年のトレンドカラーのオリーブグリーン文字盤は多くのメーカーがこぞって選んだ文字盤カラーですが、パテック・フィリップの新作は正確にはオリーブグリーン・ソレイユ文字盤です。フランス語で太陽のソレイユが意味するところは文字盤に施されたエンボスと放射状に広がる美しいグラデーションを表しており、他のブランドの文字盤とは一線を画しています。
しかしRef.5711は生産終了となることが2021年1月に宣言されました。Ref.5711/1A-014がRef.5711としての最後のモデルとなります。人気だったブラックブルーやホワイト文字盤が次々とディスコンになっているため、現行のステンレスケースでは最新作のオリーブグリーンが唯一の現行品です。
※5711/1A-014もディスコンとなりました。
5-3 ノーチラスRef.5990/1R-001
Ref.5990/1R-001はノーチラス トラベルタイム クロノグラフ ローズゴールドケースです。
トラベルタイムとは2カ国の時刻を同時表示する機能で、基本の長針・短針をホームタイムとし、中央が抜けている針はいわゆるGMT針で、設定したい国(ローカルタイム)の時差分をズラして設定しておくと短針と同じように進むので、時差分がズレて表示できます。
3時位置(ホームタイム)と9時位置(ローカルタイム)の窓は白か黒に変わるようになっており、昼(AM)を表示している場合は白、夜(PM)を表示する場合は黒を表示します。
12時位置では日付、6時位置ではクロノグラフの積算計を表示します。さらにフライバッククロノグラフになっているため、スタートからリセットを直で行うスピード感が高い機能です。
デザインは通常のノーチラスがベースになっており、水平エンボス模様による立体的な文字盤は健在です。夜行処理されたローズゴールドのバーインデックスとバーハンドはスポーティーかつエレガント。グラデーションのようなブルーソレイユ文字盤の美しさを引き立ててくれます。
5-4 アクアノートRef.5168G-010
Ref.5168G-010はアクアノート オートマチック ホワイトゴールドケースです。2019年発表モデルのRef.5168G-010は、スポーティーなカーキグリーン文字盤が特徴です。
2021年のトレンドとなったカーキグリーンを先取っており、2021年にはクロノグラフモデルを発表しています。ちなみに前述したノーチラスRef.5711/1A-014はオリーブグリーンのため、文字盤の色は使い分けていると思われます。
Ref.5168G-010はシンプルな中3針モデルで、ケースサイズは42.2mmとトレンドにのったサイズとなっています。
この現代的なエッセンスに対しジャンボの愛称がついています。丸みを帯びた八角形のベゼルやヘアライン仕上げとポリッシュが交互に施されることで生まれる立体感はアクアノートがアイデンティティーともするアイコン的な意匠で、確実に受け継がれていっていることがわかります。
5-5 パーペチュアルカレンダークロノRef.5971P-001
Ref.5971P-001はパーペチュアルカレンダークロノ プラチナケースです。カレンダーの修正が一切必要ない永久カレンダーとクロノグラフ、ムーンフェイズを搭載したグランドコンプリケーションの一本です。12時位置の窓で曜日と月、3時位置のインダイヤルで積算計と年、6時位置で日付とムーンフェイズ、9時位置で24時関係と積算計と多くの表示を備えています。
Ref.5970とは機能は同じですが、Ref.5971はインデックスとベゼルにバゲットダイヤモンドが敷き詰められており、華やかなデザインとなっています。多機能表示とパヴェダイヤを備えつつも奥ゆかしいシンプルさを感じさせるデザインはパテック・フィリップならではです。
6 【まとめ】世代を超えて愛され続けるパテック・フィリップ
パテック・フィリップの歴史や魅力についてまとめました。パテック・フィリップは世界三大時計と言われる格式の高さやスイス時計の歴史の重厚感を味わえるブランドです。
伝統・継承を主とするブランドですが、複雑系の新作は伝統を守りつつ革新的なモデルが見られるので、伝統を守るモデルと革新的なモデルがそれぞれ欲しくなってしまうブランドです。
店頭でパテック・フィリップの時計を見た際にはぜひ一度手にとってみてください。