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2024年5月25日

ダイヤモンドの色には種類がある!色ごとの価値や石言葉にも違いがある

ジュエリー

「宝石の王様」とも呼ばれ、その透き通った輝きから宝石の中でも不動の人気を誇るダイヤモンド。ダイヤモンドと言えば、透明なイメージがあると思いますが、実はイエローやピンクなど、様々な色があります。

透明なダイヤモンドは、シンプルな美しさでどのようなコーディネイトにも合いますが、カラーダイヤモンドには好みやその日の気分に合わせて選ぶという楽しみがあります。また価値や値段、石言葉やスピリチュアル的な意味・効果も、それぞれのカラーダイヤモンドで違います。そういった面から購入する物や身に付ける物を決めても良いですよね。

今回は、そんな時に参考になりそうなダイヤモンドの色の種類とその価値基準、また見た目では判別がつかないほどダイヤモンドによく似た人工のダイヤモンドまで、様々な種類のダイヤモンドをご紹介したいと思います。

ぜひ最後まで読んで、ダイヤモンドを選ぶ時の参考にしてくださいね!

1.ダイヤモンドの基礎知識

ダイヤモンドは人気や価格、元素構成など、あらゆる意味で特別な宝石です。

ダイヤモンドは99.95%が炭素でできています。その他の0.05%の中に僅かに他の元素を含有し、それが理由で色が変わることもごく希にありますが、基本的には透明の物がほとんどです。

また、ダイヤモンドは地球上で一番硬い鉱物と言われています。宝石の硬さをあらわすモース硬度は、もっとも硬い10です。モース硬度とは、ふたつの物質を擦り合わせた時にどちらが傷付くかを比べた尺度です。ダイヤモンドは他の宝石やあらゆる物質とぶつかった時にも、傷が付いたり欠けたりすることはありません。傷付きにくく長期間の使用に耐える宝石であることも、ダイヤモンドが人気の理由のひとつです。

ダイヤモンドはその硬さゆえにとても加工しにくい宝石でしたが、科学技術が発達しダイヤモンドを美しく加工できるようになってからは、何よりも硬い宝石としてとても人気になりました。ダイヤモンドは永遠を象徴するとされ、結婚指輪や婚約指輪など、永遠の愛を誓う証とされています。今も昔も、ダイヤモンドは指輪を飾る宝石として不動の人気ですよね。

4月の誕生石としても、ダイヤモンドはよく知られています。誕生石を持つとお守りになると言われているので、4月生まれの人が自分用に購入したり、4月生まれの人にプレゼントとして贈るのも人気です。

1-1.ダイヤモンドの語源

ダイヤモンドの語源はギリシャ語の「adams(アダマス)」だと言われています。言葉の意味は「不滅」「不屈」などで、硬くて何物にも屈しないイメージからそのような名前が付いたのではないかと言われています。

またダイヤモンドは、和名では「金剛石(こんごうせき)」と呼ばれます。「金剛」はサンスクリット語で「最上」「最優秀」という意味の言葉を漢語訳した言葉です。これもやはり傷付いたり欠けたりすることがない、すべての宝石の頂点であるというダイヤモンドのイメージから来ているようです。

1-2.ダイヤモンドの歴史

ダイヤモンドが最初に発見されたのは、紀元前300年ほどのインドでのことだったと言われています。

当時は今ほど緻密なカットはできず、装飾品としての価値は現在ほど高くはありませんでした。ただしその硬さからパワーストーンとしての効果を期待され、お守りとして人気があったそうです。

その後ヨーロッパに持ち込まれたダイヤモンドは、ヨーロッパの富裕層で流行します。特に1475年に、今ではよく知られた『ダイヤモンドでダイヤモンドを研磨する』技術が考案されてからは、ダイヤモンドはさらに人気になっていきます。

ダイヤモンドは古くはインドで多く産出されていましたが、鉱山は有限ですから、段々とインド産のダイヤモンドの量は減っていきます。ですが1728年にブラジルでダイヤモンドが発見されました。そのブラジル産ダイヤモンドの量が減ってくると、今度は1866年に南アフリカで大規模なダイヤモンド鉱山が発見されました。次々とダイヤモンドが発見されるので、一時期は流通量がかなり多く、ダイヤモンドの市場価値は下落してしまいました。

そのダイヤモンドの価値を再び上昇させたのは、「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチフレーズで有名なデビアス社です。

デビアス社は1929年当時、過剰供給によって値崩れを起こしていたダイヤモンドを一括購入し、販売先を限定することで価格をコントロールすることに成功しました。

さらに「ダイヤモンドは永遠の輝き」「結婚指輪は給料の3ヶ月分」などのキャッチフレーズやイメージ戦略で、ダイヤモンドに高級感、特別感を持たせました。

そのイメージは現在でも多くの人に根付いています。

1-3.ダイヤモンドの価値基準

ダイヤモンドの価値基準はGIA(米国宝石学会)が定めた4Cという基準です。今ではダイヤモンドの世界基準として一般にもひろく認知されている4Cも、デビアス社が広告に掲載したことでよく知られるようになりました。

4Cとは

Carat(カラット・重さ)
Cut(カット・輝き)
Color(カラー・色)
Clarity(クラリティ・透明度)

です。

カラットは宝石の重さの単位です。宝石の大きさのことだと思っている人も多いですが、正確には石の重さをあらわしています。1カラットは0.2グラムです。0.2グラムと聞くと、たったそれだけ?と思うかもしれませんが、実際1カラットのダイヤモンドにはかなりの存在感があります。

カットはダイヤモンドの輝きをあらわします。権威ある鑑定を行うGIA(米国宝石学会)では、ダイヤモンドカットのもっとも良い評価はExcellent、続いてVeryGood、Good、Fair、Poorと評価が分かれます。輝きはダイヤモンドの重要な価値ですので、できるだけ良いランクの物を選びたいですね。

カラーはダイヤモンドの色の評価です。ダイヤモンドには様々な色・種類がありますが、4Cではまったくの無色透明の物が最もランクが高いとされます。

無色透明で最も価値が高い物をD、それからE、Fとアルファベット順にZまでの23段階のランクでカラーは評価されます。黄色味が強いダイヤモンドほど下のランクです。

クラリティはダイヤモンド内部のインクルージョン(内包物)と表面のブレミッシュ(傷)の状態の評価です。それらが少なければ少ないほど、ダイヤモンドの透明度は上がり、美しく見えます。最も良い評価はFL(Flawless・内外部無欠損)、次はIF(InternallyFlawless・内部無欠損)と続き、11段階のランクに分けられます。

この4つの評価を総合し、ダイヤモンドの価値が決まります。

1-4.ダイヤモンドの種類

ダイヤモンドはそのほとんどが無色透明から、黄色みを帯びた透明です。

ですが、99.95%が炭素であるダイヤモンドでも、わずか0.05%ではありますが炭素以外の物が含まれていることがあり、それによって透明のダイヤモンドではない、違う種類のダイヤモンドになることがあります。

ピンクや青、赤など、透明以外の色をしたダイヤモンドは「ファンシーカラーダイヤモンド」と呼ばれます。ファンシーカラーダイヤモンドは非常に希少で、色によってはほとんど流通していません。博物館に飾られている物もあるくらいです。当然、非常に珍しいファンシーカラーダイヤモンドは価格も非常に高く、とても購入できるような物ではありませんが、中には店頭に並ぶ種類のファンシーカラーダイヤモンドもあります。

また、ダイヤモンドと同じ成分・特徴を持つ人工のダイヤモンドもあります。

天然のダイヤモンドではないので気になる人もいるでしょうが、天然の魚と養殖の魚の違いのようなもので、ダイヤモンドの種類のひとつと言っても良いでしょう。

天然には天然の、人工には人工の長所があります。いくつかある種類のダイヤモンドのひとつとして覚えておくと良いでしょう。

2.ダイヤモンドの色の種類一覧

ダイヤモンドは、その色が石の価値に大きく関わってきます。

わずかな黄色みや茶色みを持つダイヤモンドはランクの低い物として扱われ、ファンシーカラーダイヤモンドのような価値はありません。

ですが発色が鮮やかなダイヤモンドはファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれ、無色のダイヤモンドの何倍も価値があるとされます。

ファンシーカラーダイヤモンドには様々な色があり、珍しい色であればあるほど価値が高く高値が付けられます。ダイヤモンドの色の評価基準は4Cの中のひとつにありますが、ファンシーカラーダイヤモンドの色評価はカラーレスダイヤモンドのD~Zの評価基準とは異なります。

GIAではファンシーカラーダイヤモンドの色の種類、明度、彩度を評価し、最も高いランクのFancyVividから最も低いランクのFaintまでの9つのランクに分けています。カラーレスのダイヤモンドと同様に、同じ色の種類のダイヤモンドでも、濃い色と薄い色では当然価値が異なります。

もちろん高品質のダイヤモンドはこの限りではありませんが、目安としてファンシーカラーダイヤモンドの色の種類を紹介していきたいと思います。

2-1.レッドダイヤモンド

世界で最も珍しいと言われているのは赤い色のレッドダイヤモンドです。

レッドダイヤモンドは世界に30個ほどしかないと言われています。ピンクダイヤモンドが何らかの原因でレッドダイヤモンドになるのではと言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。

世界最大のレッドダイヤモンドは、「ムサイエフ・レッド」とよばれている5.11カラットのレッドダイヤモンドです。三角形の形をしたトリリアントカットで、クラリティはIF(InternallyFlawless・内部無欠損)と非常に高品質です。

レッドダイヤモンドというだけでも珍しいのに、ここまで高品質の物はそうはありません。ムサイエフ・レッドは2001年頃に800万ドルで買い取られたそうですが、現在はその倍以上に価値があがっているのではないかと言われています。

レッドダイヤモンドの石言葉は「永遠の命」です。その真っ赤な色は血を象徴しています。ダイヤモンドの持つ「永遠」「不滅」というイメージと合わさって、「永遠の命」という石言葉になったのかもしれませんね。

また赤い色は炎を連想させることから、持ち主に力強いエネルギーを与える石ともされており、スピリチュアル的には持ち主に強い気力・精神力を与え、不滅の愛を授ける石と言われています。

2-2.ブルーダイヤモンド

レッドダイヤモンドの次に希少だと言われているのがブルーダイヤモンドです。カラーレスのダイヤモンドが微量なホウ素を含むとブルーダイヤモンドになりますが、その数は非常に少なく、希少なダイヤモンドです。

ブルーダイヤモンドはレッドダイヤモンドと同じくらい希少だとも言われています。

正確にはレッドダイヤモンドとブルーダイヤモンドのどちらが希少かはわかりません。流通量やカラット数でわずかにブルーダイヤモンドの方が希少性が低いのではないかという意見があるくらいです。いずれにせよ、かなり希少なファンシーカラーダイヤモンドであることは確かです。

ブルーダイヤモンドで有名なのは、45.52カラットもの大きさの「ホープダイヤ」です。世界一有名なダイヤモンドとも言われるこのブルーダイヤモンドは、持ち主の名前からホープダイヤと呼ばれるようになりました。

インドで発見されたホープダイヤはヨーロッパの王侯貴族や宝石商など、多くの人の手に渡りました。ですがその時の所有者や家族が次々と不運に見舞われたため、持ち主を不幸にするダイヤモンドという不名誉な噂が立ってしまったのです。

現在はアメリカのスミソニアン博物館に所蔵されています。
ブルーダイヤモンドの石言葉は「永遠の幸せ」「幸福を願う」です。

その石言葉にぴったりなのが、「サムシング・ブルー」です。サムシング・ブルーとは、結婚式で花嫁が何か青い物を身に付けると、幸せになれるという言い伝えです。結婚式にブルーダイヤモンドのジュエリーを身に付けておくと、石言葉も合わさって幸せな結婚になりそうですね。

スピリチュアル的効果を見ると、ブルーダイヤモンドは持ち主に知性と冷静さを与えると言われています。湖のような青い色が、見ているひとの心を落ち着かせてくれるのかもしれません。仕事で成功したい人におすすめのパワーストーンですね。

2-3.グリーンダイヤモンド

グリーンダイヤモンドも、ファンシーカラーダイヤモンドの中ではかなり希少な色のダイヤモンドです。グリーンダイヤモンドの緑色は放射線を浴びることで発色し、色は主に表面に溜まります。大きくなるほど色合いは薄くなるので、大きくなおかつ緑色の濃いグリーンダイヤモンドはとても高価です。

高度な科学鑑定を行っても、グリーンダイヤモンドは天然か人工物かの区別がつきません。そのため天然のグリーンダイヤモンドが本当に実在しているのか、その存在を疑われているくらいです。天然かどうか見分けが付かなくても、とても希少なグリーンダイヤモンドは高値で取引されます。

2016年に落札された「オーロラグリーン」と呼ばれる5.03カラットのグリーンダイヤモンドのリングは、1680万ドルの値段が付きました。これはグリーンダイヤモンドの今までの最高落札価格を更新しました。

グリーンダイヤモンドの石言葉は「回復」「再生」です。スピリチュアル的にも癒しのパワーがあるとされているので、グリーンダイヤモンドは疲れている人や少し休みたい人にぴったりなパワーストーンです。

2-4.ピンクダイヤモンド

かわいらしいピンク色が人気のピンクダイヤモンドも、天然の物はかなり少なくレア度は高いです。産出量はカラーレスのダイヤモンドのわずか1%ほどと言われていますから、その希少性も想像しやすいのではないでしょうか。

ピンクダイヤモンドも、レッドダイヤモンドと同じくなぜ発色するのかはわかっていません。ピンク色の幅は広く、茶色やオレンジがかったピンクから紫に近いピンク色の物まで様々です

ピンクダイヤモンドは1979年にオーストラリアで発見されました。2020年にオーストラリアの鉱山が閉山するまでに、現在流通しているピンクダイヤモンドの約9割が産出されたと言われています。今はブラジルやインドなどで産出されています。

今まで産出されたピンクダイヤモンドで最大の物は、59.6カラットの「ピンク・スター」です。大きいだけでなく品質も良かったので、日本円にして約79億円もの値段がついたそうです。

ピンクダイヤモンドの石言葉は「完全な愛」です。スピリチュアル的にも恋愛のパワーを持つ石で、恋愛のお守りになると言われています。恋愛に前向きになれるパワーストーンです。

2-5.ホワイトダイヤモンド

カラーレスのダイヤモンドとよく混同されることがありますが、ホワイトダイヤモンドは無色透明ではなく、乳白色で半透明のダイヤモンドです。ショップなどによってはカラーレスダイヤモンドをホワイトダイヤモンドと表記している所もあるようなので、気になったら確認するほうが良いでしょう。やや白っぽいダイヤモンドは時々ありますが、ホワイトダイヤモンドと言われるほどの物は少なく、希少価値が高いです。また乳白色でも黄色や茶色っぽい物は、ホワイトダイヤモンドとは呼ばれません。

ホワイトダイヤモンドができる理由も、科学的には解明されていません。わかっていないことが多い、神秘的なダイヤモンドとしての人気も高いです。

2013年には118カラットのホワイトダイヤモンドが、約30億円で落札されたことも話題になりました。

またホワイトダイヤモンドは、スピリチュアル的にかなり強いパワーを持っているとされています。特に癒しの効果が強いとされているパワーストーンです。

2-6.オレンジダイヤモンド

元気が出るようなビタミンカラーのオレンジダイヤモンドは、イエローとレッドのちょうど中間くらいの色合いのダイヤモンドで、かなり希少です。窒素を含むダイヤモンドがオレンジに発色すると言われています。カラーレスのダイヤモンドはイエローに近付くとランクが下がりますが、オレンジダイヤモンドはより黄色みが増すと価値が上がります。似た色ではありますが、同じランクのイエローダイヤモンドとは10~15倍近くの価格差があるとも言われています。

オレンジダイヤモンドは1997年に中央アフリカで発見されたばかりの、まだ新しい宝石です。この時に発見されたオレンジダイヤモンドは「パンプキンダイヤモンド」と名付けられ、2002年のアカデミー賞で、有名なハリウッド女優が着用したことで有名になりました。

また世界で最大と言われている14.82カラットのオレンジダイヤ「ジ・オレンジ」は2013年にスイスのオークションで、約31億円で落札されています。

オレンジダイヤモンドの石言葉は「調和」「安らぎ」です。イエローとレッドがうまく混ざりあったオレンジの色はまさに「調和」そのものですね。持ち主の気力をアップさせるパワーを持つダイヤモンドとも言われています。

2-7.カラーレスダイヤモンド

カラーレスのダイヤモンドはファンシーカラーダイヤモンドと比べると希少さはそこまでではありませんが、何にもなじむ無色透明の輝きはやはり不動の人気です。

カラーレスと言ってもまったくの無色の物、つまり4CでいうとDのランクの物はそうありません。採掘されるダイヤモンド中、70%は無色ではないと言われていますから、品質の高い無色のダイヤモンドがどれほど希少かわかりますね。

ショップで明るい照明の下にいる時は一見美しいカラーレスに見えるダイヤモンドでも、実はやや黄色っぽかったり、茶色っぽかったりするのでよく見るようにしましょう。

カラーレスダイヤモンドで今まで最も値段が高かったのは、1905年に南アフリカで発見された3106.75カラットもある「カリナンダイヤモンド」です。あまりに大きかったので、最初はガラスではないかと疑われたそうです。現在は大粒の9個と小粒の96個にカットされ、小粒にカットされた物の行方はわかっていません。大粒の9つはイギリス王室が所有しており、それだけでも2600億円以上になるとのことです。

カラーレスダイヤモンドは、ファンシーカラーダイヤモンドに比べると大きな原石が見つかることも多いので、夢がありますよね。

カラーレスダイヤモンドの石言葉は「純潔」「永遠の愛」などです。地球上で最も硬い宝石であるダイヤモンドが、壊れない永遠の愛を象徴しているのは素敵ですね。そのような石言葉からも、ダイヤモンドは結婚指輪、婚約指輪としてとても人気です。

スピリチュアル的にはカラーレスダイヤモンドは、他の石のパワーを増幅させる効果があると言われています。ダイヤモンドは他の石と組み合わせて使われることも多いので、石同士の組み合わせを考えながら身に付けるのも楽しそうですね。

2-8.イエローダイヤモンド

カラーレスダイヤモンドで黄色みが強い物はランクが低いですが、はっきりとイエローが発色している物は希少で、イエローダイヤモンドと呼ばれます。イエローダイヤモンドは、ファンシーカラーダイヤモンドの中でもっとも手が届きやすいダイヤモンドと言われています。

値段もカラーレスダイヤモンドよりは少し高いですがそれでも他のファンシーカラーダイヤモンドと比べるとお手頃なので、何かファンシーカラーダイヤモンドが欲しいな、という時にちょうど良いダイヤモンドです。

有名なイエローダイヤモンドに、「バローダの月」と呼ばれる物があります。月のように鮮やかなカナリーイエローのダイヤモンドで、24.04カラットもあります。一時期はオーストリアの女帝マリア・テレジアが所有していましたが、女優マリリン・モンローが映画の中で着用していたことで一気に有名になりました。バローダの月を身に付けた人は、有名になると言われているそうですよ。

イエローダイヤモンドの石言葉は「自信」「富」です。金によく似た輝きは富をあらわしていると言われても納得できますよね。スピリチュアル的にも、持ち主に富と自信を与える石とされています。金運が欲しい時、自信を持って物事に取り組みたい時にぴったりです。

他のファンシーカラーダイヤモンドに比べると手に入れやすいですし、パワーストーンとしても身に付けやすいのではないでしょうか。

2-9.ブラウンダイヤモンド

ブラウンダイヤモンドは産出量が多く、ファンシーカラーダイヤモンドの中で最も産出量が多いとされているイエローダイヤモンドと、同じくらいの希少さです。落ち着いた大人っぽい色合いで、コーディネートにも合わせやすいのが特徴のひとつです。イエローカラーは少し派手で身に付けにくいと思う方にも、ちょうどよい色合いかもしれません。

産出量の多いブラウンダイヤモンドは、もともと装飾用としてよりも工業用として用いられることが多かったのですが、「チョコレート」「シャンパン」など魅力的な名前を付けて販売されることにより、近年人気になってきました。世界的な有名人が身に付けたことも、人気の一因だと言われています。

ブラウンダイヤモンドの石言葉は「威厳」「カリスマ性」です。大地の色を思わせるブラウンのダイヤモンドは、何物にも動じない大きなパワーを感じさせますね。悪い物を寄せ付けない魔除け・厄除けのパワーストーンとしても人気があります。また女性の魅力を引き出す石とも言われていて、ジュエリーとして身に付ける人も多いです。

2-10.ブラックダイヤモンド

ブラックダイヤモンドは鉄鉱石などのインクルージョンが反射することにより、その独特な黒い輝きを発しています。1990年代まで主に工業用に用いられており、希少さは高くありません。価格も比較的安価でカラーレスダイヤモンドよりも安いことがほとんどなので、購入しやすいファンシーカラーダイヤモンドと言えるでしょう。

ブラックダイヤモンドで有名なのは「ブラック・オルロフ・ダイヤモンド」です。ブラック・オルロフは「呪われたダイヤモンド」という不名誉な呼ばれ方をしています。このダイヤモンドは所有者が次々と不幸に見舞われるダイヤモンドとして知られていますが、石自体はとても素晴らしい、特別なブラックダイヤモンドです。ブラック・オルロフは67.5カラットもの大きさがあり、購入しやすいと言われているブラックダイヤモンドとしては異例と言える約4000万円の高値で取引されました。

ブラックダイヤモンドの石言葉は「成功」「不屈」です。何物をも跳ねのけるメタリックな黒い輝きは、強い意志を感じさせます。魔除けの効果も強く、自分に正直になれるパワーストーンともいわれているので、自分の進むべき道に迷った時や何らかの邪魔が入りそうな時、それを跳ねのけたい時に身に付けると良いでしょう。

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3.ダイヤモンドと似た宝石・人工石

ダイヤモンドはとても人気の高い宝石ですが、高価でなかなか購入できません。それでも、何か宝石がほしいという時には、ダイヤモンドによく似た宝石や人工石も視野に入れてみてはどうでしょうか。

透明度が高く癖のない輝きのダイヤモンドに見た目が似ている宝石は、昔から需要がありました。またもっと安価に手に入れたいという願いから、ダイヤモンドによく似た様々な種類の石が作られてきました。

人によって作られる石には3種類あります。
模造石・人造石・合成石です。

模造石はガラスやプラスチックが材料の、見た目を宝石に似せた石です。よく知られた物に、ラインストーンやコットンパールなどがあります。見た目はきれいですが非常に安価ですので普段使いに向いています。

人造石は見た目は天然石によく似ていますが、化学組織や結晶構造は天然石とは異なる物です。キュービックジルコニアがよく知られています。大粒の物も作れますので、大ぶりなアクセサリーがほしい人や、手頃なジュエリーがほしい人に人気です。

合成石は人工的に作られた、科学組織や結晶構造がまったく天然石と同じ物です。工場で短期間に天然のダイヤモンドと同じ物を作ることができ、また天然のダイヤモンドよりも安価で購入することができます。

これらの人工石や宝石、そして天然のダイヤモンドの中から、自分の希望や予算に合う物を探してみてください。

3-1.天然石・ジルコン

ジルコンはダイヤモンドと同じく、カラーレスやブルー・ピンクなど様々な色がある天然石です。透明度が高く輝きも強いので、一見ダイヤモンドとよく似ていますし、実際にダイヤモンドの代わりとしてジュエリーに用いられることもよくあります。

人の手で処理を加えることによって様々な色を引き出すことができ、彩度も上がるので、鮮やかなジュエリーとして多用することができるのもジルコンの良いところです。輝きは強いですが価格はダイヤモンドよりも抑えられるのも人気の理由でしょう。

その反面、ジルコンのモース硬度は6.5~7.5とダイヤモンドより低いです。ジュエリーとして加工するには充分な硬さではありますが、摩耗や欠けが生じやすいという特徴もあります。保管する時や身に付ける時に、他の宝石とぶつかったりしないように気を付けましょう。

また加工を施した石は温度や太陽光により退色することもありますので、注意が必要です。

3-2.人造石・キュービックジルコニア

安価なアクセサリーによく用いられているのが、人造石のキュービックジルコニアです。キュービックジルコニアは大きさや色など様々な物を作ることができますし、天然石のようにインクルージョンが入り込んでしまうこともありません。モース硬度も8.5と充分な硬さなので、ちょっとしたアクセサリーにぴったりです。

ただしキュービックジルコニアは時間の経過とともに変色してしまうという短所があります。そう高価ではないので、ダイヤモンドや他の宝石のように一生物として使うというよりは、その時だけの物と割り切って使用するほうがいいかもしれません。

3-3.合成石・モアサナイト

天然のモアサナイトはジルコンと同じく、強い輝きと様々な色を持つ宝石です。モアサナイトは1893年に隕石の中からはじめて見つかりました。天然の物も存在はするのですがごく少ないので、流通しているモアサナイトはほとんどが合成石と言われています。

人工的に作られた合成石であるから悪い物というわけではなく、価格はダイヤモンドよりも安いですし、量産も可能です。カラーレスのモアサナイトは僅かに黄色っぽいと言われていましたが、技術の発達によってより高ランクのダイヤモンドに近い、透き通った色の物も作れるようになりました。

モアサナイトはモース硬度9.25と、非常に硬い性質を持っています。ダイヤモンドとぶつかると傷がついてしまうものの、ほとんどの宝石よりは硬くて丈夫です。あまり気を遣わずに使用できるのは嬉しいですね。

また、モアサナイトは屈折率がダイヤモンドよりも高く、独特な虹色の輝きを見せます。この虹色の輝きはダイヤモンドにはないので、ダイヤモンドではなくあえてモアサナイトを選ぶという人もいます。

3-4.合成石・ラボグロウンダイヤモンド

ラボグロウンダイヤモンドはその名の通りラボ(研究所)で作られたダイヤモンドで、その科学組織などはダイヤモンドとまったく同じです。

では天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドがまったく同じ物かというとそうではありません。天然のダイヤモンドは長い時間をかけて地中で成長し、その間に様々な事があります。ごくわずかに別の元素が混ざったり、インクルージョンが入り込んだり、また元素構造が歪んだりすることもあります。そのことによって、天然のダイヤモンドはそれぞれの個性を発揮するのです。

ラボグロウンダイヤモンドはそういったことがありません。逆に言うと均一な品質の、インクルージョンもなく美しいダイヤモンドを手に入れることができるのです。

また、天然のダイヤモンドを無理に採掘しようとして起きる紛争や環境的問題を避けられるという点で、ラボグロウンダイヤモンドに注目する人もいます。

価格も天然ダイヤモンドよりも安価で、購入しやすいのがラボグロウンダイヤモンドです。

4.ダイヤモンドの見分け方

信頼できるブランドやショップであれば、ダイヤモンドでない物をダイヤモンドと偽って売ることはほとんどありません。

ですがきちんと確認せずに購入してしまった時や、人から譲り受けたダイヤモンドが、本当にダイヤモンドなのか確認したいということもありますよね。専門の鑑定機関に依頼してダイヤモンドかどうか鑑定してもらうのが一番ではありますが、そうすると時間もお金もかかってしまいます。

お金をかけるほどではないけど、ちょっと気になる…という人のために、ダイヤモンドの性質を利用して、その石がダイヤモンドかそうでないかを見分ける方法をご紹介します。この方法なら、誰でもダイヤモンドが本物かどうか確かめることができます。

ただしあくまで簡易的な見分け方で、しっかりした鑑定方法ではありませんので、きちんと確かめたい時は専門機関に鑑定を依頼してくださいね。

4-1.熱伝導性の高さを利用する

ダイヤモンドは熱伝導性が高いという特徴があります。本物のダイヤモンドは内側まで熱が伝わる速度が早いのです。この特徴を利用したダイヤモンドの見分け方が、「ダイヤモンドに息を吹きかけてみる」という方法です。

熱伝導性が高いダイヤモンドは内部まですぐにあたたまりますので、息を吹きかけると一瞬はくもりますが、すぐにくもりはなくなります。

もしくもりが長く続くようであれば、それは本物のダイヤモンドではないかもしれません。

4-2.屈折率の高さを利用する

ダイヤモンドは屈折率が高い宝石です。その屈折率の高さが、ダイヤモンドの強い輝きの要因のひとつでもあります。

ダイヤモンドの屈折率の高さを利用した見分け方が、「何か書かれた紙の上にダイヤモンドを置いてみる」という方法です。もしわかりにくければ、白い紙に一本の線を書いて、その上にダイヤモンドを置いてみるとわかりやすいでしょう。

本物のダイヤモンドであれば、屈折率が高いのでダイヤモンドを通した文字や線は歪んで見えます。もし石を通しても文字や線が変わらず見えるのであれば、ダイヤモンドではない可能性が高いです。

ただし、ダイヤモンドよりも屈折率が高いモアサナイトはこの方法では見分けることができません。この方法でダイヤモンドかどうかを確定することはできませんので覚えておいてください。

4-3.硬さを利用する

最後に少々荒っぽい方法にはなりますが、「ダイヤモンドと硬い物をこすりつけてみる」というのもひとつの方法です。

ダイヤモンドは地球で一番硬い物質なので、他の硬い物質と擦り合わせても傷がつくことはありません。ただしこの方法だと、ダイヤモンドでなかった時に傷がついてしまうというデメリットがあります。

また、擦りつけた物によっては、ダイヤモンド以外の物でも傷付かないことがあります。

モース硬度はそれぞれ
ダイヤモンド 10
ジルコン 6.5~7.5
キュービックジルコニア 8.5
モアサナイト 9.25
やすり 7.5
ガラス 5

です。
もしその石がガラスなどでできている物ならば、やすりでこすると傷がつくでしょう。

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5.(まとめ)ダイヤモンドの色を楽しもう!

今回はダイヤモンドの様々な色の種類や、ダイヤモンドに似た石、そしてダイヤモンドの見分け方をご紹介してきました。

こんなにたくさんの色のダイヤモンドがあるなんて、驚いた人もいるのではないでしょうか。イエローダイヤモンドやブラウンダイヤモンドはたまにショップで見ることもありますが、世界に30個ほどしかないレッドダイヤモンドなどは、実際に見る機会は滅多にありませんし、購入なんて夢のまた夢です。

ですが購入するだけがダイヤモンドの楽しみ方ではありません。購入することはできなくても、インターネットで見たり、ウィンドウショッピングで眺めるだけでも充分楽しいですよね。その中からこれはと思う物があれば、思い切って購入するのも良いでしょう。その時にたくさんの色があることをあらかじめ知っていれば、購入した後に後悔することも減るでしょう。

ダイヤモンドのたくさんの色、種類を知って、ぜひいろんな方法でダイヤモンドを楽しんでください!

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