2025年11月30日
色が変わる宝石一覧|光・紫外線・温度でカラーチェンジする宝石を紹介!
宝石

サファイアという宝石を知っていますか?9月の誕生石で、美しいブルーの宝石です。エメラルド・ルビーと並んで「世界三大宝石」とも呼ばれ、世界的にも人気がある宝石なので、知らない人の方が少ないでしょう。
ですがそんな有名なサファイアが、実は色が変わる宝石だということは知っていましたか?サファイアの一部には「カラーチェンジサファイア」と呼ばれる色が変わる石があります。宝石の色が変わるなんて、驚きですよね。ですがサファイア以外にもガーネットや、パワーストーンとしても人気があるフローライトなど色が変わる宝石はいくつかあります。
色が変わる理由は光の種類や角度、紫外線などさまざまです。そこで今回は、色が変わる宝石を7種類ご紹介しまふ。さらに番外編として温度で色が変わる宝石についても解説しますので、ぜひ最後まで呼んでください。
目次
1.一粒で2度3度楽しめる!宝石の色が変わる理由を紹介

宝石の色が変わると聞くと「そんなことあるの?」と驚くかもしれませんが、実は色が変わる宝石は意外なほどたくさんあります。しかもその理由はひとつではありません。
有名なのは、宝石に当てる光の種類で色が変わるものです。その他にも石を見る角度によって色が変わったり、紫外線に当たることで色が変わる宝石もあります。しかも中には、2色に変化するだけでなく3色に変わるものもあるんですよ。ひとつの宝石で2色、3色も異なる色を楽しめるなんて、お得ですよね。
次の項からは色の変わる宝石をその理由ごとに、合わせて7種類ご紹介します。
2.光の種類で色が変わる石
宝石の色が変わる理由のひとつとして有名なのが、光の種類です。
光の種類と言われてもピンと来ないかもしれませんが、私たちは普段からいろんな種類の光を目にしています。昼間の太陽の光や白熱灯の光、ろうそくの光などはそれぞれ違った種類の光なのです。
透明度の高い宝石はたくさんの光を取り込み、反射して輝きます。そして宝石の種類によっては、その光の種類によって違った色に輝くのです。
2-1.アレキサンドライト

「世界三大希少石」のひとつとして知られるアレキサンドライトは、希少性とドラマチックな色変化で高い人気を誇る宝石です。初めて発見されたのは1830年、ロシア・ウラル山脈でのことでした。当初は緑色の見た目からエメラルドと勘違いされたものの、夜になると赤く変化したことで別の宝石だと判明します。この珍しい性質を持つ石は当時のロシア皇帝に献上され、しかもその日は皇太子アレクサンドル2世の誕生日と重なっていたことから「アレキサンドライト」という名が付けられました。
「昼のエメラルド、夜のルビー」と呼ばれるように、アレキサンドライトの最大の特徴はそのカラーチェンジです。日中の太陽光の下ではグリーンまたはブルーグリーンに輝き、ろうそくなど温かい光の下では赤~紫がかった赤色に変わります。ここまで明確に色が切り替わる宝石はほとんど存在せず、この現象は「アレキサンドライト効果」とも呼ばれています。
色の濃淡はさまざまですが、価値を左右するポイントはカラーチェンジの鮮明さです。ぱっと見の色が美しくても変化が弱いものは価値が下がる傾向があります。多くのショップにはカラーチェンジを確認できるライトが用意されているため、購入時には必ず色変化の具合をチェックすると安心です。
2-2.カラーチェンジサファイア

サファイアは「世界三大宝石」のひとつにも数えられ、青い宝石として圧倒的な知名度を誇ります。古代ギリシャやローマでも愛されていた歴史の深い石で、神話や伝承にもたびたび登場します。
たとえばギリシャ神話では、火を人間に与えた神・プロメテウスがカウカス火山で見つけた宝石がサファイアだったと言われています。また古代ペルシャでは、地球を支える台座に巨大なサファイアがはまっており、海が青く見えるのはその色が反射しているからだと信じられていました。さらに聖書にもサファイアは登場し、旧約聖書ではモーセの胸当てを飾る宝石のひとつ、新約聖書では聖なる都エルサレムの城壁を飾る12の宝石のひとつとして描かれています。古くから多くの文化で特別視されてきた石であることがわかります。
サファイアといえば青のイメージが強いものの、実際にはピンク・イエロー・グリーンなど豊富なカラーバリエーションがあります。その中に、光源によって色が変わる「カラーチェンジサファイア」と呼ばれる希少なタイプが存在します。
カラーチェンジサファイアは、太陽光の下ではブルーや紫がかったブルーの色を見せ、白熱灯の下では紫色へと変化します。さらにごくまれに、太陽光ではグリーン、白熱灯では赤みを帯びたブラウンへ変わるものもあると言われています。同じサファイアでも変化の仕方がひとつずつ違い、その個性が魅力になっている宝石です。
2-3.カラーチェンジガーネット

1月の誕生石として知られるガーネットは、深い赤色の宝石を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし実際には色の種類が非常に多く、ガーネットには16のグループが存在します。色合いや内部に含まれる成分、特徴が少しずつ異なるため「ガーネットファミリー」とも呼ばれています。この中でもジュエリーに適した美しいガーネットは主に6種類あり、「炎のような赤」と例えられるパイロープガーネット、「血のような赤」と言われるアルマンディンガーネット、西洋スグリの実を思わせるグリーンのグロッシュラーガーネットなど、個性豊かな色を楽しめます。また、6種類に完全に分類されるわけではなく、それぞれの中間に位置するガーネットも存在するため、実際の色味は多彩です。
その中で、光の種類によって色が変わるものが「カラーチェンジガーネット」です。
カラーチェンジガーネットにもさまざまなタイプがあり、太陽光の下では黒みがかったグリーン、白熱灯では明るい赤へ変化するものや、日中はピンク、室内光では優しいブラウンに変わるものなど、色の移り変わり方はひとつずつ違います。どんな色変化を見せるのか、石ごとに個性があるのも魅力です。
さらに、1999年頃にマダガスカル・ベキリー鉱山で発見された「ベキリーブルーガーネット」もカラーチェンジガーネットの一種です。この石は「ブルーのガーネットは存在しない」とされてきた常識を覆した希少な存在で、アレキサンドライトのように明確なカラーチェンジを見せることから“アレキタイプ”とも呼ばれます。太陽光ではブルーグリーン、白熱灯では鮮やかなワインレッドに変化し、そのドラマティックな色の変化が人気を集めています。
3.見る角度で色が変わる石
宝石の色が変わる理由のふたつめは、見る角度です。そういった性質は「多色性」と呼ばれます。多色性を持つ宝石はいくつかありますが、今回はその中でも特に有名なアイオライトとタンザナイトをご紹介します。どちらもブルー系のとても美しい宝石ですが、それぞれに違った雰囲気を持っています。
3-1.アイオライト

アイオライトは、ギリシャ語で紫やスミレを意味する「ion(イオン)」と、石という意味の「lithos(リトス)」が語源のスミレ色の美しい宝石です。アイオライトは見る角度によってスミレ色、ブルーがかったグレー、イエローの3色に変化します。色の変化の度合いは石によって異なりますが、鮮やかにはっきりと色が変わるものはより高品質とされています。
このように見る角度によって色が変わる性質を持つことから、アイオライトは昔から航海に欠かせない石として船乗りに重宝されていました。GPSがない時代、航海士たちはさまざまな方法で自分の位置や進むべき方向を確認していましたが、そのひとつがアイオライトでした。アイオライトを空にかざすことで太陽の方向を知ることができ、曇りの日でも太陽の位置がわかったと言われています。薄くスライスされたアイオライトは、当時の船乗りの必需品だったようです。
こうした歴史から、アイオライトは「旅人の石」「道しるべの石」と呼ばれています。危険が伴う旅の出発に際して、お守りとして贈られることもあった宝石です。また実際の道だけでなく、将来に迷う人や大切な選択を控える人に進む方向を示してくれる石とも信じられ、心強いお守りとされています。
3-2.タンザナイト

「タンザニアの夜」という意味を持つタンザナイトは、夜空のように深いブルーが印象的な宝石です。発見されたのは1967年、タンザニアのメレラニ地方でのことでした。誕生からまだ60年ほどしか経っていない比較的新しい宝石ですが、現在では人気が高く、ジュエリーショップでもよく見かける存在になっています。
タンザナイトが有名になった大きな理由のひとつが、ティファニー社のプロモーションです。元々この石はゾイサイトという鉱物で、発見当初は「ブルーゾイサイト」と呼ばれていました。しかしティファニー社は「ゾイサイトという名前が英語の“自殺”を連想させて縁起が悪い」として、産地にちなんだ「タンザナイト」という名前を新たに付けました。そして1968年に大々的なキャンペーンを行い、タンザナイトは一気に世界的な知名度を得ました。
タンザナイトは宣伝だけでなく、色彩の豊かさも魅力です。見る角度によって色が変わる多色性を持ち、赤紫・深いブルー・イエローグリーンなど多様な色を見せます。市場に出回る多くのタンザナイトにはブルーを強調するための加熱処理が施されており、赤みやイエロー系の色は取り除かれていますが、そのぶん鮮やかなブルーが際立ちます。
さらにタンザナイトは、多色性だけでなく光源によって色が変わる性質も持っています。太陽光の下では青みが強く、白熱灯の下では紫がかって見えることがあり、アレキサンドライトのようなカラーチェンジが楽しめるのも魅力です。
4.紫外線で色が変わる宝石
光の種類で色が変わる石、見る角度によって色が変わる石だけでなく、宝石には紫外線を当てると色が変わる種類の石もあります。
この項では紫外線で色が変わる石、フローライトとハックマナイトをご紹介します。どちらも紫外線によって色が変わりますが、色の変化のようすは同じではありません。ハックマナイトはとても珍しい石ですが、もし機会があればその違いを比べてみてください。
4-1.フローライト

フローライトは「蛍石(ほたるいし)」とも呼ばれる宝石で、透明から半透明の神秘的な雰囲気が魅力です。無色透明のものだけでなく、グリーン・ブルー・イエロー・ピンクなど多彩な色合いがあり、ジュエリーとしてはもちろん、原石のまま飾る用途でも人気があります。
フローライトには、他の石にはあまり見られない特徴があります。それが紫外線を当てると色が変わる性質で、特に蛍光を示すものは「フルオレッセンス」と呼ばれます。すべてのフローライトが蛍光するわけではないため、蛍光タイプが欲しい場合はフルオレッセンスかどうかを確認する必要があります。紫外線やブラックライトに当てると明るく蛍光しますが、実は熱でも蛍光する性質があり、火に入れるとはじけ飛ぶように光ることがあると言われています。実際に試す機会はほとんどありませんが、少し見てみたくなる不思議な特徴ですね。
ただし注意したいのは、フローライトは紫外線や熱によって変色・退色しやすい石だという点です。蛍光は一時的なもので、長時間光を当てると色が失われる可能性があるため、保管や扱いには気を付ける必要があります。
さらにフローライトの中には、光の種類によって色を変えるカラーチェンジタイプも存在します。太陽光ではブルーやグリーン、白熱灯の下では赤色やピンクに見えることがあり、このカラーチェンジフローライトは非常に希少です。
4-2.ハックマナイト

ハックマナイトは1980年頃に見つかった、比較的新しい宝石です。ラピスラズリにも含まれるソーダライトの変種で、半透明から透明の淡いブルーや紫色をしており、まれに無色透明の石もありますが数は少なくとても希少です。あまり知られていない理由は、新しい宝石というだけでなく、産出量そのものが少ない希少石だからでもあります。
最初に発見されたのはロシアのコラ半島で、その後ミャンマーやカナダ、パキスタンなどでも産出されました。特にミャンマーやアフガニスタンは品質の良い産地でしたが、2010年頃には産出が大きく減少し、鉱山での非人道的な採掘も問題となりました。日本では2005年頃に流通し始めましたが、ほとんど市場に出回らないまま産地が閉山してしまい、実物を見たことがある人は多くありません。
さらにハックマナイトは、紫外線を当てると蛍光色に変わる性質があります。特徴的なのは、紫外線をやめてもすぐに元の色へ戻らず、ゆっくり時間をかけて戻っていく点です。一般的な色変化とは異なり、その過程をじっくり楽しめる宝石と言えるでしょう。
5.【番外編】温度で色が変わる宝石がある?
最後にご紹介するのは、温度で色が変わる石です。
これまでご紹介した色が変わる宝石にはそれぞれ色が変わる条件があり、その条件がなくなれば元の色に戻る石でした。ですが温度で色が変わる宝石は、一度色が変わると元の色には戻ります。その性質を利用したのが「加熱処理」です。加熱処理を施された宝石は、石の色がより鮮やかになったり、まったく違う色になったり、宝石内部の異物であるインクルージョンが見えにくくなったりします。加熱処理は宝石に施されるメジャーな処理です。たとえば、赤い宝石であるルビー。ルビーは加熱することで紫っぽい色が取り除かれ、よりはっきりとした赤色になります。非加熱のルビーの方が珍しいほど、加熱はよくルビーに施される処理です。
もともとの色をよりはっきりさせるわけではなく、加熱でまるきり違う色に変わる石もあります。よく知られているのは、水晶の仲間である紫色の宝石、アメジストです。アメジストは熱が加わると、黄色い宝石・シトリンに変化します。自然の中ではアメジストが偶然マグマや地熱で温められてシトリンに変化しますが、滅多にあることではありません。天然のシトリンはとても希少で高価なので、人の手で加熱しアメジストをイエローにしているのです。加熱されたシトリンも偽物というわけではありませんので、安心して購入できますよ。
このように、温度によって色が変わる宝石もあります。ただし、一度変わってしまった色は元には戻せません。また、宝石の加熱は400℃~600℃、石によっては1000℃以上もの温度にする必要があります。手軽に色を変化させるのではなく、変化した後の色合いを楽しむものです。
6.まとめ
今回は色が変わる宝石をご紹介しました。宝石の色が変わる理由はいくつかあります。
宝石に当たる光の種類で色が変わる「アレキサンドライト効果」と呼ばれる効果は、その名の通りアレキサンドライトや一部のサファイアやガーネットなどで見られます。
見る角度によって色が変わる宝石は、アイオライトやタンザナイトなどです。どんな状況でも見る角度によって色が変わるのはとても興味深く、見ていてまったく飽きません。
さらに紫外線によって色が変わる宝石もあります。特に紫外線を長くとどめるハックマナイトは、紫外線を受けた後もしばらくは蛍光に輝き続けて、とても神秘的です。
色が変わる宝石は、見るだけでワクワクし日々を彩ってくれます。いろんな色を楽しめる宝石は、コーディネートにもワンポイント加えることができるでしょう。それぞれの宝石の色を、最大限に楽しんでくださいね。
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