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2025年10月11日

黒い宝石一覧|オニキス・スピネルなど15種の和名や石言葉を解説

宝石にはさまざまな色があります。色とりどりの宝石の中でも、ひと際強い存在感を放つのが黒い宝石です。きらびやかな宝石とは違って大人っぽくシックな黒い宝石は、身につける人に神秘的な魅力を与えます。他の人に流されないような強さも感じさせますね。

また、黒い宝石はどんなコーディネートにも合いやすいというメリットもあります。黒が合わない色はありませんからね。どんな服を着ている時にも使用できるのが、黒い宝石の良さです。

今回はそんな黒い宝石15種類を一覧にしてみました。ブラックダイヤモンドやブラックサファイアといったよく知られた宝石のブラックカラーや、パワーストーンとして人気のオニキスやスピネル、そして実は宝石ではないジェットなど、さまざまな黒い宝石をご紹介します。一言で黒い宝石と言っても、それぞれに個性があり、奥深い魅力を持っています。ぜひいろんな種類の宝石を比べてみてくださいね。

1.黒い宝石の魅力

黒い宝石には、他の色の宝石にはない独特の存在感があります。派手さや華やかさよりも、落ち着きと深みを感じさせる黒。その中に秘められた輝きが、静かな美しさと力強さを表現しています。見る人の心を惹きつけるだけでなく、どんなスタイルにも不思議と調和するのが黒い宝石の魅力です。

1-1.神秘的で深みのある美しさ

黒い宝石の最大の魅力は、その神秘的な美しさです。光を吸い込むような深い黒の中には、他の色では表せない奥行きがあります。見る角度や光の加減によって表情が変わり、まるで内側に秘めた輝きがそっと浮かび上がるよう。キラキラと輝く宝石とは違う、静かに惹きつける魅力が黒い宝石にはあります。派手さよりも上品さを求める人にこそ、ぴったりの存在です。

1-2.存在感と調和をあわせ持つ色

黒はどんな色にも調和する万能な色です。どんなジュエリーや服装にも自然に馴染みながら、しっかりとした存在感を放ちます。シルバーやゴールドとの相性もよく、ひとつ身につけるだけで全体を引き締めてくれるのが魅力です。黒い宝石は強く主張しすぎず、それでいて印象的。身につける人の個性を引き立ててくれる不思議な力を持っています。

1-3.古くから守りや安定の象徴とされる石

黒い宝石は、古くから「魔除け」や「守護」の力を持つ石として扱われてきました。邪気を払い、持ち主を守るお守りとして身につけられていたのです。また、黒は安定を象徴する色でもあり、心を落ち着かせてくれるといわれています。オニキスやヘマタイトなどは特にその力が強いとされ、現代でもパワーストーンとして人気があります。見た目の美しさだけでなく、内面的な支えを与えてくれる存在でもあるのです。

次の章では、それぞれの黒い宝石の特徴や魅力を詳しく見ていきましょう。

2.黒い宝石一覧

黒い宝石には、他の色の宝石にはない独特の魅力があります。落ち着いた大人の雰囲気を演出できる一方で、実際に探してみると意外と見つからないという人も多いのではないでしょうか。黒い宝石は、ジュエリーショップで常にたくさん並んでいるわけではありません。ですが、実は想像以上に種類が豊富なんです。

たとえば、ブラックダイヤモンドやブラックサファイアのように有名な宝石のブラックカラーをはじめ、パワーストーンとして人気のオニキスやスピネル、そして実は宝石ではないジェットなど、個性あふれる黒い宝石がたくさんあります。

今回はそんな魅力的な黒い宝石15種類を厳選してご紹介します。「ダイヤモンドやサファイアにも黒があるの?」「そんな名前の宝石、聞いたことがない!」と思う方も、きっと読み進めるうちに黒い宝石の奥深さに驚くはずです。それぞれの特徴をひとつずつ見ていきましょう。

2-1.ブラックダイヤモンド

ダイヤモンドと聞くと、無色透明でキラキラと輝く石を思い浮かべる人が多いでしょう。けれど実は、ダイヤモンドにはさまざまな色があり、黒い宝石として知られる「ブラックダイヤモンド」もそのひとつです。

内部に硫化物などが入り込むことで黒く変化します。かつては「黒い宝石は美しくない」と評価されず、工業用に使われていた時代もありましたが、20世紀に入ってからファッションジュエリーとして注目を集め、現在ではシックで力強い魅力を持つ宝石として人気があります。

スピリチュアルな面では、ブラックダイヤモンドは強い精神力やカリスマ性をもたらす石とされ、「不屈」「超越」という石言葉を持ちます。身につける人の内面の強さを引き出す、まさに特別な黒い宝石です。

2-2.ブラックサファイア

サファイアと聞くと鮮やかな青色を思い浮かべる人が多いですが、黒い宝石として人気の「ブラックサファイア」もあります。実はこの石、真っ黒ではなく、ブルーが非常に濃くなった結果ブラックに見えるサファイアです。

光に透かすとグレーや深い青みを帯びて見えることもあります。通常、サファイアは色が濃いほど価値が高いとされますが、黒に近いほど暗い色合いのものはジュエリーとしての評価は低め。そのため、ブラックサファイアはジュエリーよりもパワーストーンとして親しまれています。

石言葉は「中心的な存在」。持つ人の内に秘めた力を呼び覚まし、真実を見抜く洞察力を高めるといわれています。また、星のような光の筋が浮かぶ「ブラックスターサファイア」には困難を乗り越える力が宿るとされ、神秘的な魅力を放つ黒い宝石です。

2-3.メラナイトガーネット

ガーネットといえば赤い宝石を思い浮かべる人が多いですが、実は黒い宝石の中にも「メラナイトガーネット」と呼ばれる種類があります。ガーネットは数多くの仲間を持つ鉱物で、赤や緑、オレンジなど多彩な色を持つ“ガーネットファミリー”として知られています。その中でもメラナイトガーネットはアンドラダイト系のガーネットに分類され、鉄を多く含むことで黒く、時には深いブラウンや赤みを帯びた色合いを見せるのが特徴です。角度や光の加減によって異なる表情を見せるため、落ち着いた色味ながら強い存在感を放ちます。

19世紀のイギリスでは喪に服す際のジュエリーとして人気を集め、オニキスやジェットと並び“哀しみをたたえた黒い宝石”として貴婦人たちに愛されました。その後、ロシアの王族たちもメラナイトガーネットを愛用していたといわれています。歴史的にも格式のあるこの宝石は、深い悲しみを癒す石、そして精神を安定させるヒーリングストーンとして知られています。心を落ち着かせ、持ち主に穏やかなエネルギーを与える効果があるとされ、パワーストーンとしても高い人気を誇ります。

また、メラナイトガーネットのように黒やダークトーンを帯びたガーネットは他にも存在します。たとえば赤褐色のヘソナイトガーネットや、チタンを多く含むショーロマイトガーネットなど、どれもわずかな成分の違いによって色や輝きが変化します。ガーネットは“情熱の石”と呼ばれることが多いですが、その中でもメラナイトガーネットは静かな強さを感じさせる、まさに大人の魅力を持つ黒い宝石です。

2-4.ブラックトルマリン

ブラックトルマリンは、別名「ショール」とも呼ばれる黒い宝石です。10月の誕生石としても知られ、ジュエリーショップなどでも目にする機会の多い人気の石です。トルマリンにはピンクやグリーンなど数多くのカラーバリエーションがあり、「トルマリンにない色はない」と言われるほど。その中でもブラックトルマリンは、シックで落ち着いた印象を持つ特別な存在です。

トルマリンの語源はスリランカのシンハラ語「turamali(宝石の粒)」や「toramalli(混ざり合う)」から来ており、その多彩な色を表しています。和名は「電気石」。摩擦や熱によって静電気を帯びる性質があり、古くはほこりを集める石として掃除にも使われたそうです。この性質から「血行を良くする」「疲労回復に効果がある」など、健康を意識して身につける人も多く、トルマリン風呂などでも知られています。

パワーストーンとしてのブラックトルマリンは、強力な魔除けの力を持つとされています。外部からの悪意や嫉妬をはねのけ、持ち主を守る石です。また、自分の中のネガティブな感情も浄化し、前向きな気持ちを取り戻すサポートをしてくれます。落ち込んだ時や大切な挑戦を控えている時などに身につけると、自信と安定をもたらしてくれるでしょう。

2-5.ブラックスピネル

ブラックスピネルは、深く艶やかな黒い輝きを放つ美しい宝石です。見た目がブラックダイヤモンドによく似ていることから、代替石として人気を集めていますが、スピネルならではの魅力も多くあります。スピネルはもともとラテン語の「spina(トゲ)」を語源とし、結晶が尖った形をしていることから名付けられました。天然のスピネルはルビーやサファイアと同じ鉱山で見つかることも多く、かつてはルビーと間違えられて扱われていたほどです。

ブラックスピネルの特徴は、何といってもその強い光沢と透明感。カット面が鋭く光を反射し、シックながらも力強い輝きを放ちます。硬度も高く、日常的に身につけても傷つきにくいのも魅力のひとつです。そのため、男女問わずジュエリーとして人気があり、モード感のある黒い宝石を求める人に選ばれています。

スピリチュアルな意味では、ブラックスピネルは「再生」や「前進」を象徴する石。持ち主の内に秘めたエネルギーを呼び覚まし、困難な状況でも前向きに立ち向かう力を与えると言われています。また、マイナスの感情を浄化し、精神を安定させる作用もあるとされるため、疲れた心をリセットしたい時にもおすすめです。黒い宝石の中でも、静かな中に力強さを秘めた存在がブラックスピネルなのです。

2-6.ブラックオパール

ブラックオパールは、10月の誕生石として知られるオパールの中でも特に神秘的な輝きを持つ黒い宝石です。オパールといえば乳白色のホワイトオパールを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はオパールには数多くの種類があります。その中でブラックオパールは、地色が黒またはグレーの「プレシャスオパール」に分類され、虹色のように揺らめく“遊色効果”が最も美しく現れることで知られています。

濃いブラックの地色に浮かぶ光のゆらめきは、見る角度によって青・緑・赤などに変化し、まるで夜空のオーロラのよう。地色が濃いほど遊色が際立つため、ブラックオパールはオパールの中でも特に高価で希少とされています。産出量も少なく、日本ではバブル期に流行したことから今でも根強い人気があります。

ブラックオパールの石言葉は「威嚇」。その美しさの裏には、自分を強く主張するパワーが秘められています。古くから“魔女の石”とも呼ばれ、持ち主のスピリチュアルな感性を高め、周囲を惹きつける力があると信じられてきました。自分の魅力を最大限に引き出したい時、ブラックオパールは強い味方となる黒い宝石です。

2-7.黒翡翠

黒翡翠(こくひすい)は、深みのある落ち着いた黒色が魅力の黒い宝石です。一般的に翡翠というと鮮やかなグリーンを思い浮かべる人が多いでしょう。実際、もっとも知られているのは緑色の翡翠で、次いで人気が高いのが淡い紫色の「ラベンダー翡翠」です。しかし、翡翠にはグリーン以外にも赤、白、ブラウン、そしてブラックといったさまざまな色が存在します。その中でも黒翡翠は「ブラックジェイド」とも呼ばれ、シックで上品な印象を与える石として知られています。

ただし、「ブラックジェイド」と表記されている石には注意が必要です。翡翠は本来、ジェダイトとネフライトという2種類の鉱物を総称して呼ばれていました。現在の日本ではジェダイトのみが「翡翠」として扱われていますが、英語圏ではネフライトも「ジェイド」と呼ばれるため、混同されることが多いのです。両者は見た目が似ていますが、価値は大きく異なります。そのため黒翡翠を購入する際は、それがジェダイトかネフライトかを確認することが大切です。

黒翡翠の石言葉は「徳」。古くから仁・義・礼・智・信の五徳を象徴する石とされ、持ち主に高い品格と精神的な安定をもたらすと信じられています。また、黒翡翠には悪縁を断ち切り、良縁を引き寄せる力があるとも言われます。邪念を払い、心を静めてくれるため、集中力を高めたい時にもぴったりな黒い宝石です。

2-8.ブラックパール・ブラックマザーオブパール

ブラックパール(黒真珠)とブラックマザーオブパールは、深い光沢と上品な輝きが魅力の黒い宝石です。パールは真珠そのもの、マザーオブパールはその真珠を生み出す母貝の内側を指します。どちらも「生体鉱物(バイオミネラル)」と呼ばれ、生き物が生み出す有機質の宝石です。鉱物のように地中で形成されるものではなく、貝が体内に入った異物を自らの物質で覆うことで作られます。この自然の防衛反応によって生まれるのが、パールの独特の輝きです。

パールの歴史は非常に古く、紀元前から人々を魅了してきました。中でもクロチョウ貝から生まれるブラックパールは、グレーがかった深い黒色の中に虹色の光沢を宿し、見る角度によってさまざまな表情を見せます。落ち着きと気品を兼ね備えたその輝きは、フォーマルなシーンにもふさわしく、冠婚葬祭をはじめ、ビジネスやセミフォーマルな場でも人気があります。

一方、ブラックマザーオブパールはパールを作る母貝の内側部分で、真珠のような丸みはありませんが、同じ光沢を持ち合わせています。パールよりも手に入りやすく、ジュエリーだけでなくボタンやインテリアなどにも広く使われています。どちらもシックで大人の印象を与える黒い宝石であり、「ステータスアップ」「成功」「守護」の意味を持つとされることから、男女問わず身につける人が増えています。ひとつ持っておくと、さまざまなシーンで重宝する存在です。

2-9.ブラックムーンストーン

ブラックムーンストーンは、「月の光を宿す石」と呼ばれるムーンストーンの中でも、落ち着いた色合いが魅力の黒い宝石です。ムーンストーンは古くから神秘的な石として愛されてきました。その最大の特徴は、石の内部から柔らかな光が揺らめくように見える“シラー効果”。この幻想的な輝きが、まるで夜空に浮かぶ月を思わせることから「聖なる石」とも称されてきました。古代ローマでは月の女神ディアナを象徴する石とされ、未来を見通す力を与えるとも信じられていたそうです。

ムーンストーンにはブルーやオレンジ、ホワイトなど多彩な色がありますが、グレーやブラックのものは特にシックで人気があります。色の濃さによってグレームーンストーン、ブラックムーンストーンと呼ばれ、どちらも落ち着いた輝きを放つため、控えめながら上品な印象を与えてくれます。派手さを抑えたい大人のジュエリーとしてもおすすめです。

ブラックムーンストーンの石言葉は「願いの成就」。月のように優しく持ち主を包み込み、悪いエネルギーを遠ざけながら、心を穏やかに整えてくれると言われています。新しいことに挑戦したい時や、前向きな気持ちを保ちたい時にそっと寄り添ってくれる、癒しと守護の力を持つ黒い宝石です。

2-10.ジェット

ジェットは、黒い宝石の中でも少し特別な存在です。というのも、見た目は石のように見えますが、実は「石」ではありません。ジェットの正体は木の化石。太古の樹木が長い年月をかけて化石化し、高い圧力によって黒く艶やかな姿へと変化したものです。そのため「有機宝石」と呼ばれています。見た目は深みのある黒色で、光を受けると柔らかくつやめくのが特徴です。

ジェットはとても軽く、着けている感覚が少ないため、ジュエリーが苦手な人でも使いやすいと人気があります。古くから人々に愛され、イギリスでは19世紀に喪の場面で身につける装飾品として広く用いられていました。特にヴィクトリア女王が喪服の際に愛用したことで、正式な「モーニングジュエリー」として知られるようになったとも言われています。

日本では「黒玉(こくぎょく)」や「黒琥珀」と呼ばれることもありますが、琥珀が木の樹脂の化石であるのに対し、ジェットは木そのものが化石化したものです。そのため本来は別の存在ですが、昔は同じものだと考えられていた時期もありました。

ジェットの石言葉は「魔除け」「忘却」。古代ヨーロッパでは強力な守護石とされ、悪い夢や不運を遠ざけるお守りとして大切にされてきました。修道士のロザリオや教会の装飾にも使われ、長い歴史の中で多くの人々を支えてきた宝石です。一時期は原石がほとんど採れず姿を消しましたが、再び産出されるようになり、今もなお人々を魅了し続けています。

2-11.ラブラドライト

ラブラドライトは、一見すると地味なグレーやブラックの石ですが、角度を変えるとブルーやグリーン、オレンジなどの光が浮かび上がる美しい宝石です。この幻想的な光は「ラブラドレッセンス」と呼ばれ、まるでオーロラのような輝きを見せます。光の反射によって生まれるこの現象は、真珠やオパールの遊色効果にも似ており、見る人を惹きつける神秘的な魅力があります。

名前の由来は、18世紀に発見されたカナダのラブラドル地方。現地では「ファイアストーン」と呼ばれ、その粉末が薬としても使われていたと言われています。炎のように揺らめく光を持つことから、北欧の伝承では「オーロラを地上に閉じ込めた石」とも呼ばれ、昔から特別な意味を持ってきました。

スピリチュアルの世界では、ラブラドライトは「変化と癒しの石」として知られています。持ち主の心と体のバランスを整え、不安や恐れをやわらげてくれる効果があるとされています。また、他人からの悪意を跳ね返し、良い人間関係を築くサポートをしてくれるとも言われています。職場や人間関係のストレスを軽減したい人には特におすすめのパワーストーンです。

ジュエリーとして身につけてももちろん素敵ですが、原石をインテリアとして飾るのも人気があります。見るたびに穏やかな気持ちになり、前向きなエネルギーを与えてくれる——そんな癒しの力を持つ黒い宝石が、ラブラドライトです。

2-12.モリオン・スモーキークォーツ

スモーキークォーツとモリオンは、どちらも水晶の仲間にあたる黒系の宝石です。透明なクリスタルと違い、落ち着いた色合いが特徴で、静かな美しさを持っています。

スモーキークォーツは、内部に微量のアルミニウムを含むことで自然界の放射線に反応し、グレーやブラウン、ブラックがかった色へと変化したものです。透明感のある淡い色から深いチャコールグレーまで幅があり、柔らかく上品な印象を与えます。

モリオンはスモーキークォーツがさらに濃く変化したもので、光を通さない漆黒の水晶です。天然で完全なブラックは珍しく、多くは放射線処理によって色が強められています。スモーキークォーツとモリオンは同じ鉱物であり、色の濃さで呼び方が変わる程度の違いです。

スモーキークォーツの和名は「煙水晶(けむりすいしょう)」、モリオンは「黒水晶(くろすいしょう)」。その名の通り、穏やかで落ち着いた雰囲気を持つ宝石です。

スモーキークォーツの石言葉は「安眠」「忍耐」。大地のエネルギーを持ち、心を落ち着けて前向きな気持ちにしてくれると言われています。モリオンの石言葉は「規律」「聖域」。強力な守護の力を持ち、悪運を寄せつけないお守りの石としても人気があります。

心を整えたい時や、悪い流れを断ち切りたい時。スモーキークォーツとモリオンは、静かに力を貸してくれる黒い宝石です。

2-13.オニキス

黒いパワーストーンの代表といえば、やはりオニキスです。不透明で艶やかな黒が特徴の石で、落ち着いた印象ながら強い存在感があります。鮮やかな色の宝石が苦手な人でも取り入れやすく、パワーストーン初心者にも人気の高い石です。

オニキスはアゲート(瑪瑙)の仲間で、本来は黒地に白い縞模様が入っており、その模様が爪の跡のように見えたことから、ギリシャ語で「爪」を意味する“onyx”と名づけられました。現在よく見られる真っ黒なオニキスは、縞模様のない部分を切り出したものや、似た性質を持つブラックカルセドニーがオニキスとして扱われている場合もあります。

石言葉は「成功」「秘密」。その名の通り、持ち主の心を落ち着かせ、悪縁を断ち切る力を持つとされています。人間関係を整理し、良縁を呼び込むパワーストーンとしても知られ、精神を安定させて前向きな気持ちを引き出してくれるでしょう。

2-14.ヘマタイト

ヘマタイトは「赤鉄鉱」と呼ばれる酸化鉱物の一種で、鉄の原料にもなる石です。名前に「赤」とありますが、磨くと鏡のように艶のあるブラックに変わります。黒い宝石の中でも金属のような光沢を持ち、落ち着きの中に力強さを感じるパワーストーンです。

粉末にすると赤くなる特性があり、古代では絵具や顔料として使われていました。日本でも旧石器時代の遺跡から、ヘマタイトの粉を着色に使った痕跡が見つかっています。古代ローマでは、戦士が戦場に向かう前にヘマタイトの粉を体に塗り、軍神マルスの加護と止血の効果を得ようとしたと伝えられています。またその輝きから、鏡の代わりに使われていたこともあったそうです。

ヘマタイトは磁気を帯びる性質を持ち、血行を良くする・健康を保つ石とも言われます。実際に天然で磁気を持つものはまれですが、人工的に磁気を加えたものが多く流通しています。現代でも記録用テープなどに使われ、古代から現代まで人々の生活を支えてきた石です。

石言葉は「勝利」「生命力」「行動力」。前に進む力を与え、ネガティブな感情を払う効果があるとされています。勝負事や挑戦の場で力を発揮したい人、行動的になりたい人にぴったりの黒い宝石です。

2-15.オブシディアン

オブシディアンという名前より、「黒曜石」と言えばピンとくる人も多いでしょう。古代から使われてきた天然の素材で、石器時代には矢じりやナイフ、装飾品などに加工されていました。現代ではその艶やかな黒が魅力のパワーストーンとして親しまれています。

実はオブシディアンは鉱石ではなく、火山の噴火で流れ出た溶岩が急速に冷えて固まった天然ガラスの一種です。割れやすい性質を持ちながらも、断面が鋭く光を反射するため、古代では刃物として重宝されてきました。火山地帯で採れるため比較的手に入りやすい石ですが、光沢や模様が美しいものは高値で取引されることもあります。

石言葉は「不思議」「才能開花」。古来より不思議な力を宿すとされ、占いや儀式にも使われてきました。持ち主の内面を映し出し、隠れた才能や本音に気づかせてくれると言われています。自分を見つめ直したい時や、心を整理したい時にそっと寄り添ってくれる黒い宝石です。

3.まとめ

今回はブラックダイヤモンドやブラックサファイアなど、黒い宝石15種類をご紹介しました。

黒い宝石というと地味なイメージがあるかもしれませんが、研磨・カットしてキラキラと輝くもの、内部から光を放つもの、あるいは表面がつやつやているものなど、さまざまです。色もまっくろなものもあれば半透明なもの、グレーに近いものなど、一口に黒い宝石といってもすべてが同じではありません。それぞれに個性がある宝石ばかりでした。

黒い宝石は周囲の注目を集めるような派手なものではありません。ですがやはり華があり、静かな存在感を放ちます。

イメージは「大人」「クール」「仕事ができそう」。そんな雰囲気を漂わせる黒い宝石を、ぜひうまく使ってください。他の人とは一味違うような自分になることができるでしょう。

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