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パテックフィリップの前身、チャペックとは?歴史と魅力を解説。

チャペックがパテック・フィリップの前身にあたるブランドであることは時計愛好家の間では有名です。そして高級時計ブランドとしては初のクラウドファンディングにより復活したブランドとして世間に評価されるようになりました。水平分業やクラファンなど独特なスタイルですが、実際の時計はいずれも最高峰のデザインと技術の結晶です。 この記事ではチャペックの歴史、魅力、代表シリーズ、オリジナルの機構やデザイン、おすすめのモデルについてまとめました。 1.【パテック・フィリップのルーツ】チャペックが歩んだ歴史。 1-1.パテック・フィリップの前身としてCzapek&Cieを設立。 チャペックはフランソワ・チャペックによって興されたブランドです。チャペックは1811年に旧ボヘミアのセモニッツ(現チェコ共和国)に生まれ、ロシア支配に対する1830年の反乱「11月蜂起」後に時計職人としてワルシャワへ逃亡しました。ジュネーブでアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックと出会いました。パテックもポーランドの貴族の家に生まれ、チャペックと同じように11月蜂起後にジュネーブに落ち着いたのでした。 1839年に6年限定で共同事業会社パテック・チャペック社を設立。後にパテック・フィリップの源流となるブランドでした。役割分担がハッキリしており、パテックがセールスや管理、チャペックが時計製造を担っていました。契約期限となる1845年の1年前にパリ博覧会に出店すべく現地を訪れた際に時計師ジャン・アドリアン・フィリップと出会い意気投合。 翌年1845年にフィリップの参加と合わせるようにチャペックはパテック・チャペック社を去りました。この時社名はパテック社に変更し、1851年にはパテック・フィリップ社に再度変更しています。その後チャペックは新パートナーとなるユリウシュ・グルツェフスキーと共に1845年にチャペック社を設立しました。 1-2.1869年チャペックの消息が不明 チャペック社は大きな繁栄を収めました。1850年に後にブランドのアイコン的デザインとなる懐中時計No.3430を製作し貴族に愛用されました。皇帝ナポレオンの宮廷時計職人となり、ジュネーブとパリのヴァンドーム広場にはブティックを、ワルシャワにはアトリエを所有していました。 初のポーランド語による時計技術解説書『Zegarmistrzowstwie』を著していますが、1869年以降チャペックは第二巻を出版する前に消息をたっています。この後2012年の再設立までブランドは休眠状態にありました。 1-3.2015~2017年クラウドファンディングにより復活 休眠から一世紀以上先の2012年にザビエル・デ・ロックモーレル、ハリー・グール、時計師のセバスティアン・フォロニエの3人によってブランドは蘇りました。キッカケはハリー・グール氏で、2001年にパテック・フィリップでチャペックの存在を知ったことに始まります。 彼の父の友人の伝手でラグジュアリーブランドに精通したザビエル氏と知り合ったことでブランドの創立に向けて動き出します。最初の問題として挙がった財務問題を時計業界初となるクラウドファンディングで乗り越えました。家族や知人、友人から始まり投資の意思がある人を集め、約2億2800万円の資金調達を果たしました。 2015年に復活第一弾として発表されたケ・デ・ベルクは懐中時計No.3430を範とした4:30、7:30位置のサブダイヤルが特徴で、ムーブメントも新たなに開発したCal.SXH1を搭載しました。 それ以降もプラスヴァンドーム、フォーブル・ド・クラコヴィと新作を発表し、2020年に発表したアンタークティックは2022年あまりの人気に生産が追いつかないほどとなっています。2023年にはスケルトンデザインが特徴的な『アンタークティック・レヴェラシオン』が新作として発表されました。ムーブメントがダイヤル側に配置されていることによって、着用する人にワクワク感を与えてくれます。定価は約700万円超という高い値段ではありますが、今後リセール率の高い腕時計になると筆者は予想します。 チャペックは復活したてのブランドのため、まだまだ発展途中です。今後様々なシリーズが発表されていくのが楽しみです。 2.チャペックの魅力 2-1.同じヌーシャテル州内での水平分業による最高峰の技術 チャペックは時計業界では珍しい水平分業のスタイルの会社です。水平分業とは針、文字盤、ケースなど各パーツメーカーごとに購入し、組み立てる方式です。ブランドの中でも普及品や入門シリーズなど、比較的リーズナブルなモデルに対しては各部品メーカーからの購入品を使うケースが多いです。 反対は垂直統合ですが時計業界ではマニュファクチュール、自社一貫生産と表現することが多いです。マニュファクチュールでは設計から組み立てまですべての部品や工程を自社および関係社だけで行うことです。時計業界ではマニュファクチュールに重きを置いているブランドが多く、自社一貫体制で生産することで一つのモデルへのこだわりを強く反映させることができます。 では水平分業ではこだわりを投影できないのかというと、決してそういったことはありません。チャペックではヌーシャテル州内で最高峰の技術をもった各サプライヤーの部品を買い付け組み合わせることで最高品質の時計をつくりだしています。サプライヤーとの共同開発や、長い期間取引を行うことで強い信頼関係の下でパーツがつくれるなら、マニュファクチュールと条件は同じです。 2-2.ケース・文字盤共に独特な世界観による美しさ チャペックの時計はどれも独特な世界観をもっています。アイコンシリーズとなるケ・デ・ベルクは海中時計を思わせるゆったりとしたクラシックなモデルで構成されていますが、文字盤のカラーバリエーションは赤・緑・黒・青だけでなくエナメルなど幅広い展開がなされています。 プラスヴァンドームはオフセンターされた時分針のダイヤルが特徴で、サブダイヤルからはトゥールビヨンが見えるため機械式時計の魅力をメカニカルに伝えようとするデザインです。アンタークティックは南極大陸の名前をもっており、ヴァーニッシュ仕上げで深淵を意味するアビス、オリオン星雲を意味するオリオン・ネビュラなど、復活して間もないこともあり、世界観が固まり切っていないような印象です。逆にいえばブランドの柱をこれからつくりだしていくようなベンチャー的な雰囲気を感じさせます。 2-3.非常に限られた生産本数によるレアリティ チャペックの時計は高い技術をもった決められた職人による手作りのため、生産本数が限られています。2022年時点での年間生産本数は800本と言われています。2020年には年産180本だったことから考えると年々生産本数を伸ばしており、ファンの要望にできるだけ応えようとしているのが伺えます。 2022年にルロックルのオフィスだけでは手狭になり、ラ・ショー・ド・フォンに念願の自社工房を設立しました。(元々ルロックルのオフィスはサプライヤーの一つであるクロノード社内に間借りした部屋です)それまで資金余力のなかったチャペックにとって、自社工房で生み出した時計が次々と売れていったことはブランドの第二の黄金時代に到達したとザビエル氏がインタビューで応えています。 今最も人気の高いアンタークティックはチャペックが抱える受注残の8割を占めており、年産本数の4倍近くの受注残があるとのこと。今後中古市場含め入手性が低く、非常にレアリティの高いブランドとなっていくと見られています。 3.チャペックの代表シリーズ 3-1.ケ・デ・ベルク ケ・デ・ベルクは2015年にチャペックが復活後に初めて発表したシリーズです。シリーズ名はかつてチャペックが工房を構えたジュネーブの通りに由来します。 懐中時計No.3430からインスピレーションを得てデザインされており、4:30、7:30位置のサブダイヤルが特徴的です。4:30位置のサブダイヤルは1本の針で曜日とパワーリザーブを表示する珍しい機構を搭載しています。ムーブメントは発表時にクロノード社と共同で開発されたCal.SXH1を搭載。フルール・ド・リス(百合の花)の針が歴史を感じさせる印象的なデザインです。 チャペックにとって象徴的でアイコニックなシリーズとなっており、他のシリーズに比べブレない世界観をもっています。チャペック独自のリコシェギョーシェ文字盤やオリジナリティーのあるサブダイヤルの配置など、そこかしこにオリジナリティーの散りばめられたデザインです。 3-2.プラス・ヴァンドーム プラスヴァンドームはチャペックがブティックをオープンしたヴァンドーム広場に由来するシリーズ名です。チャペックの中でもハイエンドなシリーズとなっており、複雑機構の代名詞となるトゥールビヨンを搭載しています。 オフセンターされた時分針表示のダイヤルの中にパワーリザーブ表示、4時半位置のサブダイヤルでローカルタイム表示、6時位置の小さなダイヤルでナイト&デイ表示、7時半にはトゥールビヨンが配置されています。 2023年頭の時点で3つのモデルが発表されており、グレード5のチタンケースにADLCを施しブラックカラーをベースにしたダークマター、チタンケースにスモーキーなグレーを組み合わせたモノトーンカラーのチタンオンブル、唯一ブルースチールの針を採用し白文字盤に位置し、一転ブラックカラーを排除しつつ72個のバゲットダイヤモンドを散りばめた煌びやかなプラチナケース製のプラチナエタンセルとなっています。 3-3.フォーブル・ド・クラコヴィ フォーブル・ド・クラコヴィはチャペックにとって3番目のシリーズで、1850年にポーランドのワルシャワにオープンしたブティックの場所にちなんで名付けられました。 一見、ツーカウンターのクロノグラフのように見えますが、3時位置と9時位置のサブダイヤルはクロノグラフの積算計となっており、段がついたり文字盤とは違う色が設定されたりと目立つようデザインされています。一方、6時位置の秒針のサブダイヤルは文字盤に馴染むようにデザインされており、全体の雰囲気を邪魔しないようになっています。 独自で手作りで描かれる波紋が広がるようなレゾナンス(共鳴)ダイヤルや、まるで夜空のような美しさをもつアバンチュリン文字盤、グランフーエナメル文字盤など多彩なデザインが楽しめます。ムーブメントはクロノード社と共同開発したCal.SHX3を搭載しています。 3-4.アンタークティック アンタークティックはチャペック唯一のラグジュアリースポーツシリーズです。ブレスレットと一体化したケース、上品ながら機能性はしっかり確保されているリューズガード、スーパールミノバにより夜行処理された剣針やアワーマーカーなど、スポーティーなデザインにまとまっています。 通常のモデルはケースサイズ40.5mmですが、よりスリムな手首に馴染む38.5mmモデルのアンタークティックSも展開されています。これはシェアホルダー(大株主)からの要望により生まれたモデルで、2022年にジュネーブサロンにて発表されたばかりです。 モデルによって文字盤は別のものが用意されています。例えば「永遠への階段」の名をもった不規則な台形パターンや地球上でもっとも希少な貴金属であるオスミウムを使用した文字盤など、文字盤メーカーのメタレム社との共同で開発されました。独特な美しさをもつ文字盤は、他ブランドとは違った世界観を楽しめます。南極大陸の名をもつアンタークティックらしいクールな雰囲気をもったモデルが多く展開されています。 ムーブメントは自社製ムーブメントCal.SXH5が搭載されています。創業者のフランソワ・チャペックが19世紀頃に懐中時計に搭載したスケルトンブリッジにインスピレーションを得て開発されました。マイクロローターやフリースプラング、スケルトンブリッジといった古典的な機構と最新の機構がブレンドされたチャペックならではの世界が楽しめるムーブメントです。どれもシースルーバックなので、ムーブメントの動きも楽しめます。 アンタークティックは2022年8月時点で受注残の80%を占めるほどの人気となっており、手に入れるのが難しくなっています。中古市場で見かけることがあれば幸運でしょう。 3-5.アンタークティッククロノグラフ アンタークティッククロノグラフはアンタークティックをベースにしたクロノグラフモデルですが、2023年始めの時点ではラトラパント、つまりスプリットセコンドクロノグラフ搭載のスケルトンモデル2種のみの展開です。 専用に開発されたムーブメントのCal.SHX6は、スケルトナイズされた文字盤側から最も美しく見えるように輪列を調整する徹底ぶり。パーツ点数も減らし、スケルトンクロノグラフといえばごちゃごちゃ感を楽しむもの、といった固定概念を覆すほど奥まではっきり見えるのが特徴です。 文字盤は懐中時計No.3430をベースにし、4:30、7:30にサブダイヤルを配置しています。スプリットセコンドクロノグラフだけでも複雑系を代表する機能の一つですが、スケルトンで、文字盤デザインもブランドのルーツを感じさせるものと、チャペックの世界観が詰め込まれているシリーズです。 2021年発表のシルバーグレイと2022年発表のアイスブルーはミニッツリング、サブダイヤルのリングの色が大きな違いで、年間生産量も違っています。シルバーグレイで成功したため、アイスブルーで生産量を増やしているようです。まだまだ展開としては発展途上な雰囲気もありますが、さらなる進化を感じさせるシリーズでもあります。 3-6.クリスタルタイム クリスタルタイムは現在サンズオブタイム1種だけの展開です。サンズオブタイムは腕時計ではなくボヘミアンクリスタル製の砂時計で、歴史的で最高峰のチェコのガラスメーカーMOSER(モーゼル)とのコラボレーションにより生まれました。チェコのメーカー、19世紀半ばに誕生したという共通点から提携が始まったといいます。 高さ22.5cmのブルーとグリーンのオブジェです。測定時間は5分。モーゼルは二酸化珪素の結晶、石英などを使いこなせる世界でも数少ないメーカーで、クリスタルの着色にはレアアースを混合したものが使用されています。基礎混合物を焼成しエナメル質に溶解させたものを木型に鋳造します。最終的な形状はマイスターによる吹き上げによるハンドメイドです。 4.チャペックのオリジナルな機構やデザイン 4-1.チェコ産のオリジナリティー チャペックのオリジナリティーの一つにチェコ生まれということがあります。創業者のフランソワ・チャペックの生まれがチェコだったこともあり、彼のルーツとなるチェコへのリスペクトを欠かしません。その一つにチェコの名産ボヘミアンガラスの名門モーゼルとのコラボモデルとなるボヘミアガラス製の砂時計サンズオブタイムがあります。チェコ生まれのポーランド人ということもあり、ポーランドへのオマージュモデルがつくられたこともあります。 時計の生産はスイスで行っています。チャペックは水平分業を取り入れているため、多くのサプライヤーの力を借りて一つの時計をつくりだしています。サプライヤーの95%がスイスヌーシャテル州にあり、ラショードフォンの工房に集められ組み上げることで時計がつくられています。 4-2.懐中時計No.3430をルーツとする4:30、7:30位置のサブダイヤル チャペックの復活第一弾として発表されたケ・デ・ベルクは文字盤のサブダイヤルの位置が4:30、7:30位置と独特なデザインとなっています。プラスヴァンドームについてもトゥールビヨンやローカルタイムの表示は4:30、7:30位置に配置されており、他のブランドではあまり見ることのないデザインです。 これは1850年に製作された懐中時計No.3430がルーツとなっています。フランソワ・チャペックがパテック・チャペック社を離れ独立後に宮廷時計師として貴族に寵愛を受けていた際にナポレオン三世に納品されたとされるのがこの懐中時計です。 ブランドにとってのルーツとなるNo.3430への敬意から、多くのモデルにサブダイヤルを4:30、7:30位置とするレイアウトを採用しています。文字盤一つとっても、復活したチャペックが歴史へのリスペクトを欠かしていないことがわかります。ユーザーにとっても、No.3430やチャペックの歴史を知った上で見ると、もっと楽しむことができそうです。 4-3.ゾイサイトなどの新しい鉱物や素材への取り組み チャペックは新しい材質や技法を積極的に導入しているブランドです。例えば2020年モデルのプラス・ヴァンドーム “アル・カンツ”では、時分針のアワーマーカーが乗るリングは特殊な半貴石のゾイサイトを採用しています。ブルーのゾイサイトはタンザナイトと呼ばれており、このモデルのようなグリーンの輝きをもつゾイサイトを採用した唯一の時計とされています。 表面処理についてもこだわりをもっており、元々医療業界向けに開発されたCVD(Chemical Vapor Deposition - 科学蒸着)の変形であるALD(Atomic Layer Deposition - 原子層堆積)を時計業界に持ち込むなど、他のブランドではできないチャレンジがチャペックの特徴です。水平分業により文字盤専門メーカーならではの新しい見解やオリジナルのデザインなど、マニュファクチュールの一貫生産では難しい他業種の技術の採用が可能です。 水平分業のチャペックらしい強みを活かした幅広いチャレンジで、文字盤に留まらずサブダイヤルやアワーマーカーのリングは特殊な仕上げを施したりと幅広いデザインを採用しており、今後も変わった素材の採用が期待されています。 4-4.自在の振動数設定が可能なムーブメント開発技術 パテック・チャペック社時代には開発など技術的な分野を一手に引き受けていたフランソワ・チャペックですが、そのDNAは一時的に休眠しても残っています。 自社製ムーブメントの展開は協力会社のクロノード社との共同開発により行われていますが、例えばCal.SXH1は振動数6Hzの一般的なムーブメントですが、一方でCal.SHX3の振動数10Hzはハイビートの10Hzとなります。 ロービートは昔ながらの時計の仕組みといったところで、てんぷの振りが比較的ゆっくりなため、衝撃に弱いなど精度の安定感に欠けます。ハイビートは最近採用される数が増えてきており、振動数が多く振るスピードが早いため衝撃を受けても影響されにくいといった特徴があります。 ゼニスのエル・プリメロくらいだった10振動は今では様々なブランドが取り組んでいます。チャペックも波にのっており、10振動ムーブメントの開発に成功しています。これから開発されるムーブメントについても高い技術が活かされることが期待されます。 4-5.ユニークな文字盤デザイン チャペックの特徴の一つにユニークな文字盤があります。多彩なギョーシェを駆使する文字盤だけでなく、エナメルやヴァーニッシュ仕上げなど、職人の手仕上げによるものもよく見られます。生産数を絞り込んでいるのもあり、限定モデルの数量が10本や100本に満たないケースも多く、手仕上げが多く採用されています。 懐中時計No.3430をルーツとするサブダイヤルの位置も独特で、強く自己主張するでもなく一目でチャペックだとわかるほどユニークです。矛盾するようですが、レトロさと真新しさがうまく同居しているような雰囲気をもっており、見れば見るほど深みを感じる文字盤です。 特に主にケ・デ・ベルクで採用される2つの焦点をもつリコシェギョーシェ文字盤は、1850年代のチャペックの時計からインスピレーションを得て開発されました。手作業による旋盤操作でしか描けないギョーシェパターンはこだわりの強いチャペックならではです。 5.チャペックのおすすめモデル5選 5-1.ケ・デ・ベルク エテルニテ No.29S Ref.CZQDB29S Ref.CZQDB29Sはチャペックのアイコンシリーズとなるケ・デ・ベルクのグラン・フー・エナメル文字盤が特徴の限定モデルです。100本限定生産となります。ブランドのルーツとなる懐中時計No.3430のレイアウトを活かしたケ・デ・ベルクのデザインはそのままにエナメル文字盤のつるりとした真っ白な文字盤に仕上がっています。 ムーブメントはクロノード社と共同開発のCal.SXH1を搭載しており、現行では地板が大きくくり抜かれスケルトン化されていますが、このモデルは変更前のものとなります。ケースは18Kホワイトゴールド製で38.5mm径と扱いやすいサイズ感です。アヤメの花を意匠にしたフルール・ド・リスのデザイン針となっており、かつて貴族に納めていた頃の時計を思わせる雰囲気をもった一本です。 5-2.プラス・ヴァンドーム・ダークマター Ref.CZPV_DM Ref.CZPV_DMはフランソワ・チャペックが19世紀にブティックをオープンしたパリの広場にちなんで名付けられたプラスヴァンドームのうちの一本です。オフセンターされた時分針表示のダイヤルの中にパワーリザーブ表示、4時半位置のサブダイヤルでローカルタイム表示、6時位置の小さなダイヤルでナイト&デイ表示、7時半にはトゥールビヨンが配置されています。時分針のアワーマーカーが配置されているリングはグランフーブラックエナメルで、針はホワイトゴールド製です。 ケースの材質はグレード5のチタンにADLCコーティングを施しており、耐傷性を上げています。ムーブメントはクロノード社と共同開発したCal.SXH2を搭載しており、パワーリザーブ表示・ローカルタイム表示・デイ&ナイト表示・トゥールビヨンと多機能なムーブメントとなっています。 5-3.アンタークティック アビス アンタークティック アビスはチャペック初のラグジュアリースポーツシリーズのアンタークティックからの一本です。シリーズ名であるアンタークティックは南極のことですが、文字通り南極の深淵(アビス)で絶え間なく揺れ動く水の流れをイメージした文字盤となっています。 光と闇の両方を感じる妖艶な文字盤で、メタレム社の職人による手作業で描かれたヴァーニッシュ(ニス)仕上げが特徴です。世界限定10本のみの生産となりますが、手作業のため文字盤は少しずつ違っておりユニークピース(ダイヤル)となります。 搭載されている自社製ムーブメントCal.SXH5.01は4つのゴールド製のウェイトを備えたフリースプラングを採用しています。100%リサイクル認定済み18Kゴールドで製造されたマイクロローターは唯一スイス以外のサプライヤーとなり、ドイツのAGOSI社の製品を加工して使用しています。 5-4.フォーブル・ド・クラコヴィ カリフォルニア・ドリーミン フォーブル・ド・クラコヴィ カリフォルニア・ドリーミンはブランドの起源にまつわるストーリーをもつ特別なモデルです。ただし今回は創業者のフランソワ・チャペックではなく、2012年にブランドを復活させた3人の起業家たちに向けて制作されました。 チャペック・デザイン・スタディ・クロノグラフと名付けられた復活前最初期のこの時計は、チャペックの復活の際に市場テストのためにつくられたモデルで、クラウドファンディングの新株発行に伴う資金調達よりも前の初期段階における資金源として本人や仲間内で販売されました。2015年発表のケ・デ・ベルクに搭載されている自社製ムーブメントSHX1の設計・開発に必要な資金となりました。カリフォルニア・ドリーミンのインスピレーションはチャペック・デザイン・スタディ・クロノグラフから来ています。 アワーマーカーはXからIIがローマ数字、4から8がアラビア数字のカリフォルニア・デザインで、真鍮にアントラサイトの電解メッキが施されています。クロノグラフの時分針はスーパールミノバでコーティング処理されており、暗所でも時刻を読み取れます。ツーカウンターのクロノグラフで、往年のクロノグラフのようなクラシックな雰囲気が特徴です。自社製ムーブメントCal.SXH3で、垂直クラッチでコラムホイール式、てんぷは両持ちでフリースプラングと現代的で最新の技術が詰め込まれています。 5-5.アンタークティック・ラトラパントアイスブルー(2022新作) アンタークティック・ラトラパントアイスブルーはアンタークティックのケースデザインにラトラパンテ、つまりスプリットセコンドクロノグラフを搭載しつつ、スケルトン化された文字盤からその動きを余すところなく楽しめる一本です。 ムーブメントの開発時点でクロノグラフの輪列構造を文字盤側に配置した設計になっており、スケルトン文字盤の利点を最大に活かしています。文字盤のレイアウトは懐中時計No.3430を踏襲しており、サブダイヤルの位置は4:30、7:30位置のため、一目でチャペックの時計だとわかります。ミニッツリング、サブダイヤルのリングはブルーフュメ仕上げになっており、アンタークティック(南極大陸)と相性のいいアイスブルーでデザインされています。 クロノード社との共同開発で生まれたCal.SXH6は主要部品数を減らして厚みを抑えつつ、スケルトン化されたムーブメントの美しさをわかりやすくしています。垂直クラッチではなく水平クラッチを採用しているのも、美しさをしっかり見てもらうため。徹底されたこだわりが詰まったモデルです。 6.まとめ チャペックの歴史、魅力、人気シリーズ、オリジナルの機構やデザイン、おすすめのモデルについて紹介しました。パテック・フィリップから始まり、クラウドファンディングで現代に復活する劇的な歴史を歩んだチャペックは、すぐに時計愛好家の目に止まったようで既に人気の高さから入手が困難となっています。もしチャペックの時計を見かけたときにはぜひ一度手に取ってみてください。

2023年7月19日

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