2023年12月15日
【世界中の憧れ】ティファニーの歴史や魅力について徹底解説!
ジュエリー
ブランド
ティファニーは世界5大ジュエラーのひとつで、数あるラグジュアリーブランドの中でも屈指の歴史を持つブランドです。
ティファニーはアメリカ創業の高級宝飾店。アメリカ建国から50年ほどで創業されて今もなお続いているブランドは他にはありません。2021年LVMHに買収されるまで180年以上もアメリカの独立系ブランドとして歩み続けてきました。そして今も進化し続けています。
長い歴史の中には、語りきれない多くのストーリーがあります。今回の記事では、ティファニーの創業から現在までの歴史について詳しく解説していきます。ティファニーの魅力や歴代のデザイナー、代表的なコレクションも紹介しているのでご覧になってください。
目次
- 1.【年表形式】ティファニーの歴史
- 1-1.【1837年】文房具店からの始まり
- 1-2.【1845年】ティファニーブルーの誕生
- 1-3.【1848年】フランス2月革命がティファニーの大きな転機に
- 1-4.【1851年】銀製品製造の開始 スターリングシルバーの確立
- 1-5.【1878年】世界最大のイエローダイヤモンドを購入
- 1-6.【1886年】婚約指輪の定番となるティファニーセッティングを発表
- 1-7.【1902年】創業者チャールズ・ルイス・ティファニーから息子へビジネスを継承
- 1-8.【1961年】映画「ティファニーで朝食を」が公開
- 1-9.【1968年】ジェムストーンの探究 タンザナイトの発見
- 1-10.【2000年】ティファニー財団を設立
- 1-11.【2021年】LVMHグループがティファニーを過去最高額で買収
- 1-12.【2023年】ニューヨーク本店がリニューアルオープン
- 1-13.【番外編】大人気ゲームポケモンとコラボ
- 2.現在の立ち位置に直結するティファニーの魅力とは
- 3.トレンドを作り上げたティファニーの歴代デザイナー3人
- 4.ティファニーの代表的なコレクション
- 5.伝統を受け継ぎつつ、進化する現代のティファニー
1.【年表形式】ティファニーの歴史
出典:TIFFANY&Co.
ティファニーの名は、世界中の誰もが知る高級ジュエリーブランドです。では、ティファニーの歴史について詳しく知る人はどれくらいいるでしょうか。おそらくティファニーの名は知っていても、歴史まで詳しく知る人はそれほど多くいないのではないでしょうか。
ここから、ティファニーの歴史について詳しく解説するので早速見てみましょう。
1-1.【1837年】文房具店からの始まり
出典:TIFFANY&Co.
ティファニーは、1837年にニューヨークのマンハッタン259番地に文房具店としてオープンしたのが始まりです。この年は偶然にも、フランスでエルメスが創業したのと同じ年になります。
創業者は、チャールズ・ルイス・ティファニーと友人のジョン・B・ヤングの2人。
当初は2人の名からとった「ティファニー・ヤング&エリス」という会社名で始まりました。チャールズ・ルイス・ティファニーはアメリカのコネチカット州に生まれ、子供の頃から父親が営んでいた綿製造の仕事を手伝って暮らしていました。
25歳になるまで父親と働いていましたが、一生このままでいいのかと悩むようになり、友人と一緒にニューヨークへ移ることを決心。父親へニューヨークで商売がしたいと打ち明けます。父親はティファニーの覚悟を受け入れると、1000ドルの資金を提供してくれました。こうして始まった文房具店。初日の売り上げは5ドルにも満たないものでした。
当時、ものの値段は時価が一般的でしたが、ティファニーたちは各商品に値札をつけて値引き交渉には応じないというもので、当時としては画期的なスタイルでした。そして値引きをしない代わりに品質の良いものを取り扱うようにしていました。
すると次第に店の評判は上がっていき、常連客も増えて少しずつ繁盛するようになっていったのです。
1-2.【1845年】ティファニーブルーの誕生
出典:TIFFANY&Co.
1845年、ティファニーは世界初となる通信販売メールオーダーカタログのブルーブックの発行を開始。この頃から、これまで販売していた文房具の他に、中国からの輸入品や日本の紙張り子ステッキなどの販売を始めました。
自社商品を載せたカタログは現在でも秋に年1回発刊されています。そしてブルーブックの青色は、今現在も続くティファニーのブランドカラーの起源となります。この綺麗なブルーカラーは、春の訪れを告げる小鳥、コマドリの卵の色からきているものです。コマドリは、イギリスの国鳥であり、「春を告げ、幸せを運ぶ鳥」と言われています。
そしてこのコマドリの卵の色は、大切なものを表す色として使われます。
イギリスではかつて、土地や資産を記録する台帳などの表紙に、この青色が使われていました。ティファニーが、ブランドカラーに幸せの象徴である青色を使う意味は、「大切なものを手にして欲しい」「幸せを届けたい」という意味が込められているのでしょう。
1-3.【1848年】フランス2月革命がティファニーの大きな転機に
出典:TIFFANY&Co.
ティファニーが宝石の販売を始めたのは、1848年にフランスで起こった2月革命がきっかけとなります。
ティファニーは、この2月革命の勃発に伴い、貴族たちから貴重な宝石を格安で買い取りました。その中にはフランス王室の宝飾品や王冠なども含まれていたと言われています。まだその当時、アメリカで宝石を扱う店がなかったため、アメリカ国内の富裕層は宝石を買うために、こぞってティファニーへ訪れたのです。
このことがきっかけで、ティファニーはアメリカを代表する宝石商として確立しました。
後には、「キング・オブ・ダイヤモンド」とまで呼ばれるようになったのです。
1-4.【1851年】銀製品製造の開始 スターリングシルバーの確立
出典:TIFFANY&Co.
1851年には、ニューヨークの銀細工師のジョン・C・ムーアの事業を買収します。そして銀製品の製造を開始しました。
ティファニーは、シルバージュエリーの自社純度基準を925/1000と設定。
このティファニーが定めた純度92.5%が、後にアメリカ合衆国における公式な純度基準となったのです。この純度92.5%のシルバーのことを「スターリングシルバー」と名付けました。英語のsterlingには、「価値ある」「本物」などの意味があります。
そして同じ年に、スイスの老舗時計ブランド「パテック・フィリップ」と提携を結び、時計の販売を始めます。1853年、チャールズ・ルイス・ティファニーは、会社の経営権を共同経営者たちから買い取り、現在の会社名である、ティファニー&カンパニー(Tiffany&Co)へ変更しました。
ティファニーのニューヨーク本店の入り口には、ギリシア神話の巨人アトラスに支えられた大時計が設置されました。このアトラスクロックは、現在もニューヨークにある最古の公共時計として飾られています。この頃からティファニーブルーとも言われる青色をカンパニーカラーとして正式に設定。この色は後に特許も取得しています。
1867年には、パリ万博の銀器部門へ出展し、銅メダルを獲得。アメリカからの出展では同部門の初受賞となり、ティファニーの質の高さをヨーロッパにおいても認められたこととなりました。
1-5.【1878年】世界最大のイエローダイヤモンドを購入
出典:TIFFANY&Co.
ティファニーは1878年、南アフリカのキンバリー鉱山で発見されたイエローダイヤモンドの原石を1800ドルで購入します。287.42カラットあったこのイエローダイヤモンドは、Dr.ジョージ・フレデリック・クンツによってカットされました。
このダイヤは82面カットの128.54カラットとなり、「ティファニー・ダイヤモンド」として現在もニューヨーク本店に展示されています。
同年、パリ万博の銀製品部門においてグランプリを受賞。ジュエリー部門でもゴールドメダルを獲得しました。こうしてティファニーは、前回の万博から10年間でさらなる飛躍を遂げ、世界の一流ジュエラーとしての地位を確立したのです。
1-6.【1886年】婚約指輪の定番となるティファニーセッティングを発表
出典:TIFFANY&Co.
1886年、ブリリアントカットのダイヤモンドを6本の細い爪で支える「ティファニー・セッティング」を発表。
従来の形では、台座に宝石を埋め込むため、宝石は上部分しか見えませんでしたが、ティファニー・セッティングは、ダイヤモンドの輝きをあらゆる角度から取り入れ、光を最大限に発揮できるように考えられています。
まるでダイヤモンドがリングの上に浮かび上がっているかのように見えるこのデザインは、世界中の人々を魅了し、現在の婚約指輪の定番となり愛され続けています。
1-7.【1902年】創業者チャールズ・ルイス・ティファニーから息子へビジネスを継承
出典:TIFFANY&Co.
1902年2月18日、ティファニーの創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニーが90歳でこの世を去りました。
息子のルイス・コンフォート・ティファニーは、ティファニーの初となるデザインディレクターに就任。彼の自然をテーマとしたステンドグラスのランプや窓の作品は、アール・ヌーヴォーの流行に大きな影響を与えました。植物や昆虫など、自然とアメリカの風景にインスピレーションを受けてつくられた作品は、現在もティファニーのデザインに受け継がれています。
同じ年に、ジョージ・F・クンツ博士が新たな宝石を発見し、その宝石はクンツ博士の名にちなんで「クンツァイト」と名付けられました。クンツ博士は、鉱物学者でティファニーのチーフ宝石鑑定士ですが、宝石鑑定士という職種を採用したのは、小売業者として初めてのことでした。
1910年には、マダガスカルで新たな石「モルガナイト」を発見したことを発表します。モルガナイトの名は、クンツ博士の支援者であった銀行家のJ.Pモルガンにちなんで名付けられました。
1940年、ティファニーはニューヨーク本店を高級ショッピング街の5番街に移転しました。
1-8.【1961年】映画「ティファニーで朝食を」が公開
出典:TIFFANY&Co.
戦後に入って1950年に「ティファニーで朝食を」の書籍が出版され、1961年にはオードリー・ヘップバーン主演で映画化されました。映画は、ニューヨーク本店で撮影され、瞬く間にハリウッドの名作として名を残すことに。映画の大ヒットによって、5番街にある本店は観光名所のひとつとなりました。
プロモーション撮影では、ティファニーの象徴でもあるイエロー・ダイヤモンドのネックレスが使用され、世界中の人々からの憧れの的となったのです。そしてこの映画をきっかけに、ティファニーとオードリー・ヘップバーンの友好関係は生涯にわたって続くことに。ティファニーの生誕150周年には、オードリーからティファニーへバースデーメッセージが贈られました。
その後も、「ローズマリーの赤ちゃん」(1967年)や「めぐり逢えたら」(1993年) 、「メラニーは行く!」(2002年) など、数多くの映画の撮影舞台となっています。
1-9.【1968年】ジェムストーンの探究 タンザナイトの発見
出典:TIFFANY&Co.
1968年、クンツ博士は新たな宝石「タンザナイト」を発表。
タンザナイトは、アマチュアの宝石コレクター、マニュエル・ト・スーザーが東アフリカのタンザニアのメレラニ鉱山で偶然に見つけたもので、当初はサファイアだと思われていました。
ところが鑑別したところ、ゾイサイトの変種だということが判明。
ゾイサイトは、それまで不透明のピンクや緑色のものしか確認されていなかったため、青色のゾイサイトの発見は大きな話題になりました。「ゾイサイト」という名は、英語の自殺の意味である「スイサイド」に似ているということで名前を変え、タンザニアで発見されたことから、「タンザニアの石」の意味で「タンザナイト」と名付けました。
ティファニーがタンザナイトを代々的に発表すると、たちまち宝石として人気になりました。
また、1974年には「ツァボライト」を発表します。発見されたケニアとタンザニアの国境付近にあるツァボ国立公園にちなんで付けられた名前です。クンツ博士は、生涯にわたり稀少なジェムストーンの探究を続け、世にカラージェムストーンを送り出してきました。
稀少なジェムストーンの獲得は、ティファニーの創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニーの情熱でもあり、今もなお受け継がれている伝統です。
1-10.【2000年】ティファニー財団を設立
出典:TIFFANY&Co.
2000年になると、ティファニー財団を設立し、環境保護に尽力します。
長年、ティファニーが自然保護に積極的に活動していたことが形となったのです。2004年には海洋生物の保護のため、サンゴを使用するジュエリーの販売を終了しました。他のジュエリー業界にも販売の終了を要求します。
また、現在のティファニーのパッケージの65%以上は、リサイクル素材でつくられ、2025年までには全ての使い捨てプラスチックをなくすことを目標としています。ティファニーは、サンゴ礁の保護、責任ある採掘、都市公園、装飾芸術などを支援する世界の団体を支援し、これまで1億ドル以上の助成金を提供してきました。
ティファニー財団は、現在もサステナビリティに関する活動に積極的に取り組み、大きく貢献しています。
1-11.【2021年】LVMHグループがティファニーを過去最高額で買収
出典:LVMH
2021年、ティファニーはLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)による買収により傘下ブランドとなります。
LVMHグループはルイ・ヴィトンを筆頭に、同じくジュエリーブランドのヴァン・クリフ&アーペルやブルガリ、ショーメなど、またクリスチャン・ディオールやフェンディ、ジバンシーなどのファッションブランドなどを傘下に持つ複合企業です。
LVMHのティファニーの買収金額は、過去最高金額の約162億ドル。日本円にするとなんと約1兆6800億円となります。こうしてティファニーは、200年近くアメリカの独立系ブランドとして培ってきた歴史に終止符を打ったのです。
ルイ・ヴィトンの経営戦略では、買収したブランドの独立性を保ったまま経営を続けていくため、買収されたからといってティファニーというブランドがなくなるわけではありません。ティファニーが世界最大のラグジュアリー大手グループの傘下に入って、今後の展開に注目が集まります。
1-12.【2023年】ニューヨーク本店がリニューアルオープン
出典:TIFFANY&Co.
2023年4月、ニューヨーク5番街にあるティファニー本店がリニューアルオープン。
建物の名を「ランドマーク(The Landmark)」として、ティファニーの新たな歴史を刻むことになります。今回のリニューアルは、1940年に移転して以来、初の全面改装でした。もとの象徴的な建造物やアトラスクロックが設置されたファサードのデザインはそのまま残し、店内を一新しました。
建物は全10フロアあり、全フロアのフローリングは寄木細工で敷き詰められ、1940年に開店した当時のデザインが採用されています。店内中央の螺旋階段は、ティファニーのジュエリーデザイナーでもあったエルサ・ペレッティのデザインにインスパイアされたものです。
ティファニーの象徴である128.54カラットの「ティファニーダイヤモンド」は、新たなデザインとなってランドマークで初披露されました。また同じ年の7月、日本のティファニー銀座本店もリニューアルオープン。ティファニー銀座本店は、1996年にオープンしてから今回が2度目のリニューアルでした。
銀座本店は、約890㎡の広さがあり2フロアでの構成です。
日本を代表する建築家、隈研吾氏の手掛けたもとのファサードはそのままに、店内はニューヨーク本店のエッセンスを随所に反映した空間となっています。
1-13.【番外編】大人気ゲームポケモンとコラボ
出典:TIFFANY&Co.
2023年12月、ティファニーが世界的に人気のポケモンとコラボを組み、大反響を呼びました。
現代美術家のダニエル・アーシャムとポケモンの最新コラボレーション、「ティファニー&アーシャム スタジオ&ポケモン」がティファニー表参道にて数量限定販売されたのです。ピカチュウ、ヒトカゲ、ゼニガメ、プリン、カラカラ、ミュウの6つのキャラクターが、全9種類のペンダントやネックレスになって展開しています。
デザインは、2022年に日本で開催された、ダニエル・アーシャム×ポケモンのアートプロジェクト「A Ripple in Time/時の波紋」から着想を得たものです。それぞれのキャラクターにダイヤモンドを散りばめ、スターリングシルバーの素材にオキシダイズド加工が施されています。
さらにピカチュウペンダントは、18Kイエローゴールドを使用し、ダイヤモンドを入れ込んだもので、サイズはスモールとラージの2展開。世界中で愛されるキュートなポケモンが上質なジュエリーへと変身しました。
最も高価なアイテムは、ピカチュウのラージサイズペンダントで、473万円(税込)で、既に完売しています。
2.現在の立ち位置に直結するティファニーの魅力とは
出典:TIFFANY&Co.
ティファニーは世界中の誰もが知る有名ブランドで、長きにわたって人々から愛されてきました。ティファニーがここまで、多くの人に愛されトップブランドとして歩み続けられた理由は、揺るがない企業理念や信念にあります。
ここからは、ティファニーの魅力について迫っていきましょう。
2-1.ティファニーのブランドコンセプト
ティファニーの創業者チャールズ・ルイス・ティファニーは、高品質なダイヤモンドや稀少なジェムストーンの探究に強い情熱を注ぎました。
「ティファニーの品々はどれも気品高くあらねばならない」という信念を受け継ぎ、革新的なジュエリーデザイン、並外れたクラフトマンシップ、卓越した創造性によって魅力的なアイテムを生み出し続けています。
2-2.ティファニーブルーのジュエリーボックス
ティファニーの製品を手にした人だけが手にできる特別な包装箱をつくりたいという想いから、「ティファニーブルーボックス」が誕生。ブルーボックスは、1800年代半ばに誕生して以来、ブランドの象徴としてたくさんの人に愛と幸せを届けてきました。
初期のブルーボックス誕生から100年後に、ブルーボックスに白いサテンのリボンが添えられるようになり、現在も続くデザインとして完成。ブルーボックスを手にして白いリボンをほどく時は、誰もが心躍る瞬間でしょう。
1998年には、ティファニーにとって不可欠のカラー、ティファニーブルーが商標登録され、パッケージ以外にもデザインや広告など、統一して同じカラーが使われるようになりました。一目見ればティファニーと分かるブルーボックスは、世界で最も愛されるパッケージのひとつと言えます。
2-3.ダイヤモンドの輝き
創業者チャールズ・ルイス・ティファニーは、上質なダイヤモンドに対する情熱は並々ならぬもので、人々から「キング・オブ・ダイヤモンド」と呼ばれていました。
その地位は、今でも揺らぐことはありません。
ティファニーのダイヤモンドは、専門家が厳しくチェックし、上質なダイヤモンドだけを取り扱うようにしています。
厳選されたダイヤモンドは、格別の実力を持つ熟練の職人たちが芸術品と同じように仕上げるのです。ティファニーのダイヤモンドは、常に大きさよりも輝きを優先してカットが施されています。
カットは、トリプルエクセレントカットと呼ばれる、「カット」「対称性」「研磨」の状態の全てが「Excellent 」の評価を受けた最高水準のグレードのものだけを採用。このこだわりがあるからこそ、ティファニーのダイヤモンドは、どのダイヤモンドよりもひときわ美しい輝きを見せるのです。
2-4.幅広い品質と価格帯
ティファニーは、幅広い品質と価格帯の商品を取り扱っていることも特徴のひとつです。
ジュエリーは、若い世代にも手に届きやすい価格帯から、何百万という高級ジュエリーまで取り扱っているため、幅広い世代から支持されています。ジュエリーだけでなく、商品のラインナップが驚くほど充実しているのもティファニーの魅力のひとつです。
ベビー用品から、食器、グラス、ボールペンなど、大切な人へのギフトとしても活躍します。映画「ティファニーで朝食を」では、オードリー・ヘップバーンが10ドルの品物を購入するシーンも有名なシーンのひとつです。
2-5.アメリカ国家との深いつながり
ティファニーは、アメリカ創業の高級ジュエリーブランドで、アメリカ国家とのつながりも深く、アメリカの象徴と言っても過言ではありません。
1862年にはリンカーン大統領が夫人のためにパールのネックレスとイヤリングをティファニーにて購入。その後もルーズベルトなどを始めとする様々な大統領が、ファーストレディのためにティファニーのジュエリーを贈っています。
1985年にティファニーは、アメリカの新たな国章のデザインを担当。1ドル札にもこの国章が描かれています。また、自由の女神が完成した際の、完成式典の招待状もティファニーが作成。オバマ大統領の2期目の就任宣誓が行われたブルールームの内装の一部は、ルイス・コンフォート・ティファニーが手掛けています。
2013年、オバマ大統領と夫人が英国女王の戴冠60年の式典に出席した際には、1950年代のティファニー製シルバーコンパクトを女王に贈りました。このように、さまざまなアメリカの歴史の背景には、いつもティファニーの存在があったのです。
3.トレンドを作り上げたティファニーの歴代デザイナー3人
ティファニーの強みのひとつに、優れたデザイン性が挙げられます。
ティファニーの製品には、トレンド感のあるスタイリッシュなものから、上品でエレガントなものまで多種多様に取り揃っています。
これまで、才能に溢れるティファニーの有名デザイナーたちが数々の芸術的な作品を世に送り出してきたのです。
ここでは、ティファニーを代表する歴代のデザイナーを3人紹介します。
3-1.ジャン・シュランバージュ
出典:TIFFANY&Co.
ジャン・シュランバージェは、1956年にティファニーに入社。デザイナーでもあり、一時期は副社長にも就任して経営に携わるなど、ティファニーの歴史上で重要人物と言えます。
花や果物、動物などの自然にあるものをモチーフに、立体的でカラフルなジュエリーをデザインしました。
1958年には、ジュエリーデザイナーとして初のコティ・アメリカン・クリティック賞を受賞。彼のデザインはさまざまなセレブリティーを魅了し、女優のエリザベス・テーラーや、ファースト・レディのジャクリーン・ケネディにも気に入られていました。
3-2.エルサ・ペレッティ
出典:Wikipedia
エルサ・ペレッティは、1974年にティファニーに入社。
もともとファッションモデルとして活躍していましたが、自身でデザインを手掛けたジュエリーの評価が高く、脚光を浴びました。
エルサのデザインは、素材の美しさを生かした滑らかな曲線のフォルムが美しく、世界中のファンを魅了。代表作は、オープンハートやビーン、バイザヤードなど、数々の名作を残しています。
3-3.パロマ・ピカソ
出典:TIFFANY&Co.
パロマ・ピカソは、天才画家パブロ・ピカソの娘で、1980年代からティファニーのデザイナーとして活躍しています。もともとは衣装のデザインを手掛けていましたが、イヴ・サンローランのジュエリーを担当した際に、ティファニーがパロマの才能に目をつけたのです。
ティファニーに加わりジュエリーコレクションを発表すると、すぐに世界中で話題となりました。生まれ持った芸術肌のパロマの作品は、大胆で造形的なデザインが印象的で人気です。
代表作は、ラビングハート、ラブ、オリーブリーフなど、さまざまなデザインパターンがあります。
4.ティファニーの代表的なコレクション
ティファニーには、ブランドのアイコニックとなる名作コレクションが数多くあります。
ここから、ティファニーの代表的なコレクションを紹介します。
4-1.リターン・トゥ・ティファニー
出典:TIFFANY&Co.
1966年、リターン・トゥ・ティファニーのキーリングが発表されると、たちまち人気商品となります。
当時キーリングには、ひとつひとつの製品ごとに製造番号が刻印されていました。
この製造番号と共に、お客様情報が登録され、なくしてしまった場合もティファニーに届けられた後、持ち主の手元に戻すことができるようになっています。
現在もティファニーのアイコニックなデザインとして残り、人気のコレクションの着想源となっています。
4-2.オープンハート
出典:TIFFANY&Co.
オープンハートは、日本で最も知名度のあるティファニーのコレクションと言えるでしょう。
エルサ・ペレッティの1974年に生まれた代表作で、「心を開いて」という意味が込められ、愛をテーマにつくられました。流れるような美しい曲線が象徴的なオープンハートは、洗練されたデザインでどんなスタイルにも合わせやすい最強アイテムです。
4-3.バイザヤード
出典:TIFFANY&Co.
バイザヤードも、ティファニーの伝説的デザイナー、エルサ・ペレッティの人気コレクションのひとつです。
バイザヤードは、一粒のダイヤモンドをシンプルにデザインされたもので、煌びやかなダイヤモンドをあえてシンプルに使用し、美しさを引き立たせています。ダイヤの大きさは、0.03カラットから選ぶことができ、プレゼントなどにも人気のアイテムです。
エルサ・ペレッティの「どんな女性もダイヤモンドを楽しめるように」という願いが込められている作品です。
4-4.アトラス
出典:TIFFANY&Co.
アトラスは、ティファニー本店に設置されている時計「アトラスクロック」をモチーフに製作されたコレクションです。
ローマ数字が刻印で印字されている「Ⅻ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅸ」時計の文字盤を意味し、アトラスクロックと同じく「永遠の時を刻む」という意味が込められています。
シンプルかつ、力強く華やかなデザインで存在感があり、男女ともに人気が高いシリーズです。
4-5.Tコレクション
出典:TIFFANY&Co.
2014年にTネックレスなどのTコレクションが発表されると、すぐに話題となりティファニーの新たなアイコンとなりました。
「Tスマイル」は、ヘッドの形が口角をあげて微笑んでいる口元に見えることから名付けられたシリーズで、Tコレクションの中でも特に人気のアイテムです。
シンプルなデザインは、どんなスタイルにも合わせやすく、凛とした女性らしさがあります。
4-6.ビクトリア
出典:TIFFANY&Co.
ビクトリアは、灯火のように輝く最高品質のダイヤモンドから着想を得て生まれたシリーズ。1889年のパリ万博の中で出展されたダイヤモンドのコサージュからインスピレーションされて、1998年に誕生しました。
ビクトリアの名は元英国女王の名にちなんでつけられたものです。
その名に相応しい最高品質のダイヤモンドを贅沢に使ったラグジュアリーなデザインで、エレガントさが際立ちます。ビクトリアシリーズで見られるダイヤモンドの美しい輝きは、ティファニーが重視する最高級のカッティングを十分に発揮しています。
5.伝統を受け継ぎつつ、進化する現代のティファニー
ティファニーは1837年に文房具店から始まった時から、質の良いものだけを扱うという信念を持ち、それは創業以来ずっと変わりません。
180年以上にわたる長い歴史の中で、数々の物語と美しく洗練されたジュエリーを生み出してきました。ティファニーの由緒正しい伝統を守りつつ、常に時代の最先端を行くことを試み、強いブランド力を持ち続けています。
2021年にLVMHグループの傘下となったことで、今後さらにブランド力が強化されることが期待されます。
2023年、ニューヨーク本店と銀座本店のリニューアルオープン。また、世界中から愛される可愛いキャラクター、ポケモンとのコラボではティファニーの新しい顔を見せてくれました。
今後はどのような展開が見られるのか、進化を続けるティファニーが楽しみです。