2026年3月25日
2026年セイコーウオッチ展示会「こだわりすぎた腕時計展」を紹介!
時計

今回は2026年3月現在、東京都南青山のライトボックススタジオで開催中のセイコー『こだわりすぎた腕時計展』に行ってきたのでご紹介をさせていただきます!
目次
1.腕時計デザインの新たな可能性を提案する『こだわりすぎた腕時計展』

セイコーウオッチ株式会社の取り組み『Seiko Seed(セイコーシード(※1))』の一環として、展示会『power design project(※2) 2026 こだわりすぎた腕時計展』が開催中です。
開催期間は2026年3月14日(土)~3月29日(日)まで。
東京都港区の青山にあるライトボックススタジオにて、11時~20時の間で入場料無料で見に行くことができます。
普段は目にすることが出来ない奇抜で、面白く、こだわりすぎた腕時計を存分に楽しむことができます。セイコーマニアはもちろん、時計好き必見の展示会です。
Seiko Experience Engineering and Design(セイコー・エクスペリエンス・エンジニアリング・デザイン)の略称です。
「エンジニアリングとデザインで創り出した、腕時計の様々な楽しさを体験する活動」という意味が込められています。
セイコーウオッチデザイナーたちによる実験的な試みとして、2001年から2009年まで続いた社内プロジェクトです。
日常とは異なるスタイルで、年ごとのテーマに基づき、時計の可能性に追及するデザイナーたちの活動であり、2022年に13年の時を経て展示会が復活しました。
2.セイコー145年のこだわりが導いたプロジェクト『power design project』

出典:セイコー
これまでセイコーは、145年という長い歴史のなかで幅広いデザインを手掛け、世間の多様な価値観に応え続けてきました。
2001年には本展示会の原点となる、セイコーウオッチデザイナーの実験的なプロジェクトpower design project( パワーデザインプロジェクト)が始動します。
再始動後、4度目の開催を迎える2026年の今回、デザイナーたちが取り組んだテーマは『腕時計への偏愛』です。
時計を愛するがゆえ、一つの要素に徹底的にこだわり抜く挑戦が、これまでにない7つの個性的な腕時計を生み出したとデザイナーたちは語ります。
腕時計に込められる独特の要素を抽出し、深く掘り下げ、新たな魅力を形にした『power design project 2026 こだわりすぎた腕時計展』。
実際にどんなデザインの腕時計が展示されていたのか、一つひとつ見ていきましょう。
3.『時計への偏愛』をテーマに7つの”こだわりすぎた”腕時計が展示

プロジェクト復活から第4回目を迎える今回。
『power design project 2026 こだわりすぎた腕時計展』のテーマは『時計への偏愛』
セイコーウオッチデザイナーたちの”こだわりすぎた”7つの腕時計が展示されています。
・テーマ①切削痕【せっさくこん】
・テーマ②球面【きゅうめん】
・テーマ③型打ち【かたうち】
・テーマ④手巻き【てまき】
・テーマ⑤棒略字【ぼうりゃくじ】
・テーマ⑥曜日表示【ようびひょうじ】
・テーマ⑦手針【てばり】
1~7までブースが設置されており、腕時計を見て楽しむことはもちろん、実際に着けてみることも可能です。
セイコーマニアの人でも普段は絶対に味わえない特別な世界観を堪能できる作品と言えます。
3-1.テーマ①切削痕【せっさくこん】

ライトボックススタジオに入って正面、まず始めに見えるのがテーマ①切削痕【せっさくこん】のブースです。
切削痕とは、一般的に何かを削ったりしたときに残る痕のことを指し、腕時計の製造過程でも現れます。
本デザインを担当した助田直也(すけだなおや)さんは切削痕を「非常に魅力的な加工技術の結晶」と語ります。

担当デザイナー:助田直也
特にこだわった点は、どの角度から見ても機械加工の精密さを感じられるデザインとのこと。光の反射で様々な表情を見せる切削痕が、自分の目にとても美しく映りました。
また本デザインは、一つの金属ブロックからケースとダイヤルを同時に削り出し、切削痕の美しさを最大化させています。
略字やロゴも切削加工を用いられて造られ、切削痕への度を超えた愛を隅々から感じることができます。
3-2.テーマ②球面【きゅうめん】

ブース1の右隣に設置されているのがテーマ②球面【きゅうめん】のブースです。
球面とは文字通り、球の表面のことを指し、腕時計のケース上面やダイヤルを覆うガラスに採用されることが多いです。
本デザインを担当した石原悠(いしはらゆう)さんは球面を「周囲の光と空間を反映する究極の鏡」と語ります。

担当デザイナー:石原悠
ガラス、ベゼル、ケース、外胴の4層全てを同じ曲率に揃えることで、ウオッチ全体が球面になっているデザインです。
各パーツが同一の球面で連なるため、外の景色が映り込む鏡のような美しさを楽しむことができます。
「究極の鏡」と語られる通り、写真撮影をしている自分の姿がハッキリと映ってしまいました。笑
他の時計とは格別な光沢、透明感があり、展示されている時計の中で一番輝いていました。
デザインは全部で2種類。
写真の腕時計はディスプレイ展示用で、全てを鏡面で仕上げています。試着用は鏡面、円周筋目、射筋目の異なる仕上げで構成された、落ち着いたデザインです。
ぜひ会場へ足を運び、実物を見比べて下さい。
3-3.テーマ③型打ち【かたうち】

続いてはテーマ③型打ち【かたうち】のブースです。
型打ちとは、金属板の表面に型を押し当てることで、微細な模様を表現することができる技術です。模様の深さは約100分の1mm単位でコントロールされており、腕時計の顔となるダイヤルに豊かな表情を与えています。
本デザインを担当した松本卓也(まつもとたくや)さんは、型打ちを「極小の立体芸術」と語ります。

担当デザイナー:松本卓也
型打ち模様のテーマは「生々流転」。変化し続ける時の流れを、刻々と移り変わる四季と花々で表現しています。
・12時-3時「春の陽光を浴びて光る川」
・3時-6時「夏の照りつける太陽」
・6時-9時「秋の夜空に輝く星空」
・9時-12時「冬空に舞う雪の結晶」
インデックスは、1〜12の数字がそれぞれ花弁型にデザインされています。12種類の花々が文字盤をぐるりと一周しており、時間の経過と共に四季の花が巡るように見えます。
書体のベースになっているのは、1924年に初めてセイコー名を冠して発売された腕時計で使われていた数字です。
私は腕時計を一目見ただけでは気づけませんでした…。
ブースの解説を読み改めて見直すことで、数字で作られた花のデザインを確認することができました。
時間を確認することだけにとどまらず、無意識に文字盤が見たくなる腕時計と言えるでしょう。
3-4.テーマ④手巻き【てまき】

続いてはテーマ④手巻き【てまき】のブースです。
手巻きとは、電池を使わず巻き上げたぜんまいの力を動力源とする、機械式時計のなかで最も古典的な機構です。
本デザインを担当した伊東絢人(いとうけんと)さんは手巻きを「人と機械をつなぐ絆」と語ります。

担当デザイナー:伊東絢人
本デザインは回転式のベゼルとリューズを「ギア化」しています。ベゼルを回せばリューズも動く、歯車が噛み合う設計を採用しており、独自の機構美や一体感が楽しめる腕時計です。
実際に着用してみましたが、重みを感じる操作感と王冠をイメージしたゴールドカラーが高級感のある雰囲気を漂わせおり、非常に満足感のある着け心地でした。
アナログ腕時計では絶対に欠かすことができないリューズの巻き上げ。普段の何気ない動作の一つを直感的かつダイナミックに楽しむことができる腕時計と言えるでしょう。
3-5.テーマ⑤棒略字【ぼうりゃくじ】

続いてはテーマ⑤棒略字【ぼうりゃくじ】のブースです。
棒略字とは、時計の文字盤に配置されている時や分を示す棒状の目盛りを指し、バーインデックスと呼ばれます。
ドレスウオッチからスポーツウオッチまで幅広く採用されているデザインです。
本デザインを担当した和田実穂(わだみほ)さんは棒略字を「不思議な魅力を放つ光の魔力」と語ります。

担当デザイナー:和田実穂
文字盤に敷き詰められているのは23種37本の棒略字。
一本一本が丹念に磨き抜かれているため、ブースの照明が文字盤に反射して様々な表情を見せてくれます。
本デザインはディスプレイのなかで360度回転する台の上で展示されており、光輝く棒略字が瞬時に明暗する様子を楽しむことができます。そのため、個人的には写真撮影が一番難しい腕時計でもありました。
もちろん、デザイン特化の腕時計というわけではありません。
12時は正方形、3時、6時、9時は長方形、その他の時刻にはピラミッド型の棒略字を配置し、しっかりと時刻が読み取れる工夫も施されています。
こちら、文言での説明がとても難しく、現地で詳細に説明しているので、ぜひそちらでご覧ください。
他のデザインと比べて文字盤は小さめですが、腕時計の存在感やデザイナーのこだわりを一番強く感じた作品でした。
3-6.テーマ⑥曜日表示【ようびひょうじ】

続いてはテーマ⑥曜日表示【ようびひょうじ】のブースです。
曜日表示とは、時計の文字盤上で現在の曜日(月~日)を自動的に示す機能のことを指します。
文字盤のなかの円盤がじわじわ回り、小さな小窓から曜日が顔を出す。スマートウオッチの人気が高まる現代にあっても、古めかしくもある曜日表示の機構は、当たり前に時計に搭載されています。
本デザインを担当する長谷川明弘(はせがわあきひろ)さんは曜日表示を「心に作用するローテク」と語ります。

担当デザイナー:長谷川明弘
「昔からあるプリミティブな技術を使って、今と未来をポジティブに表現したい」というデザイナーの思いが込められたこだわりの腕時計です。
「毎日がいい日になりますように」との願いを込め、”好日”や”beautiful”など縁起の良いワードが文字盤にデザインされています。
今日の曜日が日英で表示されるだけでなく、明日の曜日まで表示される設計です。
それぞれの窓とアラビア数字には、晴天を想起させる空色の陰影を印刷し、トリックアートのような立体感が表現されています。
ディスプレイには白文字盤の腕時計が飾られ、試着では黒文字盤の腕時計を身に着けることができます。
個人的には見ていて一番楽しく、着けて一番オシャレな腕時計だと感じました。もし一般販売がされるのであれば、ぜひとも手に入れたい一本です。
3-7.テーマ⑦手針【てばり】

最後はテーマ⑦手針【てばり】のブースです。
手針とは、アナログ時計の文字盤で時刻や機能を表示する針のことを指します。
キャラクターウオッチにおける手針は、単なる時刻表示にとどまらず、キャラクターの世界観を針の動きで表現するための重要なパーツと言えます。
本デザインを担当した大森由紀(おおもりゆき)さんは手針を「腕時計にさらなる愛着を与える、生命を授ける部品」と語ります。

本デザインに選ばれたのは、過去の展示会でも登場したことがある、セイコーのオリジナルキャラクター『テンちゃん』です。
キャラクターの生命感をどれだけ高めることができるかにこだわり、針を曲げる大胆な立体表現に行き着いたとのこと。
秒針は左手(腕にⅡの模様)、分針は長い左足(太ももにIIIIの模様)、時針は尻尾で確認できます。
曲げ針をはじめとする立体的なデザインが特徴的で、キャラクターの動きや感情が豊かに伝わる、唯一無二の表現が追及された腕時計です。
時間によってさまざまなポーズをとるテンちゃん。可愛すぎるがゆえ、自分は恥ずかしくて試着はしませんでしたが、猫好きや特に女性の人には必見の腕時計と言えるでしょう。
4.過去作の特別展示は階段を上がって2階へ

2階の展示では『power design project』で生まれた過去のデザインと、実際に販売された歴代の”こだわりすぎた”腕時計を一緒に見ることができます。
2022年の第一回目に展示されていたモデルも並んでおり、デザイナーたちのアイデアがどのように製品へと形づくられていくのかを想像しながら楽しめる点が魅力です。
また、本展示会のメイン”7つのこだわりすぎた腕時計”の動画解説や、セイコーの歴史的な時計も展示されています。
セイコーが過去に手掛けてきたこだわりのデザインが集まった特別な空間であり、プロジェクトの魅力を更に深く感じられる内容でした。
5.まとめ
セイコーウオッチは、個人的にシンプルでフォーマルなデザインの印象が強かったため、トレンドを先取りしたような革新的な腕時計の数々を目にしたときは正直驚かされました。
開催期間は残りわずかですが、この記事をご覧になった人はぜひ会場に足を運んで『こだわりすぎた腕時計展』の世界観を体感してはいかがでしょうか。
展示会:「power design project 2026 こだわりすぎた腕時計展」
開催期間:2026年3月14日(土)~2026年3月29日(日)11:00~20:00 ※入場は19:45まで。会期中無休
会場:LIGHT BOX STUDIO 東京都港区南青山5丁目-16-7
入場料:無料