今、そんなオールドセリーヌが再評価の波に乗り、ヴィンテージ市場で熱い視線を浴びています。 なぜ再び注目されているのか、そして、ダサいと言われてしまう理由は何なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか？

この記事では、オールドセリーヌの歴史的背景から、マカダム柄などの象徴的なデザイン、現行モデルとの違い、さらには本物と偽物の見分け方まで、幅広く解説したいと思います。人気の理由やダサいと言われることもある背景、そして代表的な人気アイテムについても詳しく紹介したいと思います。

少しでもオールドセリーヌについて知りたい方は、ぜひご覧ください。

1.オールドセリーヌとは？

流行の変遷を超えて、今なお愛されるオールドセリーヌ。しかし、その魅力や定義を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。ここでは、特徴や魅力について詳しく解説していきます。

1-1.セリーヌの歴史とオールドセリーヌが生まれた背景

オールドセリーヌとは、セリーヌがLVMHグループに所属する前に製造したバッグやアクセサリーを指します。特に1970年代から1990年代にかけて生み出された製品が、現代の若者たちの心を掴んでいます。

1945年にパリで誕生したセリーヌは、創業者セリーヌ・ヴィピアナと夫リチャードが子供靴の専門店として開業したことから始まりました。この店舗では高品質なオーダーメイドの子供靴を提供し、パリの裕福な家庭から支持を集めました。

1960年代に入ると、子供靴から大人向けの靴や小物、婦人服へと展開を広げました。特にスポーツウェアラインは実用性とエレガンスを兼ね備え、当時の女性たちから絶大な支持を受けました。その後、女性用シューズラインが発表され、ブランドの幅がさらに広がりました。

1980年代から1990年代にかけては他の高級ブランドと比較して存在感が薄れた時期もありましたが、2008年にフィービー・ファイロがクリエイティブディレクターに就任すると再び脚光を浴びることになります。彼女が手掛けたミニマルでモダンなデザインは世界中のファッション愛好家から高い評価を受け、セリーヌは新たな黄金期を迎えました。現在、オールドセリーヌと呼ばれる時代のアイテムはヴィンテージ市場で高い価値を持ち続けています。その普遍的なデザイン、高品質、そして歴史的背景がファッション通の心を掴み続けています。

1-2.マカダム柄とその象徴的なデザイン

代表するマカダム柄は、1970年代後半に登場し、1980年代から1990年代にかけて人気を博した象徴的なデザインパターンです。茶色と黒の斜め線が交差する格子状のモノグラムが特徴で、「C」の文字を織り込んだ独自性により、一目でセリーヌと認識できるデザインとなっています。マカダム柄の名称は、19世紀のイギリス人道路技師ジョン・ラウドン・マカダムが考案した「マカダム式舗装」に由来します。この革新的な舗装技術がフランスの石畳を連想させることから、デザインに取り入れられました。セリーヌはこの歴史的背景を活かし、パリの伝統や文化を重んじるブランド哲学を表現しています。

品質面でも特筆すべき点があります。マカダム柄のバッグには、高品質なレザーやキャンバスが使用され、精密な縫製やブランドロゴが刻印された金具など細部へのこだわりが感じられます。これらは長年使用しても色あせない魅力を持ちます。マカダム柄はクラシックでありながら現代的な魅力を放ち、世代を超えて愛され続けています。その普遍的なデザイン性と確かな品質は、今後も多くの人々を魅了し続けるでしょう。

2.なぜ今「オールドセリーヌ」が注目されているのか？

上品なデザインと洗練されたクラフトマンシップが光るオールドセリーヌは、多くの人に再評価されています。なぜ今、オールドセリーヌが注目されているのか？その理由を紹介したいと思います。

2-1.ヴィンテージマーケットの盛り上がり

現在、ヴィンテージマーケットは世界的なブームとなっています。ヴィンテージとは一般的に20年以上前に作られた製品を指し、その時代ならではのデザインや希少性に価値を見出す考え方です。特にファッション業界では「流行は約20年周期で繰り返す」と言われており、1990年代から2000年代初頭にかけて流行したアイテムが再び注目されています。その中でオールドセリーヌは、マカダム柄やホースキャリッジモチーフ（馬車柄）など個性的なデザインで知られています。これらは現代にはないクラシカルな魅力を持ち、他ブランドとの差別化にもつながっています。

また、近年では環境意識の高まりから、新品だけでなく中古品やヴィンテージ品を積極的に選ぶ人も増えました。こうした市場環境と相まって、オールドセリーヌはファッション性とサステナブル（持続可能）なライフスタイルを両立できる選択肢として人気となっています。

2-2.手頃な価格で高品質なアイテムが手に入る

オールドセリーヌは、新品のハイブランド商品と比較して手頃な価格帯で購入可能です。中古市場では状態にもよりますが、おおよそ数千円から数万円程度でバッグや小物類など幅広く手に入ります。当時のセリーヌ製品は職人による丁寧な作りと上質な素材で知られており、中古品でも耐久性や品質面で安心して使用できます。特にPVC素材（ポリ塩化ビニル）のバッグは丈夫で水濡れにも強く、日常使いにも最適です。またジャガード織りなど希少性の高い素材もあり、コレクターからも注目されています。

このように価格と品質が両立しているため、若い世代や初心者でも気軽にヴィンテージファッションを楽しむことができます。さらに近年ではオンラインショップや専門店も増えたため、自宅から簡単に購入できるようになりました。手頃な予算で憧れのブランド品を手に入れたい人にとって、オールドセリーヌは魅力的な選択肢と言えるでしょう。

2-3.新作にはないレトロ感と独特の高級感

最大の魅力は、新作にはないレトロ感と独特な高級感です。現行モデルはシンプルでモダンなデザインが主流ですが、過去の商品にはマカダム柄やホースキャリッジモチーフなど個性的なデザインが多く見られます。マカダム柄とはフランス語で「砕石」を意味し、小さな模様が規則的に並ぶクラシカルなパターンです。一方ホースキャリッジモチーフは馬車をあしらったデザインで、1980年代頃から人気となった象徴的な柄です。これらは現代にはない懐かしさや気品を感じさせ、多くの人から支持されています。

また、当時ならではの色合いや素材感も特徴的であり、新作とは異なる独自性があります。そのため、一点取り入れるだけでもコーディネート全体が洗練された印象になり、おしゃれ上級者として周囲との差別化にもつながるでしょう。

3.オールドセリーヌとセリーヌの違い

オールドセリーヌはシンプルで洗練されたデザインが特徴で、タイムレスなエレガンスを重視したアイテムが多く展開されていました。特に、ミニマルなバッグやストラクチャーの美しいウェアは、多くの女性から支持を集めていました。

一方、2018年にエディ・スリマンがデザイナーに就任してからのセリーヌは、ブランドロゴが変更され、よりモードでロックなテイストへとシフトしました。スリムなシルエットやレザージャケット、ヴィンテージ風のアイテムが増え、以前の上品で落ち着いた雰囲気とは異なる、新しいセリーヌのスタイルが確立されました。また、バッグのデザインにも変化が見られ、「トリオンフ」 のロゴがアイコンとして打ち出されるようになりました。

簡単に違いをまとめると、オールドセリーヌはミニマルで洗練されたデザイン、現在のセリーヌはよりモードで若々しい印象が強くなっています。それぞれのスタイルに魅力があり、好みによって選ぶことができます。

4.オールドセリーヌがダサいと言われる背景とは？

オールドセリーヌは高く評価される一方で、ダサいといった意見が一部で見られることもあります。しかし、その評価には時代背景やファッションの流行が大きく関係しています。

ここでは、なぜこのような意見があるのか、そして実際の魅力と比較しながら本当の価値を解説していきます。

4-1.一部で見られる批判の要因

オールドセリーヌが一部でダサいと言われる背景には、ファッションのトレンド変化やデザイン方向性の違いが影響しています。特に、多く見られるマカダム柄が、一時的に古臭いという印象を与えたことが主な要因です。マカダム柄は幅広いアイテムに取り入れられ、ブランドを象徴する柄として知られています。しかし、2008年にフィービー・ファイロというデザイナーが担当した際、ブランドの方向性を大きく転換しました。フィービー・ファイロはシンプルで無駄を省いたミニマルなデザインを打ち出し、それまで主流だったクラシカルなマカダム柄は徐々に生産されなくなり、一部では古くさいと感じられるようになったのです。

また、ヴィンテージアイテム全般に共通する特徴として、時代背景や流行によって評価が変動することがあります。特定の年代に流行したデザインは、その時代の雰囲気や価値観を色濃く反映しているため、時代が変わると古く見えることもあります。マカダム柄も例外ではなく、一部の人からは「少し古い印象」「年齢層が高めに見える」といった意見が出ています。さらに、スポーティーな服装やカジュアルなスタイルとの相性が難しいため、着こなし方によっては魅力的に見えない場合もあります。

4-2.実際の魅力とのギャップ

一方で、オールドセリーヌには実際には多くの魅力があります。まず挙げられるのは、その洗練された美しさと独自性です。クラシックでエレガントな雰囲気を持つ馬車モチーフやマカダム柄は、現代のトレンドにはない独特な風格があります。これらは職人技術による高品質な素材と丁寧な仕上げによって作られており、長期間使用しても色褪せない美しさを保ちます。

近年ではヴィンテージブームが再燃し、マカダム柄などオールドセリーヌのデザインも再び注目されるようになりました。若い世代を中心にレトロで個性的なスタイルとして評価され、市場価値も上昇しています。特に状態が良好なアイテムほど希少価値が高まり、高値で取引されるケースも多く見られます。実際には、ダサいと感じる意見と実際の魅力との間には大きなギャップがあります。一部から否定的な意見があるものの、時代を超えた魅力として支持されています。

5.オールドセリーヌの人気アイテム

ここでは、オールドセリーヌの中でも特に注目されるバッグを厳選して紹介したいと思います。それぞれの特徴や魅力を知ることで、自分にぴったりのアイテムを見つける参考にしてください。

5-1.マカダム ショルダーバッグ

レザーのショルダーストラップや金具の細かなディテールが特徴的で、セリーヌらしい高級感です。素材は、キャンバス地やナイロン素材が使われることが多く、カジュアルなコーディネートにも合わせやすいデザインとなっています。また、ハンドルとショルダーストラップの両方があるデザインもあり、使い勝手が良いです。シンプルな服装に合わせるだけでもコーディネートが華やかになり、持つ人の品格を引き立ててくれるバッグです。

5-2.サルキーバッグ

セリーヌ初期のロゴモチーフとして知られる「サルキー」を採用したバッグです。「サルキー」とは二輪馬車をモチーフにしたモノグラム柄で、1960年代から1980年代にかけて主力商品として展開されました。耐久性に優れたPVC素材を使用しているため、長く愛用できる点も人気の理由です。優雅で女性らしいデザインが特徴的でありながら、実用性にも優れているため日常使いにも適しています。上品な印象を持ちつつも気軽に持てるので、幅広い世代から愛され続けています。

5-3.ホースキャリッジ

1980年代に発売されたオールドセリーヌを代表するモデルです。馬車金具がトレードマークとなっており、一目でオールドセリーヌだと分かる特徴的なデザインとなっています。当時はカーフレザーという柔らかく美しい素材を使用していました。そのため、現在では状態の良いものが少なく、中古市場でも特に価値が高まっているアイテムです。カラー展開はブラックや赤みがかったダークブラウンなどがありますが、どちらも上品でクラシカルな印象を与えてくれます。また、サイズ感もちょうど良く日常使いからフォーマルな場面まで幅広く活躍できるサイズ感となっています。

5-4.クラシックボックスバッグ

角張ったスクエア型のフォルムと洗練されたシンプルなデザインが魅力です。ストラップは長さ調整が可能で、肩掛け・手持ち・クラッチとシーンに応じた使い方が楽しめます。コンパクトながらも収納力は十分で、スマートフォンや長財布、小物類など必要なものをすっきり収納できる実用性も兼ね備えています。カラー展開も豊富で、特に人気なのはブラックや、ベージュといったどんなコーディネートにもなじむ色合い。流行に左右されないデザインと実用性の高さから、多くの女性に長く愛され続けている逸品です。

6.オールドセリーヌの偽物の見分け方

オールドセリーヌは人気のヴィンテージアイテムですが、その価値の高さゆえに偽物も多く出回っています。せっかく手に入れたつもりが偽物だった…というトラブルを防ぐために、本物と偽物を見分けるポイントをしっかり押さえておきましょう。

6-1.ロゴや刻印の確認

ロゴや刻印は、本物と偽物を見分ける際に最も基本的なポイントとなります。まず、ロゴのフォントに注目してください。正規品は文字間隔が均等で、文字自体もはっきりと鮮明に刻印されています。一方、偽物の場合はフォントが微妙に異なっていたり、文字間隔が不自然に広かったり狭かったりと、不自然な印象を与えることがあります。

金具部分にも注意が必要で、本物は金具の刻印が丁寧で仕上げも滑らかですが、偽物は刻印が雑だったり潰れていたりします。こうした細かな点をじっくり観察することで、本物かどうか判断しやすくなるでしょう。

6-2.バッグ内側の素材や縫製の丁寧さ

バッグ内側の素材や縫製品質も、真贋を見極める重要な要素です。本物は、高級ブランドらしく丁寧で美しい縫製が施されており、糸の太さや縫い目の間隔も均一になっています。また、使われている素材も上質なレザーやキャンバス地であり、手触りは滑らかで心地よく感じられます。しかし、偽物の場合は縫い目が粗く、不規則であったり糸がほつれていたりします。

また、素材自体も安価な合成皮革などを使用しているケースが多く、本物とは明らかに質感や手触りが異なります。バッグの端や角部分など目立たない箇所ほど手抜きされている可能性が高いため、細部まで入念にチェックが必要です。特にバッグ内部のタグやポケット周辺など目立ちにくい部分こそ注意深く確認しましょう。

6-3.マカダム柄の真贋判定のポイント

マカダム柄はセリーヌの人気デザインとして知られ、多くの製品に採用されましたが、その人気ゆえ偽物も数多く出回っています。本物の場合、マカダム柄は正確かつ均一にプリントされており、途切れや乱れがありません。一方、偽物では模様が不揃いだったり、不自然に途切れたりするケースが見られます。

また、本物はキャンバス地やレザーなど高品質な素材を使用しているため、生地表面にも高級感が漂っています。偽物ではプリントが不鮮明で、生地自体も安価で薄っぺらく感じられることが多いでしょう。

7.オールドセリーヌはどこで買える？

ヴィンテージアイテムは新品とは異なり、購入できる場所が限られているため、賢く探すことが重要です。ここでは、中古ショップやオンライン通販、フリマアプリを活用する方法と、それぞれの注意点について詳しく解説します。

7-1.中古ショップ

オールドセリーヌを手に入れるには、中古ショップを訪れるのが一般的な方法です。実店舗型のヴィンテージショップやリサイクルショップでは、商品の状態を直接確認できるため、安心して購入を検討できます。特に縫製やロゴ刻印など、細部まで目で見て確かめることで、偽物を避けることが可能です。また、店舗スタッフに相談することで、商品の背景や価値について詳しい情報を得られる場合もあります。こうした対面での購入は、初心者にとっても心強い選択肢です。

ただし、中古ショップでは在庫が限られているため、希望するアイテムが必ず見つかるとは限りません。複数の店舗を巡らなければならない場合もあります。また、人気の高いオールドセリーヌは需要が高いため、価格が相場より高めに設定されている場合もあります。それでも、実物を確認できる安心感や専門的なアドバイスを受けられる点は大きな魅力です。

7-2.通販やフリマアプリ

オンライン通販は、自宅にいながら多くの商品から選べる便利な方法です。大手の中古販売サイトや認証済みヴィンテージショップでは、幅広い商品ラインナップが用意されており、初心者でも比較的安心して利用できます。ただし、この方法には偽物のリスクが伴うため、注意深く選ぶことが求められます。特にブランド品市場では精巧な偽物が出回っているため、信頼性の高いプラットフォームを利用することが重要です。

購入時には商品の詳細情報をしっかり確認しましょう。シリアルナンバーやロゴ刻印など、本物特有の特徴をチェックすることでリスクを減らせます。また、価格が極端に安い商品には注意が必要です。不自然に安価なものは偽物である可能性が高いため、慎重に検討しましょう。さらに、フリマアプリや個人間取引では写真だけで商品の真贋を判断するのは難しいため、初めての場合は鑑定済みの商品を扱う店舗で購入する方が安全です。

8.【まとめ】オールドセリーヌでファッションを楽しもう！

オールドセリーヌとは、LVMHグループ傘下になる前のセリーヌの製品のことです。その魅力は、高品質な素材と職人技が生み出す耐久性、クラシカルで洗練されたデザイン、そしてブランドの歴史的背景にあります。特に、マカダム柄やホースキャリッジモチーフなどの象徴的なデザインは、現在も多くの人々から支持を得ています。

近年、ヴィンテージマーケットの盛り上がりとサステナブル志向の高まりにより、オールドセリーヌの価値が見直されてきました。現行のセリーヌはミニマルなデザインが主流ですが、オールドセリーヌはレトロな雰囲気と独特の高級感を持ち、一点取り入れるだけでコーディネートのアクセントとなります。また、新品のハイブランド品に比べて手頃な価格で購入できる点も大きな魅力です。

オールドセリーヌのアイテムを取り入れることで、クラシックな雰囲気を楽しむだけでなく、持続可能なファッションを実践することもできます。これからオールドセリーヌを取り入れたい方は、まずは、信頼できるヴィンテージショップやオンラインストアで探してみましょう。自分だけの特別な一点を見つけることで、より深くその魅力を実感できるはずです。