2024年8月23日
エルメスのヴェスパとは?ポーチも含めてサイズや価格など徹底解説!
バッグ
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1837年に創業したエルメスは、当時から高品質な製品を作り続けており、180年以上経った現在でもトップラグジュアリーブランドとして世界中の人々から愛されています。この長い歴史の中で、エルメスは革新的なリーダーシップによって成長を続けてきました。
その一例として、1951年にロベール・デュマがエルメスの4代目社長に就任しました。彼はシルクスクリーン印刷を用いたスカーフの発案、香水部門の設立、ケリーバッグの原型であるサック・ア・クロアをデザインした人物です。さらに、エルメスを象徴するデザインともなっているシェーヌ・ダンクル(船の錨をモチーフにしたチェーン)も、1938年にデュマによって考案されました。
そんなロベール・デュマがデザインしたバッグのひとつに「ヴェスパ」があります。ヴェスパはシェーヌ・ダンクルを開閉部分に用いた、エルメスを象徴するバッグです。シェーヌ・ダンクルを用いたアクセサリーは今や、入手困難なアイテムとして知られています。
今回は、エルメスの伝統あるシェーヌ・ダンクルを用いたバッグ「ヴェスパ」について詳しく解説します。ヴェスパは2wayで使用可能なショルダーバッグで、豊富なカラー展開があり身体にフィットしやすいのが特徴です。現在は廃盤となっており、中古市場での出品価格や買取価格についても触れていきます。
さらに、ヴェスパの派生アイテムである「ヴェスパポーチ」や、フォルムが似ている「エブリン」との違いについても解説します。本記事をご一読いただき、ヴェスパの魅力を知っていただければ幸いです。
目次
1 ヴェスパとは?特徴5選
ヴェスパは1980年代頃に発表され、多くの人々から支持を得ている人気のショルダーバッグです。ストラップが長めに作られているため、ショルダーバッグのほかに斜めがけバッグとしても使用できるのが魅力です。また、バッグの特徴であるシェーヌ・ダンクルは、エルメスの伝統を体現するシグネチャーデザインとして知られています。
ここでは、名前の由来や使い勝手など、ヴェスパの特徴を大きく5つに分けて解説します。
1-1 名前の由来
ヴェスパと聞くと、バイクの「ベスパ」を思い浮かべる方が多いかもしれません。バイクのベスパは、イタリアのバイクメーカーによって1946年から販売が開始され、映画「ローマの休日」でオードリー・ヘップバーンが乗車したことで有名となりました。誤解されやすいのですが、エルメスの「ヴェスパ」の名前の由来は、バイクの「ベスパ」ではありません。
ヴェスパの名前の由来は、このバッグをデザインした2人のデザイナーの名前からきています。ヴェスパのデザインとして「シェーヌ・ダンクル」が特徴的ですが、2人のデザイナーの絆が普遍的なことを表しています。
エルメスのバッグの名前の由来は、さまざまなところからインスパイアされています。例えば、エルメスの代表的なバッグとして知られるバーキンやケリーは人物の名前に由来しており、コンスタンスはデザイナーの娘の名前が名付けられているのです。さらに、ヴェスパとフォルムが似ているエブリンは、当時の馬具工房のディレクターの名前が由来となっています。
1-2 廃盤品
ヴェスパは1980年代頃から販売されており、非常に人気の高いバッグでした。しかし、今では製造が終了しており、廃盤品となっています。
エルメスの販売戦略として、いくら人気の高い商品であっても再販はしないといった特徴があります。よって、ヴェスパを入手するには中古市場を利用するしかありません。
ヴェスパは発売開始からおよそ40年の月日が経っていますが、人気は衰えることなく、中古市場では継続的な需要があります。また、今後ヴェスパの制作数は増えることはないため、中古市場に出品されているヴェスパは希少と言えます。廃盤品のヴェスパは、レアアイテムとして高い人気を誇っています。
1-3 エルメスを象徴したデザインが特徴
ヴェスパのデザインの大きなポイントは、何と言っても「シェーヌ・ダンクル」でしょう。シェーヌ・ダンクルは、日本語で「船のいかりのチェーン」を意味し、エルメスの4代目社長であるロベール・デュマが考案しました。シェーヌ・ダンクルが発表されたのは1938年であり、80年以上も愛されているデザインです。
ヴェスパでは、シェーヌ・ダンクルは開閉する際に使われるだけでなく、エルメスのバッグであることを象徴する役目も果たしています。ヴェスパのシェーヌ・ダンクルを一目見て、エルメスのアイテムであることを認識する人は多いのです。また、ヴェスパポーチの留め具にもシェーヌ・ダンクルが採用されており、主張しすぎないデザインはエルメスらしさを感じさせます。
シェーヌ・ダンクルを使ったアクセサリーは非常に人気が高く、入手するのが困難となっています。よって、これからもシェーヌ・ダンクルのデザインの人気が衰えることは考えにくく、同時にヴェスパの需要も継続すると思われます。ヴェスパは、エルメスの伝統あるシェーヌ・ダンクルを用いた貴重なバッグなのです。
1-4 ショルダーバッグと斜めがけバッグの2wayで使用可能
ヴェスパはショルダーストラップが取りつけられており、ショルダーバッグと斜めがけバッグの2wayで使用できる使い勝手のよいバッグです。ストラップは取り外し不可で、調整できないのも特徴となっています。
マチがそれほど大きくない(最大サイズのヴェスパでもマチは9cmほど)のもポイントで、斜めがけすると身体にフィットしてくれます。この特徴は防犯性に優れており、ファッションスタイルに馴染みやすいという利点があります。
ショルダーバッグとして利用すると、エルメスならではのエレガントな雰囲気を演出できます。その独特な高級感から幅広い年齢層から支持を得ています。
1-5 内ポケットがあるアイテムも存在
ヴェスパは1980年代頃から高い人気を誇るバッグであり、製造年や素材などによって、内ポケットがあるモデルとないモデルが存在します。内ポケットが設置されているポケットの位置は、裏側(身体にあたる側面)に統一されています。
ヴェスパに収納する荷物や用途は人それぞれです。ヴェスパ特有のスリムなフォルムを活かしつつ、自分に合った使い方ができるように内ポケットの有無の選択が可能となっています。
2 廃盤だからこそヴェスパが人気の理由3選
前述した通り、ヴェスパはすでに廃盤となっており、入手するには中古市場を利用するしかありません。しかし、廃盤だからこそのメリットも多くあります。ここでは、ヴェスパが好まれる理由を3つに絞って解説します。
2-1 エルメス製品なのに価格が比較的安い
ヴェスパは廃盤だからこそ、エルメス製品であるにもかかわらず比較的安い価格で購入できます。エルメスは素材や品質に強いこだわりを持っており、その特徴から長い間世界中の人々から愛され続けています。それゆえ、エルメス製品は高額なことで知られています。
例えば、エルメスで高い人気を誇るバーキンやケリーのようなレザーバッグは、定価が100万円を超えており、あまりの人気の高さから需要と供給が逆転して二次流通の方が定価より高い価格となっているほどです。また、エルメスのバッグは特に人気で、入手するのは簡単ではありません。
このような点から、廃盤のヴェスパは中古市場を探せばエルメスの実店舗で購入するより入手するのが容易であり、中古という点を考慮しても比較的安く手に入れられるというメリットが人気の理由となっているのです。
2-2 フォルムがエブリンに似ている
ヴェスパはショルダーバッグでマチが浅めなのが特徴で、そのフォルムはエブリンに似ています。エブリンは現行品で、エルメスのバッグの中でも人気が高く入手困難なアイテムとして知られています。よって、エブリンをエルメスの店舗で入手するためには地道なエルパトが必要となるのです。
欲しいと思ってもすぐに手に入れることのできないエブリンに比べて、廃盤のヴェスパは中古市場で比較的入手しやすく、また価格面でも手が届きやすい傾向にあります。エブリンのようなショルダーバッグが欲しくても、高価であることや入手困難であることがネックとなっている方にとって、ヴェスパは魅力的な代替案となるでしょう。
2-3 ヴィンテージブームに乗っている
最近では、ヴィンテージアイテムをファッションに取り入れる人も増えています。ヴィンテージアイテムと流行りのアイテムを組み合わせて、個性的なファッションを楽しむのです。廃盤となっているヴェスパはヴィンテージアイテムと言え、このトレンドにぴったりマッチしています。
3 ヴェスパのサイズ展開・着用した時のサイズ感は?
ヴェスパは3つのサイズが展開されています。それぞれの寸法や収納可能な荷物の容量、着用した時のサイズ感を解説します。
3-1 ヴェスパTPM
ヴェスパTPMは、ヴェスパの中で最小サイズです。寸法はおよそ幅18×高さ18×マチ5cm、ストラップの長さはおよそ110cmです。コンパクトなフォルムですが、スマートフォンや折りたたみ財布、キーケースのような必要最低限の荷物が収納可能です。
ストラップの長さがおよそ110cmと長めのため、長身の方でも斜めがけが可能です。一方で、身長が低めの方では腰の下あたりにバッグが位置します。このコンパクトなミニバッグは身体にフィットするため、ファッションのアクセントにしたり、セカンドバッグとして使用したりと、様々な用途を楽しめます。
3-2 ヴェスパPM
ヴェスパPMは、ヴェスパの中で一番人気のサイズとなっており、中古市場で出品数が多いのが特徴です。寸法はおよそ幅27×高さ28×マチ8cmで、ストラップの長さはおよそ96cmです。
マチは8cmとそれほど広くありませんが、ヴェスパTPMより幅と高さがおよそ10cmずつ大きくなるため、収納可能な荷物が増えます。例えば、小型のタブレットなどの荷物を加えられます。
ショルダーストラップはおよそ96cmとなっており、日本人女性の平均身長である約160cmの場合、斜めがけすると腰の下の方に位置し、ショルダーバッグにすると太もものあたりに位置します。その日のファッションスタイルや気分によって持ち方を変えることで、ヴェスパPMは主役にも脇役にもなってくれるサイズ感です。
3-3 ヴェスパGM
ヴェスパGMは、ヴェスパの中で最大サイズです。寸法はおよそ幅31.5×高さ36×マチ9cm、ショルダーストラップはおよそ78cmとなっています。大きなバッグの印象を与えるヴェスパGMは、日常で必要とする荷物に加えて文庫本や折り畳み傘などの収納が可能です。
ストラップはおよそ78cmと短めになっているため、斜めがけよりもショルダーバッグとして使用するのに向いています。このサイズ感は、女性だけでなく男性からも高い需要のある大きさとなっています。
4 ヴェスパに採用されている素材
ヴェスパに採用されている素材は多彩です。ここでは、多くの素材の中から主に使われているレザー素材、レザーと組み合わせたコットン素材、希少価値の高い素材などを解説します。
4-1 ヴォー・エプソン
ヴォー・エプソンは、ヴェスパに多く採用されている雄仔牛のレザー素材です。2003年に登場した素材で、その使いやすさからバッグから小物まで幅広く使用されています。
特徴は、プレス加工を施した型押しによる細かな革目です。この細かな革目は傷を目立ちにくくさせ、素材を硬くするため型崩れしにくいといったメリットがあります。
4-2 トゴ
トゴも雄仔牛のレザー素材で、ヴェスパをはじめ、多くのバッグや小物に採用されています。1997年に登場しており、エルメスで長く活用されています。ほどよい柔らかさと、ほどよい革目が特徴で、自然な革本来の魅力を楽しめます。
4-3 クシュベル
クシュベルは、ガラス加工やプレス加工を施した雄仔牛のレザーであり、素材が硬めなのが特徴です。現在は廃盤となっており、後継の素材はヴォー・エプソンとなっています。クシュベルは独特の光沢が魅力となっており、中古市場では出品数が少ないのも特徴です。
4-4 トリヨンクレマンス
トリヨンクレマンスは、雄成牛のレザー素材で、くったりとした柔らかさと大きな革目が特徴です。トリヨンクレマンスはヴェスパ以外にも、バーキンやケリー、エブリンに多く使われています。
4-5 トワルアッシュ×レザー
ヴェスパにはオールレザーモデルだけでなく、トワルアッシュを用いたモデルも発表されています。トワルはフランス語で「布」や「キャンバス」を意味し、トワルアッシュは異なる2本の糸を平織りにしたキャンバス素材を指します。
トワルアッシュはレザーより軽く、摩擦に強いのが特性です。トワルアッシュとレザーを組み合わせたヴェスパは、オールレザーのモデルと違った雰囲気を演出してくれます。よりカジュアルに、リラックスした場面に最適なモデルとなっています。
4-6 ニロティカスマット
ニロティカスマットはワニ革素材で、希少価値の高いエキゾチックレザーに分類されます。ニロティカスとは「ナイル川」を意味し、ナイル川流域を原産地とするワニの革が原材料となっています。希少価値が高く、職人の高い技術を必要とするため、中古市場でも販売価格が高額なのが特徴です。
5 ヴェスパの多彩なカラー展開
バッグのカラーは、第一印象を決める重要なポイントです。ヴェスパは多彩なカラーを展開しており、どれも魅力的なものばかりです。ここでは、落ち着いたカラーと鮮やかなカラーに分けて、ヴェスパのおすすめのカラーや人気カラーを紹介します。
5-1 落ち着いたカラー
落ち着いたカラーの中で、ヴェスパで人気が高い色はコニャックです。コニャックは、赤みを帯びたブラウンの色合いが特徴です。ヴェスパは、エルメスではゴールドとも呼ばれるブラウン系の人気が高く、多彩な濃淡のブラウンが展開されています。
また、トワルアッシュを用いたモデルも落ち着いたカラーと言えます。キャンバス素材は柔らかい雰囲気を演出してくれます。共に用いられているレザーカラーもブラウンやブラック、ホワイトのような落ち着いたカラーが採用されているのが特徴です。
5-2 鮮やかなカラー
鮮やかなカラーの中で、ヴェスパで人気が高い色はライトブルーです。爽やかな印象を与える明るいブルーは、気分を上げてくれます。その他には、エルメスを象徴するオレンジ、レッド、ブルータラサ、シクラメン、ライムグリーンなどがあります。
エルメスの商品に使われているカラーは職人の手作りで調合されており、絶妙な色の違いや深みのある色合いが特徴です。実際に手に取ってみると、その魅力が一段と深まるでしょう。
6 ヴェスパポーチとは?
ヴェスパポーチは、ヴェスパの派生アイテムとして発表されたポーチです。非常に高い人気を誇っており、中古市場において出品数が少なく手に入りにくいのが特徴です。ここでは、ヴェスパポーチのサイズや魅力、おすすめの使い方などを紹介します。
6-1 ヴェスパポーチのサイズと特徴
ヴェスパポーチのサイズはおよそ幅7×高さ9×マチ5cmとなっており、コロンとしたフォルムで手のひらに乗せられるほどの大きさとなっています。巾着型となっており、左右のストリングで開閉します。左右のストリングは長めに作られており、ポーチを最大限に広げると蛇腹の開口部はおよそ15cmまで開きます。
6-2 ヴェスパポーチの魅力とは?
ヴェスパポーチには多くの魅力がありますが、厳選して2点紹介します。まずは素材がオールレザーとなっているため、エルメスがこだわり抜いた品質の高いレザーをダイレクトに感じることができます。また、熟練した職人が縫製した丁寧で美しいステッチも魅力です。
次に紹介する魅力は、エルメスブランドを感じられるデザインです。ポーチ内装の底には「HERMES PARIS」の文字が印字され、左右のストリングスの先にはシェーヌ・ダンクルの金具が設置されています。シェーヌ・ダンクルが付いている2本のストリングスは留め具となっており、つなげて使うことが可能です。
6-3 おすすめの使い方
手のひらサイズのヴェスパポーチに入る荷物は、短めのリップや目薬、ピルケースなどの小物です。よって、荷物を持ち歩くためのアイテムではなく、アクセサリー感覚で愛用するのがおすすめです。例えば、チャームのようにバッグのハンドルにつけてアレンジを楽しんだり、ベルトにつけたりしておしゃれを楽しむ人もいます。
ヴェスパポーチは、ハイブランドのエルメスの製品を、遊び心を持ちながら多様な使い方を楽しめる魅力的なアイテムです。
6-4 ヴェスパポーチの中古相場と買取相場
ヴェスパポーチの中古相場は、およそ2万円から5万円で推移しています。買取価格は、およそ5000円から1万円です。それぞれの価格は、状態や時期、出品サイトや買取店舗によって変動します。おおよその相場として、参考程度にしていただければ幸いです。
7 ヴェスパの中古価格の相場
ヴェスパの中古相場は、およそ10万円から25万円で推移しています。ただし、中古価格は市場の動向や出品者、時期などさまざまな影響を受けて変動します。また、エキゾチックレザーのような希少性の高い素材は、相場よりかなり高い価格設定であることが特徴です。
バッグの状態や傷の有無、製造年などを考慮して、自分が納得のいくヴェスパを探してみてください。
7-1 刻印の場所はどこ?
ヴェスパの刻印は、ショルダーストラップとバッグを繋ぐレザーの裏面にあります。刻印はアルファベットで記されており、製造年が把握できるようになっています。
中古市場において、販売されているすべてのヴェスパが正規品だとは限りません。偽物を購入しないためにも刻印をはじめ、製造年、保証書、付属品などの確認は忘れないようにしましょう。
8 ヴェスパの買取価格の相場
ヴェスパの買取価格の相場は、およそ3万円から11万円と幅広い価格となっています。買取価格は中古相場と同様に、さまざまな要因が合わさって価格が決定されます。ここに記載している買取価格の相場は参考程度にしていただけると幸いです。
8-1 少しでも高く買取してもらうには?
せっかくヴェスパを手放すのであれば、少しでも高い価格で買取したいと思うのは当然のことです。少しでも高く査定してもらうためにできることとして、2点紹介します。
1つ目は、付属品があれば揃えておき、できる範囲できれいな状態にすることです。ヴェスパの付属品には、布袋や箱、保証書、サイテス(エキゾチックレザーの場合)などがあり、手元にあれば査定の際に一緒に提示しましょう。また、乾いた布で汚れを拭き取ったり、内装のポケットや隅にたまったほこりを取り除いたりして、できる範囲できれいな状態にしておくことも有益です。
2つ目は、査定依頼する買取専門店を1店舗だけに絞らず、複数利用することです。買取価格は、すべての店舗で同じとは限りません。よって、複数の店舗で査定してもらい、一番高い買取価格の提示があった店舗を選択するとよいでしょう。
買取専門店は無料査定している店舗や、実績が多かったり評価が高かったりする店舗を選ぶと、適正な価格を提示してくれる可能性が高まります。少しでも高く買取してもらうには、2つのポイントを参考にしてみてください。
9 ヴェスパとエブリンの違い4選
ヴェスパはエブリンとフォルムが似ており、ショルダーバッグでマチが浅い点が同じということを前述しました。また、エブリンは現行品で、人気バッグのためすぐに入手できるバッグではないことも紹介しました。
では、ヴェスパとエブリンの具体的な違いはどこにあるのでしょうか。似ていると言われる2つのバッグの違いを大きく4つに分けて解説します。
9-1 違い①デザインと留め具
1つ目の違いは、デザインと留め具で、この違いは一目見るとわかります。エブリンのデザインは、HERMESの頭文字である「H」がパンチング加工されたデザインとなっています。留め具については、エブリンはレザーベルトで開閉します。
9-2 違い②価格
2つ目の違いは価格です。エルメスは2024年8月に価格改定を行っていますが、エブリンの定価に変更はありませんでした。現在わかっているエブリンの定価を紹介します。
商品名 | 素材 | 定価 |
エブリンTPM | スイフト | 326,700円 |
エブリンⅢ PM | トリヨンクレマンス | 570,900円 |
ヴェスパの中古価格と比較すると、エブリンの方がかなり高価であることがわかります。
9-3 違い③サイズ展開
エブリンは6種類のサイズが展開されています。ヴェスパのサイズに近いアイテムも販売されているのが特徴です。エブリンのそれぞれのサイズを表に示します。
商品名 | サイズ(幅×高さ×マチ) |
TPM(ミニエブリン) | およそW16×H18×D5cm |
PM | およそW29×H30×D10cm |
MM | およそW30×H32×D10cm |
GM | およそW33×H32×D10cm |
TGM | およそW41×H38×D8cm |
9-4 違い④ポケットの有無とストラップの調節
エブリンは2回のアップデートをおこなっており、これによりポケットの有無や、ストラップの調節ができるモデルとできないモデルが発表されています。アップデートによりエブリンには、Ⅰ(アン)・Ⅱ(ドゥ)・Ⅲ(トロワ)の3つの種類があります。アップデートされた年はそれぞれ、ⅠからⅡが2006年、ⅡからⅢが2014年となっており、現行品はエブリンⅢです。
ポケットについては、Ⅰは内側、ⅡとⅢは外側に設置されています。ストラップは現行品のⅢから調節可能となっています。ストラップの調節ができないモデルは、ヴェスパとエブリン(旧型であるⅠ・Ⅱ)の共通点となります。
10 ヴェスパはエルメスの伝統を感じられる廃盤バッグ
エルメスの4代目社長であるロベール・デュマがデザインしたヴェスパは、シェーヌ・ダンクルが象徴的なショルダーバッグです。シェーヌ・ダンクルのアクセサリーは非常に需要が高く、シェーヌ・ダンクルを用いたヴェスパは珍しいアイテムです。そんなヴェスパはカラーバリエーションが豊富であり、2wayの使用が可能なため使い勝手に優れています。
ヴェスパは現在では廃盤となっており、入手するには中古市場を利用するしかありません。ですが、フォルムが似ているエブリンの定価と、ヴェスパの中古価格の相場を比較すると大きな差があり、ヴェスパの方が手が出しやすい価格帯となっています。もし、エブリンの高い価格帯がネックだと感じる場合は、ヴェスパを検討してみるのもよいでしょう。
また、ヴェスパを手放したいと考えている方にとっては、今は絶好の機会かもしれません。中古市場で出品されているヴェスパの数はそれほど多くないため、買取の時期や相場、買取店によっては高い買取価格を提示してもらえる可能性があります。さらに、ヴェスパの派生アイテムであるヴェスパポーチも需要が高いため、注目を集めています。
本記事が、ヴェスパをより深く知っていただくきっかけとなれば幸いです。