2022年1月12日
【世界三大時計】オーデマ・ピゲとは?歴史や魅力を徹底解説
時計
世界三大時計ブランドの一つとして知られるオーデマ・ピゲは、1875年創業と世界的にも長い歴史を誇るブランドです。
ムーブメントからの製造を自社で一貫して行うマニュファクチュールとして高い技術力を持ち、複雑機構を搭載したモデルを次々と発表。世界中を魅了し続けています。買収や合併がしばしば起こる腕時計業界において、巨大な資本に属さず独立して経営し続けている数少ないブランドの一つでもあります。
この記事ではオーデマ・ピゲの世界観を深く楽しんでいただけるよう、これまでの歴史と魅力、代表的なシリーズ、オーデマ・ピゲの時計を着けている有名人について解説をします。
目次
1.世界三大時計ブランド オーデマ・ピゲの歴史
キャビノチェという言葉を聞いたことはあるでしょうか。18〜19世紀のスイスで長い冬の間に農家が屋根裏(キャビネット)で時計造りに行っていた職人たちを表しています。元々はフランス革命の際にスイスに来た宝飾職人の技術を時計に応用したといわれており、スイス時計の技術力の礎はここから生まれたと言っても過言ではありません。
ジュウ渓谷で創業したオーデマ・ピゲにおいては、彼らの歴史はスイス時計の歴史でもあると言えます。この章では、オーデマ・ピゲの歴史について解説していきたいと思います。
1-1 ジュウ渓谷の小さな工房から始まった
ジュール=ルイ・オーデマ (1851–1918)とエドワール=オーギュスト・ピゲ (1853–1919)は卓越した技術をもつ職人で、出身地のル・ブラッシュの村にアトリエをかまえ創業しました。正確には1875年にアトリエをつくり他メーカーの下請けとして、1882年にブランド「オーデマ・ピゲ」として独立しました。
2人の時計師の名を冠したブランド「オーデマ・ピゲ」はまず最初にそれぞれの役割分担を決めたと言われています。ジュール・オーデマはムーブメント開発、エドワール・ピゲは時計師の経験を活かし、ジュールが生み出した複雑機構を理解し100%伝えられる営業として従事することでブランドの知名度は世界的に広がっていきました。創業からわずか6年ほどでロンドン、パリ、ブエノス・アイレス、ニューヨーク、ベルリンに代理店を設けることに成功しています。ちなみに1892年には世界初のミニッツ・リピーター搭載の腕時計を開発し伝説となっています。(このときのモデルはオーデマ ピゲ・ミュージアムに保管されています)
1907年には拡大のためにアトリエの隣に初のマニュファクチュールの工房を建てました。この頃のスイスでは既に工業生産が発達し始めていたものの、自社で一貫して製造を行うマニュファクチュールにこだわって手造りの体制を貫くための工房を建てたと言われています。この時の建物は現在オーデマ・ピゲの本社となっています。
買収や合併がしばしば起こる腕時計業界において、家族経営を貫いている世界的にも貴重なブランドで、現在は創業者の血族4代目が会社を経営しています。家族経営ときくと閉鎖的なイメージが強くなりがちですが、第二次世界大戦で時計が全く売れない環境でも社員を解雇せずに自己資本でやりくりするなど、長いヴィジョンで経営を考えることができるブランドでした。
1-2 巨匠ジェラルド・ジェンタ氏によるロイヤルオークの誕生
1921年、オーデマ・ピゲは世界で最も薄い懐中時計(厚み1.32mm)を開発しました。1938年には厚み1.64mmの手巻き式腕時計を、1950年頃には複雑機構の小型化にも成功しています。ジュール・オーデマとエドワール・ピゲが引退しそれぞれの息子が引き継いだ後はこうした小型・薄型の時計が好まれ、そうした開発に注力していました。
しかし1969年にセイコーがクオーツ時計を発表。
機械式のぜんまいを巻く手間や取り去ることのできない進み・遅れをほぼなくすことができる画期的なクオーツ時計は世界中に普及していきました。機械式時計の需要は大きく下がり、多くの高級時計が壊滅的な状況でした。
そんな環境で発表されたロイヤルオークは、現代におけるスポーツラグジュアリーウォッチの祖といえる存在となりました。当時高級時計といえば金やプラチナといった貴金属を採用していましたが、ロイヤルオークはステンレスケースでした。また、前述したように小型・薄型が好まれていた時代に39mmのケースサイズはかなり異端で、「ジャンボ」のあだ名で呼ばれたほどでした。さらに当時のステンレスケースモデルでは考えられないほど高価だだったことも異端な時計だったといえます。
1-3 進化の象徴となる2つの新ファクトリー
1950年まで10人から30人だった時計技師は、ロイヤルオーク発表後には100名に増えました。今日では世界各地を含め2000名以上のスタッフが従事しています。
2008年には新工場のマニュファクチュール・デ・フォルジュを建設、2021年春には新工場マニュファクチュール・デ・セニョルが完成。これはルノー・エ・パピの名で知られるコンプリケーションウォッチ専門のアトリエとなっており、新しい機能や斬新な機構を日々開発している特殊な会社で、オーデマ・ピゲの完全子会社となっています。
さらにマニュファクチュール・デ・フォルジュの隣に新工場アルクの建設を開始し、前衛的なチャレンジを感じさせる取り組みです。
2.進化し続けるオーデマ・ピゲ。3つの魅力
上述した歴史から磨かれた技術によって生まれるオーデマ・ピゲの時計はどれも魅力的ですが、特に他のブランドが持ち合わせていないポイントをピックアップしてご紹介します。
2-1 世界三大時計ブランドの一つ
世界三大時計の一つに数えられているオーデマ・ピゲ。
特に操業を止めなかったこと、高級品だけを生産し続ける体制が世界三大時計に選ばれている理由だと言われています。似た言葉で雲上時計(はるか雲の上に感じる高級時計を意味しています)もありますが、こちらはブレゲ、ランゲ&ゾーネを加えた5大雲上時計とも言われています。
腕時計業界は世界大戦やクオーツショックによる売上の低迷といった理由で休止したブランドも数多く存在しています。巨大資本に入ることで経営が安定した、マニュファクチュールだったがエントリーモデルの生産・販売をメインに切り替えた、やむなく休眠したなど、紆余曲折でした。そのため、操業を止めずに経営できていることに高い価値があるのです。
オーデマ・ピゲは腕時計が全く売れなかった第二次世界大戦時には生産数を抑えるなどでコスト削減を行い、従業員を解雇しなかったと言われています。顧客側としても、人を大事にするブランドを魅力的に感じ、製品が買いたいと考えるのは自然かもしれません。
高級品だけを作り続けるこだわりは、ブランドのアイデンティティーにも関わってきます。例えばケースの磨きについて、機械を利用すれば早く正確に処理することができますが、オーデマ・ピゲは職人が手作業で処理することにこだわります。機械では出せない精度や磨き模様を職人の手だけが可能にしますが、代わりに生産数を伸ばすことが難しくなります。
オーデマ・ピゲは年間の生産本数を40,000本を上限としており、売上だけを考えるなら効率的にできるだけ多くの時計を生産し販売するべきですが、なぜしないのでしょうか。
その理由は、オーデマ・ピゲのもう一つの公式サイト「lebrassus」においてグローバルCEOのフランソワ-アンリ・ベナミアス氏は動画(※)でこう話しています。「旗艦店やブティックでの取り扱い・販売を強化することで理想的なカタチで商品・ブランド体験をお客様に直接お届けでき、またお客様との関係値を深められるからです。
生産量を増やすよりもオーデマ・ピゲとして目指したい顧客体験の成功例を増やしました」オーデマ・ピゲの時計はブランドの世界観・体験を深く楽しんでもらうために、生産数を絞っています。
それらが希少価値となり、高い品格となって世界三大時計として愛されています。
※https://borninlebrassus.audemarspiguet.com/product07/#full-movie
10:32~12:02参照
2-2 スポーツラグジュアリーウォッチの草分け的存在
出典:Instagram
今でこそスポーツラグジュアリーウォッチは世界的に人気ですが、その草分け的存在とされているのがオーデマ・ピゲの”ロイヤルオーク”です。発表当時の時計業界では異端とされるサイズ、価格だったため、実は発売当初は全く売れなかったことも知られています。
しかしオーデマ・ピゲは、すぐには売れなくともいずれブランドを支えていく柱になり得ると考え継続した結果、今ではブランドを牽引する3つの柱の一つとなっています。
発表当時は小型・薄型が好まれていましたが、今では大型・厚めのデカ厚が主流。ロイヤルオークがデカ厚ブームの火付け役だったと言われています。当時のオーデマ・ピゲはスポーツラグジュアリーウオッチが得意というわけではありませんでしたが、時代に逆行するようなユニークなことに取り組むチャレンジャブルなブランドだからこそ生まれたブームだといえます。
2-3 マニュファクチュールの高い技術から生まれる複雑機構
オーデマ・ピゲの2人の創業者はどちらも高い技術をもつ時計師で、クロノグラフや永久カレンダー、鐘の音で時刻を知らせるリピーターを得意としていました。永久カレンダーとムーンフェイズ、クォーターリピーター、クロノグラフ、機械式時計では通常秒針が流れるように動くところ、まるでクオーツのように1秒で刻みで動くデッドビートセコンドをすべて搭載しつつしかも小型化に成功しています。ブランド創業年に制作されたこの懐中時計はグランドコンプリカシオンと呼ばれ、オーデマ・ピゲ博物館に保管されています。グランドコンプリカシオンは伝統になり、現代においてもそのクラフツマンシップは継承され続けています。
また、小型化もオーデマ・ピゲの得意分野です。グランドコンプリカシオンを小型化することい成功し、1,995年には腕時計に搭載することができました。グランドコンプリカシオン以外の複雑機構でいうと、1986年には腕時計にトゥールビヨンを、しかも自動巻きに搭載したのはオーデマ・ピゲが世界初でした。あるいは均時差表示など、様々な複雑機構に取り組んでいます。
3.世界を魅了するオーデマ・ピゲの代表シリーズ5選
ここまで様々な点で魅力的なオーデマ・ピゲについて紹介してきましたが、オーデマピゲを代表する5つのシリーズについて深く解説していきたいと思います。
3-1 CODE11.59 バイ オーデマ ピゲ
CODE 11.59 バイ オーデマ・ピゲは2019年に発表されたラウンド型のドレスウォッチシリーズです。側面から見ると上下のラウンドケースにオーデマ・ピゲのアイコンである八角形のケースを挟み込んだデザインになっており、それぞれポリッシュ仕上げとヘアライン仕上げを採用することで立体感が楽しめます。コンビケースは巧みで、18KWGの上下のラウンドケースで18KYGの八角形ケースを挟み込んだデザインは慎ましやか、かつ主張もあるといったこれまでにない雰囲気を楽しむことができます。
ロイヤルオークオフショアでオレンジやアースグリーンなど先進的なカラーリングに挑戦してきたオーデマ・ピゲですが、CODE 11.59 バイ オーデマ・ピゲではグラデーションのかかった伝統的で格式のある文字盤を採用しています。文字盤の外側から中心に向けて明るくなっていく文字盤は見る角度によって表情の変化が楽しめます。また、ベゼルを薄くして文字盤を大きく見せることで、よりインパクトのあるデザインに仕上がっています。
3-2 ロイヤルオーク
オーデマ・ピゲを代表する最も広く認知されているシリーズです。ブランドを代表するシリーズで、特徴的な八角形ケースやベゼルのビス留めといったデザインは、後にデザイナー ジェラルド・ジェンタ氏の他のモデルにも影響しており、氏がデザインしたといわれるパテック・フィリップのノーチラス、ヴァシュロン・コンスタンタンの222、IWCのインヂュニアにはロイヤルオークの面影がどことなく見えます。
網掛けのようなタペストリーダイヤルは立体的で針の視認性が良いデザインです。ケースと一体化しているブレスレットはヘアライン仕上げとポリッシュ磨きが使い分けられており、なめらかなつけ心地が特徴です。機能的かつラグジュアリーなデザインに仕上がっています。
ベゼルのビス留めに機能的な意味があるのはご存知でしょうか。ジェラルド・ジェンタ氏はロイヤルオークを日常でも使いやすいように防水性を確保したいと考えました。スクリューバックでは厚みが出てしまうため、ラバー製のインナーケースをパッキンのように挟み込み、ベゼルをビス留めすることで防水性と薄さが両立できているのです。見た目だけでなく、機能美ともいえるデザインです。
3-3 ロイヤルオーク・オフショア
ロイヤルオークオフショアは、ロイヤルオークをベースに42mmにサイズアップ(現在では37mm〜45mm)、クロノグラフを搭載したロイヤルオークオフショアクロノグラフと、インナーリングでのダイビングスケールを搭載したロイヤルオークオフショアダイバーの2種類の展開です。
ロイヤルオークオフショアはロイヤルオークをベースにエマニュエル・ギュエ氏がよりスポーティーに仕上げたシリーズです。ケースのあまりの大きさからビースト(野獣)と呼ばれ、オーデマ・ピゲ社内では不評だったとか。ジェラルド・ジェンタ氏は怒りのあまり乗り込んできたとの逸話もあります。しかしユーザーからは好評で、発表当時から人気の高いシリーズでした。
現在ではオーデマ・ピゲの取り組みの一つである新素材と複雑機構を試すことも多くユーザーの反応が得やすい、トレンドにのったシリーズです。
3-4 ロイヤルオーク・コンセプト
現代の技術、精度、デザインを兼ね備えた最新のロイヤルオークシリーズです。ロイヤルオーク30周年記念のモデルとして2002年に登場して以来、ハイスペックを好むロイヤルオークユーザーに愛されております。
最新メカニクスなデザインは車のエンジンを彷彿とさせ、高級車をイメージさせるようなラグジュアリーなデザインとなっています。
時計の中にマーベルのブラックパンサーを立体的にデザインしたことで、時計業界だけではなく映画業界まで話題となりました。
3-5 ミレネリー
ミレネリーはオーデマ・ピゲの中でも独特な世界観をもつシリーズです。楕円型のケースが特徴的で、ローマのコロッセオからインスピレーションを得たと言われています。
ミレネリーは元々クラシックなデザインが主で、3針ローマインデックスのシンプルな機能の時計として発表されていました。しかし2011年に転機が来ます。裏返したムーブメントを文字盤の表で見せたデザインのミレネリー4101が大ヒットしたことで、以降のミレネリーに強い影響を与えました。オフセンターに配置された文字盤はクラシックでありながら、裏返したムーブメントのてんぷの動きを余すところなく楽しめる時計となっています。
このムーブメントCal.4101はルノー・エ・パピ出身の日本人時計師浜口尚大氏が制作に関わったことで知られています。また、ロイヤルオークに搭載されているムーブメントCal.3120をベースに使用していることから、オーデマ・ピゲが新たなチャレンジをすることを意識していたと思えてなりません。
オーデマ・ピゲを着けている芸能人5選
世界三大時計と名高いオーデマ・ピゲは奥深く語りたくなる歴史、格式の高さ、デザイン・機構が複雑でありユニークであることから、世界中の芸能人・有名人が好んで着けています。ここではオーデマ・ピゲの時計を着けている芸能人・有名人の情報をまとめます。
4-1 リオネル・メッシ -ロイヤルオーク-
出典:openers
世界で最も有名なサッカー選手 リオネル・メッシ氏が着けているのはロイヤル オーク・クロノグラフ レオ・メッシ26325OL.OO.D005CR.01です。ブランドアンバサダーのメッシ氏のシグネチャーモデルとして発表されたモデルです。
26325OL.OO.D005CR.01は18kピンクゴールドケースにタンタル製のベゼル、ブラックラバーストラップのスポーティーな雰囲気のモデルです。ケースバックには“ROYAL OAK LIMITED EDITION”,“LEO MESSI”と刻印されています。限定生産400本。メッシ氏とのコラボモデルには26325TS.OO.D005CR.01(ステンレスケース、黒文字盤、限定生産500本)、26325PL.OO.D310CR.01(プラチナケース、青文字盤、限定生産100本)があります。
4-2 スタン・ワウリンカ -ロイヤルオーク-
出典:Instagram
スイスのプロテニス選手 スタン・ワウリンカ氏が着けているのはロイヤル オーク・パーペチュアルカレンダー ブラックセラミックモデル26579CE.OO.1225CE.01です。
試合中も腕時計を着ける習慣のあるワウリンカ氏は元々オーデマ・ピゲが好きで着けていたところ、ブランドアンバサダーとなりました。2017年にはスイス ル・ブロッシュのオーデマ・ピゲの工房を訪れたほどの愛好家です。
26579CE.OO.1225CE.01はブラックセラミックをケース、ブレスレットに採用した精悍な雰囲気のモデルです。ファインセラミックスから削り出しでできており、ステンレススチールの5倍手間がかかるものの、経年劣化がなく軽量で美しい材質となっています。
4-3 葉加瀬太郎-ロイヤルオーク-
出典:Instagram
アーティスト 葉加瀬太郎氏が着けているのはロイヤルオークオートマティック15400ST.OO.1220ST.01です。バラエティー番組などTVに出る機会の多い葉加瀬氏が着けているのを見かけます。
葉加瀬氏はカルティエロードスターやカルティエタンクフランセーズなど主にカルティエの時計を着けているのを見かけますが、加えてシンプルな3針のロイヤルオークを着けているのを確認されました。端正なデザインの時計を好むのかもしれません。
15400ST.OO.1220ST.01はケースサイズ41mm、3針のベーシックなロイヤルオークとなっています。ロゴの大きさやインデックスの太さ、文字盤のタペストリーなど年代ごとに微妙な差があり、15400ST.OO.1220ST.01は既に廃盤となっていますが人気の高いモデルです。
4-4 ヒカキン -CODE11.59 バイ オーデマピゲ-
出典:Twitter
Youtuber ヒカキンが着けているのはCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ
26393BC.OO.A002CR.01です。自身のTwitterでオーデマ・ピゲのVIPパーティーに着けていった様子が投稿されています。
Youtubeの企画で罰ゲームとしてロイヤルオークトゥールビヨン26510OR.OO.1220OR.01を購入したものの、8時間後に金属アレルギーであることが発覚。泣く泣く手放したもののオーデマ・ピゲの時計に惚れ込み、改めてCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフを買い直しています。
26393BC.OO.A002CR.01は18kWGケース、自動巻き、クロノグラフを搭載しているモデルです。特徴的なブラックラッカー文字盤は独特なツヤ感が美しいミラーダイアルとなっています。サファイアクリスタルの風防はアーチのように曲線美となっており、つるんとしたブラックラッカーの文字盤に立体感を与えます。一見シンプルに見えて奥深いのがCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフの世界観です。
4-5 フィルジル・ファン・ダイク -ロイヤルオーク-
出典:Instagram
プロサッカー選手 フィルジル・ファン・ダイク氏が着けているのはオーデマピゲ ロイヤルオーク ダブルバランスホイール オープンワーク15416CE.OO.1225CE.01です。他にもロイヤルオークオフショアクロノグラフやパテック・フィリップ アクアノートを着けているのが見かけられるなど、高級時計それも雲上時計が好きと思われます。
15416CE.OO.1225CE.01はダブル バランスホイール オープンワークの名の通り、てんぷが2つ搭載されており、スケルトンになっている文字盤から見ることができる時計となっています。2つのてんぷとひげぜんまいと同軸上でセットすることで精度と安定性を向上させる機構です。新しく特許取得した非常に難しい機構ですが、歩度の安定性と見た目のインパクトは唯一無二といえるオーデマ・ピゲならではの時計といえるでしょう。
オーデマ・ピゲのおすすめモデル5選
ここまでオーデマ・ピゲの歴史や魅力について語ってきましたので、特におすすめしたいモデルについて紹介します。
5-1 ロイヤルオークオフショアダイバー15720ST.OO.A052CA.01
15720ST.OO.A052CA.01は人気シリーズのロイヤルオークオフショアダイバーの2021年新作です。水深300mに耐える本格派ダイバーズウォッチで、10時位置のリューズでインナーリングの設定が可能です。ロイヤルオークオフショアクロノグラフに比べ太く見やすいインデックスは暗い深海での使用を真剣に想定しているかもしれません。
カーキ色の文字盤とストラップはどこかミリタリーを感じさせるデザインです。ピンクゴールドの針とインデックスが美しく、スポーティーな野性味とラグジュアリーが両立できています。ムーブメントは、自社製自動巻きの新型「Cal.4308」を搭載しており、振動数は28,800とハイビート寄りにすることで精度の安定性を図っています。
5-2 CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック15210BC.OO.A002KB.01
15210BC.OO.A002KB.01は2019年に発表されたシリーズCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲの2021年新作です。ベゼルと裏蓋で八角形のミドルケースを挟むオリジナリティーやドーム状に加工されて立体感が強調されたサファイアクリスタルなど、シンプルでありながら奥深いオーデマ・ピゲのこだわりを見つける楽しみの多いシリーズです。
今回初めて展開されるスモークブルー文字盤は文字盤の中央から外にかけてグラデーションがかかるデザインです。どこかレトロなフォントの植字のインデックスは立体感があり、高級感を引き出しています。
5-3 ロイヤルオーククロノグラフ26331BC.GG.1224BC.03
26331BC.GG.1224BC.03はジャパンブティック限定111本のロイヤルオーククロノグラフです。特徴的なのはジュエリーデザイナーのキャロリーナ・ブッチとのコラボレーションで生まれたフロステッドゴールド仕上げであることです。ダイヤモンドのついた治具でゴールドの表面を凸凹にすることで光の乱反射を起こし独特な輝きとなるイタリア フィレンツェの技法を採用しています。
元々ジュエリーで使われている技法のため女性をメインターゲットに想定していましたが、意外にも男性にも注目されました。しかし最大でもケースサイズ38.5mmだったため、反響を受けジャパンブティック111本限定で41mmサイズのモデルが誕生しました。41mmケースのインパクトを残しつつフロステッドケースの儚い美しさが楽しめる他にないデザインの一本です。
5-4 ロイヤルオークコンセプトブラックパンサー フライング トゥールビヨン26620IO.OO.D077CA.01
26620IO.OO.D077CA.01はロイヤルオークフライングトゥールビヨンのアメコミ”ブラックパンサー”コラボモデルです。作品中に登場する架空の超金属“ヴィブラニウム”にインスピレーションを得て、チタンとセラミックが組み合わされたケースとなっています。一際目をひく文字盤上のブラックパンサーは、1人のエングレーバーとペイント技師による手作業で30時間かけてつくられています。
ケースバックを見ても、ブラックパンサーの世界は続きます。ブラックパンサーが作中で着ているスーツを想起させる模様が地板に描かれています。ブラックとグレーのPVDコーティングを施したチタン製なので、軽量さと堅牢さは折り紙付きです。
5-5 ロイヤルオーク ダブルバランスホイール オープンワーク15407ST.OO.1220ST.01
15407ST.OO.1220ST.01はロイヤルオークをベースにてんぷを2つ備えたダブルバランスホイールを8時位置に備えつつ、オープンワークでムーブメントの動きを余すところなく見せるモデルです。ダブルバランスホイールは一つの軸の表裏にてんぷを逆の動きをするように2つ取り付けるものです。これによって、てんぷの往復運動(収縮運動)の偏りを互いに打ち消すため、高い精度が維持できる仕組みとなっています。
文字にすると簡単ですが、非常に高い精度でのひげぜんまいが必要になること、またそれを取り付ける技術の高さなど、実際に制作できるメーカーは世界でも数えるほどしかありません。ひげぜんまいのメーカーが世界的にも非常に少ないため、非常に貴重な一本だといえます。
6 世代を超えて愛され続けるオーデマ・ピゲ
オーデマ・ピゲの歴史や魅力についてまとめました。世界三大時計と言われる格式の高さや常に革新的なことにチャレンジするマインドは他のブランドにはない強みといえるでしょう。
伝統を大事にしつつも常に新しいことを取り入れているため、数年後には違うことに取り組んでいるかもしれません。オーデマ・ピゲは今後どんな進化を遂げていくのか知るほどに楽しみになるブランドです。店頭でオーデマ・ピゲを見た際にはぜひ一度手にとってみてください。