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2024年3月17日

【ダイヤモンドの頂点】世界三大ダイヤモンドブランドとは特徴や歴史を徹底解説!

ジュエリー

宝石の王様として知られるダイヤモンド。古来より様々なパワーが宿ると云い伝えられてきた宝石で、美しい七色の輝きは見ているだけで力を与えてくれるような気がします。今や一番身近な宝石といえるダイヤモンドですが、その品質はピンからキリまで差があるのも事実です。

ダイヤの質がいいブランドを選びたい!」と思った時に、絶対に知っておきたいのが「世界三大ダイヤモンドブランド」です。

ここでは、世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)に数えられ、屈指のカット技術を誇る3ブランド「ロイヤルアッシャー」「ラザールダイヤモンド」「モニッケンダム」の特徴や違い、ブランドの歴史について解説していきたいと思います。

ダイヤモンドを選ぶためのポイントや、買うなら覚えておきたい日本国内のダイヤの質がいいブランドについても解説していきますので、これからダイヤモンドについて調べていきたい方には必見です。世界の有名なダイヤモンドについての逸話も、知っているとちょっと自慢できるかもしれません。是非最後までご覧になってみてください。

目次

1.世界三大ダイヤモンドブランドとは?

ダイヤモンドの歴史は長く、数千年前のインドにさかのぼるといわれています。当時のダイヤモンドはといえば、まだカットによるその輝きの美しさは知られておらず、その八面体の天然石はとにかく硬いことが知られていました。ギリシャ語で「征服せざる者、何よりも強い」という言葉を意味する「adamas (アダマス)」がダイヤモンドの語源で、そこからaをとってdiamondになったと言われています。

モース硬度という鉱物の傷に対する強さを表す尺度では、ダイヤモンドはモース硬度10を誇る唯一の鉱物です。ダイヤモンドはダイヤモンドの刃でしかカットすることができないことからもわかるように、地球上で一番硬くて傷がつきにくい物質といえます。

古代ではダイヤモンドはその硬さから、「誰にも征服されない石」として王様など権力をもつ男性の所有物でした。時代が下り、ダイヤモンドを輝かせる様々なカット方法が考案された現代では、男性のみならず女性たちを魅了する世界で一番身近な宝石になっています。
「硬い石」から意味が転じて「固い意志であなたを一生守ります」という意味で、ダイヤモンドは男性から女性に贈る婚約指輪や結婚指輪になったというのもうなづけますね。

ダイヤモンドは原石そのままだと八面体の結晶で、原石にカットを施すことで七色の輝きを発揮します。自社でダイヤモンド原石をカッテイングをしているブランドを「ダイヤモンドカッターズブランド」と呼びます。ダイヤモンドは非常に硬く、カットの工程には手作業での仕上げも多いため技術力の高い職人が必要です。

全てのジュエリーブランドが自社でダイヤモンドのカットを施すことができるわけではなく、すでにカットされたダイヤモンドを仕入れて、自社ブランドの商品にセッティングするのが一般的です。ダイヤモンド原石の中には、結晶の形が崩れていたりくすみや濁りがあったり、内包物が多く存在したりと、その質も様々です。カットをしてしまえばキラキラと輝くことである程度ごまかすことも可能なため、安価なダイヤモンドにはそうした質の劣るものも少なくありません。

また、ある原石の中からどんなダイヤモンドをカットするのか、という点においてはカッターズブランドのなかでも様々な方向性があるようです。

ダイヤモンドを原石からカットする、ダイヤモンドカッターズブランドの中でも特に歴史が長く、技術的に優れた功績を残す3つのブランドが、オランダの「ロイヤルアッシャー」、アメリカの「ラザール・ダイヤモンド」、イギリスの「モニッケンダム」です。これら3つのブランドは「世界三大ダイヤモンドブランド」あるいは「世界三大カッターズブランド」と呼ばれており、ダイヤモンドカットの技術や品質は世界最高峰と言われています。

これらのブランドは、自社でダイヤモンド原石を仕入からカット・研磨・販売まですべて行っています。良質なダイヤモンド原石の見極め、カットの技術力の高い職人・長年の功績と信頼という点においても、他のブランドと一線を画すダイヤモンドブランドです。

彼らは自社を「ダイヤモンド3大ブランドだ」と名乗っているわけではなく、各ブランドの歴史や功績・高い技術力から誰が呼び出したというわけでもなく、いつの間にかそのように呼ばれるようになったというわけです。

それでは「世界三大ダイヤモンドブランド」と呼ばれる3つのブランドが、それぞれどのような歴史をたどってきたのか、またダイヤモンドへのこだわりやその魅力、輝きの違いについてを解説していきたいと思います。

2.【世界三大ダイヤモンドブランド】:ロイヤルアッシャー

出典:ROYAL ASSCHER

ここでは、世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)のロイヤルアッシャーの歴史と特徴について解説していきたいと思います。

2-1.ロイヤルアッシャーの歴史

オランダアムステルダムに創業

オランダ・アムステルダムは、400年以上も前から「ダイヤモンドの聖地」として知られ、世界中の王室のダイヤモンドを加工してきました。現在でもダイヤモンドの研磨工場やダイヤモンドの博物館が街中にあり、アムステルダム=「ダイヤモンドの街」というイメージは400年経った今もかわらず根付いています。

1854年、当時すでにダイヤモンド業界で名のある職人であった、ジョセフ・アイザック・アッシャーがこのアムステルダムに創業したのがロイヤルアッシャーの始まりです。

現在でもアムステルダム本社は、ダイヤモンドの街アムステルダムでの国賓の視察先としても有名です。本社には「ゴールデンブック」と呼ばれる訪問記録帳があります。由緒ある来賓社名簿には、各国王室や首脳などのVIPの名前が残されており、ロイヤルアッシャー社が刻んできた歴史を物語る記録として大切に保管されています。

ダイヤモンドカットの技術に長け、さまざまなカットを生み出してきたアッシャー社は、現在まで6代にわたって続くアッシャー・ファミリーによってその伝統は継承されています。

世界最大のダイヤモンド原石をカット

3代目のジョセフ・アッシャーは、世界最大のダイヤモンド原石「カリナン」をカットしたことで世界的に知られています。

1905年にアフリカの鉱山で発見されたダイヤモンド原石の大きさはなんと3,106カラット!一般的に婚約指輪のダイヤモンドで人気のサイズが0.2~0.3カラットといわれているので、その数千倍に匹敵するサイズだと思うととてつもない大きさだったことがわかります。この大きなダイヤモンドはイギリス国王に献上されました。

この大きなダイヤモンドが発見される3年前、当時最大だった997カラットのダイヤモンド原石「エクセルシオー」が発見され、そのカットを任されたのがジョセフ・アッシャーでした。エクセルシオーのカットに見事成功したことで、世界一のダイヤモンドカッターとしての名声を得たジョセフ・アッシャー。今度は英国王室から、エクセルシオーの3倍以上の大きさのダイヤモンド原石 カリナンのカットが依頼されます。

当時はまだコンピューターや精密な機械などはない時代、ジョセフ・アッシャーは長年の経験と勘を頼りに、この大きなダイヤモンドに挑戦しました。

数週間の時間をかけ、ジョセフ・アッシャーはこの巨大なダイヤモンド原石のカットに見事成功しました。カリナンは9個の大きなダイヤモンドと94個の小さなダイヤモンドを生み出しました。

カリナンの一番大きなダイヤモンドは『カリナン1世』と呼ばれ、英国王室に伝わる王笏(スティック)に、二番目に大きな『カリナン2世』は英国王室の王冠の中央に飾られています。先日、イギリス国王に即位したチャールズ3世の戴冠式では、この大英帝国王冠と王笏を身につけられていました。この王笏と王冠は、イギリスの王室に伝わるクラウンジュエルの中でも最も大切にされているジュエリーの一つです。

世界一のダイヤモンドのカットに成功したロイヤルアッシャーは、伝説のダイヤモンドカッターとして今日まで語り継がれています。

革新的なカットを考案

出典:ROYAL ASSCHER

アッシャー社は創業以来、ダイヤモンドを美しく輝かせるための様々な革新的なカットを発表してきました。

1902年には、カリナンをカットしたジョセフ・アッシャーが58面体のスクエアカット「アッシャー・カット」を開発しました。透明感のある8角形のスクエアカットはまたたく間に人気を博し、一世を風靡したと言われています。当初はオリジナルカットとして特許を取得していたアッシャーカットですが、ダイヤモンド業界の発展のため特許を更新しなかったそうです。このカットは、現在でも多くの名門ジュエラーやダイヤモンドカッターに広く流通しています。

2000年代には「ダイヤモンドが持つ最大限の輝きを導き出す」という信念のもと、アッシャーカットにさらなる改良を加え、カリナン1世と2世と同じ74面体の「ロイヤル・アッシャー・カット」の開発に成功しました。直線的なラインから生み出される精緻な光と、選りすぐりの原石だからこそなせる高い透明感が特徴のシンメトリーが美しいカットです。ロイヤル・アッシャー・カットのガードル面には、目には見えないほどの小さな文字でシリアル番号とロイヤルアッシャーの刻印がされています。

これ以外にも、輝きの強い74面体の「ロイヤルアッシャー・ブリリアントカット」、カリナン5世をあしらったグラニーズ・チップから着想を得た「ロイヤルアッシャー・クッションカット」など、5代目エドワード・アッシャーと6代目マイク・アッシャー親子によって現在も様々なカットが開発され続けています。

ロイヤルの称号を授かる

その功績が称えられ、1980年にはオランダのユリアナ女王陛下から「ロイヤル」の称号が与えられました。オランダではロイヤルといえば勝手に名乗ってよいものではなく、その業界において大きな功績を残し長年の信頼と実績が認められた企業へ王室から直々に授けられる、非常に格式ある称号です。

この誉れ高い栄誉を受け、アッシャー社は「ロイヤルアッシャー」に社名を変更しました。そして2011年には二度目のロイヤルの称号が与えられました。ダイヤモンド業界のリーディングカンパニーとして、改めてその功績が認められたと言えます。

そして、現在では世界三大ダイヤモンドブランドあるいは世界三大カッターズブランドとして絶大な人気を誇っています。

2-2.ロイヤルアッシャーのダイヤモンドの特徴

白く上品な輝き

ロイヤルアッシャーのダイヤモンドは、白くて上品な輝きが特徴的です。純白のウエディングドレスからも連想されるように、ヨーロッパでは古くから白い輝きが好まれてきました。

ダイヤモンドの輝きには3つの種類があります。白くて明るい輝きの「ブリリアンス」、ファセット面の輝き「シンチレーション」、七色の輝き「ディスパージョン」です。ロイヤルアッシャーではこの中でも特に、内部反射によるダイヤモンド特有の白い輝き「ブリリアンス」が強く出るカットを目指しています。

ダイヤモンドを上から見たときに正面にあたるテーブル面を少し広くとることで、ブリリアンスを重視した、白く上品な輝きを実現します。ダイヤモンドを輝かせるためには、カットのバランスも重要です。ダイヤモンドの内部に取り込んだ光をクラウン側からすべて反射させるために、完璧なシンメトリーをとるカットを施します。

さらにダイヤモンドの表面は、特殊なダイヤモンドパウダーを使って表面が鏡のようになるまで丹念に手間と時間をかけて磨きます。少しでも研磨痕があると、表面で光が乱反射を起こし、せっかく取り込もうとした光を逃がしてしまいます。

顕微鏡で見ても全く研磨跡が見つからない鏡のように美しい表面になるまで、何度も磨き上げるロイヤルアッシャーのダイヤモンドの表面研磨は「ダブルポリッシュ」と呼ばれています。

選び抜かれた良質な原石

出典:ROYAL ASSCHER

ダイヤモンドの輝きは原石によって決まるともいわれています。どんなに優れたカットや研磨を施しても、原石が良くなければ輝きは半減してしまいます。

ロイヤルアッシャーの考える良質な原石とは「透明性が高く超微細なインクルージョンを含んでいないこと」「結晶にゆがみがなく、正八面体をしていること」「くすみの原因となるグレイみ・ブラウンみがないこと」「白い濁りの要因となる強い蛍光性がないこと」です。

ロイヤルアッシャーはサイトホルダーとしてダイヤモンドを原石から仕入れる資格をもっており、仕入れた原石の中からロイヤルアッシャーのダイヤモンドに見合う良質なものだけをカットすることができます。通常のブランドであれば、すでにカットされたものの中からカットの出来も含めて取引されるところですが、厳選された理想的な原石のみをカットし、さらに完璧なカットを施されるロイヤルアッシャーのダイヤモンドは、センターストーンからメレダイヤまで、標準のダイヤモンドが最高峰と考えても相違ありません。

ロイヤルアッシャーが選ぶ原石は、それほどまでに高い基準をクリアしているので、どのダイヤモンドを選んでも最高峰の輝きと美しさを楽しむことができます。

世界三大ダイヤモンドブランドとしてのこだわりを感じますね。

卓越したクラフトマンシップ

ダイヤモンドの質やカットやポリッシュへのこだわりはもちろんのこと、ダイヤモンドを留める爪や地金の磨きに至るまで細やかな技巧が凝らされています。

ダイヤモンドを留める爪は非常に小さいため、光を最大限に取り込むことが可能です。また引っ掛かりが少ないように、小さな爪までも丸く磨かれています。適度な厚みを持ったリングは美しさと強度を両立し、内側まで丸く磨かれているのでなめらかな指通りとフィット感を実現します。
毎日身に着ける結婚指輪もまるで体の一部であるかのようになじみ、身に着けているのを忘れてしまうほどのフィット感です。

結婚指輪に使われているメレダイヤモンドにも、大きなダイヤモンドと同じ基準のダイヤモンドが選ばれています。シンプルで飽きの来ないデザインの結婚指輪は、日常生活に寄り添いながら白くて上品に輝きを楽しめそうです。

リングの内側には、ロイヤルアッシャーのジュエリーである証の「クラウンマーク」が刻印されています。王冠をモチーフとしたクラウンマークは、世界中の王室や皇室から信頼を得ている最高峰の品質であることの証です。

この章では世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)のロイヤルアッシャーの歴史や特徴についてご紹介させていただきました。選び抜かれた上質な原石へのこだわりや卓越したクラフトマンシップはブランドの大きな魅力といえるでしょう。

次の章では世界三大ダイヤモンドブランドの1つ「ラザールダイヤモンド」の歴史や特徴について解説していきます。

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3.【世界三大ダイヤモンドブランド】:ラザールダイヤモンド


ここでは、世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)のラザールダイヤモンドの歴史と特徴について解説していきたいと思います。

3-1.ラザールダイヤモンドの歴史

アイディアルメイクを開発

世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)の1つラザールダイヤモンドはアメリカのブランドですが、創業の地はベルギー・アントワープでした。宝石商の三代目の息子として誕生したラザール・キャプランは、1903年に20歳と若くして独立したあとアメリカ ニューヨークに渡りました。

ラザール・キャプランのいとこにあたる数学者のマルセル・トルコフスキーは、ダイヤモンドを最大限に輝かせる正確な角度と数式を考案しました。1919年に、この理論をもとにラザール・キャプランは、理想的なプロポーション「アイディアルメイク」を実践しました。ダイヤモンドの7色の輝きを最大限に引き出すアイディアルメイクは、100年以上を経た今日でもラザールダイヤモンドが大切にしている歴史あるカットです。

1935年には、ラザール・キャプランの名声が決定的となる出来事がありました。有名な宝石商、ハリー・ウィンストン氏から726カラットの巨大なダイヤモンド原石「ヨンカーダイヤモンド」のカッティングを任されたのです。わずかなミスも許されない貴重なダイヤモンドのカットに、保険会社からは加入を断られたほどだといわれています。原石の特性を見極めるため、約一年をかけてカットのプランを作成し、見事この大きなダイヤモンドのカットに成功しました。この出来事によりラザール・キャプランは「カッティングの魔術師」「Mr.ダイヤモンド」と呼ばれるようになりました。

4Cの確立に寄与

ダイヤモンドには、品質を定める世界基準『4C』があります。「カラット」「カット」「カラー」「クラリティー」の頭文字をとって『4C』と呼ばれており、このバランスが優れているほど美しいとされています。4Cは世界的な宝石鑑定機関であるGIAが定めた基準ですが、ラザール・キャプランはこの4Cの確立に大きく寄与した人物でもあります。

従来のダイヤモンドの評価基準は「3C」で、上記の基準にカットが含まれていないものでした。ラザール・キャプランは、ダイヤモンドの美しさを構成する要素としてカットの重要性を説き、従来の3Cに加え新たに「カット」を加えた『4C』がダイヤモンド評価の世界基準となったのです。1958年にはラザール・キャプランの息子 ジョージ・キャプランはGIAの取締役に就任し、その後1976年には名誉副会長にも任命されています。

1979年には第一回「Retail Jwelers of America」の授賞式では、ラザール・キャプランが栄誉殿堂賞の初代受賞者に輝きました。
アメリカのダイヤモンド業界を語る上でラザール・ダイヤモンドは欠くことのできない存在になっています。

世界三大カッターズブランドとしての品格はこのころから持ち合わせていたようですね。

「世界一美しいダイヤモンド」という商標登録

The World’s Most Beautiful Diamond®」は直訳すると「世界で最も美しいダイヤモンド」です。この言葉はラザールダイヤモンドの美しさを表すとして、アメリカと日本で特許を得ています。
多くの特許を発効しているアメリカでは、特許取得のためには発明の「新規性・自明性」が必須という条件があります。ラザールダイヤモンドのアイディアルメイクが発明されて以来、100年以上経った今でもアイディアル・メイクを超えるカットは考案されておらず、このカットが特別で新しい発明だという自明性の裏付けでもあります。

特許大国アメリカ・そして日本において、ラザールダイヤモンドが世界一美しいダイヤモンドであるという商標登録を受けたことは、国からその美しさについてのお墨付きを頂いていることに等しい大きな意味を持ちます。

世界三大ダイヤモンドブランドに数えられるだけでなく、各国から商標登録を受けていることはブランドの大きな信頼にも繋がりますね。

3-2.ラザールダイヤモンドの特徴

華やかな虹色の輝き

世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)であるラザールダイヤモンドの輝きの特徴は「華やかな七色の輝き」にあります。

アイディアルメイクは、輝きの三つの種類「ブリリアンス」「シンチレーション」「ディスパージョン」のうち、プリズム効果による7色の輝きが特に強く出るよう計算された「ディスパージョン」重視のカット方法をとっています。

ブリリアンス重視のカットがダイヤモンドのテーブル面を広くとったのに対して、ディスパージョンを重視したカットはテーブル面を少し狭めにカットします。太陽の光を取り込んで七色の輝きが照り返す様は、まるで炎が燃えているように神秘的に輝くため、ディスパージョンの輝きはファイヤとも呼ばれています。ディスパージョンを重視したダイヤモンドは、明るく華やかに輝くためキラキラとした存在感が楽しめます。

4Cの中でも特に厳しい基準を満たす

ダイヤモンド原石の形は8面体をしていて、ダイヤモンドの形を想像してみるとわかるように、本来原石はダイヤモンドを上下に二つ向かい合わせにしたような形をしています。すると原石の上半分がほとんどカットされ、なくなってしまうことになります。

実際に、輝きよりもカラットを重視したダイヤモンドにするならば、原石を大きめに残すことでカラット重視のダイヤモンドを作ることも可能です。しかしラザールダイヤモンドでは、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出す角度を死守し、カラットを犠牲にしてまで美しさにこだわります。メレダイヤモンドにいたるまで、ラザールダイヤモンドで扱うすべてのダイヤモンドにアイディアルメイクが施されるという徹底ぶりです。

ラザールダイヤモンドが用いるアイディアルメイクは、4Cの中でも最高評価である「エクセレント」評価の範囲と比較しても、各部位の角度や比率をより狭い基準内になるように設定されています。通常のメーカーであればエクセレント評価が出る範囲でほどほどにしておこう・・・としたいところですが、究極のカットのためには決して妥協しません。

さらにラザールダイヤモンドでは厳選された原石のみにアイディアルメイクを施します。ラザールダイヤモンドも原石を直接仕入れることができる資格を持つサイトホルダーであり、原石の状態からダイヤモンドの質の良しあしを見極めることが可能です。ラザールダイヤモンドでは「オクタへドロン」と呼ばれる、希少な正八面体の原石を中心に厳選した原石が選ばれます。質の悪い原石ではせっかくのカットが台無しになってしまうため、原石の質と形を追及することで高いカット技術や研磨が際立ちます。

「ダイヤモンドが最も美しく輝くように、私は情熱のすべてを傾けてひとつひとつカットをしています」というラザール・キャプランの言葉どおり、ラザールダイヤモンドではダイヤモンドの質とカット、どちらも最高峰の品質が保証されています。”

IDやメッセージのレーザー刻印

出典:LAZARE DIAMOND

1983年、ラザールダイヤモンドは世界で初めてダイヤモンドへのレーザー刻印を共同開発し、特許を取得しました。ダイヤモンドの輝きに影響を与えないほど小さな個体識別IDとブランドロゴが、ダイヤモンドのガードル部分に刻印されます。万が一紛失や盗難がおきたとして、ダイヤモンドと保証書を照らし合わせることで照合が可能です。

ダイヤモンド業界にこの技術を広く浸透させたいという思いから一部の特許を開放し、現在では多くのブランドでダイヤモンドへのレーザー刻印が採用されています。

またロゴやIDよりも珍しいのが「メッセージ イン ダイヤモンド」というサービスです。文字や日付など、ガードル部分に直接刻印ができる特別なオプションサービスもあります。記念日やメッセージ等をダイヤモンドに直接刻印ができるなんて、自分たちだけの特別なダイヤモンドになること間違いありません。

この章では世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)のラザールダイヤモンドの歴史や特徴についてご紹介させていただきました。独自のカット技術やカットへのこだわりが詰まったラザールダイヤモンドは近年では結婚指輪や婚約指輪にも選ばれることの多い魅力的なブランドです!

次の章では世界三大ダイヤモンドブランドの1つ「モニッケンダム」の歴史や特徴について解説していきます。

4.【世界三大ダイヤモンドブランド】:モニッケンダム


ここでは、世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)のモニッケンダムの歴史と特徴について解説していきたいと思います。

4-1.モニッケンダムの歴史

イギリス・ハットンガーデンに本社をおく

世界三大ダイヤモンドブランドの1つ「モニッケンダム」の創業者ルイ・モニッケンダムは、ダイヤモンドの街 オランダ・アムステルダムで卓越した技術を持つダイヤモンドカッターとして活躍していました。そして1890年、彼が30歳の時にダイヤモンドのカッティング会社としてモニッケンダム社を創業しました。

会社が軌道に乗ってきたころ、第一次世界大戦が勃発し、アムステルダムにはドイツ軍が押し寄せます。戦禍を逃れるためルイ・モニッケンダムは英国に移住し、1914年宝石商の街として栄えるハットンガーデンとブライトンにそれぞれ本社と工場を設立しました。

モニッケンダムの工場は近代的な生産システムを有した模範的な工場として、イギリスのダイヤモンド産業のお手本となります。カッティング技術の向上にも力を入れ、多くの優秀なダイヤモンドカッターがモニッケンダムのもとで技術を磨きました。

モニッケンダムはイギリスのダイヤモンド産業の発展に大きく貢献し、その功績からイギリス王室との深い繋がりも築き上げています。

サークルオブラスターを開発

ルイ・モニッケンダムの息子 アルバート・モニッケンダムは父のダイヤモンドカットに対する熱い情熱を受け継ぎます。ダイヤモンド原石をカッティングにより輝かせることを「原石に命を与える」と表現し、生涯ダイヤモンドのカットに情熱を注ぎました。

1954年には、ダイヤモンドのガードル部分をファセットなしで磨き上げる技術「サークルオブラスター」を開発します。当時ダイヤモンドのガードルは一般的に研磨することがありませんでしたが、モニッケンダムはこの常識を覆します。ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを上方向から見たとき、ガードル部分が美しく磨かれたそのダイヤモンドは、まるで光の輪のように輝いてみえたことからこの名前がつけられました。今では多くのブランドで取り入られており、サークルオブラスターの開発はダイヤモンドの美しさのスタンダードを底上げしたと言えるでしょう。

初代から受け継がれたカッティング技術の追求により、モニッケンダムには多くの優れた技術力をもったカッターが育成されました。1965年には、キース・ボーエンという職人が針の穴程の大きさの極小ダイヤモンドに58面体のフルカットを施すことに成功しました。その大きさは0.00164カラット!途方もない小ささです。

彼は職人としての「自分の限界に挑戦する」という熱い信念のもと、道具の製作に7か月をかけ、8個目のダイヤモンドで見事成功しました。世界最小のダイヤモンドのカットの成功は世間を驚かせ、モニッケンダムの職人のカッティング技術の高さを示す象徴的な出来事となりました。

英国王室からの厚い信頼

1948年には、エリザベス女王のご結婚祝いにタンガニーガ(現タンザニア政府)から贈られたダイヤモンド原石のカットを任されました。エメラルドカットを施したイヤリングの美しさは世界から称賛されています。さらに、現在でも使われている英国王室の王冠に使われているダイヤモンドも、モニッケンダムがカットしたダイヤモンドがあしらわれています。
英国王室との繋がりは深く、英国王室が所有するダイヤモンドコレクションの修復の際のアドバイザーも努めています。

モニッケンダムの功績は多岐に渡ります。アルバート・モニッケンダムは、今でもダイヤモンドに携わる人の教科書的存在である著書『The Secrets of Diamond』『The Magic of Diamond』の二冊を執筆しています。ダイヤモンドに関する知識や、カッティング技術、一企業としての品質管理など多岐にわたる英国ダイヤモンド産業と経済への貢献が認められ、1966年には「英国産業賞(Queen’s Award to Industry)」が授与されました。この時アルバート・モニッケンダムのほかに、世界最小ダイヤモンドのカットに成功したキース・ボーエンも同じく賞を受けています。
名実ともに英国王室からの厚い信頼を確立したモニッケンダムは、創立から130年以上の歴史ある世界三大ダイヤモンドブランド(世界三大カッターズブランド)の1つです。

4-2.モニッケンダムの特徴

白く豊潤な輝き

モニッケンダムのダイヤモンドは「ラグジュアリーホワイト」と呼ばれ、白く豊潤な輝きが特徴です。様々なニュアンスを含んだ白く明るい輝きは、香り立つような豊潤な白と言われています。
ヨーロッパで好まれる白い輝き「ブリリアンス」を大切にしたモニッケンダムのダイヤモンドカットは、プロポーションが大変重要だと考えます。光を最大限に取り入れるために計算された角度を厳格に守りながら、テーブル面を少し広めにとることによって実現します。内部に入った光がパビリオン側であますことなく反射し、クラウン側からすべて出ていく角度で計算されています。
まばゆく華やかというよりは、落ち着いた奥ゆかしい雰囲気のある白い輝きは、見ているだけで心落ち着くような静かな幸福感を湛えます。

厳選された理想の原石

ラグジュアリーホワイトのダイヤモンドを生み出すためには、厳しい基準をクリアした原石を使用する必要があります。モニッケンダムの厳選する原石の条件は、「八面体で結晶のゆがみが少なく透明感があること」「輝きに影響のあるインクルージョンを含んでいないこと」です。この基準に適う原石は、なんと全体の5パーセントに満たない程と大変厳しい基準を設けています。

最高の輝きには原石がとても重要と考え、輝く原石を見極める目を130年以上にわたって培われてきました。良質な原石から選びカットを施せることはダイヤモンドカッターならではの強みで、通常のブランドには到底真似できない歴史と信頼の裏付けと、世界三大カッターズブランドとしての情熱が感じられます。

スパークリングフィニッシュ

アルバート・モニッケンダムの言葉「原石に命を与える」は、モニッケンダムのダイヤモンドカットにおいて今も大切にされているポリシーです。これは「原石の個性を最大限に生かし、最高の輝きをつくりだすこと」であり、白く豊潤な輝きを導くための完璧な対称性を備えたプロポーション、そして鏡のように磨かれた表面研磨「スパークリングフィニッシュ」までのすべての工程が整うことで得られます。

スパークリングフィニッシュは、ダイヤモンドを磨き上げる最後の仕上げです。研磨痕が完璧に取り去られるまで、世界最高水準の技術を使って何度も磨き上げられます。仕上がった表面はまるで鏡のように四方からの光を反射し、きらめきがはじけ飛ぶように輝くことから「スパークリングフィニッシュ」と名付けられました。豊潤な白い輝きの要素である、照りも左右する重要な仕上げです。この最後の仕上げを施すことで、ダイヤモンド原石は命を与えられたかのように最高の輝きを導き出します。

5.世界三大ダイヤモンドブランドが持つそれぞれのイメージ

5-1.白く上品な輝き。ロイヤルアッシャー。

ロイヤルの称号をもち、世界中の王室皇室に愛されるロイヤルアッシャーのダイヤモンド。白くて上品な輝きの中に、透明感があり凛と透き通った雰囲気が感じられるダイヤモンドは、見るたびに自然と背筋が伸びるような気持ちにさせてくれます。

ロイヤルブルーのブランドカラーには高貴な雰囲気が漂います。
シンプルで王道の飽きがこないデザインなので結婚指輪や婚約指輪に非常におすすめのダイヤモンドブランドです。

5-2.都会的で華やかな印象。ラザールダイヤモンド。

キラキラとした華やかな輝きを纏うならラザールダイヤモンド。都会的なデザインがおしゃれで、明るくて華やかでありながらも洗練された雰囲気を感じさせるダイヤモンドです。4Ⅽの基準を確立した、歴史あるブランドという点も安心です。

シックでスタイリッシュなブラックがブランドカラーになっています。近年では結婚指輪や婚約指輪に選ばれることが多く日本国内でも店舗を複数構えるほど人気を集めています。

5-3.クラシカルな雰囲気をたたえる。モニッケンダム。

モニッケンダムの特徴は、「ラグジュアリーホワイト」の白くて豊潤な輝きです。クラシカルでエレガントな雰囲気なので、歴史ある洋館や和装で結婚式を挙げたいという方にもぴったりです。様々なニュアンスを纏う豊潤な白は、香り立つような雰囲気やあたたかみも感じられます。
バーガンディーやボルドーの気品ある雰囲気がイメージカラーです。

ここまで紹介してきた3つのブランドは、どれも原石の仕入からダイヤモンドを見極め、自社でカットを施す、世界でも指折りの歴史ある世界三大ダイヤモンドブランドです。どのブランドにもそれぞれの素晴らしい功績や歴史・こだわりがある中で、この中でどのブランドが一番か?という格付けを行うのは大変むずかしいです。

歴史の長さでいえば、ロイヤルアッシャーが1854年創業、ラザール・ダイヤモンドが1903年創業、モニッケンダムが1890年創業ということで、創業年で比べるとロイヤルアッシャーが一番長い歴史を持つことになります。

また、ロイヤルアッシャー・ラザールダイヤモンドには路面店がありますが、モニッケンダムは路面店がなく百貨店のみでの販売のため、知名度でいうと路面店をもつ2ブランドに比べてモニッケンダムの知名度は少し低いかもしれません。

ダイヤモンドのカットに関しては、これら3つすべてのブランドが世界一の技術を誇るブランドだと言えるでしょう。一概に格付けを行うことはできませんが、最終的に「どのブランドの雰囲気が自分の好みか」で自身にとっての一番を決めるのが良いかと思います。

ダイヤモンドを買うなら、この世界3大ダイヤモンドブランドの中から選べば品質に間違いありませんし、胸を張って自慢できるブランドだといえるでしょう。

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6.ダイヤの質がいい日本のダイヤモンドブランド3選!

日本ブランドにもダイヤモンドにこだわったブランドはないのか?という疑問を持った方も多いのではないでしょうか?

ここでは、ダイヤの質がいい日本が世界に誇るダイヤモンドブランドを3つ紹介していきたいと思います!ぜひ最後までご覧ください。

6-1.TASAKI

真珠が有名なTASAKIは、実はダイヤモンドを扱う日本屈指のジュエラーでもあります。「サイトホルダー」と呼ばれるダイヤモンド原石をデビアスから直接買い付けることのできるブランドが世界に80社ほどあり、世界三大ダイヤモンドブランドのロイヤルアッシャー、ラザールダイヤモンド・モニッケンダムもその一つです。このサイトホルダーになるためには、ダイヤモンドに対する知識やブランドの信用度に加え、ダイヤモンド採掘国の発展を支援する義務があり資金力など厳密な審査が必要なため、加入するためには相応のブランド力が必要です。

TASAKIは日本で唯一、サイトホルダーに認定されているブランドです。品質のいいダイヤモンド原石を集めることが可能で、このことは日本の他のブランドには真似できない強みです。もちろんダイヤモンドカットにもこだわっており、基準となる4Cよりも厳しい独自の基準を設けグレーディングを行うなど、ダイヤモンドの鑑識眼に加え品質の高さは国内最高峰。真珠のイメージが強いですが結婚指輪や婚約指輪にも選ばれることが多い日本が誇るダイヤモンドブランドです。

また、TASAKIのアイコニックなジュエリー「デインジャー」は食虫植物のトゲをモチーフにしたエッジィなシリーズで、2022年にはこのデインジャーの小さなトゲの部分に独自のカット「デインジャーカット」をほどこしたラインナップが展開されました。日本有数のダイヤモンドブランドが展開したインパクトあるデザインと、小さなダイヤモンドへの革新的なカットが話題にもなりました。

6-2.NIWAKA

日本の美意識を指輪に表現した京都のジュエリーブランドNIWAKAは、結婚指輪や婚約指輪などのブライダルジュエリーだけでなくハイジュエリーも手がけています。

NIWAKAのダイヤモンドは、「俄カット」と呼ばれる独自のカットが施されています。ダイヤモンドのテーブル面を真上から見たときに、正方形が浮かび上がるカットになっており、ブリリアンス重視の落ち着いた輝きが特徴です。正方形は「誠実さ」「素直さ」「正直さ」を表すとされ、京都の碁盤の目状の街並も彷彿とさせる日本らしい雰囲気を纏う質が良いダイヤモンドです。

ジュエリー一点一点に日本風の名前と意味がつけられており、そこに込められた素敵な意味からジュエリーを選ぶのも人気があります。俳優の水嶋ヒロさんと綾香さん夫婦が結婚指輪にNIWAKAのリングを選んだということで話題にもなりました。

ブライダルラインと同じ名前のハイジュエリーも展開されているので、ハイジュエリーならではのクオリティを身近に感じることもできます。日本の文化を織り込んだ個性的なジュエリーは、ハリウッドのレッドカーペットでも着用されるほどの実力ある日本のジュエラーです。人と被らないハイセンスなデザインが豊富なので、人とは少し違ったジュエリーを選びたい方にもおススメです。

6-3.ケイ・ウノ

オーダーメイドのジュエリーブランドとして人気のケイ・ウノは、国内でも希少なダイヤモンドカッターズブランドでもあり、自社で様々なオリジナルカットを研究しています。

星や螺旋の美しさをダイヤモンドに落とし込んだカットや、特許を取得したミッキーマウスの浮かび上がるダイヤモンドなど、ダイヤモンドで個性を出すことのできる稀なブランドです。一つの同じダイヤモンド原石から生まれた複数個のダイヤモンドを、婚約指輪や結婚指輪に留めることのできる特別なカットもあります。

ダイヤモンドカッターズとして、ダイヤモンドの品質にもこだわっており、通常の40パーセント以上の精度で磨く自社研磨「Premium Loving Heart」はトリプルエクセレント、輝きの鑑定システムでも最高品質を獲得しているため、一般的な4Ⅽには当てはまらないオリジナルカットでも、カットの品質はしっかりと保証されています。

通常のセミオーダーのブランドとは異なり、店舗にデザイナーが常駐しており世界で一つだけのデザインのジュエリーを作ることが可能です。ディズニーモチーフの商品も展開していたり、店舗も世界観のある雰囲気が特徴です。他の人と被らないダイヤモンドが欲しい!という方におススメのブランドです。

7.世界の有名なダイヤモンド4選

ここでダイヤモンドに関する逸話を少しだけご紹介します。知っているだけでちょっと自慢できるかもしれません。ぜひご覧になってみてください。

7-1.史上最大のダイヤモンド原石 カリナン

ロイヤルアッシャーのとろでもご紹介したカリナンは、1905年に発見されてから100年以上経ちましたが、未だにこれを超える大きさのダイヤモンド原石は発見されていません。

カリナンのカットに当たって、世紀を目撃しようと多くの著名人がジョセフ・アッシャーのもとに押し寄せました。カリナンへ最初の一手を入れたとき、最初に割れたのはダイヤモンドではなく刃のほうだったそうです。その後は公証人以外の立ち入りを制限し、より強靭な道具を使ってカリナンに向き合い、数週間をかけてついに成功しました。ジョセフはカリナンを割ったあと、精神的な打撃によって倒れたとも言われていますが、実際は隣の部屋に走っていきシャンパンを開けたと言われています。世界最大、英国王室からの依頼・・・と絶対に失敗できないすさまじいプレッシャーははかり知れません。

無事にカットされたカリナンは、英国王室のロイヤルジュエリーとして今も大切にされています。カットされたカリナンの中で一番大きなダイヤモンド「カリナン1世」はイギリス王室の王笏(スティック)に飾られています。王笏は戴冠式で国王または女王の右手に渡されるもので、権威と正義を象徴する国の統治のための重要なアイテムといわれています。

ところで英国王室の王笏、どこかで見たことある雰囲気と思いきや実は『美少女戦士セーラームーンの』ハートのスティックのモチーフになっていたようです。本物のロイヤルジュエリーのエッセンスを取り入れたデザインは、世代を超えて人々に広く愛され続けています。

7-2.世界で二番目の巨大ダイヤがボツワナで発見!

2024年8月、世界で二番目に大きい2492カラットのダイヤモンドが、アフリカ南部のボツワナ発見されました!1カラット=0.2gとなっておりますので、重さはなんと約500g。
私たちも持ち歩くことが多い500mlの飲み物と同じくらいの重量感です。

ちなみに、2019年に採掘された二番目に大きいダイヤモンドは1758カラットとなっておりますので、おおよそ1.4倍ほどの大きさ。サイズも重量感もかなりのもの。5年ぶりにカリナンダイヤモンドに次ぐビッグサイズのダイヤモンドは、世界で注目の的となっています。

いまのところ価値はわかっていませんが、多くのジュエリーブランドが欲しがるダイヤモンドになること間違いないでしょう。

7-3.呪いのダイヤ?!ホープ・ダイヤモンド

「呪いのダイヤモンド」なんて聞いたことはありませんか?ただのおとぎ話かと思いきや、実際にそのように言い伝えられているのが、スミソニアン博物館に保管されている「ホープ・ダイヤモンド」と呼ばれる青いダイヤモンドです。45.5カラットの深いブルーが印象的で、ルイ14世も所持していたこともある歴史あるダイヤモンドですが、様々な人々に渡る中で様々な都市伝説がうまれています。

9世紀にインドで発見されて以来歴代の持ち主が、野犬に嚙まれる・両腕を切り落とされる・落馬・破産・ショック死・自殺・病死・狂死・事故死・・・と普通ではない最後を遂げる噂から、なかなか買い手がつかなかったものの、1949年に最後の持ち主であるハリー・ウィンスト氏が買取り、スミソニアン博物館に寄贈された・・・という経緯をもつ「いわくつき」のダイヤモンドです。「ホープ」はロンドンの銀行家ヘンリー・フィリップ・ホープ氏が持っていたことからそう呼ばれるようになりました。大銀行家だった彼も数年後に破産・失意のうちに亡くなっています。映画『タイタニック』でローズが持っていた青いハートのダイヤモンドのネックレスは、このホープ・ダイヤをモチーフにしているとも言われています。

どこまでが本当か真相は定かではありませんが、ちょっとした話のタネになるかもしれません・・・!そして、世界三大ダイヤモンドカッターズブランドにはそのような噂はないのでどうか安心してください。

7-4.世界最古のダイヤモンド!コ・イ・ヌール

世界最古ともいわれ、その出自もはっきりと知られていないダイヤモンドがコ・イ・ヌールです。16世紀に文献にそれらしきものが登場して以来、インド・ムガル王国、ペルシア・アフガン・シク王国などを様々な国を経て、東インド会社を経由してイギリスにわたり、現在は厳重な警備のもとイギリスのロンドン塔に保管されています。

「光の山」を意味する105カラットの巨大なダイヤモンド「コ・イ・ヌール」は、当初187カラットあったといわれており、王朝の財宝として大切に保管されていました。ムガル王国の創始者バーブルが記した『バーブル回想』の中では、「8シュミケル(約187カラット)もあるこのダイヤモンドは、世界中の一日のたくわえの半分に値するだろう」と書かれたという記録があり、このことからもこのダイヤモンドの価値の大きさを知ることができます。

そしてこのダイヤモンドをめぐって権力争いや戦争が起こったことからも「ダイヤの呪い」ともささやかれることもあるようです。産出国はインドだといわれており、現在でもインドやかつて所有していた他の国からのコ・イ・ヌール返還がイギリスに求められていますがイギリス政府は応じていません。

美しい宝石は人の心を癒すだけではなく、時にあまりの価値の高さから宝石が争いのもとになり、個人だけでなく国家さえ身を亡ぼす原因にもなりうることがわかります。

8.高品質なダイヤモンドを買うために抑えるべき3つのポイント

ダイヤモンドを買うなら、絶対に質のよいものを選びたいですよね。これまでの話も含めて、質の良いダイヤモンドを買うためのポイントをまとめました。

8-1.原石そのものが美しい

第一にダイヤモンドの美しさは原石の良し悪しによって決まります。原石が曇っていたり歪んでいるとダイヤの輝きに影響します。世界三大ダイヤモンドブランドは100年以上の歴史の中でダイヤモンドを見極める目を養ってきました。原石の美しさは素人目にはわからない部分も多いですが、歴史あるダイヤモンドカッターが選んだものなら安心です。原石から選別しカットを施すことで、ダイヤモンドの本当の美しさを引き出すことが可能になります。

8-2.カット技術が高い

ダイヤモンドはカットをすることで初めてキラキラと輝きます。ダイヤモンドを最高に輝かせるための技術を磨き歴史を築いてきたのが、世界三大ダイヤモンドブランドです。100年以上の歴史の中で継承され磨かれてきたノウハウを以て、たくさんの功績を残し人々を魅了してきました。世界中の王室や皇室・鑑定機関からの信頼は、技術力の高さの裏付けでもあります。世界一美しいダイヤモンドを選びたい!と思うなら、この3ブランドから選ぶのが間違いありません!

8-3.コンフリクト・フリーであること

良いダイヤモンドの最後の条件を挙げるとしたら、コンフリクト・フリーのダイヤモンドであるかどうかが重要です。内戦国から産出されるダイヤモンドは、時に反政府組織の資金調達手段となることもあるため紛争ダイヤと呼ばれます。ダイヤモンドを買ったら実は知らないうちに戦争に加担していた、なんて絶対に嫌ですよね。

そうした紛争地域からではなく、紛争とは無縁の地域から仕入れルートからきたダイヤモンドであることが証明されたダイヤモンドが、コンフリクト・フリー・ダイヤモンドと呼ばれています。不正取引を防止し、安全な取引を実現する「キンバリー・プロセス」という制度を遵守しているかどうかでも判断が可能です。

世界三大ダイヤモンドブランドはもちろんコンフリクト・フリーのクリーンなダイヤモンドのみを仕入れているので、安心して購入できます。

【まとめ】質のいいダイヤを選ぶなら世界三大ダイヤモンドブランド!

世界三大ダイヤモンドブランドは、その功績・歴史・品質・技術力からしても世界最高峰のブランドです。質のいいダイヤモンドを選びたい!と思った時にはまず最初にこの3ブランドを比較してみてください。小さなメレダイヤモンドに至るまで婚約指輪と同等の美しさにこだわった3大ブランドは、毎日身に着けられる結婚指輪にもおすすめです。

カット方法によって、ダイヤモンドの輝きや醸し出す雰囲気が異なるため、自分の目で好みのダイヤモンドの輝きを確かめてみると良いでしょう。店員さんのOKが出るならば、自然光のもとや少し暗い場所での輝きを見せてもらえるかもしれません。

またダイヤモンドの輝きを確認するために結婚指輪や婚約指輪を売っているお店に女性一人で行くのは気が引ける・・・と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、女性が一人で結婚指輪や婚約指輪の下見に行くのはよくあることです。平日であればなおのこと店員さんもゆっくりと見せてくれると思います。

質のいいダイヤモンドに出会うための参考になれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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