2024年3月21日
【ロレックスのディフュージョンブランド】チューダーとは?歴史や魅力を徹底解説
時計
日本での知名度はあまり高くなかったチューダーですが、日本にチューダーブティックが登場し知名度を上げました。それまでロレックスのディフュージョンブランド(普及ブランド)のままのオリジナリティーに欠けたブランドのイメージが付きまとっていましたが、独自の路線へ進んだことで躍進を遂げようとしています。この記事ではチューダーの魅力、ロレックスとの大きな違い、代表シリーズ、チューダーの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。
目次
1.【ロレックスのディフュージョンブランド】チューダーの魅力
1-1.多くの部分にロレックスのパーツを使用している、いわば兄弟ブランド
チューダーの時計は多くの部分にロレックスのパーツが流用されています。特にリューズの王冠(ロレックスのロゴ)が有名です。ディフュージョンブランド(普及ブランド)として生まれた経緯もあって、ロレックスと同じ世界観を見せつつ価格を抑えるのに有効でした。
現在でもシリーズによっては高い割合にロレックスパーツが使われているモデルもあり、ロレックスとの繋がりの歴史を感じさせます。いわば兄弟ブランドといった位置づけですが、最近では独自の路線へ進みつつあります。ロイヤルシリーズのようにデイトジャスト派生で独自性を出したデザインやロレックスでは発表されないであろうアエロノートのようなパイロットウォッチモデルなど、ユニークなモデルを発表しています。
さらに日本にもチューダーブティックをオープンし、今やロレックスの廉価ブランドとは言わせないユニークな時計ブランドへと進化しています。ロレックスの世界観が好きなユーザー以外でも、チューダーのモデルは違うかもしれません。以前のチューダーとは違う世界観を見せてくれています。
1-2.チューダーならではオリジナリティーも加えつつ、低価格化を実現している
チューダーはロレックスのディフュージョンブランドとして生まれたのもあって、普及しやすい価格設定がなされています。価格設定の際には詳しくは後述しますが、ETAムーブメントの採用やケース素材の選定によって、手に取りやすい価格を実現しています。
ロレックスのディフュージョンブランドの成り立ちではあるものの、現在ではロレックスとは違うデザインや機能を追加することで独自の路線へ進みはじめています。自社製ムーブメントの開発やロレックスでは展開されないカラーリング、チューダーブティックのオープンなど、ロレックスの廉価版とは言わせないチューダーならではの時計が見られるようになってきています。価格帯は変えずにユニークな開発をしているチューダーは今後の動向が楽しみなブランドの一つです。
1-3.1950~60年をルーツとするクラシックな世界観からブレない
チューダーの展開するモデルは基本的に1950~1960年代をメインとしており、デザインにブレがありません。ベースとなるロレックスに合わせるとそうなることと、機械式時計が最も盛り上がった時代であることが理由です。サブマリーナ、グラマーなど1950年~1960年代に初代が発表され、その後ロングセラーとなったシリーズも多いです。
ロレックスとは別の独自路線へ進むとなったチューダーですが、それを示すように発表されたハイドロノートやアエロノートなどのシリーズも、ルーツは1950~1960年頃まで遡ります。そのため最新モデルを見ているようでクラシックで懐かしい感覚があるのがチューダーのブレない世界観であり、魅力です。
2.【ロレックスのディフュージョンブランド】チューダーとロレックスの大きな違いについて
2-1.普及を目的としたディフュージョンブランドのため、価格が大きく異なる
チューダーの最も大きな違いは価格です。ディフュージョンブランドとして展開しているため当たり前のようですが、例えば似たところで比較するとロレックスサブマリーナは定価で80万~に対し、チューダーサブマリーナや現行のブラックベイは50万~(2024年2月調べ)と、半額に近い価格設定となっています。現実にはロレックスの時計を正規ショップで購入すること自体のハードルが高く、中古市場での取引も多いためモデルによっては定価を上回るケースも。
何がそこまでチューダーの価格を抑えているか、詳細は後述しますがムーブメントや外装の素材、そもそもの価格設定が理由のため、大きく品質が劣るわけではありません。パーツの一部はロレックス製を流用し、2015年に発表された自社製ムーブメントはスイスクロノメーター検定を取得するなど、実際の時計を見ると価格設定ほどの差はないように感じます。ブランディングのための価格設定の妙もあるため一概には言えませんが、ブランドとしてのロレックスへの強い愛着の分を調整できるなら、チューダーの時計を見てみるのもおすすめです。
2-2.ロレックスは独自の素材を使うことが多く、ケースの素材が異なる
チューダーはディフュージョンブランドのため価格を抑える狙いもあり、多くがステンレススチールモデルで展開されています。また、316L系と呼ばれるステンレススチールで、サージカルステンレスを採用しており、医療器具やアクセサリーに使われるアレルギー反応しにくい素材です。
一方ロレックスはホワイトゴールド、イエローゴールドなどの貴金属を積極的にケース素材へ採用しており、シリーズによって使い分けしています。それぞれ独自の素材を使っており、ステンレススチールはオイスタースチールを採用しています。904L系のステンレススチールで、航空機やハイテク産業に使われる素材を採用しています。また、ローズゴールド等貴金属についても独自の配合による色合いを実現しています。
2-3.ムーブメントはETA製、もしくは自社製を搭載している
チューダーでは主にETA社製のムーブメントを採用しています。チューダーでは創業当時から価格設定のため、積極的にETA製ムーブメントを採用してきました。価格設定の差をつけるため、ムーブメントの差は大きな割合を占めていました。とはいえETA製ムーブメントは世界的に採用されているムーブメントであり、信頼性は非常に高く品質で劣るといったことはありません。自社製ムーブメントでしかできない機能・こだわりがあるといったところです。
しかし2015年に発表されたケニッシ社との共同開発による自社製ムーブメントは注目を集めました。ムーブメントそのものではなく、チューダーが自社製ムーブメントを採用したことについて、です。しかし自社製ムーブメントを採用しながらも価格設定は維持しており、ETAムーブメントの購入制限といった問題もあり時代の流れともいえるでしょう。これからどんな自社製ムーブメントが開発されるか、ロレックスとは違う機能をもっているのか、など注目が集まっています。
3.【ロレックスのディフュージョンブランド】チューダーの代表シリーズ
3-1.ブラックベイ
現在チューダーで最も注目を集めているブラックベイは、1950年代にルーツをもつダイバーズウォッチシリーズです。サブマリーナからの派生といったほうがイメージに近いかもしれません。2012年に初登場し、チューダーのアイコニックデザインの一つとなるスノーフレーク針やブランドの創業初期に用いていた薔薇のロゴを採用したことで、時計愛好家垂涎の希少性の高いモデルとなっています。
ヴィンテージ感とスポーティーさを両立したデザインが特徴で、レッドベゼルカラーは印象的。サブマリーナには見られない意匠です。ステンレススチールだけではなくセラミックやブロンズケース、ペプシカラーのベゼルなど、様々なデザインで展開されています。初期は汎用ムーブメントを搭載していましたが2015年以降、積極的に自社製ムーブメントを採用しており、ブランドが力を入れていることが伺えます。ロレックスの歴史的なモデルをベースに独自性を持たせたデザインや機能を載せるといった、チューダー全体の方向性に忠実なブランドを代表するシリーズの一つです。
3-2.ロイヤル
ロイヤルは2020年に発表されたシリーズで、元々アジアの一部地域でのみ販売されていたモデルが人気が出たため全世界へ拡大した流れです。ルーツとなるのは1950年代に発表されたクラシックなモデルです。溝とポリッシュを交互に仕上げた立体感のあるノッチドベゼルやクラシックな文字盤はロレックスのデイトジャスト、デイデイトを彷彿とさせるデザインです。
ラグ一体型ケースを採用しているのも大きな特徴です。昨今のラグジュアリースポーツウォッチのトレンドを掴むケース形状を採用しており、クラシックかつスポーティーな世界観が融合しています。5連のインテグレーテッドブレスとの組み合わせはラグジュアリーな雰囲気が強調されています。
ロレックスのモデルをベースに少しの独自性をもたせることで伝統的であり、ユニークなデザインに仕上がっています。自社製ムーブメントを使わずに汎用ムーブメントを採用しているため、ケースサイズ違いでも20万~30万の定価設定(2024年2月時点)とリーズナブルで、ロレックスフリークにも初心者ユーザーも手に取りやすいモデルです。
3-3.ぺラゴス
1954年のオイスタープリンスをルーツとするチューダーのダイバーズウォッチのもう一つの着地点がぺラゴスです。チューダーのサブマリーナは2000年頃に生産停止となりましたが、特徴の一つであるイカ針(スノーフレーク針)、スクエアインデックスを継承したのがぺラゴスです。2012年にそうしたデザインをリバイバルするようにリリースされ、2015年のモデルチェンジの際には自社製ムーブメントCal.MT5612を搭載しています。
サブマリーナの200m防水に対し、9時位置ケースサイドにヘリウムエスケープメントバルブを備えることで500m防水を実現したことや、軽量かつキズに強いチタンケースの採用、自社製ムーブメントの初採用に選ばれたシリーズである点など、ダイバーズウォッチの上位シリーズとして優遇されています。フランス海軍とのパートナーシップで生まれたぺラゴスFXDやデイリーユースを意識したぺラゴス39など展開も幅広く、ブランドとしても力を入れているシリーズです。
3-4.レンジャー
1960年代に冒険に連れて行きたくなるツールウォッチとして発表されたレンジャー。元々は1929年から「冒険」を演出するためにレンジャーというキーワードが使われていました。その後1952年から1954年にかけてグリーンランドへの遠征探検に持ち込まれたオイスタープリンスを元にし、1960年にレンジャーの名前で開発されたのが初代レンジャーです。2014年に初代レンジャーを踏襲しながら新たなモデルとして発表されましたが、数ねんで生産終了に。グリーンランドへの遠征から70周年を記念して、2022年に新たにレンジャーを現代に蘇らせました。
現行のレンジャーは初代のDNAを引き継いだ、ロレックスのエクスプローラーを彷彿とさせるデザインです。ケースはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせ、特徴的なレンジャー針、シンプルなブラック文字盤のツールウォッチに仕上がっています。
2014年の復刻の際は汎用ムーブメントを採用しましたが、最新モデルではシャネルやブライトリングも採用するケニッシ社との共同開発による自社製ムーブメントCal.MT5402を搭載しています。70時間パワーリザーブやシリコン製ひげぜんまい採用により耐磁性が付与されています。
3-5.1926
1926はチューダーの創業年をシリーズ名とする伝統あるシリーズです。エンボス加工が施された文字盤をベースにカラー展開やインデックスの違い、ブレスレットの違いなどにより、メンズ・レディース含め数多くのモデルが展開されています。
機能は3針のみと非常にシンプルですがメンズ・レディースでのペアウォッチや、流行り廃りのないクラシックデザインにより不動の人気を誇るシリーズです。ファーストウォッチにも最適です。
3-6.グラマー
チューダーのクラシックシリーズとなるグラマーは大きめのケースサイズと繊細なギョーシェ文字盤が特徴です。3針、デイデイト、ビッグデイトに絞って展開されており、アプライドインデックスやギョーシェによる立体感の作り込みがシンプルなようでこだわりを強く感じさせます。スモールセコンドにかつてのロゴの薔薇が描かれていた従来のモデルは未だに人気が衰えていません。
現行ではダブルデイトモデルにスイスクロノメーター検定取得済の自社製ムーブメントを搭載しており、チューダーの中でもクラシックシリーズの代表格として扱われています。流行り廃りのないクラシックデザインのため、末永く愛用できる時計としての実用性に優れたシリーズです。
3-7.クロノタイム
クロノタイムはロレックスのコスモグラフデイトナに相当するシリーズです。各種パーツはロレックス製を使用しているものの、デイトナとは違った路線を進んでいます。チューダーによるクロノグラフモデルは1970年のオイスターデイトでしたが、採用していた手巻きクロノグラフムーブメントCal.7734の生産中止によって、自動巻きCal.7750へ変更。その際に新作のクロノタイムとして発表されたのがきっかけです。
2003年に生産は終了してしまっていますが今でも根強い人気があり、ケース側面の無骨な姿が特徴のカマボコケースモデルや、デイトナを彷彿とさせるカラーリング、プロゴルファーのタイガーウッズ氏とのコラボモデルなど、様々なモデルが中古市場で取引されています。デイトナとは違った縦3つ目インダイヤルの文字盤デザインや豊富なカラーリング、デイトナより遥かにリーズナブルな価格設定など、高い人気を誇るシリーズです。
中でもルーレットの盤面を想起させるカラーリングをもつモデル、通称モンテカルロはファン垂涎の一本のモデルも。ロレックスデイトナでいうところのポールニューマンモデルのように中古市場の取引価格には驚かされます。また、ヘリテージシリーズにおいても一部復刻されるなど、まだまだ人気が衰えません。
3-8.サブマリーナー
1954年、ロレックスのサブマリーナ発表の翌年に発表されたチューダーのサブマリーナは100m防水や回転ベゼルなど、機能面では大きな差が見当たらないものでした。しかし45年かけてロレックスのサブマリーナを踏襲しつつも独自の進化を遂げています。特に1969年以降はデザイン面でユニークな変更がなされています。通称イカ針と呼ばれるスノーフレーク型、スクエアインデックスの採用など、他のモデルにはないデザインです。
サブマリーナ自体は1999年に生産終了となりましたが、イカ針などのデザインはブラックベイシリーズへ引き継がれています。そのため中古市場がメインとなりますが、初期の頃の薔薇ロゴやロレックスと同じようなブルー文字盤など、多くのデザインが展開されており、未だ人気の衰えないシリーズの一つです。
3-9.プリンス
チューダーによるプリンスは見ての通り、ロレックスを代表するオイスターパーペチュアルに相当するシリーズです。プリンスデイトはデイトジャストです。ロレックスのデイトジャストが発表された1945年より少し後の1952年に発表されたプリンスシリーズですが、防水性を備えるオイスターケースはロレックスから、自動巻きムーブメントはロレックスからではなく自前で調達したものを搭載しています。
そのためデイトジャストとの違いはムーブメントと日付変更時に瞬間で切り替わる機能の有無が機能面での大きな違いです。細かい点ではブレスレットなどの外装系でチューダーは見えにくい部分へはゴールドを使わないなどのコストカットを行っております。ほぼ同じデザイン、瞬間ではないものの日付表示機能、見えにくい部分へのゴールドは使わないなどにより、リーズナブルな価格で提供できるのがプリンスの特徴です。
3-10.ハイドロノート
ロレックスのサブマリーナに対するシリーズはチューダーのサブマリーナですが、ロレックスのディープシーに対するシリーズがハイドロノートです。とはいえチューダーが独自路線を歩んでから展開されたのもあって、赤・白・黒のスポーティーなカラーリングや5連のブレスレット、オレンジやイエロー文字盤といったカラー展開です。ロレックスのディープシーは文字盤展開は最小限で玄人好みのオーバースペックモデルが中心ですが、ライトユーザーにも好まれるデザインに仕上がっています。
ハイドロノート1200のように1200m防水を備え、ディープシーに迫るスペックをもつモデルも展開されており、サブマリーナから玄人好みにも幅広いユーザー向けにも好まれるシリーズとなっています。残念ながら数年新作が展開されておらずダイバーズウォッチラインとしてはぺラゴスがピックアップされていますが、周りとは違うダイバーズウォッチを好む方にぴったりの時計です。
3-11.グランツアー
チューダーが独自路線を進み始めた頃に発表したロレックスとの違いを明確に表したシリーズです。赤、白、黒のカラーリングや文字盤外周のチェッカーフラッグを想起させるカーレースからインスピレーションを得たデザインとなっています。
展開されたのは3針とクロノグラフモデルで、ロレックスよりも更にスポーティーさを強調しており、フライバッククロノグラフや文字盤デザインなどロレックスとは違う独自性を感じさせます。既に生産終了されたシリーズで、中古市場でのみ見ることができるシリーズです。
3-12.アイコノート・アエロノート
アイコノートとアエロノートはロレックスとは違った路線へ展開し始めた際に発表した2つのシリーズです。それまでチューダーで展開されていなかったGMT機能が搭載された海外旅行やジェットセッターを意識したエレガンスかつインパクトのあるアイコノート、GMT機能を搭載し、パイロットウォッチをベースにしたデザインが特徴のアエロノート。
それまでのロレックス、チューダーのどちらにもない世界観をもった2つのシリーズでしたが、どちらも既に生産終了しています。これまでのチューダーにはなかったスポーティーなデザインは中古市場で人気を博しています。
4.【ロレックスのディフュージョンブランド】チューダーの時計を着けている有名人5選
4-1.アイドル 櫻井翔 ブラックベイ クロノ Ref.79360DK
アイドル 櫻井翔さんが着けているのはブラックベイ クロノ Ref.79360DKです。櫻井さんは時計愛好家で知られており、ブレゲトランスアトランティックやハミルトンジャズマスター、ジャガールクルトのレベルソなど多くの時計を着けています。クラシックなデザインを好んでいるようです。
Ref.79360DKは2019年に発表されたブラックベイのクロノグラフモデルです。チューダーがオフィシャルタイムキーパーを務めた「ラグビーワールドカップ2019」開催記念モデルで、オールブラックスとのパートナーシップにより生まれたモデルです。オールブラックスにちなんでフルブラック仕様の特別モデルです。クラシックな印象のツーカウンタークロノグラフですが、スポーティーなオールブラックデザインとよくマッチしています。世界限定1181本のモデルです。
4-2.お笑い芸人 ケンドーコバヤシ サブマリーナー Ref.9411/0
お笑い芸人 ケンドーコバヤシさんが着けているのはサブマリーナー Ref.9411/0です。ケンドーコバヤシさんは時計愛好家で知られており、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズやカシオGショックなど、幅広い時計を着けています。
Ref.9411/0は1970年以降に発表されたサブマリーナで、スノーフレーク針が特徴の一本です。リューズガードや日付表示窓用の拡大レンズ、回転ベゼルなどの機能を充実させつつ、ユニークなデザインに仕上がっています。50年近く経過しているモデルのためヴィンテージな風合いも漂っており、時計愛好家を唸らせる逸品です。
4-3.俳優 竹野内豊 クロノタイム Ref.79280
俳優 竹野内豊さんが着けているのはクロノタイム Ref.79280です。竹野内さんは時計愛好家で知られており、ロレックスコスモグラフデイトナやGMTマスター、タグホイヤーカレラなどスポーティーなモデルを中心に多くの時計を着けています。
Ref.79280は生産終了直前の2002年頃に発表されたクロノタイムの一本です。黒文字盤ベースに白のインダイヤルとなる逆パンダデザインが特徴で、リューズガードやタキメーターなどデイトナと共通するポイントを持ちながらも、縦3つ目インダイヤルや日付表示などまた違った雰囲気を纏っています。
4-4.俳優 船越英一郎 プリンス オイスターデイト Ref.74100
俳優 船越英一郎さんが着けているのはプリンス オイスターデイト Ref.74100です。船越さんは多くの高級時計を着けているのが知られており、オメガシーマスターやウブロクラシックフュージョンなどデザインの幅も広いのが特徴です。
Ref.74100はプリンスオイスターデイトの一本で、ロレックスの代表モデルのデイトジャストに相当するモデルです。リューズのロレックスマークなど、ロレックスのパーツがそのまま使われています。長い歴史をもつデイトジャストとほぼ同じデザインなので、末永く使うことができる一本です。
4-5.お笑い芸人 ビビる大木 ヘリテージブラックベイ Ref.79220R
お笑い芸人 ビビる大木さんが着けているのはヘリテージブラックベイ Ref.79220Rです。大木さんは時計を着けることが少ないようで、ルミノックスの時計とチューダーの時計だけしか情報が見つかりませんでした。高級時計はチューダーだけのようで、愛着があり多くの場面で着けているのが見られています。
Ref.79220Rはヘリテージモデルとして2012年に発表された最初のブラックベイです。往年の名機を復刻した恰好でリリースされたため、サブマリーナをベースにしつつ、ブランド創業初期の薔薇ロゴを採用しています。汎用ムーブメントを搭載している頃のモデルですが、今や廃止された薔薇ロゴやレトロなデザインが時計愛好家にも好まれているモデルです。
5.【ロレックスのディフュージョンブランド】チューダーのおすすめモデル5選
5-1 ヘリテージ ブラックベイ GMT S&G Ref.79833MN-0001
Ref.79833MN-0001はブラックベイGMTにステンレススチールとイエローゴールドのコンビモデルとして2022年に発表されたモデルです。小さめのスノーフレーク針はGMT針になっており、24時間表示の回転ベゼルと組み合わせるとローカルタイムとは別に2つのタイムゾーンの時刻を知ることが可能です。
ベゼルは日中を示すブラウンのゾーン(時間帯)と夜間を示すブラックのゾーンに分かれています。アルマイト処理されており、マットで上品な輝きが特徴です。搭載されているのは自社製ムーブメントCal.MT5652で、70時間パワーリザーブやスイスクロノメーター検定取得による高精度など、総合的なスペックが高水準な一本です。
5-2.ペラゴス Ref.25600TB-0001
Ref.25600TB-0001は2015年のモデルチェンジ以降に製造されたぺラゴスの一本です。9時位置のケースサイドにヘリウムエスケープメントバルブを備えることで防水性500mを実現し、軽量かつキズのつきにくいチタンをケース素材に採用しています。自社製ムーブメントCal.MT5612を初めて搭載したシリーズでもあり、チューダーとして力の入ったモデルの一つです。
デザインとしては伝統的なサブマリーナのDNAを強く感じさせますが、先端が四角のスノーフレーク針(通称イカ針)やスクエアインデックスなど、ぺラゴスならではのデザインも発揮されています。ケースサイズ42mmと合わせて展開されているぺラゴス39よりも大ぶりですが、デイリーユースできる範囲でインパクトのあるデザインを求めると魅力的なバランスです。
5-3.クロノタイム Ref.79160
チューダーを代表するクロノグラフシリーズとして高い人気を博したクロノタイムの一本です。クロノタイムは製造時期によってディテールが異なり、Ref.79160は1990年代のわずかな期間にのみ製造されたモデルで、カマボコケース・プラスチックベゼルを採用しているのが特徴です。
カマボコケースは搭載されているムーブメントCal.7750自体の厚みもあるのですが、ケース側面が無骨に切り立っているのが特徴で、時計愛好家の間で愛されています。また、細かい製造時期の前後により、カレンダー表示の枠の有無や文字盤6時位置の「T SWISS T 表記」、インデックスの形状が異なります。複数モデルを手元で見られる場合は比較して好みを探すのがおすすめなモデルです。
5-4.サブマリーナー デイト スクエアーハンド Ref.7021/0
Ref.7021/0はロレックスサブマリーナの系譜を継ぐチューダーによるサブマリーナの一本です。1969年以降に製造されたスノーフレーク針、通称イカ針と盾ロゴを採用したモデルです。防水性を確保するオイスターケースや回転ベゼルなどロレックスのDNAをベースにユニークなデザインに仕上げています。
ムーブメントはETA社製のCal.2484を搭載しており、同社のプリンスオイスターデイトと同一です。薔薇ロゴやロレックスムーブメント搭載モデル、文字盤違いなど様々なモデルが展開されたサブマリーナですが、Ref.7021/0はチューダーが独自性への一歩を踏み出した歴史的なモデルといえます。
5-5.ぺラゴス FXD“アリンギ・レッドブル・レーシング” Ref.25717KN(2023年新作)
Ref.25717KNはチューダーを代表するダイバーズウォッチぺラゴスの2023年新作です。2022年から始まったアリンギ・レッドブル・レーシングチームとのパートナーシップにより生まれたモデルです。世界的に有名なヨットレースのアメリカズカップで戦うチームのヨットにはカーボン、チタン、ステンレススティールの独自混合素材が使われており、過酷なレースを勝ち抜く知恵が潜んでいます。
新作ではそうした仕様にちなんで、ブラックカーボンコンポジット製のケースと同じ素材製のインサートを備えたチタン製のベゼル、文字盤はチームカラーに合わせたマットブルーが採用されています。自社製ムーブメントCal.MT5602を搭載し、スイスクロノメーター検定取得による高精度、70時間パワーリザーブなど高スペックにまとめられています。
6.(まとめ)ロレックスのディフュージョンブランド、チューダー
チューダーの魅力、ロレックスとの大きな違い、代表シリーズ、チューダーの時計を着けている有名人、おすすめモデルについてまとめました。廉価版ロレックスのイメージが付きまとっていたチューダーですが、様々な独自路線へ進む様子からこれからのチューダーはそうではない意志を感じます。
とはいえロレックスの世界観をリーズナブルに楽しめる魅力ももっており、今後の独自性と立ち位置には注目が集まります。もし街中でチューダーの時計を見かけたらぜひ一度手に取ってみてください。