2024年6月30日
ティファニーブルーとは?込められた意味や由来について解説
ジュエリー
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世界を代表する5大ジュエラーのひとつ、ティファニー。知名度、人気ともに常にトップを誇るジュエリーブランドです。
ティファニーのブランドカラーといえば、鮮やかで清楚なブルーを誰もが思い浮かべることでしょう。「ティファニーブルー」と呼ばれ、170年以上にもわたって世界中から愛されています。
皆さんはティファニーブルーのことは知っていても、ティファニーブルーの歴史や由来、あの色が選ばれた理由までご存知でしょうか?
おそらく、そこまで詳しく知る人は数少ないでしょう。そこで今回は、ティファニーのアイコニックカラー「ティファニーブルー」について徹底解説していきます。最後にティファニーブルーが印象的なおすすめのアイテムも紹介しているのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1ティファニーブルーとは?
ティファニーブルーとは、アメリカのニューヨーク発祥の、世界中の誰もが知っているであろう、有名ジュエリーブランド「ティファニー」を象徴するブランドカラーです。
ティファニーブルーの明るく独特な色合いの青色は、世界で最も認知度の高いブランドカラーと言っても過言ではないでしょう。あのカラーを目にすると、なぜか幸せな気持ちになれる不思議な魅力を持っています。
それでは早速、ティファニーブルーの歴史や由来などについて、深堀りしていきましょう。
1-1 ティファニーブルーの歴史
ティファニーブルーが初めて登場したのは1845年。1837年のブランド創業からわずか8年後のことでした。ジュエリーのカタログ「ブルーブック」の表紙のカラーに採用されたのが始まりです。
このカタログは、米国で初めてのメールオーダーカタログだったと言われています。当初は、ヨーロッパ上流階級の間で所有されてきたダイヤモンドが多く掲載されてきました。このカタログがあれば、遠い場所にいても気に入った商品を購入できるという、現在では普通のことですが、当時にしては非常に画期的なシステムをすでに生み出していたのです。
現在でもハイジュエリーの最新コレクションを集めたカタログ「ブルーブック」は年に1回発行されています。1998年にティファニーブルーを商標登録をして以降、パッケージや広告、店舗の外装などに統一して使用され、ブランドカラーとして定着しました。
このオリジナルのブルーは、ティファニーが創業された年にちなんで「1837Blue」と名付けられました。
1-2 ティファニーブルーの由来
ティファニーブルーの色は、コマドリの鮮やかな青色の卵が由来と言われています。
ヨーロッパでコマドリは、春の訪れを告げる「幸運をもたらす鳥」として親しまれています。
青は聖母マリアの色でもあり、純潔・清らかさを表す色です。そのため「結婚式でブルーを花嫁が取り入れると幸せになれる」という言い伝えが古くからあり、結婚式を迎える女性からも好まれました。
また、イギリスでは、昔から重要な土地や資産を記録する台帳の表紙に使用されてきました。ティファニーブルーには「喜びをもたらすことを保証する色」という意味が込められています。
1-3 ティファニーブルーがブランドカラーに選ばれた2つの理由
ティファニーのシンボルカラーにブルーを選んだのは、創業者チャールズ・ルイス・ティファニーです。
この色を選んだひとつ目の理由は、当時ターコイズのジュエリーが世界的に人気だったことがきっかけと言われています。もうひとつは、宝石との相性がいいという理由からです。明るく優しい色合いのブルーは、どんな宝石とも調和し、輝きと色彩を際立たせてくれます。
また、青色は真実と高潔さの象徴とも言われています。
とてもシンプルな理由で選ばれたカラーですが、まさにティファニーの「ティファニーの品々はどれも気高くなければならない」という信念にぴったりマッチした色と言えるでしょう。
1-4 ティファニーブルーのボックスだけ買うことはできる?
ティファニーのブルーボックスは、初期のブルーボックスから100年後に、白いリボンが添えられるようになりました。
このティファニーのブルーボックスは、世界中の女性が憧れ、長く愛されているパッケージです。白いリボンをほどく瞬間の胸の高鳴りと幸福感は、きっと世界共通のことでしょう。ティファニーに入社したスタッフは、まずはブルーボックスにかけるリボンの結び方を習得すると言われています。
ジュエリーとセットとなったブルーボックスは、とても人気が高く、中にはボックスだけ購入したいという人々もいました。
しかし、ティファニーがボックスだけを販売することはありませんでした。
創業者チャールズ・ティファニーは、雑誌のインタビューで「ボックスの中に入れるアイテムを選んでいただければ、ボックスを喜んで無料で提供する」と語っています。
ブルーボックスは、ティファニーのジュエリーを持つ人だけが手にすることのできる特別なパッケージなのです。このティファニーのブランディングは、ティファニーボックスの価値をさらに高めたと言えます。
また、2022年にはエンゲージリングを購入すると、ジュエリーボックスに無料でオリジナルの刻印をしてくれるサービスを開始。いくつかあるデザインのバリエーションから選び、イニシャルや記念日などを刻印すれば、さらに特別なボックスとなること間違いありません。
1-5 ティファニーブルーとターコイズブルーの違いは?
ティファニーの緑がかった青色は一見、ターコイズブルーのようにも見えますが、ターコイズブルーともまた少し違います。
ターコイズブルーよりも明るめで薄めの色がティファニーブルーです。
ただ、ティファニーブルーの色が選ばれた理由が、ターコイズジュエリーの流行だったということからもあってよく似ています。
ティファニーブルーは1998年に色彩商標として登録されたため、カラーコードなどは一般公開されていません。あの洗練された上品なティファニーの青色は、どこにも真似できない唯一無二のカラーなのです。
2 ティファニーブルーがイエローに変わるって本当?
「ティファニーブルーがイエローに変わる」という噂を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
ここでは、「本当にティファニーブルーはイエローに変わってしまうのか?」「なぜ変わるのか?」「なぜイエローなのか?」など、沸き起こるさまざまな疑問について解説していきます。
2-1 エイプリルフールに投稿されたコメント
2021年4月1日、インスタグラムで「Introducing our new House color. (新しいハウスカラーのご紹介)」というキャプションとともにイエローの箱とイエローの背景の写真を公開。これを見て世界中からたくさんの反応とコメントがつきました。
ティファニーは、翌日にいつも通りのブルーのボックスの写真に「冗談です。ティファニーブルーを変えることはありません」と投稿。また、「エキサイティングな新しいことを計画しています。」とも付け加えています。
誰もがエイプリル・フールの冗談で終わったと思っていたら、1ヶ月後にビバリーヒルズにオープンしたポップアップストアは、家具からショッピングバッグまで、今までのブルーを一切排除したイエローになって登場したのです。
エイプリル・フールの投稿から1ヶ月後のことだったので、世界中のティファニーファンは驚きと戸惑いの反応を隠せませんでした。ファンの間では「ティファニーブルーがなくなるのでは」という不安の声も多くありました。
ティファニーのプロダクト・コミュニケーションを担当するアレクサンドル・アノー氏によると、これから1年かけて、世界各地の店舗で「ティファニーイエロー」を導入する計画だと言うのです。その後は実際に「イエロー イズ ザ ニューブルー(Yellow is the New Blue)」と呼ばれる、世界各地のティファニー店舗をイエローで彩るイベントを開催しています。
日本でも、2022年に日本上陸50周年を祝して丸の内店で、招待者だけが入場できるこのイベントを開催し、店内をイエローカラーで飾りました。
ただ、期間限定のことで、実際にティファニーブルーがなくなってイエローに変わるということではなく、3年経った2024年の現在も、ティファニーブルーがティファニーイエローに変わったという事実はありません。
2-2 ブランドの若返り戦略
冗談であったとしても、なぜ突然ブランドカラーをイエローに変更すると発表したのでしょう。実は近年のティファニーは現代の若い世代からは、「古い」「変化がない」などのイメージがついていました。老舗ブランドなので仕方のないことでもありますが、そのような若い世代からも注目を集めるための話題づくりの一環で行ったことのようです。
2021年といえば、ティファニーがフランスのLVMHの傘下に入った年。
新しい体制のもとで、若い世代のブランド離れを阻止し新たな顧客を開拓するための戦略であったようです。
2-3 なぜイエロー?
エイプリル・フールの冗談として新しいハウスカラーとして選ばれたイエロー。たくさんある色の中でなぜイエローだったのでしょう。
その答えはティファニーファンならすぐに分かることでしょう。そう、ティファニーといえばイエローダイヤモンド。正式な発表はありませんが、イエローダイヤモンドが大きく影響していると考えられています。
ティファニーのイエローダイヤモンドは、1877年に南アフリカのキンバリー鉱山で287.42カラットの原石として発掘され、翌年、ティファニーの創業者チャールズ・ルイス・ティファニーが18,000ドルで購入。19世紀に発見された宝石の中で最大のもののひとつで幅2.5cmを超え、通常のブリリアントカットより24面多い82面のファセットで、128.54カラットに加工されました。
チャールズ・ティファニーは、そのダイヤモンドに自分の名前を冠した「ティファニーダイヤモンド」と名付け、それを機に彼はキング・オブ・ザダイヤモンドと呼ばれるようになりました。現在は歴史上5番目のデザインで、ダイヤモンドパヴェで散りばめた5羽の鳥がイエローダイヤモンドを取り囲むように羽ばたくルックで、ブローチとペンダントの両方で楽しめます。
ティファニーダイヤモンドをこれまでに着用したのはメアリー・ホワイトハウス、オードリー・ヘップバーン、レディ・ガガ、ビヨンセの4人のみ。表参道のイベント「Yellow is the New Blue」でも、このティファニーダイヤモンドが展示されました。
普段は、ニューヨークのティファニー本店に常設され、多くの人々を魅了しています。
3 ティファニーボックスのサスティナブルな取り組み
ティファニーは、ただのジュエリーブランドではなく、ジュエリー界でのサステナビリティへの取り組みを20年以上にわたって牽引してきました。ティファニーのアイコニックなブルーボックスとブルーバッグはFSC(森林管理協議会)認証を受けたカンパニーから調達し、つくられています。ブルーバッグは50%、ブルーボックスはなんと89%もの再生紙が含まれているのです。
さらにメインとなるダイヤモンドやジェムストーン、貴金属の採掘には、厳しい環境管理に取り組んでいる鉱山だけが選ばれています。
185年以上の歴史と伝統があり、長年トップブランドとして走り続けてきたティファニーであるからこそ、責任を持って持続可能なラグジュアリーとしてリーダーシップをとっています。こういったサスティナビリティへの取り組みは、ティファニーが最も重要視する分野なのです。
4 世界中の女性がティファニーに憧れる理由
なぜ、ティファニーは、長年にわたって世界中の女性が憧れるブランドとなっているのでしょう。ここでは、考えられる2つの理由について解説していきます。
4-1 永遠の憧れ「ティファニー・セッティング」
ティファニーブルーと同じようにティファニーを代表するアイコニックな存在となっているのが、「ティファニー・セッティング」。ティファニー・セッティングは、6本の爪でダイヤモンドを支える婚約指輪のスタイル。
誕生したのは1886年のことで、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを6本のプロングにセッティングすることで、まるで立て爪が消えてしまったかのようにダイヤモンドをリング上に浮かび上がらせます。
ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すように完璧に計算されたスタイル。今や誰もが知るであろう、リングの中央に一粒のダイヤモンドを配したシンプルなデザインは、世界中に広がり、婚約指輪の定番スタイルとして愛され続けてきました。
ティファニー・セッティングに使われるダイヤモンドは、世界最高水準のグレードであるトリプルエクセレントカットが施されています。こうしてティファニー・セッティングの誕生をきっかけに、世界中の女性たちはティファニーのブルーボックスに収まる指輪に憧れを抱くようになったのです。
4-2 有名人の影響
オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」は1961年に公開され大ヒット。同時にティファニーは、世界中の人々にとって憧れと幸せの象徴となったのです。
また、ハリウッドの大女優エリザベス・テーラーもティファニーのジュエリーを愛した1人として知られています。俳優で夫のリチャード・バートンから贈られた動植物をモチーフにしたブローチ「イグアナ・ブローチ」や「フルール・ドゥ・メール」を大切にいつも身につけていました。
近年では、モデルのミランダ・カーやヘイリー・ビーバー、歌手のビヨンセ、女優のマーゴット・ロビーなど数多くのセレブがティファニーのジュエリーを愛用しています。日本では、アイドルグループSnowManやモデルの三吉彩花さんや冨永愛さんがティファニーのアンバサダーとして起用されています。
いつの時代も有名人から受ける影響は大きく、女性たちの憧れ、そして手本となっているのです。
5 ティファニーブルーおすすめのアイテム
ひと目でティファニーと分かる「ティファニーブルー」はパッケージだけでなく、ジュエリーや文房具、食器などの商品にも使われています。
ここから、ティファニーブルーが取り入れられているおすすめのアイテムを8つご紹介します。
5-1 財布
ティファニーの至高のジェムストーンに着想を得て上質なレザーで作られたウォレット。
アイコニックなリターン・トゥ・ティファニーのモチーフとティファニーブルーのカラーで、持っているだけで気分を上げてくれること間違いありません。
大きさは、使い勝手のよいスモールと収納力に優れた長財布の2種類。色はティファニーブルーの他に、クラシックなブラック、鮮やかなハイビスカスレッド、優しい色合いのブラッシュピンクレザーが揃っています。
5-2 ナノバッグ
ティファニーの歴史に着想を得たカラーの小さなナノハンドバッグ。
上質でしなやかなナッパレザーの素材に、アイコニックなティファニーTコレクションに通じるTチェーンのハンドルが特徴です。大きさは、高さ約7.4cm、長さ9.1cm、幅4.8cmの可愛らしいサイズで、パーティシーンにぴったりです。
ティファニーブルーは、白やクリーム系、アイボリー系のドレスとよく合います。ブラックのドレスに合わせても上品で大人っぽい印象になっておすすめです。
5-3 リターン・トゥ・ティファニーのジュエリー
1969年に誕生したリターン・トゥ・ティファニーは、名前のとおり「Please Return To Tiffany &Co. (ティファニーへご返却ください)」の文字が彫ってあるのが特徴。
かつては、この文字の他に顧客番号も彫られていて、もしどこかに落としてしまってもティファニーまで届けられれば、持ち主の元に戻ってくるというサービスがあったのです。
リターン・トゥ・ティファニーのコレクションの中でも、ダブルハートタグペンダントは、ひとつはアイコニックな文字入りのハートモチーフ、もうひとつはアイコニックなティファニーブルーのハートモチーフをエナメル仕上げされたもの。見る人はひと目でティファニーと分かります。ペンダントの他にも、ブレスレットやイヤリングに展開されています。
5-4 アトラスウォッチ
ティファニーのアトラスウォッチは、ティファニーのニューヨーク本店に掲げられたアトラス・クロックからインスピレーションを得てデザインされた腕時計です。
ティファニーの時計は全てスイスの工場で精巧な技術によって製造されています。クラシカルなローマ数字と毎日つけられるシンプルなデザインで、ティファニー の伝統を感じられるでしょう。
中でもアイコニックなティファニーブルーの文字盤は、他にはない魅力で高い人気を誇っています。つけていれば注目されること間違いなしのアイテムです。
5-5 コーヒーカップ・エスプレッソカップ
ティファニーは食器類も人気が高く、贈り物などにしても喜ばれるアイテムです。
2022年に初登場したコーヒーカップは、上質なボーンチャイナ製で、世界中のティファニーブティックでのみ使われている紙のコーヒーカップにインスピレーションを得て生まれたもの。ティファニーのコーヒーカップで飲むコーヒーは、優雅でリッチな気分になること間違いありません。
カラーは、ティファニーブルーをはじめ、ジェムストーンから着想を得たエメラルドグリーン、サファイアブルー、シトリンイエロー、クンツァイトパープルの5種類。
それぞれコーヒーカップとエスプレッソカップのセットになっています。ティファニーの熟練の職人技によって丁寧につくられた美しいフォルムと鮮やかなカラーリングで、インテリアとして置いておくだけでも華やかになるカップです。
5-6 ボールペン
ティファニーボールペンTクリップはシンプルで上品なデザイン。入学祝いや卒業祝いの贈り物としても人気が高いアイテムです。
やはり人気カラーは、ティファニーの伝統が体現されたスターリングシルバーや、アイコニックなカラーのティファニーブルーです。その他にもイエローやシルバー、ゴールドなどのラインナップがあります。
Tクリップシリーズだけでなく、ティファニーを代表するコレクション「1837」や「エルサ・ペレッティ」のボールペンは、芸術的で品があり、使用するたびに気持ちを高めてくれるでしょう。
5-7 ジュエリーボックス
大切なジュエリーを保管するための、レザー仕立て、鍵付きジュエリーボックスです。
ティファニーブルーだけでなく、新しいハウスカラーのイエロー、ジェムストーンにちなんだ、ツァボライト、クンツァイトカラーの展開があります。スモールやラージサイズ、高さのあるトールサイズなど、大きさや形を自分の持っているジュエリーの量に合わせて選ぶことができます。
鍵付きなので、使わない時も安心して出かけられるでしょう。
5-8 ブルーボックスチャーム
ティファニーには、幅広いデザインのネックレス&ブレスレットチャームコレクションがあります。その中でも、ブルーボックスチャームは、なんとも言えない可愛さ。ティファニーらしいスターリングシルバーに、ブランドの象徴ティファニーブルーのエナメルフィニッシュは、ひと目でティファニーと分かるアイテムです。
ネックレスやブレスレット、自分の好みや気分で取り付けられ楽しむことができます。別売りのクラスピングリングブレスレットに取り付けることもでき、自分でセレクトしたチャームを付ければ、オリジナルのブレスレットが出来上がります。
6 まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はティファニーの中でも最も象徴的なティファニーブルーについて詳しく解説させていただきました。
誰もが目にしたことのある馴染みのカラーではありますが、選ばれた理由や由来、歴史までは知らなかったのではないでしょうか。新たに参入したカラー、ティファニーイエローも少しずつ浸透してきてはいますが、ティファニーブルーの歴史・伝統にかなうものではありません。
ティファニーブルーはこれまでブランドの長い歴史とともに歩んできた実績があってこそ、これほどまでに世界中の人々から愛されているのです。ティファニーブルーは、これからも唯一無二のブランドのアイコニックなカラーとしてあり続けることでしょう。