2024年6月30日
オメガのコンステレーションとは?歴代モデルから見る名作のすべて。
時計
星座の意味を持つコンステレーション(constellation)
オメガ(OMEGA)のコンステレーションは、高性能でありながらエレガントさを兼ねそなえた腕時計の名品です。身につける人のあらゆるシーンに寄りそって、洗練された印象を与えてくれるでしょう。
今回はオメガのコンステレーションについて解説してまいります。
オメガの歴史やコンステレーション歴代モデルの特徴について解説しているので、興味をもたれた方は参考にしてみてください。
目次
1 オメガ「コンステレーション」8つの星が意味するものとは?
コンステレーションを象徴する8つのスターエンブレム。時計の精度を競う天文台コンクールで、オメガが頂点の座を射止めた回数を時計のケースバックに刻印したものです。
ここでは、オメガが誇るコンステレーションの立ち位置を解説してまいります。
1-1 星のエンブレムは精度の証
コンステレーションが誕生した当時、何より求められたのは「正確な時を刻む」ことでした。20世紀中盤、オメガは時計性能を競う最高峰「天文台コンクール」で精度における8つの記録を樹立しています。
なかでも1936年、スイスのキュー天文台の精度試験で100点中97.8点という得点は今も破られていない世界記録です。この偉大な功績を後世に残すため、オメガは記念の認定書を自社ミュージアムに展示しています。スイスのビエンヌには本社とオメガミュージアムが併設され、類まれなる歴史を広く知らしめる役割を果たしています。
コンステレーションに、この偉業を8つの星と天文台のモチーフとともに刻んだことは、オメガがスイスウォッチの代名詞となったことを意味するものでした。コンステレーションの存在自体が、オメガにとって受け継がれる精度への証といえるでしょう。研究や性能技術への飽くなき探求は、今この瞬間も歩みを止めることはありません。
1-2 オメガが追及する究極のタイムピース
現在のオメガコンステレーションは、レディースウォッチとしての知名度が高いモデルの一つです。しかし、初代モデルにさかのぼってみると必ずしもそうではありませんでした。
コンステレーションは1952年にオメガ初の自動巻き時計が初代モデルとして産声をあげ、その圧倒的な精巧さで当時の人々から熱狂的に受け入れられました。パイ皿を裏返したような文字盤はパイパンダイヤルと呼ばれ、その上品でノーブルな印象から、まず最初に男性たちを魅了したのです。
何度かモデルチェンジをしたコンステレーションにはヴィンテージオメガとして名高いCラインがあります。現在も愛好家によって高値で取引されている伝説的な存在となっています。
1982年に発表されたコンステレーションマンハッタンモデルから、アイコニックデザインである4つ爪やケースサイドのハーフムーンカット、6時位置の星のエンブレムが定着しました。ここからオメガはコンステレーションのデザインを洗練させ、女性の手首に合うような繊細なサイズ展開をしていきます。こうした細やかな改良が性別を問わず愛されて、結果的にコンステレーションをオメガ究極のタイムピースへと押し上げたのです。
2 「コンステレーション」オメガの歴史を解説
ここでは、オメガが歩んできた歴史について解説してまいります。
2-1 礎を築いた時計職人ルイ・ブラン
1848年、スイスの北西部に位置するラ・ショー・ド・フォン。このフランスの国境近くにある小さな村で、23歳の時計職人であったルイ・ブランが工房を開いたのがオメガの始まりとなりました。才能あふれる若き職人が手がけた時計は、またたく間に評判となり、そのニュースはスイスから欧州全体に駆け抜けていくことになります。
時計作りにまい進する彼が54歳という若さで亡くなると、その遺志を継いだのが二人の息子たちでした。
2-2 「OMEGA」息子たちの偉業
1880年、父の工房を継いだルイ・ポールとセザールは新天地を求め、活気あるビエンヌの街へ移転しています。現在もオメガの本社やミュージアムがあるこの街は、ワイン畑が広がる風光明媚な観光地として人気のエリアです。
彼らはこの場所で量産型キャリバー「ラブラドール」の製造に成功します。キャリバーとは時計の心臓部、ムーブメントを指しています。さらに10年という短い期間に、次々と新しいキャリバーを開発できたのは、創業から築いた基盤を亡き父からの遺産として受け継いでいたからといわれています。1892年にムーブメントの小型化に成功すると、その腕時計は世界的に高い評価を得たのでした。その2年後には時計業界に新しい基準をもたらしたキャリバー「オメガ」を生みだしたのです。
これは精度はもちろんのこと、部品のメンテナンスに職人を煩わせない点で画期的なキャリバーとして現在も使われています。また,今では当たり前となっているリュウズと心棒での巻きあげや時間設定なども、このキャリバーから始まりました。
1894年、彼らは社名を「OMEGA Watch Co:オメガウォッチ」と改め、世界的な時計ブランドとして名を馳せるようになっていきます。1903年にはスイス最大の時計メーカーとして研究開発機関の役割を担い、名実ともにスイスウォッチの代名詞となったのです。
2-3 オリンピックレガシーから宇宙、深海へ
1900年のパリ万博でオメガはコレクション全体でグランプリを受賞しています。5年後には、その精度への妥協のない姿勢からスポーツシーンにおいて初の計時役(タイムキーパー)に選ばれます。オメガにとって最高の栄誉が続く20世紀の幕開けとなりました。
1932年、オメガはロサンゼルスオリンピックの全競技でタイムキーパーをつとめる大役を見事に成し遂げています。これをきっかけに後のオリンピックの公式タイムキーパーを担うようになったのです。
1940年代、戦時下に入ると精度に加えて防水性や耐衝撃性、耐磁性といったあらゆる過酷な条件をクリアできる軍用ウォッチを開発しています。限られた時間で最大の貢献を果たしたオメガの技術は、戦後のさまざまなシーンに転用され、さらなる信頼を獲得していきました。NASAから認定されて宇宙に挑んだ「ムーンウォッチ」スピードマスターが代表的な存在といえるでしょう。一方、深海をフリーダイビングでめざすジャック・マイヨールの腕にはシーマスターが新記録樹立の時を静かに刻んでいたのです。
2-4 映画007シリーズとの歩み
1995年、映画007シリーズでは主役のジェームズ・ボンドのクールな魅力を引き立てるアイテムとして、特別なシーマスターが華を添えました。このシリーズから25年にわたって歴代シリーズを支え、2020年には初のボンドモデルが発売されて大きな話題をふりまくことになります。
2002年の007ダイ・アナザー・デイのシーマスターダイバー300Mには、レーザー照射や起爆装置が操作できる、映画ならではの仕掛けを目にして胸を躍らせた方も多いでしょう。
2012年の007スカイフォールではブラックの文字盤が引き締まった印象のプラネットオーシャン、そしてエレガントなタキシード姿に合わせたアクアテラといった2つの異なるシーマスターが使われていました。2015年の007スペクターでは、クラシックモデルの復刻版がストーリーの原点回帰に寄せた演出として効いていたのではないでしょうか。
こうした007シリーズとオメガとの歩みは、相乗効果をもたらす画期的なブランディングとして好意的に受けとめられ、映画の成功に一役買ったといえるでしょう。
3 誕生から70年以上の歴史を誇るコンステレーション。
発表から70年以上の歴史を誇るコンステレーションは、オメガの中で最もデザインが変化したモデルとされています。
ここでは、オメガコンステレーションの歴代モデルについて解説してまいります。
3-1 象徴的なパイパンダイヤル:初代モデル
1952年、コンステレーションの初代モデルは、オメガ初の自動巻きクロノメーターを採用したドレスウォッチとして発表されました。
パイ皿を裏返したような陰影が、時刻のインデックスを際立たせてみせる特徴的な文字盤です。当時はパイパンダイヤルと呼ばれ、その華やかさとエレガントなルックスで人々を魅了しました。日本では12角という異名で呼ばれることもあり、ヴィンテージ市場において高値で取引される人気モデルです。
ボディはステンレスシルバー、またはステンレスにゴールド加工を施したゴールドカラーのモデルなどがあり、いずれも気品が感じられるデザインです。オメガはコンステレーションの後発モデルに、何度かパイパンダイヤルを復活させています。歴史を感じさせる象徴的なモデルとして長く愛される逸品です。
3-2 イノベーション:1950年から1960年代
この時代のコンステレーションは、デザインとムーブメントにおいて過渡期といわれています。デザイン面で立体的なパイパンダイヤルからフラットダイヤルへの大きな変化がありました。
また、ムーブメントの改良に成功して小型化が進み、ケースとブレスレット部分が一体化したモデルが発表されています。機能面では防水性に対してアップグレードされて、コンステレーションの特徴である本体文字盤の薄さが確立された時代といえるかもしれません。
3-3 1967年名作の誕生:Cライン
オメガのコンステレーションで、今も愛好家の多いモデルといえば、このCラインをあげる方は多いでしょう。Cラインは、オーバル型の文字盤とブレスレットのなだらかな一体感が美しい時計です。風防はこんもりと丸みを帯びていて、6時位置の星のエンブレムが特徴的な見た目となっています。ブレスレットが均等な5連パーツとなり、フィット感が格段に良くなりました。ドレスウォッチでありながらスポーティーなルックスで登場したCラインは、熱狂をもって迎えられ人々を虜にしたのです。
Cラインは天才的な時計デザイナー、ジェラルド・ジェンタ氏が制作を担当しています。彼はフリーランスとして活動するデザイナーで、同時期にさまざまな名門ブランドの時計制作にたずさわっています。オーデマピゲのロイヤルオークやパテックフィリップのノーチラスは、彼の作品としてあまりにも有名です。さらに、カルティエパシャのリデザインやユニバーサルジュネーブのシャドウシリーズなども彼が手がけています。
このシャドウシリーズとCラインはよく似ていて、どちらもヴィンテージ市場で人気を集める往年の名品です。
3-4 時代はクオーツムーブメントへ:1970年代
1969年に日本の時計メーカーであるセイコーがクオーツムーブメント(水晶を動力にしたもの)を採用したアストロンを発表して世界中を驚かせました。これがきっかけとなり、時計業界にクオーツムーブメントの時代が到来したのです。
オメガもその時代の流れを受けてクオーツ式時計の制作に取り組んでいます。クオーツムーブメントを採用したモデルは現存していて、コンステレーションのなかでは価格が控えめな設定です。
3-5 1982年コンステレーション・マンハッタンは第3世代
コンステレーションの定番デザインを確立した「コンステレーション・マンハッタン」
1982年に発表された第3世代となるコンステレーションです。当初、ケースと風防を留める4つ爪は防水性を高めるために採用されたデザインでした。さらにケース横のハーフムーンカット、ベゼルのローマ数字表記などが加わってフェミニンな印象に生まれ変わっています。6時位置の星エンブレムに代わり、3時位置に日付窓をもうけている点が特徴的といえるでしょう。
ドレスウォッチの原点にかえったコンステレーションは、女性たちから圧倒的な支持を得て、オメガを代表するレディースウォッチとなっていきます。
3-6 2003年進化した機械式時計:ダブルイーグル
2003年、オメガは機械式時計を現代的に進化させたコンステレーション・ダブルイーグルを発表します。デザインはマンハッタンモデルを踏襲しつつ、ムーブメントにはコーアクシャル機構を採用して実用面を向上させました。さらに、ダブルイーグルの特徴であるダイナミックな4つ爪は、より一体感を高めることで洗練されたデザインへと昇華しています。
素材やサイズのバリエーションが豊富で、コンステレーションの完成形といえるでしょう。
3-7 2009年スケルトン仕様で魅せる:第4世代
2009年になると、ダブルイーグルをベースとしたトレンド感満載のモデルが発表されています。おもなデザインや仕様は変えず、よりスポーティーで遊びを持たせた第4世代のコンステレーションは、本体裏を透明にしたスケルトン仕様となりました。当時の流行を巧みに取り入れたデザインは、若年層にオメガを知らしめるきっかけとなったのです。
3-8 2015年パイパンダイヤル復活:グローブマスター(派生モデル)
2015年、初代モデルを彷彿とさせるパイパンダイヤルが復活しました。グローブマスターはコンステレーションの派生モデルとして誕生しています。クラシックな印象ながら、その陰影ある文字盤の美しさは時代を超えて愛される不朽のデザインなのかもしれません。
さらに、Cラインのような奥行きあるケースバックが上品さを添え、文字盤を囲むベゼルの細かなカッティングはアクセントとして軽快な印象です。サイズや素材によって、さまざまな印象を見せるグローブマスターは、現在最も人気を集めるオメガウォッチの一つになっています。
3-9 2018年マスタークロノメーター搭載:第5世代
第5世代となるコンステレーションは、最新ムーブメントのマスタークロノメーターを搭載したモデルです。
2018年、このムーブメントは初めてレディースウォッチに採用されます。その2年後にメンズウォッチへ搭載され、本格的にバリエーション豊富な展開が始まりました。これまでより耐摩耗性に優れたムーブメントは、オーバーホール(分解を伴うメンテナンス)の期間を飛躍的に伸ばすことに成功しています。通常は長くても5年ほどでメンテナンスに出さなければなりませんが、その期間を10年まで伸長させたのです。
オメガ独自のムーブメントが採用されたコンステレーションは、デザインでも多彩に展開していて見る者を飽きさせません。オメガは素材への探求からセドナゴールドの開発を成し遂げていて、さらにデザインの幅を広げています。この第5世代がコンステレーション歴代モデルの集大成といえるでしょう。
4 レディース、メンズともに人気!5つの理由を解説
ここでは、オメガのコンステレーションが性別を問わず愛される理由について解説してまいります。
4-1 高い品質と信頼のブランドパワー
創業から現在まで、オメガがめざすのは常に正確に時を刻むことでした。そのため、時計にとって最も重要なムーブメントの開発や改良に心血を注いできたのです。さらに、高性能な時計をより多くの人々に届けるために量産体制を築きあげ、時計業界に大きな変革をもたらしたこともオメガの功績の一つといえるでしょう。このことはメンテナンスのしやすさを飛躍的に伸ばし、消費者に実用面で大きなメリットを与えました。
その結果、オメガはゆるぎない信頼を得て世界有数の名門ブランドとしての地位を確たるものとしたのです。こうしたオメガへの信頼がブランドパワーの源泉となり、性別や年齢に関わらず選ばれつづける理由となっています。
4-2 多彩な素材から選べるデザイン
近年オメガは素材である金属の開発に余念がありません。2010年代に入ると、ピンクゴールドを彷彿とさせる素材を独自に開発しています。2000年代からジュエリーで人気が高まったピンクゴールドは合金のため、銅の割合でかなり色味が変わる金属です。色味と金属としての安定感を求めたオメガ独自配合で、赤みの強い鮮やかなローズカラーに仕上げています。
オメガでは小惑星のセドナの名前を冠したセドナゴールドとして、コンステレーションに採用しています。これはコンステレーションをジュエリーウォッチとして、より魅力的に見せることに成功しているといえるでしょう。さらに本物の鉄隕石を(アイアンメテオライト)を文字盤に採用するという試みからは、ユニークな探求心がくすぐられる方も多いのではないでしょうか。
4-3 価格帯の広さ
オメガの時計全てに共通しているのが価格帯が広い点です。どうしてもブランドの時計は高額になりがちですが、コンステレーションは30万円台から購入できます。もちろんハイエンドのモデルであれば500万円以上からあって、現在の最高額は900万円を超えています。この価格帯の広さは消費者にとって選択肢が増えるのでメリットといえるでしょう。
4-4 維持管理のコストパフォーマンスが高い
オメガは全ての時計に5年間という長い保証期間を提供しています。さらに最高級モデルのコーアクシャルムーブメントは、ムーブメント内の摩擦を極力抑えて、オーバーホールの期間を飛躍的に伸ばすことに成功しました。通常は3〜5年ほどの期間でオーバーホールが推奨されることが多いものの、その期間をおよそ10年まで伸ばせたのです。使う環境によってはそれ以上の使用にも十分耐えられるコストパフォーマンスの高さは、長く使うものだからこそ評価されているポイントといえるでしょう。
4-5 安定感のある中古市場
オメガは、コンステレーションを含むほとんどのモデルを中古市場で手にすることができる稀有なブランドです。時計だけを扱う中古専門店やブランド全般の中古買取店などでは、新品の状態(新古品)が定価のおよそ70%〜60%程の金額で取引されています。
また、コンステレーションはヴィンテージオメガの愛好家も多く、ヴィンテージ市場の存在は特筆すべきでしょう。状態やリペアといった個々の条件次第では高値がついているモデルが数多くあります。
実際に中古市場を利用して多くの方がオメガを手にしているので、こうした安定感のある市場が存在することは知っておいて損はありません。欲しいモデルが決まったら、中古市場を下調べしてみることをおすすめします。
5 ヴィンテージの名品コンステレーションCラインについて。
ここでは、ヴィンテージの名品とされるコンステレーションCラインについて解説してまいります。
5-1 巨匠ジェラルド・ジェンタ氏
「時計界のピカソ」と評されるジェラルド・ジェンタ氏は、1960年代から1970年代に活躍した時計デザイナーです。同時期に数多くの名門ブランドで腕をふるい、そのほとんどが今も名品として存在していることからも、彼の才能の片鱗がうかがい知れるでしょう。
彼はスイスに生まれ、15歳からジュエリー職人として歩んだのち、23歳で時計デザイナーへと転身をはかります。フリーランスとして彼が手がけた時計には、パテックフィリップのノーチラスやオーデマピゲのロイヤルオークなどがあります。彼のダイナミックで品格あるデザインは、時計業界においてセンセーショナルな影響を及ぼします。
1962年にオメガのコンステレーションCラインを発表すると、同様のデザインで追随するブランドが後を絶たないほどの人気を集めました。彼はスポーティーでありながら気品あふれるラグジュアリーウオッチ、という全く新しいカテゴリーの時計を生みだしたのです。彼の評判はスイスだけでなく、世界中を席巻していきます。イタリアのブルガリではブルガリブルガリを、日本ではセイコーのクレドールを制作しているのは意外に知られていない事実かもしれません。
オメガにとってコンステレーションCラインは起死回生の一手となり、またデザイナーであるジェラルド・ジェンタ氏を世に知らしめた運命の時計となったのです。「20世紀最高の時計デザイナー」その功績は、天才の名を欲しいままにしたピカソに通じるといっても過言ではないでしょう。
5-2 Cライン前期と後期の違いとは?
コンステレーションCラインには前期と後期のデザインに若干の違いがあります。初代モデルからの前期は、風防(文字盤の透明ケース部分)がふっくらとしたドーム型で、丸みのある光の反射がやわらかい印象を与えます。また文字盤の6時方向に、象徴的な一つ星のエンブレムが控えめな輝きを放つ仕様です。前期の全てではないものの、文字盤を囲むベゼル部分がコインの側面のようにギザギザとしたデザインのモデルが存在しています。さらに、文字盤の表面をヘアライン仕上げ(細い線が縦横無尽に見える加工)をしているモデルは、前期のみの仕様です。
一方、1970年からの後期モデルは、風防がフラットで星のエンブレムはありません。そのため、よりスポーティーでスタイリッシュな印象を醸しだしています。こうした違いは、やはりデザイナーのジェラルド・ジェンタ氏の影響があるとみて間違いなさそうです。彼はもともとジュエリーデザイナーであり、精緻な金属加工に長けていたのでしょう。特に、彼の影響が大きい前期モデルに見られる加工技術はファンならずとも一見の価値があります。
5-3 今も人気!中古市場での存在感
オメガが誇るコンステレーションCラインは、発表から60年を経た今でも中古市場を中心に高値で取引されています。ジェラルド・ジェンタ氏の影響が色濃く残るモデルは、数が限られていることもあって常に人気の存在です。彼は2011年に亡くなるまで時計制作にたずさわっていました。没後から彼の手がけた時計が、さらに高値をつけるという業界の予測通りに推移しているようです。
また、コンステレーションの初期モデルであるパイパンダイヤルは「12角」の異名でCラインと同様に高値がつくヴィンテージオメガとなっています。高い性能と美しいデザインで魅せるコンステレーションは、時代を超えて愛され続ける逸品といえるでしょう。
中古市場ではオメガの現行モデルもお得に入手できるので、上手に活用してみてはいかがでしょうか。
6 コンステレーションを愛用する芸能人・著名人3選!
ここでは、オメガコンステレーションを愛用する芸能人や著名人を解説してまいります。
6-1 深田恭子 123.20.24.60.63.001
相変わらずドラマやバラエティー番組で活躍している深田恭子さん。若々しい彼女も芸能生活20年以上のベテランとなりました。恋多き女性として華やかな噂が絶えないのは、生来のモテ体質ゆえのことでしょうか。そんな彼女が愛用するコンステレーションは、セドナゴールドを採用したモデルです。オメガが独自開発したセドナゴールドは、赤みを帯びたゴールドでピンクゴールドに近い色味が特徴となっています。自然光ではブラウンがかって見えることがあり、文字盤もブラウンで落ち着いた華やぎのある印象にまとまっています。
文字盤に12個のダイヤモンドがセッティングされていて、暗くても時刻の視認性は抜群です。オメガで大人女性が腕時計を選ぶ際、参考にしてみてください。
6-2 小池百合子 123.20.27.60.57.001
現在2期目を終えた東京都知事の小池百合子さん。政治家としての鋭い嗅覚と行動力に長けた人が選ぶ腕時計は、やはりコンステレーションでした。文字盤はイエローゴールドにダイヤモンドがぐるりと取り巻いたデザインで、ブレスレットはステンレスとイエローゴールドのコンビネーション。華やかさがありながらも主張しすぎず絶妙なバランスで、
もうこれ以外はないチョイスといえるでしょう。このバランス感覚が女性初の首都首長へ導いた天分だったのではないでしょうか。彼女は東京オリンピック関連行事でも、この時計を着用していました。彼女が3期目となるかは現時点では不明ですが、これからも聡明さとバランス感覚の良さで活躍を期待します。
6-2 岡田准一 130.30.39.21.03.001
岡田准一さんといえば、時代劇から本格的なアクションまでこなせる俳優として幅広く活躍されています。アイドルとしての面影を残しつつも、最近はダンディなイケオジといった風貌にコンステレーションのグローブマスターがよく似合います。シルバーのステンレスボディに深い藍色の文字盤は、大人の余裕すら感じさせるチョイスといえるでしょう。こちらはオメガが世界初となるマスタークロノメーターを搭載したモデルとして発売以来人気を集めています。
2019年のドラマ「白い巨塔」で着用、白衣に合わせたスタイリングが上品で、仕事への高潔な姿勢を感じさせます。彼は抑えた演技で主演をつとめ、往年の名作ドラマを見事に演じ切ってみせました。これからもドラマでの活躍が期待できる実力派俳優の一人です。
6-3 菅田将暉 168.017
若手ながら演技派俳優として知られる菅田将暉さん。芸歴は意外に長く、人の内面の微妙な機微を演じられる類まれな存在です。そんな彼の手元に寄りそうのは、なんとコンステレーションCライン。しかも幻の名品とも評される、ジェラルド・ジェンタモデルです。ヴィンテージオメガの最高峰といわれるモデルをさり気なく身につけるセンスは、さすがと言わざるをえません。
後のコンステレーションモデルの礎となるデザインは、40㎜の大きめな文字盤がエレガントな印象です。さらに高値が期待されるCラインですが、最近お子さんが産まれたので、いずれはプレゼントするのかもしれませんね。公私ともに充実している菅田さんの活躍は、まだまだこれからも期待して良さそうです。
7 まとめ オメガ「コンステレーション」は時代を超えて愛される名品
今回は、オメガのコンステレーションについて解説してまいりました。
コンステレーションは、一見すると優等生過ぎて面白みに欠けると評されることがあります。しかし、これだけシーンを選ばずに着用できる腕時計もそう多くはありません。
確かな精度やデザインで見せる絶妙なバランスは、薄紙を一枚一枚重ねるような地道な努力のすえ到達した真骨頂といえるでしょう。
ぜひ一度、オメガのコンステレーションを手にしてみてはいかがでしょうか。