2024年9月27日
【エルメス】アザップとは?人気財布の種類や使い勝手を詳しく解説
エルメスのアザップはメゾンを代表する人気財布の一つです。三辺をぐるりとファスナーで開閉するラウンドファスナー式で、一見して表面にブランドをアピールするロゴなどはありません。
しかし、開いてみるとパッと目に飛びこんでくる美しいスカーフ柄がサプライズを与えてくれるでしょう。今回はエルメスのアザップについて解説してまいります。
エルメスでアザップの購入を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考になさってみてください。
目次
1.「エルメス」人気財布アザップの特徴とは?
アザップは薄型でシンプル、声高にブランドアピールしないのに人気を集めるお財布です。
ここでは、そんなアザップの特徴と魅力について解説してまいります。
1-1.スリムなのに抜群の収納力
アザップはエルメスのお財布のなかで唯一のラウンドファスナー式を採用しています。これはコの字型のファスナーで、三辺が大きく開くのが特徴です。ワンアクションでお札や小銭、クレジットカードが見渡せて支払いをスムーズにできるのが最大の特徴となっています。
また札入れとファスナー付き小銭入れ、カードスリットやフリーポケットが複数あって整理しやすく、一つ一つの収納量がたっぷりと確保されています。それにもかかわらず、ファスナーを閉じると厚みをしっかりと抑えて、スリムな状態をキープしてくれるのは魅力的なポイントです。さらに表面に装飾が無いため、衣服やネイルを傷つける心配もありません。バッグやスーツのポケットにストレスなく収まって日常使いに最適な仕様です。
本体ファスナーを開けると小銭入れにもファスナーが付いていて、コインの飛び出しが完全に防止されています。そのため、手元に小銭が多くなったとしても安心して使うことができるでしょう。本体ファスナーにはレザーの引き手が採用されています。アザップ・クラシックは本体レザーと色をリンクさせてワンポイントになっています。一方、以前のシルクインは同柄のシルク素材の引き手が採用されていました。アクセントとして好評だったものの、現在は耐久性の面から、ゴールドカラーのレザー素材へと一律に変更されています。
現在、エルメスのファスナーのほとんどが自社生産になっていることは特筆すべきでしょう。小銭入れの引き手金具にHERMÈSのロゴの刻印とファスナーの引きどまりに「H」マークがあります。これは後を絶たないフェイク品との差別化をはかるためであり、アザップにも採用されていて、正規店以外で購入する際の参考にしてみてください。
1-2.豊富なカラーバリエーション
アザップはシンプルなデザインが映える、カラーバリエーション豊富なアイテムです。
「日常使いするお財布には定番色を選びたい」そう思われたなら、黒やネイビーまたはゴールドといったベーシックカラーも充実しています。近年、定番色にエトゥープやグレージュなどが仲間入りしているエルメスなら定番色の概念が変わるかもしれません。
華やかカラーなら、おすすめはピンク系です。パキッと目に鮮やかなローズティリアンやローズコンフェッティは、見るだけで元気になれるカラーといえるでしょう。彩度が明るいカラーには人にポジティブなエネルギーをもたらす効果があるので、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、エルメスのホワイトカラーは華やかさとニュアンスとのバランスが絶妙で、多くのファンを虜にしています。特にグリペールやクレ、パルシュマンなどのホワイト系なら、他のブランドにない色味としておすすめです。「お財布に白はどうかな?」と迷われるかもしれませんが、比較的メンテナンスしやすい素材のヴォーエプソンであれば安心して使えるのではないでしょうか。
ニュアンスカラーのおすすめは爽やかなミントグリーン、ヴェールフィズ。2022年のニューカラーとして発表されてから圧倒的な人気を集めています。軽やかさと繊細な色出しに、思わずため息がもれそうな美しさです。意外にもネイビーやブラウンといった定番色との相性が良く、仕事中のランチといったビジネスシーンにも馴染みやすいカラーになっています。
アザップなら、今まであきらめていた金運カラーにも挑戦しやすいのではないでしょうか。たとえば、ゴールドやイエローは風水などで金運が上がるとされているものの、あまりにも周知されているがゆえに敬遠されがちなカラーです。エルメスのジョーヌミルトンは、まろやかなクリームイエローとして2024年に発表されました。明るくて温かみのあるのはもちろんのこと、風水的によい運気をもたらしてくれそうな期待が高まります。
エルメスのアザップなら、どんな色味であっても期待を裏切らないラインナップなので、必ずお気に入りカラーに出会えるでしょう。
1-3.好みで選べる二つのデザイン
アザップには異なる二つのデザインが存在しています。
それぞれの仕様について解説します。
1-3-1.アザップ・クラシック
アザップ・クラシックは外側、内側ともにレザー素材を採用したモデルです。すっきりとしたルックスは統一感があり、大人の落ち着きが感じられます。スーツのポケットに収まりが良いため、男性からの支持が高いのも特徴的です。エルメスのブランドアピールがなくても、その品質に絶大な信頼を寄せるファンから愛されるアザップは隠れた名品として長く存在感を示しています。レザーのパイオニア、エルメスが誇る素材へのこだわりと匠の技に触れられるのは、お財布ならではの醍醐味といえるでしょう。
おもに採用されている素材には、トゴとヴォーエプソン(ヴォーは仏語で雄仔牛の意味)があります。どちらも耐久性と色ノリの良さ、ハリのある質感が特徴です。特にヴォーエプソンは、きめ細やかな型押し加工が美しく、エルメスではアザップ以外のお財布にも多用されています。また、シンプルデザインのアザップはクロコダイルなどの個性的な素材も受けとめる懐の大きさがあります。上質感のあるワイルドなイメージを演出したいときにおすすめです。
1-3-2.アザップ・シルクイン
内側にエルメスのスカーフを採用した優美なお財布、アザップ・シルクイン。
伝統あるスカーフ「カレ」と上質レザーの両方を堪能できるのが魅力といえるでしょう。素っ気ないほどの表面からは予測できない華やかな内側のギャップに、心を射抜かれるのは間違いありません。まさにエルメスそのものを体現するアイテムといえるのではないでしょうか。
採用されているシルクは、ツイル織りで艶やかなテクスチャーとなっています。柔らかさと同時にハリがあるので型くずれしにくい仕様です。この柔らかさはカードスリットの収納力を上げ、1つのスリットに2枚のカードが楽に収まります。実際に使ってみると女性の指先でも取り出しやすく、特徴の一つになっています。
シルクインは柄に合わせた内側ファスナーの色合わせにも余念がありません。スカーフ柄のメインとなる色味に合わせたり、ポイントカラーの差し色を選んだりして全体をまとめています。心憎いトータルコーディネートは見事の一言。これも自社生産が成せるモノづくりの賜物といえるでしょう。
2.「エルメス」アザップのサイズ展開を解説
ここではアザップのサイズについて解説してまいります。
2-1.長財布モデル ロング
アザップロングのサイズは、およそ縦11㎝×横20㎝×厚み2㎝です。長財布タイプのため収納力が高く、紙幣を折らずに持ちたい方に選ばれています。特に約20㎝ある札入れは、余裕をもって紙幣が収まるサイズ感となっていて、新旧の紙幣が混合しても問題なく使えるでしょう。
札入れ×2、ファスナー式小銭入れ×1、カードスリット×12、フリーポケット×2の仕様は、レシート類の仕分けや収納にも十分なスペースが確保されています。収納量が増えても本体ファスナーを閉じれば厚みが抑えられるのでスリムな形状です。これはクラシック、シルクインともに共通仕様になっています。性別を問わず、幅広い年代に使いやすいお財布としておすすめのサイズです。
2-2.ミニ財布 コンパクト
アザップコンパクトのサイズは、およそ縦11㎝×横10.5㎝×厚み1.5㎝となっています。ミニ財布として使いやすいサイズ感ながら、しっかりと小銭も収まります。二つ折りの紙幣が8枚くらいまで収まるので、小さなバッグの時でも重宝するお財布です。
札入れ×2、ファスナー式小銭入れ×1、カードスリット×6、フリーポケット×2の仕様です。フリーポケットには、カードや領収書類も十分に入ります。現金派、キャッシュレス派のどちらであっても使いやすいお財布と言えます。ファスナー式小銭入れは片側にマチ付きなので、想像以上にコインが収納できるのが特徴の一つです。すっきりと薄い形状をキープできてかさばりません。
3.「エルメス」アザップの使い勝手を解説
アザップは使い勝手がいいことで定評のあるお財布です。
ここでは、アザップの使い勝手について解説してまいります。
3-1.ロング
アザップロングは高い収納力と、ファスナー開閉のワンアクションで紙幣やカード類が見渡せるお財布です。エルメスが手がける他のお財布と比較してみても、ベルトによる開閉作業が無いことを理由にアザップを選んでいる方は多く、実用面で高い評価を得ています。
また開閉したときの口開きが大きく、小銭を探すときやクレジットカード、紙のクーポンなどが速やかに取りだせるのもうれしいポイントです。会計をスマートに済ませたいシーンは年齢を重ねるごとに増してくるので、どこに出しても恥ずかしくないお財布としておすすめといえるでしょう。この口開きの大きさは、本体ファスナーの閉じ終わり部分を、およそ1.5㎝外側まで縫いつけることで実現させています。細部にこだわった仕様にエルメスらしさが感じられます。
ファスナー式の小銭入れはセンターを仕切る役割も担っていて、シルクの表地にハリのある裏張りがつけられています。小銭が増えて収納量が多くなっても型くずれの心配はありません。また、内側ファスナーが本体ファスナーの邪魔をすることなくスムーズに開閉がおこなえます。もし内側ファスナーを開けたままで本体ファスナーを閉めても、小銭が飛び出さない設計なので、安心して使えるでしょう。アザップロングは支払いが現金メインという方におすすめです。
3-2.コンパクト
アザップコンパクトは「キャッシュレス派だけど現金も携帯したい」といった、現金派とキャッシュレス派の折衷派におすすめのお財布です。コンパクトながら、二つ折り紙幣が8枚程度は入る容量と口開きの良さが人気の理由になっています。カード類が6枚入るポケットも高評価の理由といえるでしょう。二か所のフリーポケットに、カード類とレシート等が入れられるのも嬉しいポイント。思いがけない収納力が自慢です。
小銭入れは片側にマチがあるので見た目より容量があります。500円玉で、およそ10枚ほどが楽に収まるので日常使いに申し分ないといえるでしょう。また、小銭入れの底辺が本体に縫いつけられていない仕様になっているため、たくさんの小銭が入った状態でも取りだしがスムーズにおこなえます。アザップコンパクトは、現金派からキャッシュレス派へ移行中の方にもおすすめのお財布です。
4.アザップクラシックはメンズに人気?噂を解説
アザップ・クラシックはメンズからの人気が高いとされています。
ここからは、その噂の真相について解説してまいります。
4-1.落ち着いた上品なルックス
アザップ・クラシックは装飾がないため、シンプルなデザインにまとまっています。その分、レザーの品質が際立つので、革のパイオニアであるエルメスを選択する意味があるアイテムといえるでしょう。どのレザータイプを選んでも満足感があり、使うたびに気分が高揚するのはトップメゾンのアイテムを手にした人だけの密かな楽しみかもしれません。
エルメスアイテムの魅力として「品格」があげられます。静かな佇まいの中に凛とした存在感を放つアザップ・クラシックには、そこはかとなく落ち着いた品格が感じられます。ファスナー開閉で支払いできる機能性と収納量も申し分ありません。お財布は手元の所作が人に見られることが多く、スマートな対応によって好ましい印象を与えられます。そうした点を好む、あるいは求めている大人の男性が選ぶのにふさわしいお財布といえるでしょう。
4-2.手になじみやすい上質レザー
アザップ・クラシックは、表面と内側の両方がオールレザー仕様になっている点が特徴です。よく使われている素材に、トゴやエバーカラーといった雄仔牛レザーを自然な状態のまま採用しているものがあります。こうした型押し加工のないレザーには、手に取ったとき、もっちりと弾力のある柔らかさがあって心地よい触感が得られます。一方、雄仔牛レザーで型押し加工したヴォーエプソンであれば、軽やかなハリのある手触りが感じられるでしょう。さらにリセ仕上げ(艶出し加工)のクロコダイルなら、手に吸いつくような滑らかな質感が特徴的です。
いずれのレザーもエルメスならではの厳選した原皮に、卓越した職人たちによって、使う人の手になじみやすいように仕上げされています。こうした触感の好みは男性にこだわる方が多いようで、アザップ・クラシックが選ばれる一因となっています。
4-3.内ポケットに収まる薄型デザイン
アザップ・クラシックが男性から支持される理由として、スーツの内ポケットに収まりやすいことは大きいでしょう。アザップの引っかかりのないシンプルなデザインは、内ポケットからスムーズに出し入れできます。こうした内ポケットは女性の衣服には無いので、スーツを着る男性にとっては選択肢が限られてしまうのかもしれません。
また、薄型のフォルムがスーツのシルエットに影響しないのも選ばれている要因になっています。エルメス以外のハイブランドでも、ラウンドファスナー式の財布に男性の人気が高いのは、こうした背景を浮き彫りにしています。
5.エルメスらしさ満載!アザップ・シルクインを解説
「アザップといえばシルクイン」と言われるほど圧倒的な人気を誇る、アザップ・シルクイン。
ここでは、二つのエルメスらしさを楽しめるシルクインについて解説してまいります。
5-1.伝統柄はエルメスレガシーの賜物
馬具工房から始まったエルメスは、さまざまな危機を乗り越えながら、常にトップメゾンとしてファッション業界を牽引してきました。二度の大戦と大恐慌という危機的な状況から抜けだし、飛躍を遂げたのは一族を中心とした経営スタイルを貫いたからだとされています。なかでも革製品以外の分野は、エルメス一族の娘婿たちがいなければ成しえなかった偉業です。今ではメゾンを代表するアイテムとなったスカーフも、その代表的な存在といえるでしょう。
エルメスの3代目社長エミールの娘婿、ロベール・デュマが考案したスカーフは、大恐慌のあとに傾いた経営を立て直すのに大きな一手となりました。さらに、1978年に後を継いだ息子ジャン・ルイ・デュマが手綱をにぎると飛躍的な売り上げをたたき出すようになります。親子2代にわたる功績をあげながら本業の馬具制作に敬意をはらう姿勢は、スカーフに採用された伝統のモチーフからも伺い知れるのではないでしょうか。
アザップ・シルクインに使われているスカーフは、独自のシルクスクリーン技術によって表現されたものです。エルメスは毎年2回、スカーフの新作を発表しており、専門のカラリストによって新色を生みだしたり、各国の新進気鋭デザイナーを採用したりして常にブラッシュアップを図っています。そのパターン型の全てが保存されていて、人気のモチーフは復刻盤となることもあります。その積み重ねが、総じて柄の豊かさに繋がっているのです。
アザップ・シルクインにはスカーフ柄の一部を使っていて、柄の出方は採用されたスカーフ次第です。さらに、使う場所によって全く違う表情になるため、同じアザップは存在しないといっても過言ではありません。一期一会の出会いがアザップ・シルクインの最大の魅力になっています。
5-2.厳選シルクと日本との縁
エルメスのシルクは原料の絹を生みだす蚕の生産管理から徹底しています。その厳正な生産管理と納期を守れるのは世界で唯一、BRATAC社(ブラタク)のみとされていて、欧州各国の名だたるハイブランドに最高級の生糸を納めています。日本では京都西陣にも生糸を納めていて、呉服業界では知られた存在です。このブラタク社が日本人創業の会社というのは意外と知られていません。
ブラジルを拠点としたブラ拓製糸株式会社は1929年、ブラジル拓殖組合として誕生しました。当時の移民政策からブラジルに渡った日本人は多く、コーヒー豆の栽培といった農業はもちろんのこと、養蚕も盛んでした。祖国を離れても日本人らしい勤勉さと探究心が発揮された結果、現在も変わらず高い品質の生糸を生みだしているのです。
エルメスは現在も高い品質と生産量を誇るブラタク社から、使う生糸の90%以上を仕入れています。陰ながらエルメスを支えている事実に、エルメスと日本の深い結びつきを思わずにはいられません。
アザップ・シルクインには、その生糸を使ってツイル織りにした生地が採用されています。ツイル織りは別名、綾織といわれるものでエルメスのネクタイにも見られる織り方です。お財布に必要な耐久性と、ある程度の厚みをもたらすために採用されました。レザーより柔らかいので、使い始めからカード類の出し入れがスムーズにおこなえるといった布のメリットを活かしているのです。
5-3.柄と楽しむカラーコンビネーション
アザップ・シルクインのこだわりポイントの一つに、柄と内側ファスナーとの色合わせがあります。いずれもスカーフ柄の一色に、必ずファスナーの色味を合わせているので一体感のあるデザインになっています。たとえば柄にはエルメスのロゴ「H」デザインでオレンジ色をメインとしているときには、繋げるように同じオレンジカラーのファスナーを使っています。
本体レザーがゴールド(エルメスではブラウンに近いカラー)なので、馴染ませるような色使いで統一感をねらったといえるでしょう。または柄のポイントカラーを効かせるファスナー使いもあって、どれもぴったりとハマる色選びは心憎いばかりです。
柄とカラーの合わせ方の妙は本体レザーとのコンビネーションでも発揮されています。たとえば本体を落ち着いたネイビーにして、中の柄がショッキングピンクやイエローといった極彩色のパレード柄などは思いがけない組み合わせです。おそらく、作っている人も楽しいのでは?と作業現場を想像してほくそ笑んでしまいます。もちろんアザップ・シルクインを使う人が一番楽しいのですが、ついつい開けたくなる衝動に駆られるので散財にはご用心くださいね。
6.「エルメス」アザップのお手入れ法とは?
手でさわることが多いお財布は、どうしても汚れがつきやすいアイテムです。レザー素材を長持ちさせるためにも、簡単なセルフメンテナンスをおすすめします。
ここからは、アザップのお手入れ方法について解説してまいります。
6-1.レザーは専用クリームがおすすめ!
エルメスのレザー素材には、さまざまな加工がほどこされています。なかでも、お財布によく使われているヴォーエプソンは細かなシボを型押し加工で表現したものです。シボが浅いため、比較的なめらかな質感と傷つきにくさが特徴ですが、汚れが目立ちやすいのが唯一の欠点と言えるかもしれません。対策として、放置せずに早めに汚れを落としておくことをおすすめします。そのあと、レザーの栄養となる油分を塗布することで乾燥から革を守ります。特に繊細なエキゾチックレザーには、専用のクリームを使ったお手入れが艶が引きだせるのでおすすめです。
使いはじめに撥水スプレーを塗布するのもいいでしょう。とはいえ、毎日使うものなので効果が限定されるのは否めません。また、レザー専用クリームには汚れを落としてから使うタイプと、汚れ落としが同時にできる二つのタイプがあります。メンテナンス作業へのハードルを下げておくと継続できるので、後者のタイプをおすすめします。ファスナーの引き手がレザーの場合、この部分も忘れずにお手入れしておきましょう。
アザップは表面に装飾の金具類がないぶん、メンテナンスしやすいアイテムといえます。
6-2.正規サポートセンターの利用
長く使っていると汚れだけでなく、角のスレといった経年劣化は避けられない事態です。使い方によってはファスナーの破損などもあるでしょう。そうした専門的なメンテナンスが必要になった場合、エルメス正規店のメンテナンスサポーㇳが頼りになる存在です。
実はエルメスアイテムのすべてにおいて、正規サポートセンター以外でのリペアやメンテナンスをしてしまうと、エルメスの正規品とは見なされなくなります。これは二度と正規サポートを受けられなくなるだけでなく、中古市場での買取も拒否されることになるので注意が必要です。
近年、バッグや靴の修理店がチェーン展開していて気軽に利用しやすくなっています。お財布は消耗品として割り切って使う場合をのぞき、まずは正規サポートセンターの利用をおすすめします。
エルメス以外のハイブランドでも同様の扱いが多く、ブランド品のメンテナンスを検討している方は留意しておくといいでしょう。
7.「エルメス」アザップの気になる値段と入手法とは?
エルメスは2024年8月に日本で販売するアイテムについて値上げの発表をおこないました。2月に引き続き2度目となり、落胆するエルメスファンは少なくありません。
ここからは、アザップの値段と入手法について解説してまいります。
7-1.クラシックは中古市場でお得に入手!
オールレザーのアザップ・クラシックは、素材によって値段がかなり変動します。ヴォーエプソンでは50万円前後、エキゾチックレザーなら100万円を超える価格帯で推移しています。
金具類が無いアザップ・クラシックの特性として、レザーのメンテナンス次第で長く愛用できるのが最大の魅力です。そのせいか、中古品でありながら非常に状態の良いものが流通しています。正規店とほぼ同等であっても値段は控えめなので、積極的に中古市場を活用することをおすすめします。とはいえ、真贋の見極めが難しいエルメスは店選びに慎重になる必要があります。
オールレザーには、現在すでに廃盤となっているアザップ・コンバインというモデルがあります。手帳のような大きさになっていて、見開きいっぱいに開く両側スリットに通帳やパスポートが楽に収まります。エルメスは廃盤になっても人気のアイテムが存在するブランドですから、もし今回ご紹介したアザップでは収納に不安がある、という方は中古市場を中心に探してみてはいかがでしょうか。
アザップ・コンバインのサイズは、およそ縦約13㎝×横19.5㎝×厚み1.8cmです。札入れ×1、ファスナー式小銭入れ×1、カードスリット×10、フリーポケット×3の仕様となっています。
7-2.シルクインのおすすめは正規店購入
アザップ・シルクインは現在、ロングサイズのヴォーエプソンモデルが消費税込み236,500円の値段になっています。エルメスの中では、かなり控えめな価格帯になっていて、ファーストエルメスとしてもおすすめといえるでしょう。クラシックと同様に中古市場を利用してお得に入手したいところですが、内張りにシルク生地を使っている特性から汚れやすさを考慮すると、正規店での購入が無難です。布地についた汚れは落としにくく、メンテナンス費用もかさみます。また、お財布は「大切なお金の家」と考えた場合、最初から汚れが目立つものは避けるのがベターといえるでしょう。
とはいえ、エルメスの実店舗に好みのアザップ・シルクインがあるとは限りません。実物を見てから購入したい場合には、やはり中古市場を外すことができないのが現状です。そんな時は、濃い色のシルク柄をおすすめします。表面のレザーは好みのカラーにして、内側にはネイビーやブラウン基調のシルク柄を選べば汚れを気にすることなく使うことができるでしょう。実は、新品を購入するときにも「内側濃い目」がよく売れています。長く使うことを前提とするお財布なので、実際に購入する際の参考にしてみてください。
8.アザップはエルメスらしさを堪能できる逸品!
今回は、アザップについて解説してまいりました。エルメスならではのレザー素材とスカーフ柄を楽しめるお財布、アザップ。
アザップ・クラシックなら、引き算のデザインと機能美を同時に味わえます。
アザップ・シルクインなら、エルメス伝統のスカーフも手にしたような満足感が得られるでしょう。
シルクにまつわるエルメスと日本の深い結びつきに思いを馳せつつ、使うたびに目に飛び込んでくる美しいサプライズを堪能してみてください。