2024年7月25日
エルメスのジプシエールとは?ユニセックスで使える魅力を徹底解説
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品質の高さにこだわり、優れた職人技を感じられるエルメスのアイテムは、世界中の人々から愛され続けています。特にバッグの需要は高く、供給が追い付いていないため、入手困難な状況です。今回は、そんな需要の高いバッグの中から「ジプシエール」をご紹介します。
ジプシエールは、2008年に発表されたショルダーバッグで、高級な雄牛のレザー素材をふんだんに使用したアイテムです。バーキンを基にしたデザインは、洗練されたフォルムと実用的な機能性を兼ね備えており、発売当初はメンズ向けに発表されました。そのユニークなデザインやフォルムから人気に火がつき、現在では女性からの支持も多く、より小さなコンパクトサイズも登場しています。
本記事では、ユニセックスで使えるジプシエールの魅力を多角的に解説します。定価や使い勝手、素材の特徴、買取価格、さらにはアレンジ方法まで幅広くカバーしています。ジプシエールの特徴や魅力を知っていただき、あなたのファッションの幅が広がれば幸いです。
目次
1 ジプシエールとは
ジプシエールは、2008年の秋冬コレクションで発表されたショルダーバッグです。当時、エルメスのデザイナーを務めていたジャンポール・ゴルチエがデザインしました。エルメスのバッグはウィメンズ向けのアイテムが多い中、ジプシエールはメンズ向けのショルダーバッグとして発表され、注目を浴びました。
1-1 ショルダーバーキンやメンズバーキンとも呼ばれている
ジプシエールのデザインは、バーキンのフォルム、フロント金具やベルトを引き継いでいます。バーキンに似たフォルムで、ショルダーバッグであることから「ショルダーバーキン」とも呼ばれています。
また、メンズ向けのアイテムであったことから「メンズバーキン」と呼ばれることもあります。現在は、ウィメンズの身体にもフィットするように小さいサイズが展開されており、ユニセックスで使えるバッグとして高い人気を誇っています。
1-2 ジプシエールはショルダーバッグ
デザインがバーキンに似ていることから「メンズバーキン」とも呼ばれているジプシエールですが、バーキンとの違いはショルダーバッグである点です。ジプシエールにはハンドルが設置されておらず、ショルダーバッグとして使用します。ジプシエールミニ以外のサイズはショルダーストラップの取り外しが可能となっており、小さいサイズのジプシエールをクラッチバッグとして利用する人もいます。
また、ジプシエールのショルダーストラップは5段階で長さの調節が可能となっているため、多彩な持ち方を楽しめます。たとえば、短めに設定してワンショルダーバッグにしたり、背中に回してボディバッグにしたり、長めに設定して斜めがけバッグにすることもできます。ジプシエールミニのみ、ショルダーストラップの調節は送りカンのため、より細かく長さの調節が可能です。
1-3 高い収納力が魅力
ジプシエールはマチの幅が広く取ってあるため、高い収納力を備えています。もともとメンズ向けに発表されたアイテムであるため、多くの荷物を収納できるように設計されました。
最近ではミニバッグブームが到来しており、コンパクトサイズのバッグが好まれる傾向にあります。その点でジプシエールはコンパクトな見た目ながらも高い収納力を持っており、人気を高める一因となっています。
1-4 ジプシエールは廃盤になった?
結論から言うと、ジプシエールは廃盤になっていません。ジプシエールは比較的歴史の浅いアイテムですが、人気バッグの仲間入りを果たしており、エルメスの店舗で購入することが難しくなっています。このような入手困難な状況から、廃盤になってしまったのではないかという声が上がっています。
エルメスの公式オンラインショップでは、稀ですが、ジプシエールがアップされることがあり、現在も継続して販売されています。
1-5 ジプシエールの定価
エルメスは、2024年2月に価格改定をおこないました。エルメス製品全体の定価があがっており、ジプシエールの定価は100万円超えとなっています。
商品名 | 素材 | 定価 |
ジプシエールミニ | ヴォー・スイフト | 1,004,300円 |
ジプシエールミニ | エバーグレイン | 1,243,000円 |
ジプシエール28 | トリヨンクレマンス | 1,452,000円 |
1-6 ジプシエールは買えない?
ジプシエールの人気は年々高まっており、エルメスの店舗での購入が困難となっています。そのため、一部では廃盤という誤解も生まれているほどです。中古市場でも安定した需要があるため、今後はさらに買えない状況になると予想されます。
バーキンのフォルムを引き継いでいることが魅力のひとつであるジプシエールは、バーキンと同様にエルメスの高品質な素材を扱いながらも、バーキンより定価が比較的安価なことも魅力です。さらに人気が高まれば、今より定価が上がる可能性が高いため、購入を検討しているなら早めの行動が賢明かもしれません。
また、ジプシエールは比較的歴史の浅いバッグのため、人と被りにくいというメリットもあります。中古市場では、ジプシエールミニ以外は定価より安い価格で出品されている傾向にあるため、今が狙い目と言えるでしょう。
2 ジプシエールは使いにくい?使い勝手は?
ジプシエールの使い勝手は、個人の好みや使用方法によって異なり、メリットともデメリットとも捉えられます。たとえば、開閉する際にフラップを下ろして金具を通し、両サイドのベルトも金具に入れる仕様です。荷物の出し入れをする度にこの手順を踏むため、少し手間がかかると感じる人もいます。
しかし、この開閉方法はバーキンも同様です。多くのバーキン愛用者は、両サイドのベルトを使わずフラップのみを金具で留めたり、フラップをバッグの内側に折り込んで使用したりしています。ジプシエールでも同様の使い方が可能です。
また、この独特の開閉方法は、使用するうちに慣れていく人が多いようです。むしろ、この所作がエルメスバッグ所有者特有の気品ある動作として捉える人もいます。エルメス特有のデザインは、使いやすさだけでなく、その独特の魅力も持ち合わせているのです。
ジプシエールの大きなメリットは、充実した内部構造です。背面と前面に内ポケットが設置されており、背面ポケットは大小2サイズ、前面ポケットはファスナー付きです。これらのポケットにより、荷物を整理して収納でき、小物の取り出しも容易になります。
ただし、ジプシエールミニは前面のポケットのみの設置となっています。
3 ジプシエールのサイズ展開
ジプシエールのサイズ展開は5種類です。サイズ展開が幅広いため、使うシーンや荷物の量に合わせて選択できます。また、ジプシエールはユニセックスで使えるバッグのため、カップルでサイズ違いを持ち、お揃いながら個性を出して楽しめることも魅力です。
それぞれのサイズごとの容量やサイズ感について解説します。
3-1 ジプシエールミニ
ジプシエールミニのサイズは、縦17×横23×マチ5cmとコンパクトです。特に女性からの人気が高く、収納面を重視するよりファッションアクセサリーとして利用したい人や、最低限の荷物を持ち歩きたい人から支持を得ています。収納可能な荷物は、スマートフォンとICカード、キーケースほどとなっています。
3-2 ジプシエール28
ジプシエール28のサイズは、縦23×横28×マチ12cmです。コンパクトバッグと言えますが、ジプシエールミニよりマチが7cmも大きくなっているため、収納可能な荷物が増えます。よって、ファッションアクセサリーとしても活躍しながら、実用性が高いサイズ感となっています。
また、ジプシエールで一番人気のサイズとなっており、カラーや素材展開が豊富なのも特徴です。
3-3 ジプシエール31
ジプシエール31のサイズは、縦25×横31×マチ13cmです。ジプシエール28に次いで人気のサイズとなっています。日常的に必要とする荷物を収納できるため、ユニセックスで使える大きさであり、男性にも女性にも人気があります。
3-4 ジプシエール34
ジプシエール34のサイズは、縦28×横34×マチ15cmとなっており、その高い収納力が大きな魅力です。荷物は、スマートフォンやキーケースに加え、長財布や手帳、カードケースを収納しても少し余裕があります。容量が大きいため、荷物が多くなりがちな小さい子ども連れにも対応してくれます。
サイズ感については、小柄な日本人女性が持つと、少し大きなバッグの印象を与えます。一方で、高身長の男性が持つとしっくりくる大きさとなっており、男性からの需要が高くなってきます。
3-5 ジプシエール37
ジプシエール37のサイズは縦30×横37×マチ16cmとなっており、ジプシエールの中で最大の大きさです。よって、旅行やビジネスシーンでも活躍してくれます。かなり大きいサイズのため、主に男性向けの作りとなっています。
4 ジプシエールの素材
ジプシエールに使われている素材の種類はいくつかありますが、主にトリヨンクレマンスが用いられています。ここでは、ジプシエールミニに多く使用されている素材や、珍しいクロコダイルなどをご紹介します。
4-1 トリヨンクレマンス
トリヨンクレマンスは、ジプシエールに主に採用されている雄成牛のレザーです。エルメスのバッグに最も多く使用されている素材としても知られています。
特徴は、とても柔らかな手触り、程よいシボ(革の表面の凹凸)が感じられることです。また、経年変化を楽しめるのも魅力のひとつです。
4-2 トゴ
トゴは、トリヨンクレマンスに似ている雄仔牛のレザー素材です。トリヨンクレマンスよりシボがはっきりしており、革そのものの風合いを感じられます。こちらも経年変化を感じやすい魅力的な素材です。
4-3 ヴォー・スイフト
ヴォー・スイフトは、繊細で傷がつきやすい素材である反面、発色に優れているという特徴をもった雄牛のレザーです。発色に優れているため、鮮やかなカラーに多く用いられています。マットな質感で、色合いの経年変化を感じられます。
4-4 エヴァーカラー
エヴァーカラーは、主にジプシエールミニに採用されている雄仔牛のレザーです。2013年に登場した比較的新しい素材で、財布などの小物にも使用されています。やや硬めの手触りとマットな質感が特徴です。また、経年によるツヤを楽しめるのも人気の理由です。
4-5 エヴァーグレイン
エヴァーグレインも、主にジプシエールミニに採用されている雄仔牛のレザーです。シボをしっかり感じられ、柔らかい質感となっています。エヴァーカラーと同じく、ツヤ感があるのが特徴です。
4-6 クロコダイル
クロコダイルは非常に希少な素材として知られており、制作数は極端に少ないですが、ジプシエールにも採用されています。クロコダイルは、ワニの革素材です。クロコダイルの柄は独特で気品高いデザインのため人気が高く、価格も高価なことで知られています。
5 ジプシエールの人気カラー
ジプシエールは、カラーバリエーションが豊富なことも魅力です。人気カラーは、エルメスの定番色であるブラックやエトゥープ、ゴールドとなっています。加えて、小さいサイズは明るめの色、大きいサイズは落ち着いた色が人気の傾向です。
5-1 ブラック
エルメスのブラックは、ノワールとも呼ばれ、独特な深みを感じられるのが特徴です。バッグの定番色でもあるブラックは、不動の人気を誇っています。どんなファッションスタイルにも合わせやすいため、ジプシエールのすべてのサイズで高い需要があります。
5-2 エトゥープ
エトゥープもサイズを問わず人気のカラーです。独特な色合いが特徴で、ブラウンやベージュ、グレーが融合したカラーです。季節を選ばない色合いのため、高い人気を誇っています。
5-3 ゴールド
エルメスのゴールドは、深みのあるブラウンカラーです。エルメスの定番色となっており、ファーストエルメスとして選ぶ人も少なくありません。王道のカラーのため、外したくない人におすすめです。
5-4 オレンジ
オレンジはエルメスを象徴するカラーのため、人気があります。一言でオレンジと言っても素材によって印象が変わります。ファッションに彩りを与えてくれるビタミンカラーです。
5-5 ピンク系
ピンク系のカラーも人気があり、小さいサイズのジプシエールに採用されていることが多いです。ピンクの中でも名が知れているのは、明るめのピンクが特徴のローズアザレや、白色と合わせたモーヴヴェール・ナタなどがあります。
5-6 ブルー系
ジプシエールのブルー系は、明るい色からブラックに近い濃い色まで幅広く展開されています。明るい青色はブルーフリーダ、濃い青色はブルーニュイなどが人気です。
5-7 バイカラー
ジプシエールは単色だけでなく、バイカラーや3色使用したアイテムも販売されています。たとえば、ブラウンとパールグレー、エトゥープとゴールドを組み合わせたものなどがあり、多彩です。2色以上のアイテムは、それぞれのカラーの経年変化を楽しめるのも魅力です。
6 ジプシエールの刻印の場所はどこ?
ジプシエールの刻印は、正面の両サイドにあるベルトの片側の裏にあります。ただし、製造年によって刻印の場所が変わることがあります。よって、中古市場でジプシエールを購入する際は刻印を確認し、正規品を選択するように心がけましょう。
7 ジプシエールの買取価格と中古価格は?
ジプシエールの買取価格は、状態や傷、購入した時期などによって大きく左右されます。新品未使用品かつ購入して1ヶ月以内、状態が良いものであれば、高額での価格が期待できます。
買取価格を下げる原因は、購入後に使用履歴があったり、傷がついていたりする場合です。ただし購入から多少年数がたっている場合でも、状態が良く、人気色や素材であれば、定価のおよそ40%で買取してくれる可能性もあります。また、ボロボロな状態で買取してもらえそうにないと思っていても、エルメス商品であれば定価のおよそ5%で査定してもらえることもあるのです。
中古市場でも状態の良いジプシエールミニは、定価を上回った価格で出品されているものが見受けられました。また、ジプシエールの中で2番目に小さいサイズのジプシエール28も、定価に近い価格で取引されています。
一方で、ジプシエール34は定価を下回った価格で取引されており、大きいサイズより小さいサイズの方が高値で取引されている傾向にあることがわかります。二次流通において定価を上回る価格で取引されていることは、供給に対して需要の方が高まっている証拠です。ジプシエールは今後、コンパクトサイズを中心に中古販売価格が高まる可能性があると言えるでしょう。
8 おすすめのアレンジやコーディネートは?
ジプシエールの愛用者は、さまざまなアレンジを楽しんでいます。ここでは、ジプシエールのアレンジ方法をご紹介します。
はじめに紹介するアレンジは、エルメスのカレ(スカーフ)を使って、ハンドルを作る方法です。ショルダーストラップを取り付ける両サイドの金具部分に、ひも状にしたカレを巻きつけてハンドルのように仕立てます。このアレンジは、ハンドルがないのが特徴のジプシエールをカレでうまく表現しています。
また、異なる方法として、エルメスのスカーフをリボンのようにして、金具部分に取り付けたアレンジもあります。メンズ向けに発表されたジプシエールですが、リボンのようなアレンジを加えることでウィメンズアイテムのように早変わりします。さらに、ショルダーストラップを一番短くして、ストラップ全体にスカーフを巻いて、自分だけのジプシエールをつくることも可能です。
このようにジプシエールはアレンジしやすいバッグであり、個性を出しやすいのも魅力のひとつとなっています。
続いて、ジプシエールに合うおすすめのコーディネートについて解説します。ジプシエールのおすすめコーディネートは、多岐にわたります。なぜなら、ジプシエールは幅広いファッションスタイルに対応してくれるからです。
たとえば、Tシャツとジーンズのようなラフな服装であれば、斜めがけやボディバッグにすれば、カジュアルスタイルとなります。また、パーティのようなクラシカルな場面には、ワンショルダーバッグにして持つことで高級感をだせます。さらに、明るい色のジプシエールは差し色となり、定番色は季節を選ばず使用可能です。
ジプシエールは、自分だけのアレンジをしてみたり、持ち方を変えたりするだけで幅広いシーンで活躍してくれるバッグなのです。
9 ジプシエールはユニセックスで使える魅力的なバッグ
ジプシエールは、発売当初はメンズ向けのバッグとして登場しましたが、そのフォルムやデザインからウィメンズにも多くの支持を得て、コンパクトサイズも発表されました。ユニセックスで使えるこのショルダーバッグは、マチが広く収納力が高いことが特徴です。さらに、サイズ展開が豊富で、多彩なアレンジを楽しめるため、幅広いシーンに対応してくれるアイテムとなっています。
開閉する際はバーキンと同様にフラップを下ろして金具を留めて、両サイドのベルトを通します。この仕様は使いにくいという一部の声もありますが、エルメスのアイテムならではの開閉方法と言えます。手間がかかると心配の声が上がる一方で、エルメスブランドの羨望のまなざしを受けるしぐさでもあり、ジプシエールの魅力なのです。
ジプシエールは発表から比較的歴史が浅く、バーキンやケリーなどの人気レザーバッグより比較的安価なことも特徴です。今後さらに注目を浴びる可能性が高いため、購入を考えている方は早めの検討がおすすめです。本記事を通して、あなたにぴったりのジプシエールに出会えることを願っています。