2024年11月10日
エルメスのヴァンキャトル(24/24)とは?使い勝手や定価・香水にも注目!
エルメスは1837年、フランスのパリで馬具工房として創業されました。その高度な馬具製造技術と洗練されたレザーワークの伝統は、今日まで脈々と受け継がれ、数々の優美なラグジュアリーアイテムを生み出しています。
2018年秋冬コレクションにて、新作バッグとして登場したヴァンキャトルは、エルメスの最高級レザーを贅沢に使用したハンドバッグとして注目を集めています。その特徴的なデザインには、エルメスを代表するケリーバッグの金具が採用されているほか、ショルダーストラップを付け替えることで2wayでの使用が可能という実用性も備えています。
発売からわずか数年という短い期間にもかかわらず、ヴァンキャトルの人気は急速に高まり、一部のモデルでは中古市場での取引価格が定価を上回るという現象も見られるようになりました。このことからも、ヴァンキャトルが近い将来、エルメスを代表するアイコンバッグの一つとして成長していく可能性が強く感じられます。
また、ヴァンキャトルは香水の人気も高く、ヴァンキャトル フォーブルが販売されています。本記事では、今大注目のヴァンキャトルに加え、香水についても解説していきます。
目次
1.エルメスのヴァンキャトル(24/24)とは
フランス語で「24」を意味するヴァンキャトルは、エルメスの歴史と深い関わりを持つ名前です。この名称は、エルメスの本店があるパリのフォーブルサントーレ24番地に由来しており、製品名としても「24/24」と表記されています。
ヴァンキャトルという命名には、もう一つの意味が込められています。それは「24時間持ち運べるバッグ」という実用的な意味合いです。このコンセプトを体現するように、フォーマルなシーンからカジュアルな場面まで幅広く活用できる汎用性の高さを特徴としています。
2.ヴァンキャトル(24/24)の特徴と魅力7選
ヴァンキャトルは、エルメスの伝統を引き継ぐ、洗練されたハンドバッグです。ここでは、ヴァンキャトルの特徴と魅力を7つにわけて解説します。
2-1.①ケリーバッグの進化系アイテム
ヴァンキャトルは、ケリーバッグの進化系アイテムとして呼び声高いバッグです。なぜなら、ケリー金具が採用されているためです。ケリーバッグにはあるクロアは存在しませんが、フラップにハンドルが取り付けられていることや、ターンロック式の金具はケリーバッグを彷彿とさせます。
このように、ヴァンキャトルはケリーバッグの魅力を現代的に解釈しながら、エルメスの伝統を受け継いでいるバッグなのです。
2-2.②外側と内側にポケットを配置
ヴァンキャトルの収納スペースは、防犯性と実用性を考慮して設計されています。外側には手軽に荷物の出し入れができるオープンポケットを、内側には貴重品などの収納に適したファスナー付きポケットを配置しています。メインの収納部分は仕切りのないシンプルな構造となっており、自由度の高い収納が可能です。
このように、すぐに取り出したいものは外側のポケットへ、大切なものは内側のファスナー付きポケットへと、用途に応じた使い分けができる実用的なつくりとなっています。
2-3.③人と被りにくい
2018年の秋冬コレクションで発表されたヴァンキャトルは、エルメスの比較的新しいラインとして注目を集めています。バーキンやケリーといったロングセラーモデルと比べると、まだ流通量が限られていることから、希少性の高いバッグと言えるでしょう。そのため、エルメスならではの上質なレザーバッグを求めながらも、人とは被りにくいバッグを探している方には最適なアイテムとなっています。
2-4.④2wayで使用可能
ヴァンキャトルは、ワンハンドルのハンドバッグをベースとしながら、側面にはショルダーストラップ用の金具を備えています。このストラップを取り付けることで、手持ちだけでなく肩掛けスタイルでも使用できる実用的な2wayバッグに変化するのです。さらに、ショルダーストラップは長さを調節できる仕様となっており、着用する方の身長や体形に合わせてカスタマイズが可能です。
このように、シーンやスタイルに応じて持ち方を選べる柔軟性も、ヴァンキャトルならではの魅力となっています。
2-5.⑤カラーバリエーションが豊富
比較的新しいラインながら、ヴァンキャトルは豊富なカラーバリエーションを誇っています。エルメスの代表的なカラーであるブラック、エトゥープ、ゴールドはもちろんのこと、ライムやルージュ、ヴェールクリケットといった鮮やかな色調も展開されているのです。さらに、ブルーアンクル、ルージュグレナ、ディープブルーなどの落ち着いた色味も用意されており、幅広い好みに対応しています。
バッグ選びにおいて色味は重要な要素となるだけに、このように豊富なカラーバリエーションから選べることは嬉しいポイントです。
2-6.⑥底鋲がない
ケリーバッグが底鋲を備えているのに対し、ヴァンキャトルには底鋲が設けられていません。この設計上の違いにより、ケリーバッグの持つ凛とした印象とは異なり、より柔らかな雰囲気を醸し出しているのです。さらに、丸みを帯びたフォルムとの相乗効果で、エルメスらしい気品を保ちながらも、より親しみやすい印象を与えることも人気の理由となっています。
2-7.⑦幅広いシーンで活用可能
エルメスが選び抜いた高級レザーを使用したヴァンキャトルは、フォーマルな式典から学校の保護者会まで、幅広い場面で活用できます。また、底鋲を使用せず、丸みを帯びた柔らかな雰囲気を持つデザインは、Tシャツとジーンズといったカジュアルな装いにも自然と馴染みます。
さらに、ハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても使える2WAY仕様により、その日の装いやシーンに応じて持ち方を変えられるため、コーディネートの幅が広がることも利点です。
3.ヴァンキャトル(24/24)の使い勝手は?
ヴァンキャトルは、ターンロック式の金具をひねるだけでフラップを開閉できる仕様となっています。フラップを開けた内部にはファスナーなどの仕切りがないため、荷物の出し入れがスムーズです。
同じエルメスのケリーバッグには、クロアと呼ばれる留め具が備えられており、開閉時にはクロアをはめてから金具を留めるという二段階の操作が必要となります。クロアを使用しない方もいますが、ヴァンキャトルはクロアを省いたシンプルな構造になっており、より簡単に開閉できる点が特徴的です。
背面のポケットも実用性を高める要素の一つです。ICカードなど、頻繁に使用するアイテムを収納できるため、金具を開閉する手間が省けて便利なつくりとなっています。
また、ハンドバッグとショルダーバッグの2wayスタイルで使用できることで、さまざまなシーンで活躍することでしょう。さらに、柔軟性のある上質なレザーを採用しているため、コンパクトながら予想以上の収納力を実現しているのも、使い勝手の良さにつながっています。
4.ヴァンキャトルのサイズ展開
エルメスのヴァンキャトルには、3つのサイズが展開されています。2018年秋冬コレクションでは29cmと35cmの2つのモデルが登場し、その後2020年になって、新たに21cmのMINIサイズが加わりました。以下では、これら3つのサイズそれぞれの特徴と、収納できる荷物の目安などを解説します。
4-1.24/24 MINI (21cm)
出典:Hermès
横幅21×高さ15×マチ11cmのヴァンキャトル 24/24 MINIは、愛らしいコロンとしたフォルムが特徴です。折りたたみ財布やキーケース、ICカード、ハンカチなど、必要最低限の持ち物を収納できる大きさで、ちょっとしたお出かけや式典にぴったりのサイズとなっています。このコンパクトなサイズは、ハンドバッグとしてはもちろん、クラッチバッグのように小脇に抱えて持つスタイルも様になるでしょう。
また、ショルダーストラップの取り付け方も他のサイズとは異なり、MINIサイズのみストラップを金具に直接通す独特の仕様となっているのが特徴です。
4-2.24/24 (29cm)
ヴァンキャトル 24/24 29cmのサイズは、横幅29×高さ27×マチ14cmです。ほぼ正方形のフォルムと、余裕のあるマチ幅が特徴となっています。ミニサイズと比べて大きくなっているため、化粧ポーチやタブレットなども含めた日常的な荷物をゆとりを持って収納することができ、遠出やビジネスシーンでの活用にも適しています。
ショルダーストラップは背面に設置された専用の金具に取り付ける仕様で、使い勝手の良さも備えています。特にこの29cmサイズは、21cmのMINIサイズと並んで人気が高く、多彩なシーンで活躍できる万能さが多くの方から支持されています。
4-3.24/24 (35cm)
ヴァンキャトル 24/24の最大サイズである35cmは、横幅35×高さ27×マチ15cmという堂々とした大きさを誇ります。存在感のあるサイズながら、エルメスが誇る最高品質のレザーの風合いをより一層感じられるのが特徴です。A4サイズの書類はもちろん、短期旅行に必要な荷物まで余裕を持って収納できる大容量を備えており、多くの荷物を持ち運ぶ必要のある方に重宝されています。
5.ヴァンキャトル(24/24)の定価
エルメス製品は素材やカラーによって価格が異なるため、すべてのバッグの定価は公表されていません。ここでは2024年11月現在、確認できているヴァンキャトルの税込み価格を紹介します。2023年2月の価格改定後、24/24 MINIが1,419,000円、29cmモデルが1,551,000円、また35cmモデルのトゴ素材は2022年2月の価格改定後、1,265,000円に設定されています。
エルメスは2022年に2月と8月、2023年に1月、そして2024年に2月と8月、価格改定を行っています。2024年の改定では平均15〜20%という大幅な値上げとなり、世界的な注目を集めることとなりました。参考として、2022年2月の価格改定時には24/24 MINIが1,010,000円、29cmモデルが1,177,000円でしたので、この期間での価格上昇が顕著に表れています。
また、ヴァンキャトルのデザインの原型となったケリーバッグは、2024年11月現在、トゴ素材のケリー25内縫いが1,705,000円、ケリー28内縫いが1,804,000円となっています。このことからも、ヴァンキャトルはエルメスの象徴的存在であるケリーバッグと比較して、より親しみやすい価格設定となっているのが特徴的です。
5-1.ヴァンキャトルの中古価格
2024年11月現在、楽天市場の一部を参考に、取引されている中古価格を紹介します。
商品名 | 中古価格 |
ヴァンキャトルMINI エヴァーカラー 2022年製 ルージュグレナ | 1,238,000円 |
ヴァンキャトルMINI エヴァーカラー アリゲーターマット 2023年製 ライム | 1,842,300円 |
ヴァンキャトルMINI ヴォースイフト 2022年製 ゴールド | 1,764,000円 |
ヴァンキャトル29 トゴ 2020年製 ヴェールクリケット | 1,111,000円 |
ヴァンキャトル29 トゴ 2023年製 エトゥープ | 1,580,000円 |
ヴァンキャトル35 トゴ 2018年製 グリアスファルト | 884,000円 |
ヴァンキャトル35 トゴ 2019年製 グラック | 729,900円 |
特に、MINIサイズと29cmのモデルは定価を上回る取引も見られ、すでに入手困難な人気アイテムとなっていることがうかがえます。フラップにアリゲーターなどの希少な素材を使用したモデルは、通常の素材を使用したものと比べて、さらに高額となる傾向にあります。エルメスの実店舗や公式オンラインストアで手に入れることは難しくなっているため、すぐにでも入手したいと考えている方は中古市場を利用するのもおすすめです。
5-2.ヴァンキャトルの買取価格
ヴァンキャトルのトゴ素材の買取相場は、現在60〜70万円前後となっています。ただし、実際の買取価格はアイテムの状態や素材、カラー、金具の種類などの要因によって大きく変動する可能性があります。特徴的なのは、大きいサイズよりも小さいサイズの方が高値で取引される傾向にあることです。
買取を検討される際は、ブランド品専門の鑑定士が常駐する信頼できる店舗を選ぶことが重要です。また、複数の店舗で査定を受けることで、より有利な条件での売却が可能となるでしょう。最終的には、各店舗の査定額を比較検討した上で、最も高い買取価格を提示した店舗を選択することをおすすめします。
6.ヴァンキャトル(24/24)の素材
ヴァンキャトルは、バッグ全体に単一の素材を使用したモデルから、フラップ部分にワニ革やアリゲーターなどの希少皮革を組み合わせたモデルまで、さまざまなバリエーションが展開されています。それぞれのレザーは、同じカラーであっても素材特有の質感や風合いによって、異なる表情を見せるのが特徴です。ここでは、ヴァンキャトルに採用されている主要な素材と、その特徴について解説します。
6-1.ヴォースイフト
雄仔牛の革を使用したヴォースイフトは、2006年に登場した革素材です。表面は特殊な加工により革目が浅く仕上げられており、マットな質感を持ち合わせています。また、柔らかく、発色の良さを活かした豊富なカラーバリエーションが展開されているのが特徴です。
使い込むほどに独特の風合いが生まれ、経年変化を楽しめる素材となっています。
6-2.トゴ
エルメスを代表するレザーアイテムの素材として知られるトゴは、1997年の登場以来、ケリーやバーキンをはじめとする多くの商品に使用されています。雄仔牛の革から作られるこの素材は、細かい革目とほどよい柔らかさが特徴的です。使い込むことで味わい深い色合いの変化を楽しめることも、トゴの魅力となっています。
6-3.エヴァーカラー
雄仔牛の革を使用したエヴァーカラーは、2013年に登場した比較的新しい素材です。大きめの革目により傷が目立ちにくい特徴を持ち、バッグから財布などの小物まで幅広く使用されています。他の革素材と比べて型崩れしにくい性質があるため、日常的に多くの荷物を入れる方に適した素材です。
6-4.トリヨンクレマンス
雄成牛の革を使用したトリヨンクレマンスは、くったりとした柔らかい質感が特徴です。こちらの素材もエルメスの定番で、多くのレザーアイテムに採用されています。発色の良さを活かし、明るい色調の製品に用いられることでも知られています。
使えば使うほどに柔らかさが増していき、柔軟性があるのも魅力です。
6-5.ワニ革・アリゲーター
ヴァンキャトルには、フラップ部分にワニ革やアリゲーターを使用した特別なモデルが存在します。これらの希少な素材が持つ独特な革模様は、スタンダードモデルとは一線を画す存在感を演出しています。よって、人と被りたくない個性的なモデルを求める方におすすめです。
スタンダードモデルと比べて価格はおよそ2倍となっており、その希少価値を反映したものとなっています。
6-6.ヴァンキャトルの重さは?
本革を使用したヴァンキャトルには、素材ならではの重量感があります。トゴ素材を使用したMINIサイズの重量は、およそ600gです。
参考として、ケリーバッグ28はおよそ800g前後、ケリー35はおよそ1,000g前後となっています。なお、素材によって重さは変動しますが、レザー素材ならではの重量感があるのが特徴です。
7.ヴァンキャトルは香水(フォーブル)も人気
エルメスでは、バッグだけでなくヴァンキャトルの香水も販売されており、高い人気を誇っています。本記事では、2024年11月現在、エルメスの公式オンラインサイトで販売されている2種類のヴァンキャトル フォーブルについて解説します。
7-1.ヴァンキャトル フォーブル オードトワレ
ヴァンキャトル フォーブル オードトワレは、1995年に発表されており、モーリス・ルーセルによって5年の歳月をかけて調合された香水です。エルメスを代表する香水であり、ヴァンキャトルという名称はバッグ同様、エルメスが本店を構える番地に由来しています。テーマは、太陽に向かう旅へといざなうフレグランスであり、旅をテーマにしているエルメスブランドを象徴しています。
香水に使われている主な素材は、オレンジブロッサム、ジャスミン、バニラです。大人の落ち着きと高級感があり、外出時はもちろん、自宅でのリラックスタイムなど、さまざまな場面で楽しめます。
香りの変化を見ると、つけてから5~10分のトップノートでは白い花の爽やかさとエキゾチックなイランイランが漂い、30分から1時間のミドルノートではジャスミンとオレンジブロッサムのスウィートでフルーティな香りへと変化します。1時間以降のラストノートでは、スウィートな香りを基調としながら、バニラとグレーアンバーが織りなすウッディでミステリアスな香りが続きます。
ボトルには、エルメスを象徴するアイテムのひとつ、カレ(スカーフ)のデザインが取り入れられており、伝統を感じられます。価格は23,320円で、100mlとなっています。
7-2.ヴァンキャトル フォーブル オーデリカート
ヴァンキャトル フォーブル オーデリカートは、オードトワレをベースに、ラストノートをやや軽めにした香水です。この商品も1995年に発表されました。
エルメスの公式オンラインサイトでは、100mlで定価は20,130円となっています。こちらのボトルにもカレ(スカーフ)の柄が施されています。
8.エルメスのヴァンキャトルは人気急上昇中の注目バッグ
ヴァンキャトルは、2018年の秋冬コレクションで初登場したハンドバッグで、2020年にはMINIサイズも発表されました。ケリーバッグを彷彿とさせる金具やフラップの仕様は、古くから愛されてきたエルメスの伝統を感じさせます。底鋲を設置しないそのフォルムは、柔らかい印象を与え、クラシカルな場面に限らずカジュアル場面でも活躍するバッグです。
エルメスが選択する最高品質のレザー素材を使用したヴァンキャトルは、豊富なカラーバリエーションを展開し、フラップにはワニ革やアリゲーターを採用したモデルも登場しています。発売開始から数年しか経過していないヴァンキャトルですが、エルメスの店舗や公式オンラインサイトで見つけることは難しくなっており、一部のモデルでは中古価格が定価を上回るものもでてきています。
人気急上昇中のヴァンキャトルは、今後エルメスの代表的なアイコンバッグへと成長していく潜在性を秘めています。さらなる価値の向上が期待される今、このバッグに注目してみてはいかがでしょうか。