2024年1月09日
ルイ・ヴィトンの何がいいの?人気の秘密や理由を徹底解剖!
ブランド
ルイ・ヴィトンは、ファッションブランドとして多くの方々に知られていますが、創設者であるルイ・ヴィトンは、トランクケースの製造職人としてスタートをきりました。その後、1854年に世界初の旅行かばんアトリエ「ルイ・ヴィトン」を設立し、1878年には日本に初上陸し、東京と大阪に店舗を構えました。息子である2代目のジョルジュ・ヴィトンに「ルイ・ヴィトン」を託すと、ダミエやモノグラムのデザインを発表し、ラグジュアリー商品を展開するようになります。
そんなルイ・ヴィトンが誕生して150年以上の月日が経ちますが、現在でも人気は衰えることを知らず、コロナ禍の影響を受けることなく売上は右肩上がりを続けています。ルイ・ヴィトンが日本に上陸して以来、ずっと人気ブランドの先頭を走り続けている理由は何なのでしょうか。また、ルイ・ヴィトンを代表する、モノグラムやダミエのデザインを古くさいと感じる人が多少なりともいるようです。
この記事では、ルイ・ヴィトンは何がよくて長い間トップブランドとして君臨し続けているのか、日本の人々がルイ・ヴィトンのどこに惹かれるのか、理由を解説しています。また、最近ではルイ・ヴィトンを見なくなったという声や古くさいと言う声が多かれ少なかれ聞こえてくるのは、なぜなのでしょうか。時代背景と共に、ルイ・ヴィトンの人気は本当に落ちているのかを説明しており、ルイ・ヴィトンの何がいいのか、が分かるようになっています。
また、女性に人気のバッグと財布を紹介しており、なぜおすすめなのかや使い勝手、使用すると良いシーンなどについても紹介します。ルイ・ヴィトンには見慣れたモノグラムやダミエのデザインばかりのアイテムではなく、使用している生地やデザインにこだわった多種多様なアイテムがあるのです。最新の人気商品をご覧になり、新たなルイ・ヴィトンの魅力を知っていただければ幸いです。
目次
1.ルイ・ヴィトンの何がいいの?人気の理由とは?
ルイ・ヴィトンは、1854年に世界初の旅行かばんアトリエとして創立されたブランドで、150年以上の長い歴史があります。はじめはトランクケースを制作していましたが、技術の高さから世界に名をはせることとなり、ラグジュアリーアイテムを展開するなどして発展しながら、1878年に日本に初上陸しました。日本に初上陸してから現在まで、ルイ・ヴィトンの人気は衰えることなく、高級ブランドとして君臨し続けています。
長い間、ルイ・ヴィトンが日本人に愛され続ける理由は何なのでしょうか。また、何がよくて人はルイヴィトンに心惹かれるのでしょうか。ここからは、ルイ・ヴィトンの何がいいのか、5つにわけて具体的に解説していきます。
1-1.耐久性に優れている
ルイ・ヴィトン商品の魅力のひとつとして、耐久性に優れていることが挙げられるでしょう。ルイ・ヴィトン商品は、選ばれし職人によってひとつひとつ手づくりで制作されています。職人が在籍する工房は限られており、フランスにある16の工房を中心に、アメリカやポルトガル・スペインなど、世界24の自社工房のみで制作が許されているのです。
職人の技術を活かしてひとつひとつハンドメイドされるルイ・ヴィトン商品は、チャックの周りに二重ステッチが施されていたり、持ち手がしっかり縫い付けられていたりと、丁寧に制作されているため丈夫で長持ちします。また、縁取りをパイピングしていることも長く使える要因となっています。パイピングとは、革や布の端をテープ状にくるんで裁縫することを指し、布や革を二つ折りにした際に生じるつなぎ目を挟んでとめることで、ほつれないように工夫された手法のことです。
そのため、限られた工房で限られた職人によってのみ、ひとつひとつ丁寧に制作されたルイ・ヴィトン商品は、丁寧な扱いを心がければ少なくとも10年以上は使用できるとされています。優れた耐久性があるため、長く愛用できることが、ルイ・ヴィトン商品が良いとされる理由なのです。
また、ルイ・ヴィトンが現代のようにファッションブランドとして有名になる前は、旅行かばんアトリエとして設立されており、当初はトランクケースを販売していました。創業者であるルイ・ヴィトンは、トランクケースの利便性はもちろんのこと、仕様にもこだわりを持っていました。そのため、創業当初から丈夫で長持ちするアイテムを制作することを徹底していたルイ・ヴィトンには、逸話が残されています。
今から100年以上前の1912年に発生したタイタニック号沈没事故で、ルイ・ヴィトンのトランクケースが話題になりました。タイタニック号沈没により海に投げ出された乗客のうち、ルイ・ヴィトンのトランクケースにつかまっていた者は助かった、というエピソードが残っています。また事故後、トランクケースを開くと、海水が一滴も入っていなかったことも逸話となっています。
当時から、ルイ・ヴィトンが耐久性にこだわりを持っていたことがわかるでしょう。ルイ・ヴィトン商品は、選ばれし職人がひとつひとつ丁寧にハンドメイドするという伝統製法を現在でも引き継いでおり、ルイ・ヴィトンが愛され続ける理由となっているのです。
1-2.リペアサービスがある
ルイ・ヴィトンにはリペアサービスがあり、部分的に修理してもらえたり、パーツの取り替えをしてもらえたりするのをご存じでしょうか。購入したアイテムを長く愛用してもらえるよう用意されたサービスであり、一部を除いた店舗を訪れて、アフターセールスサービスを受けられるか相談できます。修理内容は多岐にわたり、バッグであれば、ビスの交換やハンドルの交換・ファスナーやファスナーを開閉するための引手(ファスナー金具)の交換などがあります。
修理を担当するのは、パリのアトリエと同じ技術をもった職人であり、部材はフランスから取り寄せられるため安心です。そのため、現在使用しているルイ・ヴィトン商品の一部が古くなったと感じている方や、昔のルイ・ヴィトンアイテムを持っている方も利用でき、購入したときと同じように愛用できるようになります。ルイ・ヴィトンはリペアサービスが用意されており、お気に入りのアイテムを手放すことなく使用し続けられることも魅力のひとつとなっているのです。
1-3.希少性が高い
ルイ・ヴィトンでは、アイテムごとに販売数量が決まっていることをご存じでしょうか。ルイ・ヴィトンでは、アイテムを販売する前に販売数量目標を定めており、目標数を達成すれば販売をやめてしまいます。また、ルイ・ヴィトンはセールしないことやアウトレットに流通させないことを販売戦略として掲げており、需要と供給のバランスを保っているのです。
販売数に限りを設けることで、すべてのアイテムが常に数量限定販売となるため、その時に販売開始されたアイテムはその時にしか購入できません。また、時期が経ってもセール品に移行されないことも含め、希少性を高めています。ルイ・ヴィトンのこうした販売戦略をブレることなく継続することで、ブランド価値を高めており、魅力を感じさせるポイントとなっているのです。
また、いくら人気のあるアイテムでもルイ・ヴィトンは再販しないため、中古品でも欲しい人が多く、価値が高まります。そのため、ルイ・ヴィトンの中古品には、リセールバリューが高いアイテムが多くあります。手放そうと決めたアイテムのリセールバリューが高ければ、想像以上の金額が手元に戻ってくるため、価値あるブランドだと感じるのでしょう。
1-4.ブランドネームで承認欲求を満たせる
ブランドネームで承認欲求を満たせることも、ルイ・ヴィトンに惹かれる要因となるでしょう。今や、ルイ・ヴィトンは名を知らない人はいないほど有名なブランドであるため、ルイヴィトンアイテムを身に着けているだけで、お金に余裕があることをアピールできます。ルイ・ヴィトンの代表的で知名度の高いデザインである、モノグラムやダミエを身に着けるだけで、ステータスを得られるというわけです。
ルイ・ヴィトンはハイブランドとして知られており、価格の高さから手を出せない人も多いでしょう。しかし、自分はお金に余裕があるからルイ・ヴィトンを身に着けられる、という高いブランドネームで、承認欲求を満たせるのです。誰もが知っているから身に着けてアピールしたいと思わせるところも、ルイ・ヴィトンの持つ魅力のひとつと言えるでしょう。
1-5.知名度が高い
ルイ・ヴィトンは知名度が高く、誰もが知っているブランドのため、安心感を持つ人もいるようです。おしゃれに自信がない人にとっては、昔ながらのデザインで親しみのあるものを身に着けることで、ダサいと思われにくいというメリットもあります。また、ルイヴィトン独特のモノグラムやダミエのデザインが好きという人にも安心感を与えます。
ルイ・ヴィトンの店舗数は世界で460店舗以上あり、パリには本店を含めて8店舗あります。日本には50店舗以上あり、そのうちの15店舗は東京に店舗を構えているため、本場パリより店舗数が多いのです。店舗数からも、日本人にとって、人気かつ有名なハイブランドであることが分かるでしょう。そのため、知名度の高いルイ・ヴィトン商品を身に着けていると安心する、という気持ちも頷けます。
2.日本人はなぜルイ・ヴィトンに惹かれる?
パリにあるルイ・ヴィトンの店舗数より、日本の東京にある店舗数の方が多いほど、日本人に大人気のハイブランドですが、ここまで日本人がルイ・ヴィトンに惹かれる理由はどこにあるのでしょうか。実は、歴史をさかのぼると、ルイ・ヴィトンと日本はデザインにおいて深い繋がりがあったのです。また、ルイ・ヴィトン独自の経営戦略が日本人の文化にぴったりはまり、売り上げを伸ばしています。
遠く離れたフランスの地で誕生したブランドに、なぜ日本人がこんなにも惹かれるのか、歴史をさかのぼって解説していきます。
2-1.独自の経営戦略
ルイ・ヴィトンは単体の企業ではなく、他業種複合企業体(コングロマリッド)であることをご存じでしょうか。他業種複合企業体(コングロマリッド)とは、お互いに関連性のない事業と合併したり買収を繰り返したりして、成長する企業のことを指します。ルイ・ヴィトンもコングロマリッドで、1987年にシャンパンメーカーとして知られているモエヘネシー(Moët Hennessy)と合併しており、現在は「LVMH」モエヘネシールイヴィトン(Moët Hennessy- Louis Vuitton)の傘下にはいっています。
LVMHの傘下に入っている有名ブランドはルイ・ヴィトンの他に、ファッション業界ではFENDI(フェンディ)やKENZO(ケンゾー)、時計やジュエリー業界ではBVLGARI(ブルガリ)などがあるのです。LVMHは高級品業界最大の企業であり、2023年の上半期売上高は6兆円超えを記録し、前年同期比の売上高は15.0%増となっており、コロナ禍の影響ももろともせず順調に売り上げを伸ばし続けています。また、日本も例外ではなく、前年同期比の売上高は21.4%増となっており、およそ4581億円の売り上げを上げているのです。
そんな巨額な売り上げを上げているLVMHですが、会長兼最高経営責任者のベルナール・アルノー氏による独自の経営戦略は、日本人にルイ・ヴィトンを魅了させるポイントとなっています。ルイ・ヴィトンが日本に初上陸したのは1878年で、上陸当初から大変な人気を得ていました。その後、1987年に合併してLVMHとなりますが、日本やアジアにはルイ・ヴィトン商品を制作するアトリエは設立していません。
高い技術を持ってルイ・ヴィトンの商品をひとつひとつハンドメイドする職人は、アジア圏にはおらず、フランスやアメリカ・スペインなどにしか在籍していないことになります。多くの人気を誇り、売上も高い日本であれば、日本にもアトリエを設立しようと考えるのではないでしょうか。しかし、ベルナール・アルノー氏は、日本やアジア圏にルイ・ヴィトンのアトリエを設立することはあってはならないと断言しています。
なぜなら、日本人は自分の国で制作されたアイテムには魅力を感じず、アジア圏ではないヨーロッパやフランスで制作されるアイテムだからこそ、魅力を感じると思っているからです。これこそが、ベルナール・アルノー氏が考えた独自の経営戦略です。日本は島国で日常的に他国との関わりが少ないことに着目した戦略は、日本人の考えにマッチしており、日本人が惹かれる高級ブランドとして、確立された大きな要因となっています。
ベルナール・アルノー氏は優れた経営者であるため、LVMHは今後も世界を代表するコングロマリットとして成長を続けることでしょう。また、LVMHの中でもルイ・ヴィトンは全社売上高の約4分の1、利益はほぼ半分を占めており、大きな役割を担っています。ルイ・ヴィトンがどれほど影響力のあるブランドか、ベルナール・アルノー氏の経営戦略がどれほど優れているかがわかるでしょう。
2-2.ルイ・ヴィトンのデザインは日本にルーツがある
一目見てルイ・ヴィトンだとすぐに分かるデザインと言えば、モノグラムとダミエが挙げられるでしょう。ルイ・ヴィトンを代表するモノグラムとダミエのデザインは、両方とも日本の影響を受けて完成されたのをご存じでしょうか。2つのデザインのルーツは、今から140年以上前の1878年にまでさかのぼります。
ルイ・ヴィトンのデザインが日本の影響を受けたのは、1878年にフランスのパリで開催された、万国博覧会がきっかけと言えるでしょう。世界にある5万社以上の企業が出展したと言われている万国博覧会のなかで、一躍注目を浴びたのは日本のブースであり、日本の伝統文化を象徴する盆栽や陶磁器・浮世絵などが話題になりました。日本の伝統文化は海外の人々にとっては新鮮で、世界的画家として有名なモネやゴッホにも影響を与えています。
当時のヨーロッパにはジャポニズムが広がり、ルイ・ヴィトンの2代目を引き継いだジョルジュ・ヴィトンも日本文化に興味を持った一人でした。父からルイ・ヴィトンを任された息子のジョルジュ・ヴィトンは、ルイ・ヴィトンの人気と比例して増加する偽造品に悩まされていました。そこで、独自のデザインで偽造品に対抗しようと考えたジョルジュ・ヴィトンは、ジャポニズムを受けて流行していた市松模様に着目したのです。
市松模様の起源は、江戸時代に活躍していた、歌舞伎役者の佐野川市松が舞台で着用していた袴の柄です。当時の市松模様は、白色と紺色の正方形を交互に配列したものでした。古い歴史があることから、市松模様が途絶えることなく続いてほしいという願望がこめられており、現代では事業拡大や子孫繁栄など、縁起の良い模様として愛されています。
ジャポニズムの影響を受けた、2代目のジョルジュ・ヴィトンは市松模様に着想を得て「トアル・ダミエ」を発表しました。トアル・ダミエのデザインを用いたトランクケースは、1889年に開催されたパリ万国博覧会で金賞を受賞しています。
その後も精力的に新商品の開発を続けたジョルジュ・ヴィトンは、1896年ついに「モノグラム」を発表。モノグラムのデザインは、LVの文字や花・四つ葉のクローバーがあしらわれており、星を丸で囲んだデザインは日本の家紋がルーツになっているのです。星を丸で囲んだデザインは、薩摩藩や島津家の家紋から考えられたデザインだと言われています。日本の影響を受けて作られたデザインは、日本人にとってどこか懐かしい感じがして親しみやすいのかもしれません。
3.ルイ・ヴィトンは人気がなくなった?噂される理由は4つ。
ジャポニズムの影響を受けてジョルジュ・ヴィトンが発案したモノグラムとダミエは、ルイ・ヴィトンを象徴するデザインとなっており、多くの人々が一目見ればわかるほど有名です。しかし、デザインが発表されたのはダミエが1888年、モノグラムが1896年であり、古い歴史があります。また、ルイ・ヴィトンが日本に初上陸したのは1978年であり、45年以上の月日が経っているため、現代では古くさいデザインだと考える人も多かれ少なかれいるようです。
ルイ・ヴィトンの人気がなくなったと噂される理由は、ダミエやモノグラムのデザインが古くさいと感じるためだけなのでしょうか。また、ダミエやモノグラムのデザインを街であまり見かけなくなった、と感じている人もいるようです。日本ではルイ・ヴィトンの人気が本当になくなってしまったのか、4つの理由から検証していきます。
3-1.価格の高騰
ルイ・ヴィトンを見かけなくなったという声の理由として、近年の原材料の価格高騰や長期化する円安・物価高による、販売価格の高騰が影響しているかもしれません。ルイ・ヴィトンは、2023年9月19日に今年4回目の値上げをおこなっており、値上げ率が3%を超えるアイテムもあるほどです。そのため、若い世代には手が出しにくいハイブランドとなっており、街で見かけなくなったと感じている人がいるのでしょう。
しかしながら、富裕層にとって、物価高やルイ・ヴィトン商品の価格の値上げはほとんどと言っていいほど影響を受けません。富裕層からの支持は厚く、人気が衰えていないことは、年々増加している売上高が証明しています。また、販売価格が高ければ高いほどステータスを得られる、と考えている富裕層や高級志向の人々を中心に、益々人気が高まっていくことでしょう。
3-2.デザインが古くさくてダサい?
ルイ・ヴィトンの人気がなくなったと感じる理由のひとつに、デザインが古くさくてダサいと感じる人もいるようです。ルイ・ヴィトンが日本に初上陸したのは45年以上前であり、見慣れていることから、ダミエやモノグラムのデザインのアイテムを現在でも持っている人を見て、あからさまなブランド感を前面に出したデザインは古くさいと感じるのでしょう。
また、ルイ・ヴィトンは多くのデザイナーとコラボ商品を発表しており、個性的なアイテムも取り扱っています。個性的なアイテムを自分のファッションとうまく組み合わせることができていない人を見て、ダサいと感じるパターンもあるようです。
3-3.街で見かけなくなった
ルイ・ヴィトンのアイテムはなにも、ダミエやモノグラムのデザインだけではありません。しかし、ルイ・ヴィトンのアイテムは、ダミエやモノグラムのデザインしかないと思っている人にとっては、街で見かけなくなったと感じる人もいるのでしょう。
近年では、ダミエやモノグラムのようなデザインを前面にアピールするようなアイテムだけでなく、麦の穂が風になびいて揺れているようなデザインの「エピ」やシックでシンプルなデザインの針葉樹林を意味する「タイガ」など、多くの種類を展開しています。また、デザインだけでなく素材も多くの種類があり、トリヨンレザーやデニムを使用したアイテムもあるのです。そのため、ルイ・ヴィトンのアイテムを持っていても気づかない人が多少いると考えられます。
3-4.偽造品や模造品の増加
ルイ・ヴィトン商品は世界中から需要があるため、多くの偽造品や模造品が後を絶ちません。素人目にも分かる模造品を身に着けている人を見て、ダサいと感じて、ブランド価値が下がってしまうと残念な気持ちになる人も多いようです。
そもそも、偽造品と模造品の言葉は似ていますが、意味は全く違います。偽造品とは、純正品に似せて設計されており、低品質の素材を使用して純正品と同じように制作することで購入者に本物と信じ込ませて利益を得るのが目的であり、ブランドに大きな負担をかける元となっています。一方で模造品は、購入者を騙すつもりはなく、ブランドのロゴなどを入れず似ている商品を制作しており、購入者も似ているアイテムと理解して購入している場合が多いと言えます。
したがって、ブランドイメージを下げるのは偽造品であり、ルイ・ヴィトン商品をプレゼントしてもらったと思っていた人が質屋を訪れて鑑定してもらった際に、偽造品だったということが起こりうるのです。また最近では、並行輸入品で工場直送のため、ルイ・ヴィトン商品を定価の50%以下で購入できる、などのうたい文句をインターネットで目にすることもあります。ルイ・ヴィトン商品は直営店のみの販売となっており、工場直送で商品を販売することはありません。
しかし、偽造品や模造品の区別がつかない人や、ルイ・ヴィトン商品は工場直送販売しないことを知らない人などは、誤って本物以外を購入する可能性があるのです。ブランド知識をあまり持っていない人が、ルイ・ヴィトンの偽造品や模造品を身に付けている人の姿を見て、ブランド知識のある人はルイ・ヴィトンの価値も落ちたと感じるのでしょう。そのため、ルイ・ヴィトンは人気がなくなったと感じてしまうのかもしれません。
4.ルイ・ヴィトンの人気のラインと素材
ルイ・ヴィトンの代表的なラインと言えば、モノグラムやダミエですが、他にも多くの素材とデザインがあります。ここでは、人気のラインと素材・特徴などを紹介します。バリエーション豊富なラインや特徴を知って、ルイ・ヴィトンの素材の何がいいのかを理解し、自分のお気に入りのラインを探してみてください。
4-1.モノグラム
モノグラムとは、1896年に2代目のジョルジュ・ヴィトンにより、日本の家紋からインスピレーションを受けて考案されたデザインで、ルイ・ヴィトンを代表するラインです。素材は「トアル地」と言って、丈夫な綿素材と合成樹脂をコーティング加工した素材で作られています。革素材で作られていると思っていた人もいるかもしれませんが、トアル地という特殊な生地で制作されているのです。
トアル地は革より丈夫という特徴があり、傷がつきにくいことや長持ちすることが挙げられます。ルイヴィトンの商品が耐久性に優れていると言われるのは、独自に開発されたトアル地が使われていることに理由があるのです。また、革製品よりこまめなお手入れをする必要がないことも、魅力のひとつと言えるでしょう。
4-2.ダミエ
ダミエとは、1888年に発表されたデザインで、モノグラムよりも前に考案されました。日本の市松模様から着想を得た模様であると言われており、ダミエもルイヴィトンを象徴するデザインとして知られています。実は、ダミエもモノグラムと同じ素材である、トアル地を採用しており、丈夫で長持ちするのが特徴です。
ダミエラインは広く展開されており、グレーと茶褐色の組み合わせであるオリジナルの色合いの他に、オフホワイトとブルーを配色して女性に支持を得ている「ダミエ・アズール」やブラックとグレーを配合してよりシックな印象を与える、男性に人気の「ダミエ・グラフィット」などがあります。モノグラムの登場により、一時期廃盤となったことのあるデザインですが、モノグラム100周年を受けて復刻し、人気が再燃しました。
4-3.エピ
エピとは、フランス語で「麦の穂」という意味があり、その名の通り麦の穂が揺れている状態を表したようなデザインとなっており、高級感を与えます。麦の穂が揺れる様を表すために、ひとつひとつ細かく型押しされており、光の当たり具合によって色彩の変化を楽しめることも魅力です。素材は、グレインレザーと呼ばれる本革を採用しており、長持ちするのが特徴です。
ルイ・ヴィトンを思わせるデザインを前面に押し出していないため、ブランド品であることをあまりアピールしたくないけど、ルイ・ヴィトンの商品が好き、という方にぴったりのラインでしょう。
4-4.アンプラント
アンプラントとは、フランス語で「刻印」という意味を持ち、その名の通り上質なカーフレザーにモノグラムが刻印(型押し)されているラインです。生地はカーフレザーを採用しており、やわらかい質感が特徴で、使うほどに艶が出てくるため、使えば使うほど変化を楽しめるラインとなっています。またデザインはモノグラムを採用しているものの、トアル地を使ったモノグラムのような派手さはなく、ブランドイメージが強く出ないため、モノグラムのデザインが好きだけどあまり目立ちたくないと感じる人におすすめです。
キメが細かくて滑らかな質感と、主張しすぎないデザインが特徴のアンプラントは、人気が高く、バッグや財布など幅広いアイテムに採用されています。また、リセールバリュー率の高いラインとなっており、価値は高まっています。
4-5.マヒナ
マヒナとは、ニュージーランドの先住民であるマリオ族の言葉で「月の女神」を意味します。2007年に発表されたマヒナの生地は、ソフトレザーを採用しており、ルイ・ヴィトンではじめて使用されたため、注目を集めました。デザインは、モノグラムをモチーフに、パーフォレーションという一定間隔の穴を空けるパンチングが施されているのが特徴となっています。
また、ソフトレザーは手触りがなめらかで心地よく、軽いため女性向けのアイテムが多数販売されています。派手ではなく落ち着いた見た目は、シックなデザインを好む人にぴったりでしょう。落ち着いたやわらかい雰囲気のあるマヒナは、人気のラインとなっています。
4-6.クッサン
クッサンとは、フランス語で「クッション」という意味があり、ふっくらした触り心地が特徴のラインです。生地は、ラムレザーを使用しており、モノグラムを型押ししたデザインとなっています。ハンドバッグを中心に販売されており、パステルカラーも発表されています。クッサンのハンドバッグは、肩掛けバッグとしても使用できる利便性も魅力のひとつでしょう。
4-7.ヴェルニ
ヴェルニとは、フランス語で「エナメル」を意味し、光沢がありゴージャスなイメージを与えるエナメルを施したカーフスキンに、モノグラムを型押ししたラインです。ヴェルニが発表されたのは1998年で、歴史は比較的浅いと言えますが、発売当初は爆発的な人気となりました。当時、アーティスティックディレクターに就任していたデザイナーのマーク・ジェイコブスが、自身のデビューコレクションとして発表したラインです。
斬新で目を引くヴェルニラインは、明るいカラーからブラックのようなシックなカラーも展開されており、バリエーションが豊富なのも特徴です。また、エナメル加工してあるため耐水性に優れており、傷がつきにくいことも魅力のひとつと言えるでしょう。
4-8.タイガ
タイガとは、ロシア語で「針葉樹の森林地帯」を意味したデザインです。素材はカーフレザーが使われており、スタイリッシュなデザインと相まって高級感を与えます。また、素材が高級なため、長持ちするのも特徴です。
カーフレザーは使えば使うほど味が出てくる素材のため、経年変化を楽しめます。1993年にメンズラインとして発表されており、発売当初に購入したアイテムを自分の息子に引き継ぎ、うまくリペアサービスを利用しながら長く愛用している人もいるほどです。世代を超えても、受け入れられるデザインが人気の理由となっています。
5.女性に人気の長く使えるバッグ8選
ここからは、女性に人気の長く使えるバッグを8選紹介します。人気のため、どのアイテムもリセールバリュー率が高く、価値あるバッグです。お好みのアイテムを探してみてください。
5-1.スピーディ・バンドリエール30(モノグラム)
スピーディ・バンドリエール30(モノグラム)は、サイズが幅30×高さ21×マチ17cmのバッグです。スピーディは、可愛らしいフォルムが特徴で、100年以上前から愛されているアイテムです。また、サイズは30cmのほかに、20cm・25cm・35cm・40cmがあり、サイズ展開が豊富なことも人気の理由となっています。
バンドリエールはショルダーストラップが付いており、斜めがけで使用できるため、両手がふさがらなくて便利です。収納力が高いのも魅力的で、普段使いから1泊2日のような短期旅行にぴったりでしょう。また、モノグラムのスピーディは定番中の定番のため、人気が高い傾向にあります。2023年12月現在の定価は、280,500円となっています。
5-2.ネヴァーフル PM(モノグラム)
ネヴァーフル PM(モノグラム)は、サイズが幅29×高さ21×マチ12cmのトートバッグです。ネヴァーフルは、持ち手が大きいため肩掛けができることや、口が広く作られているため収納しやすく、使い勝手が良いのが魅力でしょう。ネヴァーフルは、定番デザインのモノグラムが印象的ですが、ダミエやダミエ・アズール、アンプラントラインも展開されています。
内装は、ストライプを施したえんじ色やピンク色とさまざまあって可愛らしく、付属品としてポーチが付いています。ポーチはバッグインバッグとして小物入れに使用したり、ポーチ単体としても使ったりできるため、お得感があります。また、バッグの横には容量によって大きさを調整できるサイドレースがあることも、人気の理由でしょう。2023年12月現在の定価は、250,800円となっています。
5-3.ミュルティ・ポシェット・アクセソワール(モノグラム)
ミュルティ・ポシェット・アクセソワール(モノグラム)は、「ポシェット・アクセソワール」と「ミニ・ポシェット・アクセソワール」を組み合わせたバッグです。サイズは、それぞれ幅23.5×高さ13.5×マチ4cm、幅19.5×高さ9×マチ2cmとなっています。また、丸型のファスナーコインパースも付いており、3点すべて取り外し可能なアイテムです。
付属品として、ゴールドカラーのチェーンと、「Louis Vuitton」の文字が織り込まれたジャカード生地の調整可能なストラップがあります。ストラップやチェーンを変えたり、ポシェットをひとつで使用したりと、多彩な楽しみ方ができるアイテムです。2023年12月現在の定価は、378,400円となっています。
5-4.ネオノエ(ダミエ)
ネオノエ(ダミエ)は、サイズが幅26×高さ26×マチ17.5cmで、巾着型のフォルムが特徴のおしゃれなバッグです。元は、シャンパンボトルを入れるために制作されました。内装が特徴的で、中央にファスナー付きのポケットがあり、仕切りとなるため、使い勝手の良いアイテムです。
ネオノエは人気商品のため、ダミエのほかにアンプラントやエピ・モノグラムラインが展開されています。また、ダミエのなかでもヌメ革のカラー選択ができ、サフランとヴィーナスがあります。さらに、ストラップは長さの調節が可能なため、肩掛けや斜めがけできるのも魅力的でしょう。2023年12月現在の定価は、299,200円となっています。
5-5.スピーディ・バンドリエール25(アンプラント)
スピーディ・バンドリエール25(アンプラント)は、サイズが幅25×高さ19×マチ15cmのルイ・ヴィトンのアイコンバッグです。アンプラントは、トゥルトレールとノワールの2色展開となっており、どちらも高級感があるため、フォーマルシーンにおすすめのアイテムとなっています。
また、バンドリエールは斜めがけバッグとして使用可能となっており、ショルダーストラップの変更もできます。ショルダーストラップは別売りで販売されており、ヌメ革だけでなく、「Louis Vuitton」の文字が大きく織り込まれたタイプもあります。普段はフォーマルシーンで使用しているけど、普段使いする際はショルダーストラップを変えるなどして、おしゃれを楽しめるアイテムです。
2015年には、ナノ・スピーディというさらに小さいサイズも発表されており、スピーディの人気は衰えることを知りません。2023年12月現在の定価は、387,200円となっています。
5-6.アルマ BB(エピ)
アルマ BB(エピ)は、サイズが幅23.5×高さ17.5×マチ11.5cmで、フランスのアルマ橋をイメージしたアーチが特徴のバッグです。アルマは、1934年に発表されたメゾンのバッグが元となっており、歴史あるアイテムです。またBBは、フランス語で「赤ちゃん」という意味の「bebe」に由来しています。
付属品には、可愛らしいパドロックと調整可能なショルダーストラップがあり、斜めがけできるのが最大の魅力です。2wayで楽しむことができ、ハンドタイプで使用するときはフォーマル感、ショルダーストラップを使用するときはカジュアル感を味わえるアイテムとなっています。
エピは、メゾンを象徴するエピ・レザーを採用しており、高級感を味わえます。エピの他にも、モノグラムやダミエラインも展開されており、幅広いニーズに対応しています。2023年12月現在の定価は、280,500円です。
5-7.モンスリ NM PM
モンスリ NM PMは、サイズが幅27.5×高さ33×マチ14cmのバックパック(リュックサック)です。収納性と利便性の高さから、根強い人気のあるアイテムとなっています。マグネットバックルのため開閉しやすく、ショルダーストラップも調整可能なため、長さを変えておしゃれを楽しめます。
ラインは、モノグラム・キャンバスの他に、モノグラム・アンプラントなどがあり、同じモンスリでもラインによってイメージがガラリと変わるのも魅力的です。2023年12月現在の定価は、394,900円となっています。
5-8.ネヴァーフル MM(アンプラント)
ネヴァーフル MM(アンプラント)は、サイズが幅31×高さ28×マチ14cmのトートバッグです。ネヴァーフルのサイズは、PM・MM・GMの3種類があり、ネヴァーフルMMは真ん中のサイズとなっています。また、アンプラントのカラーバリエーションは、トゥルトレールとノワール・クレームの3色があります。
ネヴァーフルは、高い収納力を備えながらも、サイドレールを締めればスリムなシェイプとなり違った印象を与えてくれます。根強い人気を誇っている、ネヴァーフル MM(アンプラント)の2023年12月現在の定価は、370,700円です。
6.女性に人気の長く使える財布5選
ここからは、女性に人気の長く使える財布を5選紹介します。長財布や折りたためるタイプを選出したため、使用用途によって使い分けて楽しむのもおすすめです。
6-1.ジッピー・ウォレット(ダミエ・アズール)
ジッピー・ウォレット(ダミエ・アズール)は、サイズが幅19.5×高さ10.5×マチ2.5cmで、クラッチバッグとしても使える長財布です。ラウンドファスナーで、カード用ポケットが12ヶ所と内フラットポケットが2ヶ所あるため収納力に優れており、使い勝手の良いアイテムとなっています。ルイ・ヴィトンの定番アイテムで人気のため、リセールバリューも高い傾向にあります。
ラインもさまざまで、モノグラムはもちろんのこと、マヒナやエピ・アンプラントも販売されている長財布です。ダミエ・アズールの中でも、ベージュとローズ・バレリーヌが展開されており、ラウンドファスナー部分のカラーが違います。2023年12月現在の定価は、112,200円となっています。
6-2.ポルトフォイユ・クレマンス(モノグラム)
ポルトフォイユ・クレマンス(モノグラム)は、サイズが幅20×高さ9×マチ2cmの長財布で、ジッピーウォレットよりサイズが小さく、スマートなイメージのアイテムです。2014年に登場した比較的新しい長財布ですが、人気の高い商品となっています。持ち手がレザーで開閉しやすいのが大きな特徴で、人と被りたくない人や個性を出したい人におすすめです。
収納も豊富で、クレジットカード用ポケットが8ヶ所とファスナー式のコインケースが付いています。スリムな財布が好みだけど、お札は折りたくないという人にぴったりでしょう。2023年12月現在の定価は、82,500円となっています。
6-3.ポルトフォイユ・クレア(マヒナ)
ポルトフォイユ・クレア(マヒナ)は、サイズが幅11×高さ8.5×マチ3.5cmのコンパクトサイズの財布です。容量のあるコインケースが特徴で、仕切りがあるため小銭が見えやすいことが魅力となっています。また、コンパクトウォレットですが、背面にはお札を折りたたまずに収納できるコンパートメントを備えているのも特徴です。
ポルトフォイユ・クレアは、レザー仕様の展開しかなく、マヒナラインとアンプラントラインのみ販売されています。シックで高級感があり、コンパクトサイズの財布を探している方におすすめです。2023年12月現在の定価は、127,600円となっています。
6-4.ポルトフォイユ・ヴィクトリーヌ(モノグラム・リバース)
ポルトフォイユ・ヴィクトリーヌ(モノグラム・リバース)は、サイズが幅12×高さ9.5×マチ1.5cmのコンパクトな三つ折り財布です。コンパクトサイズですが、札入れが付いているため、お札を折らなくてもよいというメリットがあります。カード用ポケットも6ヶ所付いているため、使い勝手は申し分ないでしょう。
モノグラム・リバースは、財布のかぶせ部分と本体のカラーが違うのが最大の特徴です。モノグラム・リバース以外に展開されているラインは、ダミエ・アズールやモノグラム・アンプラント、ダミエ・エベヌなどがありますが、財布のかぶせ部分と本体は同じカラーとなっています。2023年12月現在の定価は、86,900円です。
6-5.ポルトフォイユ・サラ(アンプラント)
ポルトフォイユ・サラ(アンプラント)は、サイズが幅19×高さ10.5×マチ2cmのかぶせ付き長財布です。魅力は収納力で、ファスナー式コインポケットや内フラットポケットのほか、カード用ポケットが16ヶ所もあります。昔から人気があるため、長く使用できるアイテムとなっています。2023年12月現在の定価は、119,900円です。
7.ルイ・ヴィトンは時代に合わせて進化を続けるブランド
ルイ・ヴィトンが1978年に日本初上陸を果たしてから40年以上経ちますが、人気はとどまることを知らず、高級ブランドのトップを走り続けています。ルイ・ヴィトンはなぜこんなにも人気があるのか、何がいいのかを解説しました。ルイ・ヴィトン商品は耐久性に優れているため長い間愛用でき、リペアサービスも用意されています。
ひとつひとつのアイテムを職人によって、ハンドメイドする制作方法を創業当初から変えていないことも、大きな魅力のひとつでしょう。また、日本人がルイ・ヴィトンに惹かれる理由として、LVMHのCEOであるベルナール・アルノー氏の経営戦略や伝統文化がありました。
ルイ・ヴィトンは偽造品や価格高騰と戦いながらも、さまざまなラインや素材を開発し、新商品を発表し続けています。新商品は魅力的であり、旧商品は再販されないため希少価値が上がります。ルイ・ヴィトンは独自の経営戦略を駆使しながら、時代に合わせて進化を続けることで、これからも長く愛されるブランドとしてトップに居続けることでしょう。