2023年7月14日
【手の届くラグジュアリー】タグ・ホイヤーとは?歴史や魅力を徹底解説
時計
タグ・ホイヤーはロレックスやオメガほどの知名度はないものの、スポーツ界を中心にコラボモデルが知られていたり、クロノグラフムーブメントの開発など技術力の高さに定評のあるブランドです。高級カーメーカーとのコラボレーションやトゥールビヨンの開発などに展開を広げつつ、手の届くラグジュアリーをコンセプトに手頃に高級時計を楽しむことができる世界観を持っています。この記事ではタグ・ホイヤーの歴史、魅力、代表シリーズや人気モデルについてまとめます。
目次
1.タグ・ホイヤーが世界から愛される理由。3つの魅力。
その①:お手頃価格で本格スポーツラグジュアリーが楽しめる
タグ・ホイヤーは「手の届くラグジュアリー」をコンセプトにしており、高級時計ブランドとしては比較的安い値段で価格設定がされております。タグ・ホイヤーといえば高級ブランドではあるものの、決して手の届かないものではないというイメージをもたれているのも、価格設定によるものです。
しかし価格が安いから品質が悪いということは決してなく、自社製ムーブメントの開発やセラミックなどの先進的な素材を取り入れるなど他の高級ブランドと遜色ない開発を行っています。トゥールビヨン搭載モデルは定価で200万程度(中古市場だと100万程度)なのも驚きです。
これはタグ・ホイヤーが所属しているLVMHグループが比較的ラグジュアリーアイテムのブランドが多く高額なアイテムが多いので、住み分けをするにあたっての価格設定によると言われています。品質の差ではなく、市場にある程度行き渡らせたいという意向による価格設定となっており、ユーザーとしては有り難いものです。
その②:スポーツとの関わりが強く、コラボモデルが多く開発される
タグ・ホイヤーの時計をもつ魅力の一つがスポーツ界との関わりが強く、コラボモデルが多く楽しめることです。1971年にフェラーリのスポンサーとなったことが始まりで、1000分の1秒の計時システムを開発するなど様々な点でバックアップを行いました。
同年に公開された映画「栄光のル・マン」では主演のスティーブ・マックィーンがモナコを右腕に着けて大ヒットし、モータースポーツにおける地位を確立しています。80年代〜90年代のF1ブームではアイルトン・セナとのアンバサダー契約を行い、両者はレジェンドとして語り継がれています。
現在ではクリスティアーノ・ロナウド、錦織圭などスポーツ選手を中心にアンバサダー契約を行っています。またポルシェとのパートナーシップによる新作が次々と開発され、モータースポーツと高級車ブランドとの世界観の共有が楽しめる逸品となっています。
その③:新しいクロノグラフムーブメントの開発など、技術力に定評がある
タグ・ホイヤーはリーズナブルな価格設定にも関わらず新しい技術開発へも積極的です。2011年に発表されたホイヤー カレラ マイクログラフ 1/100th クロノグラフは世界初となる100分の1秒までが計測可能なクロノグラフとして注目を浴びました。
元々ホイヤー時代に振動ピニオンや懐中時計でのマイクログラフの開発などクロノグラフの開発に注力していたこともあり、技術力に定評があるブランドとして知られています。トップクラスの技術が必要なトゥールビヨンを200万クラスで手に入れることができるのも、そうした技術力の賜物といえます。
2.スイスで生まれてからLVMHグループへ。タグ・ホイヤーの歴史
2-1.1860年にエドワード・ホイヤーによって創業
1860年スイスサンティミエにエドワード・ホイヤーによって創業したのが始まりです。当時20歳の若さで、ストップウォッチやクロノグラフの開発に尽力していました。1869年にはスイスベルンに移転、同年に懐中時計用鍵なしリューズ巻き上げ機構を開発し、ホイヤーとしては初めての特許を取得しました。
1887年クロノグラフの主要部品になる振動ピニオンを開発し特許取得。クロノグラフのスタート/ストップの動力の橋渡しとなる部品で、プッシュボタンを使うクロノグラフに不可欠な部品となりました。現在でも使用される機構で、時計業界の進歩に大きく寄与した技術です。
2-2.1916年精密に計測可能なマイクログラフの開発によってスポーツ界に進出
1911年自動車や飛行機といった移動手段が進歩する中で、ダッシュボードにつけられる時計の開発を進めました。進歩していく業界へのアイテムを開発を行う先見の明があったことがホイヤーをここまで成長させた理由の一つでしょう。
1916年に100分の1秒を計測可能なストップウォッチ「マイクログラフ」を開発しました。クロノグラフメーカーとして知名度を上げる中、1920年〜28年にはアントワープ・パリ・アムステルダムの3連続でオリンピックの大会公式時計に選ばれます。この頃からアルペンスキーやモータースポーツの公式時計を務めるようになり、高精度の時計メーカーとしての地位を築いていきます。
1933年ダッシュボード向けにオータヴィアを開発。後に腕時計化し人気となるシリーズです。1949年には潮の干潮・満潮時刻を表示するソルナールを開発。
1958年創業者の4代目となるジャック・ホイヤーがCEOに就任。ダッシュボード向けにつくられたオータヴィアをクロノグラフ搭載腕時計として発表。ホイヤーによるクロノグラフモデルとしては初めてでした。1963年カーレースにインスピレーションを得て開発されたクロノグラフシリーズとしてカレラを発表。
2-3.1999年LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)がタグホイヤーを買収
1969年ホイヤー社をリーダーとし、ブライトリング・ハミルトン-ビューレン・デュボアデプラの4社共同開発として自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー11」を開発。これを角型モデル「モナコ」、「オータヴィア」、「カレラ」に搭載し発表しました。
しかし同年のクオーツショックによる売上不振が続き、1982年にピアジェの傘下に加わりました。このとき4代目のジャック・ホイヤーは経営を外れ、ホイヤー一族による経営は幕を閉じました。1985年にはピアジェから離れたところ、タグ・グループからの資金援助によりタグ・ホイヤーに社名を変更しています。
その後アイルトン・セナとのパートナーシップやs/elシリーズのヒットなどにより苦難を乗り越え、1999年にLVMH傘下となっています。ウブロの再建などの伝説をもつジャン・クロード・ビバーがCEOとなった2014年からは手の届くラグジュアリーをコンセプトとし、価格以上の価値のある新作を次々と生み出しています。
2022年現在ではフォーミュラ1、アクアレーサーの新作を筆頭にポルシェとのコラボレーションやレッドブル、マリオカートとのコラボレーションなど幅広く展開しています。フォーミュラ1は特に力を入れており、赤・緑・黃のラバーストラップを着けたリーズナブルなモデルも発表しています。
カレラは盤石なスポーツラグジュアリー、フォーミュラ1はコラボモデルのベースとなり最も振り幅の大きいシリーズとして、アクアレーサーはカジュアル寄りのスポーツラグジュアリーと役割がハッキリしたのも今年の特徴です。
また、2023年11月には2024年の辰年を祝う形としてピンクゴールドモデル、SSモデルの2つの素材で展開されている限定モデル『カレラ クロノグラフ イヤー オブ ザ ドラゴン』が登場。中国文化で特別な立ち位置を持つ龍からインスピレーションを受けたこのモデルからは、シンプルかつタグホイヤーならではの力強さが感じられます。ゴールドモデルは世界50本限定の希少なモデルです。
3.タグ・ホイヤーを支える7つの代表モデル
3-1.カレラ
カレラはタグ・ホイヤーを象徴するクロノグラフシリーズです。カレラ=スペイン語でレースを意味しており、1950〜54年にメキシコで開催されていたレース「カレラ・パン アメリカーナ・メキシコ」が由来となっています。
1964年発表当時はクラシカルなデザインのクロノグラフモデルとして誕生し、1999年に復刻した際もオリジナルに忠実なデザインでした。カレラ誕生40周年として誕生したタキメーターを備えたレーシーでモダンなデザインがヒットしたことで、カレラ=スポーティーなクロノグラフシリーズとして認知されるようになりました。
一口にカレラといっても大きく分けて3つに分かれており、3針のシンプルなキャリバー5搭載モデル、クロノグラフのキャリバー16搭載モデル、自社製ムーブメントのホイヤー02を搭載したモデルに分かれています。また、ツーカウンタークロノやトゥールビヨン搭載モデルなど、タグ・ホイヤーの中でも数々のモデルが排出されています。
3-2.アクアレーサー
アクアレーサーはタグホイヤー唯一のダイバーズウォッチシリーズです。アクアレーサーの初登場は2000年代からですが、タグホイヤーのダイバーズウォッチの歴史は古く、1895年に懐中時計用の防水ケースの特許を取得したことに始まります。1969年には世界初の角型防水時計としてモナコが発表されています。
1979年に200m防水を備えた1000シリーズを発表。以降、防水性に軸を置き逆回転ベゼルや針・インデックスへの夜光処理、ねじこみリューズなどダイバーズウォッチに必要な機能は揃っており、2000シリーズ、3000シリーズと展開していきます。アクアレーサーはそれらのスペックや雰囲気をすべて受け継いで発表されました。タグホイヤーにとってダイバーズウォッチの集大成となるシリーズです。
アクアレーサーはプロユースなスペックを備えながらも日常使いしやすい設計となっており、本格ダイバーズウォッチでは珍しく厚みを抑えたスッキリしたデザインとなっています。クオーツ、クロノグラフ、3針、GMTなど多機能に展開されており、スペック重視の重厚な本格ダイバーズウォッチというよりも、日常で安心して使える防水時計、といった雰囲気で展開されています。
3-3.フォーミュラ1
モータースポーツとの関わりが深いタグ・ホイヤーを象徴するシリーズの一つで、F1レーサーのアイルトン・セナ、キミ・ライコネンとのコラボモデルなどを筆頭としたスポーティーなシリーズです。
F1の名の通りスポーティーな印象で、実際にF1で使用された素材を使ったモデルなど、カレラよりもさらにレーサーを意識したデザインです。カレラのような幅広い機能やデザインではなく、シンプルでコンサバな幅広い世代に向けたデザインとなっています。価格帯がリーズナブルですがタグ・ホイヤーの世界観はしっかり投影されているので、入門用として愛されています。過去にレディースモデルも展開されており、ペアウォッチのように楽しむこともできます。
3-4.モナコ
モナコはタグホイヤー唯一の角型時計シリーズで、数々の逸話が残っています。1969年、当時4社共同で開発された自動巻きクロノグラフムーブメントのクロノマティックを搭載して発表されました。タグホイヤーにとって重要なムーブメントを搭載したモデルで、高い期待を背負っていたモデルでした。
モナコの初期モデルで最も特徴的なのは左リューズであることです。ホイヤー、ブライトリング、ハミルトン−ビューレン、デュボア・デプラの4社による共同開発で生まれたキャリバー11はビューレンのマイクロローター自動巻きムーブメントにデュボア・デプラのクロノグラフモジュールを重ねる世界初の設計となり、結果左リューズとなりました。自動巻きなので手で巻く必要がないことへのアピールとなった側面もあったようです。
世界初の角型の防水時計としても注目を浴びていました。当時防水用のパッキンが丸型しかありませんでしたが、角型パッキンの開発に成功しています。
実は発表当時はさほど注目されなかったモナコですが、映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックィーンが着けて出演したことで大ヒット。1970年代に生産終了となりますが、2009年の復刻モデル、2015年に定番化を果たしています。
現行モデルは復刻をテーマにしたモデルでは左リューズを再現しますが、通常モデルでは右リューズとなり自社製ムーブメントを搭載するなど、最新の技術・デザインでチューンナップされています。
3-5.リンク
リンクは1999年に登場したスポーツラグジュアリーシリーズです。前身はs/elでSports Eleganceの略で、時計デザイナーエディ・ショッフェル氏による人間工学的に考えられたデザインとして発表されました。F1ドライバーのアイルトン・セナが着用したことで有名となり、タグ・ホイヤーの人気シリーズとなりました。1999年にリンクとして生まれ変わり、ケースサイズの拡大やデザインのチューンナップが行われました。
ブレスレットのコマがS字型になっていることで、一目でリンクだとわかる外観となっています。人間の背骨から着想したといわれており、この仕様はs/elから導入されていました。数回のマイナーチェンジを経て丸みを帯びたデザインから、現代的なシャープな印象に変化してきており、最新では多面カットなベゼルのラグジュアリー感が強めなデザインとなってきています。
3-6.オータヴィア
自動車(Auto)と航空機(Aviation)を組み合わせた造語のAutaviaは1932年に登場しました。元は名前の由来となった自動車や航空機の計器用に開発されました。1962年にジャック・ホイヤーによりクロノグラフ搭載腕時計として復活し、モータースポーツの全盛期だったこともあり人気を博しました。半世紀の空白期間の後、2019年に現代的なエッセンスを加え再度復活を遂げました。
1962年当時のモデルをデザインのベースに針への夜光処理による視認性アップ、ベゼルのアラビアインデックスの大型化、ムーブメントを自社製を採用するなど、デザイン・使い勝手の両方を現代のトレンドや技術にアップデートして発表されました。復刻モデルの後には雰囲気をそのままに3針やGMTモデルなど幅広い展開へシフト。オータヴィアの世界観を広げていっています。
3-7.コネクテッド
コネクテッドはタグ・ホイヤーのスマートウォッチシリーズです。ここ数年でapple watchを筆頭にスマートウォッチへ参入するブランドが多く見られましたが、高級ブランドによるスマートウォッチの展開を先んじて行ったのはタグ・ホイヤーなのはご存知でしょうか。
タグ・ホイヤーコネクテッドはいわゆるデジタルな新作展開とは異なり、タグ・ホイヤーのアイコン的存在であるカレラをベースデザインにして製作されたので、伝統的なデザインの高級腕時計、かつスマートウォッチとして展開されています。
システム面ではIntel、Googleと手を結び、多くの機能を備えています。GPS、加速度計、ジャイロスコープ、世代によってはおサイフケータイ、現行モデルならそのまま文字盤を再現でき、インデックスや針の色など細かな設定も可能です。ゴルフ用のナビゲーターやハートレートモニターで心拍数をチェックするなど、ヘルス面も充実。
2022年には最新のE4を発表。45mmしかなかったケースサイズに42mmが追加され、広いユーザー層に届くようになりました。細かな外装もアップグレード。フィットネス機能が追加され、エクササイズプログラムをガイドしてくれるようになりました。バッテリーも30%延長され、より使いやすくなっています。
4.【30代~40代メンズ必見!】タグ・ホイヤーを着用してる芸能人5選!
4-1.俳優 小栗旬 カレラ タキメーター クロノグラフ Ref.CV2A12.FC6236
俳優 小栗旬さんが着けているのはカレラ タキメーター クロノグラフ Ref.CV2A12.FC6236です。小栗さんはスントやハミルトンなどのスポーティーなデザインから、クリスチャン・ディオールやハリー・ウィンストンなどのラグジュアリーブランドの時計を幅広く着けています。
Ref.CV2A12.FC6236はカーレースにインスピレーションを得てデザインされたカレラのデイデイトモデルです。3時位置に曜日、日付の窓、3つ目のインダイヤルを備えたスポーティーなデザインです。ブラウンの文字盤、ベゼルが高級感のあるデザインにまとまっています。
4-2.俳優 仲村トオル アクアレーサー Ref.WAP1111.BA0831
俳優 仲村トオルさんが着けているのはアクアレーサー Ref.WAP1111.BA0831です。スントやIWCヨットクラブなど、比較的スポーティーなデザインを好んで着用しているようです。
Ref.WAP1111.BA0831はタグ・ホイヤー唯一のダイバーズウォッチシリーズであるアクアレーサーです。一見シンプルな3針日付表示付きモデルに見えますが、300m防水、ねじ込みリューズ、回転式ベゼルなど本格派な機能を備えています。針、インデックスへの夜光処理や文字盤中央とインデックス周りのギョーシェに変化を付けるなど、派手ではありませんが機能的なデザインにまとまった実用的な一本です。
4-3 プロサッカー選手 クリスティアーノ・ロナウド カレラ キャリバー36 Ref.CAR2B11.BA0799
プロサッカー選手 クリスティアーノ・ロナウドさんが着けているのはカレラ キャリバー36 Ref.CAR2B11.BA0799です。クリスティアーノ・ロナウドさんはジラール・ペルゴやブルガリなどラグジュアリーなデザインとウブロやロレックスなどのスポーティーなデザインを幅広く着けています。
Ref.CAR2B11.BA0799は2013年モデルのカレラで、クラシックな印象のツーカウンタークロノグラフで、フライバッククロノグラフとなっています。エル・プリメロをベースにしたキャリバー36を搭載しており、10振動のハイビートムーブメントとなっています。シースルーバックなので、ムーブメントの動きをケースバックから楽しむこともできます。
4-4.アイドル 長瀬智也 フォーミュラ1 Ref.385.513/1
アイドル 長瀬智也さんが着けているのはフォーミュラ1 Ref.385.513/1です。長瀬さんは時計愛好家として有名で、ロレックスデイトナやサブマリーナ、カシオなどスポーティーなデザインを中心にこだわった時計選びとなっています。
Ref.385.513/1はカーレースにインスピレーションを受けて開発されたシリーズフォーミュラ1の一つで、ラグを裏面に隠した卵型のようなケースデザインがスポーティーなデザインです。赤色のケースに黒のベゼルの組み合わせですが、ポップなトーンなので柔らかめな印象です。ドットのインデックスとベンツ針がポップであり視認性が高く機能的で、ケースサイズ33mmのボーイズサイズなので取り回しが良い一本です。
4-5.アイドル 山下智久 オータヴィア Ref.CY2110.BA0775
アイドル 山下智久さんが着けているのはオータヴィア Ref.CY2110.BA0775です。山下さんは様々な種類の時計を着けているのが知られており、ブルガリやジェイコブなど派手なデザインからオリスやシャネルのスポーティーなモデルまで幅広いテイストの時計を愛用しています。
Ref.CY2110.BA0775は1969年発表のオータヴィアの復刻版です。マイクロローターを備えたムーブメントであるクロノマティックを搭載した自動巻きクロノグラフとして話題になりました。当時人気だった卵型のC型ケースデザイン、左リューズ、レトロな印象のプッシュボタンなど当時の雰囲気をそのままに、現代的なエッセンスにチューンナップされています。
5.タグ・ホイヤーを持つならこれ!おすすめモデル5選
5-1.カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ Ref.CAR2A1Z.FT6044
Ref.CAR2A1Z.FT6044は2015年発表のカレラで、自社製ムーブメントCal.ホイヤー01を搭載しています。文字盤がスケルトンになっているため、ムーブメントの動き、日付ディスクの動きを余すところなく見ることができます。黒、白、赤のカラーリングの組み合わせとスケルトン文字盤によりメカニカルでスポーティーな外観となっています。
ケースサイズは45mmと大型で、12個のパーツを組み合わせてつくられています。通常は量産しやすい鋳造による製造が多いとされるケースですが、パーツの組み立てにより各パーツごとでのブラックPVDコーティングや高いレベルでの仕上げが可能となり、さらにスポーティーでモダンなデザインに仕上がっています。
5-2.モナコ キャリバー12 クロノグラフ スティーブマックイーン Ref.CAW2111.FC6183
Ref.CAW2111.FC6183は2009年モデルで、モナコ誕生40周年記念として製作されました。スティーブ・マックィーンが着けた初期モデルに着想を得てデザインされており、ムーブメントや風防は最新にアップデートしつつも、デザイン面は当時のモデルを彷彿とさせるものとなっています。
風防はプラスチックからサファイアクリスタルへ変更され、強度が大きくアップしています。ムーブメントはキャリバー12という汎用ムーブメントを改良したものを搭載していますが、これ以降のモナコは右リューズとなる重要な役目を担っていました。結果、リーズナブルな価格に抑えることで、モナコを知らなかったユーザーにも届けることができており、後の自社製ムーブメントを搭載したモデルへ繋がっています。
5-3.アクアレーサー プロフェッショナル 300 Ref.WBP201A.BA0632
Ref.WBP201A.BA0632はタグ・ホイヤー唯一のダイバーズウォッチシリーズのアクアレーサー2021年モデルです。デザインとしては王道のダイバーズウォッチとなっており、回転ベゼル、夜光処理された太めの針とインデックス、ねじこみリューズとなっています。
防水性は300mとハイスペックですが、ムーブメントは汎用を改良したキャリバー5を使用することでリーズナブルな価格で手に入れることが可能です。日付表示機能や比較的薄く軽く仕上がったことを考えると、本格派ダイバーズウォッチよりも実用しやすいモデルとなっています。
5-4.ヘリテージ オータヴィア キャリバー02 クロノグラフ ジャック・ホイヤー リミテッド Ref.CBE2111.BA0687
Ref.CBE2111.BA0687は創業者のひ孫にあたるジャック・ホイヤーの85歳の誕生日を記念してつくられた限定モデルで、彼の生まれ年にちなんだ1932本限定生産モデルです。
1962年にジャック・ホイヤーによって生み出された両回転ベゼルのクロノグラフモデルRef.2446の人気の高さからオータヴィアはシリーズ化されていますが、今回は初代モデルを現代のエッセンスで復刻させました。ケースサイズは少し大きく、全体のポリッシュ仕上げはそのまま、自社製ムーブメントを搭載するなど各所がブラッシュアップされ、デザインや雰囲気は初代モデルを彷彿とさせるものとなっています。
5-5.アクアレーサー プロフェッショナル300 キャリバー7 GMT Ref.WBP2010.FT6198(2022年新作)
Ref.WBP2010.FT6198は2022年アクアレーサーの新作が多く発表された内の一本です。300m防水で夜光処理された太めの針とインデックス、ねじこみリューズといった本格スペックを備えています。黄色の針はGMT機能となっており、時差分が時針に同期してズレて動いてくれるので、設定した国の時刻を常に知ることができます。回転ベゼルは第二時間帯の昼夜を区別できるようになっており、朝・昼を示すホワイトと夕・夜を示すブルーとなっています。
セラミック回転ベゼルは軽量でキズがつきにくく、ホワイトとブルーのカラーリングが爽やかです。ボーダー模様に彫り込まれた立体的な濃紺の文字盤はベゼルのブルーとリンクしており、深い海を想起させるデザインです。ラバーストラップとブレスが選べますが、このリファレンスはラバーです。
6.まとめ
タグ・ホイヤーの歴史、魅力、代表シリーズについてまとめました。タグ・ホイヤーはクロノグラフにこだわりをもっているブランドで、数々の開発を手掛けてきました。カレラ、フォーミュラ1にはクロノグラフのDNAを3針に継承したモデルが展開されたり、磨き上げた技術力でさらに細かな計測を可能とするムーブメントの開発やトゥールビヨンの発表など、リーズナブルなだけではなく確かな技術やブランド力を証明しています。タグ・ホイヤーの時計を見かけたらぜひ一度手にとって見てください。