2024年12月18日
9月の誕生石はサファイアとクンツァイト!意味や効果も徹底解説!
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世界三大宝石をご存知ですか?ルビー、エメラルド、サファイアの3種類の宝石は世界三大宝石と呼ばれており、世界的にも知名度が高く、人気もあります。
今回は世界三大宝石であり9月の誕生石でもあるサファイア、そして同じく9月の誕生石である神秘的な薄紫色のクンツァイトについて詳しく見ていきます。サファイアといえば青い色のブルーサファイアが有名ですが、実はサファイアには青以外にもたくさんの色があることをご存知ですか?
もうひとつの9月の誕生石であるクンツァイトは、透明度の高い宝石で、大きな愛情のパワーを持っているパワーストーンとしても知られています。今回は2種類ある9月の誕生石のことを、詳しくご紹介します。スピリチュアル的な意味と効果などを参考に、身に付ける宝石を決めてみるのもいいかもしれません。ぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
1.誕生石とは?
出典:GIA
まずは、誕生石とはなんなのかということについて、ご紹介していきます。誕生石についてはなんとなく知っているという人も多いと思いますが、では「誕生石とはなんなのか?」「なぜ誕生石を身に付けるのか?」と聞かれたら、はっきりと答えられる人はそう多くないのではないでしょうか。ただなんとなくとか、縁がありそうだからという理由で、誕生石を身に付けている人も多いと思います。
もちろん、ただなんとなくとか、色が好きだからという理由で身に付けてもまったく問題ありません。ですが誕生石とは何なのかを知っておくと、より宝石を選ぶ楽しみが増えるでしょう。誕生石のはじまりは18世紀頃、ポーランドあたりだと言われていますが、はっきりとはわかっていません。元となったのは、旧約聖書とも新約聖書とも言われています。そこから発展し、それぞれの国や地域でさまざまな種類の宝石が誕生石として親しまれていました。
そんな誕生石をはじめて正式に制定したのはアメリカで、1912年のことでした。日本で誕生石が制定されたのは1958年です。アメリカの誕生石を参考に、日本でなじみのある宝石などを加えて19種類の誕生石が制定されました。その後、60年以上にわたってそれらの誕生石が使用されてきましたが、2021年に新たに10種類の誕生石が追加され、現在では29種類の誕生石が一般に親しまれています。
1-1.誕生石の効果
1月から12月まで、それぞれの月にはその月を象徴する誕生石が決められています。その誕生石を身に付けると、さまざまな効果があると言われているのです。
誕生石の効果はふたつあります。ひとつ目は、生まれた月の誕生石を身に付けるとお守りになるという効果です。この効果は有名ですので、知っていたという人も多いのではないでしょうか。1月生まれならガーネット、2月生まれならアメジストが、その人にとってのお守りになるということですね。そしてふたつ目は、生まれ月に関係なく、その月の誕生石を身に付けるとお守りになるという効果です。つまり何月生まれでも、1月にはガーネット、2月にはアメジストが、すべての人のお守りになるということです。
誕生石の効果を最大限に受けるために、常に2種類の誕生石を身に付けているという人もいるそうですよ。
1-2.1月から12月までの誕生石
1月から12月まで、すべての月には1種類~4種類の誕生石が制定されています。
それぞれの月の誕生石は何か確認しておきましょう。
1月…ガーネット
2月…アメジスト・クリソベリルキャッツアイ
3月…アクアマリン・珊瑚・ブラッドストーン・アイオライト
4月…ダイヤモンド・モルガナイト
5月…エメラルド・翡翠
6月…パール・ムーンストーン・アレキサンドライト
7月…ルビー・スフェーン
8月…ペリドット・スピネル・サードオニキス
9月…サファイア・クンツァイト
10月…トルマリン・オパール
11月…トパーズ・シトリン
12月…ターコイズ・タンザナイト・ラピスラズリ・ジルコン
1月の誕生石はガーネット1種類ですが、3月と12月は4種類も誕生石があります。1月生まれの人は「もっとないの?」と思うかもしれませんが、現在の誕生石はこれが全てです。
1-3.どの誕生石が正しいの?
誕生石が2種類以上あると、どの誕生石が正しいの?と思うかもしれません。もしかしてどっちかの誕生石は間違っているのではないか?と心配になってしまう人もいるでしょう。結論から言うと、上記の誕生石はすべてが正しい誕生石です。1958年に全国宝石卸商協同組合によって定められた正式な誕生石なので、安心して身に付けてくださいね。
ただし誕生石は、国によって異なります。3月の珊瑚や5月の翡翠はアメリカでは誕生石ではありませんし、逆にイギリスでは水晶が4月の誕生石です。
外国の人と話す時や、旅行先でジュエリーを購入しようとする時などは誤解が生じるかもしれませんので、気をつけましょう。
1-4.ピアス?ネックレス?誕生石のおすすめの身に付け方
誕生石は、リングやネックレス、ピアスやイヤリングなどのイヤーアクセサリーなど、さまざまな形のジュエリーに加工されてショップに並んでいます。選択肢がたくさんありますので、どうやって身に付ければいいんだろう?と悩むかもしれません。
基本的には、誕生石には正しい身に付け方というのはありません。その日の気分やコーディネートに合わせて、自分のお好みで身に付けてください。ただし誕生石だからというわけではなく、その石ごとにより良い身に付け方というのはあります。
スピリチュアル的なパワーを考えた時には、石ごとにより効果的な身に付け方があるのです。
たとえば9月の誕生石で言うと、ブルーサファイアは短めのネックレスが良いと言われています。サファイアがのど元に位置するように身に付けるのが、より効果的な身に付け方だそうです。もうひとつの9月の誕生石であるクンツァイトは、同じネックレスでも長めで、胸のあたりに石が来るように身に付けるのが良いと言われています。
2.9月の誕生石といえばサファイア
出典:GIA
サファイアは世界三大宝石とも呼ばれる、世界中で有名な宝石です。9月の誕生石としても知名度がありますから、「9月の誕生石といえばサファイア!」と思っている人も多いのではないでしょうか。
まずは9月の誕生石として最も有名なサファイアについて、詳しく見ていきます。
2-1.サファイアってどんな石?
サファイアというと、多くの人がキラキラした青い宝石を思い浮かべるでしょう。ですがそもそものサファイアは、コランダムという無色透明な鉱石です。無色透明なコランダムにさまざまな元素が加わることで、私たちがよく見るサファイアが出来上がります。
サファイアがジュエリーとして店頭に並ぶまでには、多くの人の手を経由しています。宝石は産出された時から、キラキラと輝いているわけではありません。宝石の原石を見たことがありますか?多くの原石は、美しい色合いをしていることはわかるものの、ごつごつしていたり、くすんでいたりします。原石をカットしたり、磨いたり、あるいは加熱などの加工をすることによってようやく、キラキラとした美しい宝石になるのです。
サファイアは、加熱処理を施されることがよくあります。サファイアを加熱すると、石自体の色合いが鮮やかになります。宝石にとって、色合いは品質を左右するもっとも重要な要素のひとつです。より良い色合いにするために、サファイアに加熱処理を行うのです。その他にもサファイアを加熱することによって、内部に含まれるインクルージョンと呼ばれる異物を除去したり、あるいは逆に美しく見えるインクルージョンをより見えやすくしたりすることもできます。それらの処理を施し少しでも美しく見えるように加工されて、ようやくサファイアはジュエリーショップに並ぶのです。
2-1-1.ピンクサファイアなどさまざまな色がある!
サファイアには、実はとても豊かなカラーバリエーションがあることをご存知ですか?
一番有名なのは、ブルーサファイアですよね。サファイアといえば青いサファイアというイメージが根強くありますし、実際一番人気で、取引量も多いです。ですが実はサファイアには青以外にも、ピンクサファイア、パープルサファイア、グリーンサファイア、イエローサファイアなど、多くの色があります。もとの鉱物がコランダムであれば色に関わらずサファイアと呼ばれるので、サファイアの色合いは豊富にあるのです。
ですがひとつだけ、サファイアにはない色があります。それは赤い色のサファイアです。とはいっても、赤いコランダムがないわけではありません。実は赤いコランダムは、サファイアではない別の名前で呼ばれます。それがルビーです。つまり、赤いコランダムがルビー。それ以外のすべての色のコランダムが、サファイアと呼ばれているということなのです。
ブルー以外のすべての色のサファイアは「ファンシーカラーサファイア」または「ファンシーサファイア」と呼ばれます。すべてのファンシーカラーサファイアの中で、比較的ショップなどでよく見かけることが多いのはピンクサファイアです。かわいらしいピンク色のサファイアで、決して安価というわけではありませんが、絶対に手が届かないほど高価というわけでありません。華やかで身に付けると明るい雰囲気になる石です。
また、数あるファンシーカラーサファイアの中でも、パパラチアサファイアは他とは少し違う立ち位置にあります。パパラチアサファイアはオレンジとピンクの中間くらいの色合いの石です。「蓮の花の色」とも「夕暮れの空の色」とも言われる絶妙なニュアンスの色をしたパパラチアサファイアは、産出量が非常に少なく世界三大希少石と呼ばれています。人気も価格も高く、他のファンシーカラーサファイアとは一線を画しています。ブルーサファイアの次に価値があるのが、このパパラチアサファイアとも言われています。
2-1-2.サファイアはとても硬い宝石
サファイアの特徴のひとつに、その硬さがあります。
物質が宝石と呼ばれる3つの条件は、「美しさ」「希少さ」そして「硬さ」です。硬くなければ宝石とはよばれません。そんな宝石の中でも、サファイアは特に硬い石なのです。宝石の硬さは、モース硬度という尺度であらわされます。モース硬度は、ふたつの物質を擦り合わせた時にどちらが傷つくかを比べることで、それぞれの硬さを決めていきます。
モース硬度は1~10まであり、地球上で最も硬いと言われているダイヤモンドのモース硬度は10です。そしてサファイアはというと、ダイヤモンドに次いで硬いモース硬度9。つまりほとんどの物質よりも、サファイアは硬く丈夫な物質と言えます。例えばサファイアとダイヤモンドがぶつかったら、ダイヤモンドは無傷ですがサファイアには傷がつきます。ですがエメラルドやアメジストなどとぶつかっても、サファイアは傷つきません。
逆に言えば、サファイアとぶつかった方の石は傷ついてしまうので、ジュエリーボックスなどに入れて保管する時は、少し離して置いておくなどの配慮が必要です。
2-2.サファイアの名前の由来
サファイアの語源は、ラテン語の「sapphirus(サピルス)」、もしくはギリシャ語の「sappheiros(サピロス)」だと言われています。意味はどちらも「青」です。和名も「青玉(せいぎょく)」で青い宝石という意味です。
青い宝石といえばサファイアだと思われていたことが、名前からもわかりますね。今ではサファイアは青以外もあるとわかっていますが、当時はサファイア=青い宝石だという認識でした。
2-3.サファイアの歴史と伝説
サファイアは古来から神聖な石、パワーを持った石として特別視されていました。古来の権力者や聖職者は、サファイアには身を守るパワーがあると信じていて、お守りとして使用していたそうです。
また古代ペルシア人は、サファイアを「大地を支える台座に嵌められた石」だと信じていました。サファイアの輝きを反射しているせいで、空は青いのだと思っていたそうです。なんだかロマンチックですね。ですがインドのヒンドゥー教徒には、サファイアは縁起の悪い石だと思われていたそうです。その一方で同じくインドの仏教徒は、サファイアが身に付ける人を悪霊から守ってくれると信じていたそうですから、同じ石に対する人々の違いが面白いですね。
キリスト教の聖書には、サファイアはエルサレムという都市の城壁に埋められた特別な12種類の宝石のうちのひとつであると記されています。宗教的にも、サファイアは特別な意味がある宝石と思われていました。美しいサファイアを見た人々は、いろんなことを考えたんですね。
2-4.サファイアの産地
サファイアは、世界中のさまざまな国で産出されます。その中で最も有名なのは、インドのカシミール地方です。最高品質のサファイアは「コーンフラワーブルー」と呼ばれます。コーンフラワーというのは矢車草のことです。コーンフラワーブルーのサファイアは、矢車草の花の色によく似た美しい深い青色をしています。とはいえカシミール地方では現在、ほとんどサファイアが産出されません。カシミール産のサファイアは美しく希少で、現在では幻の宝石と呼ばれるほど珍しい物です。
コーンフラワーブルーと呼ばれるサファイアに次いで品質の高い色合いのサファイアは、ロイヤルブルーと呼ばれます。ロイヤルブルーのサファイアが採れる産地として有名なのは、スリランカです。スリランカはサファイアの古い産地として、昔から有名でした。ロイヤルブルーサファイアや、美しいインクルージョンが特徴的なスターサファイアが産出されることもあります。
ミャンマーでもまれにロイヤルブルーサファイアが産出されます。また、ミャンマー産のサファイアは粒が大きく透明度の高い物が多く、人気です。
3.サファイアのスピリチュアル的な意味と効果
宝石や鉱物にはそれぞれ、石ごとあるいは色ごとにスピリチュアル的な意味と効果を持っています。科学的な根拠があるわけではないので、まったく気にしない人もいますが、それでも石を選ぶときに参考にするという人は少なくありません。
石の歴史や伝説、色によって受ける印象などにより意味や効果は異なります。それらを知っていると、石を選ぶときに少しの手助けになりますよ。
3-1.サファイアの石言葉
花をプレゼントする時に、花屋でディスプレイに書いてある花言葉を参考に選んだことはありませんか?母の日にカーネーションを贈ったり、プロポーズの時にバラの花を贈ったりするのと同じように、石を買ったりプレゼントする時にもぜひ、石言葉を参考にしてみてください。
サファイアの石言葉は、色ごとにことなります。
ブルーサファイア…誠実・博愛
ピンクサファイア…かわいらしさ・はかなさ
パープルサファイア…初恋の思い出
バイオレットサファイア…華麗なる変身
グリーン サファイア…清廉
イエローサファイア…自信・目標達成
パパラチアサファイア…慈愛・誠実・光の花
ホワイト サファイア…輝く知性・聖なる力
ブルースターサファイア…知識へ導くパワー
自分がこうなりたい、ぴったりだと思う石言葉があれば、その色のサファイアを選ぶのも良いですよ。
3-2.サファイアの持つ効果
色ごとに違う石言葉を持つサファイアは、当然持っている効果も色ごとに異なります。
サファイアのそれぞれの色ごとの効果は下記のとおりです。
ブルーサファイア…精神を落ち着かせる
ピンクサファイア…恋愛運アップ
パープルサファイア…人間関係の改善
バイオレットサファイア…目標達成
グリーン サファイア…ヒーリング
イエローサファイア…仕事の成長
パパラチアサファイア…良縁に恵まれる
ホワイト サファイア…持ち主や周囲を浄化する
ブルースターサファイア…旅のお守り
求める効果は人によって、日によっても違いますよね。
どういう面でサポートしてほしいのかを考えて選んでもいいですし、あるいは直感で選んだ石の石言葉を無意識に求めているという考え方もあります。
石言葉を参考にしつつ、自分の直感も大事にして宝石を選ぶことをおすすめします。
4.サファイアと他の石の相性
パワーストーンは、1種類だけで身に付けてももちろんいいのですが、複数のパワーストーンを組み合わせるのもおすすめです。
パワーストーンのショップなどでは、おすすめの石同士を組み合わせて売られていることもよくあります。石同士が影響しあい、持っているパワーをさらに大きくしたり、持っていないパワーを補い合ったりすることができるのです。
4-1.サファイア×ソーダライト
ソーダライトはラピスラズリを構成する物質の一種で、深い青色をしています。ジュエリーというよりも、パワーストーンとしてよく用いられる石です。
ソーダライトは「知性の石」と呼ばれています。感情よりも理性を優先させてくれるので、冷静な判断をしたい時に向いている石です。
ソーダライトはほとんどの色のサファイアと相性がいいです。ブルーサファイアはソーダライトと近いパワーなので、より落ち着いた気持ちで物事に向き合うサポートをしてくれます。ピンクサファイアと組み合わせれば、恋愛に溺れすぎるのを防いでくれるでしょう。目標達成のパワーを持つバイオレットサファイアと組み合わせれば、ソーダライトの冷静な判断力がさらに目標達成に向けてのサポートになります。
4-2.サファイア×スギライト
スギライトは1944年に見つかったばかりの、比較的新しい鉱物です。スギライトは世界三大ヒーリングストーンと呼ばれるほどヒーリングのパワーが強く、パワーストーンとしてかなり人気があります。
スギライトは強いパワーを持っていますが、その分少し使いづらいという面もあります。スギライトを購入しようと思ってショップに行ってもなんだか気が乗らなかったり、講習したはいいものの身に付ける気にならないという時、身に付けても落ち着かない、調子が悪いという時は、スギライトのパワーを必要としていない時です。購入する時は慎重に、また購入してからも様子を見ながら使うようにしましょう。
スギライトと相性がいいのは、パープルサファイアとパパラチアサファイアです。パープルサファイアは人間関係の改善に効果があります。スギライトは浄化のパワーを持っているので、周囲の環境を整えるのに役立つでしょう。
パパラチアサファイアは仕事や恋愛などすべての方面において、良縁をもたらしてくれる効果があります。こちらもスギライトの浄化のパワーで周囲を一旦クリーンにできるので、良縁をスムーズに結ぶことができるでしょう。
4-3.サファイア×ターコイズ
ターコイズは5000年以上も前の遺跡から発見されている、歴史の長いパワーストーンです。世界中の多くの国、地域で神聖なものとされ、人々に使用されてきました。
そのような歴史があるのでパワーストーンとしても人気が高いですが、石の品質によってはジュエリーに加工されたりすることもよくあります。ジュエリーショップで見かけたことがあるという人も多いかもしれません。高価なジュエリーとしても売られていますし、もっとカジュアルに皮や麻紐などでインディアンジュエリーに加工されることもあります。コーディネートや用途をさまざまに楽しめる石だと言えるでしょう。
ターコイズの効果は魔除けや厄除けの効果を持っています。持ち主から悪い物を遠ざけ、その結果ポジティブになれたり、人間関係を良くしてくれるパワーストーンです。
ポジティブになれるパワーストーンなので、イエローサファイアとの組み合わせがおすすめです。イエローサファイアは、仕事や勉強などで成果を出せるパワーストーンで、やる気をアップさせる効果を持っています。ターコイズと組み合わせれば仕事や勉強などにポジティブに向き合うことができるでしょう。
5.9月のサファイア以外の誕生石、クンツァイト
出典:GIA
9月の誕生石といえばサファイアのイメージが強いと思いますが、実はもう1種類、9月には誕生石があります。それがクンツァイトです。
クンツァイトは、新しく9月の誕生石に制定されたばかりの新しい誕生石です。まだまだなじみがありませんよね。そもそもクンツァイト自体の知名度がそこまで高くないわけではないのでなおさらだと思います。
クンツァイトについて詳しく見ていきましょう。
5-1.クンツァイトってどんな石?
クンツァイトは、ピンクや紫がかったピンク色の宝石です。クンツァイトは他の宝石と同じように、色が濃く鮮やかな物が高品質とされます。ですが、流通しているクンツァイトの多くは薄いピンク色やほとんど透明に見える物がほとんどです。クンツァイトはもともとクリアカラーに近い色合いのものが多いことに加え、紫外線により退色してしまうものもあります。鮮やかな紫色のものは、あまり流通していません。もしはっきりと紫色に見えるクンツァイトを見かけたら、とてもラッキーなことと言えるでしょう。
もちろん淡いピンク色のクンツァイトも、とても魅力的です。優しい色合いは見ているとほっとするような安心感があります。
サファイアはモース硬度9の、とても硬い宝石だとご紹介しましたね。クンツァイトのモース硬度は6.5~7程度です。翡翠や水晶と同じくらいの硬さで、やすりで擦るとわずかに傷がついてしまいます。とても傷つきやすい石というわけでもありませんが、硬くてとても丈夫な石!というわけでもありません。
そしてもうひとつ重要なのが、クンツァイトには「劈開(へきかい)」という性質があるということです。劈開とは、簡単に言えば「ある方向からの衝撃に非常に弱い性質」です。モース硬度に関わらず、劈開という性質がある石はその方向から衝撃を加えれば簡単に割れてしまいます。クンツァイトはこの劈開が、2方向にあるのです。まとめるとクンツァイトは、「そう丈夫でもないうえに、2方向から衝撃を与えれば割れてしまう」という石なのです。その性質のせいで、クンツァイトはとてもカットがしにくい宝石と言われています。
5-1-1.多色性と燐光性を持つ
クンツァイトは見え方に関して、2つの性質を持っています。それは「多色性」と「燐光性」です。
多色性とは見る角度によって色を変える性質のことです。多色性を持つ有名な宝石には、タンザナイトやアイオライトなどがあります。その性質をクンツァイトも持っていて、角度を変えるとクンツァイトは淡いピンク色にも濃いピンク色にも見えるのです。タンザナイトやアイオライトほどはっきりと色が変わるわけではありませんが、クンツァイトはピンク色の濃淡を楽しめる宝石です。
またクンツァイトには、燐光性という性質もあります。燐光性とは、紫外線を浴びて蛍光する性質のことです。紫外線を浴びたクンツァイトは、室内でもしばらくキラキラと光り続けるのです。その一方でクンツァイトは紫外線によって退色してしまうので、昼間に日光の下で使用し続けるのには向きません。その性質から、クンツァイトは「夕べの宝石」と呼ばれていたそうです。
確かに夕方のパーティーなどでキラキラと光るクンツァイトは、とても美しいでしょうね。
5-1-2.大ぶりなジュエリーがおすすめ!
クンツァイトを購入するとしたら、小粒の物よりも大粒の物がおすすめです。その理由はふたつあります。
ひとつ目は、クンツァイトの原石は比較的大きな物が産出されるということです。もちろん品質にもよりますが、価格も比較的お手頃なので、大粒のジュエリーでも手が届かないということもありません。
ふたつ目の理由は、大粒のほうがクンツァイトの多色性をより楽しめるためです。クンツァイトの多色性はそこまではっきりとしているわけではないので、小粒だと本当に色が変わっているかどうか判別しづらいでしょう。
クンツァイトの個性をより楽しむためには、大粒の物を選ぶことをお勧めします。
5-2.クンツァイトの名前の由来
クンツァイトの名前は、ジュエリーブランドとして世界的に有名なティファニー社に所属していた宝石鑑定士の、ジョージ・フレデリック・クンツ氏に由来します。
クンツ氏は1902年、カリフォルニアの鉱山で見慣れない宝石を発見しました。それを詳しく調べると、新種の宝石であることがわかったのです。
クンツァイトを新種の宝石であると正式に発表したのは、ノースカロライナ大学のチャールズ・バスカヴィル教授でしたが、クンツ氏に敬意を表して、「クンツァイト」という名前が付けられました。
5-3.クンツァイトの歴史
名前の由来の項でご説明した通り、クンツァイトは1902年に発見されたばかりの宝石です。発見されたのは、カリフォルニア州のサンディエゴに位置するペグマタイト鉱床でした。
詳しく検査した結果、この見慣れない宝石は既に知られていたスポジュミンという石の仲間だということが判明しました。
スポジュミンは灰色や黒色の、何かに利用されたり、特に話題になるようなこともない石です。ところが19世紀に入ってから、宝石質のスポジュミンが発見されるようになりました。薄黄色のトリフェーンやグリーンのヒデナイトという宝石が、スポジュミンの仲間です。そして1902年に発見された薄ピンク色のスポジュミンの仲間が、クンツァイトでした。クンツァイトはその色合いから、発見当初「カリフォルニア・アイリス」と呼ばれていました。その後正式に、「クンツァイト」と名付けられたのです。
5-4.クンツァイトの産地
最初にカリフォルニアで見つかったクンツァイトですが、現在の主な産地はアフガニスタンやブラジルです。
特にアフガニスタンでは、大粒のクンツァイトが産出されます。透明度も高く色も鮮やかなので、クンツァイトの中でもとても人気があります。アフガニスタン産のクンツァイトはマンガンを大量に含み、紫外線を浴びると紫色からピンク色に変色します。その色合いの変化はとても鮮やかで、アフガニスタン産のクンツァイトの特徴です。
クンツァイトの産地としては、ブラジルも有名です。ブラジル産のクンツァイトは紫外線で退色しやすいという特徴があり、保管や使用方法に特に注意が必要です。
6.クンツァイトのスピリチュアル的な意味と効果
宝石として多くの特徴があるクンツァイトは、スピリチュアル的にも持ち主をサポートしてくれるパワーを持っています。
クンツァイトは身に付けるだけでも癒されるような、かわいらしい雰囲気がありますよね。スピリチュアル的な意味を知っていれば、さらに良い効果を受けられるでしょう。
6-1.クンツァイトの石言葉
クンツァイトの石言葉は「無償の愛」「純粋」「献身」などです。
クンツァイトのかわいらしいピンク色が、愛情を連想させるのかもしれません。また透き通るような色合いのものは、けがれない純粋さを象徴しているようにも感じられます。
6-2.クンツァイトの持つ効果
クンツァイトのパワーストーンとしての効果は、大まかに言うと「心身の健康」です。気持ちだけ、身体だけではなく、両方の健康に作用するパワーを持っていると言われています。身体が健康でないと、気分も落ち込んでしまいますし、逆に気分が晴れない時は身体もなんとなく調子が悪い気がしますよね。
そんな時にパワーを貸してくれるのが、クンツァイトです。
6-2-1.ストレスを癒す
クンツァイトは持ち主をストレスから守り、癒してくれます。その優しいパワーで、身に付ける人を包み込んでくれるのです。
日頃ストレスの強い環境にいる人、周囲の人から圧力をかけられているという人はクンツァイトに頼ってみるのもいいでしょう。その優しいパワーに包まれて、ストレスを癒してください。
6-2-2.気持ちを穏やかにする
ストレスがかかる状況にいるのが通常になってしまうと、自分自身の心も荒んでしまいます。自分も他人も大切に出来なくなってしまいますよね。いろんなことがうまくいかなくて、ついつい八つ当たりをしてしまったり、そんな自分が嫌になって落ち込んだり……。そんな時はクンツァイトを身に付けることをおすすめします。
クンツァイトは、持ち主の気持ちを穏やかにしてくれるパワーを持っています。その結果、自分にも周囲の人にも優しく接することができるようにもなるでしょう。
6-2-3.健康効果
クンツァイトは持ち主を活き活きとさせ、健康にする効果もあると言われています。肌のハリツヤを良くするパワーも持っているので、女性に人気のあるパワーストーンです。
病は気からという言葉もあります。クンツァイトはストレスを解消してくれるので、そういった面からも健康につながるでしょう。
7.クンツァイトと他の石の相性
スピリチュアル的な効果を持っているクンツァイトは、他の石と組み合わせて使用することもできます。ですがどんなパワーストーンでも、組み合わせればいいというわけではありません。正反対のパワーを持つ石同士だとかえって反発し、パワーを発揮できないということもありますので、注意して使用しましょう。
今回はクンツァイトと相性が良いパワーストーンを、3種類ご紹介します。
7-1.クンツァイト×ラピスラズリ
ラピスラズリは世界最古のパワーストーンとも呼ばれている、とても歴史の古い石です。最強のパワーを持っていると言われていて、パワーストーンが好きな人にとても人気があります。濃い青色の石ですが、青が濃ければ濃いほど強いパワーを持っていると言われていて、強いパワーを求める人はより深い青のラピスラズリを身に付けるそうです。
ところがこのラピスラズリは、強いパワーを持っている反面持ち主に合わせたりしない、自我の強いパワーストーンだと言われています。ラピスラズリを持つのに適さない人が持つと、持っているだけで調子が悪くなることがあるそうです。購入する時はゆっくりと時間をかけ、購入してからも自分とラピスラズリの相性をよく確かめてから使うようにしてください。
ラピスラズリと波長が合うようであれば、クンツァイトと組み合わせて使いましょう。クンツァイトは優しく持ち主を包んでくれる石なので、ラピスラズリの厳しさを中和してくれます。クンツァイトは持ち主の心身を整えてくれるので、万全の状態になってラピスラズリのパワーを受けることができるでしょう。
7-2.クンツァイト×トルマリン
トルマリンは、10月の誕生石としても人気がある石です。色合いはさまざまで、「ない色はない」とまで言われているほど豊かなカラーバリエーションがあります。
トルマリンはその石自体が電気を発している、とても珍しい宝石です。健康効果があると言われていて、トルマリンを身体に当てるマッサージや、浴槽にトルマリンを入れる「トルマリン風呂」も流行しました。科学的な根拠は示されていませんが、実際にトルマリンを使用した人の中には「調子がよくなった」という人も多くいて、その効果は今でも信じられています。
健康効果があると言われているトルマリンなので、クンツァイトと組み合わせるとその素性効果を期待できます。身体の調子が悪い時に、おすすめの組み合わせです。
またトルマリンには、芸術の才能を開花させるというパワーもあります。心身が癒されれば自然とやる気が出て、今まで隠れていた才能を発揮することができるようになるかもしれませんね。
7-3.クンツァイト×ロードクロサイト
ロードクロサイトは、アメリカ三大希少石とも呼ばれている宝石です。赤やピンク色に白い縞模様が入っているのが特徴ですが、縞模様が見えないようにカットされることもよくあります。ショップにロードクロサイトを見に行っても、もしかしたら縞模様を見られないかもしれません。
ロードクロサイトはインカローズという別名があります。13世紀頃、ロードクロサイトはインカ帝国でお守りとして多く使用されていました。ロードクロサイトのそのような歴史と、白い縞模様の入った赤やピンク色の原石の断面がバラのように見えることから、インカのバラ、つまりインカローズとも呼ばれています。
ロードクロサイトは人間関係に作用するパワーストーンです。持ち主に良い縁をもたらし、良い人間関係を作ってくれると言われています。良い人間関係は、精神安定には欠かせませんよね。人間関係でストレスを抱えていて、解消したいという願いがある人は、ぜひクンツァイトとインカローズを組み合わせて使ってください。
8.【まとめ】9月の誕生石を身に付けて、効果を実感しよう!
今回は9月の誕生石、サファイアとクンツァイトについて詳しく見ていきました。サファイアはブルーのイメージが強いですが、実は赤以外のさまざまな色がある宝石です。その色ごとに石言葉もスピリチュアル的な効果も異なります。さまざまなコーディネートにも合わせられますし、その時々で求めるパワーに合わせて使い分けができるのもいいですね。
2021年に新しく誕生石に制定されたクンツァイトは、珍しい性質を持った石です。見る角度によって色合いが変わったり、紫外線に当てることで蛍光したりします。室内でキラキラと光る石は、何とも言えず魅力的です。
それぞれに個性がある宝石なので、すぐには選べないかもしれませんね。ですが、急ぐ必要はありません。むしろジュエリーやパワーストーンは、そんなに気軽に購入できないので、じっくり悩んで選びましょう。時間をかけて選んだ方が、愛着も湧くかもしれません。
自分の気に入った、自分だけの石を選んでくださいね。