2024年3月21日
ルビーの石言葉は?パワーストーンとしての効果も徹底解説!
ジュエリー
鮮やかな赤い色が人気の宝石であるルビー。店頭に並んでいることも多く、見たことがあるという人や、ルビーのジュエリーを持っているという人も多いのではないでしょうか。
ルビーはダイヤモンド、サファイア、エメラルドと並んで世界四大宝石と言われるほど有名で、人気の高い石です。手が出ないほど高価な商品だけでなく、普段使いできるような価格帯の商品もあり、馴染み深い宝石のひとつでもあります。
では、そんなに人気で馴染みもあるルビーの特徴や石言葉については、どれほど知っていますか?
「改めて聞かれると、そういえばあまり知らないな…」という人も多いと思います。そこで今回は、ルビーについて今更聞けない基本的な情報や石言葉から、お店で見る時のポイントまで、しっかり解説していきます!
この記事を読めば、今持っているルビーをさらに大切に思えますよ!新しくルビーを購入する時の参考にもなると思いますので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
1.そもそもルビーってどんな石?
まずはルビーがどんな石なのか、具体的に見ていきます。ルビーの鉱石としての情報や、石言葉、産地について知っておきましょう。
今持っているルビーをもっと大事に思えるよう、また新しいルビーを購入する時に参考にできるよう、ルビーのことをよく知り、理解を深めましょう。
1-1.ルビーの基本情報
ルビーはコランダムという鉱石です。コランダムの中でも、特に赤い色をしているものがルビーと呼ばれます。含まれる元素によって、コランダムは様々な色に発色しますが、赤以外の色はすべてサファイアと呼ばれます。サファイアというと青い色の宝石を思い浮かべる人が多いと思いますが、ピンクやイエローのコランダムもサファイアです。赤いコランダムだけが特別にルビーなのです。
ルビーは、地球上で最も硬い鉱石と言われているダイヤモンドに次ぐ硬さを持っている宝石です。
宝石の硬さには、モース硬度という硬さの単位が用いられています。モース硬度はふたつの物質をこすり合わせた時にどちらが傷つくかでランク分けをする、硬さの尺度です。モース硬度は1~10まであり、ダイヤモンドはモース硬度10です。そしてそのダイヤモンドの次に硬いのが、モース硬度9のコランダム、つまりルビーやサファイアなのです。
それならば何をしてもダイヤモンドは傷付いたり、砕けたりしないのかな、と思いますよね。ところが、ダイヤモンドはトンカチで叩くと割れてしまうのです。ダイヤモンドなどの鉱石には「劈開(へきかい)」という性質を持つものがあります。
劈開とは、衝撃を加えると割れやすい方のことです。どんなに硬い宝石、鉱石でも、劈開があるとその方向には簡単にヒビが入ってしまうのです。ダイヤモンドも劈開のある宝石なので、何をしても割れないわけではありません。この劈開は結晶の構造によるものですが、似たような作用を持つものに裂開(れっかい)があります。裂開が起きるのには様々な理由がありますが、宝石が裂けるように割れることをいいます。ルビーを含むコランダムにも裂開があり、結晶によっては3方向にヒビが入ることがあります。
何をしても絶対にひびが入ったり割れたりしないというわけではありませんが、ルビーは宝石のほうでもかなり丈夫なほうだと言えるでしょう。その硬さから、日常使いにも適した宝石として親しまれているのがルビーです。
1-2.ルビーの語源
ルビーの語源はラテン語で赤を意味する「rubeus(ルベルス)」や「ruber(ルベール)」に由来すると言われています。ルビーは古代ギリシアやローマでは「燃える石炭」と呼ばれていたそうです。燃える石炭と呼ばれる石にはルビー以外の赤い石も含まれていたそうですが、宝石が科学的に分類できるようになるまでの長い間、ガーネットやスピネルもルビーと呼ばれていたりしていた歴史もありますので、そのあたりはかなりあいまいです。
またルビーは和名では「紅玉(こうぎょく)」と呼ばれます。
どちらも鮮やかな赤と言えばルビーと思われていたことを象徴するような名前ですね。
一方古代インドで、ルビーは「ratnaraj(ラトナラージ)」と呼ばれていました。サンスクリット語で「宝石の王」を意味するこの名前からも、ルビーが昔から人々にとって特別な存在であったことが伺えます。
1-3.ルビーの伝説
かなり昔から、ルビーは人類にとって特別な石でした。
古代インドでは、ルビーはその石の中に消えない炎を宿していると信じられていました。炎の色でもあり、血の色でもある真っ赤なルビーは長寿のお守りとしても身に付けられていました。
また現在のスリランカにある古代セイロンでは、ルビーは神話にも登場します。インド神話に登場するラーヴァナの死後、ラーヴァナの血を浴びた石が赤く染まり、ルビーになったという伝説があります。同じく現在のスリランカのあたりに住んでいた古代シンハラ族は、現地で産出されるスタールビーという特別なルビーを、悪い魔法から守ってくれる特別な石と信じて身に付けていました。
ルビーは持ち主を災いから守ってくれるという言い伝えがある地方も多くあります。
現在のミャンマーである古代ビルマには、少し過激な言い伝えがあります。古代ビルマでは、ルビーは「母なる大地の心臓から落ちた血のしずく」と信じられており、不敗のお守りでした。アクセサリーとして身に付けるのではなく、皮膚にルビーを埋め込むことでその効果を得ようとしていたそうです。現代人である我々の感覚では、そこまでして?!と思ってしまいますが、生きるか死ぬかの戦いに挑む戦士にとっては、そこまでする価値がルビーにはあったということでしょう。
1-4.ルビーの歴史
ルビーの歴史は遥か昔、2500年も前にさかのぼります。2500年前というと、日本では縄文時代の終わりから弥生時代の始まり頃でした。そんな昔からルビーの採掘の記録が残っているのですから、すごいですよね。
古代ローマの博物学者プリニウスは、彼の著書『博物誌』でルビーについて記述しています。『博物誌』は天文や地理など、様々な事象について記された全37巻の書物で、宝石についても多くの記述が残されています。驚くべきことに、当時はルビーには雄のルビーと雌のルビーがあると思われていて、雄のルビーの方が輝きが強いと言われていたそうです。現代からするととても信じられないようなことですが、当時の人は本当にそれを信じていたんですね。
科学的な分析ができるようになるまで、様々な赤い宝石がルビーだと勘違いされていました。ルビーが正確に鑑別できるようになったのはなんと18世紀のことです。それまでは、スピネルやガーネットなど、様々な赤い石がルビーと勘違いされてきました。ルビーと勘違いされていた宝石の中でも有名なのが、「黒太子のルビー」と呼ばれるスピネルです。イギリス王家が所有する王冠に嵌められた大きな赤い石は、14世紀に当時のイギリス皇太子が手に入れた時から大きなルビーだと思われていましたが、新しい鑑定技術によりルビーではなくスピネルだと判明しました。
1-5.ルビーの産地
ルビーは世界各地で産出され、同じルビーでも産地によって色や品質などに違いがあります。
ミャンマーはルビーの有数の産地です。
その中でも最高品質といわれているのが、ミャンマー・モゴック産ルビーです。モゴック地方の鉱山から採れるルビーは透明度が高く、不純物が少ないものが多いと言われています。同じくミャンマーのモンスー鉱山のルビーも注目されています。モンスー鉱山は1991年からルビーを産出するようになった比較的新しい鉱山で、色は褐色のものが多くあまり品質が良くないとされていましたが、モンスー産のルビーに合う加熱方法が見つかったことにより美しいルビーが産出されるようになりました。
1960年から1980年にかけては、タイで多くのルビーが産出されました。この年代に市場で出回ったルビーは、ほとんどがタイ産だと言われているほどです。色味は暗いものが多いタイ産のルビーですが、加熱により明るい赤色が発色し人気になりました。
ミャンマーもタイも高品質のルビーの産地として有名になりましたが、現在はどちらの産地でもルビーが採れる量はごく少なくなってしまいました。そのせいもあり、価格の高騰に拍車がかかっています。
かわって2008年頃からルビーが産出されるようになったのが、モザンビークです。モザンビーク産のルビーはオレンジがかったものが多いと言われています。他の産地のルビーとは少し違った色味が魅力的です。
その他にもマダガスカルやベトナムなど、ルビーは世界各地で産出されています。産地ごとに特徴がありますので、たくさんのルビーを見比べてみて、自分好みのものを探してみてください。
1-6.ルビーは誕生石
ルビーは7月の誕生石としても人気です。
誕生石は国によって異なりますが、日本では1958年に全国宝石卸商共同組合によって制定されました。月ごとに1種類か2種類、全部で19種類の宝石が誕生石として定められ、ルビーもその中のひとつでした。もう半世紀以上も、ルビーは誕生石として多くの人に親しまれてきました。その後2021年に新たに10種類の宝石が追加され、現在は29種類の宝石が誕生石になりました。7月の誕生石もルビーとスフェーンの2種類になりましたが、ルビーの人気は揺らぐことはありません。
誕生石は、その月に生まれた人にとって特別な存在です。誕生石を身に付けるとお守りになると言われていて、子どもが生まれた時に赤ちゃんの指につける誕生石のベビーリングを贈るという人もいます。
特別な人に贈る誕生日の贈り物として、誕生石のアクセサリーが選ばれることは多いです。7月に生まれた人は、特にルビーに親しむ機会も多いのではないでしょうか。
2.ルビーの石言葉は3つ。
宝石にはその石それぞれに石言葉があります。石言葉はその石を象徴する言葉です。
宝石の色や、石にまつわる伝説や歴史などに由来するものが多く、ひとつの石にも複数の石言葉があります。また同じ石でも色が違えば違う石言葉がある事も多く、宝石を選ぶひとつの基準にすることができます。見た目の美しさや使いやすさから宝石を選ぶことが多いと思いますが、石言葉を知っていると選ぶ方法が増えますので、参考にしてください。
花に花言葉があるように、石には石言葉があります。石言葉について知っていれば、宝石を選ぶ時にひとつの基準にすることもできるでしょう。
ルビーにも複数の石言葉がありますので、ご紹介していきます。
どれもルビーの美しさや色に由来しているので、聞けば納得する言葉ばかりです。解釈や些細な違いは多くあり、石言葉を全て紹介することはできませんが、そのいくつかについて見ていきます。
2-1.情熱
ルビーの石言葉のひとつ目は「情熱」です。ルビーの鮮やかな赤は炎や血を連想させます。消えない炎や身体を駆け巡る血から、情熱を連想させるのは納得ですね。
熱い情熱を持って目の前のことに取り組みたい時に身に付け、自分の中の潜在能力を発揮させたい時に助けてくれるでしょう。
2-2.愛
ルビーの石言葉のふたつ目は「愛」です。ルビーの象徴する愛は、恋愛だけでなく、家族愛や友愛など、様々な愛をあらわすと言われています。
変わらぬ愛を証明するプレゼントとして、恋人やパートナーに贈るプレゼントとして人気なのは、この愛という石言葉も関係しているのではないでしょうか。片思いをしている時のお守りとして身に付けても良いでしょう。
2-3.美
ルビーの石言葉の三つ目は「美」です。ルビーの美しさは誰もが認めるところですよね。時代を越えて、国境を越えて、その美しさで特別視されてきたのがルビーです。
特にルビーは「宝石の女王」という別名があり、女性と相性が良いとされています。女性の美のパワーを高めてくれると言われている宝石なので、もっと美しくなりたいと思っている方は、ルビーを身に付けてみてはいかがでしょうか。
3.パワーストーンとしてのルビーについて。
良い石言葉を複数持つルビーは、パワーストーンとしての人気が高く、身に付けたり、置物を部屋に置いたりする方もとても多いです。
なぜルビーがパワーストーンとして人気なのか、ルビーの持つ意味と、ルビーと組み合わせると相性の良い石は何か見ていきます。
3-1.ルビーの持つ意味
「情熱」「愛」「美」などの石言葉を持つルビーは、パワーストーンとしてもやはり情熱や愛をあらわすのに加え、持ち主に積極性や行動力を与えると言われています。
「こうなりたい」「自分の持っていないパワーを与えてほしい」、そんな思いで身に付ける人が多いのが、パワーストーンです。普段なかなか積極的になれない人や、恋愛成就を願う人に、ルビーはぴったりです。
3-2.ルビーと相性の良い石
パワーストーンはその石それぞれに様々なパワーを持っています。1種類だけで身に付けるのも悪くはないですが、石の持つパワーをさらに強くしたり、それぞれのパワーを補ったりするために2種類、3種類の石を組み合わせて身に付けるのもとても良い方法です。
ルビーが持つパワーをより発揮できる組み合わせについて、詳しく見ていきます。
3-2-1.ルビー×ダイヤモンド
「宝石の王」と呼ばれ、「永遠」「純潔」の石言葉を持っているダイヤモンドは、「宝石の女王」と呼ばれるルビーと同じく、強いパワーをもったパワーストーンです。強い輝きを持つダイヤモンドは最強のパワーストーンと呼ばれ、未来を切り開く力を持ち主に与えます。ただしダイヤモンドはあまりに大きなパワーを持つので、身に付ける人が振り回され、疲れてしまうことさえあるので注意が必要です。
ルビーとダイヤモンドを組み合わせて使えば、大きなパワーで持ち主を助けてくれるでしょう。ここ一番の大切な場面で使うと積極的に行動でき、思ってもみなかったような成果をもたらすことがあるかもしれません。ただしその大きすぎるパワーに振り回されてしまう可能性もあるのが、ルビーとダイヤモンドの組み合わせです。体調が悪い時やパワーを制御できそうにない時は、あえて身に付けないという選択肢もあります。自分で慎重に考えながら、使用してください。
3-2-2.ルビー×サファイア
サファイアの石言葉は「誠実」で、冷静さや知性を象徴するパワーストーンです。精神を落ち着かせるパワーがあるとされていて、慎重に物事を判断したいときにサファイアは最適だと言われています。身に付けていると仕事でも成功できるとも言われていて、ビジネスマンにも人気のあるパワーストーンです。
もとは同じコランダムという鉱物だったルビーとサファイアは、組み合わせても馴染みが良いパワーストーンです。石言葉が「情熱」のルビーと石言葉が「冷静」のサファイアを組み合わせて、バランス良く行動するパワーを身に付けましょう。
3-2-3.ルビー×エメラルド
エメラルドは「幸運」「夫婦愛」の石言葉を持っているパワーストーンで、愛と癒しを象徴しています。持ち主を優しく包み込むパワーを持っていますので、疲れた時や頑張りすぎてしまう人におすすめの石です。エメラルドは優しい雰囲気を持ち主に与えるので、人間関係を良好にし、恋愛や夫婦仲を良くする効果もあります。
「愛」の石言葉を持つルビーとエメラルドは、恋愛成就を願う人や夫婦仲を円満にしたい人におすすめの組み合わせです。ルビーは積極的な強いパワーを持っているので、恋のライバルに打ち勝ちたい人はぜひ身に付けてください。
3-2-4.ルビー×ローズクォーツ
ローズクォーツの石言葉は「真実の愛」「愛の告白」で、愛を象徴するパワーストーンです。特に片思いの相手と恋人同士になったり、恋人と婚約や結婚したりと愛のステップアップに関わる石とされています。かわいらしいピンク色であることもあって、特に女性に人気の高いパワーストーンです。また、美しいものに関わる良いパワーがある石なので、クリエイティブな職業の人が、仕事がうまくいく効果を求めて身に付ける場合もあるそうです。
愛を象徴するローズクォーツと、同じく「愛」の石言葉を持つルビーは、組み合わせるととても相性が良いパワーストーンです。恋愛で成功したい人、特にこれから告白をしたい人には、行動力を与えるルビーとローズクォーツがパワーを与えてくれるでしょう。
3-2-5.ルビー×アメジスト
2月の誕生石としても人気のアメジストは「高貴」「心の安定」「誠実」の石言葉を持つ人気のパワーストーンです。真実の愛を象徴すると言われるアメジストは、燃え上がる愛というよりは落ち着いた愛を育む石と言われています。恋は盲目と言いますが、アメジストは持ち主に、恋愛においても物事を冷静に判断するパワーを与えます。恋愛をしていて浮足立つ心を抑えてくれるでしょう。
同じく愛を象徴するパワーストーンですが、「情熱」の石言葉を持つルビーと「誠実」の石言葉を持つアメジストは、違う方面で持ち主をサポートしてくれます。恋愛相手が嘘をついていないか、誠実な人なのか見極めたい時に効果を発揮するでしょう。
4.ジュエリーとしてのルビー
パワーストーンとしての人気が高いルビーですが、もちろんジュエリーとしてもとても人気です。
ルビーは品質も価格もピンキリで、数千円で購入できるものもあれば、数十万円、数百万のものまで様々です。ジュエリーの種類やデザインも様々なものがあるので、予算に応じて、お好みのものを選ぶことができます。
4-1.ルビージュエリーの価値を決める基準は主に二つ
ルビーの価値には、様々な基準があります。
何に価値を感じるかは人それぞれではありますが、その基準をいくつか見ていきます。
4-1-1.個人的な価値
人生の節目に購入したものや大切な人からもらったものなどで、普段から愛用するジュエリーがあるという人は多くいると思います。そのようなジュエリーは、ルビーの品質や価格に関係なく、自分にとってとても価値があるものです。思い出には何より価値があります。買った時や貰った時の気持ちは、何にも代えがたいものですよね。市場価値に関係なく、思い出のジュエリーは二度と手に入りません。普段から手入れを怠らず、大切に使用してくださいね。
4-1-2.市場的な価値
個人的な価値は別として、市場価値で言えば、ルビーで最も重要なのは色だと言われています。
透明度が高く明るく濃い赤い色が、価値が高いルビーの特徴です。ピジョンブラッドと呼ばれる色合いのルビーが最高品質とされています。ミャンマーのモゴック産のルビーは最高品質で、価格も高く設定されていることが多いです。
次に重要なのはカラット数、つまり重さです。カラットとは宝石の重さをあらわす専用の単位で、1カラットは約0.2グラムほどです。重さの単位ではありますが、重い宝石は大きいので、大きさと考えてもほとんどの場合差し支えありません。小さな宝石よりも大きな宝石の方が、単純に価値は高いです。目に見えてわかる、判断しやすい価値基準です。
4-2.鑑別書はかなり重要。
宝石には、その価値を示すための証明書が付くことがあります。ダイヤモンドの時は鑑定書、ダイヤモンド以外の宝石の時は鑑別書と呼ばれる証明書には、宝石の様々な情報が記載されており、所有している宝石の価値を客観的に証明するものです。
ダイヤモンドだけは4Cと呼ばれる特別な評価基準があり、証明書は鑑定書と呼ばれます。その他の宝石につく証明書は鑑別書で、ルビーの品質も鑑別書によって証明されます。
鑑別書は、すべてのルビーに必ずついているものではありません。気になるようであれば、購入前に鑑別書がついているかどうか確認しましょう。別料金で鑑別書を付けてくれる場合もありますよ。
鑑別書には宝石の種類や、天然のものかどうか、何か処理をされているかどうか、カラット数など様々なことが記載されています。特に宝石が天然かどうか、処理がされているかどうかは宝石の価値にも関わりますので、きちんと確認しておきましょう。
もうひとつ確認しておきたいのは、その鑑別書はどこで発行された物かということです。宝石の鑑別をする機関は国内外に多くあります。鑑別書を発行した機関がきちんと信頼を置けるところなのかは、確認する必要があります。
5.ルビーを選ぶ時のポイント
もうすでに持っているものは別として、新しくルビーを購入するときにはできるだけ良いものを購入したいですよね。
良いルビーといっても、その基準は人それぞれです。もしすごく気に入るものがすぐに見つかればそれが一番ですが、たとえばふたつのルビーがあって、どちらも気に入るデザインで価格もそんなに変わらない…という時は、どちらを買うかとても悩むと思います。そういった場合、少しでも良いルビーを買いたいですよね。価格は同じくらいでも、ジュエリーの価格は様々なことを考慮して付けられますので、単純にルビーの品質が良い物が高価とも限りません。また同じデザインでも、セットされているルビーはひとつひとつ違います。
悩んだ時にルビーのどんな所を見ればいいのか、いくつか項目を挙げますので参考にしてみてください。
5-1.ルビーの色
コランダムの中で赤い者だけがルビーと呼ばれるのですが、赤にもたとえば紫っぽい赤やオレンジっぽい赤など幅がありますよね。
一般的に価値が高いとされているルビーの色は、その中でも純粋な赤から僅かに紫がかった赤とされています。透明度が高いほど良く、色の明るさは明るすぎても、暗すぎてもいけません。暗い色のルビーは石全体の明るさに影響しますし、明るすぎるとルビーではなくピンクサファイアに分類されてしまうからです。
どこまでがピンクサファイアで、どこからがルビーなのかの判断は明確ではありません。宝石の鑑別をする機関によって、あるいは国や判別する人によっても違います。ルビーとして売られている石でもピンクサファイアに見えるものがあるかもしれませんが、絶対的に間違いとも言い切れないのが難しいところです。絶対に良いルビーがほしい!と思ったらピンクっぽいものは選ばないほうが無難かもしれませんが、ピンクサファイアにも美しいものは多いので最終的には自分で判断するしかありません。
5-2.インクルージョン(内包物)
宝石は大きくなる過程で、様々な物質が入り込むことがあります。宝石内部に入り込んだ液体や気体、その他の物質はインクルージョン(内包物)と呼ばれ、宝石の価値を大きく左右します。インクルージョンには多くの種類があり、美しく見えるものは宝石の価値を上げるものもありますが、宝石の価値を下げてしまうことの方が多いです。見た目の美しさを下げてしまうという理由もありますし、インクルージョンから宝石にヒビが入ってしまうことがあるのもインクルージョンが好まれない理由です。
流通するルビーのほとんどには、このインクルージョンが含まれています。ある程度のインクルージョンは仕方がないとするべきですが、あまりに大きいものや目立つ位置にあるものは、ルビーの価値を大きく下げてしまいます。ジュエリーとして販売されているルビーはインクルージョンが目立たないようにカットされていたり、土台にセットする時に工夫されているものが多いです。ですがそれもやはりピンキリですので、購入する前にルビーをよく観察して、肉眼でインクルージョンがハッキリと見えるものは避けたほうが良いでしょう。
5-3.ルビーの加工
ルビー自体は天然のものでも、販売する前に美しく見えるように様々な加工がされている事が多い宝石です。ルビーのほとんどが加工されているので、加工されているから品質が悪いというわけではありません。
たとえば同じくらいきれいなルビーがふたつあって、ひとつは無加工、もうひとつは加工された物である時に無加工の物が高値で取引されるということはあります。ですが加工されているかどうかは素人が見た目で判断できるものではありませんし、そこまで気にする必要はないとも言えるでしょう。あくまでどちらのルビーを購入するか迷っている時の基準のひとつとしてではありますが、ルビーの加工について知っておいても損はないと思いますので紹介します。
5-3-1.加熱加工
ルビーの加工として最もよく行われているのが加熱(ヒート)です。採掘された瞬間から美しい赤色をしているルビーなら良いのですが、そうではない物も実際には多くあります。そういう時に施されるのが加熱処理です。特にルビーは加熱処理で美しい色を発色し、内部の小さなインクルージョンに影響を与えますので加熱処理されたルビーは珍しくありません。
加熱処理されているからルビーの価値が下がるというわけではないのですが、非加熱のルビーは特にノンヒートと呼ばれて取引されることもあります。
5-3-2.含浸加工
ルビーは表面または内部に小さな傷や窪みがあるものも多くあります。その傷や窪みをなくし、美しく見せるのが含浸加工です。
ルビーの場合はガラスで内部のヒビなどを見えづらく、石がより透明に見えるようにします。場合によってはそのガラスの量がかなり多くなり、もとのルビーよりもガラスの方が多いということもあるそうです。
加熱処理と違い、含浸処理を施されたルビーは価値が大きく下がります。また含浸処理した部分は衝撃にも弱くなります。
大きなルビーが信じられないほど安く売られている場合は、ほとんどがこの含浸処理が施されていると思って間違いないでしょう。それでも見た目は美しいので、ルビー自体の価値を気にしないのであればお手軽にルビーを購入できます。
(まとめ)ルビーの色や石言葉を知って、より身近に感じよう!
ルビーについて、産地や石言葉などをまとめてみました。
今までなんとなくきれいだなと思っていたルビーについて、理解を深めることができましたか?少しでも知識を得ることができたと思ったら、なんとなく買ったルビーや、プレゼントされて大事にしていたルビーを改めてよく見てみてください。「ただ赤いと思っていたルビーだけど、どっちかというと紫っぽいかも?」「石言葉みたいに、身に付けていると情熱的になれる気がする!」など、新たな発見があるかもしれません。
今持っているルビーだけでなく、これから購入する時に、この記事にあった色や産地について、石言葉について参考にしてくだされば嬉しいです!