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2023年7月09日

【デカ厚ブームの先駆け】パネライとは?歴史や魅力を徹底解説

時計

パネライといえば大ぶりでシンプルな時計が思い浮かぶように、デカ厚ブームの草分け的存在として知られていますが、最近では多機能モデルや自社製ムーブメント、女性向けシリーズなど多種多様にパネライの世界観を拡げています。高級時計ブランドとして再スタートしたのは90年代のことですが、元々精密機器メーカーとして名を馳せていたのもあり、技術力には定評がありました。この記事ではパネライの歴史、特徴、シリーズや芸能人、注目モデルについてまとめます。

目次

1.【デカ厚ブームの先駆け】パネライの歴史

1-1.1860年イタリアフィレンツェで精密機器の工房として創業

1860年ジョバンニ・パネライによってフィレンツェのグラツィエ橋に時計店をつくったのが始まりです。元々輸入時計の販売や修理、照準器などの光学機器の制作を行っていました。時計工房としてだけではなくフィレンツェ初の時計製造学校としての役割もあったと言われています。

1876年からフィレンツェ市内の様々な場所に移転後、1920年に現在の場所に落ち着きました。サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の前のアルチヴェスコヴィレ宮に店舗を構えました。OROLOGERIA SVIZZERA(オロロジェリア・スヴィッツェラ)」という屋号を掲げ、この名前はフィレンツェにおける高級時計の代名詞となっています。

1916年、イタリア海軍向けに照準器などの精密機器を納めていました。軍からの要請により海軍の少佐にも協力してもらいながら、ラジウムを使用した粉末を計器やダイヤルの照準器に塗布することで、暗い場所でも高い視認性を確保することができるようになりました。こうして生まれたラジオミールはフランスで特許を取得しており、パネライの主力製品となっています。

1935年イタリア海軍からの新たな要求は潜水用時計でした。それに応えるように生まれたのがラジオミールです。最初の試作品は1936年、その後4年かけて完成度を高めていき、できあがったのがRef.3646です。

Ref.3646は現在のラジオミールへ様々な特徴を受け継いでいます。大型ケースサイズ47mm、より視認性を高める効果のあるサンドイッチ文字盤、クラシックな印象のワイヤーラグ、12・3・6・9のアラビアインデックスとバーのアワーマーカーの組み合わせなど、雰囲気は現行のラジオミールそのもの。受け継がれてきたDNAを感じさせます。

1949年新たにルミノールという名前の発光・蛍光物質の特許を取得しました。軍事・民事ともに開発が進んだことで、放射性物質を含む素材への取り扱いを配慮した名称にする必要があったためです。

1950年代に入り、40年代から構想のあった将校のためのクロノグラフ搭載モデルの試作を行いました。しかし実際には2〜3本だけの製造に留まり、現在では撮影用と試作品1本だけが残っています。

1956年「GPF-2/56」というダイバーズウォッチを開発し、エジプト海軍へ納めました。エジプシャンの愛称で呼ばれるこのモデルはケースサイズ60mmの圧倒的なインパクト、軍事使用を想定した堅牢さ、潜水時間を計測できる回転式ベゼルを搭載していました。ムーブメントはアンジェラス製で8日間のパワーリザーブと高いスペックを誇っています。ちなみにパネライのモデルに多くに採用されているリューズガードはこのモデルからで、サブマーシブルのルーツとなっています。

1972年ジュゼッペ・パネライの死去により、エンジニアでありイタリア海軍士官を務めたディノ・ゼイに家業を引き継ぎました。このとき、G. パネライ&フィグリオ(G. Panerai & Figlio)」から「オフィチーネ パネライ(Officine Panerai S.r.l.)へブランド名を変更しています。

1-2.1993年から高級時計ブランドとして再スタート

1993年東西冷戦の終結により軍用需要が激減したことへの対策として、一般向け腕時計の参入を決断しました。ケースサイズ44mmの「ルミノール」と「ルミノール マリーナ」、そして42mmの「マーレノストゥルム」クロノグラフからシリアルナンバー入りの合計10種類が展開されました。イタリア海軍特殊潜水部隊からの要請で生まれた時計たちでしたが、この年に軍事機密指定が解除されたことで公開を決めたのでした。

アメリカの俳優シルベスター・スタローンとのコラボモデル「スライテック」が生まれたのは1996年公開のデイライトに合わせてのことです。「スライ」はシルベスター・スタローンの愛称で、映画で着用するために依頼した特注品です。

1-3.1997年リシュモングループ傘下へ

1997年パネライはリシュモングループ(当時はヴァンドームグループ)の傘下に入り、翌年1998年のSIHHでデビューしました。ルミノール、ルミノールマリーナ、マーレノストゥルムを公開し、高い評価とデカ厚時計ブームの波を起こしたのでした。

2001年フィレンツェのサン・ジョヴァンニ広場にあったパネライ一族所有のブティックを獲得し、現行のコレクションや限定モデルを展開する特別なブティックとしてオープンしました。

2002年にはスイスヌーシャテルにマニュファクチュールを設立。これ以降パネライは自社製ムーブメントの開発など、時計製造技術を磨き上げていきます。2005年には自社製ムーブメントCal.P2002を開発。1950年採用したアンジェラス製のムーブメントと同じ8日間パワーリザーブを備えています。2007年にP2003・P2004・P2005、2008年にP2006とP9000と続けて自社製ムーブメントを発表しています。

2013年にはスイス・ヌーシャテルの丘陵地帯にあるピエール・ア・ボットに新たなマニュファクチュールを建てました。新しいマニュファクチュールでつくられるのはミニッツリピーターといった複雑系やルミノールドゥエのような新しい世界観のパネライなど、新たなパネライをつくっていく工場となっています。

2.【デカ厚ブームの先駆け】パネライの魅力

2-1.堅牢で視認性の高いデカ厚ブームの先駆け的存在

現在でも続いているデカ厚ブーム、ケース径が大きく分厚い時計のトレンドの火付け役はパネライだったと言われています。1998年、リシュモングループ傘下となったパネライ初のSIHHで44mmケースサイズの時計が発表されたとき、大きな注目を浴びました。当時の主流といえば35mm〜38mmだったため、強烈なインパクトを残したとされています。

その後様々なメディアで取り上げられるようになり、今ではスタンダードなサイズは38mm〜42mmとなっています。雲上時計と言われるパテック・フィリップやヴァシュロン・コンスタンタンですらサイズアップをするほど、時計業界全体を巻き込んだ動きとなりました。

しかしパネライは決して奇をてらったわけではありません。ルーツとなる1935年のラジオミールは47mm、その後改良されてリューズガードを付けたルミノールも47mmと軍用時計だったこともあり、軍服の上から付けることを想定していたのかもしれません。1997年に民間向けに発表されたルミノールはそれらをルーツとするため44mmの大型時計として発表されたのでした。そこに目をつけたリシュモングループの先見の明と審美眼の賜物といえるでしょう。

2-2.発光力の強いサンドイッチ文字盤

パネライのデザインで大きな特徴の一つがサンドイッチ文字盤です。通常、文字盤に対しインデックスはプリントするか立体物を留めるかとなりますが、サンドイッチ文字盤は文字盤のインデックス部分に穴を開け、文字盤の下に夜光処理されたディスクを入れることで、より明るく、しかも立体的に見せることに成功しています。

元々は3枚構造で、上のプレートに穴を開け下のプレートに夜光処理を施し、間にプレキシガラスを挟み込んで塗料を保護する手法でしたが、現在では上記のような2枚構造となっています。軍用に時計を卸していた際にも採用されましたが、あまりにも夜光処理が明るすぎて敵に見つかるため、改良を求められたというエピソードがあります。

植字のような立体物に夜光処理を施した場合、暗い場所で見ると放射状に光るため輪郭がぼやける傾向があります。しかしサンドイッチ文字盤のように文字盤で光る方向が矯正されている場合はしっかりと輪郭が見えるようになるため、任務で使うようなできるだけ短時間で時刻を見る場合に有用な機能です。

2-3.どのシリーズにも共通のデザインベースをもっている

パネライのシリーズはどれを見ても、共通のデザインコードとなっています。パネライらしいデザインと一言で言うこともできますが、歴史を知れば理解が深まります。

前述の通り、パネライの腕時計はラジオミールに始まり、ルミノールへ続きマーレノストゥルムやサブマーシブルへ展開していきました。ルミノールはラジオミールを改良したデザインとして開発され、サブマーシブルはルミノールから派生したエジプシャンがルーツとなっています。つまりそれぞれのシリーズは遡っていくとすべてラジオミールに通じており、同じデザインから派生しているため似た雰囲気をもっているのです。

軍用時計に特化したメーカーが一般向けに販売を始めたこともあり、通常の腕時計メーカーのように幅広い商品展開ではなかったことも理由の一つです。軍事活動向けにつくられていたこともあり、多機能モデルやスポーツウォッチ、ドレスウォッチの展開といったブランディングの歴史もこれからといったところです。逆にいえばパネライの雰囲気が好みであれば、これから広がっていく世界観は楽しみであるといえるでしょう。

3.【デカ厚ブームの先駆け】パネライの代表シリーズ

3-1.ルミノール

ルミノールはパネライのアイコン的存在となるシリーズです。パネライが特許を取得した夜光塗料がシリーズ名の由来で、先立って開発されたラジオミールを改良して1950年に発表されました。

パネライが1997年に民間向けの展開を始める際に選んだのはラジオミールではなくルミノールでした。様々な理由が考えられますが、リューズガードの有無は当時業界を驚かせたデカ厚時計としての展開にさらにインパクトを与えるためのものだったかもしれません。

今ではパネライを代表するシリーズとして多くのモデルが発表されており、後述のサブマーシブルなど独立したシリーズとなったものもあります。クロノグラフ、GMT、ケースデザインにこだわったハイエンドの1950など幅広く展開されています。ケースサイズが40mm〜50mmとバリエーション豊かなのも特徴です。

3-2.ルミノール1950

ルミノール1950はパネライの基幹シリーズとなるルミノールのハイエンドモデルです。1950の名の通り、ルミノールの初期モデルに着想を得てつくられており、ルミノールよりも立体感のあるケースデザインが特徴となっています。

リューズガードに刻まれた「REG.T.M.」(Registered Trade Mark)の文字が刻印されており特許を取得していること、日付窓に拡大レンズがないことがわかりやすい点です。ルミノールよりも丸みを帯びたすり鉢状の曲線ケース、大きめのRが付き脚の長めのラグなど基となるラジオミールのDNAを感じさせるデザインとなっています。

3-3.ルミノールドゥエ

ルミノールドゥエは2016年発表のシリーズで、これまでのルミノールをベースにサイズダウンしたことで幅広いユーザーがパネライを候補に入れることとなりました。使い勝手はそのまま45mm〜38mmのケースサイズとなり、女性ユーザーが増えるきっかけとなっています。革ベルトや文字盤バリエーションについても女性ユーザーを意識したエレガントさを重視したデザインが多くなっています。

ドゥエとはイタリア語で数字の2を意味しており、ルミノールの第2世代を表していると言われています。これまでのデカ厚ブームからサイズダウンへの流れを感じた時計業界のトレンドに乗るための変革のシリーズといえます。

3-4.ラジオミール

ラジオミールはパネライが開発した夜光塗料からとった名前です。ラジウムを主原料とした塗料で主に軍用の時計、計器のダイヤルに塗布され夜間でも高い視認性を誇っていました。当時のパネライは暗闇を基本とする特殊潜水部隊での使用が主だったため、暗い場所でも視認できる機能が不可欠でした。1935年イタリア海軍からの要請により開発されたのがラジオミールを塗布したダイバーズウォッチがラジオミールのルーツです。

1997年リシュモングループ(当時ヴァンドームグループ)の傘下となった後、限定モデルとしてラジオミールを復刻した際の人気ぶりに2004年にはレギュラー入りを果たしました。

実はラジオミールこそがパネライのルーツであり、ルミノールはラジオミールの改良版といえるため、デザインコードはかなり似通っています。ラジオミールをルミノールと一目で見分けられるのはリューズガードの有無です。また、クラシックなワイヤーラグを採用しているラジオミールケースと、モダンなデザインにチューニングされたラジオミール1940ケースに分かれています。ラグ形状の変更などちょっとしたパーツの差ですが、好みのデザインを選びやすい仕様です。

3-5.サブマーシブル

サブマーシブルはパネライによる本格ダイバーズウォッチシリーズです。42mm〜47mmで展開される大型ケース、300mを超える防水性、大型のリューズガードなど堅牢さに重きがおかれた重量のあるシリーズです。

サブマーシブルの源流はルミノールです。1956年にエジプト海軍潜水特殊部隊用のダイバーズウォッチとして開発されたモデル(後にエジプシャンと呼ばれる)は、ルミノールのプロトタイプとされています。このデザインを基に開発されているのがサブマーシブルです。ちなみにこのエジプシャンは後にエジツィアーノという名前で復刻されますが、ケースサイズ60mmの規格外サイズでした。しかし世界限定500本はすぐに完売の人気ぶりです。

2019年にサブマーシブルとして独立しますが、それまではルミノールの中の派生モデルといった扱いでした。その影響で文字盤ロゴが「LUMINOR SUBMERSIBLE」から「PANERAI SUBMERSIBLE」に変更されています。

3-6.フェラーリスクーデリア

フェラーリスクーデリアは高級車メーカーのフェラーリとのコラボレーションで生まれたシリーズです。2006年から5年間パートナーシップを結び、数々のモデルを発表しました。

パネライのデカくて厚いケースに丸みを強調させたクッションケースが特徴です。文字盤カラーはブラック、イエロー、レッドが展開されましたがいずれもフェラーリの跳ね馬ロゴが存在感のあるシンプルなデザインに仕上がっています。クロノグラフ、GMT、パーペチュアルカレンダーなど多機能で展開されており、パネライの中では異色の存在です。

既に廃盤となっているシリーズですが、パネライの堅牢さとフェラーリの高級感がマッチし機能も豊富なので、2022年現在でも中古市場での人気が衰えていません。

4.【デカ厚ブームの先駆け】パネライを着けている芸能人・有名人5選

4-1.俳優 成田凌 ルミノールマリーナ3DAYS アッチャイオ Ref.PAM00312

俳優 成田凌さんが着けているのはルミノールマリーナ3DAYS Ref.PAM00312です。成田さんはドラマなどでオメガスピードマスター、コンステレーションを着けていたのが知られています。比較的コンサバなデザインが好まれているようです。

同様にドラマで着用されていたルミノールマリーナ3DAYS アッチャイオ Ref.PAM00312は最もポピュラーなルミノールの一本です。自社製ムーブメントCal.P9000を搭載し、パワーリザーブは3日間、アッチャイオとは鉄を意味しておりステンレスケースを採用しているため実用的です。パネライのアイコン的存在といえる一本です。

4-2.俳優 田中圭 ルミノール マリーナ ロゴ アッチャイオ Ref.PAM00660

俳優 田中圭さんが着けているのはルミノール マリーナ ロゴ アッチャイオ Ref.PAM00660です。田中さんはロレックス、ティソ、セイコーといったシンプルさが特徴のブランドの時計を主に着けているのが見られています。重厚感というよりはラフなイメージの時計が好みのようです。

Ref.PAM00660は44mmのスタンダードなルミノールです。ステンレスケース、汎用ムーブメントを改良したものを搭載しているのもあり、コストパフォーマンスに優れています。現行では自社製ムーブメントへの置き換えが進んでいるパネライですが、使い勝手とコストパフォーマンスでいえば、中古市場でのこういった基本モデルを候補に入れるのも悪くない選択といえます。

4-3.俳優 桐谷健太 ラジオミール8デイズチタニウム Ref.PAM00346

俳優 桐谷健太さんが着けているのはラジオミール8デイズチタニウム Ref.PAM00346です。桐谷健太さんは普段スポーティーな時計を好んで着けており、ロレックスサブマリーナやGSXの時計をよく使っているようです。

Ref.PAM00346はシンプル・クラシックなラジオミールの一本で、チタン製ケースの鈍いグレーが印象的です。軽量でキズがつきにくく、大振りなラジオミールとの相性は抜群。自社製ムーブメントCal.P2002/9を搭載しており、3デイズの通りパワーリザーブは3日間となっており、デカ厚のパネライウォッチですが取り回しもよく使い勝手の良い一本です。

4-4.俳優 ジェイソン・ステイサム サブマーシブル Ref.PAM00382 ブロンズ

俳優 ジェイソン・ステイサムさんが着けているのはサブマーシブル Ref.PAM00382 ブロンズです。ジェイソン・ステイサムさんはゴツい時計好きでタグホイヤー、IWCや映画トランスポーターではパネライの時計を多く着用しています。

Ref.PAM00382はサブマーシブルのブロンズ(銅)ケースモデルで、2011年発表の世界生産限定1000本です。ブロンズ製のケースは酸化して変色していくため、経年の変化が楽しめます。深めのグリーン文字盤ともマッチしており、古くからあるヴィンテージウォッチのような風合いが特徴です。自社製ムーブメントCal.P9000を搭載しており、3日間のパワーリザーブで実用性の高いモデルとなっています。

4-5.俳優 石坂浩二 フェラーリスクーデリア Ref.FER00022

俳優 石坂浩二さんが着けているのはフェラーリスクーデリア Ref.FER00022です。石坂さんは時計好き、という情報はあまり見られませんが、アランシルベスタインとパネライの2本を着けているようです。かなり変わったチョイスです。石坂さんはフェラーリずかんという本を出版するほどフェラーリを愛用していることが知られており、パネライフェラーリが選ばれた大きな理由と思われます。

フェラーリスクーデリア Ref.FER00022は自社製ムーブメントP2003/5を搭載しており、GMT、3日間パワーリザーブを備えています。GMT針の午前午後を判別するインダイヤルも備えています。跳ね馬のロゴなど、デザインが独特なのでフェラーリファンにはたまらないモデルとなっています。

5.【デカ厚ブームの先駆け】パネライのおすすめモデル5選

5-1.ルミノール 1950 イクエーション オブ タイム 8デイズ GMT チタニオ Ref.PAM00670

Ref.PAM00670は多機能を備えたルミノール1950です。1950年代のルミノールを基にした古き良き時代の雰囲気をまといつつ、均時差という珍しい機能を備えています。天体を一定の速度で動くと考えた平均太陽と実際の天体の動きからみる時刻の差で、その時間差を6時位置のインジケータで表示する機能です。

自社製ムーブメントのP.2002/Eを搭載しており、3時位置の月と日付、中心に時針に同期して動くGMT針、9時位置にスモールセコンドと午前午後を示す針と多くの機能を備えています。パワーリザーブは8日間で、チタン製のケースを採用することで軽量でキズがつきにくく日常使いしやすい機能が多く備わっています。

5-2.ラジオミール 1940 3デイズ GMT アッチャイオ Ref.PAM00657

Ref.PAM00657はラジオミールの中でもモダンなケースデザインが特徴の1940です。ワイヤーラグからケースに沿うような形状のラグへ、厚みが抑えられておりスリムに仕上がっています。文字盤は縦に溝を切ったストライプ模様となっており、高級感と立体感が際立っています。植字インデックスを採用していますが、サンドイッチ文字盤と同じフォントを採用しています。

ムーブメントは自社製Cal.P4001を搭載しており、文字盤中央は時分針とGMT針となっています。9時位置にスモールセコンドと午前午後を表示するインダイヤルとなっています。シースルーバックからはマイクロローターとパワーリザーブの表示を見ることができます。マイクロローターは最近では自社製ムーブメントなど、高級機でしか見る機会のない機構なので、希少さも品格を底上げしています。

5-3.ルミノールドゥエ Ref.PAM01248

Ref.PAM01248はルミノール第二世代と言われるルミノールドゥエの一つです。機能はシンプルな3針・日付表示となっており、サンドイッチ文字盤やリューズガードなどルミノールの特徴をしっかり残しています。

最大の特徴はパネライとして最小サイズの38mmケースです。自社製ムーブメントCal.P900を開発したことで「パネライ=デカ厚」の殻を破ることに成功しています。文字盤は放射状のサンレイ仕上げで、カジュアルな印象なので女性も手に取りやすいデザインに仕上がっています。

5-4.サブマーシブルブルーノッテ Ref.PAM01068

Ref.PAM01068は2021年発売のサブマーシブルです。これまでのような黒文字盤のサンドイッチ文字盤ではなく、ブルーノッテ=ミッドナイトブルーの文字盤を採用しており、他ブランドでも共通で見られるダイバーズウォッチの雰囲気をもっています。同時にクッションケースや大振りなドットインデックスなど、パネライの雰囲気もしっかり残されています。

セラミックベゼルや3時位置の日付表示、300m防水性などポピュラーなダイバーズウォッチと同じように使うことができるのも安心です。ムーブメントは自社製の自動巻きキャリバーCal.P900を搭載しており、3日間のパワーリザーブも使い勝手の良い点です。

5-5.ルミノール クアランタ レイザー スペシャルエディション Ref.PAM01353

Ref.PAM01353は2022年新作で、ゲーマー向けのブランド「レイザー」とのコラボレーションモデルです。500本限定生産となっており、パネライブティックか公式HPのみの展開です。レイザーのブランドカラーとなるブラックとネオングリーンで構成されており、黒文字盤に9時位置のインダイヤルで動くスモールセコンドがネオングリーンとなっています。

パネライはサステナビリティへの取り組みを積極的に行っており、Ref.PAM01353についても eSteel というリサイクルスチール合金を採用し、ブラックDLC加工を施し強度や質感をアップさせています。ムーブメントは自社製自動巻きキャリバーCal.P900を採用しています。

6.【デカ厚ブームの先駆け】パネライ

パネライの歴史、魅力、代表シリーズなどをまとめました。パネライ=デカ厚時計といった世界的なトレンドを生みつつも、第2世代としてデカ厚時計からの脱却を図るなど、これからが楽しみなブランドとなっています。マニュファクチュールを建てることで複雑系の開発など、これまでにないパネライの世界観が広がっていくことが期待されています。パネライの時計を見かけたらぜひ一度てにとってみてください。

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