2025年5月09日
【昔は安かった!】シャネルマトラッセの20年前と現在の定価推移!2025年版

シャネルのアイコンバッグ、マトラッセ。その洗練されたデザインと圧倒的な存在感は、世界中の女性を魅了してやみません。しかし、欲しいと感じて値段を確認してみると「高すぎて買えない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
マトラッセはシャネルのアイコンバッグとしての地位を確立しており、今や入手困難なバッグとして高い人気を誇っています。その一方で、近年の値上げ状況はすさまじいものがあり、簡単には手の出せない価格帯となっているのです。
そんなマトラッセの20年前の価格を知って驚く方も多いことでしょう。現在のマトラッセは軒並み定価が100万円を超えるものが珍しくありませんが、20年前は比較的手の届きやすい価格でした。
そこで、本記事では、20年前と現在のマトラッセの値段の推移をくわしく解説します。また、なぜこれほどまでに価格が上昇し続けているのか、その理由にも触れていきます。マトラッセの購入を検討している方や、ヴィンテージシャネルの魅力について知りたい方の参考となれば幸いです。
目次
1.シャネルのマトラッセとは
マトラッセとは、そもそもシャネルの創業者であるココ・シャネルが、1929年に発表したショルダーバッグを原型としています。しかし、現在の私たちが「マトラッセ」としてイメージする、チェーンストラップとキルティング加工、そしてフラップに配されたCCマークが特徴的なデザインは、1955年2月に発表された「2.55」バッグが始まりと言われています。
当時、女性が持つバッグといえば、手に持つクラッチバッグやハンドバッグが主流でした。女性の自由と快適さを追求したココ・シャネルは、両手が使えるようにと、チェーンストラップのショルダーバッグを着想しました。これにより、女性たちは手ぶらで活動できるようになり、より自由に、そして自立した活動ができるようになったのです。マトラッセは、単なるファッションアイテムではなく、女性のライフスタイルを変革する画期的なバッグだったと言えるでしょう。
マトラッセの象徴的なデザイン要素として、キルティング加工も欠かせません。この加工は、シャネル独自のデザイン性はもちろん、ふっくらとした質感と立体的なシルエットが大きな魅力です。さらに、バッグの耐久性を高める役割も果たしています。
ココ・シャネルの革新的な発想、シャネル独自の洗練されたデザイン、最高級の素材と熟練した職人の手仕事によって生み出されるマトラッセは、時代を超えて受け継がれる価値を持つアイコンバッグなのです。
2.マトラッセの値段の推移
多くの魅力あふれるマトラッセですが、「高すぎる」という声も多く聞かれます。ここからは、20年前と10年前、現在のマトラッセの値段の推移について解説します。
2-1.20年前の定価・昔は安かった?
20年前(2000年代前半頃)のマトラッセの定価は、サイズや素材によって違いはあるものの、おおよそ15万円から20万円程度で購入することが可能でした。現在のマトラッセの定価が軒並み100万円を超えていることを考えると、これはまさに衝撃的な価格差と言えるでしょう。「昔は安かった」という情報は、決して間違いではなかったのです。
もちろん、当時の感覚で15万円~20万円が決して「安い」金額ではなかったことは確かです。それでも、現在の価格と比較するとお手頃に感じられるはずです。
例えば、2000年代前半の日本の大卒初任給の平均が20万円程度だったことを考えると、マトラッセの定価は初任給とほぼ同額、あるいは少し高いくらいでした。当時の日本経済や物価水準を考慮しても、マトラッセは憧れのブランド品であることに変わりはありませんでしたが、今のような、あまりにも手の届かない存在ではなかったと言えるでしょう。
2-2.10年前の定価
マトラッセの定価はその後、緩やかながらも着実に上昇を続け、約10年前(2010年代前半頃)には、40万円から50万円程度が目安となっていました。わずか10年の間に、定価がおよそ倍、あるいはそれ以上に上昇していることが分かります。
この時期には、リーマンショックからの世界経済の回復に伴う富裕層の購買力向上や、新興国におけるブランド品需要の増加といった世界的な経済状況の変化がありました。また、シャネルがブランド価値を高め、より富裕層の顧客にアピールするための戦略として、意図的に価格を引き上げていった側面も考えられます。
2-3.2025年現在の定価・高すぎて買えない?
2025年現在、マトラッセの定価は、まさに「高すぎる」「高すぎて買えない」と感じるほど値上げされています。ここでは、2024年3月改訂後の代表的なマトラッセバッグの定価をご紹介します。
アイテム名 | 定価(税抜) | 品番 |
マトラッセ17 | ¥805,200 | A35200 |
マトラッセ20 | ¥838,200 | A69900 |
マトラッセ23 | ¥1,676,400 | A01113 |
マトラッセ25 | ¥1744,600 | A01112 |
マトラッセ30 | ¥1,879,900 | A58600 |
マトラッセ33 | ¥1,981,100 | A58601 |
代表的なサイズであるマトラッセ23や25は150万円を超えており、ミニマトラッセでさえ、80万円台という高価格帯です。20年前の15万円~20万円という価格と比較すると、現在の価格は約10倍上昇していることがわかります。この驚異的な価格高騰は、多くの人にとって、マトラッセが「憧れ」から「手が届かないアイテム」へと変わってしまったと感じさせる十分な理由となっています。
3.マトラッセが高すぎる!値上げの理由とは
マトラッセがこれほどまでに高騰し続けているのはなぜなのでしょうか。ここでは、その理由を5つにわけて解説します。
3-1.原材料費や輸送費の高騰
マトラッセは、最高級の素材と熟練した職人の手仕事によって生み出されていますが、近年、その製造に不可欠な高品質な素材の価格が世界的に高騰しています。特に、マトラッセによく使用されるラムスキンやキャビアスキンといった天然皮革は、供給量が限られているため、需要が高まると価格が上昇しやすい傾向にあります。
また、これらの素材を加工するための薬品や、製造に必要な金属部品などの原材料費も上昇しています。さらに、完成したバッグを世界中のブティックへと輸送するための輸送費も高騰しているのです。このように、原材料費や輸送費といった製造にかかるコストの上昇は、マトラッセの価格を押し上げる大きな要因の一つと言えるでしょう。
3-2.為替相場や円安の影響
シャネルはフランスに拠点をおくブランドであり、商品の製造や仕入れは主にユーロ圏で行われています。そのため、日本円でマトラッセを購入する際には、ユーロや米ドルに対する為替相場が大きく影響します。近年、日本円はこれらの通貨に対して円安傾向が続いており、これは輸入ブランド品であるシャネルのマトラッセの日本国内での価格を直接的に押し上げる要因となっているのです。
3-3.ブランド価値の向上
マトラッセの価格高騰の理由の一つに、時間の経過とともにシャネルというブランド自体の価値が、世界的にさらに高まっているという点が挙げられます。シャネルは、マトラッセのようなアイコンバッグの価格を意図的に引き上げることで、「誰もが気軽に購入できるブランドではない」「特別な顧客に向けたブランドである」という高級ブランドとしてのイメージを強化していると考えられます。
将来的には、エルメスのように特定の顧客に優先的に販売する制度が導入されるなど、より希少性を高めるための戦略が取られる可能性も否定できません。
3-4.希少性の維持
シャネルは、高い価格を正当化するため、そしてブランドの魅力を維持するために、マトラッセの生産数を意図的に制限することで、希少性を維持していると考えられます。希少性が高いアイテムは、「手に入れにくい」「貴重である」と感じられることから、人々の購買意欲を刺激します。このように、意図的な生産数制限は、需要と供給のバランスをコントロールし、マトラッセの高い価値を保つための重要なブランド戦略の一つと言えるでしょう。
3-5.値上げの常態化
シャネルは近年、定期的な価格改定を繰り返しており、2023年には年間で4回の値上げを実施しました。一度値上げが行われると、顧客の間では「また値上げがあるのでは?」「もっと高くなる前に買っておこう」といった心理が働き、需要が高まります。結果として、価格上昇を後押しするという「値上げ循環」が生まれているのです。
4.マトラッセは今後も値上げされる?
結論から申し上げますと、シャネル マトラッセの価格は、今後も上昇傾向が続くと予想されます。その理由として、前の章で挙げた多くの要因が、今後も継続する可能性が高いことが挙げられます。
例えば、世界的なインフレ傾向は続き、原材料費や輸送費がさらに上昇する可能性があるでしょう。為替相場についても、予断を許さない状況が続いており、円安傾向が続くようであれば、日本国内での販売価格はさらに引き上げられる可能性があります。
また、シャネルというブランドが、高級ブランドとしての地位をさらに高めようとするのならば、意図的に価格を引き上げる戦略を今後も継続する可能性は高いと言えます。
5.現在20年前のマトラッセはヴィンテージシャネルとして大注目!
20年前、現在の価格からは考えられないほど手頃な価格だったマトラッセ。当時のマトラッセは、時を経て現在「ヴィンテージシャネル」として、新たな価値を持って、多くの人々に注目されています。
ヴィンテージシャネルとは、一般的に製造から20年以上経過したシャネル製品のことを指しますが、明確な定義があるわけではありません。しかし、特にチェーンショルダーのマトラッセは、高い人気を集めています。ここでは、ヴィンテージシャネルとしてのマトラッセの魅力について、現行品との違いを比較しながら見ていきましょう。
5-1.ヴィンテージシャネルと現行品の違い
ヴィンテージシャネルと呼ばれるマトラッセと現行品のマトラッセには、いくつかの違いがあります。大きな違いとしては、経年変化による革の質感やキルティングの度合い、CCマークの金具の色などです。
20年以上の古いマトラッセの革は、現行品と比較すると、キルティングのふっくら感が若干控えめな印象のモデルが見られます。また、革本来の質感をより感じられるものや、経年変化によって独特の艶や風合いが増しているものもあります。現行品のキルティングは、よりふっくらと柔らかな質感が特徴と言えるでしょう。
マトラッセの象徴であるCCマークの金具の色味も、製造された年代によって違いが見られます。特に、20年以上前のヴィンテージマトラッセの金具は、現行品と比較すると、よりイエローの色味が強いものが多く見られます。この金具の色味の違いも、ヴィンテージならではの魅力でしょう。
さらに、ヴィンテージシャネルでは、現在ではあまり見かけない素材やカラーが使用されていることがあります。珍しい素材やカラーのモデルは、希少価値が高まりやすい傾向にあるのが特徴です。また、長年の使用や保管による独特の風合い(エイジング)も、ヴィンテージならではの魅力です。
5-2.ヴィンテージシャネルが人気の理由
20年以上の時間が経過しているにもかかわらず、ヴィンテージシャネルと呼ばれるマトラッセの人気の理由はさまざまです。
まず、最大の魅力はなんといっても価格の手頃さでしょう。現在のマトラッセが高すぎて手が出せないと感じている人にとって、ヴィンテージのマトラッセは現実的な選択肢となります。
また、ヴィンテージシャネルのマトラッセは、もう製造されていないデザインや素材のモデルが多く、現行品にはない希少性があります。長年の時を経て、一つとして同じ状態のものが存在しない「一点もの」としての魅力も、多くの人を惹きつけています。
6.シャネルのマトラッセを買って後悔?
年々値上げが続き、「高すぎる」と感じるほど手の届きにくい価格帯となっているマトラッセ。苦労して手に入れた時の喜びは格別なものですが、残念ながら「買って後悔した…」という声を聞くこともあります。
ここでは、なぜ憧れのマトラッセを購入して後悔してしまうことがあるのか、その主な理由と、後悔しないための具体的な対策について見ていきましょう。
6-1.高すぎるから普段使いしにくい?
マトラッセを購入して後悔する理由として、その高価さゆえに、普段使いをためらってしまうという意見があります。「傷つけたり、汚したりするのが怖くて、気軽に持ち歩けない」「せっかく購入したのに、クローゼットに眠っている」といった状況が、後悔に繋がっているのです。
また、キルティング技法を用い、ひし形の洗練されたデザインを持つマトラッセは高級感漂うバッグです。そのエレガントな佇まいから「普段使いに向かないのでは?」と感じる方もいるようです。
では、高額なマトラッセを「買って後悔した」とならないために、どのようなことを考慮すれば良いのでしょうか。後悔を防ぐためには、購入方法やバッグ選びの段階で、しっかりと検討することが重要になります。
6-1-1.マトラッセの購入方法
マトラッセを手に入れる方法は、シャネルの直営店だけではありません。様々な購入方法を知ることで、自分に合ったバッグを見つけ、後悔を防ぐことに繋がるはずです。ここでは、シャネルの直営店以外でマトラッセを購入する方法をご紹介します。
中古品・ヴィンテージ品を購入
前の章でも触れたように、中古やヴィンテージのマトラッセは、新品よりも手頃な価格で購入できる可能性があります。特に、ある程度使用感があるヴィンテージであれば、新品よりも傷や汚れを気にせずに普段使いしやすいというメリットがあるのです。そのため、新品のコンディションを気にしすぎるよりも、日常使いしやすいと感じる方もいるでしょう。
中古品・ヴィンテージ品を購入する際は、信頼できる中古販売店やフリマアプリなどを利用して、バッグの状態をしっかり確認しながら選ぶことが重要です。価格を抑えつつ、憧れのマトラッセを日常的に使用したいと考える方におすすめです。
レンタルサービスの利用
短期間だけマトラッセを使いたい、様々なモデルを試してみたいという場合は、ブランドバッグのレンタルサービスを利用するのも良いでしょう。購入する前に、実際に使ってみてサイズ感や使い勝手を確認できるため、購入後の後悔を防ぐヒントにもなります。
6-1-2.後悔しないためのサイズや素材選びのポイント
マトラッセを購入する際に、特に重要になるのがサイズと素材選びです。これらの選択を間違えると、「思っていたのと違った」「使いにくい」といった後悔に繋がるため、それぞれの特徴を知っておくとよいでしょう。
サイズ選び
マトラッセには、ミニマトラッセ、マトラッセ、デカマトラッセといった、大きく分けて3種類のサイズ展開があります。使用シーンや普段持ち歩く荷物の量に合わせてサイズを検討することが、後悔を防ぐ重要なポイントとなります。
ミニマトラッセ(マトラッセ17、20)は、ラグジュアリーなアクセサリー感覚で持つサイズ感で、収納可能な荷物は、折りたたみ財布やスマートフォンのような必要最低限の荷物となります。ファッションのアクセントとしての使用や、ちょっとしたお出かけのお供などに最適なサイズと言えるでしょう。
マトラッセ25は定番サイズとして人気が高く、長財布も収納可能で、必要最低限の荷物に加えて小さめのポーチなども収納できます。普段使いに最も適したサイズ感と言われており、日常的にたくさん使いたい方におすすめです。
デカマトラッセ(マトラッセ30、34)は存在感のある大きさとなっており、ある程度の収納力を求める方におすすめです。マトラッセの中で最大サイズであるマトラッセ33は、A5サイズが収納できるため、タブレットや手帳なども持ち運びたい方におすすめです。
素材選び
マトラッセはさまざまな素材が採用されています。代表的な素材として挙げられるのは、キャビアスキン、カーフスキン、ラムスキンです。その他には、キャンバス素材やクロコダイル素材、デニムなどが展開されています。ここでは、代表的な3つの素材について解説します。
キャビアスキン
マトラッセの定番素材として、最も多くイメージされるのがキャビアスキンかもしれません。牛革に型押し加工を施した素材で、キャビアのような粒々があるのが特徴です。この特性により傷や汚れに強く、耐久性に優れています。普段使いとしてたくさん愛用したい方にとって、最もおすすめの素材の一つと言えるでしょう。
ラムスキン
ラムスキンは、生後1年以内の羊の革素材です。毛穴が小さくきめ細かいのが特徴で、柔らかく肌に吸い付くような質感が魅力です。しかし、きめ細かいため傷に弱い特性があり、デリケートなため使用する際は丁寧に扱う必要があります。エレガントな雰囲気を求める方や、特別なシーンでの使用を考えている方に向いています。
カーフスキン
マトラッセのカーフスキンは、生後半年以内の仔牛の革素材です。生後間もない素材のためきめが細かく、やわらかでしっとりとした質感が特徴です。ラムスキンよりは傷に強いですが、キャビアスキンと比較すると傷がつきやすいため、こちらも注意が必要です。キャビアスキンよりも、キルティング加工のひし形がくっきりとしているのが魅力と感じる方もいるでしょう。
7.シャネルのマトラッセは今後も値上がり傾向
シャネルのマトラッセの近年の値上がりは顕著なものがあり、「高すぎて買えない」「値上げしすぎ」といった声が聞かれます。それもそのはず、20年前は、おおよそ15~20万円で購入できたのです。
マトラッセの価格高騰の背景には、原材料費や輸送費の高騰、円安、ブランド価値の向上、需要の増加といった、複数の複雑な要因が絡み合っていることを、これまでの章で詳しく解説してきました。残念ながら、これらの要因は今後も継続される可能性が高いため、マトラッセの価格は上昇傾向が続くと考えられます。
高額なマトラッセを、少しでも手頃な価格で手に入れる方法は、直営店で定価で購入するだけではありません。新品を直営店で購入する以外にも、中古品やヴィンテージ品を検討したり、レンタルサービスを利用したりといった選択肢があります。あなたがマトラッセの購入を検討する際、本記事を参考にして最適なサイズや素材を選び、後悔のない買い物のお役に立てれば幸いです。