2024年6月24日
プラチナは純度によって種類が変わる?【Pt1000、Pt900とは】
金・貴金属について
プラチナとは、元素記号で「Pt」和名で「白金」と表記される金属の一種。一般的に結婚指輪やアクセサリーなどで利用され、他には車の排気ガスの浄化触媒としても使われる貴金属です。
純プラチナだと硬すぎるため、ジュエリーなどで利用する場合は他の素材を混ぜて「Pt900」「Pt850」という刻印をします。プラチナは、純度により価格や性質、用途が異なるため、アクセサリーなどを購入する場合は刻印をよく見る必要があります。
本記事では、純度の違いによって生まれるプラチナの種類や見分け方について詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.プラチナの純度を表す4種類の刻印とホールマーク(ひし形)
プラチナは、含まれる純度の度合によって「Pt1000」「Pt950」「Pt900」「Pt850」の4つの種類に分けられます。
アクセサリーやジュエリーには、目立たない場所にひし形の刻印が刻まれており、その刻印の中に書かれている数字によってプラチナの純度を判断することができます。
たとえば刻印が「Pt900」であった場合は、商品の90%がプラチナで出来ているということになります。
「Pt1000」以外のプラチナの商品の場合は、残りをパラジウムやルテニウム・銅などの「割金」(わりきん)をまぜることで強度の底上げをしています。
プラチナは、基本的に純度が高ければ高いほどその価格も高くなりますが、割金に使われているパラジウムの相場によって価格が逆転する場合がありますので注意しましょう。
ではこの4種類のプラチナには、どういった特徴があるのでしょうか。詳しく解説していきます。
1-1.種類1:刻印がPt1000(Pt999)
プラチナの純度がほぼ100%のものを「Pt1000」という刻印で表し、一般的に「純プラチナ」と呼ばれます。現実的に作ることのできるプラチナの純度は99.99%であるため、最近では「Pt999」と表記されることもあります。(インゴットの場合は99.95%で作ることが限界です)刻印が違うだけで「Pt1000」と「Pt999」は明確に違いはありません。
純プラチナはジュエリーよりも投資用のインゴットやコイン、自動車産業などがメインで使われます。プラチナは金と同様に「純度が高くなればなるほど柔らかくなる」という性質をもっているため、ジュエリーなどに使われた場合傷つきやすかったり、変形しやすくなってしまうからです。
ジュエリーなどではあまり使われない純プラチナですが、日本では「純白な愛を誓う」という意味をこめてエンゲージリングや結婚指輪に純プラチナを用いるという人も少なくありません。
最近では、純度を上げつつ硬度を増した地金が多く開発されており、「Pt999」のジュエリーなども多く出回るようになってきました。
1-2.種類2:刻印がPt950
純度95%のプラチナに割金を混ぜたものを「Pt950」という刻印で表します。
「Pt950」は、世界的にみると最もポピュラーなプラチナの純度であり、海外ブランドなどでは多く採用されています。
プラチナの国際機関である「プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)」が「純度95%以上のものをプラチナの商品」と定めているのがその理由です。
一般的なプラチナジュエリーの中では最も純度が高く、純プラチナに比べ硬さや輝きがあるので、「Pt950」は高級感のあるプラチナを味わいたい人にオススメです。
ただ「Pt950」のプラチナリングやジュエリーは、日本国内の工房では対応できないこともありますので、修理に出す際は注意が必要です。
1-3.種類3:刻印がPt900
「Pt900」は日本でもっとも人気で流通しているプラチナの素材です。
「Pt950」に比べ強度が高く、価格も安いことから結婚指輪やアクセサリーにも多く使われています。
割金を選ぶ際には、プラチナ+パラジウムの組み合わせが人気が高く、とても綺麗な純白になるのでオススメです。パラジウムはプラチナとよくなじみやすい性質をもつので、ジュエリーに細かい装飾を施すこともできます。
「Pt900」は日本で最も流通しているプラチナのため、修理などに出す場合も対応してくれやすいというメリットもあります。
プラチナの純度で迷ったときには、筆者は迷わず「Pt900」をオススメします。
1-4.種類4:刻印がPt850
「Pt850」は最も強度が高く、最もリーズナブルに購入できることが魅力です
「Pt900」に比べてさらに硬く、4種類の中でもっとも壊れにくいのでネックレスのチェーンなどにもよく使われます。
日本ジュエリー協会では、「Pt850」未満の商品をプラチナの商品と認めていないため、できるだけ手頃にプラチナを手に入れたい人にとって最善の選択になるでしょう。
プラチナは基本的にサビが発生しにくいのですが「Pt850」は他3種類にくらべると割金が多く入ってるため、比較的錆びやすいというデメリットがあります。「Pt850」をきれいに保つためには、外した時にやわらかい布で拭いたり、市販のジュエリークリーナーを使うなど、日頃のケアを怠らないようにしましょう。
2.Pt850未満やその他の刻印
日本ジュエリー協会でプラチナのアイテムと認められるボーダーラインは「Pt850」以上なのですが、中には「Pt850」未満の商品もあります。また、プラチナの商品であっても海外のものや、アンティークのジュエリーの場合は「刻印自体がない」というケースもあります。
この章では、メインの4種類以外のケースについて解説していきます。
2-1.「Pt750」、「Pt585」、「Pt505」など
それぞれ、プラチナの純度が75%のものを「Pt750」、58.5%のものを「Pt585」50.5%のものを「Pt505」とよびます。
日本ジュエリー協会が定めたプラチナ製品ではありませんが、アンティークものや海外ブランドであった場合このような商品があります。
プラチナ本来がもつ輝きはあるうえ安価なプラチナアイテムとして人気があるので、安くプラチナを手に入れたい方におすすめです。
※「Pt505」は京セラが開発した「ファーストプラチナ」と呼ばれる新しい素材で、はじめてのプレゼントや、婚約指輪などに選ばれています。
2-2.Pmと刻印されている場合
古いアンティーク物のアクセサリーやリングの場合、「Pm」という刻印だけが刻まれ、中に数字などが記載されていない場合があります。「Pm」は「Pt」が使われる前にプラチナを表す記号として使われていたもので、日本では1960年以前に使われていました。
1947年にプロメチウムが発見され、元素記号が「Pm」と定められたことでプラチナとの混同を避けるためプラチナが「Pm」から「Pt」となりました。
Pm刻印のプラチナの純度は70%から85%といわれていますが、昔は正確に純度を計っていなかった傾向になるため、実際にはこれより下回ることもあります。
「Pm」の刻印には中に数字が記載されているものもありますが、その数字も信憑性が薄く、純度は低く見積もっておいたほうが良いでしょう。
2-3.刻印がない場合は・・・
現在のプラチナの商品には、基本的に刻印が入っているのが通常ではありますが中には刻印すらないものもあります。その際には、磁石などに近づけてみるなどをして、貴金属かどうかを確かめましょう。金や、プラチナ、シルバーなどの金属は磁石に反応しないという性質を持っています。
しかし銅やアルミなど磁石に反応しない金属もありますので、自分だけの判断がむずかしいと感じたら、買取業者などに持っていき専門家に見てもらうことをオススメします。
次の章では、お持ちのプラチナの商品が偽物か本物かを見分けるための詳しい解説をしていますので、是非そちらもご覧ください。
3.プラチナの偽物の見分け方
貰い物のジュエリーやアクセサリーの場合、素材が何でできているのかわからないということもあるのではないでしょうか?
この章では、今あなたの手元にあるアイテムがプラチナかどうかを確かめる簡単な方法を紹介しています。
3-1.まず刻印を確認
プラチナの刻印の場所は、ネックレスやプレートの場合留め具やプレートの部分、指輪類だとリングの内側に刻まれています。まず刻印を確認しましょう。
中でも日の丸とひし形が刻印されているものは造幣局認定の証なので、本物である可能性が高くなります。
3-2.磁石を近づけてみる
磁石を近づけて反応があった場合は偽物である可能性が高いので注意が必要です。
プラチナの偽物として一番よく使われている素材は「ニッケル」ですが、「ニッケル」は磁石にくっつきやすいという性質を持っています。
古いものだと状態の劣化によって磁力が変わる可能性もあるので、磁石だけで完全に判断せずに、不安であれば専門家に見せるようにしましょう。
3-3.計りで比重を確認
金属はそれぞれ種類によって重さが決まっており、持っているプラチナの重さを計ることによって偽物かどうかを判別できる場合があります。
金やプラチナの査定の際には「プラチナをそのまま計ったときの重さ」と「プラチナを水に入れて計ったときの重さ」の違いによって生まれる「比重」を算出します。
つまり「重量÷(水中での重さ)」という計算式でも求められ、家庭用の計りでも確かめることが出来ます。
【プラチナの比重表】
プラチナの刻印 | 含有率 | 比重 |
Pt1000(Pt999) | 99.99% | 21.24~21.66 |
Pt950 | 95% | 19.84%~20.85 |
Pt900 | 90% | 18.61%~20.08 |
Pt850 | 85% | 17.53~19.38 |
「pt850」の最低値である「17.53」を明らかに下回っている場合、偽物の可能性がかなり高くなります。ただ、プラチナと似た重量を持った金属は他にも色々あるので、比重の基準値内だったとしても、専門知識をもった買取業者などに直接見せに行くのをオススメします。
4.プラチナが選ばれる理由
婚約指輪を考えたとき、プラチナをイメージされる方も多いのではないでしょうか。「プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)」のアンケートによると日本で婚約指輪にプラチナを使っている人の割合は92%、結婚指輪は82%という結果でした
ではなぜ、プラチナはここまで人気があるのでしょうか?
この章では、プラチナが選ばれる理由について解説していきます。
4-1.どんなデザインにも加工しやすい
プラチナは他の金属にくらべて粘り強い性質をもつため、幅広いデザインに対応できます。
一生ものの大事な婚約指輪をえらぶ時には、宝石や模様などをこだわりたい方も多いはずです。プラチナであれば、オーダーメイドであっても、小さな装飾やデザインに至るまで細かい調整が可能なので、世界に一つだけのプラチナジュエリーを作ることが出来ます。
また、リサイズを考えた時も変形加工が楽なので、長年使用する婚約指輪やアクセサリーにもピッタリの素材といえるでしょう。
4-2.金属アレルギーを起こしにくい
プラチナが選ばれる理由の1つに、他の金属に比べて金属アレルギーを起こしにくいというところがあります。常に婚約指輪を身につけたい人や、肌に直接ふれるネックレスのチェーンなどにも安心して使えるのでオススメです。
ただし純プラチナ以外の場合、パラジウムや銅などの他の金属が含まれていますので、金属アレルギーが心配な方はプラチナの純度が高い「Pt950」や「Pt1000」のものを選びましょう。
4-3.日常使いに最適
プラチナは貴金属の中でも特に変色や変質に強いという性質を持っているので、普段使いにも適しています。汗や水にも強い安定した性質のため、そのまま温泉に入ったりスポーツをすることもできます。
プラチナは柔らかく加工しやすいという特性もあり、指輪が傷ついたり変形してしまった時でも、シンプルなデザインであれば修理に出すことができます。
耐久性があり修理しやすいという特性から、プラチナは金属の中でも最も日常使いしやすい素材なのです。
4-4.希少性が高い
プラチナは金と比べて年間の供給量が20分の1と、金属の中でも特に希少性が高い素材です。1トンの原鉱石から採れるプラチナの量はわずか3gのみで、原鉱石から地金になるまでの工程も8週間と、プラチナを採り出すためには膨大な時間と手間がかかるのです。
プラチナは大変貴重であることから、大切な人に贈る特別なプレゼントとしてもふさわしく、日本では特に婚約指輪などに使われています。
ただ、、、アクセサリーはいつかは使わなくなってしまいますよね。そこで次の章では高く買取をするポイントをまとめておりますので、ぜひご覧ください。
5.プラチナの買取はエステメへ
弊社エステメではプラチナの買取を強化しています。プラチナの専門知識を持ったプロフェッショナルが多く在籍しておりますので、是非お気軽にご利用ください。
5-1.Pt850未満のものや、Pm刻印でも対応可能!
エステメでは、「pt750」や「Pt585」などのPt850以下のものでも買取受付しております。
また、「Pm刻印のプラチナ」や「刻印のないもの」まで幅広く対応をしていますので、安心してご利用いただけます。
5-2.破損してしまった場合でも対応可能!
傷ついてしまったプラチナリングや、ネックレスのチェーンのみの場合であっても、弊社エステメであれば対応可能です。「こんなの売れないかな」というものであっても専門のスタッフがどこよりも高く買い取り致します。買取業者で迷った場合は是非エステメをご利用ください。
5-3.LINEで気軽に連絡を!
弊社エステメでは、LINEで直接スタッフと連絡していただくことが可能です。
プラチナの買取に関するささいな心配事や、ちょっとしたご相談まで専門のスタッフが親身になって対応致しますので、ぜひ下記の「かんたん30秒お手軽査定」のところからご連絡ください。
6.【おまけ】プラチナが本格的に使われたのは19世紀ごろから
プラチナが初めて使われたのは3000年以上前のエジプトといわれていて、当時のファラオの装飾品に使われていました。世界的に存在は知られていたものの、融点の高いプラチナは加工が難しく、アフリカやエジプトにはあまり広くは伝わっていませんでした。
プラチナがヨーロッパに広まったきっかけは、1735年スペインの将校のドン・アントニオ・ウローラがピント川で発見し、「プラチナ・デル・ピント」(ピント川の小粒の銀)と本国に報告したのがはじまりと言われています。
その後1903年、ルイ・カルティエが世界で初めてジュエリーコレクションとして使用しました。プラチナは高貴なものと知られてはいたものの、本格的にジュエリーとして使用された歴史は約100年と意外に短いことがわかります。
それ以降プラチナジュエリーは様々なブランドでつくられ、女性を最も美しく魅せるアクセサリーとして使われ、現在でも世界中の人々に愛されていくのでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、プラチナの種類について解説させていただきました。
純プラチナの「Pt1000」にも、純度の低い「Pt850」にもそれぞれメリット、デメリットがあるのがおわかりいただけたと思います。
本記事のプラチナの種類の解説が、あなたのプラチナ選びの参考になることを祈っています。最後までご覧いただき、ありがとうございました。