2024年11月02日
エルメスのフールトゥとは?定価や魅力|廃盤品を今使うのはダサい?
世界三大ブランドのひとつとして知られるエルメスは、1837年のパリ創業以来、数多くのラグジュアリーアイテムを世に送り出してきました。中でも、エルメスで初めてコットンキャンバス素材を使用したトートバッグ「フールトゥ」は、大きな注目を集めたアイテムです。高級ブランドであるエルメスが発表した比較的リーズナブルな価格設定のフールトゥは、多くの人々に支持され、大ヒット商品となりました。
フールトゥは2006年に惜しまれながら廃盤となりましたが、およそ20年の歳月が流れる現在においても、その人気は衰えることなく多くのファンを魅了し続けています。
本記事では、そんなフールトゥの魅力をはじめ、定価、サイズ展開、素材などについて解説します。また、フールトゥに対する「今更感がある」「ダサい」といった声についても触れながら、フォルムが似ているとされるエールラインとの違いについても紹介します。
本記事を通して、フールトゥの魅力をより深く知っていただければ幸いです。
目次
1.エルメスのフールトゥとは?
エルメスを代表するトートバッグの一つ、フールトゥはハンドルからバッグ本体へと続く2本のラインが特徴的なデザインとなっています。1998年の発表当時、高級レザーを得意とするエルメスがコットンキャンバス素材を採用したことは、ファッション界に大きな衝撃を与えました。
カジュアルに使えるフールトゥは、性別を問わず幅広い層から支持されており、女性はもちろん、男性からの需要も高いことが特徴です。さらに通学かばんとして使う若い世代も多く、年齢に関係なく使える汎用性の高さが人気の理由となっています。
1-1.フールトゥはエルメス初のコットントート
1998年、エルメスは初めてコットンキャンバス素材を採用したトートバッグ、フールトゥを発表しました。高級ブランドとして確固たる地位を築いていたエルメスでしたが、最小サイズで5万円台という価格設定は、多くの人々の注目を集めることとなったのです。
エルメスの品質とクラフトマンシップを受け継ぎながら、従来の高級レザーバッグと比べて手の届きやすい価格帯で提供されたフールトゥは、発売と同時に大きな反響を呼び、爆発的な人気を博しました。
1-2.現在は廃盤品
1998年の登場から、フールトゥはカラーバリエーションを次々と増やし、レザー素材を取り入れるなど、多彩な進化を遂げてきました。しかし2006年、多くのファンに愛されながらも惜しまれつつ廃盤となったのです。
廃盤からおよそ20年が経過した現在でも、中古市場では根強い人気を保ち続けています。これは、豊富なバリエーションによって、購入者が自分の好みやライフスタイルに合わせて選べる魅力が、時を経ても色あせていないことを示しているといえるでしょう。
2.フールトゥの魅力5選
2006年の廃盤からおよそ20年が経過した現在も、フールトゥは中古市場で高い需要を保ち続けています。多くのファンを魅了し続けるフールトゥには、時代を超えて愛される確かな理由があるのです。ここからは、このエルメスを代表するトートバッグの魅力について5つのポイントにわけて解説します。
2-1.魅力①エルメス製品なのにリーズナブル
エルメスを代表するレザーバッグ「バーキン」は100万円を超える価格で取引される中、フールトゥの魅力は何と言ってもその手の届きやすい価格にあります。コットンキャンバス素材のスタンダードモデルなら3万円前後、上質なレザー素材を使用したモデルでも10万円前後という中古市場での取引価格は、エルメスの製品としては異例の手頃さです。
フールトゥは、エルメスならではの確かな品質とクラフトマンシップを、比較的リーズナブルな価格で楽しめる稀有な存在といえるでしょう。そのため、エルメスの高価な価格に抵抗がある方や、初めてエルメスを手にする方にとっておすすめのアイテムともなっています。
2-2.魅力②日常使いに最適
フールトゥは3種類のサイズが展開されており、全てのモデルが十分なマチを備えた収納力の高さが特徴となっています。PMサイズは普段のお出かけに、MMサイズは通勤や通学に、そしてGMサイズは旅行用として、それぞれの用途に合わせて選べる実用性を備えているのです。
カジュアルながら上品なデザインと機能性の高さから、フールトゥは日常のあらゆるシーンで活躍します。スーパーでの買い物から週末の小旅行まで、幅広い場面で重宝する実用的なバッグとして、多くのファンから支持されているのです。
2-3.魅力③バリエーションが豊富
フールトゥは発売当初、コットンキャンバス素材のシンプルなカラー展開が特徴でしたが、2001年頃から新モデルが登場しています。様々なカラーバリエーションやツートンカラーのアイテムが次々と登場し、商品展開が豊富になっていきました。
その後、トワルアッシュやレザーなど素材面でも選択肢が広がっており、自分の好みに合わせてカラーと素材を選べることも、フールトゥの魅力の一つとなっています。
2-4.魅力④耐久性に優れている
エルメスは優れたデザインやカラーだけでなく、素材へのこだわりも強く、それがブランドの長年の支持につながっています。熟練した職人たちの高い技術によって制作される各アイテムには、厳選された素材が使用されているのです。
特にフールトゥに使用されているキャンバス素材は耐久性が高く、長期間の使用に耐える特徴を持っています。このような優れた耐久性は、現在廃盤となった後も中古市場で多く取引されている事実からも裏付けられます。実用的で長く愛用できるバッグとして、多くの人々から支持を集め続けているのです。
2-5.魅力⑤スナップボタン開閉式
フールトゥは片手での開閉が容易なスナップボタン式を採用しており、日常使いに便利な設計となっています。開口部が大きく開くため、収納した荷物を一目で確認でき、出し入れもスムーズです。内装はシンプルな作りで、仕切りこそありませんが、ファスナー付きポケットを備えているため、財布やICカードなどの貴重品も安心して収納できるでしょう。
さらに特徴的なのが、サイドに配置された調節可能なスナップボタンです。荷物の量に応じて容量を変えられる柔軟性を持ち合わせており、実用的な使い勝手の良さを実現しています。
3.フールトゥは今更?今使うのはダサい?
フールトゥは2006年に廃盤となりましたが、現在も中古市場で安定した需要を保ち続けています。しかし、廃盤からおよそ20年が経過した今日では、フールトゥを「今使うのはダサい」「今更」という声も一部で聞かれるようになりました。なぜそう言われるのかや、そのような評価は妥当なものなのか、考察します。
3-1.フールトゥがダサいと言われる理由とは?
フールトゥが現代において「ダサい」と評価される背景には、主に2つの要因が考えられます。1つ目は、1998年の発売以来、社会現象と呼べるほどの爆発的な人気を博し、街中で頻繁に見かけるアイテムとなった過去があります。発売からおよそ20年が経とうとしている現在、当時を知る40代、50代の世代にとって、フールトゥは若かりし頃の流行を象徴するアイテムとなってしまい、それゆえに時代遅れという印象を持つ人も少なくありません。
2つ目の要因として、大ヒットの影響で数多くの模造品や類似品が市場に出回ってしまった歴史的背景があります。そのため、たとえ本物のフールトゥであっても、偽物が氾濫していた当時の記憶と重なり、マイナスのイメージを抱く人々が存在するのです。
3-2.フールトゥは今使うからいい
フールトゥに対して「今使うのはダサい」「今更」という声が上がる一方で、むしろ今使うからこそ価値があるという評価も存在します。その理由を4つにわけて紹介します。
1つ目の理由は、フールトゥが大流行した時期を知らない現在の10代、20代の若い世代には、過去の流行品という先入観がないことです。この世代は40代、50代のように当時の状況を知らないため、懐かしさという感情とは無縁です。そのため、彼らにとってフールトゥは、エルメスというハイブランドのバッグを手の届きやすい価格で手に入れられる、魅力的なアイテムとして認識されているのです。
2つ目の理由は、近年のヴィンテージファッションブームの高まりです。わざと中古市場で何十年も前に流行したアイテムと、現代の流行をうまく組み合わせることがトレンドとなっています。そのため、フールトゥは、このような着こなしにぴったりのアイテムとして注目を集めているのです。
3つ目の理由は、エルメスならではの時代に左右されないデザイン性にあります。フールトゥは、年齢層や時代を問わず愛用できる、普遍的な魅力を持ち合わせています。そのため、流行を知る世代も知らない世代も、いつの時代も使用できるエルメスならではの価値を感じることができるのです。
最後の理由は、自分が気に入ったものを愛用する価値観を大切にできることです。フールトゥは手頃な価格と実用性を兼ね備えた、使い勝手の良いバッグとして定評があります。自分が納得して使っているのであれば、他人の目を気にする必要はないでしょう。
4.フールトゥのサイズ展開
フールトゥには3種類のサイズがあり、用途や好みに応じて選択することができます。それぞれの寸法や、収納可能な荷物の量などを紹介します。さらに、フールトゥから派生したショルダータイプのバサスや、縦長フォルムが特徴のカバスについても解説します。
4-1.フールトゥ PM
フールトゥ PMのサイズは、およそ横幅22×高さ30×マチ8cmで、フールトゥの中で最小サイズです。マチが8cmあるため収納力が高く、財布やキーケース、スマートフォンのような日常で必要とする荷物に加えて、化粧ポーチやタブレット、500mlのペットボトルも立てて収納できます。ちょっとしたお出かけのお供に最適で、荷物が少なめの方にもおすすめのサイズです。
4-2.フールトゥ MM
フールトゥ MMのサイズは、およそ横幅31×高さ42×マチ10cmです。フールトゥの中では中間のサイズながら、ビジネスシーンや学生かばんとして使用できる収納力を備えています。A4サイズの大きさの荷物が収納可能なため、荷物が多めの方にもおすすめです。
活用できるシーンが幅広いため、ビジネスシーンとプライベートの両方で使用を考えている方にも重宝するサイズです。
4-3.フールトゥ GM
フールトゥ GMのサイズは、およそ横幅34×高さ46×マチ15cmで、フールトゥの中で最大の大きさです。短期旅行やマザーズバッグとして活用でき、女性だけでなく男性からも支持を集める実用的なサイズです。大容量を活かすためには、内側に備え付けられたファスナー付きポケットや、外側のオープンポケットを活用して、小物を仕分けすると使い勝手が向上します。
4-4.フールトゥ カバス
フールトゥ カバスのサイズは、およそ横幅30×高さ37×マチ7.5cmで、スタンダードなフールトゥより縦長のフォルムをしているのが特徴です。素材は、コットンキャンバスやハーフレザーなどが展開されています。また、開閉スナップボタンは設置されておらず、荷物量に応じて調節可能なサイドのスナップボタンも省いた、よりシンプルなつくりとなっています。
通常のフールトゥと比較するとスタイリッシュな印象を与えるため、すっきりとしたデザインのトートバッグを探している方におすすめです。
4-5.フールトゥ クラッチ
フールトゥ クラッチは、名前の通りコットンキャンバス素材を採用したクラッチバッグです。スタンダードモデルの特徴である2本のラインとは異なり、中央に1本のラインを配したデザインが特徴となっています。寸法はおよそ横幅30×高さ23×マチ10cmで、ファスナー開閉式です。
多彩なカラーが展開されているため、個性的で自分好みのカラーを見つけたい方に最適なバッグです。
4-6.フールトゥ バサス
フールトゥ バサスは、スタンダードモデルの2本ラインのデザインを継承した、ショルダーバッグです。フラップをおろして、スナップボタンで開閉します。また、程よいヴィンテージ感があるデザインのため、ファッションにクラシカルなテイストを取り入れたい方や、人と被りにくいバッグを探している方におすすめです。
ショルダーバッグは、両手を開けられるのが最大の利点です。ショッピングや子連れの際に重宝するでしょう。
5.フールトゥの豊富な素材
フールトゥは、豊富な素材が展開されているのも魅力です。発売当初は100%のコットン素材のみでしたが、その後、トワルアッシュやレザー素材のアイテムが発表されています。それぞれの素材の特徴を紹介します。
5-1.コットン
フールトゥはシンプルなカラーのコットンキャンバス素材で登場し、その後カラーバリエーションを増やしてきました。製造終了を迎えた最後の新モデルまでは、100%のコットン素材が採用されています。素材選びに強いこだわりを持っているエルメスのコットン素材は、優れた耐久性を備え、長年にわたって愛用できます。
5-2.トワルアッシュ
フールトゥの製造終了前に発表された、最後となる新モデルには、トワルアッシュという素材が採用されました。異なる色の2本の糸で平織りされたこの素材は、エルメスのキャンバス製品の代名詞として、現在も多くのアイテムに使用されています。通常の100%コットン素材と比べて、さらに高い耐久性を持ち、奥行きのある独特な色合いが魅力です。
5-3.レザー
フールトゥのレザーシリーズでは、主にトゴやエバーカーフといった素材が用いられています。トゴは雄仔牛のレザーを使用しており、細かい革目と滑らかな手触りを持ち、レザーならではの高級感が際立つ素材として知られています。同じく雄仔牛のレザーを使用するエバーカーフは、革目が控えめでマットな質感を持ち、柔らかな風合いが特徴です。
コットンキャンバス素材と比較すると、レザー素材は適度な重みと存在感があり、異なる印象を与えます。キャンバス素材以外のトートバッグを探している方は、レザー素材のフールトゥを検討してみてはいかがでしょうか。
6.フールトゥの定価
1998年に登場したフールトゥの当時の定価は、PMが52,500円、MMが79,800円、GMが86,100円でした。今からおよそ20年前の価格ですが、高級ブランドであるエルメス商品としては、比較的手の届きやすい価格帯だったことがうかがえます。
6-1.フールトゥの中古価格
楽天市場における2024年11月時点のフールトゥの中古価格は、コットンキャンバス素材のスタンダードモデルが3万円前後で取引されています。上質なレザー素材を使用したモデルでは10万円前後となり、中古市場での需要も安定しています。
状態の良い商品や限定モデルはさらに高値で取引される傾向にあるものの、エルメスの商品としては比較的入手しやすい価格帯を維持しています。
6-2.フールトゥの買取価格
2006年の廃盤後も、フールトゥは高い需要が継続しており、中古市場での価値は衰えていません。素材によって買取価格は異なり、コットンキャンバス素材では2万円前後となっています。一方、レザー素材を使用したモデルであれば、4万円前後での取引が一般的です。なお、限定モデルの場合や商品の状態によって、これらの価格は変動します。
使用期間が長いために、買取を躊躇されている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、フールトゥは長年の需要が継続している商品のため、専門店で査定を受けてみることをおすすめします。実際に専門の買取店で査定を受けてみると、予想以上の査定額を提示される可能性があるためです。
7.フールトゥとエールラインの違いは?
エルメスのトートバッグシリーズには、外見が似ているフールトゥとエールラインが存在します。両者はデザイン的な類似性から、しばしば比較の対象となっています。ここでは、これら2つのバッグの違いについて解説します。
7-1.違い①:バッグの仕様
バッグの仕様について、フールトゥとエールラインには明確な違いが見られます。フールトゥは、片手での操作が容易なスナップボタン式を採用しており、開口部に1つのボタンが配置されています。
これに対してエールラインは、開口部にファスナーとスナップボタンの二重の開閉仕様を備えています。さらに、南京錠(カデナ)と鍵が付属品として同梱されており、セキュリティ面を強化しているのが特徴です。
7-2.違い②:素材
フールトゥとエールラインは、素材も異なります。フールトゥの素材は、コットン100%やトワルアッシュ、レザーなどが展開されています。
一方で、エールラインはナイロン素材となっています。ナイロン素材は、コットンキャンバスやレザー素材と比べて耐水性が高いのが特徴です。
7-3.違い③:デザイン
ハンドルからバッグ本体へと続く2本のラインのデザインにも、フールトゥとエールラインには特徴的な違いがあります。フールトゥは装飾を抑えたシンプルなラインを採用しており、本数やカラーバリエーションも豊富に展開されています。一方のエールラインは、エルメスのイニシャル「H」をあしらった独特の模様が特徴的で、より一層ブランドらしさを感じられるデザインです。
8.エルメスのフールトゥは時代に左右されない実用的なバッグ
エルメスの歴史において、フールトゥは1998年に登場した画期的なトートバッグでした。同社で初めてコットンキャンバス素材を採用し、比較的手の届きやすい価格帯で展開されたことから、爆発的な人気を博しました。2006年に惜しまれながら廃盤となりましたが、およそ20年が経とうとしている現在も、中古市場での需要は衰えていません。
一方で、大流行の反動や模倣品の横行により、「今更感がある」「ダサい」という声も聞かれるようになりました。しかし、当時を知らない若い世代からの支持や、近年のヴィンテージブームの影響もあり、むしろ新たな価値が生まれています。
豊富な素材、デザイン、カラーバリエーション、そして多彩な派生アイテムを備えたフールトゥは、時代に左右されない実用的なトートバッグとして、今なお多くの人々を魅了し続けているのです。