2025年11月02日
【エルメス名品】ファランドールとは？｜定価・買えない理由・人気アイテムを解説！
エルメスのファランドール（(Farandole）は、フランス南部の民族舞踊が命名の由来とされています。多くの方がジョルジュ・ビゼー作曲の「アルルの女」を一度は耳にしたことがあるでしょう。
軽やかで優美な曲調がファランドールの雰囲気を表現するのにぴったりだと思います。
今回はエルメス（HERMÈS）のファランドールについて解説してまいります。代表的なブレスレットやネックレスはもちろん、その他のアイテムにも興味をもっていて購入を検討している方には役立つ情報なので、ぜひ最後まで読んで参考になさってください。
目次
1.エルメス「ファランドール」とは？
ファランドールを語るうえで外せないのがエルメスの名品、シェーヌダンクルです。
ここではファランドールの元祖となったシェーヌダンクルとの系譜や、人気のアイテムについて解説してまいります。
1-1.名品シェーヌ・ダンクルの系統
シェーヌダンクルは「船の錨」から連なるチェーンをモチーフとしたエルメスの人気ラインです。現在、エルメスのシルバーブレスレットとして世界的に人気となっているので、ご存じの方も多いと思います。ジェンダーレスに人気を集めているものの、たっぷりとしたボリューム感やクールなテイストは男性からの支持が高いアイテムになっています。
ファランドールはこうしたシェーヌダンクルの特徴は生かしつつ、量感を抑えることでエレガントな印象を与えることに成功したラインです。軽やかで優美なテイストが人気モチーフの女性人気を確立させたともいえるでしょう。特に人気のロングネックレスは、長さがあっても首周りに負担なく使えるので女性から人気を集めています。
1-2.代表的なアクセサリーアイテム
ここからはファランドールの代表的な４つのアイテムについて解説してまいります。
1-2-1.ブレスレット
1-2-2.ネックレス
代表的なファランドールネックレスといえばステーションタイプのものを指していることが多いと思います。一定の間隔をとってチェーンモチーフを配しているさまが駅のように見えることから、こうした名前で呼ばれています。このネックレスはロングタイプなので、そのまま首元に垂らしたり、二重に巻いたりしてアレンジできるのが魅力です。また、留め具にネックレスとしては珍しいT字バーが採用されていますから、あえて見える位置に留めてアクセントにしてもいいでしょう。
1-2-3.ピアス
1-2-4.リング
2.ファランドールが買えない理由とは？
「エルメスの○○が買えない」というのは、よく検索ワードの上位になっているので、ご存じの方も多いかと思います。ここではファランドールアイテムが買えない理由について解説してまいります。
2-1.世界的な需要過多
世界的なシェーヌダンクルブレスレットの人気が続くなか、同じモチーフを使ったファランドールも注目のアイテムとなりました。編み上げないことでモチーフが際立って見えたり、軽やかになったりしたぶん、男性メインだった顧客層を女性に広げることに成功しています。こうした人気は欧州圏はもちろん、アジア圏での売り上げにも大きく貢献することになり、結果的に品薄状態が続くことになりました。
衣料品の流行は、もはやファストファッション抜きに語ることはできません。気軽に買える価格帯と鮮度を感じるデザインが魅力的なのは当然といえるでしょう。その一方で、高度な加工技術と丁寧な手仕事の良さが見直されつつあるのも事実です。他のハイブランドが原価抑制を理由に生産拠点を海外に移すなか、エルメスだけはフランス国内に工房を増やして、ファンの確固たる信頼に応えています。
すでに9か所あるエルメスの工房は、来年から再来年にかけて３つの新しい工房が設立される予定になっています。こうしたモノづくりへの真摯な姿勢に感銘を受けるファストファッションのコアユーザーたちが新たなエルメスファンに加わったことで、さらなる争奪戦になるのは間違いなさそうです。
2-2.オールハンドメイドの宿命
ファランドールを含め、エルメスのほとんどのアイテムが職人たちによるオールハンドメイドで製作されています。したがって製作期間が長期に渡るのは避けられない状況です。
すでにエルメスの顧客となっていたとしても、担当者へのリクエストから納品までに一定の時間がかかることは想定しておくといいでしょう。その半面、ハンドメイドによる着け心地の良さや手仕事ならではの味わいが加味されるため、満足感のある買い物になると思います。時代ごとの違いをコレクションしている愛好家がいるほど歴史のあるモチーフなので、世代を超えて受け継げるのもファランドールの魅力になっています。
3.エルメス「ファランドール」ブレスレットを解説
ここからはファランドールで人気のブレスレットについて解説してまいります。シェーヌダンクルとの違いやサイズ、素材について深掘りしているので参考にしてみてください。
3-1.シェーヌ・ダンクルとの違いとは？
象徴的なモチーフである「チェーンの中心にラインが横切るコマ」を連ねて作られたのがシェーヌダンクルです。一方のファランドールは、モチーフの大きなコマが一つと小さなコマ二つをシンプルなチェーンで繋いで作られています。両者の大きな違いは立体的な厚みの有無といえるでしょう。そのため、シェーヌダンクルはボリューム感やスタイリッシュな表情が際立って見えます。
ファランドールは厚みがないぶん、モチーフの表情が鮮明になっているのが特徴です。肌への接地面が多く、モチーフのすき間が抜け感を演出してくれるので繊細な印象を醸しだしています。男性的なのがシェーヌダンクルで、女性的なのがファランドールといわれるのも両者を見比べると納得できると思います。また、重量感の違いも特筆すべきでしょう。ファランドールの軽やかさは着用感を重視する方にとって魅力的だと思います。
3-2.ブレスレットのサイズ展開とは？
| サイズ表記 | 内周（㎝） | 着用感の目安 |
| SH（ショート） | 14.5 | 手首が細く、ぴったりとした着用感が好みの女性に |
| ST（スタンダード） | 15.6 | 一般的なサイズで男女ともに使いやすい |
| LG（ロング） | 17.6 | 余裕をもってつけたい方、または男性に |
ファランドールのブレスレットは上記の３サイズで展開しています。ハンドメイドのため、内周の長さに若干の個体差が発生します。そのため、実際に購入する際は実物を確認するのがおすすめです。女性ならSH、またはSTのどちらかを選ぶといいでしょう。ファランドールは厚みがなく軽やかなので、ぴったりと手首に密着させて使っても負担にならず快適に着けていられます。ただ、上記のサイズ一覧表はモデルによっても変化するものです。あくまでも目安として参考にしてください。
3-3.素材で楽しむ印象の違いとは？
ファランドールブレスレットの素材は、人気のシルバー（SV925：銀92.5％）をメインに展開しています。白いシルバーの輝きは肌を美しく見せてくれるだけでなく、コーディネートに軽快な印象を添えてくれるのが嬉しいポイントです。季節を問わずデイリーに使えて、どんなテイストのファッションにも合わせやすいと思います。ファランドールのイチオシ素材といえば、やはりシルバーを外すことはできません。また、エルメスにしては手にしやすい10万円台という価格も人気の理由となっています。
近年のエルメスは18金ピンクゴールドをファランドールに採用したモデルを展開しています。やや小ぶりなモチーフを一つだけにしたシンプルなデザインながら、地金の高級感が際立ってフェミニンな印象のブレスレットです。少し改まったシーンに、繊細な華やぎを添えてくれる秀逸な逸品だと思います。金の高騰が続く昨今、30万円台の価格帯が良心的に思えます。特別な日のプレゼントにもおすすめです。
4.エルメス「ファランドール」ネックレスを解説
ここからはファランドールのネックレスについて解説してまいります。３タイプの長さから、好みのものを選んでみてください。
4-1.３つの長さでアレンジ自在
ファランドールのネックレスは80、120、160の３モデルで展開しています。
| 長さ表記 | 特徴・アレンジなど |
| 80 | 留め具を使わずに着脱可能。胸まで十分な長さがあり、一連がおすすめ |
| 120 | 一連・二連の2Wayタイプ。ミニバッグのストラップとして使用可能 |
| 160 | 一連から三連まで使えるマルチタイプ。ベルトやバッグチャームにも◎ |
ファランドールの最短の80モデルは留め具を外さずに着脱できる長さがあります。首から胸のラインを綺麗に見せてくれるので、無地のトップスの上に着けるとアクセントになると思います。細身の方は二連にすることも可能ですが、チョーカーのように首に密着するため、好みが分かれるかもしれません。T字の留め具バーを左右どちらかの正面にしても素敵です。華奢なネックレスと重ね付けしても嫌味なくコーディネートできます。
120モデルは一連、二連の両方を楽しめる十分な長さがあります。ワンピースの上に一連でさらっと着けたり、二連にして首元にボリューム感をプラスしたりして、さまざまにアレンジが効きます。二連の場合、長さを均等に調整するパターンと長短で調整するパターンの二通りで使えるので重宝すると思います。ミニバッグのチェーンとしても使用できます。
最長の160モデルはボリューム感が魅力です。ネックレスとしてはもちろん、ベルトやバッグチャームとして使える長さがあって幅広いアレンジが楽しめます。体格の良い男性にもおすすめのサイズ感なので、プレゼントにいかがでしょうか。
4-2.メンズOK！シェアもおすすめ！
ファランドールのネックレスは、サイズが豊富なので男性でもバランスよく着用できます。また、シェーヌダンクルとファランドールを組み合わせてコーディネートすると、緩急の効いたコーディネートが完成します。たとえばネックレスはファランドール、ブレスレットにシェーヌダンクルを合わせるのもお洒落だと思います。さらに、ファランドールのネックレスはパートナーや家族とシェアできるのもおすすめポイントの一つです。
5.エルメス「ファランドール」ピアスを解説
ここではファランドールのピアスについて解説してまいります。シンプルながら完成されたフォルムが秀逸です。
5-1.モチーフが映えるデザイン
チェーンモチーフを使ったファランドールピアスには、耳たぶにぴったりとフィットするものと細いチェーンで垂れ下がるものとの2タイプがあります。どちらも丸みを帯びたオーバル型が、顔まわりに優しい陰影を添えるデザインになっていて人気を集めています。モチーフを最大限に生かしたシンプルなデザインはシーンを問わず日常使いしやすいのが特徴です。イヤーカフとの重ね付けに最適なボリューム感になっているので、ファーストエルメスやプレゼントにもおすすめといえるでしょう。シェーヌダンクルとのリンクコーデにも◎男女とも使い勝手のいいアイテムとなっています。
5-2.シーンで使い分けできる素材
ファランドールピアスはシルバー925を採用しているものが多く、購入している方のほとんどが選んでいる素材です。しかし、エルメスがピンクゴールドのモデルを展開しているのをご存知でしょうか？ダイヤモンドを敷き詰めたファランドールピアスはラグジュアリー感漂う華やかさにあふれた逸品です。シーンやお好みによって素材を使い分けすると、ファランドールピアスの良さが堪能できると思います。また、顔まわりのアイテムは肌色や髪色によって素材選びを変えてみるのがおすすめです。明るい髪色の方はピンクゴールドのほうが映える場合がありますから、シルバーが合わないと感じたら試してみるといいでしょう。
6.エルメス「ファランドール」リングを解説
ここではファランドールのリングについて解説してまいります。ボリュームと抜け感が両立する稀有なデザインのリングに仕上がっています。
6-1.スリムでシンプルなデザイン
ファランドールのリングはモチーフを指の幅全体にに沿わせたようなデザインが特徴的です。素材にはホワイトゴールドを採用していて、一面にセッティングされたダイヤモンドが繊細なきらめきを放ちます。あえてモチーフとリングを分割して成形することで、丸カン状の接合部分に遊びをもたらしているように見えます。通常はモチーフの裏でリングと接合するパターンが多いものの、この手間を惜しまない仕事が、指への負担軽減やデザインの面白さを引きだしています。インデックスリングとして色々な角度から見せたくなるリングだと思います。
6-2.単品・重ね付けのどちらもOK！
ファランドール全般にいえることですが、ボリュームが控えめなので単品使いはもちろんのこと、重ね付けしやすいのも特徴になっています。特にリングは肌の見えるデザインなので、小指に着けるピンキーリングや、同じく親指のサムリングとの相性が抜群です。地金をたっぷりと使ったリングとも合わせやすく、スタイリッシュにまとまるのでおすすめです。スカーフリングとしても使えるので、エルメスのカレやツイリーを持っている方は試してみてください。エルメスの公式サイトを確認すると、現在は52と55の2サイズで展開中です。これは日本サイズの12号と15号相当になります。
7.エルメス「ファランドール」アイテム別の定価
2022年から値上がりが続くエルメスですが、ファランドールもまた、その例外ではありません。ここからは現時点での定価について解説してまいります。
7-1.ブレスレット
2025年2月、前年より約10％値上がりしたファランドールブレスレット。現在の定価は135,300円となっています。エルメスアイテムとしては手にしやすい価格とはいえ、地金の高騰にともなってシルバーアクセサリー全般の価格改定が続いています。
アイテムによっては個別に価格が変動しているため、正確な価格を知るにはエルメス正規店に直接問い合わせすることをおすすめします。ちなみにシェーヌダンクルブレスレットの定価は20万円〜30万円台で推移しているので、迷っている方はどちらを選ぶにしても早めの決断が賢明だと思います。
7-2.ネックレス
直近のエルメス公式サイトでは、ファランドールPMペンダントが392,700円となっているのが確認できました。これは素材に18金ピンクゴールドを使ったもので、ペンダントトップにダイヤモンドの装飾がほどこされているものです。ラグジュアリーでありながらシンプルなデザインが、胸元に大人の品格を感じさせてくれる逸品。2025年2月時点より、やや値上がり傾向にあります。
シルバーのファランドールネックレスは公式サイトで確認できないものの、80サイズが20万円台となっています。人気の120と160サイズは、いずれも30万円台で推移しているようです。国内正規店に無い場合、信頼のおける並行輸入サイトを利用したり、海外渡航先の正規店で思いがけず購入できることがあります。
7-3.ピアス
公式サイトで唯一確認できるのピンクゴールド素材のダイヤモンドセッティングしたフィットタイプのもので定価は1,606,000円となっています。
シルバー素材のファランドールピアスで、耳たぶにフィットするタイプは現在のところ10万円前後で販売されています。チェーンタイプ一連のものは10万台前半で販売されているのが確認できました。さらに、二連のチェーンタイプとなると20万円台となります。いずれも並行輸入サイトの情報なので、正確な金額を知りたいときは公式サイト等をこまめにチェックすることがおすすめです。
7-4.リング
ファランドールリングの定価は、ホワイトゴールド素材にダイヤモンドがセッティングされたものが855,800円で販売されています。また、ピンクゴールドを素材に採用したモデルもほぼ同様の価格帯で80万円台で取引されているのが確認できました。
エルメスはアイテムによって個別に価格改定をする傾向があります。最新の定価をチェックするために前もって顧客登録をしたり、店舗を訪問したりして情報収集しておくのがおすすめです。
8.エルメス「ファランドール」は名品モチーフの継承と優雅さが魅力！
今回はエルメスのファランドールについて解説してまいりました。名品と称されるシェーヌダンクルのモチーフを受け継ぎつつ、再解釈されたファランドールには優雅な魅力がプラスされています。
また、軽やかなのでリラックスして着用できるのも嬉しいポイントです。どのアイテムを使っても単品使い、重ね付けが楽しめるのはファランドールの魅力の一つといえるでしょう。
なかなか買えないのが唯一の難点ですが、エルメス正規店をはじめ、二次流通市場などを広く探してファランドールの魅力を手にしてみてください。
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