2024年7月16日
エルメスのキャンバスバッグを選ぶなら?種類や選び方を徹底解説
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エルメス(HERMES)といえば、高級レザーアイテムで知られたブランドです。
しかし、エルメスでキャンバス素材のバッグが充実していることは知られていないかもしれません。エルメスの個性的なキャンバスバッグは、種類やカラーバリエーションの豊富さで人気を集める存在です。
今回はエルメスのキャンバスバッグについて解説してまいります。
キャンバスバッグの種類ごとの特徴や選ぶときのポイントについて解説していくので、購入を検討している方は参考にしてみてください。
目次
1 「エルメス」キャンバスバッグの魅力を解説
キャンバス素材であっても品格あるアイテムを発信するブランド、エルメス。
ここではエルメスのキャンバスバッグの魅力について解説してまいります。
1-1 想像をこえる軽さ
エルメスといえば高級レザーアイテムのイメージを持たれる方が多いかもしれません。もちろん馬具工房から始まったメゾンだけに、レザーの扱いでは圧倒的な実力を誇ります。その馬具作りから培ってきた技術はキャンバス素材の軽量化にも存分に生かされているのです。
エルメスはキャンバス生地の糸番手や織り方、混紡する素材を変えるなどの工夫を重ねながら新しいキャンバス素材を開発しています。恐らくキャンバス生地だけで10種類を超えるブランドは、エルメス以外に存在しないのではないでしょうか。
今回ご紹介するアイテムを初めて手にした時に、その軽さに驚かれることでしょう。それは真摯にモノづくりに向きあうエルメスだからこそ実現した軽さなのです。
1-2 シーンを選ばない上質感
キャンバスバッグですからカジュアル見えするのは当然ですが、それだけに終わらないのがエルメスの真骨頂です。キャンバス生地に様々な番手の糸を使い、表面にツヤや密度に変化を持たせて上質感を加味しています。また、バッグのディテールにゴールドやシルバーといった金具を採用することで同様の効果に繋がっているといえるでしょう。そのため、ほとんどのキャンバスバッグが多様なシーンに対応できるバッグに仕上がっています。
1-3 多彩なデザインやカラーバリエーション
エルメスのキャンバスバッグには、ユニークなデザインに出会える楽しみにあふれています。レザーと組み合わせるのはもちろん、独自のカラーバリエーションや限定プリントといった多彩なデザインがあって、毎年発表を心待ちにしているファンも少なくありません。
さらにシーンを限定して発表されたものであっても、華やかなカラーリングと大胆なプリントで大人の遊び心を感じさせてくれるでしょう。キャンバス素材ならではの魅力を再認識させてくれるアイテムです。
1-4 手にしやすい価格展開
エルメスのレザーバッグと比較すると価格が控えめなので手にしやすいバッグといえます。初期に発表されて爆発的な人気を博したフールトゥやエールラインは、当時の定価が10万円以下という今では信じられない価格帯でした。現在この2つのモデルは廃盤となっていますが、エルメスを代表するキャンバスバッグとして今なお人気が衰えていません。
現行モデルでは種類やサイズによって価格展開に大きな違いがあります。たとえば、エルメスのキャンバスバトートの代表格、ガーデンパーティは約35万円からの展開です。同サイズのレザー仕様のものより20万円以上安い価格になっています。
キャンバスバッグはエルメスのなかで比較的手にしやすいため、ファーストエルメスとしてもおすすめのアイテムです。
2 エルメスのキャンバス素材10種類について解説
ここではエルメスが誇る、10種類のキャンバス素材について解説してまいります。
2-1 トワルアッシュ(Toile-H)
トワルアッシュは、フランス語の綿・麻を素材とした織物を意味するトワル(Toile)とエルメスの頭文字Hを組み合わせてできた名称です。色違いの糸を平織りにしたコットンキャンバス生地は、エルメスを代表する素材として広く知られています。非常に摩擦に強く耐久性に富んでいるため、様々なモデルに採用されています。あえて糸の色を変えることで単調に見えがちなキャンバス素材に奥行きが生まれ、ニュアンスのある質感に仕上がっています。レザーや金属との相性が良く、自然なイメージながら高級感も併せ持った素材といえるでしょう。個性を活かしたナチュラルカラーとグレーカラーが人気です。派生ラインにはトワルアッシュより粗く織ったトワルGMがあります。
2-2 トワルソーアッシュ
エルメスの「H」をモチーフとした六角形の幾何学模様が印象的なトワルソーアッシュ。無地が多いエルメスのキャンバス素材で、特別な存在感を放っています。素材にコットンとウールの糸を使っていて、温かみのある柔らかな手触りが特徴です。軽さと丈夫さはもちろん、伝統的な織物の素晴らしさとエレガントな印象を演出してくれるでしょう。現在、ガーデンパーティに採用されています。
2-3 トワルオフィシェ
同色の細い番手のコットン糸を織りあげたトワルオフィシェ。しっとりとしたツヤと滑らかな質感が特徴のキャンバス素材です。色ノリの良さから、豊富なカラーバリエーションで人気を集め、おもにガーデンパーティやエールバッグに採用されています。
エルメスでは比較的新しいキャンバス素材の一つになっています。一見、スウェードに見えるようなテクスチャーでありながら、軽やかさと丈夫さを持ち合わせているキャンバス生地の進化系といえるでしょう。
2-4 トワルポタモス
ギリシャ語でポタモス(Potamos)は川を意味しています。この名前を冠したキャンバス生地の特徴は、6本の縦のラインです。6本のライン中央に少し間隔をとったデザインは、川の流れを大胆に表現してみせてくれます。
エルメスはバーキンやプリュムスに、このトワルポタモスを採用しています。クールでスタイリッシュな印象を演出したいときにおすすめしたいキャンバス素材の一種です。
2-5 トワルカザック
カザックは諸説あるものの、ロシア語由来の名称とされています。コットンキャンバスにコントラストの効いたストライプのラインが特徴です。カラーには赤や黄色、青といった原色を採用していてスポーティーな印象を与えます。
エルメスでは主にバーキンに採用され、サイズによってストライプの本数を変えたデザインになっています。明るい色彩とリズム感のある空間が、個性的なアイテムを求める方に支持されているルックスです。
2-6 トワルジーン
先染めしたインディゴカラーのタテ糸に、染めていないヨコ糸で織りあげたトワルジーン。
エルメスではデニムキャンバス素材として、バーキンを中心に採用しています。軽やかでカジュアルな印象のトワルジーンに、レザーを組み合わせたバーキンは現代のファッションに合わせやすい逸品です。シーズンを問わない仕様ですが、春夏の装いにコーディネートしやすいのではないでしょうか。若々しさもあるので幅広い年代から使えそうです。
2-7 トワルシェブロン
V字に見える綾織(ヘリンボーン)によって陰影が美しいトワルシェブロン。糸はトワルジーン同様、先染めしたタテ糸に染色無しのヨコ糸で織っています。織模様の美しさはもちろん、ほどよい柔軟性や耐久性も申し分ありません。デニムカラー以外のカラーも展開していて、エルメスでは特性を生かしたアリーヌが一定の支持を集めています。気軽に使えるキャンバスバッグとしておすすめです。
2-8 トワルアッシュテクニック
トワルアッシュよりも40%もの軽量化に成功したトワルアッシュテクニック。霜降りを思わせる杢調グレーは、黒糸と白糸のミックスで織られたキャンバス素材です。スウェット生地のようですが、張りがあって型崩れしにくいバッグに仕上がっています。
エルメスはポイントカラーのレザーと組み合わせた旅行カバンに、初めてトワルアッシュテクニックを採用しています。さらにサンダルの甲部分に使うなどして、バッグ以外でも可能性を探る新しいキャンバス素材です。
2-9 トワルモザイク
大理石やガラス、貝殻を集めて模様に仕立てる装飾技法は一般的にモザイクといわれます。エルメスのトワルモザイクは、「H」の頭文字を連続する織模様で表現したキャンバス素材です。先に述べたトワルソーアッシュのように全体に表情があるので、クラシカルな印象を醸し出しています。レザーとの相性が良く、おもにバーキンに採用されているので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。エルメスらしいエレガントな大人の雰囲気が素敵です。
2-10 トワルクーベル
エルメスならではのキャンバス素材。それはトワルクーベルを指すのかもしれません。象徴的な馬柄が視線をとらえ、一度見たら忘れられないインパクトがあります。写実的な馬がレッドとオリーブの2色のキャンバス生地に描かれ、レザーでは表現できない領域を攻めています。この表情豊かで個性的なケリーは、エルメス好きにとって堪らないデザインではないでしょうか。
キャンバス素材であっても華やかなフォーマルシーンに持てそうな雰囲気です。
3 エルメスキャンバスバッグ11種類を解説
ここでは、エルメスの主なキャンバスバッグ11種類について解説してまいります。
3-1 ガーデンパーティ
エルメスのキャンバストートで、初めに名前が上がるのがガーデンパーティでしょう。トートバッグの完成形とされ、発表から現在まで根強い人気を誇るアイテムです。
ガーデニング用品のために考案されたバッグなので口開きが大きく、かさばる荷物の運搬に最適です。外側サイドにクルー・ド・セル(スナップ)があり、荷物の量に応じてバッグのマチ幅が変えられる仕様になっています。
近年、キャンバス素材とレザー仕様の2つのラインで展開され、TTPM、TPM、PM、MM、GMとサイズが5種類あります。
キャンバス素材にはトワルアッシュ、トワルソーアッシュ、トワルオフィシエなどが用いられ、持ち手(革素材)とのコンビネーションやカラーバリエーションでデザインを変えています。バッグアクセサリーやスカーフでカスタマイズが楽しめるのも魅力の一つです。
エルメス正規店での定価は、女性人気の高いTPMサイズで約35万円からとなっています。
3-2 ピコタン・ロック
2003年頃に発表されてから、若年層を中心に人気となっているピコタン・ロック。初期モデルはカデナ付きのベルトが無い状態のピコタンから始まりました。
エルメスは馬の飼葉入れからインスピレーションを得て、ころんとした可愛らしいミニバッグに仕上げています。近年、キャッシュレス化やファッションのカジュアルシフトによってミニバッグの需要が高まり、定番となりつつあるのが現状です。
そうした需要に応えたピコタン・ロックは、当初課題だった荷物の飛び出しを防ぐために、カデナベルトをバッグの真ん中に装備しました。スマートフォンとミニウォレットなどが収まり、軽快にお出かけできるでしょう。また、旅行の際はスーツケースとの合わせ持ちにも最適です。
サイズはミクロ、PM、MM、GM、TGMの5つの展開で自分好みの大きさに出会えます。
現在キャンバス素材では、ピコタン・ロックカーゴがあります。ミリタリー調の粗めのキャンバス生地に、外ポケットが4つあるデザインは使い勝手の良さを重視しています。
ただ、ピコタン・ロックはレザー仕様が主流で、キャンバス素材のピコタン・ロックはかなりレアなアイテムとなっています。
3-3 トロカ・ホリゾンタル
キャンバストートバッグとして洗練されたデザインが人気のトロカ・ホリゾンタル。バッグのほとんどにキャンバス素材を採用していて、持ち手近くのレザーがアクセントとして効いているデザインです。正統派トートバッグといえる形状は、マチがあるので書類やファイルがすっきりと収まります。
肩掛け、または手持ちのどちらでも使えるバッグとして性別、年代を問わず人気を集めています。外側に4つのポケットや内側のファスナーポケットがあるため収納と整理がしやすく、機能性は抜群です。キャンバスバッグの良さである軽さは通学、通勤に最適なバッグといえるでしょう。
サイズはPM、MM、GMの3種類で、ブラック、ネイビー、ブラウン、レッドといった定番のカラーバリエーションから男性が手にしやすいバッグになっています。
3-4 ドーヴィル
フランスの保養地名であるドーヴィル。
エルメスは白いステッチが効いたコットンキャンバストートをドーヴィルと命名しています。コットンキャンバス素材の軽やかさと使い勝手の良さはもちろん、開閉にブランド名の「HERMES PARIS」の刻印付きスナップを採用しており、ブランドアピールも抜かりがありません。四隅の縫いしろを際立たせた仕上げは、このバッグを自立させるだけでなく、スタイリッシュに見せる効果も生んでいます。デイリーユースに気軽に使いたいバッグです。
サイズはPM、MMの2種類。MMサイズには6つの外側ポケットが装備されています。どちらのサイズにも、内側にはファスナーポケットが1つあって、荷物の整理に役立ちます。カラーは定番ブラック、エルメスオレンジ、レッドなどがあります。コーディネートをまとめたり、差し色にしたりして出番が多くなりそうです。
ドーヴィルは、コットンキャンバス生地の良さを存分に楽しめるバッグの一つです。
3-5 アリーヌ
アリーヌはキャンバス素材の本体にレザーの持ち手をつけたシンプルなバッグです。本体前面にエルメスのブランドロゴ「HERMÈS」がプリントされ、ハトメパンチした穴に革ひもを通しています。巾着袋のようなアリーヌは馬の干し草入れをモチーフにして制作されたキャンバスバッグで、毎年限られた顧客のためだけに作られていたものです。最近はSNSで周知されるようになり、レアアイテムとして入手困難な状況になりました。
現行モデルはアリーヌⅡ(ドゥ)となって、PM、MM、GMの3種類のサイズ展開をしています。カラーは初期のオフホワイト、レッド、ブラックの展開でしたが、一般販売するようになった2020年以降は、オレンジやインディゴブルーなども発表されて人気を集めています。まだ日本では入手が難しく、偽物が横行しているので注意が必要です。
また、オールレザー仕様のアリーヌミニは、さらにレアな存在としてSNSを中心に注目を集めています。
3-6 エールバッグ・ジップ
一見するとケリー?と見間違うようなフォルムのエールバッグ・ジップ。自ら組み立てるバッグとして1998年に発表されて、人々に大きなインパクトを与えました。重さや固さから解放された、新たなアイコンとしてエルメスが定義するキャンバスバッグです。持ち手部分と本体がセパレートできる仕様で、初期モデルでは替えバッグが付いていました。
2009年からの現行モデルから替えバッグは無くなり、エールバッグ・シップとして新たに展開しています。デザインとサイズ感で印象が変わるバッグとしても人気のアイテムです。
サイズはミニ、TPM、PM、MM、GMの5種類展開。
エールバッグには他にエールバッグ・アド(リュック型)とエールバッグ・カバスがあって、使い勝手の良さから人気のアイテムになっています。サイズはアドが1種類のみで、カバスがPM、MMの2種類で展開しています。
本体のキャンバス生地はトワルアッシュやトワルGM、トワルオフィシエなどを採用してデザインに多様なバリエーションを与えています。
3-7 キャバリエ
現在は廃盤となっているものの、レアアイテムとして人気が高いのがキャバリエです。ワンショルダーの肩掛けできるキャンバスバッグで、ナチュラルカラーのトワルアッシュが採用されています。縦長のフォルムにエルメスのブランドロゴ、さらに赤、黄色、ネイビーのロカバール調(馬用の防寒具)のストライプが目を惹くデザインになっています。性別や年代に関わらず、コーディネートしやすいといえるでしょう。肩掛けはもちろん、ボディバッグとしても使えます。
荷物が多くてもたっぷり容量があるので、スポーツシーンや旅行に出番が多いバッグになるでしょう。ダブルファスナーで荷物の出し入れに手間取ることはありません。サイズはワンサイズ(縦48㎝×横24㎝×幅19.5㎝)で、カラーはオフホワイト系とオレンジ系の2種類です。
カジュアルながら、しっかりブランドアピールもできるキャンバスバッグとして中古市場を中心に現在も人気のある一品です。
3-8 スティーブル
馬を大胆に描いたデザインのキャンバストート、スティーブル。ポイントカラーのオレンジ色と相まって、エルメスを象徴しているアイテムです。かごバッグのようなハンドル部分には、植物のツルを編んだものを採用しています。春夏は軽やかに、秋冬には温かみを感じさせる素材使いで個性的な仕上がりです。このラインはガーデンパーティとコラボしたり、お財布に採用したりして、さまざまなバリエーションがあります。また馬具のチャーム付きで、ディテールにもエルメスのこだわりがうかがえるでしょう。
コットンキャンバスを使ったトートバッグはマチ幅をたっぷりと取っているため、収納力が抜群です。カラーはベージュ系とオレンジ系、黒や赤といった定番カラーなどもあります。店頭で出会えないレアなアイテムとして存在感を高めています。
3-9 パニエドプラージュ
エルメスらしいカラーで魅せるビーチバッグといえば、このパニエドプラージュでしょう。
フランス語でパニエはかご、プラージュは海辺を意味していますから、まさに海での使用に特化したキャンバスバッグです。バケツ型トートバッグなので容量は十分にあり、様々なシーンに使い勝手が良いでしょう。付属のファスナーポーチは小物の整理がしやすいので、荷物が迷子になることもありません。
特筆すべきなのはカラー展開のバリエーションで、リゾート気分を満喫できそうな明るい色彩に心が躍ります。ターコイズブルーやエルメスオレンジ、また持ち手とのバイカラーデザインも華やかさがあるのが特徴的です。もちろん、デイリーユースしてもコーディネートのポイントになるのでおすすめです。
サイズはPMとGMの2種類で、PMが縦30㎝×横最大55㎝×幅18㎝となり、GMが縦38㎝×横最大74㎝×幅27㎝です。これだけ大きいとバッグ自体の重さが気になりますが、PMが約600グラム、GMが約1200グラムという軽さにあらためて驚きを禁じえません。
3-10 アメダバ(ディアゴ)
縦長フォルムでシンプルなキャンバストートのアメダバ。レザーのハンドルを留めたスタッズが唯一の特徴です。キャンバス素材以外にポリエステルやウールなども使われていて、素材感を楽しめると言えるかもしれません。異素材メッシュを使ったものは質感がユニークで、初見でエルメスとは分からないでしょう。
サイズはPM、GMの2種類で展開しています。39㎝ある持ち手の長さは、肩掛けでデイリーユースしやすいのではないでしょうか。どちらもA4サイズのファイルが無理なく収まるので習い事や通学、通学におすすめです。
カラーは定番の黒や赤、ベージュなどでシックな印象にコーディネートできます。
エルメスでありながら、およそ5万円台後半という控えめな価格のため、手にしやすいといえるでしょう。ブランドアピールを必要としない場合の選択肢にいかがでしょうか。
3-11 ブエナベンチュラ
ブエナベンチュラは、かぶせタイプのフラップが付いたショルダーバッグです。サイズによってフラップが変わり、PMサイズでは真ん中にベルトが通ります。MMサイズからはフラップを横からベルトで押さえる形になるので見た目がかなり違います。
キャンバス素材はトワルオフィシエで、縫いしろをレザーで巻いてステッチが際立つデザインです。スポーティーな印象とともに、端正な表情でセンスを感じさせてくれるでしょう。
カラーは黒、ブラウン、ネイビー、グレーなどがあり、幅広い年代に使いやすいバリエーションで通勤や通学にもおすすめしたいバッグです。ボディバッグのようにななめ掛けにすると安定感が高まります。サイズはPM、MM、GMの3種類です。
4 エルメスキャンバスバッグの選び方を解説
ここではエルメスのキャンバスバッグの選び方について解説してまいります。
4-1 収納量第一!荷物の量で選ぶなら
「とにかく荷物をたくさん持ち運びたい」または「荷物は極力持たずにミニバッグが好み」といった収納量とバッグの好みは人によって様々あるでしょう。
エルメスのキャンバスバッグは、どちらの要望にも応えてくれるので頼れる存在です。どのモデルでもサイズ表記がMMまたはGMなら問題なく、たっぷりの荷物を持ち運べます。さらにキャンバストートはマチ幅で容量が変わるので、より幅の広いマチ幅を選んでみるという選び方もあります。手持ちと肩掛けでも重量感は変わってきます。肩掛けできて、なおかつ、ななめ掛けも可能なタイプは長時間の使用に向いています。
一方、少なめの荷物派ならガーデンパーティのTTPM、TPMやピコタン・ロックはいかがでしょうか。種類ごとのサイズを目安にして、お好みのキャンバスバッグを見つけてみてください。
4-2 シーン別に使いたい!持ちたいシーンで選ぶなら
キャンバスバッグの種類によっては、限定されたカジュアルシーン向けのものがあります。例えば、パニエドプラージュのようにビーチリゾートを想定したものです。また、キャバリエはアウトドアシーンに最適なキャンバスバッグです。なんでも放り込めるおおらかさがあるので、キャンプや車中泊で気軽に使えるでしょう。
一方、トワルクーベルのケリーは華やかなシーンにふさわしい品格を演出してくれます。さらに通勤、通学や習い事にはガーデンパーティをはじめとするトートバッグ型が何かと便利でおすすめです。「荷物がみえるのはちょっと…」という方には、被せのフラップやファスナー付きのブエナベンチュラまたはエールラインが安心できるでしょう。
5 エルメス伝説のキャンバスバッグ廃盤モデル2種類を解説
エルメスでは新作発表をシーズンごとに行っています。それに伴い、定期的なアイテムの見直しにも余念がありません。
ここでは惜しまれつつも廃盤となった、2種類のキャンバスバッグについて解説してまいります。
5-1 フールトゥ
1998年、エルメスが初めて手掛けたキャンバストートバッグ、フールトゥ。
横長の本体部に、5本の縦ラインの持ち手がアクセントになったデザインは洗練された印象で人気を博しました。キャンバス素材の良さである軽さや、オフィシャルシーンに馴染みやすいシックなカラーが圧倒的に支持されたのです。フールトゥの登場が「大人の男性が持てるキャンバスバッグ」という新たなジャンルを開拓したのは大きな功績といえるでしょう。
フールトゥは何度かモデルチェンジをしていて、その都度ディテールに変化が見られます。
ハンドルのライン数を5本から3本に減らしたり、細いストライプに変えたりしています。また、コットンキャンバス生地からトワルアッシュを採用することで耐久性を向上させています。この同じ時期に名称をニューフールトゥとしてブランドの革タグを装備しました。
サイズは4種類(PM、MM、GM、カバス)で展開。後年、フールトゥにはショルダータイプ(バサス)が登場しています。カラーはバリエーション豊富になり、さらに単色モデルやバイカラーモデルなどが発表されていて、廃盤となった現在も中古市場で人気の存在です。
5-2 エールライン
フールトゥに続く2000年に発表されたエールライン。キャンバストートとして見た目の違いはそれほどないものの、ナイロンキャンバス素材を採用して撥水性を高めました。日常的に使っていると悪天候に見舞われる日もあるでしょう。コットンキャンバスは雨天時の水濡れに弱く、エルメスとしても解消したい課題だったのでしょう。
2000年の登場から2006年までの短い販売期間ながら、このバッグを日本国内で頻繁に見かけたのは、季節の変わり目に長雨が多いことと決して無関係ではありません。また、持ち手のデザインにエルメスの頭文字Hをさりげなく組み込んでいるのが秀逸です。カデナ付きのファスナーで開閉できるので、通勤時のような混みあう場所で持ち歩いても安心感が得られるでしょう。
4種類のサイズはPM、MM、GM、TGMの展開です。グレーとダークブラウンのカラー展開で、男性が持ちやすいキャンバストートになっています。廃盤となってから15年以上経過した今も、変わらない人気を誇るアイテムの一つです。
6 エルメスキャンバスバッグの主戦場は中古市場?真相を解説
エルメス正規店では、購入を繰り返すうちに顧客として様々な特典が得られます。例えば、先に述べたレアアイテムを優先的に入手できたり、新作のリクエストがしやすくなったりします。エルメスで特別な顧客になるには、同じ店舗で10年以上、購入金額がそれなりの額に達していなければなりません。その金額について、まことしやかにささやかれているのは1,000万円とされています。これから腰を据えてエルメスを購入したい方以外、一般的にハードルが高い金額といえます。
そこまでエルメスブランドにこだわりが無い場合、中古市場で購入するほうがおすすめです。初期に登場して爆発的な人気を集めたモデルはもちろんのこと、現行モデルに至るまで、エルメスのアイテムは中古市場が充実しています。今回のキャンバスバッグでは状態の良いものが定価の5割から7割程度の価格で購入が可能です。「ちょっと試してみたいな」くらいの軽い気持ちで購入したい時に最初の一歩が踏みだしやすいのではないでしょうか。
7 エルメスキャンバスバッグのお手入れ方法を解説
ここでは、エルメスキャンバスバッグのお手入れについて解説してまいります。
7-1 水濡れ厳禁!ホームケアで対策できること
キャンバス素材はレザーと比べて扱いやすい面がある一方、水濡れには注意をはらう必要があります。そのため、購入したらすぐに撥水スプレーで処理しておくことをおすすめします。撥水スプレーには防汚効果が期待できるものがあり、汚れへの予防にもなって一石二鳥の対策です。一度だけでなく定期的におこなっていくと、きれいな状態がキープできます。もし雨などで濡れてしまったら、早めにふき取って陰干しします。レザー仕様の部分的なお手入れは、専用のクリームを塗布しておくといいでしょう。
7-2 安心なのは正規店メンテナンス
どうしても手に負えない汚れや破損などは、リペア専門店の利用を検討してみることがおすすめです。エルメス正規店で購入している場合、メンテナンスサポートを受けられるので気になるときは一度相談してみることがおすすめです。
エルメスのキャンバスバッグを中古市場で売買するときに、正規店でメンテナンスを受けていないと多くのケースで買取拒否となることがあります。将来的に売却を予定している方は
この知識が役に立つかもしれません。
8 「まとめ」エルメスのキャンバスバッグは種類が豊富!
今回はエルメスのキャンバスバッグについて解説してまいりました。
機能性を活かしながら、ブランドらしさも忘れないエルメスのキャンバスバッグ。
キャンバス素材のメリットを最大に活かしたラインナップから、きっとお気に入りがみつかるのではないでしょうか。
エルメスが独自に生みだしたキャンバスの種類は、今回紹介したものだけにとどまりません。興味を持たれたら、ぜひエルメスの公式HPや中古市場をのぞいてみてください。手にしやすい価格帯なので、ファーストエルメスを迷われている方にもおすすめです。