2024年9月04日
癒し効果を持つ緑色の宝石10選!王道のエメラルドから珍しい石も!
緑の宝石といえば、皆さんはなにを思い出しますか?
エメラルドは、誰もが知る有名な宝石ですよね。どんなに宝石に興味がない人でも、エメラルドなら知っているという人も多いと思います。翡翠は日本でもなじみ深い宝石で、とても有名です。すぐには思い出せなくても、翡翠を知らないという人はあまりいないでしょう。
翡翠というと、「あぁ、あの緑色の石だね」とすぐに思うのではないでしょうか。
では、他にはなにがありますか?
もう思いつかない!という人も多いかもしれません。宝石に詳しい人でなければ、あまりぱっとは思いつきませんよね。ですが緑色の宝石は、実はたくさんあります。例えば、サファイアやガーネットと言った有名な宝石にも、緑色のものがあります。その他にもジュエリーやパワーストーンとして、さまざまな種類の緑色の石があるのです。
今回は10種類の緑色の宝石をご紹介します。
同じ緑の宝石と言っても、たくさんの種類があり、見た目も効果もさまざまです。
この記事を読んで、自分の好みにぴったりな緑色の宝石を見つけてくださいね。
目次
1.エメラルドは世界三大宝石のひとつ
エメラルドはダイヤモンド、ルビー、サファイアとともに「世界四大宝石」とも呼ばれる、世界で最も有名で、高価な宝石のひとつです。
緑の宝石の代表とも言えるエメラルドについて、まずは詳しく見ていきます。
1-1.エメラルドはこんな宝石
エメラルドはベリルという鉱物の一種です。ベリルは含有する物質によってさまざまな色になりますが、その中でも特に緑色のものをエメラルドと呼びます。
余談ですが、同じベリルの仲間には水色のアクアマリンや、ピンク色のモルガナイトも含まれます。エメラルドはアクアマリンやモルガナイトの兄弟とも言える石なのです。
ベリルにクロムやバナジウムが加わることで、私たちの知る美しいエメラルド・グリーンの宝石が誕生するのですが、これにはさまざまな奇跡のような偶然が重なる必要があります。
ベリルの元であるベリリウムは、通常地球の比較的浅い部分に存在します。それに対し、エメラルドになるためのクロムは地球の深いところにしかありません。両者が出会うのは大規模な地殻変動など、なんらかの偶然が起きた時です。もちろん、そう頻繁に起きるようなことではありません。
あるいは、地球の内部で長い時間をかけて堆積した岩石に、強い熱や圧力が加わった物の中に、ベリリウムやクロムが含まれていることがあります。その岩石のそばを偶然温かい水脈が通るとベリリウムやクロムが放出されて、エメラルドになることがあります。
エメラルドはそんな奇跡的な出会いから生まれた宝石なのです。
エメラルドはもともと、サンスクリット語で「緑の石」という意味の言葉、「marakata(スマラカタ)」と呼ばれていたそうです。
その後ギリシャでは「smaragdos(スマラグドス)」、フランスでは「esmeraude(エスメラルド)」と呼ばれ、今の「Emerald(エメラルド)」という名前になりました。和名では「翠玉(すいぎょく)」と呼ばれています。
エメラルドは歴史も長く、それぞれの時代や国で、いろんな呼ばれ方をしていたんですね。
1-2.今も昔も愛される緑の宝石
エメラルドは長い歴史の中で、さまざまな人に愛されてきました。
現在の南アフリカ、ペルーやボリビアのあたりにあったインカ帝国でも、エメラルドは特別な宝石として愛されていました。
エメラルドは不死や若さのシンボルとして、太陽神のへの供物になる特別な宝石でした。インカ帝国最後の王様が所有していた王冠は、24カラットの大きなエメラルドがメインに据えられ、442個のエメラルドで装飾された黄金の冠です。現在はアメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館に展示されています。機会があったら見てみたいですね!
もうひとり、エメラルドをとても愛用していたとして有名な人物が、エジプトの女王クレオパトラです。彼女は自分の瞳と同じ色だったエメラルドをこよなく愛していました。
クレオパトラは、自分専用のエメラルド鉱山を持っていたそうです。またエメラルドをアクセサリーとして身に付けるだけでなく、石をくだいてアイシャドウにしたとも言われています。この上なく贅沢な使い方ですね。
1-3.パワーストーンとしてのエメラルドの石言葉と効果
エメラルドはジュエリーとして身に付けるだけでなく、パワーストーンとしても人気の宝石です。
特に、5月の誕生石であるエメラルドは、5月生まれの人に人気があります。誕生石は、その月に生まれた人が身に付けるとお守りになると言われています。エメラルドは5月生まれの人が自分用にお守りとして購入したり、家族や親しい人からの贈り物としても人気です。
また石にはそれぞれ、その石をあらわす「石言葉」があります。花に花言葉があるように、石にも石言葉があるというわけです。
エメラルドの石言葉は「幸運」「幸福」「夫婦愛」などです。エメラルドは「愛の石」とも呼ばれるパワーストーンで、持ち主だけでなくその周辺にも愛情をもたらすとされています。「夫婦愛」という石言葉があるように、その愛情を長続きさせる効果があるとも言われていますので、夫婦間での贈り物にもぴったりです。
2.グリーンサファイアは特に珍しいサファイア
多くの人が、サファイアというと青い宝石をイメージすると思います。ですが実はサファイアには、グリーンのものもあるというのをご存知ですか?
ここでは珍しいグリーンサファイアについてご紹介していきます。
2-1.グリーンサファイアはこんな宝石
サファイアはコランダムという鉱物が元になっています。コランダム自体は無色の石ですが、そこにさまざまな物質が加わることによって、異なる種類の宝石に変わるのです。
例えば、コランダムにクロムが加われば、赤くなります。この赤い宝石が、ルビーです。
エメラルドにとってのアクアマリンと同じように、サファイアにとって、ルビーは兄弟のようなものなのです。
コランダムはクロム以外にも、さまざまな物質を含むことで色を変えます。その色は青だったり、ピンクだったり、グリーンだったりとさまざまです。赤以外のさまざまな色のコランダムはすべて、サファイアと呼ばれます。
サファイアと言えばブルーというイメージが定着してはいますが、実はサファイアはピンク、オレンジ、グリーン、イエローなど多くの色のバリエーションを持つ石なのです。
その中でもグリーンサファイアは、一般での流通量が少ないと言われています。
グリーンサファイアはコバルトを含んだコランダムです。瓶のボトルのように深い色の「ボトルグリーン」や淡い黄色がかった「ライムグリーン」など、同じグリーンサファイアでも違った色合いを楽しめるのが特徴です。
2-2.色合いによって価値が変わる
サファイアは色合いによって価値が大きく変化します。
一番高価なサファイアは、最も有名で人気も高いブルーサファイアです。特に鮮やかな、コーンフラワーブルーと呼ばれる色合いは、ブルーサファイアの中でも最上級で、希少性も高く、なかなか入手できません。
次に価値が高いとされるのは、世界三大希少石のひとつであるパパラチアサファイアです。パパラチアサファイアはオレンジとピンクのちょうど中間の、美しいニュアンスカラーをしています。蓮の花の色とも、夕暮れの色とも言われる絶妙な色合いがとても人気のサファイアです。
グリーンサファイアはというと、あまり一般的な宝石でもないので、人気はそこまで高くありません。ジュエリーショップで偶然目にするという機会も少ないと思います。
ですが流通量が少ないだけに、いざ購入しようとすると少し苦労するかもしれません。
特に石全体に色ムラがなく、均一なグリーンの石は高価です。ただし品質にそこまでこだわらなければ、比較的安価で購入することもできるので、気になる方はぜひ探してみてください。
2-3.パワーストーンとしてのグリーンサファイアの石言葉と効果
サファイアは9月の誕生石ですので、グリーンサファイアももちろん9月生まれの人のお守りになってくれるでしょう。サファイアの石言葉として有名なのは「誠実」ですが、グリーンサファイアの石言葉は「清廉」「慈愛」です。同じサファイアなのに、石言葉が違うのはなんだか面白いですね。
グリーンサファイアは心を落ち着かせてくれるパワーストーンです。ストレスが溜まっていると感じている人や、今の環境に不満があって周囲にイライラしている人の心を、グリーンサファイアは穏やかにしてくれるでしょう。
悪縁を絶つ効果もあるので、現在の良くない人間関係を整理するのにも役立ちます。持ち主にとって良い影響を与える人間関係や環境が、自然とできていくでしょう。過去のトラウマを癒してくれる石でもあるので、どうしても忘れられずにつらい出来事がある人は、グリーンサファイアに頼ってみてもいいかもしれません。
3.透き通った美しさのグリーンガーネット
サファイアといえばブルーというイメージがあるのと同じように、ガーネットと言えば赤い宝石だと思っていませんか?ですが実は、ガーネットにもグリーンの種類があります。しかもグリーンガーネットは一種類ではありません!奥深いグリーンガーネットについて、解説していきます。
3-1.グリーンガーネットはこんな宝石
ガーネットはとても仲間の多い宝石です。
ガーネットはケイ酸塩鉱物という鉱物なのですが、ケイ酸塩鉱物の実に16種類もの仲間がまとめて「ガーネット」と呼ばれています。先ほど、エメラルドとアクアマリン、サファイアとルビーは兄弟のようなものと言いましたが、ガーネットはその16種類が「ガーネットファミリー」「ガーネット一族」と呼ばれることもあります。
その一族の中にも色々な特徴を持つガーネットがあり、宝石と呼ばれるのは6種類のみです。6種類のガーネットはさらに、赤系のパイラルスパイトグループと、グリーン系のウグランダイトグループに分けられます。グリーンガーネットはこのウグランダイトグループのものというわけです。
ガーネットの語源は、ラテン語で種子という意味の「granatus(グラナタス)」か、果物のザクロという意味の「granatum(グラナトゥム)」だと言われています。母岩に小さな結晶がびっしりとついている姿が果物のザクロに似ていることが由来だと言われています。ザクロといえば赤色の果物ですし、やっぱり赤い石というイメージが強いです。
古来からガーネットが用いられてきた記録はあるのですが、やはりどれも赤い色のガーネットのことで、グリーンガーネットが知られてきたのはごく最近のことです。
特にグリーンガーネットの一種であるグロッシュラーガーネットは、1973年にティファニー社が「ツァボライト」という別名を付けて売り出したことで、一気に知名度を高めました。ツァボライトという名前があまりにも有名になったので、今では鑑別書に別名として記載されることもあるそうですよ。
3-2.グリーンのガーネットは2種類!
前述のように、ガーネットの中でもグリーンを発色するのはウグランダイトグループのものです。このウグランダイトグループには、グロッシュラーガーネットとアンドラダイトガーネットの2種類があります。
一般にグリーンガーネットと呼ばれ、流通量が多いのは、ツァボライトとも呼ばれるグリーングロッシュラーガーネットです。そもそものグロッシュラーガーネットはカラーレスの石なのですが、成長途中にバナジウムを取り込むことでグリーンに発色し、美しいグリーンガーネットになります。やはりこれも含有する物質で色を変える宝石で、鉄を含むとイエローやオレンジになることもあります。
もう一方のアンドラダイトガーネットは、鉄を含むガーネットです。グロッシュラーガーネットよりも希少で、あまり見かけることはないかもしれません。黒っぽいイエローやオレンジ色のものが多いのも特徴で、かつては「黒いザクロ石」と呼ばれていたこともあったそうです。
アンドラダイトガーネットの中でも特に美しいグリーンを見せるのが、デマントイドガーネット。「デマントイド」は「ダイアモンドに似た」という意味の言葉で、輝きの強いダイヤモンドに似ていると言われるくらい、美しく輝きの強いガーネットです。デマントイドガーネットは、取り込んだ光を分散して輝く「ファイア」と呼ばれる七色の光を見せます。機会があればぜひ見てみてくださいね。
3-3.パワーストーンとしてのグリーンガーネットの石言葉と効果
ガーネットは1月の誕生石として有名ですね。もちろんグリーンガーネットも、1月の誕生石です。
石言葉は「決断力」「導き」などです。ガーネットはもともと忍耐強さを持つパワーストーンと言われています。グリーンガーネットはさらに冷静な判断力を与える石なので、しっかりとタイミングを見極め、最適な決断をする手助けをしてくれるでしょう。
グリーンガーネットは「指導者の石」とも呼ばれています。人を指導するのはとても難しいですよね。そのような立場になると、悩んだり迷ったりすることも増えるでしょう。そんな時に力を貸してくれるのが、グリーンガーネットです。グリーンガーネットは持ち主の悩みに寄り添い、良い方向へと導いてくれます。
4.明るいイエローグリーンのペリドット
さわやかな黄緑色が特徴的なペリドットは、明るくかわいらしい黄緑色の石です。今ほど科学技術が発達していなかった時代には、エメラルドと間違われることもあったというペリドットについて、詳しく見ていきましょう。
4-1.ペリドットはこんな宝石
ペリドットはケイ酸塩鉱物の一種で、橄欖石(かんらんせき)とも呼ばれます。この橄欖石というのは、地球でもっとも多い鉱物と言われているほど、よくある石です。中学や高校の授業で習ったという人も多いのではないでしょうか。
地球の表面は絶えず動いています。その動きに乗った橄欖石が地上に来るまでのあいだに冷やされてできるのがペリドットです。ただしその大部分は、私たちが目にする前に砕けてしまいます。そのせいで、ペリドットは小粒のものが多いそうです。
マスカットのようなさわやかな色合いのペリドットは、長い間エメラルドと間違われてきました。というより、科学技術で成分などを細かく判別できない時代においては、緑色の石はなんでもエメラルドだったのです。エメラルド好きで知られるクレオパトラのコレクションにもペリドットは混ざっていましたし、フランスの皇帝ナポレオンが妻であるジョセフィーヌに渡したエメラルドのネックレスも、のちにペリドットだったことが判明しています。
古代ギリシャやローマの人々はペリドットをトパーズと呼んでいたという話もありますし、ややこしいですね。
ペリドットの名付けに関してははっきりしたことはわかっていません。宝石という意味のアラビア語「Faridat(ファリダット)」や、ペルシア語で美しい妖精という意味の「Peri(ペリ)」、フランス語で不透明という意味の「peritot(ペリトット)」など、多くの語がペリドットの由来ではないかと言われています。和名は「貴橄欖石(きかんらんせき)」です。
4-2.「太陽の石」「夜のエメラルド」とも呼ばれるペリドット
エメラルドに間違われたり、トパーズと呼ばれたりと色々あったペリドットですが、多くの人に愛されていたことは間違いありません。
ペリドットは古くは「太陽の石」と呼ばれていました。
宝石にはインクルージョンと呼ばれる内包物が含まれることがあります。インクルージョン通常は少ないほうが良いとされますが、ペリドットに含まれるインクルージョンには、その美しさゆえに、かえって石の価値を高める種類のものもあります。
そのひとつが、丸い蓮の葉のように見えるインクルージョンです。これを含むペリドットは「リリーパッドペリドット」と呼ばれます。「サンスパングル(太陽のきらめき)」とも呼ばれるこのインクルージョンを含んだペリドットは、太陽神が人間にもたらした特別な宝石だと考えられていました。
またペリドットは少ない光源でもキラキラと輝くことから、中世の貴族の間では「夜のエメラルド」と呼ばれていました。現在のように明るい光源がたくさんあるわけではない時代には、輝きの強いペリドットは夜会につけていくのにぴったりな宝石だとありがたがられていたそうです。
4-3.パワーストーンとしてのペリドットの石言葉と効果
ペリドットは8月の誕生石で、石言葉は「平和」「豊穣」などです。ペリドットの明るいグリーンは穏やかさの象徴と言われています。また豊かな緑が豊穣を意味するとも言われている、持ち主に恵みをもたらす石です。
古くから「太陽の石」と呼ばれていたペリドットは、マイナスをプラスに変えるパワーを持っています。持ち主を明るく照らしてくれる石なので、どうしてもネガティブに物事を考えてしまう人や、積極的になりたいと願っている人にぴったりです。
「平和」という石言葉もあるように、周囲の人間関係を整えてくれる石でもあるので、友人や知人、家族、職場の人間関係に悩む人にも、ペリドットは力を貸してくれるでしょう。ポジティブな気持ちで相手に向き合うことができるようになるので、お互いに信頼や愛情を深めることができます。
5.翡翠は日本の国の石
翡翠は奈良時代から装飾品として用いられていた石で、日本の国石にも定められています。翡翠に関して詳しくなくても、なんとなく身近に感じているという人も多いのではないでしょうか。
5-1.翡翠はこんな宝石
英語で「Jade(ジェイド)」、中国語で「玉(ぎょく)」と呼ばれる翡翠には2種類あります。硬玉(こうぎょく)とも呼ばれる「ジェダイド」と、軟玉(なんぎょく)とも呼ばれる「ネフライト」です。この2種類はどちらもJade、つまり翡翠なのですが、日本で現在翡翠とよばれているのは硬玉、ジェダイドの方だけです。
ジェダイドとネフライトはもともとは同じ石だと思われていましたが、18世紀に入ると科学時技術の発展により、まったく違う石であることが判明しました。見た目にはそっくりで、一見見分けることは難しいですが、石そのものの性質や、硬さもまったく違います。
翡翠は緑色のイメージが強いですが、実際には白・黒・青・オレンジなどさまざまな色があります。その中でも最近人気なのが、薄紫色のラベンダー翡翠です。特に欧米では人気の翡翠になりつつあります。
とはいえやはり価値が高いとされるのは、美しい緑色の翡翠です。
そのなかでも特に「琅玕(ろうかん)」と呼ばれる透明度が高くとろみのある質感の翡翠が、最高級品とされます。琅玕は鮮やかで濃いグリーンでありながら、透明度が高くインクルージョンも少ないごく一部の限られた翡翠のことです。
身分の高い人が特に愛したと言われる琅玕は、「インペリアルジェイド」「翡翠の王様」とも呼ばれます。
5-2.日本でも身近な宝石
キラキラ輝く宝石は、なんとなく外国のイメージが強いかもしれませんが、翡翠は古くから日本人の生活にも深くかかわってきた宝石です。
翡翠の産地として有名な新潟県の糸魚川周辺では、縄文時代の遺跡から勾玉に加工された翡翠が見つかっています。日本は世界最古の翡翠加工の発祥地と言われており、その後も古事記に翡翠の描写があったり、交易品されたりしていました。ところがなぜか奈良時代を最後に、日本人の翡翠使用の記録はぱったりとなくなってしまいます。
そのため長い間、日本では翡翠は取れない、以前の翡翠使用は中国からの交易品として手に入れたものだろうと考えられていました。
ところが1900年代に入り、新潟県で翡翠の再調査が行われ、翡翠が再発見されたのです。
2016年に翡翠は日本鉱物科学会によって日本の国石に指定されました。翡翠は現在でも新潟県糸魚川市など、複数の場所でまれに見つけることができます。そしてその一部は保護区であったり、私有地として翡翠が取りつくされることがないようにきちんと保護されています。
5-3.パワーストーンとしての翡翠の石言葉と効果
翡翠はエメラルドと同じく5月の誕生石です。ちょうど新芽が芽吹く頃なので、緑色の宝石は誕生石にぴったりですね。
石言葉は「財福」「長寿」です。翡翠は古来から日本だけでなく多くの国で長寿のお守りとして使用されてきました。縁起の良い石として健康を祈る人に用いられてきた石です。
翡翠は古来から中国で「五徳」をもたらす石とされてきました。
五徳とは立派な人間の持つ5つの長所のことで、人を思いやること、欲深くならないこと、礼儀を重んじること、知識と道義を持つこと、人を信じることです。
翡翠はこの5つの長所を高め、持ち主に人徳を与えるパワーストーンだと言われています。
人間的に成長したいと思っている前向きな人を、翡翠は助けてくれるでしょう。
6.アベンチュリンはキラキラ光る宝石
アベンチュリンは、石の中にキラキラと光る粒があるように見える、個性的な宝石です。他の宝石とは違う独特なきらめきはどのように作られているのか見ていきましょう。
6-1.アベンチュリンはこんな宝石
アベンチュリンはおおざっぱにいうと水晶の仲間で、アベンチュリンクォーツとも呼ばれます。水晶というと、透き通って向こう側を見通せる石をイメージするかもしれませんが、アベンチュリンは石の中にさまざまなものを含んでいますので、向こうが透けて見えるものはほとんどありません。
アベンチュリンの一番の特徴は、名前の由来にもなった「アベンチュレッセンス」とよばれるキラキラした内包物です。アベンチュリンはその成長過程で、鉄鉱石などさまざまな物質を内部に取り込みます。ごくちいさなそれらのインクルージョンが独特の輝きを見せるのが、アベンチュリンの特徴です。
アベンチュリンの和名は「砂金水晶(さきんすいしょう)」と言います。アベンチュレッセンスがまるで砂金のように見えることがわかる、良い名前ですね。見たことがない人もアベンチュリンをイメージしやすいのではないでしょうか。
6-2.アベンチュリン=インド翡翠
キラキラと輝くアベンチュレッセンスが特徴のアベンチュリンですが、中にはアベンチュレッセンスを持たないアベンチュリンもあります。そういったアベンチュリンは翡翠によく似ており、高価な翡翠の代用品として扱われることもありました。現在でもアベンチュリンには「インド翡翠」という別名があるほどです。
インド翡翠という別名はよく知られていますが、アベンチュリンは翡翠に比べると有名ではないので、インド翡翠という名前にしておいたほうが売れるという思惑のある業者もあるようです。
インド翡翠という名前で売られているアベンチュリンを本物の翡翠と勘違いして購入してしまったという話は、決して珍しくありません。「〇〇翡翠」という名前で売られている宝石には、充分注意してくださいね。
6-3.パワーストーンとしてのアベンチュリンの石言葉と効果
アベンチュリンの石言葉は「安眠」「精神安定」です。石言葉からもわかるように、強い癒しのパワーを持つとされ、持ち主を心身共に癒してくれます。アベンチュリンのきらめきが森林浴で浴びる木漏れ日のように感じられるからかもしれません。
どうしてもネガティブになってしまうのに、なかなかうまくストレス発散ができないという人には、アベンチュリンがおすすめです。眠る前にアベンチュリンを眺めて、気持ちを落ち着かせるようにしましょう。
7.「瑪瑙」とも呼ばれるグリーンアゲート
グリーンアゲートは、多くの色を持つアゲートの中のひとつです。緑色の石に、美しく黒い縞模様が入っています。ジュエリーとしてよりは、天然石やパワーストーンとして目にすることの方が多いかもしれません。
7-1.グリーンアゲートはこんな宝石
アゲートは二酸化ケイ素鉱物という石で、石英の仲間です。この石には多くの色や特徴を持つ仲間がたくさんあります。有名なものだと、オニキスもアゲートと同じ二酸化ケイ素鉱物です。色もさまざまで、グリーン以外にも青や赤、紫、白い縞模様の入ったブルーレースアゲートなどもあります。
グリーンアゲートは、その多くが人の手により加熱されています。採掘されたときは赤や褐色のアゲートを加熱すると、緑色のグリーンアゲートになるのです。アゲートは日本でもわずかに産出されますが、日本では天然のグリーンアゲートはほとんどありません。グリーンアゲートがほしいと思ったら加熱する必要がありますが、加熱加工が加えられたからといって悪いアゲートかというとそんなことはありません。
グリーンアゲートを選ぶときは、加熱しているかどうかではなく、あくまで自分の好みかどうかで選ぶことをおすすめします。アゲートの名前は、アゲートが発見されたイタリアのシチリア島にある「achates(アカーテ)」という川の名前に由来していると言われています。和名は「瑪瑙(めのう)」です。もともとは馬の脳みそに似ているということから「馬脳」という字があてられていたそうです。
7-2.ジャスパーやカルセドニーとどう違う?
パワーストーンに詳しい人は、ジャスパーやカルセドニーという石をご存知かもしれません。それらはアゲートととてもよく似ていて、どう違うのか、どうやって見分ければいいのかと疑問に思ったことも、もしかしたらあるかもしれませんね。
実際、アゲート、ジャスパー、カルセドニーは同じ石英の仲間で、とてもよく似ています。
見分け方は単純で、ずばり「見た目」です。
縞模様が入っていればアゲート、石が半透明ならカルセドニー、不透明ならジャスパーです。
とはいっても、実際はアゲートでも縞模様が薄くて見えづらかったり、あるいは小さくカットされたことで縞模様がまったくないアゲートもあります。
また、店によって分類の仕方が違ったりする場合もあるので、気になるようならお店に直接尋ねてみてください。
7-3.パワーストーンとしてのグリーンアゲートの石言葉と効果
グリーンアゲートの石言葉は「健康」「長寿」です。緑の宝石には多いですが、グリーンアゲートもヒーリングの効果を持っています。特にグリーンアゲートは外部から受けたダメージを癒す効果があるとされていますので、つらい別れを経験した時や、周囲の人からひどいことを言われた時などに使うと良いでしょう。孤独からの解放という意味も持っていますので、環境が変わったばかりで不安な時や、周囲の人と馴染めていないと感じる時にも効果的です。
また過去の体験がトラウマになってしまっている時にも、グリーンアゲートは持ち主を助けてくれます。
リラックス効果のある石なので、身に付けたり眺めたりすることでゆったりとした気持ちになり、時間をかけて持ち主を癒してくれるでしょう。
8.縞模様が特徴的なマラカイト
マラカイトもグリーンアゲートと同じく縞模様の入ったグリーンの石ですが、グリーンアゲートとは違ういろんな特徴を持っています。その違いにも注目しながら見ていきたいと思います。
8-1.マラカイトはこんな宝石
マラカイトは一見するとグリーンアゲートとよく似ていますが、よく見るとその違いに気付くでしょう。
それは、縞模様の色です。グリーンアゲートは緑のアゲートに、黒い縞模様が入っています。ぱきっとした縞模様が特徴的なのがグリーンアゲートです。
マラカイトには、グリーンアゲートとは違って黒い線が入っていません。マラカイトは波のような緑色の濃淡が、縞模様に見えるのです。不思議な色合いの濃淡が美しく、じっと見ているとなんだか目が回るような感覚になる石です。
マラカイトの名前はギリシャ語で植物のゼニアオイを意味する「Mallow(マロウ)」だとも、やわらかいという意味の「Marakos(マラコス)」だとも言われており、はっきりしません。和名は「孔雀石(くじゃくいし)」です。マラカイトの美しい緑と、羽根を広げた時のように見える縞模様は、孔雀にそっくりですね。
8-2.マラカイトはお守りや虫よけにもなる?
マラカイトは宝石として装飾具に加工される以外にも、さまざまな使われ方をされてきました。
宝石をお守りとして使うのは、よくありますよね。マラカイトも例外ではなく、特に目を守るお守りとして使われていたそうです。不思議なマーブル模様が目のように見えることもあったのかもしれません。
またマラカイトは柔らかいので、砕いて粉末にしたものを利用することもよくありました。絵具として用いられたり、珍しいところでは花火の着色剤としても利用されたそうです。
マラカイトは虫よけにも使われていました。
よくある昔ながらの言い伝えや迷信によるものではなく、マラカイトは銅を含むので、実際に虫よけとしての効果があったそうですよ。
8-3.パワーストーンとしてのマラカイトの石言葉と効果
マラカイトの石言葉は「病気治癒」「保護」「危険な愛」です。石言葉として「愛」はよくありますが、「危険な愛」は珍しいですよね。不思議なマーブル模様が、一筋縄ではいかない大人の危険な愛を連想させたのでしょうか。
マラカイトは洞察力をアップさせる石だと言われています。自分のこと、周囲のことによく気が付くようになり、その結果人間関係が良くなったり、仕事がうまくいったりする効果があります。また危険をうまく避けられるようにもなるので、トラブル回避にも役立つパワーストーンです。
9.翡翠とよく似たクリソプレーズ
クリソプレーズを初めて見た時、そのかわいらしい色合いとぷるんとしていてグミのようなおいしそうな見た目にとても驚きました。そんなクリソプレーズは、実はこれまでに紹介したある石の仲間なのです。
9-1.クリソプレーズはこんな宝石
クリソプレーズは半透明の緑色をしたかわいらしい宝石です。アップルグリーンと呼ばれることもあるその色合いは、まるでグミやゼリーのような不思議な魅力があります。
半透明のグリーンであるクリソプレーズは翡翠によく似ているので「オーストラリア翡翠」という別名があります。アベンチュリンも「インド翡翠」と呼ばれていましたね。緑で半透明や不透明の石は「〇〇翡翠」という別名を付けられがちです。ですがそのほとんどは翡翠とは何の関係もない、まったく別の石です。
クリソプレーズはオーストラリア翡翠という名前を付けられて、翡翠の代用品のように扱われたこともありますが、決して価値の低いものではありません。
18世紀にポーランドでクリソプレーズの鉱山が発見された時には、クリソプレーズが大流行しました。ですがすぐにその鉱山が枯渇してしまい、一時期クリソプレーズはとても高値で取引されていたそうです。
現在はオーストラリアで鉱山が発見され供給も安定したので、クリソプレーズは比較的安価で購入できる宝石です。ですがインクルージョンを含むものも多く、品質が良いものは変わらず高価で取引されています。
9-2.クリソプレーズはカルセドニーの仲間
クリソプレーズは石英の仲間です。さらに詳しく言うと、石英の中でもカルセドニー、グリーンのカルセドニーがクリソプレーズと呼ばれています。
カルセドニーはアゲートの項でも出てきましたよね。つまりアゲートとクリソプレーズは広く言えば仲間同士であると言えます。
クリソプレーズはさまざまな色があるカルセドニーの中でも特に少なく、さらにインクルージョンが少ない美しいものとなるとさらに希少です。
品質の良いクリソプレーズを見かけたら、ラッキーかもしれませんね。
9-3.パワーストーンとしてのクリソプレーズの石言葉と効果
クリソプレーズの石言葉は「豊穣」「自己実現」です。アップルグリーンの色合いが、豊かな実りを連想させたのかもしれません。クリソプレーズは自分を見つめなおすことができるパワーストーンとも言われています。現状を把握し、なりたい自分に近づくための手助けをしてくれる石です。
また、クリソプレーズはポジティブに一歩踏み出す勇気をくれるパワーストーンでもあります。ただがむしゃらに頑張るというよりは、ストレスをなくして自分や周囲の環境を整えてから、目標のために正しい道を歩くサポートをしてくれる石です。クリソプレーズのパワーを借りて、少しでも理想に近づけたらいいですね。
10.もっともメジャーなカラーのグリーントルマリン
最後にご紹介するのは、グリーントルマリンです。
トルマリンにはたくさんの色が存在しますが、その中でも一番有名なのがグリーントルマリンではないでしょうか。
10-1.グリーントルマリンはこんな宝石
トルマリンには「ない色はない」と言われるほど多くの色があります。多くの色を持つトルマリンは、さまざまな他の宝石に間違われてきました。赤はルビー、青はサファイア、そしてグリーントルマリンはエメラルド。科学技術で判別ができなかったのでしょうがないことですが、なんだか少し残念ですね。
トルマリンには他の石にはない特徴がひとつあります。
それは、石自体が電気を帯びているということです。その性質を利用して、トルマリンは昔掃除に使われていました。静電気でほこりが集まってくるのと同じ要領で、使用されていたのです。
とはいっても、トルマリンを持っているだけでしびれるとか、電気を感じるということはありません。ですが、トルマリンは電気を帯びた石なので「肩こりに効く」「健康に良い」という効能がうたわれ、多くの商品が販売されました。トルマリンを浴槽にいれる「トルマリン風呂」というのが流行したこともあったそうです。
トルマリンが電気を発しているというのは、確かなことです。ですがそれが人体に何らかの影響を与えるかどうかということに関しては、科学的には証明されていません。
10-2.バイカラートルマリンが人気!
トルマリンはバイカラーの石も多く、その珍しい見た目で人気があります。
ひとつの石で2色が楽しめるのは、なんだかお得な気もしますね。
成長過程に周囲の環境や含有物が変化したりすることで、その不思議な石は誕生します。
よく見かけるのはグリーンとピンクのバイカラートルマリンです。
特に丸い石の中心部がピンク、外側が緑色のトルマリンはウォーターメロントルマリンと呼ばれます。スイカのような色合いがかわいらしく、インテリアにも良いですね。
10-3.パワーストーンとしてのグリーントルマリンの石言葉と効果
グリーントルマリンは10月の誕生石です。石言葉は「雄大」「平和」などです。大地のようなグリーンから、「雄大」という石言葉になったのかもしれません。
グリーントルマリンは取り繕ったり飾ったりしない、自然な自分を出せるようになるという効果があります。普段は遠慮したり、周囲に気を遣ったりしてありのままの自分を出せていないということはありませんか?
グリーントルマリンは、どんな場面でも心を落ち着かせてくれる効果があります。心配しすぎな人や、つい自分を良く見せようとしてしまうひとにおすすめのパワーストーンです。
11.(まとめ)グリーンの宝石で癒されよう
今回はグリーンの宝石10種類をご紹介しました。
誰もが知っている有名な宝石や、あまり名前を聞いたことのないような宝石までさまざまな宝石がありましたが、気になる宝石はありましたか?
グリーンの宝石に共通しているのは、ヒーリングの効果です。
緑色を見ていると、何となく森や植物を連想して、心がほっとしますよね。森林浴をしようと思うと、普段の生活ではなかなか難しいかもしれませんが、お気に入りのグリーンの宝石があれば、いつでも石を眺めることができます。
ぜひ自分の気に入るグリーンの宝石を探してください。疲れた時、頑張りたい時、その宝石を見ると元気が出るような素敵な石が見つかるといいですね。