2026年4月12日
金投資の税金は何がある?利益確定や売却時の注意点を分かりやすく解説
金・貴金属

最近では、金価格の高騰がニュースやSNSで頻繁に取り上げられ、金投資をしている人なら「そろそろ売り時かもしれない」と感じる場面も増えてきたのではないでしょうか。
しかし、金投資にかかる税金の仕組みが分からず、なかなか売却に踏み切れない人も少なくありません。
この記事では、金投資にかかる税金の種類や計算方法、実例を用いた税金のシミュレーションまで、初心者の人でも分かりやすいように解説していきます。
ぜひ最後までご覧いただき、自分の金投資の状況に当てはまる税金を理解していきましょう。
目次
1.現物投資の利益にかかる税金の種類は主に5つ
金投資の税金を理解するうえで最初に把握しておきたいポイントは、「税金の種類がいくつあるのか」という基本的な部分です。
金投資の税金は投資方法によって種類が異なります。
金の現物投資、金融商品、贈与や相続など様々な状況で区分が分かれ、計算方法も変わってきます。
ここでは、金の現物投資の利益にかかる税金の種類を5つ紹介していきたいと思います。
自分の金投資が現在どのケースに当てはまるのか見ていきましょう。
1-1.種類①購入時と売却時における消費税
金の現物を売買するときは、金そのものの価格だけではなく、消費税がかかることを覚えておきましょう。
インゴットや金貨などの現物は「商品」として扱われるため、購入時には金の価格に消費税が上乗せされ、売却時には消費税分も含めて買い取られます。
現在、日本の消費税は10%となりますので、たとえば金を1万円分購入した場合、支払額は1万1000円になります。
売却時は市場価格に加えて消費税分も受け取れるため、仮に金相場が変わらなくても消費税率の変動によって利益が出ることがあります。
金の売買は価格変動だけでなく税率の影響も受けるため、購入と売却のタイミングを判断する際は、消費税の動きも意識しておくとよいでしょう。
1-2.種類②長期譲渡所得
金の現物を5年以上保有して売却した場合、その利益にかかる税金は『長期譲渡所得』に分類されます。
長期保有の利益は税負担が軽くなる仕組みがあり、課税対象となるのは利益の50%だけです。さらに年間50万円の特別控除も適用されるため、利益が大きくても課税額が抑えられるケースがあります。
たとえば金投資で100万円の利益が出た場合、課税対象は50万円となり、さらに特別控除を差し引けば課税額がゼロになる可能性もあります。
金の現物投資は長期保有との相性が良く、税金面でもメリットがあります。
売却を検討する際は、保有期間が5年を超えているかどうかを確認することが最も重要な要素と言えるでしょう。
たとえば、2020年の1月3日に金を購入し、2025年の1月1日に金を売却した場合は長期譲渡所得の扱いにならないため、注意が必要です。
大きな利益では累進課税によって高い税率が適用されるため、保有期間や売却時期は常に意識しておきましょう。
1-3.種類③短期譲渡所得
金の現物を5年以内に売却した場合、その利益にかかる税金は『短期譲渡所得』に分類されます。
5年以上の長期保有と同様に年間50万円の特別控除は適用されますが、短期売却の利益には優遇がなく、利益の全額が課税対象となります。
たとえば金投資で60万円の利益が出た場合、50万円の特別控除を差し引いた10万円が課税対象となり、給与所得と合算して税率が決まります。年収450〜550万円の人であれば、税率はおおむね20%前後です。
短期売買は金相場の変動に左右されやすく、税金面でも不利になりやすい特徴があります。売却のタイミングを迷っている人は、金を5年以上保有し、税負担を減らしたうえで利益を得ることも検討してみると良いでしょう。
1-4.種類④雑所得
金投資でも取引内容によっては、売却したときの利益が『雑所得』に分類されることがあります。
たとえば年に1~2回の単発取引で、海外で安く買った金製品を国内のフリーマーケットで高く売ったときに得た利益は雑所得に該当します。
雑所得は給与所得と合算される総合課税であり、利益が年間20万円を超えると確定申告が必要となるため、自分の金投資がどの方法に当てはまるのかを十分に理解しておくことが重要です。
1-5.種類⑤事業所得
金の売り買いを商売にしている場合は『事業所得』に分類されます。アクセサリー店や貴金属店などが一番分かりやすい例です。
個人でも継続的に営利目的で金の売買を行い、反復性がある場合は事業所得に分類されます。
事業所得は必要経費を幅広く計上できるメリットがありますが、帳簿付けや確定申告の手間が増える点には注意が必要です。また、他の所得と損益の通算が可能なため、赤字が出た場合は税負担を軽減できるメリットもあります。
一般的な個人投資家には該当しませんが、金の売買をビジネスとしている場合は、どこからが事業として扱われるのかを意識しておきましょう。
2.金融商品の利益にかかる税金の種類は主に2つ
金投資の利益にかかる税金は現物だけではありません。投資信託や金ETFなどで得た利益にも税金はかかります。
金融商品は現物とは異なる税区分となるため、同じ金投資でも税金の計算方法も大きく変わってきます。
ここでは、金融商品の利益にかかる税金を2つ紹介していきたいと思います。
2-1.種類①申告分離課税
金融商品を売却したときに得た利益は主に『申告分離課税』に分類されます。
利益を給与所得などと切り離して計算する方式で、税率は一律20.315%です。
同じ申告分離課税に区分される金融商品同士で損益通算をできる点が特徴です。たとえば金の投資信託で損失が出ている場合、他の投資信託の利益と相殺できる可能性があります。
金の現物投資にはないメリットのため、金投資のみならず複数の金融商品を組み合わせて投資をしている人には重要な税区分となります。
2-2.種類②源泉分離課税
三菱UFJ銀行などが提供している、金貯蓄口座(金プラン)などの利益は金融類似商品として扱われ『源泉分離課税』が適用されます。
売却して利益が出た瞬間に、証券会社がその利益から自動的に税金を差し引く仕組みです。自分で税金の計算をしたり、確定申告をする必要はありません。
源泉分離課税は利益に対して一律20.315%の税率が適用されます。
たとえば金貯蓄口座で1万円分の売却をした場合は、約2000円が源泉分離課税として自動で差し引かれ、残り約8000円が口座に入金されます。
源泉分離課税は金投資において非常に珍しいケースとなります。豆知識として覚えておきましょう。
3.金投資の贈与税と相続税の仕組み
金投資では売却益だけではなく、家族や知人など自分以外の人へ渡すタイミングでも税金がかかります。
特に現物の金は「そのまま渡せば終わり」と思われがちですが、贈与税や相続税の対象になるため、事前に仕組みを理解しておくことが重要です。
ここでは、金投資における贈与税と相続税の仕組みを現物と金融商品の4つのパターンに分けて分かりやすく解説していきます。
3-1.パターン①金の現物にかかる贈与税
金の現物を家族や知人など第三者に贈与する場合、金の価値に応じて『贈与税』が発生します。
贈与税は”貰った側”にかかる税金であり、年間110万円までの基礎控除を超える部分が課税の対象になります。
たとえば、時価150万円分の金を自分の子供に渡した場合、110万円を超える40万円に対して贈与税がかかります。
金の現物は価格が日々変動するため、贈与された時点での相場で評価される点が特徴です。
「誰がいつ買ったか」を忘れないよう、購入時の領収書や取引明細を保管しておくことが重要です。
証明になる書類がないと、税務署から本来よりも高い価値で計算され、贈与税が増える可能性があるため注意しましょう。
また金の現物を贈与する場合は、相場の高騰時に贈与すると贈与税が増えるため、タイミングも慎重に判断する必要があります。
3-2.パターン②金融商品にかかる贈与税
金の投資信託やETFなど金融商品を第三者に贈与する場合も、『贈与税』がかかります。
投資口座の名義変更の手続きが必要になり、金融機関を通じて正式に贈与が行われます。
評価額は贈与時点の基準価額で計算され、金の現物にかかる贈与税と同じく、年間110万円を超える部分に税金がかかります。
たとえば、金ETFを200万円分保有しており、そのうち150万円分を子どもに贈与した場合、110万円を超える40万円が税金の対象になります。
金融商品の場合、名義変更の履歴が明確に残るため、税務署から指摘されるリスクは現物よりも低いですが、贈与契約書を作成しておくとより安心です。
金の現物と同様に贈与後の売却益は”貰った側”の所得となるため、将来の税負担も考慮して贈与のタイミングを決めることが大切です。
3-3.パターン③金の現物にかかる相続税
主に「亡くなった時点で金を保有していた場合」「生前に金を渡したが、贈与と認められない場合」「亡くなる前3年以内に金の贈与」が『相続税』の対象となります。
「亡くなった時点で金を保有していた場合」は、本人が亡くなった日の金価格で相続税が計算されます。
金相場が高い時期に相続が発生すると税金が大きくなる可能性があるので注意しましょう。
「生前に金を渡したが、贈与と認められない場合」は、相続税において非常に多いトラブルです。
贈与契約書がない、本人の子供が受け取ったにも関わらず、実質的に親が保有し続けているなど、“贈与したつもり”でも証拠がなければ相続税の扱いになるため注意が必要です。
相続税法では「亡くなる前3年以内に金の贈与」をした場合は、原則として相続税の扱いになります。
また、現物の金は「どこに保管されていたか」「どれだけの量があるか」を把握しにくいため、相続人同士でトラブルになりやすい資産でもあります。
購入時の領収書や保管場所の記録を残しておくことは、相続時の混乱を防ぐうえで非常に重要です。
相続税には、現行の制度では基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人)があるため、金の評価額が大きくても控除内に収まるケースがあることは覚えておきましょう。
現在、金の現物を多く保有している場合は、相続税対策として、生前贈与を組み合わせる方法も検討してみるとよいかもしれません。
3-4.パターン④金融商品にかかる相続税
金の投資信託やETFなどの金融商品も『相続税』がかかります。評価額は金の現物と同じく、相続開始時点の基準価格で計算されます。
金融商品の場合、証券会社の投資口座に残高が明確に記録されているため、現物の金よりも相続手続きがスムーズに進む傾向があります。
相続が発生すると、証券会社に”相続手続き”を申請し、相続人の確認や必要書類の提出を経て名義変更が行われます。
相続税の計算は他の金融資産と合算されます。金の評価額が大きい場合は全体の相続税に影響するため注意が必要です。
相続後の売却益は”貰った側”の所得となるため、相続税と所得税の両方を意識した資産管理が必要となります。
4.純金積立の税金の仕組み
純金積立は金融商品のように税区分が一律ではありません。
積立の仕組みが”現物の定期購入”なのか”差金決済型の金融商品”なのかによって、税金の区分が変わります。
現物を積み立てて最終的に受け取るタイプであれば、売却益は譲渡所得として扱われ、年間50万円の特別控除も適用できます。
差金決済型やポイント付与など、金融商品の性質が強いサービスでは売却益が雑所得(申告分離課税)に分類されるケースがあります。
同じ純金積立でも、契約内容や取引形態によって税金の扱いが変わるため、自分が利用しているサービスの仕組みを事前に確認しておくことが大切です。
5.金を売却しても税金がかからないケースとは
金を売却すると必ず税金がかかると思われがちですが、実は条件次第で税金が発生しないケースもあります。
特に現物の金を長く保有している人や、給与以外の収入が少ない人にとっては、税負担を抑える大きなポイントになります。
ここでは、金を売却しても税金がかからないケースを3つ紹介していきたいと思います。
5-1.金現物の売却益が50万円以下の場合
金の現物を売却した際、利益が50万円以下であれば税金がかからないケースがあります。
譲渡所得の特別控除が適用されるため、年間の譲渡所得の合計が50万円までは非課税となります。
たとえば金の売却益が45万円だった場合、特別控除の範囲内に収まるため確定申告の必要がありません。
複数取引をしていた場合は金以外の売却益も合算されるため、合計金額が50万円を超えるかどうかを事前に確認しておきましょう。
5-2.給与以外の所得が年間20万円以下の場合
会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円以下であれば確定申告が不要となる”20万円ルール”が適用されます。
たとえば、金投資における利益が60万円だった場合、特別控除の50万円を差し引いた金額は10万円のため”20万円ルール”が適用となり、確定申告の必要はありません。
ただし、税金がかからないのではなく、申告が不要になるだけという点は注意が必要です。住民税については別途申告が必要になるケースもあるため、自治体のルールを確認しておくと安心です。
金投資以外にも複数の所得がある場合は合算となるため、合計金額が20万円を超えるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
5-3.新NISAで金投資をする場合は生涯合計1800万円まで非課税
新NISAを利用して金の価格に裏付けされた金融商品に投資した場合、売却益や分配金は非課税となります。
非課税枠は生涯合計1800万円となり、長期的に金へ投資したい人にとっては非常に有利な制度です。
たとえば金ETFを新NISAで購入し、利益が発生した場合でも、通常であれば売却時に一律20.315%かかる税金が一切かかりません。
現物の金はNISAの対象外ですが、金融商品を通じた金投資であれば非課税の恩恵を受けられます。
長期的に金を積み立てたい人や、税負担を抑えながら運用したい人にとって、新NISAは有力な選択肢になります。
6.金投資における税金の計算を理解しよう
金投資にかかる税金の種類を把握したとはいえ「実際にいくら税金がかかるのか」は誰もが気になるところです。
税金の仕組みを理解していても、計算方法が分からなければ正確な判断はできません。
ここでは、金投資の税金がどのように計算されるのか、代表的な3つの事例を分かりやすく紹介していきたいと思います。
6-1.計算方法①金の現物を5年以上保有して売却したとき
金の現物を5年以上保有して売却したときの利益は長期譲渡所得に分類されます。
税金の計算方法は以下の通りです。
税額 =〔(売却額 − 購入金額 − 手数料)÷2 − 特別控除50万円〕× 税率
たとえば、売却額300万円、購入金額100万円、手数料1万円の場合、利益は199万円となります。この利益の半分である99.5万円から特別控除50万円を差し引くと、課税の対象額は49.5万円です。
年収500万円の人であれば税率は約20%のため、最終的な税額は約9万9000円となります。
長期保有は税負担が軽くなりますが、金相場が急騰して大きな含み益が出ているときほど、売却前に「どれくらい税金がかかるのか」を具体的に計算しておくことが重要です。
6-2.計算方法②金の現物を5年以内で売却したとき
金を5年以内に売却したときの利益は短期譲渡所得に分類され、長期譲渡所得のような優遇がありません。
税金の計算方法は以下の通りです。
税額 =(売却額 − 購入金額 − 手数料 − 50万円)× 税率
たとえば、売却額200万円、購入金額120万円、手数料1万円の場合、利益は79万円となります。この79万円から特別控除50万円を差し引くと、課税の対象額は29万円です。
年収500万円の人であれば税率は約20%のため、最終的な税額は約5万8000円です。
短期の売却は税金の影響が大きく、金相場が上がっていても最終的な利益が思ったほど多くないケースがあります。
現在の含み益が大きくても保有期間が5年未満だと税負担が重くなるため「今売るべきか」「5年を待つべきか」の判断は非常に難しいところです。
金は安全資産として買われ、右肩上がりの成長を続けてきた事実があるため、個人的には長期保有で節税対策をすることがベターと言えるでしょう。
6-3.計算方法③金融商品を売却したとき
金ETFや投資信託など、金融商品を売却したときの利益は申告分離課税に分類され、一律20.315%の税金がかかります。
現物のように保有期間で税率が変わることはなく、計算も非常に分かりやすいのが特徴です。
税金の計算方法は以下の通りです。
税額 =(売却額 − 購入金額 − 手数料)× 20.315%
たとえば、売却額150万円、購入金額130万円、手数料1万円の場合、利益は19万円となります。この19万円に20.315%を掛けると、税額は3万8598円です。
源泉徴収ありの口座で運用していた場合は、証券会社が自動で税金を差し引いてくれるため、確定申告の必要がありません。
金融商品は金の現物投資と異なり損益通算や繰越控除も利用できるため、投資資産の内訳全体で税負担を最適化をしやすい点が大きなメリットと言えます。
7.金投資における税金のシミュレーションをしてみよう
金投資の税金は、保有期間や売却益、他の所得との組み合わせによって大きく変わります。基本的な計算方法を理解したうえで、実際の数字を使ってシミュレーションをしてみると、自分のケースではどれくらい税金がかかるのか一気にイメージしやすくなります。
ここでは現物、金融商品、他の投資との組み合わせなど、5つのパターンを取り上げて分かりやすく紹介していきたいと思います。
7-1.金の現物を5年保有し売却益が250万円のときの税金
50万円で購入した金を5年間保有し、300万円で売却した場合の利益は250万円になります。
この場合、長期譲渡所得に分類されるため、250万円の半分となる125万円から特別控除50万円を差し引いた75万円が税金の対象となります。
たとえば、年収500万円の人であれば税率は20%となるため、最終的な税額は15万円です。
特に金の売却額が200万円を超える取引は、買取業者から税務署へ「支払調書」が提出されるため、自動的に税務署に把握される点は注意が必要です。
7-2.金の現物投資で売却益が60万円(3年保有)+不動産で300万円の売却益が出たときの税金
3年間保有した金の現物を売却した場合は短期譲渡所得となり、利益の全額が税金の対象になります。
たとえば金の現物の利益が60万円なら、特別控除50万円を差し引いた10万円が税金の対象です。不動産の利益300万円は総合課税としてそのまま加算されます。
2つを合算すると課税される額は310万円となり、年収500万円の人の場合、所得が増えることで税率は約23%に上昇します。結果として、310万円×23%=約71万3000円が最終的な税額となります。
金の現物の利益自体は小さくても、不動産の利益と合算されることで税率が上がり、全体の税負担が重くなる点には注意が必要です。
7-3.金の現物投資で売却益が60万円(6年保有)+株式で40万円の売却益が出たときの税金
金の現物を6年間保有した場合は長期譲渡所得となり、利益の50%だけが税金の対象になります。
たとえば、金の現物の利益が60万円なら、その半分の30万円から特別控除50万円を差し引きます。結果として、課税の対象額は0円になり、金の売却益には税金がかかりません。
株式の利益40万円は、申告分離課税で20.315%が一律で課税されます。最終的な税額は、40万円×20.315%=8万1260円です。
金の長期保有は控除が効きやすく、利益が実質非課税になるケースもありますが、株式などの利益は申告分離課税に分類される点を理解しておく必要があります。
7-4.金の投資信託で売却益が40万円+ 株式投資で売却損が30万円の時の税金
金の投資信託の売却益は株式の売却益と同じく申告分離課税に分類されるため、両方の損益を通算できます。
たとえば、金の投資信託で40万円の利益が出ていても、同じ年に株式で30万円の売却損があれば、損失を差し引くことで課税の対象になる利益が10万円まで圧縮されます。
ここに申告分離課税の税率20.315%をかけると、最終的な税額は2万315円となります。
本来であれば、金の投資信託の利益40万円に対して約8万円の税金がかかるところ、株式の売却損と相殺することで、税負担を大きく減らせるのがメリットです。
金の現物の売却益とは通算できませんが、金の投資信託は株式と同じ税区分のため、損失が出ている年に売却すると節税効果が高くなります。
7-5.購入時の価格が分からないまま金の現物を売却したときの税金
金の購入金額を証明できない場合、税務上は「取得費=0円」とみなされ、売却額のほぼ全額が利益扱いになります。
たとえば、150万円で売却した場合、利益は150万円と計算されます。
本来はもっと低い利益だったとしても、購入金額が証明できないだけで税額が大きく変わるため、購入時の書類は必ず保管しておくことが重要です。
8.【FAQ】金投資の税金に関する疑問
8-1.金の利益はいくらまでなら非課税ですか?
金(インゴット)の売却で利益が50万円以下であれば、特別控除により所得税は非課税となるケースがあり、確定申告も不要です。
これは売却総額ではなく、購入費を差し引いた利益(譲渡益)にかかる金額です。5年超の長期保有であれば、さらに税負担が軽くなります。
8-2.金が200万円以上で売れたら税金はかかりますか?
金の売却益が200万円を超えると確定申告が必要になるため、税務署に支払調書の提出をしなければなりません。 この制度により、税務署は金の売買情報を確実に把握することができます。
8-3.金は5年でいくらの税率になりますか?
金を5年以上保有して売却すると、税金は長期譲渡所得に分類されます。利益から特別控除50万円を差し引き、その半分にのみ課税されるため、5年未満の売却にかかる短期譲渡所得よりも税負担が軽くなります。
8-4.金を現金化したら税金はかかりますか?
金を売却して現金化した際は、譲渡所得、雑所得、事業所得など、取引の状況に応じて税金が発生します。
現金化をして利益を得た場合は、確定申告を行い税金を納めなければなりません。
8-5.金を売ると住民税はいくらかかりますか?
金を売却して利益が出た場合、住民税は一律10%になります。
ただし課税される金額はそのままではなく、特別控除や保有期間による優遇があるため、実際の住民税は状況によって大きく変わります。
9.【まとめ】自分の金投資にあった税金の種類を把握しておく
金投資で得た利益は、取引の状況に応じて税金の扱いが大きく変わってきます。
自分の金投資が現物か、金融商品かを理解しておくことで売却後の税金処理をスムーズに進めることが可能です。
現在、金投資をしている人はもちろん、これから金投資を始めるか検討している人は、ぜひ本記事を参考にしていただき、税金処理にご活用ください。
