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2026年4月21日

【簡単解説】宝石のインクルージョンとは?特徴・価値・種類を紹介!

宝石

インクルージョン」という言葉を聞いたことがありますか?

宝石やジュエリーに興味が出てきたら、避けては通れないのがインクルージョンの存在です。インクルージョンとは、宝石の内部に含まれる「異物」全般のことです。宝石に含まれる異物と聞いても、ピンと来ないかもしれませんね。ですがインクルージョンは宝石の見た目はもちろん価値や値段に関わる重要なポイントです。良い宝石・ジュエリーが欲しいと思ったら、インクルージョンについてよく知っておく必要があります。

そこで今回は、宝石・ジュエリーにとって大きな意味を持つインクルージョンについて詳しく解説していきます。インクルージョンとはそもそもどんなものなの?という基本的なことからインクルージョンの種類、さらには価値のあるインクルージョンや特にインクルージョンが美しい宝石までしっかりご紹介します。最後はインクルージョンに関するよくある質問もまとめましたので、ぜひ宝石・ジュエリーを見る時、購入する時の参考にしてくださいね。

1.異物⁉宝石のインクルージョンとは?

インクルージョンというのは、宝石・ジュエリーに関連する時にはどちらかというとマイナスな文脈で語られることの多いワードです。

「この宝石はインクルージョンは目立つのが良くない」「インクルージョンが多いからこの宝石は安い」などと聞くと、「できるだけインクルージョンがないものを選ぼう」と思うかもしれません。

確かにインクルージョンは少ないほうがいいものもあります。ですがすべてのインクルージョンがない方がいいかというと、そういうわけでもないのです。まずはインクルージョンがどういうものなのかについて見ていきましょう。

1-1.インクルージョンは宝石に含まれる異物

インクルージョンとは一言で言うと、宝石や鉱物などの天然石に含まれる異物・内包物のことです。と言われても、ピンとこない人も多いかもしれませんね。天然石はあんなに硬いのに、なぜ中に異物があるの?というのも不思議ですよね。

それには天然石がゼロからできていく過程に秘密があります。

天然石は海や地中などで長い時間をかけて出来上がります。でき方はそれぞれ違いますが、私たちが宝石やジュエリーとして目にするような大きさになるまでに数百年や数千年という長い時間がかかるものも少なくありません。その間、天然石の周囲の環境はさまざまに変化します。温度が変わったり、違う物質に触れたり、時には放射線にさらされたりすることもあるのです。それらは天然石の色や種類さえ変えてしまうこともありますが、中には異物として天然石の中に残ることもあります。それがインクルージョンです。

近年では科学技術の発達により、完全に人工的に作られる宝石もあります。人工的に作られた宝石には余計なものは入り込まないので、インクルージョンは含まれません。つまり、インクルージョンは天然石である証でもあるのです。

1-2.インクルージョンの種類

インクルージョンとは天然石に含まれる異物全般のことを指します。そのため、その種類はさまざまです。固体もあれば、液体や気体が含まれていることもあります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

もっとも良く見られるのは、固体のインクルージョンです。

もっとも多いのは他の鉱物や金属の破片などが含まれるものです。同じ固体のインクルージョンでも、その種類によって見た目がまったく異なります。そのため、まるでホコリやゴミがついているように見えるものもあれば、天然石の中に美しい宝物が閉じ込められているように見えることもあるのです。天然石の価値は見た目が大きな意味を持ちます。インクルージョンの種類によっても値段・価値が変動することも少なくありません。

また、珍しい個体のインクルージョンとして、虫や小動物、木の葉や鳥の羽根などが含まれている天然石もあります。「琥珀」という樹液が固まってできた宝石は多くの天然石には含まれることのない大きなインクルージョンを閉じ込めていることがあります。太古の生き物の姿を見せてくれる琥珀のインクルージョンにロマンを感じる人も多くいるようですよ。

中には液体を含んでいる天然石もあります。天然石ができていく過程で石の内部がポケットのようになり、水やオイルなどが閉じ込められてしまうのです。液体インクルージョンはただ単に水やオイルなどが含まれていることもあれば、最初は気体だったインクルージョンが後から液体に変化することもあります。

液体インクルージョンは、天然石に加熱処理を加えると消滅してしまいます。そのため液体インクルージョンそのものが、天然石が非加熱であるという証にもなります。

最後は気体のインクルージョンです。気体のインクルージョンは、ガスインクルージョンとも呼ばれます。多くは液体のインクルージョンともに、気泡という形で見られます。内部の気体を詳しく調べるとその天然石ができた当時の情報が得られるそうです。

1-3.インクルージョンはない方がいい?

あまり良くないものとされることが多いインクルージョン。果たして本当に、インクルージョンはないほうがいいのでしょうか。

結論から言うと、インクルージョンがない方がいいかどうかは、ケースバイケースです。

たとえば価値の高い宝石・ジュエリーを求めている時。インクルージョンにはいろんな種類がありますが、多くは宝石の美しさを損ねるとされます。一部のインクルージョンは見た目が美しく宝石の価値を上げることもありますが、ほとんどの場合インクルージョンがない方が宝石やジュエリーの価値は高いとされています。

ですが中にはあえてインクルージョンのある天然石を求める人もいます。それは、インクルージョンが他の宝石とは異なる唯一無二の個性になるからです。たとえ価値が低いとされていても、自分だけの個性ある宝石を手に入れることができたら素敵ですよね。

そういった視点で宝石のインクルージョンを見てみるのもいいですよ。

2.価値のあるインクルージョンを紹介

多くのインクルージョンはない方がいいとされますが、中には見た目が美しい、とても珍しいという理由でその価値を認められているものもあります。

この章では、価値があるとされているインクルージョンをご紹介します。

2-1.シルクインクルージョン

価値あるインクルージョンでもっとも有名なのが、このシルクインクルージョンでしょう。シルクという名前の通り、光沢のあるシルクのつやのような光のラインが見えるインクルージョンです。シルクインクルージョンはルチルという細かい針状の金属が直線に並んだもので、宝石の中の「スター」と呼ばれる星状のラインや「キャッツアイ」と呼ばれる一本のラインとして現れます。スターやキャッツアイなら見たことがあるという人も多いでしょう。あの不思議な光のラインは、実は宝石の中の異物・インクルージョンなのです。

2-2.アベンチュレッセンス

アベンチュレッセンスというのは、板状の細かな金属のインクルージョンのことです。アベンチュレッセンスを含む天然石は内部にラメを閉じ込めたようにキラキラと輝きます。金属の種類や大きさによって輝きの色や質感が変わるのがポイントです。お化粧品のパール光沢・ラメ光沢をイメージするとわかりやすいでしょう。

透明感のある宝石とは違った、硬質な輝きが魅力的なインクルージョンです。

2-3.虫や木の葉など

非常に珍しいインクルージョンとして、虫や木の葉が宝石の中に閉じ込められていることがあります。蚊やハエなどの小さな虫だけでなく、カエルやトカゲなど比較的大きなものの姿がそのまま含まれることもあるそうですよ。

3.インクルージョンが特徴的な天然石

ここからは、インクルージョンが特徴的な天然石を5種類ご紹介します。

前の章で解説したように、インクルージョンは必ずしもあると価値が下がるというものではありません。価値のあるインクルージョンだと知っていれば、宝石やジュエリーを購入する際の判断材料のひとつになるでしょう。

インクルージョンはとても個性的で、色や形などがひとつひとつ違います。どのようなものが自分の好みに一番合うのか、たくさんの宝石を見てみてください。

3-1.クリソベリルキャッツアイ

2021年に新しく2月の誕生石に正式に加わったクリソベリルキャッツアイという宝石をご存じですか?新しく誕生石に加えられてからまだ間もなく、知名度も十分に高い宝石とは言い難いクリソベリルキャッツアイ。この宝石はその名の通り「キャッツアイ」という特殊な特徴を持つ宝石です。

キャッツアイとは、前の章で解説したシルクインクルージョンの一種。ルチルという針状のインクルージョンが一直線に並び、まるで細長い猫の瞳孔のように見えることから、このインクルージョンはキャッツアイと呼ばれます。クリソベリルという宝石がキャッツアイというインクルージョンを含んでいるものが、クリソベリルキャッツアイです。

クリソベリルキャッツアイは淡いグリーンがかったイエローやさわやかなアップルグリーンが美しい宝石です。かつてはスリランカで大量に産出されていましたが、その鉱脈は現在では枯渇してしまっています。

産出量の少なさに加えて、誕生石としてこれから認知度や人気が上がっていくと予想されるクリソベリルキャッツアイ。

特別な宝石が欲しい人は、早めにチェックしたほうがいい宝石と言えるでしょう。

3-2.スタールビー・スターサファイア

キャッツアイと同じく、針状のシルクインクルージョンを含んでいるのがスタールビーやスターサファイアなどの宝石です。ルビーやサファイアは誰もが知っていると言えるほど有名で人気のある宝石ですよね。通常、ルビーやサファイアはインクルージョンが少なければ少ないほど美しく、価値があると評価されます。ですが、スタールビー・スターサファイアは別です。宝石の中に針状のルチルが一直線に並んだものが、2本か3本、あるいはそれ以上交差して美しい星のような形に見えるスタールビー・スターサファイアは、通常のルビーやサファイアとは異なる不思議な魅力があります。その美しい「スター」は石そのものの価値を上げるのです。

宝石の中のスターは、カボションカットというドーム状にカットされたときに姿をあらわします。通常のルビーやサファイアのようにキラキラとした光の反射とはまったく違う輝きを見せる、とても個性的で美しい宝石ですよ。

3-3.トラピッチェエメラルド

5月の誕生石としても知られる美しいグリーンの宝石、エメラルド。エメラルドは実はとてもインクルージョンが多い宝石としても知られています。「インクルージョンがないエメラルドはない」と言われるほどで、どんなに高価なエメラルドでも多少のインクルージョンはあるのが普通です。ですからインクルージョンが少ないものはとても価値が高く高価になりますが、それでも求めている人は少なくありません。

そんなエメラルドにも、価値の高いインクルージョンが含まれることがあります。それがトラピッチェエメラルドです。

トラピッチェとは、スペイン語で「歯車」という意味の言葉。エメラルドの中にまるで歯車が入り込んでしまっているように中心から6本の黒いラインが走っているものがトラピッチェエメラルドと呼ばれます。エメラルドができていく過程で、炭素の岩など黒いインクルージョンが混入することで現れるトラピッチェエメラルドは、通常のエメラルドとは異なる個性的な雰囲気を持つ希少な宝石です。

また非常に珍しいですが、エメラルド以外にもルビーやサファイア、クォーツ(水晶)など、さまざまなトラピッチェ宝石が存在します。もし見かけたら、とてもラッキーなことですよ。

3-4.アベンチュリン・サンストーン

アベンチュリンやサンストーンという天然石には、アベンチュレッセンスと呼ばれる板状になった鉱物のインクルージョンが含まれます。鉱物の種類はヘマタイトやゲーサイトなどさまざまです。インクルージョンの種類や大きさによって石自体の色・輝きがまったく異なってくるのがアベンチュレッセンスの面白いところです。インクルージョンがまるでラメのようにきらめくので、見た目にも華やかで他の宝石にはない個性を演出できますよ。

アベンチュリンはグリーン系、サンストーンはオレンジや赤系の石なので、色や輝きの違いを一つひとつ見比べて、自分の一番好きな石を見つけてください。

3-5.水晶(インクォーツ)

水晶はインクルージョンを多く含む宝石です。内部にインクルージョンを含む水晶はインクォーツと呼ばれます。水晶は世界中で産出され、その場にある鉱物などを取り込むことでインクォーツと呼ばれる水晶になるのです。インクォーツはインクルージョンの数だけあると言われているほど種類が豊富です。この章で紹介したキャッツアイやスタールビー・スターサファイアに含まれるルチルというインクルージョンを含むものはルチルクォーツやラメのようなアベンチュレッセンスというインクルージョンを含むファイヤークォーツ、黒いラインのインクルージョンを含むトラピッチェクォーツなどがあります。

インクォーツほど個性的な宝石はないでしょう。唯一無二の天然石を求める人にもっともおすすめな宝石ですよ。

4.【FAQ】宝石のインクルージョンについてよくある質問

ここまで宝石に含まれるインクルージョンについてご紹介しました。ですが、インクルージョンとは宝石の中でもとても奥深いもの。いざ美しいインクルージョンを含む宝石を見ると、いろんな疑問が湧いてくるでしょう。

そこで最後に、インクルージョンについてのよくある質問と、その回答をまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。

4-1.価値のあるインクルージョンかそうでないかを見極める方法は?

インクルージョンにはない方が良いとされる価値のないものと、見た目も美しく石自体の価値を上げるものの2種類があります。

ですがインクルージョンはたくさんの種類がありますので、そのすべてを覚えておくことは難しいでしょう。

そのインクルージョンが価値のあるものかどうか、見分ける方法があればいいと思いますよね。もしショップなら、価値ある天然石は高価な値段で売られているのでわかりやすいでしょう。また、価値のあるインクルージョンであれば、石そのものではなくインクルージョンをセールスポイントにしていることがよくあります。ただのルビーではなく「スター」ルビー、エメラルドではなく「トラピッチェ」エメラルドと呼ばれているようなパターンです。石の名前にも注目してください。

価値のあるインクルージョンかどうかを一発得見分けられるような確実な方法はありませんが、価格や売り方などを見ると価値があるものかどうかわかる場合が多いです。ショップでの扱われ方には、どれほどの価値があるかのヒントが隠されていますよ。

4-2.インクルージョンが特に多い宝石はある?

宝石の中でも特にインクルージョンが多い宝石があるかどうかも、気になるポイントではないでしょうか。

実はインクルージョンが特に多いと言われている宝石はあります。それは誰もが知る人気の高いグリーンの宝石、エメラルドです。

エメラルドは「インクルージョンがないものはない」と言われるほど、インクルージョンが特に多い宝石です。エメラルドのインクルージョンには固体・液体・気体があります。インクルージョンで産地がわかることもあるんですよ。エメラルドはインクルージョンが含まれているものがほとんどなので、きれいすぎるものはかえって偽物だとわかるくらいです。

エメラルドを購入する時には、予算の範囲内でできるだけインクルージョンが目立たないものを選ぶのが良いとされています。

4-3.インクルージョンが多く安い宝石は買わないほうがいい?

価値のあるインクルージョンは宝石の価格を上げます。つまり、インクルージョンが多いのに安い宝石は、一般的には価値がないと評価されるということ。それなら、インクルージョンが多くて安い宝石は買わない方がいいということなのでしょうか。

この疑問に対する答えは、「はい」と「いいえ」両方が当てはまります。つまりそれは購入する人が宝石の何に価値を見出すかによるということです。

もしも宝石の価値が金銭的なものだけだと考えるのであれば、インクルージョンが多くて安く価格設定されているものは買わない方がいいでしょう。そういった宝石の価値は、「個性的である」ことと「持つ人の好みである」ことです。

もしあなたがその宝石、そして含まれるインクルージョンを見て価値を感じるのであれば、インクルージョンの量や値段に関わらず購入することをおすすめします。同じ宝石に出会えるチャンスは滅多にありませんよ。

5.まとめ

今回は宝石のインクルージョンについてまとめました。

インクルージョンは一言でいうと、宝石ができる過程で内部に含まれる異物・内包物です。宝石に含まれるもの全般を指すので、その正体は固体・液体・気体などさまざま。そしてインクルージョンの種類や大きさによって、宝石の色や輝き、そして価値まで変動します。

インクルージョンはない方が良いと評価されるものも多いですが、中には見た目の美しさや希少さから価値が認められているものも少なくありません。ルチルという金属が一列に並んで光の筋のように見える「キャッツアイ」や「スター」と呼ばれるものや、金属の板状のインクルージョンである「アベンチュレッセンス」などは価値の高いインクルージョンです。クリソベリルキャッツアイや、スタールビー・スターサファイアなどはインクルージョンの価値が認められています。インクルージョンが少ない宝石が品質が良いと評価される一方で、そういった価値の高いインクルージョンもあります。

購入する際は一般的に価値のあるものかどうかも重要ですが、自分が気に入るかどうかもとても大切です。たとえ安くてもとても気に入ったものであれば自分だけの価値がある宝石と言えます。自分にとって価値のある宝石かどうかをじっくりと考えてくださいね。

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