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2024年8月26日

【違法⁉】訪問買取で違法となるケースや押し買い業者の対処法をご紹介!

自宅に訪問して貴金属やブランド品などの買取を行う「訪問買取」

家にいながらも不用品を売ることができる便利なサービスである反面、近年では顧客の意思を無視して売る気のない商品まで強引に買い取られてしまう違法な「押し買い」によるトラブルが多発しています。悪質な押し買いが増加していることにより訪問買取自体が「違法」だと思っている方も多いのではないでしょうか?

この記事では訪問買取で違法となるケースや悪質な業者の手口、実際に起きた被害事例などをご紹介していきます。トラブルを未然に防ぐための対処法やクーリングオフの有無などについても解説していきますので、是非最後までご覧ください。

目次

1.訪問買取自体は違法ではない

結論からお話させていただくと訪問買取自体は違法ではありません。

買取業者が売りたい商品をお持ちの方の自宅に訪れて直接取引を行う「訪問買取」は合法的な買取方法です。しかし、訪問買取を行う場合、買取業者は「古物商許可証」もしくは「行商業者証」を持っていなければなりません。また、訪問した際に業者の人は身分や目的、買取予定の品物を明確に売主に告げる義務があります。

買取対象は貴金属をはじめ、ブランド品や時計など様々ですが、どのような場合でも売買の際には契約書を交わす必要があり、書面に記載される内容も法律で定められています。訪問買取はルールを守って行う分には違法になりませんが、近年では詐欺のような悪質な手口で買取を行っている業者が全国各地で増えているようです。

一体どのような訪問買取が違法となるのでしょうか?
次の章では訪問買取で違法となる5つのケースについて解説していきます。

2.【違法⁉】訪問買取で悪質業者が行う6つの手口

法律を守った上で訪問買取を行うことは違法ではありませんが、下記の6つのようなケースの場合違法となる場合があるので悪質な業者に騙されない為にも覚えておきましょう。

・アポなしで突然の訪問
・希望しない商品まで買い取る
・寄付やボランティアなどを装う
・クーリングオフに対して手数料や違約金を請求
・商品の本当の価値よりも安く買い取る
・大手の買取業者を装う

この章では上記6つの違法となるケースについて解説していきます。

2-1.①アポなしで突然の訪問

訪問買取を行う業者がアポなし(連絡なし)で突然訪れる場合、「特定商法取引法第58条の6第1項」に抵触するため違法となります。

アポなしで買取業者を名乗る者が訪れてきた時点で、トラブルとなってしまう可能性が非常に高いです。間違って家の中に入れてしまうと「なんでも買い取りますよ!」や「今なら相場より高く買取ます」など聞こえの良いトークで一方的に話を進めて無理やり買取に持ち込もうとしてきます。

連絡もなしに飛び込みで買取業者が訪れてきた場合は詐欺被害にあう可能性が高いので取引に一切応じないことはもちろん、家の中にはいれないようにしましょう。

2-2.②希望しない商品まで買い取る

アポなしでの訪問買取は違法なので、悪質な業者の中には事前に連絡を入れてから訪れる場合もあります。

事前の連絡では「不用品なら何でも買います」などと都合の良い話をしてきます。しかし、訪問した際には電話で話した不用品のことは一切触れず「貴金属やブランド品はありませんか?」と高価な物を要求してくるケースがあるようです。

アポイントを取っていたとしても事前に依頼した売却意思のあるもの以外の買取を、無理やり勧めるのは「特定商法取引法第58条の6第1項」に抵触します。事前に連絡があったとしても依頼した物以外を買い取ろうとする行動や言動が見えたら、悪質な業者の可能性が高いので不用品以外は売却する意志がないことをしっかり伝えましょう。

2-3.③寄付やボランティアなどを装う

寄付やボランティアを装った買取は日本をはじめ、世界各国で戦争や地震などの災害が発生したタイミングで多くみられる手口です。

「被災地復興の支援をしませんか?」などと謳い、相場よりも安い金額で貴金属やブランド品の買取を行おうとしてきます。人の善意を利用した極めて悪質な手口なので断りにくいかもしれませんが、悪徳業者である可能性が高いので騙されないように注意しましょう。

2-4.④クーリングオフに対して手数料や違約金を請求

クーリングオフを拒否したり手数料や違約金を請求してくることは違法です。

訪問買取後にクーリングオフを求めたときに多額の手数料や違約金が発生するという、脅しをかけてクーリングオフに応じずに拒否する悪質な買取業者も存在するようです。

訪問買取の場合のクーリングオフは売主を守る制度でもあるので、発生する費用は買取業者側が全額負担しなければなりません。クーリングオフを求める際に手数料や違約金は発生しないので業者側の嘘や脅しに惑わされないように気を付けましょう。

また、基本的に訪問買取におけるクーリングオフは認められていますが「自動車」や「大型の家具・家電」「本」など1部では認められない場合もあるので注意が必要です。

2-5.⑤商品の本当の価値よりも安く買い取る

訪問買取を行う際に買取業者が本来の価値を知っていながらも、大幅に低い金額で査定額を掲示した場合も不実告知や詐欺などの違法行為となります。

悪質な買取業者の場合、不用品回収を謳い0円で買い取るケースや高齢者をターゲットに実際の価値よりも大幅に低い金額で買取を行うようです。違法行為ではありますが、「実際の価値を知らなかった」と言い逃れすることができ、証拠が集められないので泣き寝入りを余儀なくされるケースが多いようです。

訪問買取で騙されない為にも売却する商品の相場や知識は頭に入れておきましょう。

2-6.⑥大手の買取業者を装う

訪問買取や出張買取を実施している買取業者は全国に数多くあります。

悪質な買取業者の中では皆さんがテレビCMやインターネットなどで見かける大手企業を名乗って訪問してくるケースもあるようです。しかし、大手の買取業者ではアポなしで訪問買取をしている会社はほとんどなく、お客様から依頼のあった場合にのみ訪問しています。

大手企業の名前で名刺やネームカードなどを作っていることもあるので悪質な業者かどうか判断が難しいですが、明らかに安い査定額を掲示されたり素振りが怪しいと思った際は取引を控えましょう。また、その場で買取を成立させるのではなく本当に大手の従業員なのか会社に問い合わせを行うことも有効な手段の1つです。

3.訪問買取による実際に起きた被害事例

悪質で違法な訪問買取による「押し買い」や「詐欺」などの被害にあった方の声が消費者センターなどに多数寄せられています。

この章では問い合わせのあった訪問買取でのトラブルに関する相談事例をいくつかご紹介していきます。

被害例①:困っている人のためにと言われ訪問を承諾したが、無理矢理家に上がろうとする 

自宅の固定電話に電話があり、「不用品はありませんか?なんでも買い取らせてください!困っている人の役に立ちます!」と言われた。「困ってる人の為なら…」と思い来訪を承諾した。恐怖心もあったので家の中には入れず、外で対応することを伝えたら「外では買取できない。家の中に入らせてください」と言われた。怪しいと思い知人に相談したら「消費者センターに相談したら?」と助言された。この業者は信用できるのでしょうか。

被害例②:売るつもりのない貴金属まで強引に「押し買い」されてしまった 

突然自宅に買取業者から電話がきて「不用品はありませんか?」と言いわれた。「特に売りたい物はないので結構です」と断りの電話を入れたら、「いらない洋服や食器でも何でも買い取ります」と言われやむを得ず訪問を承諾し、来訪当日洋服や食器など合計300円で買い取ってもらった。そのまま帰るだろうと思ったら「貴金属はないか。査定だけでもいいので見せてくれ」と言われたのでネックレスなどの貴金属を見せた。しばらく貴金属を査定していると「これは汚れていて小さいので売れない。当社なら高く買い取る」と言われ、売るとは言っていないのに書面に金額を記入し「名前を書いてください」と言われ、よくわからないまま名前を書いた。購入時10万円以上した貴金属5点で3千円と格安で買い取られてしまった。翌日売ったことを後悔し、業者に連絡したが「書面に著名しているので返品はできない」といわれた。売ったもの全てを返してほしい。 

被害例③:訪問買取業者に格安で貴金属を買い取られてしまった 

電話があり、「ウクライナへの寄付のために不用品を買い取っている」というので、靴や洋服などを用意した。翌日、訪問買取業者が来て用意したものは全て引き取ってもらうことになった。しかし「貴金属はないか」と言われ怪しいと思ったので「ない」と何度も断ったが「査定だけでもさせて欲しい」と何度もしつこく言われ、仕方なくいくつか貴金属を見せた。すると全部で5千円で買い取ると言うので断ったが「買い取るまで帰らない」と長時間居座られ半強制的に書面にサインと品名を記入させられ買い取られてしまった。その時は恐怖で断ることができなかったが返してほしい。

今回ご紹介させていただいた内容はほんの一部ですが、訪問買取によるトラブルは近年増加傾向にあるので、少しでも怪しさを感じたらきっぱりと断ることが肝心です。誤って買取されてしまった場合は消費者センターや警察に相談しましょう。

次の章では訪問買取におけるトラブルを回避するための対処法について解説していきます。

4.悪質な訪問買取や押し買い業者の正しい対処法

訪問買取の違法な手口や被害事例などをご紹介しましたが、実際に違法な訪問買取業者が訪れた際にはどのような対応を取るのが適切なのでしょうか?

この章では押し買いやトラブルに巻き込まれないためにも覚えておきたい、悪徳業者の対処法について詳しく解説していきます。

4-1.家には入れずにきっぱりと断る

買取業者は顧客の許可も得ずに突然訪問して買取を行うことは法律で禁止されています。アポイントのない訪問買取の場合は悪徳業者なので玄関できっぱりと断りましょう。

いくら断ってもしつこく連日訪れてくる場合は、家族や友人、最終的に警察に相談することも手段の1つです。

4-2.買取業者の素性を確認する

アポイントがあった場合でも買取業者の素性は必ず確認しましょう。

訪問買取を行う際は「特定商法取引法第58条の5」にて買取、査定をする前に以下の3つを明かすように定められています。

・購入業者の氏名又は名称
・売買契約の締結について勧誘をする目的である旨(売買目的の訪問であること)
・買取・査定を行う商品の種類

買取業者側から上記の点が明かされない場合は悪徳業者である可能性が高いため、注意しましょう。また、実在しない会社名や大手企業を名乗って訪れる場合もあるので名刺の確認や実際に会社に問い合わせを行うことも効果的です。

4-3.古物商許可証を見せてもらう

悪徳な訪問買取業者や押し買い業者である可能性を感じた場合は、「古物商許可証」の提示をお願いすることも有効的です。

買取業者は古物商許可証を買取時に携帯することが義務付けられているので、要求しても提示しない業者は違法業者の可能性が高いと言えるでしょう。しかし、違法業者の中には古物商許可証の偽物を所持しているパターンもあるので名刺や会社名など忘れずに確認しましょう。

4-4.実店舗がない業者には依頼しない

実店舗がない会社には依頼しないこともトラブル防止に繫がります。実店舗がない場合、悪い口コミやレビューがあったとしてもいつでも新しく会社を作り直すことができます。

反対に店舗を多く構えてる会社であれば会社の看板に傷が付くので詐欺まがいな買取をすることはほとんどなく、安心して売却することができます。

訪問買取を利用したい方は会社が実在し店舗を構えているかを確認することもトラブル回避に繫がる手段の1つです。

4-5.1人ではなく家族や友人と対応する

自宅に1人でいるときの訪問買取はできる限り避けましょう。

悪質な買取業者はトークスキルが高いので人を騙すことに長けている人が多いです。1人で対応してしまうと上手く言いくるめられて詐欺被害にあってしまう可能性も十分にあります。また、複数人で自宅に来るケースもあり脅迫のように感じてしまうことで、正しい判断ができなくなってしまいます。

少しでも適切な判断を下せるように、家族や友人などに付き添ってもらい第三者の視点でも見てもらいましょう。

4-6.ブランド品や貴金属の相場を事前に把握する

悪質な訪問買取を行う業者はブランド品や貴金属をできるだけ安く買い取って大きな利益を得ようとしています。安く買い叩かれるのを防ぐためにも事前に売却予定の商品の相場をある程度把握しておきましょう。

金やプラチナなどの貴金属は金種ごとに「重量×買取相場」で計算することができます。正確な金額までは把握できませんが、目安となる金額を事前に知ることで騙されてしまうリスクを減らすことができます。

ブランド品などは相場を調べるのが難しいですが、あまりにも自分が思っている金額とかけ離れている場合は避けたほうが無難といえます。

4-7.家の中ではなく玄関で対応する

家の中へ通さないことも違法な訪問買取を避ける方法の1つです。悪質な買取業者のほとんどは不用品の買取を行うと言いながらも金やプラチナなどの貴金属を一緒に買い取ることを目的としていることが多いです。

家の中に入れてしまうと「不要なアクセサリーとかもありませんか?」などと予定にない買取を誘導してくることがあります。玄関で対応することで悪質な業者による押し買いを避けることができるのでむやみに家の中にはあがらせないようにしましょう。

4-8.事前に依頼したもの以外渡さない

悪質な業者の場合、1度契約を結んでしまうと返品を依頼しても違約金を請求されたり連絡が取れなくなったりする可能性が高いです。

売るつもりのない品物を出してしまうと、言葉巧みに安く買い叩かれたり返品されないなどトラブルに発展してしまうことも考えられます。

後から気づいても手遅れなので売るつもりのない品物はむやみに渡さないようにしましょう。

4-9.契約書の有無を確認する

訪問買取を利用する際は、契約書の有無を確認することも重要です。

買取業者側には買取を行うときに売買契約書を発行する義務があるので、発行してこない業者は悪質な違法業者である可能性が高いです。また、売買契約書がある場合でも決められた情報が記載されていない場合違法となるので必ず確認しましょう。

4-10.相談できる環境を整える

悪質な訪問買取業者が主にターゲットとしているのは高齢者です。

実際に全国の消費者センターには訪問買取に関する問い合わせがここ数年で増加傾向にあり、特定商取引に関する法律(特商法)のルールに反した違法な買取業者が原因となっています。

問い合わせを行っている方の中でも60歳以上の割合が最も多く全体の約8割を占めているようです。対策として電話の近くや玄関などに注意喚起のポスターや張り紙を張ることも有効ですが、近くに相談できる人がいれば押し買いや詐欺被害にあうリスクを更に減らすことができます。ご家族や親戚などが心配な方は1度話してみることをおすすめします。

5.訪問買取でのトラブルには「クーリングオフ」は適用できる?

貴金属やブランド品などの訪問買取にはクーリングオフ制度を適用することができます。

この章では訪問買取におけるクーリングオフの制度や必要な手続きの方法について詳しく解説していきます。

5-1.訪問買取におけるクーリングオフ制度について

「販売」におけるクーリングオフ制度があることは皆さんもご存じかと思いますが、「買取」にも同じようにクーリングオフの制度が存在します。

買取は販売とは違い消費者が品物を「売却」しているので、お金を返して品物を返品してもらう、いわゆる「買い戻し」ができる制度となります。

元々、買取におけるクーリングオフの制度はありませんでしたが、違法な訪問買取業者が増加し貴金属やブランド品などを無理矢理買い取ろうとする「押し買い」が社会問題ともなり消費者を守るために平成25年「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」によって新たに加わりました。

訪問買取におけるクーリングオフは買取業者に品物を売ってしまった場合でも、8日以内に代金を返すことで品物を取り戻すことができます。買取業者のホームページなどに「キャンセル不可」などと記載されていた場合でも、法律で定められていることなので買取業者は拒否することができず、拒否した際には処罰対象となります。

5-2.クーリングオフが適用されない品目

訪問買取の場合ほとんどの品物にクーリングオフが適用されますが、以下のように一部適用されない物もあります。

・自動車
・大型の家具家電
・本/CD/DVD/ゲームソフト
・有価証券(株式・債券・手形・小切手など)

上記の品物の場合クーリングオフが適用されないので注意しましょう。また、同じ買取でも消費者の意思によって品物を持ち込んだり送ったりする「店頭買取」や「宅配買取」では事業者に半強制的に買い取られる「押し買い」にあう可能性が低く、冷静に検討する時間も十分にあるのでクーリングオフは適用外となっています。

店頭買取や宅配買取を利用する際は売る前にキャンセルする必要があるので慎重に検討することをおすすめします。

5-3.クーリングオフを行う際に必要な手続き

クーリングオフを行う際は8日以内に消費者から書面にて買取業者側に意思表示を行う必要があります。元々はハガキや手紙を使用していましたが、令和4年6月よりメールやFAXでもクーリングオフの意思を伝えることができるようになりました。

クーリングオフを行う際に書面に記載する内容は以下の9項目です。

・買取業者の名前
・買取業者の住所
・契約年月日
・品物の名前
・買取金額
・契約解除の宣言
・この書面を送付する日付
・自分の名前
・自分の住所

上記の内容を記載して買取業者に送りましょう。悪質な訪問買取業者の場合気づいても無視されてしまう可能性のあるのでクーリングオフを申請した記録を残すことはもちろん、郵便の場合は「簡易書留」や「特定記録郵便」など確実に配達された記録が残るものが望ましいです。

この章では訪問買取におけるクーリングオフ制度についてご紹介させていただきました。正しく制度を理解しておくことで違法な訪問買取業者の被害にあった場合でも大切なお品物を取り返すことができるのでしっかりと覚えておきましょう。

6.違法となる「押し買い」には要注意!

事前に連絡をいれたうえで行う訪問買取自体には違法性もありませんが、アポなしで訪問買取を行っている買取業者は違法です。もしご自宅に押し買い業者が訪問してきたら、余計な話に惑わされずきっぱりと断るようにしましょう。

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7.まとめ

今回は違法な訪問買取の手口や対処法、実際に起きた被害事例についてご紹介させていただきました。

訪問買取は便利なサービスではありますが、中には悪質な訪問買取業者が利益を得ようと消費者を騙すケースも多々存在しています。しかし、手口や正しい対処法を理解しておけば被害にあうリスクを最大限に抑えることができます。

契約後であってもクーリングオフの制度が適用されるため、異変を感じたら迷わずに手続きを行いましょう。この記事が皆様のご参考となれれば幸いです。

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