2023年8月19日
ダイヤモンドの硬度は世界一!実は簡単に傷がつく!?
ジュエリー
ダイヤモンドは、結婚指輪や特別な日のプレゼントとして送られることが多い人気の宝石です。魅力は様々ありますが、ダイヤモンドの魅力はなんといってもその硬さ。ダイヤモンド同士でなければ傷をつけられない。最も硬い宝石。などといわれていますが、実際にはどのくらい硬いのでしょうか。
さて、この記事ではダイヤモンドの硬度について詳しく解説していきたいと思います。
弱点や取り扱いの注意点も併せて紹介させていただきます。
目次
- 1.炭素だけで構成される世界一硬い宝石ダイヤモンド
- 2.モース硬度で表される宝石の硬さ
- 3.ダイヤモンド3つの弱点
- 4.劈開性を生かしたダイヤモンドのカット一覧
- 4-1.【ブリリアント】ラウンドブリリアントカット
- 4-2.【ブリリアント】ペアシェイプ
- 4-3.【ブリリアント】ブリオレットカット
- 4-4.【ブリリアント】オーバルカット
- 4-5.【ブリリアント】ローズカット
- 4-6.【ブリリアント】ハートシェイプ
- 4-7.【ブリリアント】マーキスカット
- 4-8.【ブリリアント】トリリアントカット
- 4-9.【ブリリアント】クッションカット
- 4-10.【ステップカット】エメラルドカット
- 4-11.【ステップカット】アッシャーカット
- 4-12.【ステップカット】スクエアカット
- 4-13.【ステップカット】テーパーカット
- 4-14.【ステップカット】バゲットカット
- 4-15.【ステップカット】トライアングルカット
- 4-16.【ミックスカット】プリンセスカット
- 4-17.【ミックスカット】ラディアントカット
- 5.ダイヤモンドを大切に扱うための注意点
- 6.ダイヤモンドのお手入れ
- まとめ
1.炭素だけで構成される世界一硬い宝石ダイヤモンド
ダイヤモンドは世界一硬い宝石として知られていますが、皆さんは何故ダイヤモンドが硬いといわれているかご存じでしょうか?
ダイヤモンドは炭素のみで出来ている宝石で「単一の元素で構成された唯一の宝石だから」です。「えっ、炭素だけで出来ているものは全部硬いの?」などと疑問を持つそこのあなた!筆者も全く同じ疑問を持ちました。正直意味が解りません。
まず冒頭でも書かせていただいた通り、ダイヤモンドは炭素(元素記号:C)のみで構成されています。しかし、単純に炭素で出来てるから硬いというわけではなくて、正確にいうと99.9%炭素で出来た「ダイヤモンドの結晶構成」が世界一の硬さを生んでいるんです。
結晶構成というのは「宝石の元素の並び方ないし繋がり方」みたいなものです。
ダイヤモンドは炭素原子の並び方が規則正しく、隙間なく結びついている「共有結合」と呼ばれる結晶構成となっていることで、世界一の硬度を誇る宝石となっています。他の宝石では、複数の原子が並ぶ結晶構成となるのでダイヤモンド程の硬度を生むことは出来ません。
ダイヤモンド以外に炭素のみで出来ているものは、鉛筆の芯が一番メジャーでわかりやすいと思います。でも、鉛筆の芯って別に世界一硬いイメージはないですよね。結晶構成が違うことから元素の結びつきに隙間が生まれるので、硬度が高い物質にはならないのです。
また、ダイヤモンドの生まれ方も硬さに関係しています。
ダイヤモンドは炭素原子が地中内で高温・高圧という環境下で凝縮されて硬度の高い物質として生成されます。鉛筆の芯とダイヤモンドの生成の過程は大きく異なる関係で同じ元素でも全く別の物質となります。
2.モース硬度で表される宝石の硬さ
ダイヤモンドの硬度は、モース硬度(単位:mohs)というもので表されます。
モース硬度は1812年にフリードリッヒ・モースというドイツの地学学者が考案した宝石の硬さを表すものです。ここからは、モース硬度でわかるダイヤモンドの硬さや魅力、他の宝石と比べてどのくらい硬いのか解説していきたいと思います。
<モース硬度一覧>
モース硬度 | 宝石名 |
10 | ダイヤモンド |
9 | ルビー、サファイア、パパラチアサファイア |
8 | アレキサンドライト、インペリアルトパーズ、トパーズ |
7 | エメラルド、アクアマリン、パライバトルマリン、インディコライト、ルベライト、デマントイドガーネット、アメジスト、シトリン、クオーツ |
6 | ペリドット、フェルスパー |
5 | ブラックオパール、アパタイト |
4 | フローライト |
3 | コーラル、カルサイト |
2 | 真珠、石膏 |
1 | 滑石 |
2-1.ダイヤのモース硬度は最も高い10
ダイヤモンドのモース硬度は最も高い10となっていて、同じ硬度の宝石はありません。モース硬度10の宝石はダイヤモンドのみで、地球上で最も高い硬さを誇ります。
モース硬度は1〜10までの数字で表され、数字が1に近くなるほど傷がつきやすいということです。硬度1〜2の間にはそこまで差がある硬さでは無かったり、9〜10の間はかなりの差があると言われていますが明確な指標はありません。例えば、野外で未知の宝石を見つけた際はひっかくだけで簡単に調べられる方法です。
ココからは、ダイヤモンドが世界一と言われる理由のモース硬度について解説させていただきます。
ひっかいた時に傷が付くかどうかが基準
モース硬度でいう硬さは「ひっかいた時の傷のつきやすさ」を指します。
計測の仕方は
「異なる宝石を擦り合わせて、どちらの宝石が傷つくか」
というものです。
例えば、ルビーでダイヤモンドをひっかいたとしてもダイヤモンドに傷はつきません。
ダイヤモンドは地球上の宝石の中で最も高い硬度を持っているので、他のどんな宝石でもひっかいたとしても傷は付きません。
衝撃への耐久度は関係ない
モース硬度はあくまでも傷のつきやすさを表しているものなので、衝撃に対しての強さは関係ありません。よく誤解されるところなので注意してくださいね。
モース硬度が高い=割れない
というわけではありません。
衝撃に対しての強さは「靭性」というものが関係しています。
靭性=外から加えられた力に対しての強さを表しています。ダイヤモンドの靭性は7.5となっているので、まあまあ強いという感じです。※靭性については、3章で詳しく解説させていただきます。
2-2.ダイヤモンドは他の宝石を擦り合わせても傷がつかない
モース硬度が同じ宝石でも傷がつかないというわけではありません。
例えば、ルビーとルビーを擦り合わせると互いに傷をつけあう形になります。
ダイヤモンドは宝石の中で唯一のモース硬度10なので、ダイヤモンドを使えば傷を付けることができます。
上記のことから、ダイヤモンドを加工する際にはダイヤモンドを使った方法があります。
粉末状にしたダイヤモンドを付着させた「スカイフ」という研磨機に加工したいダイヤモンドを押し当てて加工します。
もちろんスカイフ自体のダイヤモンドも削れて行きますので、メンテナンスが必要になってきます。
【豆知識】ダイヤモンドを使用した硬度測定の方法がある
ダイヤモンドはその硬度の高さを活かした硬度測定にも使用されます。
<ビッカース硬度(単位:HV)>
1921年にイギリス・ビッカース社のロバート・L・スミスとジョージ・E・サンドランドが考案した測定方法です。ピラミッド型に作られたダイヤモンドを、調べたい石に押し込んだ際に出来たくぼみの大きさで硬度測定をします。単位はHVで、モース硬度のように最高値はなくダイヤモンドのビッカース硬度は7000HVとなっています。
主に、工業用品などの金属を含む製品の硬さを調べるために使用されます。くぼみが小さければ硬い物質、大きければ柔らかい物質ということがわかります。
<ヌープ硬度(単位:HK)>
1939年にアメリカのフレデリック・ヌープが考案した測定方法です。細長いひし形に作られたダイヤモンドを、調べたい石に押し込んだ際に出来たくぼみの長さで硬度測定をします。単位はHKで、ダイヤモンドのヌープ硬度は8000HKとなっています。
ビッカース硬度と測定の方法は似ていますが、長さのないダイヤモンドを使用することから薄い製品や宝石の硬度を調べる時に用いられます。
<ロックウェル硬度(単位:HR)>
1914年にアメリカのヒュー・M・ロックウェルとスタンリー・P・ロックウェルが考案した測定方法です。円錐状に作られたダイヤモンドを、調べたい石に押し込んだ際に出来たくぼみの深さで硬度測定をします。単位はHRです。
3.ダイヤモンド3つの弱点
世界一硬いと言われているダイヤモンドにも弱点があります。
・耐靭性(たいじんせい)
・親油性(しんゆせい)
・劈開性(へきかいせい)
ぱっと見だと理解しづらそうな性質ではありますが、ココからはダイヤモンドの弱点についてわかりやすく解説していきたいと思います。
3-1.①【耐靭性】衝撃を加えると割れてしまう
靭性(じんせい)とは、衝撃に対する強さ・粘り強さを指します。
「衝撃を加えた時にどれだけ割れにくいのか」ということです。
ぶっちゃけ「靭性が高いものは硬い」という考え方は間違いで「靭性が高いものは衝撃を加えられたときに割れにくい」が正しいです。
例えばゴムのボールをハンマーで叩いても割れるイメージは無いですよね!ゴムボールは粘り強い物質となるので、靭性が高いということになります。
宝石の中で最も高いモース硬度を誇るダイヤモンドの靭性は、世界一じゃないんです。
以下に、宝石を靭性ごとに分けた一覧表を書きましたのでご覧ください。
靭性 | 宝石名 |
8 | ルビー、サファイヤ、ヒスイ |
7.5 | ダイヤモンド、石英、アクアマリン |
6 | ペリドット |
5.5 | エメラルド |
5 | トパーズ、ムーンストーン |
3.5 | アパタイト |
上記の表からダイヤモンドはルビーやサファイヤよりも靭性が低く割れやすい物となります。当然ハンマーで叩いたら割れてしまいます。つまり、ダイヤモンドは粘り気が無く、衝撃には弱い宝石となります。
3-2.②【親油性】油によって輝きが無くなってしまう
ダイヤモンドは、油に馴染みやすい性質を持つ宝石となります。これを「親油性(しんゆせい)が高い」といいます。しかし、ダイヤモンドは油に弱い性質を持つのでちょっとわがままですよね。
日常生活では、化粧品やハンドクリームなどの美容品や料理油などが付着する機会が多いのかと思います。油が付着してしまうと表面に油膜が張ってしまい、ダイヤモンド本来の輝きが鈍くなってしまう可能性がありますので、お手入れにも気を付けなければいけません。
※ダイヤモンドのお手入れ方法は、5章で詳しく解説させていただきます。
3-3.③【劈開性】特定の方向からの力に弱い
ダイヤモンドは、特定の方向から力を加えるとその方向に割れる「劈開性(へきかいせい)」という性質を持つ宝石です。ダイヤモンドは正八面体の結晶でできた宝石で、特定の方向から力を加えると簡単に割れてしまうため複雑な加工はできません。
しかし、ダイヤモンドは、完全な劈開性を持つ宝石なので、皆さんにも見覚えのある形に加工しやすいという長所も兼ね備えています。
4.劈開性を生かしたダイヤモンドのカット一覧
ダイヤモンドの劈開性を活かしたメジャーなカットの種類は大きく3つに分けられます。
17世紀頃にヴェネツィアで原案が出ていたといわれる長い歴史を持つブリリアントカット。ダイヤモンドと言えば、こちらの形をイメージする方も多いのではないでしょうか。ラウンドブリリアントカットやマーキーズブリリアントカットなどの種類があるのですが、すべて58面体でカットされています。
特徴としては、正面から光を当てた時にダイヤモンドの屈折率や反射という特性を活かして最も美しく輝く形にしているのが特徴です。
1850年代に開発されたステップカット。長方形や正方形をベースとした形で、平らに研磨された面と平行して直線的にカットされていることが特徴です。6角形や8角形のカットが多く見られます。
角を僅かに切り落とすエメラルドカットは、本来はエメラルドのために特別に開発されましたが、ダイヤモンドのカッティング技術の進歩により、ダイヤモンドでもつかわれるようになりました。
ミックスカットは、美しさ重視のブリリアント、デザイン性重視のステップカットの両方の長所を兼ね備えています。
デザインはもちろん、ラディアントカットやプリンセスカットなどかわいい名前が多いことから人気を集めています。
4-1.【ブリリアント】ラウンドブリリアントカット
ダイヤモンドのカットの中で最もメジャーなカットです。ダイヤモンドと言われればこの形をイメージする方も多いのではないでしょうか。
ラウンドブリリアントカットは、ダイヤモンドの魅力を最大限に引き出す58面体のカッティングと言われていて、婚約指輪などにも使われることが多いです。カットの種類は様々ありますが、ラウンドブリリアントカットには評価基準があり5つのグレードに分けられます。
・エクセレント(EX)
・ベリーグッド(VG)
・グッド(G)
・フェア(F)
・プア(P)
エクセレントのダイヤモンドは、光の反射が美しくとても輝きのある物です。
4-2.【ブリリアント】ペアシェイプ
ペア(洋ナシ)のような形からこの名前が使われています。
ペアシェイプは縦長且つV字の形をしているので、指輪などに付石として付いていると指を細長く見せる視覚効果があるといったファッションジュエリーとしての特徴もあります。片方の端はツンと尖り、もう片方は丸みのあるぷっくりとした形となっています。
また、涙のしずくのような形にも見えることから別名ティアドロップカットと呼ばれていて、この後説明するラウンドカットとマーキスカットが合わさった形です。
4-3.【ブリリアント】ブリオレットカット
ぱっと見ただけではペアシェイプと同じような形になりますが、大き目のファセット(面の数)があるペアシェイプに対して、ブリオレットカットは細かいファセットがぐるりと全体に施されているため、熟練した職人でも加工に5~10日程かかります。
ブリオレットカットはファセットを見せる特有のカットのため、最高クラスで難しい加工だと言われています。どんな方向から光が入っても美しい輝きを見せることができます。
基本的にダイヤモンドに使われることは稀で色石につかわれることが多いです。
4-4.【ブリリアント】オーバルカット
オーバルカットは縦長の楕円形が特徴的な形で指輪やネックレスなど様々なファッションジュエリーに使われるカット方法です。ペアシェイプと同じく指を細長く見える形となっています。誰でも似合うようなベーシックなデザインながらも存在感があり、ゴージャスに見えることが魅力的です。
また、オーバルカットは歴史が深いカット方法で、エリザベス女王の王冠に使用されています。
4-5.【ブリリアント】ローズカット
ファセットが三角形になるようにカットした底面が平らなドーム型の形です。元々は暗闇の中で灯される小さな光でもきらめきが出るようにと考えられたローズカット。
見た目としては控えめな輝きになるので、オフィスカジュアルのアクセントから私服まで幅広く使える形です。
4-6.【ブリリアント】ハートシェイプ
ハートシェイプはその名の通りハート型にカットされた形で、全体的にコロンとした丸みを帯びた可愛らしいデザインです。縦横比は1:1がベストと言われていて、縦長でも横長でも無いきれいなハート型の宝石は比較的高価な物になります。
可愛らしいデザインから女性人気が高いカットの一つでもあります。
4-7.【ブリリアント】マーキスカット
ラグビーボールまたはアメフトボールのような楕円形で両端が尖っている形が特徴的です。花弁や蝶々の羽などをモチーフにしたジュエリーに使われることが多いです。マーキーズカット、マーキースカットなどと呼ばれることがあり、マーキス=侯爵夫人や女侯爵という意味を持っています。
マーキスカットは、宝石の光の通り具合や輝きと色が減ってしまう関係を含めて、厚みが出るようにすることが重要です。
4-8.【ブリリアント】トリリアントカット
三角形タイプのカット方法です。トリリオン、トリリアンなどと呼ばれることもあります。
三角形にカッティングされている宝石はすべてトリリアントカットと呼ばれます。そのため、このカット方法だからトリリアントではないというわけではありません。側面が湾曲している場合もあればしていない場合もあります。
4-9.【ブリリアント】クッションカット
ハリーウィンストンの婚約指輪などでも使用されるカットの一つです。
通称ピローカットとも呼ばれ枕をイメージしておりふんわりとした四角形が特徴的です。なお、主石として使われることが多く、クッションカットは大きいダイヤモンドを利用していることが多いため、価格も比較的高価な印象があります。
角も丸く柔らかい印象がありますが、キラキラとしたダイヤモンドとしての特徴も大いに引き出されているカットのため、婚約指輪やペンダントトップなどで使用されています。
一際目立ちたい方や特別な贈り物をしたい男性に人気なカットです。
4-10.【ステップカット】エメラルドカット
ステップカットの代表的なカット方法の一つです。長方形の形が特徴的で一番上の面が平らな形です。ダイヤモンド本来の輝きを表現できると言われているカット方法で、貴族や王妃などへの贈り物として作られたという歴史もあります。
4-11.【ステップカット】アッシャーカット
エメラルドカットと似たようなカッティングですが、アッシャーカットは正方形です。
カッティングの面が広く透明感があるため、どの角度から見てもゴージャス感が見て取れます。
毎日見ていても飽きないベーシック且つ落ち着いた輝きが魅力的です。
4-12.【ステップカット】スクエアカット
アッシャーカットと同じく、正方形の形です。
アッシャーカットは四隅がカットされていますが、スクエアカットはされていなく、きれいな正方形です。
カットの面が広くされているため、ブリリアントカットのような輝きは表現できませんが、宝石本来の色味や透明度を楽しめる形となっています。
4-13.【ステップカット】テーパーカット
ダイヤモンドのカットでは珍しい細長い台形型です。
テーパー=傾くという意味からこの名前が付けられました。アシンメトリーな形で個性が表現でき、主石を引き立てる目的でジュエリーなどに使われることもあります。
ブリリアントカットのように複雑なカットはされていないので、インクルージョンが目立ってしまうというデメリットもあります。
4-14.【ステップカット】バゲットカット
バゲットカットは、エメラルドカットとよく似ている長方形のステップカットの1つです。エメラルドカットは八角形で、バゲットカットは四角形です。バゲット=固く焼いたパンを意味していて、そこから名前が付いています。
小粒で作られることが多く、時計の文字盤やベゼル、ジュエリーの脇石として扱われることが多いです。
4-15.【ステップカット】トライアングルカット
三角形のトリリアントカットとほとんど見た目は変わりません。
特徴をわかりやすく仕分けするとしたら以下の通りになります。
ふっくらした三角形=トリリアントカット
きれいな三角形=トライアングルカット
同じ三角形のカットでもつけた時の印象が変わるので、機会があればぜひ浸けてみることをオススメします。
4-16.【ミックスカット】プリンセスカット
プリンセスカットは、ラウンドブリリアントカットを正方形にしたカット方法です。
カットの面が多く、非常に細かいことからモザイクがかかったような模様に見えることが特徴的です。
また、カット面が多いと光の反射も増えるので、ダイヤモンドの輝きを最大限に活かすことができます。
4-17.【ミックスカット】ラディアントカット
プリンセスカットの角を落としたような形で、エメラルドカットとブリリアントカットを混合させた形です。基本的には長方形ですが、正方形の人気も高いです。
両方の長所が合わさっているので、上品さと美しい輝きを最大限に楽しめます。
5.ダイヤモンドを大切に扱うための注意点
世界一の硬度を誇るダイヤモンドですが、大切に扱わないと簡単に傷がついてしまいます。ここからはダイヤモンドを取り扱う上での注意点をいくつか紹介していきたいと思います。
5-1.【汗】運動時は着用しない
ダイヤモンドはジュエリーの付石でとても人気のある宝石です。婚約指輪やファッションジュエリーなどでお持ちの方も多いのではないのでしょうか。
ダイヤモンドは親油性を持ちつつも油に弱い性質を持つ宝石となっています。
汗とともにながれる皮脂が付着してしまうと、ダイヤモンドにくすみが生まれてしまい本来の美しい輝きを失ってしまいます。
運動している時はもちろん汗をかきますから、絶対に付けちゃダメですよ。
5-2.【傷】保管する際は個別に
ダイヤモンドもモース硬度は唯一の10となっていて、他の宝石と比べても傷が付きづらい硬度を持っています。しかし、個別に保管することをおすすめします。
なぜなら、ダイヤモンドと他の宝石を一緒に保管してしまうとダイヤモンドでは無い宝石が傷ついてしまうからです。また、ダイヤモンド同士が擦りあってしまうとどちらも傷ついてしまいます。
ダイヤモンドを保管する時は、個別に保管するようにしましょう。
5-3.【熱】耐熱性の容器で保存
ダイヤモンドは炭素のみで作られている宝石です。炭素は酸素の無い真空の状態であれば約3000度まで耐えることができるので、耐熱性に優れているといえます。普段の生活を過ごす中ではダイヤモンドを熱で失うということは無いでしょう。
しかし、火事が起きてしまった場合はどうでしょう。人生何が起きるかわかりません。
自分の家は大丈夫でも、隣の家が火事になったら飛び火の可能性が高いです。酸素に触れている状態の炭素は約600度で黒鉛化し、約800度で炭化してしまいます。火事になったらダイヤモンドは簡単になくなってしまいます。
最近では、ホームセンターなどで防災グッズの入ったバッグが売っていたりします。
大切なダイヤモンドも耐熱容器に入れるなどして、防災対策をしっかりとることをおすすめします。
6.ダイヤモンドのお手入れ
ダイヤモンドは週1回もしくは2回くらいの頻度でお手入れすることをおすすめします。
ダイヤモンドは傷がつきづらい宝石ですが、油汚れには耐性がない物となっています。では、大切なダイヤモンドに汚れがついてしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。
自宅でも簡単に出来るお手入れ方法と注意点をご紹介させていただきます。
6-1.クロスでこまめに拭く
日常のお手入れは、専用のクロスで優しくふき取るだけで十分きれいになります。
多少の汚れであれば、さっと水洗いで汚れを落としてから、専用のクロスや眼鏡用クロスなどのやわらかい布で拭くだけでかなりきれいになります。
研磨剤が練りこまれているクロスは絶対にNGです。購入する際には、研磨剤の入っていないクロスを選んでください。
6-2.中性洗剤とブラシで細かい部分の汚れを取る
汚れが強いときは刺激の少ない中性洗剤を数滴入れた水に浸け置きしてみましょう。一晩ほど浸け置きした後は柔らかくて清潔な歯ブラシを使って細かい汚れを取り除いていきます。
あまり強い力でゴシゴシしてしまうと細かい傷がついてしまい、宝石としての価値が下がってしまう可能性があるので注意してください。水で軽くすすいだ後に専用のクロスで優しく拭き取ってあげると油分をきれいにふき取ることができます。
6-3.注意が必要、超音波洗浄
買取店でよくあるお手入れ方法として、超音波洗浄機を使用しているところも少なくありません。低周波の電波で液体を揺らすことによって、人の手では届きにくいところの汚れを落とすことのできる方法です。
ただし、注意点があります。
傷が入っているダイヤモンドやつけ方が甘いジュエリーだった場合は、欠けの原因や台座から外れてしまう可能性があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、ダイヤモンドの硬度について解説させていただきました。
世界一硬いといわれているダイヤモンドですが、モース硬度ありきで衝撃にはそこまで強いわけでは無いんです。保管方法によって簡単に傷がついてしまうことから、お手入れや日常生活でも気を付けなければいけないところは多々ありますが、知名度・人気度も含めダイヤモンドが世界一の宝石であることは間違いありません。
硬度を理解することによって、美しいダイヤモンドを保つための知識になれば幸いです。