【2026年最新】セリーヌの歴代デザイナー一覧|創業から現在まで完全解説
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タイムレスな魅力で女性を惹きつける「セリーヌ(CELINE)」。昔のお気に入りやヴィンテージ品を見返した際、時代によってデザインのテイストが大きく異なることに気づく方も多いのではないでしょうか。セリーヌのデザインには、その時代を率いた歴代デザイナーの哲学や世界観が色濃く反映されています。
本記事では、創業者のセリーヌ・ヴィピアナから最新のマイケル・ライダーまで、歴代デザイナーの系譜を紐解きます。名作バッグを中心に彼らの功績をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 1.セリーヌ(CELINE)の歴代デザイナー一覧と変遷
- 2.【創業期】セリーヌ・ヴィピアナ時代(1945年〜1997年)
- 3.【NY風エレガンス】マイケル・コース時代(1997年〜2004年)
- 4.【素材革命の試み】ロベルト・メニケッティ時代(2004年〜2005年)
- 5.【リアルクローズへの回帰】イヴァナ・オマジック時代(2005年〜2008年)
- 6.【黄金期の到来】フィービー・ファイロ時代(2008年〜2018年)
- 7.【ロック&クラシックの融合】エディ・スリマン時代(2018年〜2024年)
- 8.【新時代の幕開け】マイケル・ライダー時代(2025年〜現在)
- 9.セリーヌの「年代」を見分けるポイント
- 10.歴代デザイナーの物語を知るとセリーヌがもっと好きになる
1.セリーヌ(CELINE)の歴代デザイナー一覧と変遷

セリーヌは1945年の創業以来、時代を代表するトップデザイナーたちが舵を取ってきました。まずは、ブランドの歴史を彩ってきた歴代デザイナーの年表と、デザイン哲学の変化を分かりやすく整理して紹介します。
1-1.歴代デザイナー年表・比較表
セリーヌの歴代デザイナーとそれぞれの就任期間、代表的なバッグを一覧にまとめました。
| 就任期間 | デザイナー名 | 代表作・特徴 |
| 1945年–1997年 | セリーヌ・ヴィピアナ | サルキー(馬車)、トリオンフ、マカダム柄 |
| 1997年–2004年 | マイケル・コース | ブギーバッグ、パリマカダム |
| 2004年–2005年 | ロベルト・メニケッティ | ハイテク素材・スポーティーな挑戦 |
| 2005年–2008年 | イヴァナ・オマジック | 女性目線のリアルクローズ |
| 2008年–2018年 | フィービー・ファイロ | ラゲージ、カバ、トラペーズ(オールドセリーヌ) |
| 2018年–2024年 | エディ・スリマン | 16(セーズ)、トリオンフ |
| 2025年–現在 | マイケル・ライダー | ニュー・ラゲージ、ソフト・トリオンフ |
1-2.時代ごとに変わるデザイン哲学
セリーヌの歴史は、デザイナーの交代とともにデザインの方向性がドラマチックに移り変わってきた歩みでもあります。創業者のヴィピアナ時代に提案したのは、上流階級向けの機能的でエレガントな「日常着(クチュール・スポーツウェア)」でした。
その後、マイケル・コースがNY風の華やかで実用的なラグジュアリーを持ち込み、過渡期を経て就任したフィービー・ファイロは、装飾を削ぎ落とした「知的なミニマリズム」で世界的なブームを巻き起こします。さらにエディ・スリマンは、ロックでクラシカルなパリジャン・スタイルと「トリオンフ」の復活によりブランドを急成長させました。
そして現在は、マイケル・ライダーがこれまでの歴史を現代的に融合させる新しいフェーズへと差し掛かっています。ブランドの根底にある「女性の実生活に寄り添う美しさ」を守りながらも、その時代の空気感を柔軟に取り入れて進化したことこそ、セリーヌが長く愛され続ける理由と言えます。
2.【創業期】セリーヌ・ヴィピアナ時代(1945年〜1997年)

今日のラグジュアリーブランドとしてのセリーヌは、創業者セリーヌ・ヴィピアナの妥協なきクラフトマンシップと、時代を先取りする自由な発想から始まりました。数々のモチーフが生み出された創業期の歴史を振り返ります。
2-1.オーダーメイド子供靴店からのスタート
セリーヌの歴史は1945年、パリのマルテ通りに開いたオーダーメイドの子供靴専門店から幕を開けました。創業初期の象徴となったのが、風刺漫画家レイモン・ペイネが描いた「赤いゾウ」のロゴです。
店舗を訪れた子供たちへこの赤いゾウのミニチュアを贈るなど、細やかな心遣いと足の構造に配慮した上質な靴作りは、パリの上流階級の間で瞬く間に評判となりました。この子供靴作りで培われた素材選びや耐久性へのこだわりこそが、後のバッグ制作へ受け継がれる靴メゾンとしての原点です。
2-2.「サルキーバッグ」の大ヒット
1960年代後半、ブランドの成長とともに登場し、一世を風靡したのが二輪馬車を描いたアイコン「サルキー」です。フランスの伝統的な馬具作りの気品と、夫リシャールへの敬意を込めて作られたこのモチーフは、バッグのゴールド金具やキャンバスプリントとして幅広く展開されました。サルキーがあしらわれた上品で実用的なバッグは、パリジャン・スタイルの象徴として流行しました。
2-3.「トリオンフ」の誕生
セリーヌの代名詞でもある「トリオンフ」は、偶然の出来事から誕生したデザインです。1971年、パリのエトワール広場で車がエンストした際、ヴィピアナは凱旋門を囲む装飾チェーンのリンクに着目しました。
2つの「C」が背中合わせに交差するデザインに魅せられた彼女は、凱旋門(=勝利の門)にちなんで「トリオンフ(勝利)」と名付け、メゾンを象徴するモチーフとして1973年に正式採用します。このモチーフは、今もセリーヌで一番人気のアイコンとなっています。
2-4.「マカダム柄」を発表
1970年代から1990年代にかけて絶大な人気を集めたのが、クラシカルな雰囲気を纏う「マカダム柄」です。マカダム(Macadam)とはフランス語で「砕石」を意味し、パリの舗装された石畳からインスピレーションを受けて作られました。
細かく砕かれた石が幾何学模様のように規則正しく並ぶコーティングキャンバスは、耐久性と軽量さを兼ね備え、デイリーユースできるラグジュアリーとして世界中で愛用されました。
2-5.「クチュール・スポーツウェア」の確立
装飾的で堅苦しいオートクチュールが主流だった1960年代、ヴィピアナはアクティブに社会進出する女性たちに着目しました。そこで彼女が提案したのが、着心地の良さと上品さを両立させた「クチュール・スポーツウェア」という新しい概念です。
動きやすいウールスーツや上質なレザーコート、軽快なモカシンなど、働く女性の日常に寄り添うリアルクローズを次々と発表しました。子供靴から始まったセリーヌは、バッグや小物、レディース向けのファッションを展開し、ブランドの地位を築いていきます。
2-6.LVMH傘下への加入
世界的なブランドへと急成長を遂げる一方、さらなるグローバル展開を目指し、セリーヌは1987年にLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループからの資本参加を受け入れました。そして1996年には、正式に同グループへ買収統合されます。巨大グループならではの資金力と世界的な販売網を得たことで、メゾンは世界有数のラグジュアリーブランドとしての不動の基盤を確立しました。
なお、創業者のセリーヌ・ヴィピアナは、1997年に81歳でこの世を去るその瞬間まで筆頭デザイナーとして現場に立ち続け、半世紀以上にわたってブランドの美学を守り抜きました。
3.【NY風エレガンス】マイケル・コース時代(1997年〜2004年)
創業者セリーヌ・ヴィピアナの後を継ぎ、ブランドの近代化を託されたのがアメリカ出身のデザイナー、マイケル・コースです。ニューヨークの洗練された感性とパリの伝統的なエレガンスを融合させ、セリーヌに新しい風を吹き込みました。
3-1.初のプレタポルテを発表
1997年、マイケル・コースはセリーヌ初となるプレタポルテ(高級既製服)部門のデザイナーに就任しました。彼が提案したのは、機能的でありながらラグジュアリーな「アメリカン・スポーツウェア」の要素を取り入れた日常着です。
着心地の良さと都会的な華やかさを兼ね備えたコレクションは世界中で高く評価されました。これにより、セリーヌはレザーグッズ中心のブランドから、総合ファッションメゾンへと大きな飛躍を果たします。
3-2.「ブギーバッグ」が流行
マイケル・コース時代を象徴する伝説的な名作バッグといえば、2002年に登場した「ブギーバッグ」です。「荷物をポンポンと放り込めて、車にもサッと持ち込めるバッグ」をコンセプトに作られたスクエア型のトートバッグで、抜群の収納力と自立するフォルムが特徴です。かっちりとした高級感がありながらデイリーに使えるデザインが受け、海外セレブや働く女性たちの間で流行しました。
3-3.「パリマカダム」の登場
伝統的なマカダム柄にカジュアルなデニム生地を掛け合わせた「パリ・マカダム」も、この時代を彩った人気ラインです。クラシカルなモノグラム柄に軽快なインディゴデニムやキャンバス素材を組み合わせることで、従来のセリーヌにはなかった若々しくスポーティーな表情をプラスしています。ラグジュアリーでありながら日常のコーディネートに取り入れやすい親しみやすさが受けて、幅広い年代から支持を集めました。
3-4.収益拡大への貢献と退任
マイケル・コースは洋服だけでなくヒットバッグを次々と生み出し、セリーヌの売上を飛躍的に伸ばしました。経営面でも大成功を収め、ブランドの存在感を世界的なものへと引き上げた彼は、自身の冠ブランドに専念するため2004年に惜しまれつつ退任します。実用性と華やかさを両立させた彼の7年間は、セリーヌが「現代的で実用的な高級ブランド」へと脱皮するうえで欠かせない重要な時代となっています。
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4.【素材革命の試み】ロベルト・メニケッティ時代(2004年〜2005年)
マイケル・コースの後任として白羽の矢が立ったのは、「バーバリー・プローサム」を成功へと導いたイタリア出身のデザイナー、ロベルト・メニケッティです。ジルサンダーの元アシスタントであった彼は、ハイテク素材と上質な仕立てを組み合わせる革新的なアプローチをしました。
4-1.わずか1年での退任とミニマリズムへの布石
しかし、彼の先進的すぎるデザインアプローチは、当時のセリーヌが持っていたエレガントなイメージとすれ違いを生むことになります。市場からの評価やブランドの方向性との相違もあり、彼はわずか2シーズン(約1年)で惜しまれつつ退任することとなりました。短い在任期間ではあったものの、余計な装飾を削ぎ落とすミニマリズムの思想や素材へのこだわりは、後に訪れるセリーヌ黄金期(フィービー時代)への大切な布石となったのです。
5.【リアルクローズへの回帰】イヴァナ・オマジック時代(2005年〜2008年)
次のデザイナーに選ばれたのは、PRADAやMIU MIUなどでキャリアを重ねてきたクロアチア出身の女性デザイナー、イヴァナ・オマジックです。女性ならではのリアルな視点を取り入れ、セリーヌの原点である日常着へと立ち返った人物です。
イヴァナ・オマジックによる約3年間の在任期間は、ブランドのベースにある「女性の実生活に寄り添う美しさ」を改めて取り戻した重要なステップと言えます。前衛的な路線で揺れていたブランドを落ち着かせ、次なるフィービー・ファイロ時代の大飛躍へと繋ぐ見事な架け橋となりました。
6.【黄金期の到来】フィービー・ファイロ時代(2008年〜2018年)

クロエを世界的ブランドへと成長させた伝説的デザイナー、フィービー・ファイロの着任により、セリーヌはブランド史上最大の「黄金期」を迎えます。世界中の女性を熱狂させた、知性とエレガンスが同居する10年間の歩みを解説します。
6-1.「クール・ミニマリズム」と飛躍的成長
2008年にクリエイティブ・ディレクターへ就任したフィービー・ファイロが掲げたのは、無駄な装飾を徹底的に削ぎ落とした「クール・ミニマリズム」でした。「女性が自分自身のために着る服」をテーマに創り出されるタイムレスで洗練されたデザインは、現代を生きる働く女性たちから絶大な支持を獲得します。彼女の創り出す知的でハンサムな世界観は世界的なトレンドとなり、セリーヌの業績とブランド価値を劇的に跳ね上げたのです。
6-2.一世を風靡したヒットバッグ
フィービーが在任した約10年間は、ファッション界の歴史に残る大ヒットバッグが数多く発表されました。
6-2-1.ラゲージ(Luggage)
2010年に発表され、フィービー時代の代名詞として世界中で爆発的に売れたのが「ラゲージ(Luggage)」です。波打つようなレザーの曲線とフロントのジップポケットが織りなす、どこか愛嬌のある顔のようなフォルムが大きな特徴です。サイドのマチを外側に広げることで収容量を調節できる実用性も備えており、ナノやマイクロといった豊富なサイズ展開と多彩なカラーバリエーションで一世を風靡しました。
6-2-2.トラペーズ(Trapeze)
フランス語で「台形」を意味する「トラペーズ(Trapeze)」は、2011年に登場した洗練された佇まいが魅力のバッグです。端正なフラップデザインに、羽のように大きく広がるサイドのマチを組み合わせた立体的なフォルムが目を惹きます。表革とスエードなどの異素材ミックスや、美しい色合わせのモデルが豊富にラインナップされ、通勤スタイルのおしゃれをワンランク引き上げるバッグとして一目置かれる存在となりました。
6-2-3.トリオ(Trio)
2011年に登場した「トリオ(Trio)」は、3つのスナップボタン式ポーチが1つに合体した画期的なショルダーバッグです。上質なサテンカーフやスエードで作られた薄型のフォルムは、身軽に出かけたい女性の心をつかみました。
ポーチはそれぞれ取り外すことができ、中央だけ外して2連にしたり、単体でクラッチバッグや化粧ポーチとして使ったりと、自由自在なアレンジも魅力です。装飾を省いた究極のミニマルデザインでありながら、抜群の使い勝手を誇る名作として長く愛されました。
6-2-4.トロッター(Trotteur)
フランス語で「放浪者」や「旅人」を意味する「トロッター(Trotteur)」は、フラップ付きのショルダーバッグです。丸みを帯びたやわらかな馬蹄型のフォルムと、フロントにあしらわれた控えめな金属プレートの留め具がアクセントとなっています。
コンパクトながらマチがしっかり取られており、お財布やスマートフォンがスマートに収まるサイズ感も人気の理由です。デイリー使いから旅行のお供まで、アクティブに動く現代女性のライフスタイルに寄り添うデザインとして支持を集めました。
6-2-5.カバ(Cabas)
「カバ(Cabas)」は、上質なレザー一枚で仕立てられた極限までシンプルなトートバッグです。それまでの高級レザーバッグにあった「重い・堅苦しい」というイメージを覆し、圧倒的な軽さと極上の手触りを実現しました。
無造作に荷物を放り込める実用性と、大人の余裕を感じさせる無駄のない佇まいは、通勤バッグの新しい定番として大ブレイクを果たします。縦長や横長の定番トートからバイカラーモデルまで、多彩なバリエーションで多くの女性を魅了しました。
6-3.「オールドセリーヌ」現象と中古市場での価格高騰
2018年にフィービー・ファイロが退任を表明すると、彼女が手がけた時代のアイテムを惜しむ「オールドセリーヌ(Old Céline)」と呼ばれるムーブメントが巻き起こりました。ブランドロゴの「É」からアクセント記号(アカンサス)が消える前のコレクションや、フィービー時代に誕生したヒットバッグたちは、彼女のファン(通称フィビピアン)を中心に絶大な人気を誇ります。
廃盤となった「トリオ」や「トラペーズ」をはじめ、コンディションが良い状態のアイテムは中古・ヴィンテージ市場で価格が高騰しています。
7.【ロック&クラシックの融合】エディ・スリマン時代(2018年〜2024年)

ディオール オム(現ディオール)やサンローランで世界的なファッションムーブメントを巻き起こした天才、エディ・スリマン。2018年に就任した彼の手により、セリーヌはロックテイストとパリジャン・クラシックが融合した刺激的なブランドへと進化を遂げます。
7-1.「CELINE」へのロゴ刷新と衝撃のデビュー
着任早々、エディ・スリマンはブランドのロゴから「É」のアクセント記号を取り除き、1960年代の創業期に使われていたシンプルな「CELINE」ロゴへと刷新しました。デビューとなる2019年春夏コレクションでは、前任のフィービーのナチュラルなミニマリズムから一変、エディの真骨頂であるスリムなテーラードスタイルやロック調のレザージャケットを全面に押し出します。
伝統あるメゾンにストリートやユースカルチャーの鋭い感性を吹き込んだ大胆なモデルチェンジは、世界中のファッション界に衝撃を与えました。
7-2.「トリオンフ」の復活と大ヒット
エディ・スリマン最大の功績の一つが、創業者ヴィピアナ時代に誕生した「鎖の紋章」を現代に復活させたことです。1970年代の伝統的なアーカイブに着目した彼は、凱旋門の鎖モチーフをモダンに再解釈し、「トリオンフ」として生まれ変わらせました。
モチーフをあしらったモノグラム柄の「トリオンフ キャンバス」や、ゴールドのトリオンフ金具が輝くレザーグッズは、Z世代をはじめとする若年層から大人の女性までを瞬く間に魅了し、空前の大ブームを巻き起こします。
7-3.16(セーズ)を発表
エディ・スリマンがセリーヌのデザイナーに就任して、はじめてデザインしたのが「16(セーズ)」です。名前の由来は、パリにあるセリーヌの本社兼アトリエのアドレスである、ヴィヴィエンヌ通り16番地にちなんでいます。
16(セーズ)は、独特なフラップデザインや「CELINE」の文字が刻印されたゴールド金具が特徴です。タイムレスな気品と上質なレザーの美しさを兼ね備えており、発売前に海外セレブが手にしたことでも世界的な話題を呼び、新生セリーヌの格調高いエレガンスを象徴するアイコンとなりました。
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8.【新時代の幕開け】マイケル・ライダー時代(2025年〜現在)
2025年に新デザイナーに就任したのがマイケル・ライダーです。メゾンの歴史を深く知る彼の手によって、セリーヌは伝統と革新が共存する新たな黄金期へと歩みを進めています。
8-1.マイケル・ライダーの経歴
マイケル・ライダーは、かつてバレンシアガでキャリアを積み、フィービー・ファイロ時代のセリーヌでシニア・デザイン・ディレクターとして約10年間にわたり手腕を振るった人物です。その後、ポロ ラルフ ローレンのクリエイティブ・ディレクターを歴任し、タイムレスなアメリカン・トラッドの美学を学んでいます。フィービー時代の黄金期を支えた実績と、ブランドに深い理解を備えた実力派として、満を持してメゾンへの復帰を果たしました。
8-2.「ニュー・ラゲージ」を発表
就任後、彼がまず打ち出したアプローチが、フィービー時代の伝説的アイテムを現代的に昇華させた「ニュー・ラゲージ」の発表でした。かつてのアイコニックなフォルムは尊重しつつ、現代のライフスタイルに合わせて軽量化を追求しています。
しなやかで上質なレザーの質感と洗練されたカラーパレットを取り入れることで、クラシカルでありながら軽快に持てるアップデートを実現しました。オールドセリーヌのファンはもちろん、新しい世代の顧客からも支持を集めています。
8-3.「ソフト・トリオンフ」の登場
「ソフト トリオンフ(Soft Triomphe)」も注目されているシリーズです。最大の特徴は、極上のラムスキンなどを用いた軽量でくったりとした質感です。従来の端正なボックス型よりも日常のスタイリングにスッと溶け込み、カジュアルにも合わせやすいフォルムをしています。ラインナップには、美しい曲線が身体にフィットする半月型の「ハーフムーン」や、収納力に優れアクティブに持てる「ブザス」といったモデルがあります。
9.セリーヌの「年代」を見分けるポイント
昨今のヴィンテージブームに伴い、昭和〜平成初期の「オールドセリーヌ」の人気が世界的に再燃しています。「手元にあるセリーヌはどの時代のもの?」「これってヴィンテージ?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。セリーヌのバッグは、デザイナーの交代やブランドの節目に合わせて仕様が変化してきました。
ここでは、バッグがどの年代に作られたものかをパッと一目で見分けるための、2つのチェックポイントを解説します。
9-1.①ロゴ表記(「É」の有無)
最も分かりやすい判別ポイントが、ブランドロゴの「E」の上にあるアクセント記号(アクサン・テギュ「É」)の有無です。
・「CÉLINE」(アクサンあり)
フィービー・ファイロ時代(〜2018年)以前に製造されたモデルです。ヴィンテージ品や「オールドセリーヌ」と呼ばれる人気の高い過去作品には、この旧ロゴが使用されています。
・「CELINE」(アクサンなし)
エディ・スリマンが就任した2018年以降の現行ロゴです。1960年代の創業期のフォントに着想を得てアクセント記号を取り除き、シンプルでモダンな表記へと刷新されました。ブランドタグやバッグ表面のプリント・刻印を見るだけで、2018年以前か以降かを一瞬で見分けることができます。
9-2.②モノグラム・柄の違い(マカダム vs トリオンフ)
セリーヌを代表する総柄(モノグラム)も、時代によって主流のデザインが異なります。
・マカダム柄(Macadam)
1980年代から2000年代初頭(マイケル・コース時代など)に大ヒットした柄です。パリの石畳をイメージしたレトロでクラシカルなデザインが特徴で、ブラウン系やデニム生地(パリ・マカダム)など、ノスタルジックな雰囲気を醸し出します。近年のヴィンテージブームによって人気が再沸騰しており、中古市場でも探している人が多い注目のラインです。
・トリオンフ キャンバス(Triomphe Canvas)
創業期の「鎖の紋章」をベースに、エディ・スリマンが2018年以降にモダンに復刻させた柄です。シャープで洗練されたモチーフの配置と、耐久性に優れたキャンバス素材が組み合わされており、近年のトレンドを象徴する柄となっています。
10.歴代デザイナーの物語を知るとセリーヌがもっと好きになる
セリーヌのバッグがいつの時代も女性たちの心を惹きつけるのは、歴代の天才デザイナーたちが時代ごとの生き方に寄り添い、情熱を注いできたからです。創業者の実用的な美学から始まり、マイケル・コースの華やかさ、フィービーの知的なミニマリズム、エディのシックなロック感、そしてマイケル・ライダーが描くしなやかな新時代へ進化していきます。
ヴィンテージとして今なお価値が高まる「オールドセリーヌ」のように、時代を超えて受け継がれるタイムレスな価値こそがセリーヌの魅力です。ぜひ歴史の物語を感じながら、自分らしいコーディネートを楽しんでください。







